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特許6995801情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20220107BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220107BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20220107BHJP
【FI】
H04L67/02
G06Q30/02 398
G06Q20/18
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019118931
(22)【出願日】2019-06-26
(65)【公開番号】P2021005240
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2021-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】向川 聡
(72)【発明者】
【氏名】埜本 彰弘
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-151830(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0238413(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04L 29/06
G06Q 30/02
G06Q 20/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動取引装置と、前記自動取引装置と通信可能な情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
取引を実行したユーザの口座情報が前記自動取引装置から送信された場合、Webページに対するアクセス管理に用いる識別情報を発行し、前記識別情報を前記口座情報と対応づけて記憶部に記憶させる発行部と、
所定のWebページの宛先情報を前記自動取引装置に送信する通信部とを含み、
前記自動取引装置は、前記所定のWebページの宛先情報を出力する出力部を含み、
前記通信部は、情報処理端末が前記所定のWebページにアクセスした場合、前記識別情報を前記情報処理端末に送信し、前記情報処理端末からのアクセスを受け付ける際に前記識別情報を受信し、
前記情報処理装置は、
前記情報処理端末から前記識別情報を受信した場合、アクセス履歴を、前記識別情報に対応する口座情報に対応づけて前記記憶部に記憶させる履歴管理部と、
前記アクセス履歴に基づいて、提供するサービス情報を決定し、前記アクセス履歴に対応する前記口座情報に前記サービス情報を対応付けて前記記憶部に記憶させる決定部とをさらに含む、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記通信部は、前記サービス情報が決定された後、取引を実行したユーザの口座情報を前記自動取引装置から受信した場合、前記口座情報に対応する前記サービス情報を前記自動取引装置に送信し、
前記自動取引装置は、前記サービス情報を表示する表示部をさらに含む
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記通信部は、前記サービス情報に対応する前記口座情報に対応するメールアドレスに対して、前記サービス情報を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
自動取引装置と通信可能な情報処理装置であって、
取引を実行したユーザの口座情報が前記自動取引装置から送信された場合、Webページに対するアクセス管理に用いる識別情報を発行し、前記識別情報を前記口座情報と対応づけて記憶部に記憶させる発行部と、
所定のWebページの宛先情報を前記自動取引装置に送信し、情報処理端末が前記所定のWebページにアクセスした場合、前記識別情報を前記情報処理端末に送信し、前記情報処理端末からのアクセスを受け付ける際に前記識別情報を受信する通信部と、
前記情報処理端末から前記識別情報を受信した場合、アクセス履歴を、前記識別情報に対応する口座情報に対応づけて前記記憶部に記憶させる履歴管理部と、
前記アクセス履歴に基づいて、提供するサービス情報を決定し、前記アクセス履歴に対応する前記口座情報に前記サービス情報を対応付けて前記記憶部に記憶させる決定部とを備える、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
