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  • -回転抵抗発生装置 図1
  • -回転抵抗発生装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-14
(54)【発明の名称】回転抵抗発生装置
(51)【国際特許分類】
   G05G 5/03 20080401AFI20220106BHJP
   F16F 9/14 20060101ALI20220106BHJP
   F16F 9/53 20060101ALI20220106BHJP
   G05G 5/05 20060101ALI20220106BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
G05G5/03 Z
F16F9/14 A
F16F9/53
G05G5/05
G06F3/01 560
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018064117
(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公開番号】P2019175237
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000142595
【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】赤岩 修一
【審査官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-165281(JP,A)
【文献】特開2011-253327(JP,A)
【文献】国際公開第2018/051545(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05G 5/03
F16F 9/14
F16F 9/53
G05G 5/05
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外力によって回転される被回転体と、
前記被回転体とワンウェイクラッチを介して連結された回転抵抗発生部と、
前記被回転体と一方向トルク伝達機を介して連結された超音波モータと、
を備え、
前記ワンウェイクラッチは、
外力によって前記被回転体が一方向に回転されるときに当該被回転体から前記回転抵抗発生部へトルクを伝達するものであり、
前記回転抵抗発生部は、
前記被回転体と前記ワンウェイクラッチを介して連結された回転部と、
磁気粘性流体に磁場を付与する電磁石とを有し、
前記磁気粘性流体に付与する磁場の強さに応じた回転抵抗を前記回転部に生じさせるものであり、
前記一方向トルク伝達機は、
前記超音波モータ側から前記被回転体側へのトルクのみを伝達し、前記被回転体側から前記超音波モータ側へのトルクを伝達しないものである、
ことを特徴とする回転抵抗発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回転抵抗発生装置において、
前記被回転体の回転状態に基づいて前記超音波モータの駆動を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、
外力によって前記被回転体が所定の回転位置から一方向に回転された後、その回転が停止した場合に、前記超音波モータを駆動して前記被回転体を前記所定の回転位置に戻るまで他方向に回転させる、
ことを特徴とする回転抵抗発生装置。
【請求項3】
請求項1に記載の回転抵抗発生装置において、
前記被回転体の回転状態に基づいて前記超音波モータの駆動と、前記回転抵抗発生部が発生する回転抵抗とを制御する制御部を更に備え、
外力によって前記被回転体が一方向に回転されるとき、前記回転抵抗発生部に電流を供給して回転抵抗を発生させるとともに、前記超音波モータへの電流の供給を停止し、
前記超音波モータへ電流を供給して前記被回転体を他方向に回転させるとき、前記回転抵抗発生部への電流の供給を停止する
ことを特徴とする回転抵抗発生装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外力によって回転される被回転体において所望の回転抵抗を発生する回転抵抗発生装置に関する。特に、磁気粘性流体に付与する磁場の強さを変えることにより、前記被回転体において所望の回転抵抗を発生する回転抵抗発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の関連技術として、例えば特許文献1には、力覚提示装置が開示されている。同文献の力覚提示装置には、磁気粘性流体に付与する磁場の強さを変えることにより、所望の回転抵抗を発生する回転抵抗発生部が備わっている。この回転抵抗発生部は、電磁石によって内部に封入された磁気粘性流体に磁場を付与するものであり、電磁石に給電する電流値を制御することで、当該回転抵抗発生部が生じる回転抵抗を制御する。
【0003】
