(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】撮像モジュール、内視鏡、及びカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 1/04 20060101AFI20220106BHJP
A61B 1/06 20060101ALI20220106BHJP
A61B 1/05 20060101ALI20220106BHJP
A61B 1/07 20060101ALI20220106BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20220106BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
A61B1/04 530
A61B1/06 531
A61B1/05
A61B1/07 733
A61B1/00 715
G02B23/24 A
(21)【出願番号】P 2018024185
(22)【出願日】2018-02-14
【審査請求日】2020-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【氏名又は名称】小室 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】石塚 健
(72)【発明者】
【氏名】石橋 健一
(72)【発明者】
【氏名】村上 大介
(72)【発明者】
【氏名】沼澤 吉延
【審査官】大熊 靖夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-021084(JP,A)
【文献】特開2017-099530(JP,A)
【文献】特開2012-205849(JP,A)
【文献】特開平11-253398(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0012366(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105662319(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
G02B 23/24-23/26
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像モジュールであって、
光出射面及び発光素子端子を有する平面発光素子と、
前記平面発光素子の前記発光素子端子に接続され、前記平面発光素子に電力を供給する電力供給ケーブルと、
前記平面発光素子の前記光出射面から出射する光によって照射される照明対象を撮像する固体撮像素子と、
前記固体撮像素子に電気的に接続されている同軸ケーブルと、
前記固体撮像素子と前記同軸ケーブルとの間に位置し、絶縁部材で構成された本体と、前記本体の内部に設けられかつ前記固体撮像素子と前記同軸ケーブルとを電気的に接続する埋め込み導体とを有する接続体と、
前記固体撮像素子と前記平面発光素子と
の間に設けられた遮光部材と、
前記平面発光素子の前記光出射面から出射する光を前記撮像モジュールの外部に導く導光部と、
を備え、
前記接続体の後方における前記同軸ケーブルに面する後方領域にて、前記平面発光素子は前記同軸ケーブルに隣り合うように配置され、
前記平面発光素子、前記固体撮像素子、前記遮光部材の一部、及び前記導光部は、硬性
部を構成する、
撮像モジュール。
【請求項2】
前記接続体は、前記本体の側面に形成された溝部の内部において前記埋め込み導体が露出する側面端子を備え、
前記側面端子に前記同軸ケーブルが電気的に接続され
ている、
請求項
1に記載の撮像モジュール。
【請求項3】
前記電力供給ケーブルは、前記発光素子端子に接続される導電線を備え、
前記導電線の導電線先端が前記発光素子端子に突き当てられ、前記発光素子端子と前記導電線先端との接触部を覆うように半田が形成されている、
請求項1
または請求項2に記載の撮像モジュール。
【請求項4】
前記発光素子端子は、前記発光素子端子の端部に位置する端子外周部を有し、
前記導電線は、前記導電線先端から離れた位置にある側面部を有し、
前記半田は、前記端子外周部から前記側面部に向けて延びる曲面を形成するように、前記発光素子端子及び前記導電線を覆っている、
請求項
3に記載の撮像モジュール。
【請求項5】
前記電力供給ケーブルは、前記導電線の外側を覆っているシールド部材を備える、
請求項
3に記載の撮像モジュール。
【請求項6】
前記電力供給ケーブルは、極細同軸ケーブルである、
請求項
3に記載の撮像モジュール。
【請求項7】
前記発光素子端子及び前記電力供給ケーブルは、ケーブル補強部で被覆されている、
請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載の撮像モジュール。
【請求項8】
前記遮光部材は、遮光性を有する材料で構成されている
請求項1から請求項
7のいずれか一項に記載の撮像モジュール。
【請求項9】
前記導光部の端面には、導光板が設けられている
請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載の撮像モジュール。
【請求項10】
前記導光部の端面は、前記撮像モジュールの端面に一致している、
請求項1から請求項
9のいずれか一項に記載の撮像モジュール。
【請求項11】
複数の前記平面発光素子を備え、
平面視において、複数の前記平面発光素子は、前記固体撮像素子を挟むように配置されている、
請求項1から請求項1
0のいずれか一項に記載の撮像モジュール。
【請求項12】
複数の前記平面発光素子を備え、
平面視において、複数の前記平面発光素子は、前記固体撮像素子を囲むように配置されている、
請求項1から請求項1
0のいずれか一項に記載の撮像モジュール。
【請求項13】
前記遮光部材の外部を覆う筐体を備える、
請求項1から請求項1
2のいずれか一項に記載の撮像モジュール。
【請求項14】
内視鏡であって、
請求項1から請求項1
3のいずれか一項に記載の撮像モジュールを備える内視鏡。
【請求項15】
カテーテルであって、
請求項1から請求項1
3のいずれか一項に記載の撮像モジュールと、
前記撮像モジュールを囲む絶縁性のチューブと、
前記チューブに設けられたチャネルと、
