(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】偏光板
(51)【国際特許分類】
G02B 5/30 20060101AFI20220107BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
G02B5/30
G02F1/1335 510
(21)【出願番号】P 2019180253
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2020-04-23
(31)【優先権主張番号】P 2019064442
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【氏名又は名称】籾井 孝文
(72)【発明者】
【氏名】森本 剛司
(72)【発明者】
【氏名】品川 玲子
【審査官】池田 博一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-062027(JP,A)
【文献】特開2017-199030(JP,A)
【文献】特開2017-226034(JP,A)
【文献】特開2016-027392(JP,A)
【文献】特許第6622439(JP,B1)
【文献】特開2009-124905(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0343032(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/30
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護層と、粘着剤層と、を有し、貫通孔が形成されている偏光板であって、
該偏光子を平面視した時の長手方向中央から長手方向端部までの距離をL
1、該偏光子の長手方向中央から該貫通孔の中心までの長手方向の距離をL
2としたとき、該貫通孔が、0.85≦L
2/L
1≦0.99を満足する位置に形成されており、
該粘着剤層の85℃におけるクリープ値C
psaが140(μm/hr)以下であり、
該粘着剤層の厚み方向最外部から該偏光子の厚み方向中心部までの距離A(μm)、該偏光子の厚みT
pol(μm)、該粘着剤層の85℃におけるクリープ値C
psa(μm/hr)、該粘着剤層の厚みT
psa(μm)、および該保護層の厚みT
pro(μm)が、下記の関係を満足し、
該粘着剤層を介して該偏光板をガラス板に貼り合わせた状態で85℃および120時間の加熱試験に供した後の、該貫通孔部分における該偏光板のずれ量Dが10μm以上300μm以下であり、
該貫通孔の直径Rに対するずれ量Dの割合D/Rが15%以下である、偏光板:
(A×T
pol)×(C
psa×T
psa)/T
pro=K≦350×10
2(μm
3/hr)。
【請求項2】
前記偏光子の厚みT
polが20μm以下である、請求項1に記載の偏光板。
【請求項3】
前記偏光子の厚みT
polが10μm以下である、請求項2に記載の偏光板。
【請求項4】
前記貫通孔部分における前記偏光板のずれ量が120μm以下である、請求項3に記載の偏光板。
【請求項5】
前記粘着剤層の厚みT
psaが10μm~22μmである、請求項1から4のいずれかに記載の偏光板。
【請求項6】
前記粘着剤層の85℃におけるクリープ値C
psaが5
0(μm/hr)以上である、請求項1から5のいずれかに記載の偏光板。
【請求項7】
前記偏光板のずれ量が、前記粘着剤層のずれ量である、請求項1から6のいずれかに記載の偏光板。
【請求項8】
前記貫通孔が隅部に形成されている、請求項1から7のいずれかに記載の偏光板。
【請求項9】
矩形形状を有し、前記偏光子の吸収軸方向が長手方向に平行である、請求項1から8のいずれかに記載の偏光板。
【請求項10】
前記保護層が、前記偏光子の一方の側のみに配置されている、請求項1から9のいずれかに記載の偏光板。
【請求項11】
前記貫通孔の直径が10mm以下である、請求項1から10のいずれかに記載の偏光板。
【請求項12】
アスペクト比が1.3~2.5である、請求項1から11のいずれかに記載の偏光板。
【請求項13】
画像表示セルと請求項1から12のいずれかに記載の偏光板とを含み、
該偏光板が、前記粘着剤層を介して該画像表示セルに貼り合わせられている、
画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光板に関する。より詳細には、本発明は、粘着剤層を有し、かつ、貫通孔が形成されている偏光板に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、ノート型パーソナルコンピューター等の画像表示装置には、画像表示を実現し、および/または当該画像表示の性能を高めるために、偏光板が広く使用されている。近年、スマートフォン、タッチパネル式の情報処理装置の急速な普及により、カメラが搭載された画像表示装置が広く利用されるようになっている。これに対応して、カメラ部に対応する位置に貫通孔を有する偏光板もまた広く利用されるようになっている。このような貫通孔を有する偏光板においては、貫通孔またはその近傍において種々の検討事項がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、高温環境下においても貫通孔部分におけるずれが小さい偏光板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の偏光板は、偏光子と、該偏光子の少なくとも一方の側に配置された保護層と、粘着剤層と、を有する。この偏光板においては、端部またはその近傍に貫通孔が形成されており、該粘着剤層を介して該偏光板をガラス板に貼り合わせた状態で85℃および120時間の加熱試験に供した後の、該貫通孔部分における該偏光板のずれ量が300μm以下である。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層の厚み方向最外部から上記偏光子の厚み方向中心部までの距離A(μm)、該偏光子の厚みTpol(μm)、該粘着剤層のクリープ値Cpsa(μm/hr)、該粘着剤層の厚みTpsa(μm)、および上記保護層の厚みTpro(μm)は、下記の関係を満足する:
(A×Tpol)×(Cpsa×Tpsa)/Tpro=K≦350×102(μm3/hr)。
1つの実施形態においては、上記偏光子の厚みTpolは20μm以下である。1つの実施形態においては、上記偏光子の厚みTpolは10μm以下である。1つの実施形態においては、上記貫通孔部分における上記偏光板のずれ量は120μm以下である。
1つの実施形態においては、上記粘着剤層の厚みTpsaは10μm~22μmである。
1つの実施形態においては、上記偏光板のずれ量は、実質的に上記粘着剤層のずれ量である。
