(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】袋保持具
(51)【国際特許分類】
B65B 67/12 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
B65B67/12 C
(21)【出願番号】P 2018000702
(22)【出願日】2018-01-05
【審査請求日】2020-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165261
【氏名又は名称】登原 究
(74)【代理人】
【識別番号】100194076
【氏名又は名称】中本 篤志
(72)【発明者】
【氏名】小野 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 繁
(72)【発明者】
【氏名】小西 正太
(72)【発明者】
【氏名】角田 真結子
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-298232(JP,A)
【文献】特開平06-270925(JP,A)
【文献】特開平01-308733(JP,A)
【文献】米国特許第04830317(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 67/00-67/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッドと、
ロッドを支持する支持面と、
前記支持面に対して垂直方向に隣接する載置部と、
柔軟性シートで形成され上部側縁部に有する透孔を前記ロッドに挿通させて垂下状態で支持される袋の袋襟にくっつくキャッチャーと、
前記支持面から離れる方向に移動可能に前記キャッチャーを支持する前記載置部に対して回動可能であるアームと、
前記アームが前記載置部に接触しない位置までしか前記アームが回動しないように回動角度範囲を制限するストッパーと、
を備える袋保持具。
【請求項2】
ロッドと、
ロッドを支持する支持面と、
柔軟性シートで形成され上部側縁部に有する透孔を前記ロッドに挿通させて垂下状態で支持される袋の袋襟にくっつくキャッチャーと、
前記支持面から離れる方向に移動可能に前記キャッチャーを支持するアームと、
前記支持面に
対向する対向支持面と、
前記対向支持面に支持される他のロッドと、
柔軟性シートで形成され上部側縁部に有する透孔を前記他のロッドに挿通させて垂下状態で支持される袋の袋襟にくっつく他のキャッチャーと、
前記対向支持面から離れる方向に移動可能に前記他のキャッチャーを支持する他のアームと、
前記アームと前記他のアームとが互いに衝突しあわない位置までしか前記アームと前記他のアームが回動しないよう前記アームと前記他のアームとの回動角度範囲を制限するストッパーと、
を備える袋保持具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、手動による包装作業を容易にするための袋保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットなどでは客が買った品物を包装するために合成樹脂シートなどの薄い柔軟性素材で形成された袋が使用されているが、袋に質物品を入れる場合、レジ係員がレジカウンター下面の棚などの適当な場所に束ねた状態で置かれた袋を手で一枚一枚分離させて開口することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような柔軟性シートで形成される薄手の袋は、両側面が密着した偏平状態に型押しされて生産され、また、静電気を帯びていることもあって両側面の密着力は極めて強く、両手を使っても開口するのは容易ではない。この種の袋は通常数十枚ないし数百枚単位で束ねられた状態で流通するので各袋間の密着力も強く、ユーザーにおいても、ある程度の枚数を束ねた状態のまま使用するので、束の状態から一枚一枚を取り出すのが困難であるとともに、不要な袋が密着して付随した場合は分離しなければならない手間を要する。そこで、このような柔軟性シートで形成された袋を必要に応じて容易に、且つ、不要な袋を伴うことなく一枚一枚を確実に取り出すことができるとともに、開口を容易に成し得る袋の開口支援機構を提供するという課題が生じている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、袋保持具は、ロッドと、ロッドを支持する支持面と、支持面に対して垂直方向に隣接する載置部と、柔軟性シートで形成され上部側縁部に有する透孔をロッドに挿通させて垂下状態で支持される袋の袋襟にくっつくキャッチャーと、支持面から離れる方向に移動可能にキャッチャーを支持するアームと、アームが載置部に接触しない位置までしかアームが移動しないように制限するストッパーと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図3】アームが押え姿勢にある場合の側面の拡大図。
