(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E06B 9/52 20060101AFI20220106BHJP
E06B 3/32 20060101ALI20220106BHJP
E06B 7/22 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
E06B9/52 A
E06B3/32 A
E06B7/22 R
E06B9/52 C
(21)【出願番号】P 2018058696
(22)【出願日】2018-03-26
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】田部井 欣司
(72)【発明者】
【氏名】五所尾 友博
(72)【発明者】
【氏名】新田 欽哉
(72)【発明者】
【氏名】松永 典子
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-118296(JP,U)
【文献】実開昭58-195774(JP,U)
【文献】特開2016-33301(JP,A)
【文献】実開昭55-150173(JP,U)
【文献】実開昭61-11873(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/32
E06B 7/22-7/23
E06B 9/52-9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と前記枠体に対してスライド可能な障子を備える建具において、
前記障子の室内側でスライド可能に配置される網戸と、
前記網戸と前記障子の間に配置され、前記障子の室内側の見付面に向かって延出し、該障子に当接して前記網戸と前記障子の隙間を塞ぐ室外側当接部を有する閉塞部材と、
前記網戸が有する網戸縦框又は前記閉塞部材に配置され、前記閉塞部材と前記網戸縦框が見込方向で対向する状態で、前記網戸縦框と前記閉塞部材の隙間を塞ぐ室内側当接部と、を備える建具。
【請求項2】
前記障子は、面材及び前記面材の四周を囲む横框及び縦框を有し、
前記閉塞部材は、前記障子が閉鎖位置にある状態で、戸先側の反対側に位置する前記縦框の少なくとも一部を収容する収容部を有する請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記室内側当接部は、前記網戸縦框に固定され、
前記閉塞部材は、前記室内側当接部の先端が接触可能な室内側見付面を有する請求項1又は2に記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド可能な障子を備える建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、引戸や引違い窓等のスライド可能な障子を備える建具において、障子の室内側に網戸を設けた構造が知られている。この種の技術を開示するものとして例えば特許文献1がある。特許文献1には、引違い窓において、室内側に配置される網戸の框に気密材を配置し、網戸を閉じて外障子を開いた状態で該気密材が内障子の召合框と接触することにより、虫の侵入を防止しつつ網戸によって風を取り入れる構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ビルの高層階等では、強度を高めるために室内側の障子の框の見込方向の長さを大きく確保しなければならない場合がある。この構成では、框に干渉しない位置に網戸を取り付ける必要があるため、室内側の障子のガラス(面材)と網戸の見込方向の間隔が大きなものになる。従来技術のように、網戸の気密材が室内側の障子の框に当接するようにしても、網戸の気密材と障子の框が見込方向で対向しない位置にずれると気密材が障子と接触しない状態になってしまい、虫等の室内側への侵入を許すことになってしまう。
【0005】
本発明は、障子よりも室内側に配置される網戸を備える建具において、障子の位置に関係なく、障子と網戸の間の隙間を塞ぐことができる構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、枠体(例えば、後述の枠体10)と前記枠体に対してスライド可能な障子(例えば、後述の内障子20)を備える建具(例えば、後述の建具1)において、前記障子の室内側でスライド可能に配置される網戸(例えば、後述の網戸50)と、前記網戸と前記障子の間に配置され、前記障子の室内側の見付面(例えば、後述の室内側見付面26a)に向かって延出し、該障子に当接して前記網戸と前記障子の隙間を塞ぐ室外側当接部(例えば、後述のモヘア90)を有する閉塞部材(例えば、後述の閉塞部材80)と、前記網戸が有する網戸縦框(網戸縦框53,54)又は前記閉塞部材に配置され、前記閉塞部材と前記網戸縦框が見込方向で対向する状態で、前記網戸縦框と前記閉塞部材の隙間を塞ぐ室内側当接部(例えば、後述のモヘア531,532)と、を備える建具に関する。
【0007】
前記障子は、面材及び前記面材の四周を囲む横框(例えば、後述の上框21、下框22)及び縦框(召内框23、戸先框24)を有し、前記閉塞部材は、前記障子が閉鎖位置にある状態で、戸先側の反対側に位置する前記縦框(例えば、後述の召内框23)の少なくとも一部を収容する収容部を有することが好ましい。