1つの実施形態においては、上記貫通孔は隅部に形成されている。1つの実施形態においては、上記偏光子を平面視した時の長手方向中央から長手方向端部までの距離をL1、該偏光子の長手方向中央から該貫通孔の中心までの長手方向の距離をL2、該偏光子の短手方向中央から短手方向端部までの距離をW1、該偏光子の短手方向中央から該貫通孔の中心までの短手方向の距離をW2としたとき、上記貫通孔は、0.85≦L2/L1≦0.99および0.50≦W2/W1≦0.99を満足する位置に形成されている。
1つの実施形態においては、上記偏光板は矩形形状を有し、上記偏光子の吸収軸方向が長手方向に実質的に平行である。
1つの実施形態においては、上記保護層は、上記偏光子の一方の側のみに配置されている。
1つの実施形態においては、上記貫通孔の直径は10mm以下である。
1つの実施形態においては、上記偏光板は、アスペクト比が1.3~2.5である。
本発明の別の局面によれば、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、画像表示セルと上記の偏光板とを含み、該偏光板が、上記粘着剤層を介して該画像表示セルに貼り合わせられている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、貫通孔を有する偏光板であって、高温環境下においても貫通孔部分におけるずれが小さい偏光板を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態による偏光板における貫通孔の形成位置を説明する概略平面図である。
【
図2】
図1の左側に示す偏光板のII-II線による概略断面図である。
【
図3】本発明の実施形態による偏光板において貫通孔部分におけるずれを説明する要部拡大断面図である。
【
図4】実施例および比較例で得られた吸収軸が0°方向の偏光板についてK値とずれ量との関係を表すグラフである。
【
図5】実施例および比較例で得られた吸収軸が90°方向の偏光板についてK値とずれ量との関係を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。なお、見やすくするために図面は模式的に表されており、さらに、図面における長さ、幅、厚み等の比率、ならびに角度等は、実際とは異なっている。
【0009】
A.偏光板の全体構成
図1は、本発明の実施形態による偏光板における貫通孔の形成位置を説明する概略平面図であり;
図2は、
図1の左側に示す偏光板のII-II線による概略断面図である。図示例の偏光板100は、偏光子11と、偏光子11の一方の側に配置された保護層(以下、外側保護層と称する場合がある)12と、偏光子11のもう一方の側に配置された保護層(以下、内側保護層と称する場合がある)13と、粘着剤層20と、を有する。粘着剤層20は、偏光板100を画像表示セルに貼り合わせるために用いられる。目的および所望の構成等に応じて、外側保護層12または内側保護層13のいずれか一方は省略されてもよい。
【0010】
本発明の実施形態においては、偏光板100の端部またはその近傍に貫通孔30が形成されている。貫通孔を形成することにより、例えば画像表示装置がカメラを内蔵する場合に当該カメラ性能に対する悪影響を防止することができる。さらに、貫通孔を偏光板の端部またはその近傍に形成することにより、偏光板が画像表示装置に適用された場合に、画像表示に対する影響を最小限とすることができる。貫通孔は、例えばレーザー加工、エンドミルによる切削加工、トムソン刃やピナクル刃による打ち抜き加工等種々の方法で形成され得る。偏光板は、代表的には、
図1に示すような矩形形状を有する。本明細書において「矩形形状」というときは、
図1に示すように各頂点が面取りされたR形状のような異形加工部分を含む形状も包含する。貫通孔30は、偏光板の長手方向端部の略中央部に設けられてもよく、長手方向端部の所定の位置に設けられてもよく、偏光板の隅部に設けられてもよい。貫通孔が長手方向端部の所定の位置(略中央部を含む)に設けられる場合、当該貫通孔は、孔の中心が短辺(長手方向の端)から例えば10mm以内となるような位置に設けられる。1つの実施形態においては、
図1の偏光子の長手方向中央から長手方向端部までの距離をL
1、該偏光子の長手方向中央から該貫通孔の中心までの長手方向の距離をL
2としたとき、貫通孔は、好ましくは0.85≦L
2/L
1≦0.99を満足する位置に形成されている。L
2/L
1は、より好ましくは0.90~0.97であり、さらに好ましくは0.92~0.96である。貫通孔が隅部に設けられる場合、当該貫通孔は、例えば、孔の中心が短辺(長手方向の端)から10mm以内であり、かつ、長辺(短手方向の端)から10mm以内となるような位置に設けられる。1つの実施形態においては、貫通孔は、好ましくは0.85≦L
2/L
1≦0.99を満足する位置に形成されており、かつ、該偏光子の短手方向中央から短手方向端部までの距離をW
1、該偏光子の短手方向中央から該貫通孔の中心までの短手方向の距離をW
2としたとき、0.50≦W
2/W
1≦0.99を満足する位置に形成されている。L
2/L
1は、より好ましくは0.90~0.97であり、さらに好ましくは0.92~0.96である。W
2/W
1は、より好ましくは0.75~0.95である。図示例では貫通孔が長手方向端部に設けられる場合を示しているが、貫通孔は短手方向端部に設けられてもよい。図示していないが貫通孔は複数設けられてもよい。また、貫通孔の平面視形状は、目的に応じて任意の適切な形状が採用され得る。平面視形状の具体例としては、図示例のような円形、楕円形、正方形、矩形、およびこれらの組み合わせ(例えば、矩形の端部が円弧状となっているもの)が挙げられる。さらに、貫通孔とともに異形加工部(例えば、U字ノッチ、V字ノッチ)が設けられてもよい。本発明者らは、偏光板に貫通孔が形成される場合、高温環境下においては貫通孔部分で偏光板のずれ(実質的には、粘着剤層のずれ)が発生し、その結果、貫通孔部分において光漏れが発生するおそれがあるという新たな課題を発見し、本発明の実施形態の所定の構成を採用することにより、当該課題を解決した。すなわち、本発明は、今まで知られていなかった新たな課題を解決するものであり、これにより得られる効果は予期せぬ優れたものである。
【0011】
本発明の実施形態においては、
図3に示すように、偏光板100は、粘着剤層20を介して偏光板100をガラス板(画像表示セルの基板に対応し得る)120に貼り合わせた状態で85℃および120時間の加熱試験に供した後の、貫通孔30部分におけるずれ量Dが300μm以下である。ずれ量Dは、好ましくは250μm以下であり、より好ましくは200μm以下であり、さらに好ましくは150μm以下であり、特に好ましくは120μm以下であり、とりわけ好ましくは100μm以下であり、最も好ましくは80μm以下である。ずれ量Dは小さければ小さいほど好ましく、ずれ量Dの下限は、1つの実施形態においては10μmであり、別の実施形態においては20μmである。なお、ずれ量Dは、断面で見たときに貫通孔部分から遠ざかる偏光板の最大部分をいう。貫通孔部分の基準は、代表的には粘着剤層の下端部であり得る。すなわち、偏光板が主に偏光子11の収縮に起因して(図示例では右側に)ずれる際に粘着剤層20が粘着したガラス板120にとどまることにより、貫通孔部分にずれが認識されることとなる。なお、