自動取引装置と通信可能な情報処理装置が、
取引を実行したユーザの口座情報が前記自動取引装置から送信された場合、Webページに対するアクセス管理に用いる識別情報を発行し、前記識別情報を前記口座情報と対応づけて記憶部に記憶させ、
所定のWebページの宛先情報を前記自動取引装置に送信し、情報処理端末が前記所定のWebページにアクセスした場合、前記識別情報を前記情報処理端末に送信し、前記情報処理端末からのアクセスを受け付ける際に前記識別情報を受信し、
前記情報処理端末から前記識別情報を受信した場合、アクセス履歴を、前記識別情報に対応する口座情報に対応づけて前記記憶部に記憶させ、
前記アクセス履歴に基づいて、提供するサービス情報を決定し、前記アクセス履歴に対応する前記口座情報に前記サービス情報を対応付けて前記記憶部に記憶させる、
処理を実行することを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ATM(Automatic Teller Machine)等の自動取引装置の表示画面に、サービスの説明、キャンペーン情報等のサービス情報を表示させる技術が用いられている。一方、ユーザは、金融機関のWebページ等にアクセスして、投資信託、外貨預金等の各種サービスに関する情報を閲覧することが可能である。
【0003】
関連する技術として、機種ごとに異なる機器インタフェースを有する現金処理器を含む現金処理システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
また、関連する技術として、訪問者を識別するために、個別のユーザ端末とウェブサーバとの通信を識別するための通信識別情報を利用する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-128830号公報
【文献】特開2012-73878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
自動取引装置を使用するユーザが興味を持っているサービスと表示画面に表示するサービス情報が合っていない場合、サービスの利用を促進することが困難であった。また、金融機関のWebページにアクセスしたユーザが、口座を保有しているユーザのうちのどのユーザであるか不明であるため、自動取引装置を利用するユーザに対して適切なサービス情報を提供することが困難であった。
【0007】
1つの側面として、本発明は、ユーザに適切なサービス情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様では、情報処理システムは、自動取引装置と、前記自動取引装置と通信可能な情報処理装置とを含む。前記情報処理装置は、取引を実行したユーザの口座情報が前記自動取引装置から送信された場合、Webページに対するアクセス管理に用いる識別情報を発行し、前記識別情報を前記口座情報と対応づけて記憶部に記憶させる発行部と、所定のWebページの宛先情報を前記自動取引装置に送信する通信部とを含み、前記自動取引装置は、前記所定のWebページの宛先情報を出力する出力部を含み、前記通信部は、情報処理端末が前記所定のWebページにアクセスした場合、前記識別情報を前記情報処理端末に送信し、前記情報処理端末からのアクセスを受け付ける際に前記識別情報を受信し、前記情報処理装置は、前記情報処理端末から前記識別情報を受信した場合、アクセス履歴を、前記識別情報に対応する口座情報に対応づけて前記記憶部に記憶させる履歴管理部と、前記アクセス履歴に基づいて、提供するサービス情報を決定し、前記アクセス履歴に対応する前記口座情報に前記サービス情報を対応付けて前記記憶部に記憶させる決定部とをさらに含む。
【0009】
別の態様では、自動取引装置と通信可能な情報処理装置が、取引を実行したユーザの口座情報が前記自動取引装置から送信された場合、Webページに対するアクセス管理に用いる識別情報を発行し、前記識別情報を前記口座情報と対応づけて記憶部に記憶させる発行部と、所定のWebページの宛先情報を前記自動取引装置に送信し、情報処理端末が前記所定のWebページにアクセスした場合、前記識別情報を前記情報処理端末に送信し、前記情報処理端末からのアクセスを受け付ける際に前記識別情報を受信する通信部と、前記情報処理端末から前記識別情報を受信した場合、アクセス履歴を、前記識別情報に対応する口座情報に対応づけて前記記憶部に記憶させる履歴管理部と、前記アクセス履歴に基づいて、提供するサービス情報を決定し、前記アクセス履歴に対応する前記口座情報に前記サービス情報を対応付けて前記記憶部に記憶させる決定部とを含む。
