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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】マットレス装置
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/14 20060101AFI20220107BHJP
   A47C 31/10 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A47C27/14 Z
A47C31/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019095816
(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公開番号】P2020188931
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2020-08-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000010032
【氏名又は名称】フランスベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 俊一
【審査官】田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-136669(JP,A)
【文献】特開2007-111172(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0259415(US,A1)
【文献】特開平11-318641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/14
A47C 31/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性材料によって平板状に形成されたクッション材と、
このクッション材を被覆した袋状の外装体を有し、
前記クッション材には、前記クッション材を長手方向に沿って圧縮変形させて前記クッション材の長さを変更する弾性変形部が設けられ、
前記外装体は、変更された前記クッション材の長さに応じて前記外装体の長さを変更するとともに、前記クッション材を圧縮変形させた状態で保持する長さ調整部を備え、
前記外装体は、前記クッション材の上面と下面を覆う一対の鏡地と、前記クッション材の周辺部を覆うまち地とによって袋状に形成されていて、
前記長さ調整部は、前記クッション材の長手方向の一端部側に位置する前記外装体の一対の前記鏡地と前記まち地とが分解可能に連結されていて、
前記鏡地と前記まち地は、前記クッション材を長さ寸法が短くなるよう圧縮変形させたときに前記クッション材を圧縮変形させた状態で保持できるよう連結できる構成であることを特徴とするマットレス装置。
【請求項2】
前記クッション材の長手方向の一端部側の上面と下面を覆う一対の前記鏡地と、長手方向の一端部側の両側面を覆う前記まち地の上下端とはそれぞれ第1、第2のファスナによって分解可能に連結され、
前記まち地の前記クッション材の長手方向の一端部側の端面を覆う部分の上下方向の下端と、下面側の前記鏡地の端縁とは第3、第4のファスナによって分解可能に連結され、
前記まち地の前記クッション材の長手方向の一端面を被覆した部分は、前記クッション材の側面を被覆した部分に対して分解可能に連結されていて、
前記クッション材の長手方向一端部に位置する前記外装体の上下一対の鏡地と、前記まち地の前記クッション材の長手方向一端部の両側面と端面を覆う部分とを分解した後、前記クッション材を長さ寸法が短くなるよう圧縮変形させた状態において、前記外装体の前記クッション材の長さ寸法に対して余剰となった部分のうち、前記まち地は前記クッション材の端面の長手方向一端面に保持され、上下一対の前記鏡地は前記クッション材の下面側に重なるよう折り曲げられて保持される構成であることを特徴とする請求項1記載のマットレス装置。
【請求項3】
前記鏡地及び前記まち地の少なくとも前記鏡地の一部には前記クッション材を折り曲げたときに伸縮して前記外装体を前記クッション材とともに変形させる伸縮性の布地が用いられていることを特徴とする請求項1記載のマットレス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はウレタンフォームなどの弾性材料によって矩形の平板状に形成されたクッション材を袋状の外装体で被覆して構成されるマットレス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マットレス装置には、上述したようにクッション材を袋状の外装体で被覆した構成のものが多く用いられている。このような構成のマットレス装置は、通常、ベッド装置の基体に設けられた床板体上に載置して用いられる。
【0003】