を備えるカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像モジュール、内視鏡、及びカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明用のライトガイドファイババンドルを備えた内視鏡が知られている(例えば、特許文献1参照)。この内視鏡では、固体撮像素子や撮像素子保持筒等により構成される撮像モジュールに干渉しないようにファイババンドルが配置され、ファイババンドルを構成する光ファイバの間の空間に低粘度接着剤が充填されている。内視鏡の後方には、ファイババンドルに光を供給する光源が設けられており、光源から出射された光は、ファイババンドルを通じて、内視鏡の先端に導かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ライトガイドファイババンドルを備えた内視鏡においては、以下の問題点がある。ファイババンドルは剛性を有するため、十分に曲げることができない。このため、ファイババンドルを内視鏡に用いることで、内視鏡の可撓性が低下する。ファイババンドルの曲げによって、光ファイバが折れた場合には、光源からの光をファイババンドルの先端に導くことができない。充分な照度を得るにはファイババンドルを構成する光ファイバの本数を多くする必要があり、この場合にはファイババンドルの断面積が増加し、細径の内視鏡を提供できない。内視鏡の全長に亘ってファイババンドルが配置されるので、内視鏡の投影面内で充分な大きさを有するワーキングチャネルを確保できない。更に、ファイババンドルの材料コスト、組み込みコストが大きく、安価な内視鏡を提供できない。
【0005】
本発明の一つの態様は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、可撓性及び照度が十分に得られる内視鏡を実現できる細径の撮像モジュールと、この撮像モジュールを備える内視鏡と、この撮像モジュールを備えるカテーテルを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1態様に係る撮像モジュールは、光出射面及び発光素子端子を有する平面発光素子と、前記平面発光素子の前記発光素子端子に接続され、前記平面発光素子に電力を供給する電力供給ケーブルと、前記平面発光素子の前記光出射面から出射する光によって照射される照明対象を撮像する固体撮像素子と、前記固体撮像素子に電気的に接続されている同軸ケーブルと、前記固体撮像素子と前記平面発光素子と間に設けられた遮光部材と、前記平面発光素子の前記光出射面から出射する光を前記撮像モジュールの外部に導く導光部と、を備え、前記平面発光素子、前記固体撮像素子、前記遮光部材の一部、及び前記導光部は、硬性部を構成する。
【0007】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、前記固体撮像素子と前記同軸ケーブルとの間に位置し、絶縁部材で構成された本体と、前記本体の内部に設けられかつ前記固体撮像素子と前記同軸ケーブルとを電気的に接続する埋め込み導体とを有する接続体を備えてもよい。
【0008】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、前記接続体は、前記本体の側面に形成された溝部の内部において前記埋め込み導体が露出する側面端子を備え、前記側面端子に前記同軸ケーブルが電気的に接続されており、前記接続体の後方における前記同軸ケーブルに面する後方領域にて、前記平面発光素子は前記同軸ケーブルに隣り合うように配置されてもよい。
【0009】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、前記照明対象からの反射光を前記固体撮像素子の受光面に結像するレンズユニットを備え、前記平面発光素子は、前記レンズユニット又は前記固体撮像素子の隣りに配置されてもよい。
【0010】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、前記電力供給ケーブルは、前記発光素子端子に接続される導電線を備え、前記導電線の導電線先端が前記発光素子端子に突き当てられ、前記発光素子端子と前記導電線先端との接触部を覆うように半田が形成されてもよい。
【0011】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、前記発光素子端子は、前記発光素子端子の端部に位置する端子外周部を有し、前記導電線は、前記導電線先端から離れた位置にある側面部を有し、前記半田は、前記端子外周部から前記側面部に向けて延びる曲面を形成するように、前記発光素子端子及び前記導電線を覆ってもよい。
【0012】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、前記電力供給ケーブルは、前記導電線の外側を覆っているシールド部材を備えてもよい。
【0013】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、前記電力供給ケーブルは、極細同軸ケーブルであってもよい。
【0014】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、前記発光素子端子及び前記電力供給ケーブルは、ケーブル補強部で被覆されてもよい。
【0015】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、前記遮光部材は、遮光性を有する材料で構成されてもよい。
【0016】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、前記導光部の端面には、導光板が設けられてもよい。
【0017】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、前記導光部の端面は、前記撮像モジュールの端面に一致してもよい。
【0018】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、複数の前記平面発光素子を備え、平面視において、複数の前記平面発光素子は、前記固体撮像素子を挟むように配置されてもよい。
