(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】電気接続テープ
(51)【国際特許分類】
B23K 35/14 20060101AFI20220106BHJP
B23K 35/363 20060101ALI20220106BHJP
B23K 35/40 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
B23K35/14 D
B23K35/363 D
B23K35/363 E
B23K35/40 340C
B23K35/40 340H
(21)【出願番号】P 2017542083
(86)(22)【出願日】2016-02-10
(86)【国際出願番号】 US2016017331
(87)【国際公開番号】W WO2016130662
(87)【国際公開日】2016-08-18
【審査請求日】2017-09-21
【審判番号】
【審判請求日】2019-12-05
(32)【優先日】2015-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598085065
【氏名又は名称】アルファ・アセンブリー・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALPHA ASSEMBLY SOLUTIONS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン・デーン・プロコピアック
(72)【発明者】
【氏名】サンヨギタ・アローラ
(72)【発明者】
【氏名】ランジット・エス・パンサー
(72)【発明者】
【氏名】エレン・エス・トーメイ
(72)【発明者】
【氏名】バワ・シン
【合議体】
【審判長】池渕 立
【審判官】井上 猛
【審判官】粟野 正明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2007/125650(WO,A1)
【文献】特開2008-300443(JP,A)
【文献】国際公開第2013/062095(WO,A1)
【文献】特開2011-123277(JP,A)
【文献】実開昭59-21650(JP,U)
【文献】特開平8-250846(JP,A)
【文献】特開2001-164210(JP,A)
【文献】特開昭61-276873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 35/00-35/40
H05K 3/34
H01L 21/60
C09J 7/00-7/50
C09J 9/00,9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアフィルム
に、
はんだ粉末及びはんだ付用フラックスを含有する組成物
が塗布され、乾燥されることによって得られた電気接続テープであって、
前記組成物が、前記はんだ付用フラックスを
50wt%から70wt%含有し、且つ前記はんだ粉末を30wt%から
50wt%含有することを特徴とする電気接続テープ。
【請求項2】
前記組成物が、はんだ付用フラックスを含有し、前記はんだ粉末が前記はんだ付用フラックス中に配されている請求項1に記載の電気接続テープ。
【請求項3】
前記組成物が、エポキシ及び/又はアクリルを含む請求項2に記載の電気接続テープ。
【請求項4】
前記組成物が、エポキシ及びアクリルの少なくともいずれかを含有する請求項1に記載の電気接続テープ。
【請求項5】
前記組成物が、フィラー材料を含み、前記フィラー材料が、ガラスフリットを含む請求項1に記載の電気接続テープ。
【請求項6】
前記組成物が、添加剤を含み、前記添加剤が、サーモクロミック染料を含有する請求項1に記載の電気接続テープ。
【請求項7】
はんだ付用フラックス、及び、エポキシ及び/又はアクリルの少なくともいずれかを含有する組成物を準備することと、
はんだ粉末を前記組成物に添加することと、
前記はんだ粉末を添加した前記組成物をキャリアフィルム上にキャスティングすることと、
乾燥炉で、前記キャリアフィルムを乾燥させ、乾燥テープを作製することと、
前記乾燥テープを所望の幅に切断して電気接続テープを作製することと
を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電気接続テープの製造方法。
【請求項8】
前記テープの乾燥炉での乾燥が、5分間から15分間、前記組成物の溶剤の沸点より10℃から15℃低い温度で、前記テープを乾燥することを含む請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、参照により本明細書にその全体を援用する、2015年2月11日出願の米国特許出願第62/114,820号、発明の名称「電気接続テープ」に対し35USC119(e)条に基づく利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