最近では、前記ベッド装置には前記基体の長さ、及びこの基体に設けられる前記床板体の長さを、利用者の身長や設置場所の広さなどに応じて調整できるようにした構成のものが知られている。
【0004】
それによって、前記ベッド装置の購入者の身長が異なる場合や購入後に異なる身長の利用者が利用する場合、或いは設置場所の広さなどに応じて前記基体とともに前記床板体の長さを変えて前記ベッド装置を使用するということが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特願2012-267203
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、前記ベッド装置の長さ寸法を変えることができるようにすることで、種々の条件に適した状態で前記ベッド装置を利用することができるという利点がある。
【0007】
ところで、前記ベッド装置に用いられる前記マットレス装置は、通常、その長さ寸法が前記ベッド装置の最大長さ寸法に合わせて設定されている。そのため、前記ベッド装置の長さ寸法を最大長さ寸法よりも短くして使用する場合、前記マットレス装置の長さ寸法を前記ベッド装置の長さ寸法に合うよう短くすることが要求されることになる。
【0008】
しかしながら、従来では、上述したように弾性材料によって矩形の平板状に形成されたクッション材を袋状の外装体で被覆して構成される前記マットレス装置は、前記ベッド装置の長さ寸法を短くしたとき、その長さ寸法に応じて容易かつ確実に長さ寸法を変更できるようになっていなかった。
【0009】
そのため、前記ベッド装置を最大長さ寸法よりも短くして使用する場合、前記マットレス装置が前記ベッド装置の基体よりも長い状態で使用することになるため、使用し難いということがあったり、前記ベッド装置全体の外観が大きく損なわれるなどのことがあった。
【0010】
この発明は、ベッド装置の長さを変更したときに、その長さに応じて容易かつ確実に長さ寸法を変えることができるようにしたマットレス装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、弾性材料によって平板状に形成されたクッション材と、
このクッション材を被覆した袋状の外装体を有し、
前記クッション材には、前記クッション材を長手方向に沿って圧縮変形させて前記クッション材の長さを変更する弾性変形部が設けられ、
前記外装体は、変更された前記クッション材の長さに応じて前記外装体の長さを変更するとともに、前記クッション材を圧縮変形させた状態で保持する長さ調整部を備え、
前記外装体は、前記クッション材の上面と下面を覆う一対の鏡地と、前記クッション材の周辺部を覆うまち地とによって袋状に形成されていて、
前記長さ調整部は、前記クッション材の長手方向の一端部側に位置する前記外装体の一対の前記鏡地と前記まち地とが分解可能に連結されていて、
前記鏡地と前記まち地は、前記クッション材を長さ寸法が短くなるよう圧縮変形させたときに前記クッション材を圧縮変形させた状態で保持できるよう連結できる構成であることを特徴とするマットレス装置にある。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、前記クッション材を圧縮変形させて長さを変えたならば、前記外装体を、前記長さ調整部によって前記クッション材の長さ変更に応じて前記クッション材と対応する長さに変更することができる。
【0013】
そのため、前記クッション材を圧縮変形させることと、前記外装体の長さを、前記長さ調整部によって長さ変更された前記クッション材に対応させることで、前記マットレス装置の長さを変えることができるから、その長さ変更を容易かつ確実に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1はこの発明の一実施の形態を示し、(a)は最大長さに設定されたベッド装置の側面図、(b)は前記ベッド装置の長さ寸法を最大長さ寸法から所定の長さ寸法に短くした側面図。
【0015】
図2】マットレス装置の下面を上に向けた状態の斜視図。
【0016】
図3】(a)は前記マットレス装置のクッション材の弾性変形部が圧縮されていない状態を示す長手方向一端部の側面図、(b)は前記クッション材の長手方向の一端部を圧縮した状態を示す長手方向一端部の側面図。
【0017】
図4】前記クッション材の長手方向の一端部を圧縮した状態で、その端面がまち地の折り返し部で保持されて上下一対の鏡地の端部が解放された状態を示す、外装体の長手方向一端部に設けられた長さ調整部の斜視図。
【0018】
図5】前記長さ調整部の端部を上下一対の鏡地で閉じた状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の一実施の形態を図1乃至図5を参照しながら説明する。
図1(a),(b)はベッド装置1を示す側面図である。このベッド装置1は基体2を有する。この基体2は長手方向一端にヘッドボード3が立設され、他端部の下面には脚体4が垂設されている。前記基体2は前記ヘッドボード3と前記脚体4によって所定の高さで水平に支持されている。