【0019】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、複数の前記平面発光素子を備え、平面視において、複数の前記平面発光素子は、前記固体撮像素子を囲むように配置されてもよい。
【0020】
本発明の第1態様に係る撮像モジュールにおいては、前記遮光部材の外部を覆う筐体を備えてもよい。
【0021】
上記目的を達成するために、本発明の第2態様に係る内視鏡は、第1態様に係る撮像モジュールを備える。
【0022】
上記目的を達成するために、本発明の第3態様に係るカテーテルは、第1態様に係る撮像モジュールと、前記撮像モジュールを囲む絶縁性のチューブと、前記チューブに設けられたチャネルと、を備える。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明の上述した態様によれば、可撓性及び照度が十分に得られる内視鏡を実現できる細径の撮像モジュールを提供することができる。また、可撓性及び照度が十分に得られた極細の内視鏡及びカテーテルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る内視鏡の要部を示す図であって、撮像モジュールの構造を示す断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る内視鏡の要部を示す図であって、撮像モジュールの構造を示す断面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態の変形例2、3に係る内視鏡の要部を示す図であって、撮像モジュールを構成する固体撮像素子と発光ダイオードとを示す断面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態の変形例4、5に係る内視鏡の要部を示す図であって、撮像モジュールを構成する固体撮像素子と発光ダイオードとを示す平面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態の変形例6に係る内視鏡の要部を示す図であって、撮像モジュールの構造を示す断面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係るカテーテルの要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明の実施形態を説明する図においては、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法及び比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
【0026】
(第1実施形態)
(内視鏡100)
図1及び
図2は、本発明の第1実施形態に係る内視鏡100の要部を示す図であって、撮像モジュール10の構造を示す断面図である。特に、
図1はY方向から見た断面図であり、
図2はX方向から見た断面図である。
後述する説明では、Z方向において、接続体30から固体撮像素子20に向かう方向(
図1における左側)を「前方」或いは「前側」と称する場合がある。接続体30から同軸ケーブル40に向かう方向(
図1における右側)を「後方」或いは「後側」と称する場合がある。
【0027】
(撮像モジュール10)
撮像モジュール10は、固体撮像素子20(撮像素子)と、接続体30と、2本の同軸ケーブル40(第1同軸ケーブル40F、第2同軸ケーブル40S)と、コンデンサ50(電子部品)、レンズユニット60と、絶縁チューブ70と、発光ダイオード80と、遮光部材90とを備える。
【0028】
(固体撮像素子20)
固体撮像素子20は、接続体30の前方に設けられている。
固体撮像素子20は、固体撮像素子20の上面に位置する受光面21と、固体撮像素子20の下面に設けられた4つの撮像端子22(22A、22B、22C、22D)とを備える。受光面21には、レンズユニット60が搭載されている。撮像端子22は、接続体30の上面31t上に設けられた実装パッド(後述)に接続される端子である。固体撮像素子20としては、例えば、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)を好適に用いられる。撮像モジュール10においては、接続体30を介して、固体撮像素子20が2本の同軸ケーブル40に電気的に接続されている。
【0029】
(接続体30)
接続体30は、固体撮像素子20と同軸ケーブル40との間に位置する。
接続体30は、絶縁部材で構成された本体31と、本体31の内部に設けられた埋め込み導体33A、33C(第1埋め込み導体)及び埋め込み導体33B、33D(第2埋め込み導体)とを備える。
本体31の側面には、接続体30が部分的に除去された溝部が形成されている。この溝部の内部には、埋め込み導体33A、33Cの各々が露出する側面端子32A、32C(第1側面端子)と、埋め込み導体33B、33Dの各々が露出する側面端子32B、32D(第2側面端子)とが設けられている。
本体31の下面31bには、埋め込み導体33B、33Dが露出する下面端子34B、34Dが設けられている。
【0030】
埋め込み導体33A、33B、33C、33Dは、接続体30の上面31t上に設けられた実装パッドを介して、各々、撮像端子22A、22B、22C、22Dに電気的に接続されている。
接続体30の上面31tの一辺の長さ(X方向及びY方向)は、2mm以下である。
【0031】
(同軸ケーブル40)
図1に示すように、撮像モジュール10は、2本の同軸ケーブル40(40F、40S)を備える。同軸ケーブル40の各々は、内部導体部41(41A、41C)と、被覆部42(絶縁体)と、シース導体部43(43B、43D)とを有する。具体的に、同軸ケーブル40Fは、内部導体部41A及びシース導体部43Bを備える。同軸ケーブル40Sは、内部導体部41C及びシース導体部43Dを備える。
内部導体部41の長さ、シース導体部43の長さ、内部導体部41及びシース導体部43の間に位置する被覆部42の長さは、0.1~1.0mmである。
【0032】