【
図4】アームが開き姿勢にある場合の側面の拡大図。
【
図5】取出口側から見た、本体枠の作業空間の模式図。
【
図6】アームとスモールアームとの両方とも開き姿勢にしたときの本体枠の作業空間の模式図。
【
図8】取出口側から見た、本体枠の作業空間の模式図。
【
図9】アームのキャッチャーを側面から遠ざけて、スモールアームのキャッチャーを対向側面から遠ざけた状態の、取出口側から見た、本体枠の作業空間の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、袋保持具の実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、袋保持具の一実施例を示す。
【0008】
袋保持具は、袋4を開口して品物を挿入するのに適した作業空間を有する、矩形の平板で形成された直方体状の本体枠2を有する。本体枠2の一側面21は、品物を入れた後の袋4を水平に移動して取り出せる間口である取出口6を有する。
【0009】
側面21と隣接する、支持面としての側面22の上部に、袋4の上部両側縁部に形成した透孔41を挿通して袋4を垂下状態に支持する一対のロッド8がその根元から途中までの支持部81を水平に、途中から先端部までの係止上反部82が上反角が持たされて固定されている。
【0010】
袋4は、両端縁を熱溶着した円筒帯状の合成樹脂シート(例えばポリエチレンシート)に加工を施して側部を内側に折り込んだ状態で一体的に形成したものである。
【0011】
胴部上方の両端側縁部に形成した透孔41は、折り込まれた側部を含む4枚重ね状態を貫通して形成されている。両端側縁部同士の間は低い開口部である。開口部の上端部すぐ下の側面が袋襟である。
【0012】
袋4は、この支持部81に各透孔41の挿通を以て支持され、透孔41より下方は自重によって垂下状態となる。一対のロッド8は、一対のロッド8同士の中央の下に袋4の袋襟がくるよう支持する。
【0013】
本体枠2の作業空間の底は袋4の底を支持する平らな載置部24である。この載置部24は、垂下状態にある袋4の下端に接する。
【0014】
垂直な側面22と水平な載置部24とに隣接する、取出口6の正面奥に奥面23がある。側面22と平行に対向し、載置部24と奥面23とに隣接するのが対向側面26である。
【0015】
図2は側面22の拡大図である。載置部24がシャフト保持具25でアーム3を回動可能に保持する。アーム3は、アッパーバー31,ハンドル32,ビーム33,ロワーシャフト34,キャッチャー36,パッド37を備える。
【0016】
ロワーシャフト34は側面22や載置部24と平行な軸をもつ丸棒である。ロワーシャフト34はシャフト保持具25によって側面22と平行な軸まわりに回動可能に保持される。
【0017】
ロワーシャフト34の奥面23に近い側の端は奥面23と平行なビーム33の下端に繋がっている。ロワーシャフト34が回動することによってビーム33は下側の端を軸として奥面23と平行にスイングする。
【0018】
アッパーバー31は対向側面26と平行な軸をもつ棒である。アッパーバー31の奥面23に近い側の端はビーム33の上側の端に繋がっている。
【0019】
ロワーシャフト34が回動することによってアッパーバー31はロワーシャフト34を軸として奥面23と平行に載置部24との平行性を保ちつつスイングする。
【0020】
ロワーシャフト34とビーム33とアッパーバー31とは、1本の中空棒材を曲げ加工することによって形成される。
【0021】
一対のロッド8が最大許容枚数の袋を垂下状態に支持しているときでもロワーシャフト34よりもアッパーバー31が側面22のがわに位置できてアーム3が対向側面26に倒れていかないようにするため、ロワーシャフト34は側面22から離間した位置にある。
【0022】
図3はアーム3が押え姿勢にある場合の側面22の拡大図である。
【0023】
一対のロッド8が最大許容枚数の袋を垂下状態に支持しているときでもアーム3の重心はアーム3の上死点鉛直下方よりも側面22のがわに位置することができる。
【0024】
アーム3の重心がアーム3の上死点鉛直下方よりも側面22のがわに位置して、一対のロッド8が支持する袋を側面22へ押えているときのアーム3の姿勢を押え姿勢と呼ぶ。
【0025】
押え姿勢のときにビーム33やアッパーバー31が直接に側面22に当たって傷づけたり大きな音をたてないように、ビーム33はその上部の、側面22に面する位置に柔らかいパッド37を有する。