本開示は電気的又は機械的部品を接合するための材料に関するものであり、より詳細には、電子部材及びそれに関連する機器を電子基板に付着させるための材料に関する。
【0003】
電子機器がより発達するにつれ、ますます微細なピッチの金属化部を、基板の各種組み合わせ間で、迅速に接続することがますます難しくなっている。基板の種類によるが、従来において、これらの接続は、はんだペースト又は異方性導電ペースト(ACP)のスクリーン印刷、異方性導電フィルム(ACF)の塗布、又はプリフォーム、ウェーブソルダリング、ワイヤーボンディング又はソルダーワイヤーの使用により形成される。しかし、これら方法のそれぞれが個々の欠点を有する。スクリーン印刷技術ではピッチが限られ、フレックス取り付け等、多くの用途に適用することができない。ACFは、圧力に大いに依存し、低電流接続のみを達成し、経時劣化し、製造が高価である。プリフォームは、プロセス中にはんだ付着物を所定位置に維持するため前記はんだ付着物の中又は周辺に配置される必要がある。ウェーブソルダリングは、多大な量のエネルギーを必要とし、多くの取り付け用途に適用することができない。ワイヤーボンディングは比較的遅くて高価なプロセスであり、多くの用途において過大な信頼性の問題がある。最後に、糸はんだも遅いプロセスで、基板の好ましくない領域にフラックス又ははんだを飛散させる傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一態様は、キャリアフィルムと、はんだ粉末を含有する組成物であって、前記キャリアフィルムに塗布された組成物とを含む熱管理電気接続テープ(a thermal managing electrical connection tape)に関する。
【0005】
前記テープの実施形態は、はんだ付用フラックスを前記組成物中に更に含んでいてもよく、前記はんだ粉末を有する前記はんだ付用フラックスが前記組成物中に配されている。前記組成物は、はんだ付用フラックスを約50wt%から約70wt%含有していてもよい。前記組成物は、更にはんだ粉末を約30wt%から約50wt%含有していてもよい。前記組成物は、エポキシ及び/又はアクリルによりパターニングされていてもよい。前記組成物は、エポキシ及びアクリルの少なくともいずれかを含有していてもよい。前記組成物は、「吸着カップ(suction cup)」形態を有していてもよい。前記組成物は、高圧下で信頼性を増加させるフィラー材料を含有していてもよい。前記フィラー材料は、ガラスフリットを含んでいてもよい。前記組成物は、加工温度評価及び残渣評価のための添加剤を更に含有していてもよい。前記添加剤は、ロイコ「サーモクロミック」染料、ロイコ系「サーモクロミック」染料、及び液晶「サーモクロミック」染料の少なくともいずれかを含有していてもよい。
【0006】
本開示の他の態様は、熱管理電気接続テープの製造方法に関する。一実施形態において、前記方法は、はんだ付用フラックス、及び、エポキシ及び/又はアクリルの少なくともいずれかを含有する組成物を準備することと、はんだ粉末を前記組成物に添加することと、前記組成物をキャリアフィルム上にキャスティングすることと、乾燥炉で、前記キャリアフィルムを乾燥させ、乾燥テープを作成することと、前記乾燥テープを所望の幅に切断して熱管理電気接続テープを作成することとを含む。
【0007】
前記方法の実施形態は、前記組成物がはんだ粉末を約10wt%から約70wt%含有することを更に含んでもよい。前記組成物は、更に、はんだ付用フラックスを約30wt%から約90wt%含有していてもよい。前記テープの乾燥炉での乾燥は、5分間から15分間、前記組成物の溶剤の沸点より10℃から15℃低い温度で、前記テープを乾燥することを含んていてもよい。
【0008】
本開示の他の態様は、熱管理電気接続テープを含む組立品を製造する方法に関する。一実施形態において、前記方法は、弾力性のあるキャリアフィルムと、前記キャリアフィルムに塗布され、はんだ付用フラックス及びはんだ粉末を含有する組成物と、を含むテープを、接続されるメタライゼーションを含む2つの基板の間に貼り付けることと、前記貼り付けられたテープ及び基板を前記はんだ粉末の融解温度まで加熱することと、前記テープを冷却することとを含み、前記加熱において、温度の上昇につれ、前記組成物が塗布された前記キャリアフィルムを溶融し、一旦、前記キャリアフィルムのバルク溶融が開始すると、前記はんだ付用フラックスが脱酸素されて、前記はんだ粉末の輸送機構として働き、前記融解温度に達したとき、前記脱酸素されたはんだは前記基板メタライゼーションのみを濡らし、乗り上げられたはんだ粉末は液体フラックスにより所望のメタライゼーション領域に輸送されることを含む。