同軸ケーブル40の内部導体部41、被覆部42、及びシース導体部43は、接続体30の溝部内に配置されている。内部導体部41Aは、はんだ付けによって側面端子32Aに電気的に接続されている。シース導体部43Bは、はんだ付けによって側面端子32Bに電気的に接続されている。内部導体部41Cは、はんだ付けによって側面端子32Cに電気的に接続されている。シース導体部43Dは、はんだ付けによって側面端子32Dに電気的に接続されている。
【0033】
上述した接続構造により、固体撮像素子20の撮像端子22Aは、埋め込み導体33Aを介して、内部導体部41Aと電気的に接続されている。固体撮像素子20の撮像端子22Bは、埋め込み導体33Bを介して、シース導体部43Bと電気的に接続されている。固体撮像素子20の撮像端子22Cは、埋め込み導体33Cを介して、内部導体部41Cと電気的に接続されている。固体撮像素子20の撮像端子22Dは、埋め込み導体33Dを介して、シース導体部43Dと電気的に接続されている。
【0034】
(コンデンサ50)
コンデンサ50は、実装パッドを介して接続体30の下面31bに設けられている。コンデンサ50の外部端子は、下面端子34B、34Dに接続されている。なお、接続体30の下面31b上には、樹脂層が設けられており、下面端子34B、34Dの間における短絡が防止されている。
【0035】
(レンズユニット60)
レンズユニット60は、円筒状の鏡筒(不図示)内に、対物レンズ(図示略)が組み込まれた構成を有する。このレンズユニット60の光軸は、固体撮像素子20の受光面21に位置合わせされている。鏡筒の軸線方向における一端は、カバー部材62に固定されている。レンズユニット60は、レンズユニット60の前側に位置する撮像面61から入射して鏡筒内のレンズを介して導かれた光を、固体撮像素子20の受光面21に結像させる。
【0036】
(絶縁チューブ70)
絶縁チューブ70は、電気絶縁性を有する樹脂製のチューブである。絶縁チューブ70としては、熱収縮チューブが用いられる。絶縁チューブ70の材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系、及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂等が用いられる。
【0037】
絶縁チューブ70は、少なくとも、接続体30と、接続体30に接続される同軸ケーブル40の一部とを覆っている。接続体30にコンデンサ50が接続されている本実施形態では、絶縁チューブ70は、接続体30と、同軸ケーブル40の一部と、コンデンサ50とを一括して覆っている。ここで、同軸ケーブル40の一部とは、内部導体部41、被覆部42、及びシース導体部43が形成されている領域(露出領域)だけでなく、接続体30の近くに位置する外被(シース導体部43を覆っている部分)を含む領域を意味する。
【0038】
本実施形態では、
図1に示すようにコンデンサ50の端部から外側(右側)に向けて突出するように、絶縁チューブ70が同軸ケーブル40を覆っている。この構造により、絶縁チューブ70は、接続体30、同軸ケーブル40、及びコンデンサ50を保護するとともに、高い絶縁性を実現することができる。
【0039】
(発光ダイオード80)
発光ダイオード80は、厚さ0.25mm程度の平板の発光素子81(平面発光素子)と、発光素子81の前方に位置する平面である光出射面82と、発光素子81の後方に位置する面(光出射面82とは反対側の面)に設けられた発光素子端子83とを備える。発光素子端子83は、後述する電力供給ケーブル85と電気的に接続されている。
【0040】
本実施形態において、発光ダイオード80として、表面実装型発光ダイオードが適用されている。これにより、直進性を有する光を光出射面82から出射することができ、かつ、充分な照度を確保することができる。
なお、表面実装型発光ダイオードに限らず、良好な光の直進性が得られれば、他の構造を有する発光ダイオードが本発明に適用されてもよい。
【0041】
発光ダイオード80は、接続体30の後方において、コンデンサ50及び同軸ケーブル40に面する後方領域Rに配置されている。より具体的に、発光ダイオード80は、同軸ケーブル40に隣り合うように、発光ダイオード80の光出射面82の一部とコンデンサ50とが互いに対向するように、配置されている。換言すると、接続体30の後方において、同軸ケーブル40が配置されていない後方領域Rに、発光ダイオード80が配置されている。
【0042】
なお、本実施形態では、コンデンサ50が接続体30の下面31bに設けられた例を説明しているが、コンデンサ50が設けられていない構成では、光出射面82の一部と下面31bとが互いに対向するように、発光ダイオード80は、後方領域Rに配置される。
【0043】
電力供給ケーブル85は、本実施形態では、極細同軸ケーブルであり、導電線85Aと、導電線85Aを覆う外被85Bと、外被85Bを覆うシールド部材85Cとを備える。導電線85Aは、本実施形態では、不図示の電源から電力を発光素子端子83に供給する金属ケーブルである。外被85Bは、導電線85Aの表面に絶縁性を付与する絶縁被覆である。シールド部材85Cは、外被85Bを覆っており、即ち、導電線85Aの外側を覆っている。シールド部材85Cは、金属メッシュ等の金属部材で形成されており、導電線85Aに供給される電力に起因するノイズが同軸ケーブル40に影響を及ぼすことを抑制する。シールド部材85Cの外周は、絶縁材料で覆われている。
【0044】
電力供給ケーブル85は、発光ダイオード80に電圧を印加する2本のケーブルで構成されている。2本のケーブルの各々が、導電線85Aと外被85Bとを備える。シールド部材85Cは、2本のケーブルの各々の外被85Bを覆う構成を有してもよいし、2本のケーブルの2つの外被85Bを一括して覆う構成を有してもよい。
なお、シールド部材85Cを必ずしも設ける必要はなく、シールド部材85Cを備えない構造が採用されてもよい。
【0045】
電力供給ケーブル85においては、外被85Bを除去することで導電線85Aが露出しており、露出した導電線85Aは、半田35を用いて、発光素子端子83に突き当ててはんだ付けされている。具体的に、導電線85Aの導電線先端85ATが発光素子端子83に突き当てられており、半田35は、発光素子端子83と導電線先端85ATとの接触部を覆うように形成されている。
【0046】
発光素子端子83上に形成された半田35においては、半田35の表面に曲面F(フィレット形状)が形成されていることが好ましい。