図3に示すように、偏光板は、代表的には、貫通孔部分において貫通孔から遠ざかる側にずれるとともに(
図3右側)、その対向する部分は貫通孔にはみ出すようにずれる(
図3左側)。上記のとおり、本発明の実施形態によれば、高温環境下における貫通孔部分での偏光板のずれ(実質的には、粘着剤層のずれ)という新たに発見された課題を解決することができ、具体的には、所定の加熱試験後のずれ量Dを上記のような範囲とすることができる。
【0012】
本発明の実施形態においては、偏光板の上記加熱試験後の寸法収縮率は、好ましくは1.0%以下であり、より好ましくは0.6%以下であり、さらに好ましくは0.3%以下である。寸法収縮率は小さければ小さいほど好ましく、寸法収縮率の下限は、例えば0.01%であり得る。なお、寸法収縮率は、以下の式で求められる。なお、寸法収縮率は、ガラス板に貼り付けた偏光板全体の寸法収縮率であり、後述するように偏光板が光学機能層(例えば、位相差層、反射型偏光子)をさらに有する場合には、光学機能層を含めた偏光板全体の寸法収縮率を意味する。なお、下記式における「寸法」は、偏光板(実質的には、偏光子)の吸収軸方向の寸法である。
寸法収縮率(%)={(加熱試験前の寸法-加熱試験後の寸法)/加熱試験前の寸法}×100
【0013】
貫通孔30の直径Rは、好ましくは10mm以下であり、より好ましくは8mm以下であり、さらに好ましくは5mm以下である。貫通孔の直径の下限は、例えば2mmであり得、また例えば1.5mmであり得る。貫通孔の直径Rに対するずれ量Dの割合D/Rは、好ましくは15%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは6%以下であり、とりわけ好ましくは5%以下である。一方、D/Rの下限は小さければ小さいほど好ましい。本発明の実施形態によれば、ずれ量Dが上記のとおり非常に小さいので、貫通孔の直径を小さくしても、D/Rをこのような範囲とすることができる。したがって、貫通孔の直径を小さくしても、カメラ性能に対する悪影響を実質的に防止することができる。その結果、本発明の実施形態による偏光板は、カメラ部のみを非表示領域とした画像表示装置および/またはベゼルレスの画像表示装置に適用することができる。
【0014】
1つの実施形態においては、偏光板は、好ましくは下記の関係を満足する:
(A×Tpol)×(Cpsa×Tpsa)/Tpro=K≦350×102(μm3/hr)
ここで、Aは、粘着剤層20の厚み方向最外部から偏光子11の厚み方向中心部までの距離(μm)であり;Tpolは偏光子の厚み(μm)であり;Cpsaは、粘着剤層のクリープ値(μm/hr)であり;Tpsaは、粘着剤層の厚み(μm)であり;Tproは、保護層の厚み(μm)である。本明細書において「クリープ値」とは、85℃におけるクリープ値を意味する。クリープ値は、例えば以下の手順で測定され得る:粘着剤層を構成する粘着剤を支持板に貼着する。粘着剤を貼り付けた支持板を固定した状態で、500g荷重を鉛直下方に加える。荷重を加えて1時間後の粘着剤の支持板からのずれ量を測定し、当該ずれ量をクリープ値(μm/hr)とする。また、上記関係式における保護層の厚みTproは、式:「偏光板の総厚み-粘着剤層厚み-偏光子厚み」から求められる。すなわち、Tproは、保護層12および保護層13の総厚みと保護層を貼り付けるための接着剤層厚み(偏光子または保護フィルムと反射型偏光子とを粘着剤層を介して接着する場合の当該粘着剤層を含む)と必要に応じて保護層12に形成される表面処理層の厚みとの合計厚みである。K値は、より好ましくは250×102(μm3/hr)以下であり、さらに好ましくは200×102(μm3/hr)以下であり、特に好ましくは150×102(μm3/hr)以下である。K値の下限は、例えば15×102(μm3/hr)であり得る。K値がこのような範囲であれば、貫通孔部分のずれ(実質的には、粘着剤層のずれ)を顕著に抑制することができる。K値を所定値以下とする技術的意味は以下のとおりである:粘着剤層のずれは、粘着剤層にかかるモーメント力および粘着剤層自体の動きやすさが大きいと大きくなり、粘着剤層の動きに対する抑止力が大きいと小さくなる。粘着剤層にかかるモーメント力は、偏光板が貼り付けられる画像表示セルから偏光子までの距離および偏光子の厚みが関連し得;粘着剤層自体の動きやすさは、粘着剤層の柔らかさおよび厚みが関連し得;粘着剤層の動きに対する抑止力は、保護層の厚みが関連し得る。画像表示セルから偏光子までの距離および偏光子の厚みを小さくすることにより、モーメント力を小さくすることができ;粘着剤層のクリープ値を所定値以下とし(粘着剤層を硬く構成し)、および、粘着剤層の厚みを薄くすることにより、粘着剤層自体を動きにくくすることができ;保護層の厚みTproを所定範囲とすることにより、粘着剤層の動きに対する抑止力を適切な範囲とすることができる。したがって、上記の各要件を調整してK値を所定値以下に制御することにより、粘着剤層のずれを顕著に抑制することができる。具体的には、上記の距離Aは、好ましくは80μm以下であり、より好ましくは50μm以下である。距離Aの下限は、例えば10μmであり得る。クリープ値Cpsaは、好ましくは140μm/hr以下であり、より好ましくは130μm/hr以下であり、さらに好ましくは120μm/hr以下であり、特に好ましくは100μm/hr以下である。クリープ値の下限は、例えば50μm/hrであり得る。保護層の厚みTproは、好ましくは15μm~65μmであり、より好ましくは15μm~55μmである。粘着剤層の厚みTpsaは、好ましくは22μm以下であり、より好ましくは10μm~22μmである。クリープ値Cpsaが小さすぎる場合、および/または、粘着剤層の厚みTpsaが小さすぎる場合、応力緩和が難しくなりクラックまたは剥がれのリスクが高まる場合がある。保護層の厚みTproが小さすぎると、カール調整が難しくなる場合がある。
【0015】
本発明の実施形態においては、偏光子11の厚みTpolは、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは15μm以下であり、さらに好ましくは12μm以下であり、特に好ましくは10μm以下であり、さらに特に好ましくは8μm以下であり、とりわけ好ましくは6μm以下であり、最も好ましくは5μm以下である。偏光子11の厚みの下限は、好ましくは2μmであり、より好ましくは1μmである。偏光子の厚みをこのような範囲とすることにより、偏光子自体の熱収縮を抑制することができる。その結果、偏光子の熱収縮に追随し得る粘着剤層の変形(結果としてのずれ)を抑制することができる。