【0010】
別の態様では、情報処理方法において、自動取引装置と通信可能な情報処理装置が、取引を実行したユーザの口座情報が前記自動取引装置から送信された場合、Webページに対するアクセス管理に用いる識別情報を発行し、前記識別情報を前記口座情報と対応づけて記憶部に記憶させ、所定のWebページの宛先情報を前記自動取引装置に送信し、情報処理端末が前記所定のWebページにアクセスした場合、前記識別情報を前記情報処理端末に送信し、前記情報処理端末からのアクセスを受け付ける際に前記識別情報を受信し、前記情報処理端末から前記識別情報を受信した場合、アクセス履歴を、前記識別情報に対応する口座情報に対応づけて前記記憶部に記憶させ、前記アクセス履歴に基づいて、提供するサービス情報を決定し、前記アクセス履歴に対応する前記口座情報に前記サービス情報を対応付けて前記記憶部に記憶させる。
【発明の効果】
【0011】
1つの側面によれば、ユーザに適切なサービス情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】関連技術におけるシステムの構成の一例を示す図である。
図2】実施形態における情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図3】ATMの構成の一例を示す図である。
図4】Webサーバの機能構成の一例を示す図である。
図5】Webサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図6】キャッシュカードに記録される口座情報の一例を示す図である。
図7】ユーザ情報の一例を示す図である。
図8】発行部が発行する情報の一例を示す図である。
図9】アクセス履歴情報の一例を示す図である。
図10】ATMの画面遷移の一例を示す図(その1)である。
図11】ATMの画面遷移の一例を示す図(その2)である。
図12】ATMの画面遷移の一例を示す図(その3)である。
図13】サービス情報表示画面の一例を示す図である。
図14】実施形態の処理の一例を示すシーケンス図(その1)である。
図15】実施形態の処理の一例を示すシーケンス図(その2)である。
図16】実施形態の処理の一例を示すシーケンス図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施形態の関連技術について説明する。図1は、関連技術におけるシステムの構成の一例を示す図である。図1に示す第1システム30は、ATM1とホストサーバ2とCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)サーバ4と第1ネットワーク6とを含む。ATM1、ホストサーバ2、およびCRMサーバ4は、第1ネットワーク6を介して相互に通信を行うことができる。第1ネットワーク6は、例えば、LAN(Local Area Network)等である。
【0014】
第2システム40は、Webサーバ3とユーザ端末5と第2ネットワーク7とを含む。Webサーバ3およびユーザ端末5は、第2ネットワーク7を介して相互に通信を行うことができる。第2ネットワーク7は、例えば、WAN(Wide Area Network)等である。
【0015】
図1に示すシステムにおいて、ユーザがATM1で取引を行った場合、ATM1は、取引を行ったユーザの口座情報をホストサーバ2に送信する。口座情報は、例えば、銀行番号、支店番号、および口座番号である。以下の説明において、口座情報は、銀行番号、支店番号、および口座番号の組であってもよいし、口座番号のみであってもよい。ホストサーバ2は、CRMサーバ4に、その口座情報を送信する。CRMサーバ4は、口座情報に対応するユーザ関連情報(例えば、家族構成、預金額等)に基づいて、ユーザが興味を持っていると考えられるサービスを予測し、提供するサービス情報を決定する。サービス情報は、サービスに関する情報であり、例えば、サービスの説明やキャンペーン情報等である。サービスは、例えば、投資信託、定期預金、外貨預金等である。
【0016】
そして、CRMサーバ4は、そのサービス情報をATM1に送信し、ATM1の表示部17にサービス情報を表示させる。このように、関連技術では、ユーザ毎に決定したサービス情報をユーザに見せて、販売促進が行われていた。
【0017】