【0020】
前記基体2は、この基体2の長手方向中途部に設けられた長さ調整機構5によって長手方向の寸法を変えることができるようになっている。前記基体2は、前記長さ調整機構5によって図1(a)にL1で示す最大長さから、図1(b)にL2で示す前記L1よりも短い長さに変更できるようになっている。
前記基体2の長さは最大と最小の2段階、或いは最大長さから段階的に複数の長さに短くできる構造のいずれであってもよい。
【0021】
前記長さ調整機構5の詳細は図示しないが、たとえば前記基体2を構成する側板を長手方向中途部で分割し、分割された前記側板を長さ調整可能に連結し、所定の長さで固定できる構成などが考えられる。
【0022】
前記基体2の上面には床板体7が載置される。前記床板体7は、詳細は図示しないが、前記長さ調整機構5によって前記基体2の長さを変えたとき、前記基体2とともに長さを変更できるようになっている。
【0023】
前記床板体7の長さ調整は、たとえば前記長さ調整機構5と対応する前記床板体7の一部分をスライド可能に重ね合わせるとともに、所定のスライド位置で固定できるように連結し、前記基体2の長さを短くしたとき、前記床板体7の一部分をスライドさせて長さ寸法を短くし、その状態でスライド不能に固定することで、前記基体2と同じ長さになるよう短くする構成が考えられる。
【0024】
前記床板体7の上面にはマットレス装置8が載置される。図2は前記マットレス装置8の、前記床板体7に載置される下面を上にした斜視図である。前記マットレス装置8は袋状に形成された外装体11と、この外装体11内に収容された図3に一部省略して示すクッション材12とによって構成されている。
【0025】
前記クッション材12は、ウレタンフォームなどの弾性材料によって所定の厚さを有する矩形の平板状に形成されていている。前記クッション材12の長手方向の一端部と中途部には、それぞれ前記クッション材12を長手方向に沿って圧縮させたとき、前記クッション材12の長さ寸法を変更、すなわち長さ寸法を短くすることができる第1の弾性変形部13aと第2の弾性変形部13bが所定間隔で離間して形成されている。
【0026】
前記第1の弾性変形部13aと、前記第2の弾性変形部13bは、前記クッション材12の上面と下面にそれぞれ一端が開放した第1の傾斜溝15aと第2の傾斜溝15bが上下方向に分割され形成されている。
【0027】
前記第1の傾斜溝15aと前記第2の傾斜溝15bは、前記クッション材12の長手方向に対して逆方向に傾斜し、かつ前記長手方向に対して所定間隔で形成されている。
【0028】
それによって、前記クッション材12の長手方向の一端部を図3(a)に矢印Xで示す長手方向に押圧すれば、図2(b)に示すように前記第1の傾斜溝15aと前記第2の傾斜溝15の隙間が閉じる方向に前記第1の弾性変形部13aと前記第2の弾性変形部13bが弾性的に圧縮変形されるから、前記クッション材12の長さ寸法を縮小させることができる。
【0029】
前記第1の傾斜溝15aと、前記第2の傾斜溝15bは逆方向に傾斜している。そのため、前記クッション材12の長手方向の一端部を圧縮して変形させるとき、前記クッション材12の前記一端部が上面側や下面側に大きく変形するのが防止されるようになっている。
【0030】
なお、前記クッション材12を圧長手方向に圧縮形させる前記第1の弾性変形部13aと前記第2の弾性変形部13bの構造は上述したものに限定されず、種々変形可能である。
【0031】
図2乃至図4に示すように、前記クッション材12を被覆した袋状の前記外装体11は、前記クッション材12の上面と下面を覆う一対の鏡地17と、前記クッション材12の外周面を全長にわたって覆うまち地18とによって形成されている。
【0032】
前記外装体11の長手方向の一端部側、つまり前記第1の弾性変形部13aと前記第2の弾性変形部13bが形成された部分を覆う上下一対の鏡地17と、同じく他端部側の両側面と端面を覆う部分の前記まち地18は伸縮性を有する第1の布地17a,18aが用いられている。
【0033】
前記外装体11の長手方向の他端部側の上下一対の鏡地17と、同じく他端部側の両側面と端面を覆う部分の前記まち地18は、たとえばテント用シートなどのように伸縮性のほとんどない第2の布地17b,18bが用いられている。
【0034】
なお、一対の前記鏡地のうち、上下両面でなく、下面側の鏡地17だけを伸縮性を有する第1の布地17aによって形成するようにしてもよく、また前記まち地18には伸縮性のない布地18aを用いるようにしてもよい。つまり、前記マットレス装置8の少なくとも下面側の鏡地17だけに伸縮性を有する布地17が用いられるようにすればよい。
【0035】
このような構造により、前記マットレス装置8の伸縮性を有する前記第1の布地17a,18aによって覆われた長手方向の一端部側は、長手方向及び幅方向に対して弾性的に変形させることができる、柔軟性を有する構造となっている。
【0036】