【0016】
上記のように偏光板が矩形形状を有する場合、偏光子の吸収軸方向は、長手方向と実質的に平行であってもよく実質的に直交してもよい。本発明の実施形態によれば、偏光子の吸収軸方向が長手方向と実質的に平行である場合であっても、偏光板のずれ量を上記のとおり小さくすることができる。言い換えれば、本発明の実施形態によれば、偏光板(実質的には、偏光子)の熱収縮が大きい方向においてもずれ量を小さくすることができる。さらに、上記のとおり、貫通孔は偏光板の隅部に設けられてもよい。隅部は偏光板(実質的には、偏光子)の熱収縮が大きい部分であるところ、本発明の実施形態によれば、上記と同様に、このような部分においても偏光板のずれ量を小さくすることができる。なお、本明細書において「実質的に平行」および「略平行」という表現は、2つの方向のなす角度が0°±7°である場合を包含し、好ましくは0°±5°であり、さらに好ましくは0°±3°である。「実質的に直交」および「略直交」という表現は、2つの方向のなす角度が90°±7°である場合を包含し、好ましくは90°±5°であり、さらに好ましくは90°±3°である。さらに、本明細書において単に「直交」または「平行」というときは、実質的に直交または実質的に平行な状態を含み得るものとする。また、本明細書において角度に言及するときは、基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。
【0017】
本発明の実施形態による偏光板は、視認側偏光板として用いられてもよく、背面側偏光板として用いられてもよい。さらに、本発明の実施形態による偏光板は、目的に応じて任意の適切な光学機能層をさらに有していてもよい。光学機能層としては、例えば、位相差層、タッチパネル用導電層、反射型偏光子が挙げられる。
【0018】
1つの実施形態においては、内側保護層13と粘着剤層20との間に位相差層が設けられ得る。位相差層は単一層で構成されてもよく積層構造を有していてもよい。位相差層が単一層で構成される場合、当該位相差層は、代表的にはλ/4板として機能し得る。この場合、位相差層の面内位相差Re(550)は、好ましくは100nm~200nmであり、より好ましくは120nm~170nmであり、さらに好ましくは130nm~150nmである。偏光子の吸収軸と位相差層の遅相軸とのなす角度は、好ましくは40°~50°であり、より好ましくは42°~48°であり、さらに好ましくは44°~46°である。位相差層は、好ましくは、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示す。この場合、位相差層のRe(450)/Re(550)は、好ましくは0.8以上1未満であり、より好ましくは0.8以上0.95以下である。位相差層は、樹脂フィルムの延伸フィルムであってもよく、液晶化合物の配向固化層であってもよい。位相差層が樹脂フィルムで構成される場合、位相差層は内側保護層を兼ねてもよい。樹脂フィルムの延伸フィルムで構成される位相差層については、例えば、特開2017-54093号公報、特開2018-60014号公報に記載されている。液晶化合物の具体例および配向固化層の形成方法の詳細は、例えば特開2006-163343号公報に記載されている。これらの公報の記載は、本明細書に参考として援用される。なお、本明細書において「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。nxは面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、nyは面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率である。
【0019】
位相差層が積層構造を有する場合、位相差層は代表的には偏光板側から順にH層とQ層とを有する。H層は代表的にはλ/2板として機能し得、Q層は代表的にはλ/4板として機能し得る。H層のRe(550)は、好ましくは200nm~300nmであり、より好ましくは230nm~290nmであり、さらに好ましくは260nm~280nmである。偏光子の吸収軸とH層の遅相軸とのなす角度は、好ましくは10°~20°であり、より好ましくは12°~18°であり、さらに好ましくは14°~16°である。Q層のRe(550)は、好ましくは100nm~200nmであり、より好ましくは120nm~170nmであり、さらに好ましくは130nm~150nmである。偏光子の吸収軸とQ層の遅相軸とのなす角度は、好ましくは70°~80°であり、より好ましくは72°~78°であり、さらに好ましくは74°~76°である。H層およびQ層の配置順序は逆であってもよく、H層の遅相軸と偏光子の吸収軸とがなす角度およびQ層の遅相軸と偏光子の吸収軸とがなす角度は逆であってもよい。H層およびQ層はそれぞれ、樹脂フィルムの延伸フィルムであってもよく、液晶化合物の配向固化層であってもよい。
【0020】
1つの実施形態においては、内側保護層13(存在する場合には、位相差層)の偏光子と反対側にタッチパネル用導電層が設けられ得る。このような構成であれば、偏光板は、画像表示セルと偏光板との間にタッチセンサが組み込まれた、いわゆるインナータッチパネル型入力表示装置に適用され得る。この実施形態の偏光板は、代表的には視認側偏光板である。
【0021】
1つの実施形態においては、外側保護層12の偏光子と反対側に反射型偏光子が設けられ得る。反射型偏光子は、外側保護層を兼ねてもよい。この実施形態の偏光板は、代表的には背面側偏光板である。反射型偏光子の詳細については、例えば、特表平9-507308号公報、特開2013-235259号公報に記載されている。これらの公報の記載は、本明細書に参考として援用される。
【0022】
本発明の実施形態による偏光板は、アスペクト比が好ましくは1.3~2.5である。この場合、偏光板のサイズは、例えば、縦145mm~155mmおよび横65mm~75mm、あるいは、縦230mm~240mmおよび横140mm~150mmである。すなわち、本発明の実施形態による偏光板は、スマートフォンまたはタブレット型PCに好適に用いられ得る。スマートフォンサイズとしては、例えば、縦は120mm~200mmであってもよく、幅は30mm~120mmであってもよい。
【0023】
以下、偏光板を構成する偏光子、保護層および粘着剤層について具体的に説明する。
【0024】
B.偏光板
B-1.偏光子