一方、ATM1を利用するユーザが、ユーザ端末5を操作して、Webサーバ3が提供するWebページを参照したり、サービスを利用したりしている。しかし、関連技術では、CRMサーバ4に記憶されたユーザ関連情報と、Webサーバ3で管理するアクセス履歴の対応付けをしていないため、アクセス履歴を用いたマーケティングを行うことができない。そのため、関連技術では、ユーザに適切なサービス情報を提供することが困難であった。また、関連技術では、CRMサーバ4を利用するため、CRMサーバ4の導入や維持費等のコストがかかるという課題がある。
【0018】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。図2は、実施形態における情報処理システムの構成の一例を示す図である。以下、関連技術と同様の機能および構成については、説明を省略する。
【0019】
実施形態のシステムは、ATM1とホストサーバ2とWebサーバ3とCRMサーバ4とユーザ端末5と第1ネットワーク6と第2ネットワーク7とを含む。ATM1、ホストサーバ2、Webサーバ3およびCRMサーバ4は、第1ネットワーク6を介して相互に通信を行うことができる。Webサーバ3およびユーザ端末5は、第2ネットワーク7を介して相互に通信を行うことができる。ATM1は、自動取引装置の一例である。Webサーバ3は、情報処理装置の一例である。ユーザ端末5は、ユーザが使用する情報処理端末の一例であり、例えば、スマートフォン等である。
【0020】
実施形態のシステム構成は、Webサーバ3が、第1ネットワーク6を介してATM1、ホストサーバ2、およびCRMサーバ4と通信可能である点で、関連技術のシステムと異なる。
【0021】
ATM1は、ユーザの操作に応じて取引を実行した際に、そのユーザの口座情報をホストサーバ2に送信する。ホストサーバ2は、その口座情報をWebサーバ3に送信する。Webサーバ3は、cookieと所定のWebページのURL(Uniform Resource Locator)を発行し、そのURLをATM1に送信する。URLは、宛先情報の一例である。ATM1は、送信されたURLを出力する。例えば、ATM1の表示部17が、URLを示すQRコード(登録商標)を表示する。また、ATM1のNFC(Near Field Communication)リーダライタ16が、URLを示す電磁波を出力する。
【0022】
そして、ユーザ端末5が、URLを取得して、そのURLが示す所定のWebページにアクセスすると、Webサーバ3は、cookieをユーザ端末5に送信する。その後、ユーザ端末5がWebサーバ3にアクセスして各種Webページを閲覧する際に、cookieをWebサーバ3に送信する。Webサーバ3は、送信されたcookieを用いて、アクセスしたユーザの口座情報を特定し、アクセス履歴を口座情報と対応付けて記憶する。Webサーバ3は、アクセス履歴に基づいて、ユーザに提供するサービス情報を決定する。そして、Webサーバ3がサービス情報を電子メールでユーザに送信する、ATM1がサービス情報を表示する等の方法で、ユーザにサービス情報を提供する。
【0023】
Webサーバ3は、サービス情報を決定する際に、CRMサーバ4が保持するユーザ関連情報を利用してもよいし、利用しなくてもよい。CRMサーバ4が保持するユーザ関連情報を利用しない場合、実施形態のシステムは、CRMサーバ4を含んでいなくてもよい。
【0024】
以上のように、本実施形態のシステムは、cookieを用いて、口座情報とアクセス履歴を対応付けることができることにより、ユーザに適切なサービス情報を決定し、提供することができる。また、CRMサーバ4を利用しない場合、CRMサーバ4の導入や管理にかかるコストを削減することができる。
【0025】
図3は、ATM1の構成の一例を示す図である。ATM1は、制御部11とカードリーダ12とレシート発行ユニット13と通帳読取ユニット14と入出金ユニット15とNFCリーダライタ16と表示部17と操作部18と第1通信部19と第1記憶部20とを含む。
【0026】
制御部11は、ATM1に含まれる各要素の制御を行う。制御部11は、例えば、プロセッサを含み、プロセッサが第1記憶部20に記憶されたプログラムを実行することにより、各種制御を実行する。カードリーダ12は、挿入されたキャッシュカードに記録された口座情報の読み取りを行う。
【0027】
レシート発行ユニット13は、取引終了後に、取引内容や口座残高等をレシートに印字し、出力する。レシート発行ユニット13は、Webサーバ3から送信された所定のWebページのURLを示すQRコードをレシートに印字し、出力してもよい。通帳読取ユニット14は、挿入された通帳の口座情報の読み取りおよび口座残高等の印字を行う。入出金ユニット15は、紙幣および硬貨による入金処理および出金処理を行う。