【0026】
重心が上死点鉛直下方よりも側面22から遠いがわに位置しアーム3が倒れすぎないように、ビーム33に当たってビーム33のスイング角度範囲を制限するストッパー28を奥面23が支持する。ストッパー28にビーム33が当たっているときのアーム3の姿勢を開き姿勢と呼ぶ。
【0027】
アッパーバー31は、一対のロッド8同士の中央の下に面する位置にハンドル32を有する。ユーザはハンドル32を把ってアーム3をスイングする。ユーザがハンドル32を指先でひっかけて把りやすいよう、ハンドル32の下面には突起がある。
【0028】
アッパーバー31は、押え姿勢のときに袋襟に面する位置にキャッチャー36を保持する。キャッチャー36は袋襟にくっつき、アーム3が押え姿勢から開き姿勢へスイングするときに袋襟をアッパーバー31やハンドル32の移動に伴って引っ張っていって袋4をひらいていく。
【0029】
キャッチャー36は、袋4の袋襟に対して粘着する粘着剤である。粘着剤はハンドル32に保持されるカートリッジに担持され、粘着力が低下したり汚れたり壊れたりしたらカートリッジごと交換することができる。
【0030】
なお、キャッチャー36は空気吸引式の構造であってもよい。空気吸引式のキャッチャー36であれば、ハンドル32はキャッチャー36が袋襟を吸引するためのエアーポンプを内蔵する。ロワーシャフト34やアッパーバー31の、ビーム33と繋がっていない端をエアーポンプが吸入した空気の排気口としてもよい。
【0031】
なお、キャッチャー36は静電吸着式の構造であってもよい。静電吸着式のキャッチャー36であれば、ハンドル32はキャッチャー36として電極を袋襟に接触させる。
【0032】
図4はアーム3が開き姿勢にある場合の側面22の拡大図である。袋4の開口動作を説明する。アーム3のハンドル32を指で摘んで、袋4にキャッチャー36を押し付けてから引っ張ると、ロッド8に形成された係止上反部82によって係止されて垂下状態にある袋4の袋襟の前面上部をキャッチャー36が引っ張ることによって、袋4の前面の透孔41、折り込まれた側部の前面の透孔41、側部の後面の透孔41の順に係止上反部82を弾発的に通過し、袋4の開口部の開口が進行する。挿入可能な状態で袋4に品物を入れると、品物が袋4の底部を挟んで載置部24に支持されるとともに、袋4の底部が品物によって押し広げられる。載置部24は垂下状態にある袋4の下端より高い位置にあるので、係止状態にある袋4の後面に品物の重みによる垂直方向の引張力を与えることなく品物の挿入ができる。品物を入れ終わった後、袋4の後面の透孔41も係止上反部82を弾発的に通過し、取出口6から取り出す状態となる。
【0033】
袋4の側部を内側に折り込んだ4枚重ねの部分に透孔41を形成しているので、開口が各透孔41の弾発的な通過を以て段階的に進行するので、より良い開口状態が得られる。
【0034】
図5は取出口6側から見た、本体枠2の作業空間の模式図である。
【0035】
側面22のがわにあるアーム3に対向して、アーム3よりもアッパーバーとロワーシャフトとの距離が短いスモールアーム103が対向側面26のがわにある。
【0036】
載置部24がシャフト保持具でスモールアーム103を回動可能に保持する。スモールアーム103もアーム3のように、アッパーバー,ハンドル,ビーム,ロワーシャフト,キャッチャー,パッドを備える。
【0037】
ロワーシャフトは対向側面26や載置部24と平行な軸をもつ丸棒である。ロワーシャフトはシャフト保持具によって対向側面26と平行な軸まわりに回動可能に保持される。
【0038】
ロワーシャフトの奥面23に近い側の端は奥面23と平行なビームの下端に繋がっている。ロワーシャフトが回動することによってビームは下側の端を軸として奥面23と平行にスイングする。
【0039】
アッパーバーは対向側面26と平行な軸をもつ棒である。アッパーバーの奥面23に近い側の端はビームの上側の端に繋がっている。
【0040】
ロワーシャフトが回動することによってアッパーバーはロワーシャフトを軸として奥面23と平行に載置部24との平行性を保ちつつスイングする。ロワーシャフトとビームとアッパーバーとは、1本の中空棒材を曲げ加工することによって形成される。
【0041】
対向側面26が支持する一対のロッド108が最大許容枚数の小袋104を垂下状態に支持しているときでもロワーシャフトよりもアッパーバーが対向側面26のがわに位置できてスモールアーム103が側面22に倒れていかないようにするため、ロワーシャフトは対向側面26から離間した位置にある。小袋104は袋4よりも上下方向の長さが小さい。
【0042】