偏光子は、代表的には、二色性物質を含む樹脂フィルムで構成される。樹脂フィルムとしては、偏光子として用いられ得る任意の適切な樹脂フィルムを採用することができる。樹脂フィルムは、代表的には、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)フィルムである。樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
【0025】
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、PVA系樹脂フィルムにヨウ素による染色処理および延伸処理(代表的には、一軸延伸)が施されたものが挙げられる。上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系樹脂フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3~7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系樹脂フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系樹脂フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系樹脂フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系樹脂フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
【0026】
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報、特許第6470455号に記載されている。これらの特許文献の記載は、本明細書に参考として援用される。
【0027】
偏光子の厚みは、上記A項に記載したとおりである。
【0028】
偏光子は、好ましくは、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、例えば41.5%~46.0%であり、好ましくは43.0%~46.0%であり、より好ましくは44.5%~46.0%である。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
【0029】
B-2.保護層
保護層は、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001-343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN-メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。
【0030】
外側保護層12(特に、偏光板が視認側偏光板である場合)には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。さらに/あるいは、外側保護層12には、必要に応じて、偏光サングラスを介して視認する場合の視認性を改善する処理(代表的には、(楕)円偏光機能を付与すること、超高位相差を付与すること)が施されていてもよい。このような処理を施すことにより、偏光サングラス等の偏光レンズを介して表示画面を視認した場合でも、優れた視認性を実現することができる。したがって、偏光板は、屋外で用いられ得る画像表示装置にも好適に適用され得る。
【0031】
内側保護層は、光学的に等方性であることが好ましい。本明細書において「光学的に等方性である」とは、面内位相差Re(550)が0nm~10nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)が-10nm~+10nmであることをいう。ここで、「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。nzは厚み方向の屈折率である。
【0032】
保護層の厚みは、任意の適切な厚みが採用され得る。保護層の厚みは、例えば10μm~50μmであり、好ましくは20μm~40μmである。なお、表面処理が施されている場合、保護層の厚みは、表面処理層の厚みを含めた厚みである。なお、ここでいう「保護層の厚み」は、外側保護層および内側保護層のそれぞれの厚みであり、上記式におけるTproとは異なるものである。
【0033】
C.粘着剤層
粘着剤層20は、上記のとおり、偏光板を画像表示セルに貼り合わせるために用いられる。粘着剤層は、代表的にはアクリル系粘着剤(アクリル系粘着剤組成物)で構成され得る。アクリル系粘着剤組成物は、代表的には、(メタ)アクリル系ポリマーを主成分として含む。(メタ)アクリル系ポリマーは、粘着剤組成物の固形分中、例えば50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上の割合で粘着剤組成物に含有され得る。(メタ)アクリル系ポリマーは、モノマー単位としてアルキル(メタ)アクリレートを主成分として含有する。なお、(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいう。アルキル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分中、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上の割合で含有され得る。アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基としては、例えば、1個~18個の炭素原子を有する直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。当該アルキル基の平均炭素数は、好ましくは3個~9個であり、より好ましくは3個~6個である。好ましいアルキル(メタ)アクリレートは、ブチルアクリレートである。(メタ)アクリル系ポリマーを構成するモノマー(共重合モノマー)としては、アルキル(メタ)アクリレート以外に、カルボキシル基含有モノマー、ヒドロキシル基含有モノマー、アミド基含有モノマー、芳香環含有(メタ)アクリレート、複素環含有ビニル系モノマー等が挙げられる。共重合モノマーの代表例としては、アクリル酸、4-ヒドロキシブチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、N-ビニル-2-ピロリドンが挙げられる。アクリル系粘着剤組成物は、好ましくは、シランカップリング剤および/または架橋剤を含有し得る。シランカップリング剤としては、例えばエポキシ基含有シランカップリング剤が挙げられる。架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、過酸化物系架橋剤が挙げられる。さらに、アクリル系粘着剤組成物は、酸化防止剤および/または導電剤を含有してもよい。粘着剤層の厚みTpsaは、例えば50μm以下であり、さらに上記のとおり、好ましくは22μm以下であり、より好ましくは10μm~22μmである。粘着剤層またはアクリル系粘着剤組成物の詳細は、例えば、特開2006-183022号公報、特開2015-199942号公報、特開2018-053114号公報、特開2016-190996号公報、国際公開第2018/008712号に記載されており、これらの公報の記載は本明細書に参考として援用される。