同文献の力覚提示装置は、操作部が押し込まれると、その動作がリンク機構を介して回転動作に変換されて回転抵抗発生部に伝達される。このとき、回転抵抗発生部が回転抵抗を生じることで、その回転抵抗がリンク機構を介して変位部に伝達され、変位部を押し込む操作者に力覚として提示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-138651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、磁気粘性流体を用いた回転抵抗発生部は、自ら駆動することができないため、操作者によって押し込まれた変位部、および、変位部が押し込まれることによって、一方向へ回転されたリンク部材等の被回転体を元の位置に戻すことができない。
【0006】
特許文献1の「他の実施形態」には、スプリングを使用して変位部を元の位置に復帰させることが記載されているが、そのようにした場合、操作者が変位部を押し込む際に、その変位部が提示する力覚(回転抵抗)に、スプリングの反力が含まれてしまう。そうなると、操作者に対して提示できる力覚の自由度が著しく制限されてしまう。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みて創案されたものであり、外力によって被回転体が一方向に回転される際に、磁気粘性流体を用いた回転抵抗発生部のみによって被回転体に回転抵抗を付与することができ、かつ、一方向に回転された被回転体を元の回転位置に戻すことができる回転抵抗発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る回転抵抗発生装置は、外力によって回転される被回転体と、前記被回転体とワンウェイクラッチを介して連結された回転抵抗発生部と、前記被回転体と一方向トルク伝達機を介して連結された超音波モータと、を備える。前記ワンウェイクラッチは、外力によって前記被回転体が一方向に回転されるときに当該被回転体から前記回転抵抗発生部へトルクを伝達するものである。前記回転抵抗発生部は、前記被回転体と前記ワンウェイクラッチを介して連結された回転部と、磁気粘性流体に磁場を付与する電磁石とを有し、前記磁気粘性流体に付与する磁場の強さに応じた回転抵抗を前記回転部に生じさせるものである。前記一方向トルク伝達機は、前記超音波モータ側から前記被回転体側へのトルクのみを伝達し、前記被回転体側から前記超音波モータ側へのトルクを伝達しないものである。
【0009】
かかる構成を備える回転抵抗発生装置によれば、外力によって被回転体が一方向に回転するとき、被回転体側から超音波モータ側へトルクが伝達されないため、超音波モータから、被回転体に回転抵抗が付与されることがない。よって、回転抵抗発生部のみによって被回転体に回転抵抗を付与することができる。また、超音波モータ側から被回転体側へはトルクが伝達されるため、超音波モータを他方向に回転駆動することで、被回転体を元の回転位置に戻すことが可能となる。
【0010】
前記構成を備える回転抵抗発生装置において、例えば、前記被回転体の回転状態に基づいて前記超音波モータの駆動を制御する制御部を更に備え、前記制御部は、外力によって前記被回転体が所定の回転位置から一方向に回転された後、その回転が停止した場合に、前記超音波モータを駆動して前記被回転体を前記所定の回転位置に戻るまで他方向に回転させる、ものとすることができる。
【0011】
かかる構成を備える回転抵抗発生装置によれば、外力によって被回転体が所定の回転位置から一方向に回転された場合、自動的に被回転体を元の回転位置まで戻すことができる。
【0012】
前記構成を備える回転抵抗発生装置において、例えば、前記被回転体の回転状態に基づいて前記超音波モータの駆動と、前記回転抵抗発生部が発生する回転抵抗とを制御する制御部を更に備え、外力によって前記被回転体が一方向に回転されるとき、前記回転抵抗発生部に電流を供給して回転抵抗を発生させるとともに、前記超音波モータへの電流の供給を停止し、前記超音波モータへ電流を供給して前記被回転体を他方向に回転させるとき、前記回転抵抗発生部への電流の供給を停止する、ものとすることができる。
【0013】
かかる構成を備える回転抵抗発生装置によれば、回転抵抗発生部が被回転体と繋がっていないときに当該回転抵抗発生部への給電が停止され、超音波モータが被回転体と繋がっていないときに当該超音波モータへの給電が停止されるので、消費電力を抑えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る回転制動装置によれば、外力によって被回転体が一方向に回転される場合、磁気粘性流体を用いた回転抵抗発生部のみによって被回転体に回転抵抗を付与することができる。また、超音波モータを他方向に回転駆動することで当該被回転体を元の位置に戻すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施形態に係る回転抵抗発生装置を示す断面図である。
図2】本実施形態に係る回転抵抗発生装置の各部間での回転伝達状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係る回転抵抗発生装置について図面を参照しながら説明する。図1に示すように回転抵抗発生装置1は、被回転体2、回転抵抗発生部3、ワンウェイクラッチ4、超音波モータ5、一方向トルク伝達機6、制御部7等を備えている。
【0017】