一対のロッド108が最大許容枚数の小袋104を垂下状態に支持しているときでもスモールアーム103の重心はスモールアーム103の上死点鉛直下方よりも対向側面26のがわに位置することができる。スモールアーム103の重心がスモールアーム103の上死点鉛直下方よりも対向側面26のがわに位置して、一対のロッド108が支持する小袋104を対向側面26へ押えているときのスモールアーム103の姿勢を押え姿勢と呼ぶ。
【0043】
押え姿勢のときにビームやアッパーバーが直接に対向側面26に当たって傷づけたり大きな音をたてないように、ビームはその上部の、対向側面26に面する位置に柔らかいパッドを有する。
【0044】
重心が上死点鉛直下方よりも対向側面26から遠いがわに位置しスモールアーム103が倒れすぎないように、ビームに当たってビームのスイング角度範囲を制限するストッパー29を奥面23が支持する。
【0045】
ストッパー29にビームが当たっているときのスモールアーム103の姿勢を開き姿勢と呼ぶ。
【0046】
アッパーバーは、一対のロッド108同士の中央の下に面する位置にハンドルを有する。ユーザはハンドルを把ってスモールアーム103をスイングする。ユーザがハンドルを指先でひっかけて把りやすいよう、ハンドルの下面には突起がある。
【0047】
アッパーバーは、押え姿勢のときに袋襟に面する位置にキャッチャーを保持する。キャッチャーは袋襟にくっつき、スモールアーム103が押え姿勢から開き姿勢へスイングするときに袋襟をアッパーバーやハンドルの移動に伴って引っ張っていって袋104をひらいていく。
【0048】
キャッチャーは、小袋104の袋襟に対して粘着する粘着剤である。粘着剤はハンドルに保持されるカートリッジに担持され、粘着力が低下したり汚れたり壊れたりしたらカートリッジごと交換することができる。
【0049】
なお、キャッチャーは空気吸引式の構造であってもよい。空気吸引式のキャッチャーであれば、ハンドルはキャッチャーが袋襟を吸引するためのエアーポンプを内蔵する。ロワーシャフトやアッパーバーの、ビームと繋がっていない端をエアーポンプが吸入した空気の排気口としてもよい。
【0050】
なお、キャッチャーは静電吸着式の構造であってもよい。静電吸着式のキャッチャーであれば、ハンドルはキャッチャーとして電極を袋襟に接触させる。
【0051】
図6はアーム3とスモールアーム103との両方とも開き姿勢にしたときの本体枠2の作業空間の模式図である。
【0052】
ストッパー28とストッパー29との相対距離と高さは、アーム3とスモールアーム103との両方とも開き姿勢であってもそれぞれのハンドル同士が互いに衝突しあわない位置までしかアーム3とスモールアーム103が回動しないようになっている。そのため、側面22がわの袋4と対向側面26がわの小袋104とを同時に開いておくことができ、分別しながらの袋詰めを効率よくできる。
【0053】
【0054】
袋保持具は、袋4を開口して品物を挿入するのに適した作業空間を有する、矩形の平板で形成された直方体状の本体枠2を有する。本体枠2の一側面21は、品物を入れた後の袋4を水平に移動して取り出せる間口である取出口6を有する。
【0055】
側面21と隣接する側面22の上部に、袋4の上部両側縁部に形成した透孔41を挿通して袋4を垂下状態に支持する一対のロッド8が固定されている。
【0056】
袋4は、両端縁を熱溶着した円筒帯状の合成樹脂シート(例えばポリエチレンシート)に加工を施して側部を内側に折り込んだ状態で一体的に形成したものである。
【0057】
胴部上方の両端側縁部に形成した透孔41は、折り込まれた側部を含む4枚重ね状態を貫通して形成されている。両端側縁部同士の間は低い開口部である。開口部の上端部すぐ下の側面が袋襟である。
【0058】
袋4は、一対のロッド8に各透孔41の挿通を以て支持され、透孔41より下方は自重によって垂下状態となる。一対のロッド8は、一対のロッド8同士の中央の下に袋4の袋襟がくるよう支持する。
【0059】
本体枠2の作業空間の底は袋4の底を支持する平らな載置部24である。この載置部24は、垂下状態にある袋4の下端に接する。垂直な側面22と水平な載置部24とに隣接する、取出口6の正面奥に奥面23がある。
【0060】
側面22と平行に対向し、載置部24と奥面23とに隣接するのが対向側面26である。
【0061】
一対の伸縮ロッド233は、側面22に支持されているのとは反対側の端でアッパーバー231に接続する。条状板状のアッパーバー231はその上部に把棒部ができるようハンドル232を支持する。
【0062】