【0034】
粘着剤層の-40℃における貯蔵弾性率G2’は、好ましくは1.0×105(Pa)以上であり、より好ましくは1.0×106(Pa)以上であり、さらに好ましくは1.0×107(Pa)以上であり、特に好ましくは1.0×108(Pa)以上である。貯蔵弾性率G2’は、例えば1.0×109(Pa)以下であり得る。
【0035】
D.画像表示装置
本発明の実施形態による偏光板は、画像表示装置に適用され得る。したがって、画像表示装置もまた、本発明の実施形態に包含される。画像表示装置は、画像表示セルと偏光板とを含む。偏光板は、上記A項~C項に記載の本発明の実施形態による偏光板である。偏光板は、粘着剤層を介して画像表示セルに貼り合わせられている。画像表示装置としては、例えば、液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス(EL)表示装置、量子ドット表示装置が挙げられる。
【実施例】
【0036】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。実施例における評価項目は以下のとおりである。また、特に明記しない限り、実施例における「部」および「%」は重量基準である。
【0037】
(1)ずれ量
実施例および比較例で得られた偏光板を、粘着剤層を介してガラス板(マツナミガラス社製、縦350mm×横250mm×厚み1.1mm)に貼り付けて試験サンプルとした。この試験サンプルについて、85℃および120時間の加熱試験に供した。試験後、貫通孔部分の偏光板(実質的には、粘着剤層)のずれ量をOLYMPUS社製の光学顕微鏡(MX61L)で測定した。なお、測定は、3つの試験サンプルについて行い、3つの測定値のうちの最大値をずれ量とした。
【0038】
<製造例1>
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた4つ口フラスコに、ブチルアクリレート99部、4-ヒドロキシブチルアクリレート1部を含有するモノマー混合物を仕込んだ。さらに、モノマー混合物(固形分)100部に対して、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部を酢酸エチル100重量部と共に仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入して窒素置換した後、フラスコ内の液温を55℃付近に保って8時間重合反応を行って、重量平均分子量(Mw)156万のアクリル系ポリマー(a)の溶液を調製した。得られたアクリル系ポリマー(a)の溶液の固形分100部に対して、イソシアネート架橋剤(商品名:タケネートD160N、トリメチロールプロパンヘキサメチレンジイソシアネート、三井化学(株)製)0.1部、ベンゾイルパーオキサイド(商品名:ナイパーBMT 40SV、日本油脂(株)製)0.3部、チオール基含有シランカップリング剤(商品名:X-41-1810、信越化学工業(株)製、アルコキシ基量:30%、チオール当量:450g/mol)0.3部、および、酸化防止剤(商品名:Irganox 1010、ヒンダードフェノール系、BASFジャパン社製)0.2部を配合して、粘着剤組成物Aを得た。
【0039】
<製造例2>
ブチルアクリレート81.8部、フェノキシエチルアクリレート16部、N-ビニル-2-ピロリドン1.5部、アクリル酸0.3部および4-ヒドロキシブチルアクリレート0.4部を含有するモノマー混合物を用いたこと以外は製造例1と同様にして、重量平均分子量(Mw)157万のアクリル系ポリマー(b)の溶液を調製した。アクリル系ポリマー(b)を用いたこと、シランカップリング剤としてチオール基含有シランカップリング剤(商品名:X-41-1056、信越化学工業(株)製、アルコキシ基量:30%、チオール当量:450g/mol)0.2部を用いたこと、酸化防止剤を用いなかったこと、および、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(三菱マテリアル社製)0.5部をさらに加えたこと以外は製造例1と同様にして、粘着剤組成物Bを得た。
【0040】
<製造例3>
ブチルアクリレート80.3部、フェノキシエチルアクリレート16部、N-ビニル-2-ピロリドン3部、アクリル酸0.3部および4-ヒドロキシブチルアクリレート0.4部を含有するモノマー混合物を用いたこと以外は製造例1と同様にして、重量平均分子量(Mw)150万のアクリル系ポリマー(c)の溶液を調製した。アクリル系ポリマー(c)を用いたこと、シランカップリング剤の配合量を0.1部としたこと、および、導電剤(1-エチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、第一工業製薬社製のイオン性液体)5部を加えたこと以外は製造例1と同様にして、粘着剤組成物Cを得た。
【0041】
<製造例4>
製造例1と同様にして重量平均分子量(Mw)165万のアクリル系ポリマー(d)の溶液を調製した。得られたアクリル系ポリマー(d)の溶液の固形分100部に対して、イソシアネート架橋剤(商品名:タケネートD110N、トリメチロールプロパンヘキサメチレンジイソシアネート、三井化学(株)製)0.1部、ベンゾイルパーオキサイド(商品名:ナイパーBMT 40SV、日本油脂(株)製)0.3部、およびアセトアセチル基含有シランカップリング剤(商品名:A-100、綜研化学株式会社製)0.2部を配合して、粘着剤組成物Dを得た。
【0042】
<製造例5>
シランカップリング剤としてチオール基含有シランカップリング剤(商品名:X-41-1810、信越化学工業(株)製、アルコキシ基量:30%、チオール当量:450g/mol)0.2部を用いたこと以外は製造例1と同様にして、粘着剤組成物Eを得た。
【0043】
<実施例1>
熱可塑性樹脂基材として、長尺状で、Tg約75℃である、非晶質のイソフタル共重合ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み:100μm)を用い、樹脂基材の片面に、コロナ処理を施した。
ポリビニルアルコール(重合度4200、ケン化度99.2モル%)およびアセトアセチル変性PVA(日本合成化学工業社製、商品名「ゴーセファイマー」)を9:1で混合したPVA系樹脂100重量部に、ヨウ化カリウム13重量部を添加したものを水に溶かし、PVA水溶液(塗布液)を調製した。