【0008】
前記室内側当接部(例えば、後述のモヘア531,532)は、前記網戸縦框に固定され、前記閉塞部材は、前記室内側当接部の先端が接触可能な室内側見付面(例えば、後述の室内側見付面82a)を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の建具によれば、障子の位置に関係なく、障子と網戸の間の隙間を塞ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る建具の縦断面図である。
【
図3】本実施形態の建具が備える閉塞部材の拡大横断面図である。
【
図4】本実施形態の建具の内障子が開いている状態を示す横断面図である。
【
図5】本実施形態の建具の内障子が開状態と閉状態の間の中間状態を示す横断面図である。
【
図6】本実施形態の建具の外障子が開いている状態を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において、「見付方向」とは、建物に形成された開口部に納められた建具における障子の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記障子の厚み方向を意味する。
【0012】
図1は、本実施形態の建具1の縦断面図である。
図2は本実施形態の建具1の横断面図である。
図1及び
図2に示すように、本実施形態の建具1は、建物の開口部に固定される枠体10と、枠体10の内側で摺動可能に配置される内障子20及び外障子40と、内障子20の更に室内側で摺動可能に配置される網戸50と、網戸50と内障子20の間を塞ぐ閉塞部材80と、を主要な構成として備える高層階用のテラス窓(引き違い窓)である。
【0013】
枠体10は、上枠11、下枠12及び左右の縦枠13,14が略矩形に枠組みされて構成されており、建物の躯体に固定される。上枠11、下枠12及び左右の縦枠13,14は、アルミの押出し成形品であり、金属製である。
【0014】
上枠11の下面には、内障子20の上部が係合する室内側上レール111と、外障子40の上部が係合する室外側上レール112と、が形成される。室内側上レール111と室外側上レール112は、見込方向で対向している。
【0015】
下枠12の上面には、内障子20の下部が係合する室内側下レール121と、外障子40の上部が係合する室外側下レール122と、が形成される。室内側下レール121と室外側下レール122は、見込方向で対向している。下枠12の室外側壁部120の上部には、内障子20下部の室内側の見付面に当接する気密材125が配置される。また、下枠12は、室内側下レール121の見付面から見込方向室外側に延出する延出部126を有し、この延出部126の先端には外障子40下部の室内側の見付面に当接する気密材127が配置される。
【0016】
縦枠13において、閉鎖位置の内障子20に対向する部位には外障子40の室内側の見付面に接触する気密材131が配置される。また、縦枠13の内側の見込面の近傍には内障子20に対向する衝突防止部材135が配置される。同様に、縦枠14において、閉鎖位置の内障子20に対向する部位には内障子20の室内側の見付面に接触する気密材141が配置される。また、縦枠14の内側の見込面の近傍には内障子20に対向する衝突防止部材136が配置される。
【0017】
内障子20及び外障子40は、何れも引き戸であり、これらを左右方向(見付方向)にスライドさせることで、開口部が閉鎖又は開放される。
図1~3では、内障子20及び外障子40の両方が閉鎖位置にある状態が示されている。
【0018】
内障子20について説明する。内障子20は、上框21、下框22及び左右の縦框である召内框23,戸先框24により矩形に枠組みされた框体25と、框体25内に嵌め込まれて固定された面材としての複層ガラス26と、を含んで構成される。
【0019】
上框21は、複層ガラス26の端部を挟み込むガラス溝を形成するガラス溝部210と、室内側上レール111に係合する係合部211と、を備える。下框22は、複層ガラス26の端部を挟み込むガラス溝を形成するガラス溝部220と、室内側下レール121に係合する戸車222を保持する戸車保持部221と、を備える。
【0020】
召内框23は、複層ガラス26の端部を挟み込むガラス溝を形成するガラス溝部230と、ガラス溝部230から見込方向室内側に延出する室内部231と、室内部231の見込方向室外側に位置する室外部232と、を備える。
【0021】
召内框23の室内部231は、見込方向室外側に大きく突出している。本実施形態では、召内框23(室内部231)の室内側の見付面の位置が、戸先框24の室内側の見付面の位置よりも室外側に突出しており、その突出量は複層ガラス26の厚みよりも大きなものになっている。
【0022】
室外部232の室外側の見付面には、召内側煙返し部233及び気密材234が配置される。気密材234は、閉鎖位置の外障子40(後述の召外框43)の室内側の見付面に当接する。本実施形態の室内部231の外側面は、室内側カバー235に覆われている。
【0023】
戸先框24は、複層ガラス26の端部を挟み込むガラス溝を形成するガラス溝部240と、ガラス溝部240の戸先側に位置する戸先部241と、を備える。