被回転体2は、外力(例えば操作者による外力)によって軸線N回りに回転される。ここで、外力は、直接被回転体2に付与されるものに限らず、何らかの機構、部材等を介して被回転体2に付与される外力であってもよい。被回転体2は、基部2aと、基部2aの外周部から径方向外側に延出したレバー部2bとを備える。基部2aは、ベアリング9を介して支持体10に回転自在に支持されている。また、基部2aには、後述するワンウェイクラッチ4の外径側が嵌め込まれている。被回転体2の形状は特に限定されず、回転抵抗発生装置1が適用される機械、器具、装置、システム等の適用物に応じて適宜決定される。
【0018】
回転抵抗発生部3は、被回転体2とワンウェイクラッチ4を介して連結されている。この回転抵抗発生部3は、ワンウェイクラッチ4の内径側と一体回転するように設けられた回転部12と、磁気粘性流体13と、磁気粘性流体13に磁場を付与する電磁石14とを備え、磁気粘性流体13に付与する磁場の強さに応じた回転抵抗を回転部12において発生する。回転抵抗発生部3の外周部は支持体10に固定されている。なお、回転抵抗発生部3の詳細な構成例については後述する。
【0019】
ワンウェイクラッチ4は、外力により被回転体2が一方向に回転されるとき、当該被回転体2から回転抵抗発生部3へトルク伝達するように設けられている。したがって、被回転体2が他方向に回転されるときは、被回転体2から回転抵抗発生部3へトルク伝達されない。本実施形態では、図1の矢印Aの方向から視て時計方向の回転を一方向への回転とし、反時計方向の回転を他方向への回転として説明する。
【0020】
超音波モータ5は、超音波振動を利用して内部のロータおよび出力軸16を回転駆動する。超音波モータ5の出力軸16は、後述する一方向トルク伝達機6の入力軸17と回転一体に連結されている。超音波モータ5の外周部は支持体10に固定されている。
【0021】
一方向トルク伝達機6は、本体が支持体10に固定され、入力軸17が超音波モータ5の出力軸16と回転一体に連結され、出力軸15が被回転体2の基部2aと回転一体に連結されている。この一方向トルク伝達機6は、超音波モータ5側から被回転体2側へのトルクのみを伝達し、被回転体2側から超音波モータ5側へのトルクを伝達しない。なお、このような、一方向トルク伝達機6として、例えばNTN株式会社製の「フリー型トルクダイオード(登録商標)」のような製品を利用することができる。
【0022】
制御部7は、回転抵抗発生部3のコイル18に対して電流を供給する。制御部7は、外部からの指令又は内部において予め決められた手順に従って、被回転体2の回転状態(回転位置、回転速度、回転方向等)を参照しつつ、コイル18に供給する電流を制御する。例えば、コイル18に供給する電流のON/OFF制御、コイル18に供給する電流値の可変制御などを行う。電流値の可変制御の例として、電流値を周期的若しくは非周期的に変動させることが挙げられる。さらに、電流値を周期的に変動させる制御の例として、時間変化が矩形波となるように電流値を変動させることが挙げられる。
【0023】
被回転体2の回転状態(回転位置、回転速度、回転方向等)は、被回転体2に対して設置された回転検出センサ19から出力される信号に基づき制御部7が検出する。
【0024】
制御部7は、超音波モータ5に対しても電流を供給する。制御部7は、外部からの指令又は内部において予め決められた手順に従って、被回転体2の回転状態(回転位置、回転速度、回転方向等)を参照しつつ、超音波モータ5に供給する電流を制御する。例えば、超音波モータ5に供給する電流のON/OFF制御、超音波モータ5に供給する電流値の可変制御などを行う。
【0025】
次に、図1に例示する回転抵抗発生部3の構成例を説明する。図1に示す回転抵抗発生部3は、回転部12、ヨーク21,22、コイル18、磁気粘性流体13、ケーシング23等で構成されている。更に、回転部12は、回転軸24、円板25等で構成されている。
【0026】
回転軸24は、その端部が円板25の裏面25bの中心部に垂直に接続されている。回転軸24はベアリング27を介してヨーク22に設けられた軸穴28に回転自在に支持されている。
【0027】
円板25は、磁性体からなり、回転軸24と一体に回転可能となっている。ケーシング23、ヨーク21,22等は支持体10に対して回転しないように所定の固定手段により固定されている。
【0028】
ヨークは、第1ヨーク21および第2ヨーク22で構成されている。第1ヨーク21は、円板25の表面25aに対して微小隙間を介して対向する円板状のもので構成されている。この第1ヨーク21は、円筒状のケーシング23に嵌め込まれて固定されている。
【0029】
第2ヨーク22は、円板25の裏面25bに対して微小隙間を介して対向する対向面22aを有する。この第2ヨーク22は、円筒状のケーシング23の内側に嵌め込まれて固定されている。
【0030】
符号29は、非磁性体からなる球体であり、第1ヨーク21の中心部に形成された凹部と、回転軸24の端面の中心に形成された凹部とで形成されるスペースに収容されている。
【0031】
コイル18は、第2ヨーク22に形成された環状の溝に沿って配設されている。このコイル18には、制御部7から電流が供給される。
【0032】