樹脂基材のコロナ処理面に、上記PVA水溶液を塗布して60℃で乾燥することにより、厚み13μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で縦方向(長手方向)に2.4倍に一軸延伸した(空中補助延伸処理)。
次いで、積層体を、液温40℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化処理)。
次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素とヨウ化カリウムを1:7の重量比で配合して得られたヨウ素水溶液)に、最終的に得られる偏光子の単体透過率(Ts)が所望の値となるように濃度を調整しながら60秒間浸漬させた(染色処理)。
次いで、液温40℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を5重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋処理)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(ホウ酸濃度4重量%、ヨウ化カリウム濃度5重量%)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に総延伸倍率が5.5倍となるように一軸延伸を行った(水中延伸処理)。
その後、積層体を液温20℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた(洗浄処理)。
その後、約90℃に保たれたオーブン中で乾燥しながら、表面温度が約75℃に保たれたSUS製の加熱ロールに接触させた(乾燥収縮処理)。
このようにして、樹脂基材上に厚み約5μmの偏光子を形成し、樹脂基材/偏光子の構成を有する積層体を得た。
得られた積層体の偏光子表面(樹脂基材とは反対側の面)に、外側保護層としてHC-TACフィルムを貼り合わせた。なお、HC-TACフィルムは、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み25μm)にハードコート(HC)層(厚み7μm)が形成されたフィルムであり、TACフィルムが偏光子側となるようにして貼り合わせた。次いで、樹脂基材を剥離し、当該剥離面に粘着剤組成物Aを用いて粘着剤層(厚み20μm)を形成し、偏光板1を得た。
この偏光板を縦148mmおよび横70mmのサイズに打ち抜き、さらに、隅部に直径3.9mmの貫通孔を形成した。このとき、偏光子の吸収軸方向が長手方向となるように打ち抜いた。得られた偏光板を上記(1)の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。なお、表1において「0°」は長手方向を、「90°」は短手方向を意味する。
【0044】
<実施例2>
実施例1と同様にして偏光板1を得た。この偏光板を、偏光子の吸収軸方向が短手方向となるようにしたこと以外は実施例1と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0045】
<実施例3>
粘着剤層の厚みを15μmとしたこと以外は実施例1と同様にして偏光板2を得た。この偏光板を実施例1と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0046】
<実施例4>
実施例3と同様にして偏光板2を得た。この偏光板を実施例2と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0047】
<実施例5>
実施例1と同様にして樹脂基材/偏光子の構成を有する積層体を得た。得られた積層体の偏光子表面(樹脂基材とは反対側の面)に、外側保護層としてHC-シクロオレフィン系樹脂フィルム(HC厚み2μm、樹脂フィルム厚み25μm)を貼り合わせた。次いで、樹脂基材を剥離し、当該剥離面に内側保護層としてシクロオレフィン系樹脂フィルム(厚み13μm)を貼り合わせた。さらに、内側保護層の表面に粘着剤組成物Aを用いて粘着剤層(厚み20μm)を形成し、偏光板3を得た。この偏光板を実施例1と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0048】
<実施例6>
実施例5と同様にして偏光板3を得た。この偏光板を実施例2と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0049】
<実施例7>
偏光子として、長尺状のポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムにヨウ素を含有させ、長手方向(MD方向)に一軸延伸して得られたフィルム(厚み12μm)を用いた。この偏光子の両側に外側保護層となる長尺状のHC-TACフィルムおよび内側保護層となる長尺状のアクリル系樹脂フィルム(厚み20μm)をそれぞれ、互いの長手方向を揃えるようにして貼り合わせた。内側保護層の表面に粘着剤組成物Bを用いて粘着剤層(厚み20μm)を形成し、偏光板4を得た。この偏光板を実施例1と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0050】
<実施例8>
実施例7と同様にして偏光板4を得た。この偏光板を実施例2と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0051】
<実施例9>
内側保護層としてアクリル系樹脂フィルムの代わりにシクロオレフィン系樹脂フィルム(厚み13μm)を用いたこと、および、粘着剤組成物Bの代わりに粘着剤組成物Cを用いて粘着剤層(厚み20μm)を形成したこと以外は実施例7と同様にして、偏光板5を得た。この偏光板を実施例1と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0052】
<実施例10>
実施例9と同様にして偏光板5を得た。この偏光板を実施例2と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0053】
<実施例11>
内側保護層としてアクリル系樹脂フィルムの代わりにTACフィルム(厚み25μm)を用いたこと以外は実施例7と同様にして偏光板を得た。この偏光板の内側保護層側に液晶配向固化層Hおよび液晶配向固化層Qを順次転写した。なお、液晶配向固化層Hおよび液晶配向固化層Qは下記のようにして作製した。液晶配向固化層Qの表面に粘着剤組成物Dを用いて粘着剤層(厚み20μm)を形成し、偏光板(位相差層付偏光板)6を得た。この偏光板を実施例2と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0054】