【0024】
外障子40について説明する。外障子40は、上框41、下框42及び左右の縦框である召外框43,戸先框44により矩形に枠組みされた框体45と、框体45内に嵌め込まれて固定された面材としての複層ガラス46と、を含んで構成される。外障子40の框体45の基本的な構成は、内障子20の框体25の基本的構成と同様である。
【0025】
上框41は、複層ガラス46を挟み込むガラス溝部410と、室外側上レール112に係合する係合部411と、を備える。下框42は、複層ガラス46の端部を挟み込むガラス溝を形成するガラス溝部420と、室外側下レール122に係合する戸車422を保持する戸車保持部421と、を備える。
【0026】
召外框43は、複層ガラス46を挟み込むガラス溝部430と、ガラス溝部430から見付方向の縦枠14に突出する突出部431と、を備える。突出部431の室内側の見付面には、召外側煙返し部442及び気密材443が配置される。気密材443は、閉鎖位置の内障子20のガラス溝部230に当接する。戸先框44は、複層ガラス46を挟み込むガラス溝部440と、ガラス溝部440の戸先側に位置する戸先部441と、備える。
【0027】
次に、網戸50について説明する。本実施形態の建具1の室内側には、建物に固定される額縁70が配置されている。額縁70は、枠体10よりも室内側に配置され、額縁70の見込面に網戸50をスライド移動可能に保持する網戸保持枠60が固定される。
【0028】
網戸保持枠60は、見込方向室内側に延出する召内框23に網戸50が干渉しない位置で額縁70に固定される。網戸保持枠60は、網戸保持上枠61、網戸保持下枠62、網戸保持縦枠63,64が矩形に枠組みされて構成される。網戸保持上枠61及び網戸保持下枠62は、レール状に形成されている。網戸50は、網戸保持枠60の内側で左右方向に移動可能に保持される。
【0029】
網戸50は、網戸上框51、網戸下框52及び左右の網戸縦框53,網戸縦框54により矩形に枠組みされた網戸框体55と、網戸框体55内に嵌め込まれて固定された網部56と、を含んで構成される。網戸上框51は網戸保持上枠61に係合し、網戸下框52は網戸保持下枠62に係合する。また、網戸縦框53の室外側の見付面には見込方向室外側に延びるモヘア531が設けられ、網戸縦框54の室外側の見付面には見込方向室外側に延びるモヘア541が設けられる。
【0030】
図3は、本実施形態の建具1が備える閉塞部材80の拡大横断面図である。閉塞部材80は、網戸50と内障子20の間に配置され、網戸50と内障子20の隙間を防ぐものである。閉塞部材80は、全体として上下方向に延びる柱状(方立状)に形成される。
【0031】
本実施形態の閉塞部材80は、閉鎖位置の内障子20の縦枠14側で該内障子20の召内框23に対向する見込面を有する本体部81と、本体部81の見込方向室外側から見付方向の縦枠13側に延びる延出片82と、が一体的な部材によって構成される。
図2に示すように、閉塞部材80は、本体部81と延出片82を合わせた全体としては、平面視において略L字状となっている。
【0032】
本体部81は、内側が中空のホロー構造となっている。本体部81の上部は上側L字プレート91を介して額縁70に固定され、本体部81の下部は下側L字プレート92を介して額縁70に固定される。上側L字プレート91は、上側の額縁70にビス等の締結部材95によって固定される面と、本体部81の内側で締結部材95によって固定される面と、を有する。下側L字プレート92は、下側の額縁70に締結部材95によって固定される面と、本体部81の内側で締結部材95によって固定される面と、を有する。
【0033】
本体部81の室外側の見付面には、モヘア90を嵌合する嵌合部93が形成される。モヘア90は、嵌合部93によって見込方向室外側に向かって延出している。モヘア90は、閉塞部材80の略全域にわたっており、内障子20と閉塞部材80の間の隙間を塞いでいる。
図3に示す状態では、モヘア90の先端が内障子20(複層ガラス26)の室内側見付面26aに当接している状態が示される。
【0034】
延出片82は、見付方向の縦枠14側に延びる先端が見込方向室外側になだらかに曲がる形状となっている。網戸50の位置により、延出片82の室内側見付面82aには網戸縦框53のモヘア531又は網戸縦框54のモヘア541が当接することになる。
【0035】
延出片82における室外側の見付面と本体部81の縦枠13側の見込面は、召内框23の一部を収容する収容部85を形成する。内障子20が閉鎖位置にある状態で、召内框23が収容部85に収容された状態となる。この状態で室内側から見たときに、召内框23の室内側の見付面23aの多くの領域が閉塞部材80の延出片82に隠された状態となる。
【0036】
次に、内障子20又は外障子40を開いて網戸50を用いたときの閉塞状態について説明する。
【0037】
図4は、本実施形態の建具1の内障子20が開いている状態を示す横断面図である。
図4では、外障子40は閉鎖位置にあり、内障子20を開いたことによって開放された開口が縦枠14側に位置する網戸50によって閉鎖された状態である。
【0038】