【0028】
NFCリーダライタ16は、Webサーバ3から送信された所定のWebページのURLを電磁波として出力する。表示部17は、取引に関する各種情報を表示する。表示部17は、Webサーバ3から送信された所定のWebページのURLを示すQRコードを表示してもよい。また、表示部17は、Webサーバ3からサービス情報が送信された場合、そのサービス情報を表示する。操作部18は、例えば、押しボタン等である。表示部17がタッチパネルディスプレイである場合、表示部17が操作部18を兼ねていてもよい。なお、レシート発行ユニット13、NFCリーダライタ16、表示部17は、所定のWebページの宛先情報を出力する出力部の一例である。
【0029】
第1通信部19は、各種情報の送受信を行う。第1通信部19は、ATM1がユーザの操作に応じて取引を実行した際に、カードリーダ12または通帳読取ユニット14が読み取ったユーザの口座情報をホストサーバ2に送信する。第1記憶部20は、ATM1の制御に用いる各種データを記憶する。第1記憶部20は、例えば、ハードディスクドライブ、半導体メモリ等により実現される。
【0030】
図4は、Webサーバ3の機能構成の一例を示す図である。Webサーバ3は、発行部31と第2通信部32と履歴管理部33と決定部34と第2記憶部35とを含む。
【0031】
発行部31は、ATM1に対して取引を実行したユーザの口座情報が、ホストサーバ2を介してATM1から送信された場合、cookieと所定のWebページのURLとを発行し、そのcookieとURLとを、ATM1から受信した口座情報と対応付けて第2記憶部35に記憶させる。cookieは、Webサーバ3が管理するWebページに対するアクセス管理に用いる識別情報の一例である。
【0032】
第2通信部32は、発行部31が発行した所定のWebページのURLをATM1に送信する。また、第2通信部32は、ユーザ端末5が所定のWebページにアクセスした場合、発行部31が発行したcookieをユーザ端末5に送信する。そして、第2通信部32は、ユーザ端末5からのアクセスを受け付ける際に、そのcookieをユーザ端末5から受信する。
【0033】
履歴管理部33は、ユーザ端末5からのアクセスを受け付けるとともにcookieを受信した場合、アクセス履歴を、そのcookieに対応する口座情報に対応づけて第2記憶部35に記憶させる。
【0034】
決定部34は、アクセス履歴に基づいて、提供するサービス情報を決定し、アクセス履歴に対応付けられた口座情報にサービス情報を対応付けて第2記憶部35に記憶させる。サービス情報は、サービスに関する情報であり、例えば、サービスの説明やキャンペーン情報等である。サービスは、例えば、投資信託、定期預金、外貨預金等である。
【0035】
第2記憶部35は、発行部31が発行したcookie、所定のWebページのURLを口座情報と対応付けて記憶する。また、第2記憶部35は、履歴管理部33が管理するアクセス履歴を口座情報と対応付けて記憶する。
【0036】
また、第2通信部32は、決定部34がサービス情報を決定した場合、ホストサーバ2から、ユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、例えば、口座番号に対応づけられた住所、メールアドレス等を含む。そして、第2通信部32は、サービス情報に対応する口座情報に対応するメールアドレスに対して、そのサービス情報(サービス情報が記述された電子メール)を送信する。
【0037】
また、第2通信部32は、決定部34がサービス情報を決定した後、取引を実行したユーザの口座情報をホストサーバ2を介してATM1から受信した場合、その口座情報に対応するサービス情報(サービス情報を含む表示内容)をATM1に送信する。また、金融機関の担当者が、ユーザ情報に含まれる住所に対して、サービス情報を印刷したダイレクトメールを送付してもよい。
【0038】
次に、Webサーバ3のハードウェア構成の一例を説明する。図5は、Webサーバ3のハードウェア構成の一例を示す図である。図5の例に示すように、Webサーバ3において、バス100に、プロセッサ111とメモリ112と補助記憶装置113と通信インタフェース114と媒体接続部115と入力装置116と出力装置117とが接続される。
【0039】
プロセッサ111は、メモリ112に展開されたプログラムを実行する。実行されるプログラムには、実施形態における処理を行うプログラムが適用されてもよい。
【0040】