このように構成された前記マットレス装置8は、前記第1の布地17aによって覆われた長手方向の一端部側の下面を、起上駆動される前記ベッド装置の図示しない背床板に接触するよう下面にして設置する。
【0037】
そして、背上げ時に前記背床板が上昇方向に駆動され、前記マットレス装置8の長手方向の一端部側が前記背床板によって長手方向の上面側に屈曲されたとき、前記鏡地17の前記第1の布地17aによって形成された部分、及び前記まち地18の前記第1の布地に18aによって形成された部分が円滑に弾性変形することになる。つまり、前記背床板を上昇方向に駆動する背上げ時に、前記マットレス装置8は前記背床板の上昇によって長手方向に円滑に弾性変形するようになっている。
【0038】
また、前記マットレス装置8の下面全体に伸縮性を有する布地17aを用いれば、前記背床板を幅方向に回動させて利用者の床ずれを防止する場合も、前記マットレス装置8を幅方向に弾性的に湾曲させることができる。
【0039】
前記クッション材12の長手方向の一端部側を被覆した前記外装体11の一対の前記鏡地17と前記まち地18は、前記クッション材12の長手方向の一端部側を圧縮変形させる前に、前記鏡地17とまち地18を分解することができる。
【0040】
前記クッション材12の長手方向の一端部側を圧縮変形させた後、圧縮された前記クッション材12の長手方向の一端部側は前記鏡地17とまち地18によって包み込んで覆うことができる。
【0041】
つまり、前記外装体11の長手方向の一端部側は、前記クッション材12の長手方向の一端部側を圧縮変形させて前記クッション材12の長さ寸法を短くするときには開放することができ、短くした後は、短くする前と同様、前記クッション材12の長手方向の一端部を包み込んで閉塞することができる、開閉可能な長さ調整部21に形成されている。
【0042】
すなわち、前記長さ調整部21は、前記ベッド装置1の長さを短くしたとき、その長さ変更に応じて前記クッション材12を圧縮変形させた状態で、そのクッション材を包み込めるよう、前記外装体11の長さを変更できるようになっている。
【0043】
前記長さ調整部21は以下のように構成されている。
図2図4及び図5に示すように、前記マットレス装置8の長手方向一端部側の前記クッション材12の上面と下面を覆う一対の前記鏡地17と、長手方向一端部側の両側面を覆う前記まち地18の上下端とは分割されている。分割された一対の前記鏡地17と前記まち地18は、前記鏡地17の幅方向の端縁に設けられた第1のファスナ22と、前記まち地18の上下方向の端縁に設けられた第2のファスナ23によって分解可能に連結されている。
【0044】
図2に示すように、前記まち地18の前記クッション材12の長手方向一端部側の端面を覆う部分である、端面部18Eの上下方向の一端である下端(図2図4図5では上側になっている。)と、下面側の前記鏡地17(図2図4図5では上側になっている。)の上下方向の端縁は、前記鏡地17に設けられた第3のファスナ24aと、前記端面部18Eの端縁に設けられた第4のファスナ24bによって分解可能に連結できるようになっている。
【0045】
図2に示すように、前記まち地18の前記クッション材12の側面を被覆した両端部は、前記端面部18Eの内面側に重なるよう前記クッション材12の端面側に折り返された折り返し部25となっている。一対の折り返し部25にはそれぞれ上下方向に一対の第1のホック26が設けられている。一方の第1のホック26はオスホックで、他方はメスホックとなっている。
【0046】
一対の前記第1のホック26は、前記まち地18の前記端面部18Eの長手方向両端部の内面にそれぞれ設けられた各一対の第2のホック27に着脱可能に連結されるようになっている。
【0047】
つまり、前記外装体11の長手方向一端側を覆う前記まち地18の前記端面部18Eは、前記第1のホック26に前記第2のホック27を着脱することで、開閉できるようになっている。
【0048】
図2に示すように、前記マットレス装置8の下面の前記鏡地17の前記第1の布地17aの長手方向中途部の幅方向両端部には、前記端面部18Eの長手方向両端部の内面にそれぞれ設けられた一対の前記第2のホック27が後述するように着脱可能に連結される第3のホック29が設けられている。
【0049】
つまり、前記第1の弾性変形部13aと前記第2の弾性変形部13bを圧縮変形させ、前記クッション材12の長さ寸法を短くし、前記端面部18Eを図5に示すように前記鏡地17の上面側に折り曲げれば、前記端面部18Eの両端に設けられた前記第2のホック27を、前記鏡地17の上面に設けられた前記第3のホック29に係着させることができる。
【0050】
それによって、前記クッション材12は長さ寸法が短く圧縮された状態で、折り曲げられた前記端面部18Eによって保持される。
【0051】