図4に示すように、縦枠13側に移動した内障子20の戸先框24の端部に、閉塞部材80のモヘア90が曲がりながらも接触しており、内障子20と閉塞部材80の間の隙間が閉じられている。また、網戸縦框53のモヘア531も、閉塞部材80(延出片82)の室内側見付面82aに接触しており、網戸50と閉塞部材80の隙間も閉じられた状態である。網戸50と内障子20の隙間が閉塞部材80によって閉じられているので、虫が隙間から入ることもなく、網戸50を快適に使用することができる。
【0039】
図5は、本実施形態の建具1の内障子20が開状態と閉状態の間の中間状態を示す横断面図である。
図5では、内障子20は閉鎖位置から少し縦枠13側に移動した位置にあり、網戸50が縦枠14側に位置している。内障子20の移動によって生じた隙間は、見込方向で対向する網戸50に閉鎖されている。
【0040】
図5に示すように、縦枠14側に位置する内障子20が縦枠14側に移動しても、
図2の状態と同様に、閉塞部材80のモヘア90が複層ガラス26に接触する状態が維持される。内障子20の移動中も、閉塞部材80のモヘア90が複層ガラス26の接触は維持される。また、網戸縦框53のモヘア531が、閉塞部材80(延出片82)の室内側見付面82aに接触しており、網戸50と閉塞部材80の隙間も閉じられている。
【0041】
図6は、本実施形態の建具1の外障子40が開いている状態を示す横断面図である。
図6では、内障子20は閉鎖位置にあり、外障子40を開いたことによって開放された開口が縦枠13側に位置する網戸50によって閉鎖された状態である。
【0042】
図6に示すように、縦枠14側に位置する内障子20の位置は
図2の状態と変わらないため、閉塞部材80のモヘア90が複層ガラス26に接触する状態が維持される。縦枠13側に移動した網戸50は、その網戸縦框54のモヘア541が、閉塞部材80(延出片82)の室内側見付面82aに接触しており、網戸50と閉塞部材80の隙間も閉じられた状態である。この状態においても、虫が隙間から入ることもなく、網戸50を快適に使用することができる。
【0043】
また、
図4~
図6に示すように、室内側から見たときに網戸50が縦枠13側に位置している場合は網戸縦框54によって閉塞部材80が隠れ、網戸50が縦枠14側に位置している場合は網戸縦框53によって閉塞部材80が隠れる構成となっている。従って、閉塞部材80が室内側から見ても目立たない構成となっている。
【0044】
上記実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の建具1は、内障子20の室内側でスライド可能に配置される網戸50と、網戸50と内障子20の間に配置され、内障子20の室内側見付面26aに向かって延出し、該内障子20に当接して網戸50と内障子20の隙間を塞ぐモヘア(室外側当接部)90)を有する閉塞部材80と、網戸50が有する網戸縦框53,54又は閉塞部材80に配置され、閉塞部材80と網戸縦框53(又は網戸縦框54)が見込方向で対向する状態で、網戸縦框53(又は網戸縦框54)と閉塞部材80の隙間を塞ぐモヘア531(又はモヘア532)と、を備える。
【0045】
これにより、高層階用等、強度が求められるため、内障子20の召内框23の見込方向の長さが大きくなり、それに伴って内障子20と網戸50の間隔も大きくなる構成であっても、閉塞部材80によって内障子20と網戸50の隙間を塞ぐことができる。また、内障子20が開状態、閉状態、中間状態の何れの状態であっても、閉塞部材80のモヘア90が内障子20に接触しているので、網戸50を使用したときの内障子20と網戸50の隙間が常に塞がれる建具を実現できる。
【0046】
また、本実施形態の内障子20は、面材としての複層ガラス26及び複層ガラス26の四周を囲む上框21、下框22、召内框23及び戸先框24を有し、閉塞部材80は、内障子20が閉鎖位置にある状態で、戸先側の反対側に位置する召内框23の少なくとも一部を収容する収容部85を有する。
【0047】
これにより、閉塞部材80と内障子20の干渉を回避できるので、建具1全体として見込方向の長さを大きくすることなく閉塞部材80を配置して内障子20と使用時の網戸50の隙間を塞ぐ構成を実現できる。
【0048】
また、本実施形態のモヘア531は網戸縦框53に固定され、モヘア532は網戸縦框54に固定される。閉塞部材80は、モヘア531,532の先端が接触可能な室内側見付面82aを有する。
【0049】
これにより、内障子20又は外障子40を開いて網戸50が使用位置にあるときだけ、網戸縦框53のモヘア531又は網戸縦框54のモヘア532が閉塞部材80に接触し、隙間が塞がれる構成をシンプルな構造で実現できる。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0051】
上記実施形態では、引違い窓を本発明の建具1として説明したが、この構成に限定されない。例えば、室外側にFIX窓(固定された外障子)が配置され、室内側がスライド移動可能な引戸(内障子)が配置される構成の建具にも適用できる。
【符号の説明】
【0052】
1 建具
10 枠体
20 内障子(障子)
23 召内框(縦框)
50 網戸
53,54 網戸縦框
80 閉塞部材
85 収容部
90 モヘア(室外側当接部)
531,532 モヘア(室内側当接部)