曲面Fの形状は、発光素子端子83の面に供給される半田35の量に応じて適宜調整可能である。曲面Fの形状は、図2に示す形状に限定されない。
【0047】
特に、発光素子端子83は、発光素子端子83の端部(導電線85Aから離れた位置)に位置する端子外周部83Eを有している。導電線85Aは、導電線先端85ATから離れた位置にある側面部85ASを有している。半田35は、端子外周部83Eから側面部85ASに向けて延びる曲面Fを形成するように、発光素子端子83及び導電線85Aを覆っている。ここで、
図2における側面部85ASのZ方向における位置は、発光素子端子83から離れた位置であり、導電線85Aと外被85Bとの間の境界部Kの近くにある。或いは、側面部85ASは、導電線85Aと外被85Bとの間の境界部Kを覆ってもよい。
【0048】
発光素子端子83及び電力供給ケーブル85は、後述する発光ダイオード挿通孔93の内部で、ケーブル補強部87により固定されている。ケーブル補強部87は、発光ダイオード80の下面において、発光素子端子83、半田35、及び電力供給ケーブル85を覆っている。
これにより、発光素子端子83と電力供給ケーブル85との間の接続強度が増加する。
【0049】
電力供給ケーブル85は、不図示の電源に接続されている。電源から出力される電力は、電力供給ケーブル85を通じて、発光ダイオード80に供給される。換言すると、同軸ケーブル40とは異なるケーブルを通じて、電力が発光ダイオード80に供給される。電力供給ケーブル85は、従来の内視鏡において用いられるファイババンドルを構成する光ファイバよりも柔らかく、可撓性を有する。
【0050】
(遮光部材90)
遮光部材90は、固体撮像素子20と発光ダイオード80との間に設けられており、特に、本実施形態では、撮像モジュール10を構成する部材の全体、即ち、固体撮像素子20、接続体30、同軸ケーブル40、コンデンサ50、レンズユニット60、絶縁チューブ70、及び発光ダイオード80を覆っている。即ち、遮光部材90は、撮像モジュール10を構成する部材の全体を一体的に保持する。
図2に示す例では、Z方向における遮光部材90の長さは、後述する硬性部Hの長さ(硬性部長L)に設定されている。遮光部材90の長さは、
図2に示す例に限定されず、硬性部長Lよりも短くてもよい。
【0051】
遮光部材90には、2つの貫通孔、即ち、導光孔91及び発光ダイオード挿通孔93が設けられている。さらに、発光ダイオード挿通孔93の内部には、発光ダイオード挿通孔93と導光孔91との間に形成された段差、即ち、突き当て部94が設けられている。この突き当て部94は、後方領域Rに位置する。
【0052】
導光孔91の内部には、光出射面82の一部が露出している。導光孔91の内部にはZ方向に延在する導光部92が設けられている。導光部92は、発光ダイオード80の光出射面82から出射する光を撮像モジュール10の外部に導く。
導光部92は、例えば、流動性を有する液体樹脂を硬化させた透明樹脂であり、導光孔91の内部に固定されており、屈曲性を有しない。また、導光部92の材料は樹脂に限定されずガラスや光ファイバであってもよい。即ち、導光孔91及び導光部92は、光路として機能する。
なお、導光孔91の内部は空間であってもよい。即ち、導光部92は、導光孔91の内部に設けられた導光部材でもよいし、空間であってもよい。ただし、光出射面82から出射される光の直進性を得るために、導光孔91の内部に導光部92を設けることが好ましい。
【0053】
導光孔91の内表面には、光を反射する反射面が形成されてもよい。
また、導光孔91は、遮光部材90に埋め込まれたステンレス(SUS)等の金属管であってもよい。この場合、金属管は遮光部材として機能し、この金属管は樹脂等によって、レンズユニット60、固体撮像素子20、及び接続体30の隣りに固定される。
【0054】
導光部92の前方における端面92Tには、平板状の導光板96が設けられている。Z方向において、導光板96の端面96Tは、レンズユニット60の撮像面61の一致しており、即ち、撮像モジュール10の端面10Tに一致している。
導光板96は、光透過性の高い透明樹脂で形成されており、例えば、ポリカーボネート等で構成された樹脂板である。或いは、導光板96は、導光孔91の一部と端面92Tとで囲まれた凹部に液状の接着剤が充填された後に、硬化された部材であってもよい。
【0055】
導光板96は、発光ダイオード80を保護する保護カバー(保護部材)として機能してもよい。また、導光板96は、導光部92によって導かれた光を屈折させるレンズ(光学部材)として機能してもよい。また、導光板96は、導光部92によって導かれた光を導光板96の外部に向けて拡散させる光拡散板(光学部材)として機能してもよい。
【0056】
本実施形態に係る撮像モジュール10が生体を観察するような内視鏡に適用される場合、導光板96は、生体の体液等が撮像モジュール10に付着することを防止する付着防止部材として機能してもよい。また、導光板96は、生体適合性を有する材料で形成されてもよい。
【0057】
発光ダイオード挿通孔93は、遮光部材90の内部に発光ダイオード80を取り付ける際に、遮光部材90の後方から内部に向けて発光ダイオード80が通る孔である。発光ダイオード挿通孔93の内部において、発光ダイオード80は、突き当て部94に接触し、接着剤等の公知の固定部材により固定されている。このような固定構造では、光出射面82の一部と、突き当て部94とが接触し、固定されている。
【0058】
符号Hは、撮像モジュール10において屈曲しない部分、即ち、硬性部Hである。
硬性部Hは、少なくとも、発光ダイオード80、固体撮像素子20、遮光部材90の一部によって構成されていればよい。本実施形態では、発光ダイオード80、レンズユニット60、固体撮像素子20、遮光部材90の一部、接続体30、及び同軸ケーブル40の一部によって硬性部Hが構成されている。硬性部Hの長さ、即ち、硬性部長Lは、例えば、約5mmである。
遮光部材90を構成する材料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の公知の遮光性を有する樹脂が採用される。また、公知の樹脂にカーボンブラックが添加された材料を用いて遮光部材90が形成されてもよい。
【0059】