メモリ112は、例えば、Random Access Memory(RAM)である。補助記憶装置113は、各種情報を記憶する記憶装置であり、例えば、ハードディスクドライブ、半導体メモリ等である。補助記憶装置113が、実施形態の処理を行うプログラムを記憶していてもよい。
【0041】
通信インタフェース114は、LAN、WAN等の通信ネットワーク(例えば、第1ネットワーク6、第2ネットワーク7)に接続され、データ転送、通信に伴うデータ変換等を行う。媒体接続部115は、可搬型記録媒体118が接続可能なインタフェースである。可搬型記録媒体118には、例えば、光学式ディスク、半導体メモリ等が適用される。可搬型記録媒体118が、実施形態の処理を行うプログラムを記憶していてもよい。
【0042】
入力装置116は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等であり、ユーザからの指示及び情報等の入力を受け付ける。出力装置117は、例えば、表示装置、プリンタ、スピーカ等であり、ユーザへの問い合わせ又は指示、処理結果等を出力する。
【0043】
図4に示す第2記憶部35は、例えば、メモリ112、補助記憶装置113または可搬型記録媒体118により実現される。図4に示す発行部31、第2通信部32、履歴管理部33、および決定部34は、例えば、メモリ112に展開された情報処理プログラムをプロセッサ111が実行することにより実現される。
【0044】
メモリ112、補助記憶装置113および可搬型記録媒体118は、コンピュータが読み取り可能であって有形の記憶媒体であり、信号搬送波のような一時的な媒体ではなく、非一時的な記憶媒体である。
【0045】
なお、Webサーバ3が図5に示す全ての構成要素を含んでいなくてもよく、一部の構成要素が省略されていてもよい。また、一部の構成要素がWebサーバ3の外部の装置に存在し、Webサーバ3がその装置に接続して、その装置内の構成要素を利用してもよい。また、ホストサーバ2、CRMサーバ4、ユーザ端末5のハードウェア構成は、図5に示すハードウェア構成と同様であるため、説明を省略する。
【0046】
図6は、キャッシュカードに記録される口座情報の一例を示す図である。図6に示すように、キャッシュカードに記録される口座情報は、銀行番号、支店番号、口座番号を含む。上述のように、第1通信部19は、カードリーダ12がキャッシュカードから読み取った口座情報、または通帳読取ユニットが通帳から読み取った口座情報を、ホストサーバ2に送信する。また、ホストサーバ2は、その口座情報をWebサーバ3に送信する。なお、通帳から読み取られる口座情報も図6に示す情報と同様であるとする。
【0047】
図7は、ユーザ情報の一例を示す図である。図7に示すユーザ情報は、ホストサーバ2の記憶部(図示せず)に予め記憶され、Webサーバ3からの要求に応じて、ホストサーバ2がWebサーバ3に送信する。そして、例えば、住所、メールアドレス等が、Webサーバ3が決定したサービス情報を提供する際の宛先として用いられる。
【0048】
図8は、発行部31が発行する情報の一例を示す図である。発行部31は、所定のWebページのURLおよびcookieを、ATM1から送信された口座情報に対応づけて第2記憶部35に記憶させる。第2通信部32は、発行した所定のWebページのURLをATM1に送信する。また、第2通信部32は、ユーザ端末5がその所定のWebページにアクセスした場合、その所定のWebページのURLに対応付けられたcookieをユーザ端末5に送信する。
【0049】
図9は、アクセス履歴情報の一例を示す図である。図9に示すように、アクセス履歴情報は、口座番号、アクセス日時、およびアクセス履歴(URL)を含む。上述のように、履歴管理部33は、ユーザ端末5からアクセスを受け付けるとともにcookieを受信した場合、アクセス履歴を、cookieに対応する口座情報に対応づけて第2記憶部35に記憶させる。
【0050】
図10図12は、ATM1の画面遷移の一例を示す図である。図10図12に示す例において、ATM1の表示部17は、タッチパネルディスプレイであるとする。図10に示すように、ATM1の表示部17は、初期画面として、各取引内容を示す取引種別選択画面を表示する。例えば、取引種別選択画面の「お引き出し」が押下された場合、表示部17は、カード挿入を促すカード挿入依頼画面を表示する。カードリーダ12にカードが挿入され、カードが正当であると判定された場合、表示部17は、暗証番号入力画面を表示する。
【0051】