【0009】
前記方法の実施形態は、90℃から187℃の温度及び0.02psiから33psiの圧力で、1秒間から10秒間で、前記2つの基板の間の前記テープの貼り付けが行われることを更に含んでいてもよい。前記はんだ粉末の前記融解温度は、137℃から289℃の間であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態のテープの概略図である。
【
図2】
図2は、本開示の他の実施形態のテープの概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の他の実施形態の吸着カップ形態を有するデープの概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の他の実施形態のテープの概略図である。
【
図5】
図5は、本開示の他の実施形態のテープの概略図である。
【
図6】
図6は、本開示の他の実施形態のテープの概略図である。
【
図7】
図7は、熱管理電気接続テープの使用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の適用は、下記の記載で記述される又は図面で説明される構造の詳細及び構成要素の配置に限定されるものではない。本発明は、実施形態として示すことができ、また、本発明は、本願明細書中で例示的に示される実施形態を超え、様々な方法で実用化又は実行されることができる。
【0012】
本開示の実施形態の熱管理電気接続テープは、金属の他の金属との親和性を利用するように設計されたものである。本開示の実施形態の熱管理電気接続テープは、弾力性のあるテープと、前記テープに塗布され、はんだ付用フラックス及びはんだ粉末を含有しするフラックス組成物とを含む。前記テープは、接続されるメタライゼーションをそれぞれ含む2つの基板の間に貼り付けられる(又は所定位置に収まるように押し込まれる)。ある実施形態では、基板は、銅、銀、錫、金等の適当な金属により作成することができる。そして、時より「TMECT」と参照される前記熱管理電気接続テープは、基板に使用される特定の金属又は合金の融解温度に達するような温度分布により加熱される。ある実施形態において、加熱温度及び時間は、使用される金属又は合金、また、基板の膜厚及び基板の種類によって異なる。例えば、前記加熱温度は前記金属又は合金の融解温度より10℃から20℃高い温度であってよく、前記加熱時間は20秒間から30秒間の間であってよい。温度が上昇するにつれ、前記弾力性のあるキャリアフィルム及び前記はんだ付用フラックス/はんだ粉末組成物を有する前記テープは溶融する。一旦バルク溶融が開始すると、前記フラックスが脱酸素し、また、前記はんだの輸送機構として働く。前記はんだ合金の融解温度に達したとき、前記脱酸素されたはんだは前記基板メタライゼーションのみを濡らし、乗り上げられたはんだ粉末は液体フラックスにより所望のメタライゼーション領域に輸送される。前記はんだが前記メタライゼーションに輸送された後、前記試料全体は冷却される。最終製品は、前記メタライゼーション領域でのみ電気的に接続された2つの基板であり、完全に電気的に絶縁された(isolated)接続を有する。
【0013】
図1を参照すると、熱管理電気接続テープは、通常、100で示され、はんだ付用フラックス組成物110が塗布された弾力性のあるフィルム120を含む。図示さているように、前記フラックス組成物110は、はんだ付用フラックスと、前記はんだ付用フラックスに取り込まれた又は埋没されたはんだ粉末140とを含有する。いくつかの実施形態においては、前記フィルム120は、材料塗布に適したキャリアフィルムを含んでいてもよい。前記フレックス組成物110は、溶剤、ポリマー、活性剤、ロジン又は樹脂、腐食防止剤、又はこれら成分の組み合わせを含有していてもよい。いくつかの実施形態では、前記溶剤は、メチルシクロヘキサン又はエタノールであってもよい。いくつかの実施形態では、前記ポリマーは、Versamid(登録商標)940又はポリビニルピロリドン(PVP)であってもよい。いくつかの実施形態では、前記活性剤は、アジピン酸等のジカルボン酸、又はジブロモブテンジオール、又はヨード安息香酸、又はシクロヘキシルアミン塩酸塩であってもよい。いくつかの実施形態では、前記樹脂は、例えば、Dymerexであってもよい。ある実施形態では、前記腐食防止剤は、例えば、ベンゾトリアゾールであってもよい。
【0014】
前記はんだ粉末140は、前記フラックス組成物110の前記はんだ付用フラックスと親和性を有する。いくつかの実施形態では、前記はんだ粉末140は、無鉛はんだを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、はんだ粉末140は、錫、銀及び銅の混合物を含んでいてもよい。例えば、はんだ粉末140は、SAC305はんだ合金を含んでいてもよい。はんだ粉末140は、用途に適合するいかなるサイズの粒子を含んでいてもよい。例えば、はんだ粉末140は、25μmから45μmのタイプ3粒子径を有していてもよい。前記フラックス組成物110と適合する、いかなる適当なはんだを提供することができる。