本実施形態では、固体撮像素子20、レンズユニット60、接続体30、及び発光ダイオード80を覆うように、遮光部材90が設けられているが、本発明は、遮光部材90の構造を限定しない。固体撮像素子20及びレンズユニット60の周囲に遮光部材90を設けて、発光ダイオード80からの出射光が固体撮像素子20及びレンズユニット60に入射することを防止してもよい。遮光部材90は、遮光機能を有するだけでなく、後述する絶縁チューブ70の機能を有してもよい。この場合、絶縁チューブ70を設ける必要がなくなる。
【0060】
発光ダイオード80から出射された光は、導光部92を通じて、撮像モジュール10の外部に出射する。また、遮光部材90によって、発光ダイオード80からの出射光が固体撮像素子20に入射することが防止されている。
【0061】
次に、以上のように構成された撮像モジュール10を備えた内視鏡100の作用について説明する。
電力供給ケーブル85を通じて電力が発光ダイオード80に供給されると、発光ダイオード80は発光し、発光ダイオード80から発光した光は、導光部92を通じて撮像モジュール10の外部に出射する。この光は、内視鏡100によって観察される照明対象を照明し、照明対象からの反射光(像)は、レンズユニット60の撮像面61に入射する。レンズユニット60に入射した光(像)は、対物レンズによって固体撮像素子20の受光面21に結像される。これによって、固体撮像素子20は、照明対象を撮像し、得られた画像を電気信号として出力する。固体撮像素子20から出力された信号は、同軸ケーブル40を通じて、撮像モジュール10の外部に設けられた制御装置によって受信される。
【0062】
上述した第1実施形態に係る撮像モジュール10によれば、電力供給ケーブル85は、光ファイバよりも柔らかく、十分な可撓性を有するため、光ファイバで構成されるファイババンドルよりも、可撓性に優れた撮像モジュールを実現することができる。また、発光ダイオード80から発光した光を撮像モジュール10の外部に出射することができるため、十分な照度が得られる内視鏡100を実現することができる。
電力供給ケーブル85は、従来のようなファイババンドルに比べて細いため、細径の撮像モジュール10を実現することができ、即ち、細径の内視鏡100を実現することができる。
【0063】
本実施形態では、接続体30の本体31の側面に形成された溝部の内部に設けられた側面端子32A、32B、32C、32Dに、同軸ケーブル40F、40Sが接続されている。この構造により、接続体30の後方に、同軸ケーブルが配置されていない後方領域Rを得ることができ、後方領域Rにおいて発光ダイオード80を配置することができる。
【0064】
このため、撮像モジュール10を構成する部材の配置レイアウトにおいて、発光ダイオード80を配置する位置として後方領域Rを有効的に利用することができる。即ち、接続体30の後方に同軸ケーブルが配置されている構造と比較して、Z方向に鉛直な方向(
図2の場合ではY方向)において同軸ケーブル40F、40Sに近づくように、発光ダイオード80を配置することができる。従って、細径の撮像モジュール10を実現することができ、即ち、細径の内視鏡100を実現することができる。
【0065】
発光ダイオード80として、Z方向における厚さの薄い平板の表面実装型発光ダイオードが撮像モジュール10に適用されているので、硬性部長Lを短くすることができる。
また、硬性部Hにおいて、導光部92は導光孔91の内部に固定されており、導光部92の屈曲が防止されている。このため、屈曲に起因して導光部92が破損することがない。
【0066】
発光ダイオード80と電力供給ケーブル85との接続構造において、表面実装型発光ダイオードに導電線85Aを有する電力供給ケーブル85を適用することで、材料コストおよび組立コストを低く抑えることができる。
電力供給ケーブル85は、ファイババンドルに比べて細いため、電力供給ケーブル85を備える撮像モジュール10を内視鏡又はカテーテルに適用することで、投影面内で充分な大きさを有するワーキングチャネルを確保することができる。
電力供給ケーブル85は、シールド部材85Cを備えるので、導電線85Aに供給される電力に起因するノイズが同軸ケーブル40に影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0067】
半田35に曲面Fを形成することで、半田35の表面積が増加し、発光ダイオード80の放熱性が向上する。特に、樹脂の熱伝導率は0.5W/mK程度であり、これに対して、はんだ及び導電線の熱伝導率は10W/mK以上である。発光ダイオードが樹脂等で覆われた従来の構造では、発光ダイオードからの発熱が、樹脂内部に留まり、放熱し難い。これに対し、本実施形態に係る撮像モジュール10によれば、樹脂よりも熱伝導率が高い半田35の表面積が増加することで、従来よりも、優れた放熱性が得られる。
【0068】
更に、発光素子端子83に導電線85Aを直接的に接続することで、発光ダイオード80の放熱を充分に行うことができる。また、半田35に曲面Fを形成することで、また、発光素子端子83と導電線85Aとの間の電気的接続の信頼性が向上する。
【0069】
導電線85Aの導電線先端85ATを発光素子端子83に突き当て、導電線85Aと発光素子端子83とがはんだ付けされているので、はんだ付けされる部分の面積が小さくなり、細径の撮像モジュール10の実現に寄与する。
例えば、導電線が折り曲げられた屈曲部を発光素子端子にはんだ付けする場合では、はんだ付けされる部分の面積が大きくなってしまうが、本実施形態では、半田付けされる面積を小さくすることができる。
【0070】
発光ダイオード80と電力供給ケーブル85との接続構造においては、発光ダイオード80の発光素子端子83と電力供給ケーブル85の導電線85Aとが確実に接続されているか否か(接続状態)を確認する必要がある。この場合、発光素子端子83を観察し、発光素子端子83において半田35が曲面Fを有するか否かを判断することで、発光素子端子83と導電線85Aとの接続状態を容易に確認することができる。
【0071】
(第1実施形態の変形例)
次に、上述した第1実施形態の変形例について説明する。
以下に述べる変形例では、第1実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
【0072】
(変形例1)