暗証番号が入力され、暗証番号の認証が完了した場合、表示部17は、図11に示す金額入力画面を表示する。金額入力画面において、金額が入力され、「確認」が押下された場合、表示部17は、金額確認画面を表示する。金額確認画面において、「確認」が押下された場合、表示部17は、処理中画面を表示する。第1通信部19は、処理中画面が表示されている間、口座情報とともに支払い要求をホストサーバ2に送信する。
【0052】
ホストサーバ2から支払い許可を示す処理結果を受信し、Webサーバ3から所定のWebページのURLを受信した場合、表示部17は、図12に示すクーポン表示画面を表示する。クーポン表示画面は、所定のWebページのURLを示すQRコード41を含む。クーポン表示画面が表示されている間に、NFCリーダライタ16は、所定のWebページのURLを電磁波として出力してもよい。ユーザ端末5は、QRコード41を撮影する、またはNFCリーダライタ16の電磁波を読み取ることにより、URLを取得する。そして、URLが示す所定のWebページにユーザ端末5がアクセスすると、ユーザ端末5がクーポンを取得するとともに、Webサーバ3からcookieが送信される。すなわち、ATM1が、クーポンとともにURLを表示することにより、所定のWebページへのアクセス率を向上することができる。
【0053】
クーポン表示画面で「確認」が押下され、入出金ユニット15による紙幣の繰り出しおよび鑑別が完了した場合、表示部17は、媒体返却画面を表示する。そして、現金およびカードが抜き取られた場合、表示部17は、取引終了画面を表示する。
【0054】
図13は、サービス情報表示画面の一例を示す図である。例えば、ATM1の表示部17は、例えば、初期画面としてカード挿入を促す画面を表示する。そして、第1通信部19は、挿入されたカードの口座情報を、ホストサーバ2を介してWebサーバ3に送信し、Webサーバ3から口座情報に対応するサービス情報を受信する。表示部17は、取引種別選択画面に、受信したサービス情報(例えば、図13のサービス情報42)を表示する。サービス情報を表示する画面は、取引種別選択画面に限られず、他の画面であってもよい。
【0055】
図14図16は、実施形態の処理の一例を示すシーケンス図である。ATM1の表示部17は、初期画面として、各取引内容を示す取引種別選択画面(例えば、図10)を表示する(ステップS101)。例えば、取引種別選択画面の「お引き出し」が押下された場合、表示部17は、カード挿入を促すカード挿入依頼画面(例えば、図10)を表示する(ステップS102)。カードリーダ12にカードが挿入され、カードが正当であると判定された場合、表示部17は、暗証番号入力画面(例えば、図10)を表示する(ステップS103)。
【0056】
暗証番号が入力された場合、表示部17は、金額入力画面(例えば、図11)を表示する(ステップS104)。金額入力画面において、金額が入力され、「確認」が押下された場合、表示部17は、金額確認画面(例えば、図11)を表示する(ステップS105)。金額確認画面において、「確認」が押下された場合、表示部17は、処理中画面(例えば、図11)を表示する(ステップS106)。第1通信部19は、処理中画面を表示されている間に、所定の要求(例えば、支払い要求)とともに口座情報をホストサーバ2に送信する(ステップS107)。ホストサーバ2は、送信された口座情報を、Webサーバ3に送信する(ステップS108)。発行部31は、cookieと所定のWebページのURLを発行し、そのcookieとURLとをATM1から送信された口座情報と対応付けて第2記憶部35に記憶させる(ステップS109)。
【0057】
ホストサーバ2は、ATM1からの要求に対する処理結果をATM1に送信する(ステップS110)。ATM1は、ホストから支払い許可を示す処理結果を受信した場合、入出金ユニット15が、出金する現金を計数する処理を行う(ステップS111)。
【0058】
図15において、Webサーバ3の第2通信部32は、発行部31が発行した所定のWebページのURLをATM1に送信する(ステップS112)。ATM1は、QRコードまたはNFCを用いて所定のWebページのURLを出力する(ステップS113)。例えば、ATM1の表示部17は、所定のWebページのURLを示すQRコードを含むクーポン表示画面(例えば、図12)を表示する。QRコードを表示する画面はクーポン表示画面に限られず、他の画面であってもよい。また、NFCリーダライタ16は、所定のWebページのURLを電磁波として出力してもよい。ユーザ端末5は、QRコードを撮影すること、またはNFCリーダライタ16から出力された電磁波を読み取ることにより、所定のWebページのURLを取得する(ステップS114)。
【0059】