前記クッション材12を圧縮変形させると、前記まち地18の両側の一対の前記第1の布地18aの端部である、前記折り返し部25が前記クッション材12の端面から長手方向に突出するから、図4に示すように前記折り返し部25の端部を前記クッション材12の端面に重なるよう折り曲げることで、前記第1のホック26を係着させることができる。それによって、前記クッション材12は長さが短く圧縮された状態で、前記前記折り返し部25によって元の長さに復元しないよう保持される。
【0052】
図5に示すように、前記鏡地17の一端部側を折り曲げて、前記鏡地17の端部の前記端面部18Eの前記第3のホック29に前記鏡地17の前記第2のホック27を係着させるとき、前記クッション材12の下面(図5に示すマットレス装置8の上面)から突出した前記鏡地17の前記第1の布地17aの一端部側は、図4に示すように前記クッション材12の上面側で折り曲げられた状態で、その上面側に重なるよう折り曲げられた前記鏡地17の一端部の下面側に収容される。
【0053】
つまり、前記外装体11は、前記クッション材12の前記第1の弾性変形部13aと前記第2の弾性変形部13bとを圧縮変形して前記クッション材12の長さを変更したとき、その長さ変更に応じて、上述した構成の前記長さ調整部21によって長さを変更し、かつ弾性的に圧縮された前記クッション材12をその長さで保持できるようになっている。
【0054】
上述した構成の前記マットレス装置8によれば、袋状に形成された前記外装体11の内部には、矩形板状の前記クッション材12が収容されている。前記クッション材12の長手方向の一端部には、圧縮変形させることで前記クッション材12の長さ寸法を短くすることができる前記第1の弾性変形部13aと、前記第2の弾性変形部13bとが形成されている。
【0055】
前記外装体11の長手方向の一端部には、前記第1の弾性変形部13aと、前記第2の弾性変形部13bを圧縮変形させて前記クッション材12の長さ寸法を短くしたとき、その長さ寸法に応じて前記外装体11の長さを変更できる前記長さ調整部21が形成されている。
【0056】
そのため、前記マットレス装置8が載置される前記ベッド装置1の長さ寸法を、たとえば利用者の身長などに応じて最大長さ寸法よりも短くして使用する場合、前記マットレス装置8の長さを、前記ベッド装置1の長さに適した長さに変更することができる。
【0057】
前記クッション材12を圧縮変形させて前記マットレス装置8の長さ寸法を変更した場合、前記クッション材12を被覆した前記外装体11の長さ寸法も前記長さ調整部21によって前記クッション材12の長さ寸法に応じて変更することができる。
【0058】
前記外装体11の長さ寸法の変更は、図2の状態にあるマットレス装置8において、係着した前記第3のファスナ24aと第4のファスナ24bの係着を外す。
【0059】
ついで、前記第1のホック26によって連結された前記まち地18の前記端面部18Eを、前記まち地18の前記折り返し部25から外したのち、前記鏡地17の幅方向両端に前記まち地17の上下端を連結した前記第1のファスナ22と前記第2のファスナ23の係着を外す。
【0060】
それによって、前記外装体11に収容された前記クッション材12の長手方向の一端部側を、前記外装体11の一端部側に形成された前記長さ調整部21から露出させることができる。
【0061】
つぎに、前記外装体11から露出した前記クッション材12の一端部を図3に矢印Xで示す方向に押圧し、長さ寸法が短くなるよう圧縮変形させたなら、前記クッション材12の端面から突出した前記まち地18の両端部の一対の前記折り返し部25を、図4に示すように前記第1のホック26によって連結する。
【0062】
ついで、前記まち地18の前記端面部18Eを前記鏡地17の前記第1の布地17aの上面側に折り曲げ、その一端側の幅方向両端部に設けられた前記第2のホック27を前記第1の布地17aの上面の幅方向両端部に設けられた前記第3のホック29に係着する。
【0063】
それによって、前記マットレス装置8は、前記外装体11の長手方向の一端部が袋状に閉塞された状態で、長さ寸法を短くすることができる。
【0064】
このとき、前記クッション材12を圧縮変形させることで長さが余った、図4における上側の前記第1の布地17a(鏡地17)の一端部は、前記クッション材12の上面側に重なるよう折り曲げられる。
【0065】
そして、図4における下側の前記第1の布地17a(鏡地17)の一端部は、図5に示すように前記クッション材12の上面側を覆うように折り曲げられ、前記端面部18Eの前記第2のホック27を前記第3のホック29に係着させる。
【0066】
それによって、前記クッション材12の上面側に折り曲げられた前記第1の布地17aの一端部は、図4における下側の前記第1の布地17aの下面側に収容される。
【0067】
つまり、前記ベッド装置1の長さ寸法を短くしても、その長さ変更に応じて前記マットレス装置8の長さ寸法を容易かつ迅速に、しかも前記外装体11の外観形状を損なうようなことなく変更することができる。
【符号の説明】
【0068】
11…外装体、12…クッション材、13a,13b…弾性変形部、17…鏡地、18,18E…まち地、21…長さ調整部、25…折り返し部。
図1
図2
図3
図4
図5