上述した実施形態では、接続体30の溝部に露出する側面端子32A、32B、32C、32Dに同軸ケーブル40が電気的に接続された構造を有する接続体30について説明したが、本発明は、接続体30の構造を限定しない。
【0073】
例えば、接続体30の下面31bに埋め込み導体33A、33B、33C、33Dが露出する露出端子を設け、この露出端子に同軸ケーブル40が電気的に接続されてもよい。この場合、後方領域Rが形成されない。発光ダイオード80は、X方向やY方向において、固体撮像素子20、接続体30、及び同軸ケーブル40のうちいずれかに隣り合うように配置される。
【0074】
この構成では、接続体の内部の配線構造が簡素になり、接続体のZ方向における長さを短くすることができる。従って、発光ダイオード80を備えた撮像モジュールの硬性部長Lを短くすることができる。
【0075】
また、接続体30が省かれた構造、即ち、固体撮像素子20と同軸ケーブル40とを直接的に接続された構造が採用されてもよい。この場合、発光ダイオード80は、X方向やY方向において、固体撮像素子20及び同軸ケーブル40のうちいずれかに隣り合うように配置される。上記と同様に、発光ダイオード80を備えた撮像モジュールの硬性部長Lを短くすることができる。以下に述べる変形例2、3では、Y方向において発光ダイオード80がレンズユニット60に隣り合う構造について説明する。
【0076】
(変形例2、3)
図3(a)及び
図3(b)は、上述した実施形態の変形例に係る内視鏡の要部を示す図であって、X方向から見た撮像モジュール10を構成するレンズユニット60、発光ダイオード80、及び遮光部材90を示す断面図である。
変形例2、3は、発光ダイオード80がレンズユニット60の隣りに配置された構造を示している。
【0077】
図3(a)及び
図3(b)においては、レンズユニット60、発光ダイオード80、及び遮光部材90が示されている。
図1において示した撮像モジュール10を構成する他の部材は、本変形例では省略されている。
【0078】
図3(a)に示す変形例2では、遮光部材90の導光孔91の内部に突き当て部95が設けられている。突き当て部95には、遮光部材90の前方から導光孔91の内部に挿入された発光ダイオード80の下面86が接触している。突き当て部95及び発光ダイオード80は、接着剤等の公知の固定部材により固定されている。
【0079】
変形例2における導光孔91の長さ(Z方向)は、
図2に示す第1実施形態の導光孔91よりも短い。導光孔91の内部において、光出射面82のZ方向の位置は、撮像モジュール10の端面10Tよりも導光孔91の内側にずれている。
【0080】
光出射面82上には、導光板96が設けられている。この構成によれば、上述した変形例1と同様に、発光ダイオード80を備えた撮像モジュールの硬性部長Lを短くすることができる。また、導光板96により、発光ダイオード80を保護することができる。
【0081】
図3(b)に示す変形例3は、導光板96が用いられていない点で、変形例2とは異なる。変形例3のその他の構成は、変形例2と同じである。
Z方向において、光出射面82は、レンズユニット60の撮像面61の一致しており、即ち、撮像モジュール10の端面10Tに一致している。
この構成によれば、上述した変形例1と同様に、発光ダイオード80を備えた撮像モジュールの硬性部長Lを短くすることができる。また、光出射面82から広い角度で光が出射するので、撮像対象を広範囲で照明することができる。
【0082】
なお、変形例2、3では、発光ダイオード80がレンズユニット60の隣りに配置された構造を示したが、発光ダイオード80は、固体撮像素子20の隣りに配置されてもよい。
【0083】
(変形例4、5)
図4(a)及び
図4(b)は、上述した実施形態の変形例に係る内視鏡の要部を示す図であって、Z方向から見た撮像モジュール10を構成する固体撮像素子20と発光ダイオード80とを示す平面図である。
【0084】
図4(a)及び
図4(b)においては、固体撮像素子20及び発光ダイオード80が示されている。
図1において示した撮像モジュール10を構成する他の部材は、本変形例では省略されている。
なお、
図4(a)及び
図4(b)においては、複数の発光ダイオードに接続される配線WR(WR1、WR2、WR3、WR4、WR5)と、複数の発光ダイオードに電力を供給する電源PWが示されている。
【0085】
図4(a)に示す変形例4では、固体撮像素子20の左右に発光ダイオード80A、80Bが配置されている。換言すると、Y方向において固体撮像素子20を挟むように2つの発光ダイオード80A、80Bが配置されている。
【0086】
電源PWは、配線WR1を介して、第1発光ダイオード80Aに接続されている。第1発光ダイオード80Aは、配線WR2を介して、第2発光ダイオード80Bに接続されている。第2発光ダイオード80Bは、配線WR3を介して、電源PWに接続されている。即ち、第1発光ダイオード80A及び第2発光ダイオード80Bは、直列接続により、電源PWに接続されている。
【0087】
この構成によれば、
図2に示すように一つの発光ダイオード80が撮像モジュール10に設けられた構造よりも、より多くの光量を撮像モジュール10に供給することができる。この構成を内視鏡100に適用することで、より明るく撮像対象を照明することができる。また、第1発光ダイオード80A及び第2発光ダイオード80Bは、直列接続により、電源PWに接続されているため、並列接続に比べて、配線の本数を削減することができる。
【0088】
図4(b)に示す変形例5では、固体撮像素子20の上下左右に発光ダイオード80A、80B、80C、80Dが配置されている。換言すると、Y方向において固体撮像素子20を挟むように2つの発光ダイオード80A、80Bが配置され、X方向において固体撮像素子20を挟むように2つの発光ダイオード80C、80Dが配置されている。即ち、固体撮像素子20の周囲が発光ダイオード80A、80B、80C、80Dで囲まれている。
【0089】
電源PWは、配線WR1を介して、第1発光ダイオード80Aに接続されている。第1発光ダイオード80Aは、配線WR2を介して、第2発光ダイオード80Bに接続されている。第2発光ダイオード80Bは、配線WR3を介して、第3発光ダイオード80Cに接続されている。第3発光ダイオード80Cは、配線WR4を介して、第4発光ダイオード80Dに接続されている。第4発光ダイオード80Dは、配線WR5介して、電源PWに接続されている。即ち、発光ダイオード80A、80B、80C、80Dは、直列接続により、電源PWに接続されている。