クーポン表示画面で「確認」が押下され、入出金ユニット15による紙幣の繰り出しおよび鑑別が完了した場合、表示部17は、媒体返却画面(例えば、図12)を表示する(ステップS115)。そして、現金(紙幣)およびカードが抜き取られた場合、表示部17は、取引終了画面(例えば、図12)を表示する(ステップS116)。取引終了画面が表示された際に、レシート発行ユニット13は、Webサーバ3から送信されたURLを示すQRコードをレシートに印字し、出力してもよい。
【0060】
ユーザ端末5は、ユーザの操作に応じて、ステップS114で取得したURLにアクセスする(ステップS117)。Webサーバ3の第2通信部32は、ステップS109で発行部31が発行したcookieをユーザ端末5に送信する(ステップS118)。ユーザ端末5は、送信されたcookieを記憶する(ステップS119)。
【0061】
ユーザ端末5は、Webサーバ3にアクセスしてWebサーバ3が提供するWebページを閲覧する際に、ステップS119で記憶したcookieをWebサーバ3に送信する(ステップS120)。Webサーバ3の履歴管理部33は、アクセス履歴を、送信されたcookieに対応する口座情報に対応づけて、第2記憶部35に記憶させる(ステップS121)。なお、ステップS120とS121の処理は複数回実行されてもよい。
【0062】
図16において、Webサーバ3の第2通信部32は、CRMサーバ4に、サービス提供対象のユーザを特定可能な情報(例えば、口座情報)と、ユーザ関連情報(例えば、家族構成、預金額等)の要求を送信する(ステップS122)。CRMサーバ4は、ステップS122の要求に対応して、ユーザ関連情報をWebサーバ3に送信する(ステップS123)。決定部34は、口座情報に対応付けられたアクセス履歴とCRMサーバ4から受信したユーザ関連情報とに基づいて、ユーザに提供するサービス情報を決定する(ステップS124)。決定部34は、その口座情報に、決定したサービス情報を対応付けて第2記憶部35に記憶させる。なお、Webサーバ3は、ステップS122の処理を省略してもよい。その場合、決定部34は、CRMサーバ4が保持するユーザ関連情報を使用せず、アクセス履歴に基づいて、提供するサービス情報を決定する。
【0063】
ホストサーバ2は、Webサーバ3からの要求に応じて、Webサーバ3にユーザ情報(例えば、図7)を送信する(ステップS125)。第2通信部32は、ユーザ情報を参照し、決定されたサービス情報に対応する口座情報に対応するメールアドレスを宛先として、そのサービス情報(そのサービス情報を記述した電子メール)を送信する(ステップS126)。送信先は、ユーザ端末5であってもよいし、ユーザが使用する他の端末、またはクラウドサーバ等であってもよい。
【0064】
ATM1でユーザが取引を行った場合、ATM1は、そのユーザの口座情報をホストサーバ2に送信する(ステップS127)。ホストサーバ2は、ATM1から送信された口座情報をWebサーバ3に送信する(ステップS128)。第2通信部32は、送信された口座情報に対応付けられたサービス情報(サービス情報を含む表示内容)をATM1に送信する(ステップS129)。ATM1の表示部17は、そのサービス情報を表示する(ステップS130)。表示部17は、例えば、サービス情報を含む、ユーザ専用画面(例えば、図13)を表示する。
【0065】
以上のように、本実施形態のシステムは、cookieを用いて、口座情報とアクセス履歴を対応付けることにより、ユーザに適切なサービス情報を提供することができる。
【0066】
本実施形態は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変更、追加、省略が適用可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 ATM
2 ホストサーバ
3 Webサーバ
4 CRMサーバ
5 ユーザ端末
6 第1ネットワーク
7 第2ネットワーク
11 制御部
12 カードリーダ
13 レシート発行ユニット
14 通帳読取ユニット
15 入出金ユニット
16 NFCリーダライタ
17 表示部
18 操作部
19 第1通信部
20 第1記憶部
31 発行部
32 第2通信部
33 履歴管理部
34 決定部
35 第2記憶部
100 バス
111 プロセッサ
112 メモリ
113 補助記憶装置
114 通信インタフェース
115 媒体接続部
116 入力装置
117 出力装置
118 可搬型記録媒体
図1
図2
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