【0015】
前記フラックス組成物110と、はんだ粉末140とは、いかなる混合組成であってもよい。前記組成は、最終用途により異なる。いくつかの実施形態では、前記フラックス組成物110は、約10wt%から約70wt%のはんだ粉末140、及び約30wt%から約90wt%のはんだ付用フラックスを含有していてもよい。他の実施形態では、前記組成物110は、約30wt%から約50wt%のはんだ粉末140、及び約50wt%から約70wt%のはんだ付用フラックスを含有していてもよい。例えば、前記フラックス組成物110は、約40wt%のはんだ粉末140及び約60wt%のはんだ付用フラックスを含有するスラリーを含んでいてもよい。前記スラリーを前記フィルム120上にキャスティングし、乾燥炉中で乾燥し、所望のフィルム幅に切断してTMECTを作成してもよい。例えば、前記キャスティングされたスラリーの厚みにもよるが、約5分間から約15分間で、前記乾燥温度は、前記溶剤の沸点より約10℃から約15℃低い温度であってもよい。
【0016】
図2を参照すると、TMECTは、通常、200で示され、前記フラックス組成物110内に挿入されたエポキシ及び/又はアクリル250でパターニングされる。前記エポキシ及び/又はアクリルでパターン化されたTMECT200は、強度を増し、加工基板のボンドラインを増加させる性能を増すように設計される。また、前記エポキシ及び/又はアクリルTMECT250は、はんだショートのポテンシャルを制限してもよい。
【0017】
図3を参照すると、TMECTは、通常、300で示され、参照番号350で示される「吸着カップ」形態を形成するように加工することができる。前記“吸着カップ”形態は、前記テープの下部に作成される。前記吸着カップ形態350は、加熱なしで前記テープ300を最初に所望の基板に押し込み固定できるようにすることにより、異方性導電フィルムに必要とされる一般的な貼り付け工程を省略することができる。
【0018】
図4を参照すると、TMECTは、通常、400で示され、高圧でのプロセスの信頼性を高めるため、TMECTは、ガラスフリット450等のフィラー材料を含んでいてもよい。
【0019】
図5を参照すると、TMECTは、通常、500で示され、ロイコ「サーモクロミック」染料、ロイコ系「サーモクロミック」染料、又は液晶「サーモクロミック」染料等の加工温度評価及び残渣評価のための添加剤550をも含んでいてもよい。
【0020】
図1から
図5の前記テープ100、200、300、400及び500は、それぞれ、異方性導電フィルム(ACF)と対比する。異方性導電フィルムの一例は
図6に示される。図示されているように、テープは、通常、参照番号600で示され、キャリアフィルム620及び前記フィルム上に塗布されたペースト610(エポキシ及び/又はアクリル)を含む。一実施形態では、前記ペースト610は、前記ペースト中に埋没された導電性粒子630を含む。一般的なACFは、エポキシ及び/又はアクリルマトリックス中に、導電性粒子、例えば、Ni/Au層でめっきされたポリマーを含む。ACFは、前記エポキシ及び/又はアクリルを硬化させることにより、所定位置に貼り付けることができる。前記エポキシ及び/又はアクリルの硬化が本質的に前記フィルムを前記基板に接着する。前記基板に1mPaから100mPaの圧力(フィルム及び基板による)を与えて前記メタライゼーション間の前記導電性粒子を押しつぶして低電流接続を形成することにより、金属化基板間の電気的接続が形成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、本開示の実施形態の熱管理電気接続テープは、前記ACFプラットホームともっとも密接に関連されうるが、上記記載された組成物及びプロセスのいずれか代替品として使用することができる。前記TMECTは、微細なピッチの形状の接続において信頼性が高く、圧力を必要とせず、ペーストを使用せずに前記基板に直接付着することがてき、低抵抗接続を提供し、冷蔵する必要がなく、安価で製造することができ、場合によっては、典型的なACFの貼り付け及び標準的はプレフォーム(perform)の配置プロセス工程を省略することができる。また、前記TMECTは、ダイトランスファーフィルム(DTF)及びウエハバックサイド(WBS)加工等の標準的なダイアタッチプロセスに容易に適用することができる。
【0022】