また、アッパーバー231はその側面22に近い側の面にとキャッチャー236を支持する。丸棒材を曲げて形成したハンドル232の上部の把棒部はアッパーバー231の上側にループを形成して、ユーザが握りやすい形状をつくりだしている。ユーザがハンドル232の上部の把棒部を把んで水平方向にアッパーバー231を移動させることができる。アッパーバー231、ハンドル232、一対の伸縮ロッド233及びキャッチャー236がアーム200を構成する。
【0063】
袋4の開口動作を説明する。ハンドル232を指で摘んで、袋4にキャッチャー236を押し付けてから対向側面26のほうへ水平に引っ張ると、ロッド8に形成された係止上反部82によって係止されて垂下状態にある袋4の袋襟の前面上部をキャッチャー236が引っ張ることによって、袋4の前面の透孔41、折り込まれた側部の前面の透孔41、係止上反部82を弾発的に通過し、袋4の開口部の開口が進行する。
【0064】
挿入可能な状態で袋4に品物を入れると、品物が袋4の底部を挟んで載置部24に支持されるとともに、袋4の底部が品物によって押し広げられる。載置部24は垂下状態にある袋4の下端より高い位置にあるので、係止状態にある袋4の後面に品物の重みによる垂直方向の引張力を与えることなく品物の挿入ができる。品物を入れ終わった後、袋4の後面の透孔41も係止上反部82を弾発的に通過し、取出口6から取り出す状態となる。
【0065】
袋4の側部を内側に折り込んだ4枚重ねの部分に透孔41を形成しているので、開口が各透孔41の弾発的な通過を以て段階的に進行するので、より良い開口状態が得られる。
【0066】
図8は取出口6側から見た、本体枠2の作業空間の模式図である。
【0067】
側面22のがわにあるアーム200に対向して、アーム200の一対の伸縮ロッド233よりも一対間の距離が短い一対の伸縮ロッド333が対向側面26のがわにある。一対の伸縮ロッド333は、対向側面26に支持されているのとは反対側の端でアッパーバー331に接続する。条状板状のアッパーバー331はその上部に把棒部ができるようハンドル332を支持する。また、アッパーバー331はその対向側面26に近い側の面にとキャッチャー336を支持する。丸棒材を曲げて形成したハンドル332の上部の把棒部はアッパーバー331の上側にループを形成して、ユーザが握りやすい形状をつくりだしている。ユーザがハンドル332の上部の把棒部を把んで水平方向にアッパーバー331を移動させることができる。アッパーバー331、ハンドル332、一対の伸縮ロッド333及びキャッチャー336がスモールアーム300を構成する。
【0068】
アーム200のキャッチャー236は側面22に対して、一対の伸縮ロッド233の伸縮方向である水平方向で
図8のように近づいたり、離れたりすることができる。
【0069】
スモールアーム300のキャッチャー336は対向側面26に対して、一対の伸縮ロッド333の伸縮方向である水平方向で
図8のように近づいたり、離れたりすることができる。
【0070】
図9は、アーム200のキャッチャー236を側面22から遠ざけて、スモールアーム300のキャッチャー336を対向側面26から遠ざけた状態の、取出口6側から見た、本体枠2の作業空間の模式図である。
【0071】
キャッチャー236を袋4の袋襟に押し付けてからキャッチャー236を側面22から遠ざけると袋4を容易に開口することができる。キャッチャー336を袋104の袋襟に押し付けてからキャッチャー336を対向側面26から遠ざけると袋104を容易に開口することができる。一対の伸縮ロッド233によってアーム200を水平方向に移動可能に構成したので袋4の広げる幅を、小さめに開くなど調整することができる。一対の伸縮ロッド333によってスモールアーム300を水平方向に移動可能に構成したので小袋104の広げる幅を、小さめに開くなど調整することができる。側面22がわの袋4と対向側面26がわの小袋104とを同時に開いておくことができ、分別しながらの袋詰めを効率よくできる。
【符号の説明】
【0072】
本体枠・・・2、アーム・・・3、袋・・・4、取出口・・・6、一対のロッド・・・8、一側面・・・21、側面・・・22、奥面・・・23、載置部・・・24、シャフト保持具・・・25、対向側面・・・26、ストッパー・・・28、ストッパー・・・29、アッパーバー・・・31、ハンドル・・・32、ビーム・・・33、ロワーシャフト・・・34、キャッチャー・・・36、パッド・・・37、透孔・・・41、支持部・・・81、係止上反部・・・82、スモールアーム・・・103、小袋・・・104、一対のロッド・・・108、アーム・・・200、アッパーバー・・・231、ハンドル・・・232、一対の伸縮ロッド・・・233、キャッチャー・・・236、スモールアーム・・・300、アッパーバー・・・331、ハンドル・・・332、一対の伸縮ロッド・・・333、伸縮ロッド・・・333、キャッチャー・・・336。