【0090】
この構成によれば、
図4(a)に示すように2つの発光ダイオード80A、80Bが撮像モジュール10に設けられた構造よりも、より多くの光量を撮像モジュール10に供給することができる。この構成を内視鏡100に適用することで、より明るく撮像対象を照明することができる。また、発光ダイオード80A、80B、80C、80Dは、直列接続により、電源PWに接続されているため、並列接続に比べて、配線の本数を削減することができる。
【0091】
(変形例6)
図5は、上述した実施形態の変形例に係る内視鏡の要部を示す図であって、X方向から見た撮像モジュールの構造を示す断面図である。
図5に示すように、撮像モジュール10は、遮光部材90の外部が筐体110で覆われた構造を有する。Z方向における筐体110の長さは、硬性部長Lよりも短い。筐体110の材質としては、生体適合性を有している材料を選択することが望ましい。例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、アルミナやジルコニア等のセラミックが好適に用いられる。
【0092】
筐体110の内部においては、筐体110の内面と遮光部材90とが接触して固定されている。このような構成においては、筐体110を用いたことによって、曲げ等の外力に対する耐性が向上する。また、筐体110の内面と遮光部材90との間の隙間に樹脂を充填し、樹脂によって撮像モジュール10を固定してもよい。
【0093】
本変形例6に係る撮像モジュールによれば、上述した実施形態によって得られる効果と同様の効果が得られると共に、高い強度を有する撮像モジュール10を実現することができる。
【0094】
(第2実施形態)
(カテーテル200)
図6は、本発明の第2実施形態に係るカテーテル200の要部を示す斜視図である。
図6において、第1実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
【0095】
図6に示すカテーテル200は、上述した撮像モジュール10を備えた撮像モジュール付きカテーテルである。
カテーテル200は、例えば、シリコン等で形成された絶縁性のチューブ210を備えている。本実施形態では、チューブ210の材料としてシリコンを挙げたが、シリコン以外の可撓性材料や金属材料が用いられてもよい。
例えば、可撓性材料としては、シリコン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、例えば、テフロン(登録商標))等が挙げられる。金属材料としては、チタニウム、チタニウム合金、ステンレス鋼等が挙げられる。また、可撓性材料や金属材料に限らず、セラミックス材料がチューブ210の材料として用いられてもよい。
【0096】
チューブ210の内部には、上述した第1実施形態に係る撮像モジュール10を備える内視鏡100と、チャネル220とが設けられている。即ち、チューブ210は、撮像モジュール10を囲っている。
カテーテル200の端面200Tにおいては、チャネル220の開口部220Tが開口し、撮像モジュール10の端面10Tが露出している。即ち、端面200Tには、導光部92の端面92T、遮光部材90の端面、及びレンズユニット60の撮像面61が露出している。本実施形態において、実現可能なカテーテル200の直径Dは、例えば、約2mmである。
【0097】
チャネル220は、ルーメンとして用いられてもよいし、ワーキングチャネルとして用いられてもよい。チャネル220をルーメンとして用いる場合、例えば、カテーテル200の前方に向けて溶剤を吐出する溶剤注入ルーメン、或いは、カテーテル200の前方に存在する液体を除去するバキュームルーメンを、チューブ210に設けることができる。
また、チャネル220をワーキングチャネルとして用いる場合、例えば、処置具をチャネル220に挿入することが可能である。処置具としては、例えば、各種鉗子、スネア、ガイドワイヤ、ステント、レーザ処置具、高周波処置具等が挙げられる。
【0098】
上述した第2実施形態によれば、上記の第1実施形態で述べた細径の内視鏡100がカテーテル200に設けられているので、上述した実施形態によって得られる効果と同様の効果が得られると共に、チャネル220及び撮像モジュールの両方を具備するとともに細径のカテーテル200を実現することができる。
【0099】
本発明の好ましい実施形態を説明し、上記で説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、請求の範囲によって制限されている。
【符号の説明】
【0100】
10…撮像モジュール、10T…端面、20…固体撮像素子、21…受光面、22、22A、22B、22C、22D…撮像端子、30…接続体、31…本体、31b…下面、31t…上面、32A、32B、32C、32D…側面端子、33A、33C…第1埋め込み導体(埋め込み導体)、33B、33D…第2埋め込み導体(埋め込み導体)、34B、34D…下面端子、35…半田、40…同軸ケーブル、40F…第1同軸ケーブル(同軸ケーブル)、40S…第2同軸ケーブル(同軸ケーブル)、41、41A、41C…内部導体部、42…被覆部、43、43B、43D…シース導体部、50…コンデンサ、60…レンズユニット、61…撮像面、62…カバー部材、70…絶縁チューブ、80…発光ダイオード、80A…第1発光ダイオード、80B…第2発光ダイオード、80C…第3発光ダイオード、80D…第4発光ダイオード、81…発光素子、82…光出射面、83…発光素子端子、83E…端子外周部、85…電力供給ケーブル、85A…導電線、85AT…導電線先端、85AS…側面部、85B…外被、85C…シールド部材、86…下面、87…ケーブル補強部、90…遮光部材、91…導光孔、92…導光部、92T…端面、93…発光ダイオード挿通孔、94、95…突き当て部、96…導光板、96T…端面、100…内視鏡、110…筐体、200…カテーテル、200T…端面、210…チューブ、220…チャネル、220T…開口部、F…曲面、H…硬性部、K…境界部、L…硬性部長、PW…電源、R…後方領域、WR、WR1、WR2、WR3、WR4、WR5…配線