図7は、熱管理による電気接続フィルムをAFCの代替品として使用する方法を示したプロセス図である。第一の工程701は、前記フィルムを第一の金属化基板に配置することを含む。次に、前記フィルムは前記第一の金属化基板上に貼り付け又は押し付けられる(702工程)。703工程では、前記試料が冷却され、前記貼り付け裏地が取り除かれる。冷却後、第二の金属化基板が前記第一の金属化基板と位置合わせされ(704工程)、組立品を作成する。そして、前記組立品は前記合金の融解温度まで加熱され、前記温度で90秒間維持される(705工程)。最後に、前記組立品は、室温まで冷却される(706工程)。
【0023】
ある実施形態では、熱管理電気接続テープを含む組立品を製造する方法が、接続されるメタライゼーションをそれぞれ含む2つの基板の間にテープを貼り付けることを含み、前記テープが弾力性のあるキャリアフィルムと、前記キャリアフィルムに塗布され、はんだ付用フラックス及びはんだ粉末を含有する組成物とを含む。貼り合わされた前記テープ及び基板は、前記はんだ粉末の融解温度まで加熱される。前記温度が上昇するにつれ、前記組成物が塗布された前記キャリアフィルムが溶融する。一旦、前記キャリアフィルムのバルク溶融が開始すると、前記はんだ付用フラックスが脱酸素されて、前記はんだ粉末の輸送機構として働く。前記融解温度に達したとき、前記脱酸素されたはんだは前記基板メタライゼーションのみを濡らし、乗り上げられたはんだ粉末は液体フラックスにより所望のメタライゼーション領域に輸送される。最後に、前記テープが冷却される。前記方法の実施形態は、90℃から187℃の温度及び0.02psiから33psiの圧力で、1秒間から10秒間で、前記2つの基板の間の前記テープの貼り付けることを含む。前記はんだ粉末の融解温度は、137℃から289℃の間である。
【実施例】
【0024】
キャリアフィルムと、はんだ付用フラックス及びはんだ粉末を含有する組成物とを含む、熱管理電気接続テープを作成した。前記テープは以下のようにして作成された。15.5wt%のメチルシクロヘキサンを、混合性能を有するガラス又はステンレス容器に添加した。約46.6wt%のエタノールを前記溶液に添加し、均一になるまで混合した。次に、約15.6wt%のVersamid(登録商標)940を前記溶液に添加し、前記溶液が透明になるまで混合した。それから、約9.6wt%のDymerexを前記溶液に添加し、前記溶液が透明になるまで混合した。その後、約0.2wt%のヨード安息香酸を添加し、前記溶液が透明になるまで混合した。そして、約1.4wt%のジブロモブテンジオールを前記溶液に添加し、前記溶液が透明になるまで混合した。次に、約0.2wt%のシクロヘキシルアミン塩酸塩を前記溶液に添加し、前記溶液が透明になるまで混合した。そして、約10.8wt%のアジピン酸を前記溶液に添加し、前記溶液が透明になるまで混合した。最後に、約0.1wt%のベンゾトリアゾールを前記溶液に添加し、前記溶液が透明になるまで混合した。
【0025】
そして、はんだ粉末としてSAC305タイプ3を上記調製されたはんだ付用フラックス溶液に添加し、約40wt%のはんだ粉末と60wt%のフラックスフィルムとを含むスラリーを作成した。前述した組成は、最終用途により異なる。前記スラリーはキャストフィルムとともにテープ中にながされ、乾燥炉中で乾燥され、所望のテープ幅に切断された。前記キャスティングされた厚みによるが、約5分間から約15分間で、前記乾燥温度は、前記溶剤の沸点より約10℃から約15℃低い温度である。
【0026】
本願明細書中に記載された組成物及び方法の実施形態は、その適用を、記載された構成の詳細及び配置に限定されるものではないと理解されるべきである。前記組成物及び方法は他の実施形態で実施することができ、また、様々な方法で実用化又は実行することができる。説明の目的でのみ、具体的な実施の例がここでは提供され、前記例は本開示を限定するものではない。特に、一つ以上の実施形態に関連して説明された行為、構成要素、及び特徴は、他の実施形態での同様の役割を排除することを意図したものではない。
【0027】
また、本願明細書で使用された表現及び用語は、記述の目的のためであり、限定するものであると理解されるべきではない。本明細書における、「含む(including)」、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含有する(containing)」、「伴う(involving)」、及びそれらの変化形の使用は、それ以降に列挙された項目、等価物、及び追加的な項目を包含ることを意図する。
【0028】
少なくとも一つの実施形態の幾つかの態様を上記に記載したが、これらについて様々な変更、改造、及び改善が当業者により容易に行われると理解されるべきである。そのような変更、改造、及び改善は、本開示の一部であると意図されたものであり、本開示の範囲内であると意図されたものである。したがって、前記記載及び図面は、例示としてのみ取り扱われるものである。