磁気粘性流体13は、円板25と、第1ヨーク21および第2ヨーク22との隙間に封入されている。この磁気粘性流体13は、磁性粒子を分散媒に分散させてなる液体であり、例えばその磁性粒子がナノサイズの金属粒子(金属ナノ粒子)からなるものが使用できる。磁性粒子は磁化可能な金属材料からなり、金属材料に特に制限はないが軟磁性材料が好ましい。軟磁性材料としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル及びパーマロイ等の合金が挙げられる。分散媒は、特に限定されるものではないが、一例として疎水性のシリコーンオイルを挙げることができる。磁気粘性流体における磁性粒子の配合量は、例えば3~40vol%とすればよい。磁気粘性流体にはまた、所望の各種特性を得るために、各種の添加剤を添加することも可能である。
【0033】
上記構成を備える回動抵抗発生部3において、コイル18に電流が印加されると、矢印Pが示す方向に沿って円板25、第1ヨーク21、第2ヨーク22内に磁路が形成される。この磁路は、円板25の表面25aと第1ヨーク21との隙間や、円板25の裏面25bと第2ヨーク22との隙間に介在する磁気粘性流体13を貫通する。これにより、磁気粘性流体13には、磁場の強さに応じた粘度(ずり応力)が発現し、円板25とヨーク21,22との間での伝達トルクが磁場の強さに応じて大きくなる。その結果、回転軸24の回転抵抗もコイル18に印加される電流値に応じて大きくなる。
【0034】
次に、回転抵抗発生装置1において、被回転体2が外力によって回転される際の動作の一例を説明する。以下では、例えば図1に示すようにレバー部2bが真上を向いたときの被回転体2の回転位置を初期位置と仮定して説明する。
【0035】
先ず、被回転体2が初期位置で停止しているとき、制御部7は、回転検出センサ19からの信号に基づいて被回転体2が初期位置で停止していることを検出する。このとき、制御部7は、回転抵抗発生部3および超音波モータ5への給電を行わない。
【0036】
被回転体2が、初期位置で停止している状態から、操作者の操作力によって一方向(矢印A方向から視て時計方向)に回転されるとき、制御部7は、回転検出センサ19からの信号に基づいて被回転体2が一方向に回転していることを検出する。このとき、制御部7は、回転抵抗発生部3のコイル18に電流を供給して磁気粘性流体13に磁場を印加する。
【0037】
また、被回転体2が一方向に回転されているとき、図2(a)に示すように、被回転体2からワンウェイクラッチ4を介して回転抵抗発生部3へトルクが伝達される。このことから、回転抵抗発生部3で発生する回転抵抗が、操作者に対して、操作力に対する反力(力覚)として提示される。また、このとき、被回転体2側から超音波モータ5側へトルク伝達されないため、回転抵抗発生部3のみによって被回転体2に回転抵抗が付与される。なお、被回転体2が一方向に回転しているとき、回転抵抗発生部3に供給する電流の値を変化、変動等させることで、操作者に対して様々な力覚を提示することができる。
【0038】
被回転体2が、操作者の操作力によって一方向(矢印A方向から視て時計方向)に回転された後、操作者が操作を止める、あるいは、被回転体がそれ以上回転できない回転位置に達する等して、被回転体2の回転が停止した場合、制御部7は、回転検出センサ19からの信号に基づいてそのことを検出する。このとき、制御部7は、回転抵抗発生部3のコイル18への給電を停止するとともに、超音波モータ5に電流を供給して超音波モータ5を他方向(矢印A方向から視て反時計方向)に回転駆動させる。
【0039】
超音波モータ5が他方向に回転駆動すると、そのトルクは、図2(b)に示すように、一方向トルク伝達部6を介して被回転体2に伝達され、被回転体2が他方向に回転する。このとき、ワンウェイクラッチ4は、被回転体2から回転抵抗発生部3にトルク伝達しないことから、回転抵抗発生部3の回転抵抗(磁気粘性流体に磁場が印加されていないときの回転抵抗)が被回転体2に負荷されることはない。
【0040】
その後、被回転体2が初期位置まで回転すると、制御部7は、回転検出センサ19からの信号に基づいて被回転体2が初期位置に戻ったことを検出するとともに、超音波モータ5への給電を停止して被回転体2を初期位置で停止させる。
【0041】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る回転抵抗発生装置1によれば、外力によって被回転体2が一方向に回転されるとき、被回転体2側から超音波モータ5側へトルクが伝達されないため、超音波モータ5から、被回転体2に回転抵抗が付与されることがない。よって、回転抵抗発生部3のみによって被回転体2に回転抵抗を付与することができる。また、被回転体2が初期位置から一方向に回転された後、自動的に、被回転体2を他方向に回転させて初期位置に戻すことができる。
【0042】
また、本実施形態に係る回転抵抗発生装置1によれば、被回転体2が一方向に回転しているとき、被回転体2と繋がっていない超音波モータ5への給電が停止され、被回転体2が他方向に回転されているとき、被回転体2と繋がっていない回転抵抗発生部3への給電が停止されるので、消費電力が抑制される。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、外力によって回転される被回転体において所望の回転抵抗を発生する回転抵抗発生装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 回転抵抗発生装置
2 被回転体
3 回転抵抗発生部
4 ワンウェイクラッチ
5 超音波モータ
6 一方向トルク伝達機
7 制御部
12 回転部
13 磁気粘性流体
14 電磁石

図1
図2