ネマチック液晶相を示す重合性液晶(BASF社製:商品名「Paliocolor LC242」、下記式で表される)10gと、当該重合性液晶化合物に対する光重合開始剤(BASF社製:商品名「イルガキュア907」)3gとを、トルエン40gに溶解して、液晶組成物(塗工液)を調製した。
【化1】
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚み38μm)表面を、ラビング布を用いてラビングし、配向処理を施した。配向処理の方向は、偏光板に貼り合わせる際に偏光子の吸収軸の方向に対して視認側から見て15°方向となるようにした。この配向処理表面に、上記液晶塗工液をバーコーターにより塗工し、90℃で2分間加熱乾燥することによって液晶化合物を配向させた。このようにして形成された液晶層に、メタルハライドランプを用いて1mJ/cm
2の光を照射し、当該液晶層を硬化させることによって、PETフィルム上に液晶配向固化層Hを形成した。液晶配向固化層Hの厚みは2.5μm、面内位相差Re(550)は270nmであった。さらに、液晶配向固化層Hは、nx>ny=nzの屈折率分布を有していた。
塗工厚みを変更したこと、および、配向処理方向を偏光子の吸収軸の方向に対して視認側から見て75°方向となるようにしたこと以外は上記と同様にして、PETフィルム上に液晶配向固化層Qを形成した。液晶配向固化層Qの厚みは1.5μm、面内位相差Re(550)は140nmであった。さらに、液晶配向固化層Qは、nx>ny=nzの屈折率分布を有していた。
【0055】
<実施例12>
外側保護層としてHC-TACフィルムの代わりにTACフィルム(厚み25μm)を用いたこと以外は実施例7と同様にして偏光板を得た。さらに、外側保護層の表面に通常の粘着剤層を介して反射型偏光子(厚み26μm)を貼り合わせ、反射型偏光子の表面に粘着剤組成物Eを用いて粘着剤層(厚み20μm)を形成し、偏光板7を得た。この偏光板を実施例1と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0056】
<実施例13>
実施例12と同様にして偏光板7を得た。この偏光板を実施例2と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0057】
<実施例14>
実施例1と同様にして樹脂基材/偏光子の構成を有する積層体を得た。得られた積層体の偏光子表面(樹脂基材とは反対側の面)に、内側保護層としてTACフィルム(厚み20μm)を貼り合わせた。次いで、樹脂基材を剥離し、当該剥離面に反射型偏光子(厚み26μm)を貼り合わせた。内側保護層の表面に粘着剤組成物Dを用いて粘着剤層(厚み20μm)を形成し、偏光板8を得た。この偏光板を実施例1と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0058】
<実施例15>
実施例14と同様にして偏光板8を得た。この偏光板を実施例2と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0059】
<比較例1>
偏光子として、長尺状のポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムにヨウ素を含有させ、長手方向(MD方向)に一軸延伸して得られたフィルム(厚み22μm)を用いた。この偏光子の両側に外側保護層となる長尺状のTACフィルム(厚み40μm)および内側保護層となる長尺状のアクリル系樹脂フィルム(厚み30μm)をそれぞれ、互いの長手方向を揃えるようにして貼り合わせた。内側保護層の表面に粘着剤組成物Dを用いて粘着剤層(厚み20μm)を形成し、偏光板9を得た。この偏光板を実施例1と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0060】
<比較例2>
比較例1と同様にして偏光板9を得た。この偏光板を実施例2と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0061】
<実施例16>
実施例1と同様にして偏光板1を得た。この偏光板を縦152mmおよび横73mmのサイズに打ち抜き、さらに、長手方向端部の中央部に直径4.7mmの貫通孔を形成した。このとき、偏光子の吸収軸方向が長手方向となるように打ち抜いた。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0062】
<実施例17>
実施例5と同様にして偏光板3を得た。この偏光板を実施例16と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0063】
<実施例18>
実施例5と同様にして偏光板3を得た。この偏光板を、偏光子の吸収軸方向が短手方向となるようにしたこと以外は実施例16と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0064】
<実施例19>
実施例7と同様にして偏光板4を得た。この偏光板を実施例16と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0065】
<実施例20>
粘着剤組成物Cの代わりに粘着剤組成物Bを用いて粘着剤層(厚み20μm)を形成したこと以外は実施例9と同様にして、偏光板10を得た。この偏光板を実施例18と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0066】
<比較例3>
比較例1と同様にして偏光板9を得た。この偏光板を実施例16と同様にして打ち抜き、貫通孔を形成した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を、偏光板の詳細な構成とともに表1に示す。
【0067】
<実施例21~28>
表1に示す構成で貫通孔を有する偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
【0068】
【0069】
表1から明らかなように、本発明の実施例の偏光板は、加熱試験後の貫通孔部分におけるずれ量が比較例に比べて顕著に小さいことがわかる。さらに、吸収軸が0°方向の偏光板(例えば、実施例1)および吸収軸が90°方向の偏光板(例えば、実施例2)のそれぞれについて、K値とずれ量との関係を表すグラフを
図4および
図5に示す。
図4および
図5から明らかなように、K値を小さくすることによりずれ量が小さくなり、かつ、当該関係には高い相関性があることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の偏光板は、画像表示装置に好適に用いられ、特に、スマートフォン、タブレット型PCまたはスマートウォッチに代表されるカメラ部を有する画像表示装置に好適に用いられ得る。
【符号の説明】
【0071】
11 偏光子
12 外側保護層
13 内側保護層
20 粘着剤層
30 貫通孔
100 偏光板