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特許6995848プラスチック溶融物を濾過するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】プラスチック溶融物を濾過するための装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 35/02 20060101AFI20220107BHJP
   B01D 35/18 20060101ALI20220107BHJP
   B01D 39/12 20060101ALI20220107BHJP
   B01D 39/16 20060101ALI20220107BHJP
   B01D 39/20 20060101ALI20220107BHJP
   B29C 48/694 20190101ALI20220107BHJP
【FI】
B01D35/02 L
B01D35/18
B01D39/12
B01D39/16 Z
B01D39/20 D
B29C48/694
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019519640
(86)(22)【出願日】2017-10-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2017075063
(87)【国際公開番号】W WO2018069089
(87)【国際公開日】2018-04-19
【審査請求日】2020-04-21
(31)【優先権主張番号】16193744.6
(32)【優先日】2016-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515310870
【氏名又は名称】スターリンガー アンド コー ゲゼルシャフト エム.ベー.ハー.
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100117444
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】ロフラニッヒ,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ウール,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ウェベルホファー,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ペヒハッカー,アンドレアス
【審査官】長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05928523(US,A)
【文献】特開昭50-024821(JP,A)
【文献】特開昭49-109457(JP,A)
【文献】特開2000-325711(JP,A)
【文献】特表2015-516295(JP,A)
【文献】特開昭51-128064(JP,A)
【文献】米国特許第05462653(US,A)
【文献】中国実用新案第202620841(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 35/00-35/04
B01D 29/00-29/96
B01D 39/00-39/20
B29C 48/00-48/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口バルブ(14)、出口バルブ(15)およびフィルタキャニスタ(2)を有するプラスチック溶融物を濾過するための装置(1)であって、取り外し可能なカバー(4)を用いて閉鎖可能なキャビティ(3)が形成され、前記キャビティ(3)内に溶融物チャネル(20)が開口し、前記フィルタキャニスタ(2)内に、フィルタ基板(6)とフィルタ格子(7)とによってそれぞれ形成された複数のフィルタカートリッジ(5)が配置され、前記フィルタ基板(6)は前記フィルタキャニスタ(2)に固定され、複数の開口部を有する壁を含み、前記壁は出口(9)を通って収集チャネル(10)に開口する内部空間(8)を画定し、前記フィルタ格子(7)は前記フィルタ基板(6)の前記開口部を覆い、前記溶融物チャネル(20)は前記入口バルブ(14)に隣接し、前記入口バルブ(14)を介して入口チャネル(16)と流体連通することができ、前記収集チャネル(10)は前記出口バルブ(15)に隣接し、前記出口バルブ(15)を介して出口チャネル(18)と流体連通することができ、前記カバー(4)は前記フィルタ格子(7)を前記フィルタ基板(6)上に固定し、前記装置(1)は、前記入口バルブ(14)と連通する通気チャネル(21)と、前記出口バルブ(15)と連通する排水チャネル(22)と、を有し、前記溶融物チャネル(20)は前記入口バルブ(14)を介して前記通気チャネル(21)に接続することができ、前記収集チャネル(10)は前記出口バルブ(15)を介して前記排水チャネル(22)に接続することができる、装置(1)。
【請求項2】
前記フィルタ基板(6)は、前記キャビティ(3)内に互いに等間隔に配置されている、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記入口バルブ(14)および前記出口バルブ(15)は、回転式および/または摺動可能なバルブによって形成されている、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記フィルタキャニスタ(2)を距離をおいて取り囲む加熱カップ(12)により、前記フィルタキャニスタ(2)を非接触式に加熱することができる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記溶融物チャネル(20)および前記収集チャネル(10)は、前記フィルタキャニスタ(2)の側面の領域において、前記フィルタキャニスタ(2)の少なくとも1つの壁に形成されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記フィルタカートリッジ(5)は、前記カバー(4)が取り外された後に前記フィルタ格子(7)が前記キャビティ(3)から軸方向に取り外すことができるように方向付けられている、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記フィルタカートリッジ(5)は、前記装置(1)の前記フィルタ動作において、前記プラスチック溶融物から実質的に36μmより大きいサイズの粒子を濾過するように適合されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記フィルタ基板(6)の前記壁は、穿孔シート材料から作られている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記フィルタカートリッジ(5)は、金属、プラスチックまたはセラミック材料から作られている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記装置(1)はガスケット(11)を有し、前記ガスケット(11)は、前記フィルタカートリッジ()に固定することができ、前記フィルタ格子(7)と前記カバー(4)との間の前記フィルタキャニスタ(2)上に配置された前記カバー(4)に配置されている、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の少なくとも2つの装置(1)を有するシステム(27)であって、前記少なくとも2つの装置(1)の前記入口バルブ(14)および前記出口バルブ(15)を制御する制御ユニット(28)を有する、システム(27)。
【請求項12】
前記システム(27)の総濾過面積は、個々の装置(1)を追加することによって、または個々の装置(1)のスイッチを切ることによって変更することができる、請求項11に記載のシステム(27)。
【請求項13】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の装置(1)のフィルタカートリッジ(5)を交換するための方法であって、
a)前記入口バルブ(14)を前記入口チャネル(16)と前記溶融物チャネル(20)とを接続する位置から前記通気チャネル(21)と前記溶融物チャネル(20)とを接続する位置に切り替えることによって、前記装置(1)内へのプラスチック溶融物の供給を停止するステップと、
b)前記出口バルブ(15)を前記出口チャネル(18)と前記収集チャネル(10)とを接続する位置から前記排水チャネル(22)と前記収集チャネル(10)とを接続する位置に切り替えるステップと、
c)前記通気チャネル(21)を通してガスを供給することによって前記装置(1)をフラッシングするステップと、
d)前記カバー(4)を開くステップと、
e)前記フィルタ格子(7)を交換するステップと、
f)前記カバー(4)を閉じるステップと、
g)前記入口バルブ(14)を前記入口チャネル(16)と前記溶融物チャネル(20)とが互いに接続される位置に切り替えるステップと、
h)前記キャビティ(3)内にまだ存在するガスが前記排水チャネル(22)を通って出ると、前記出口バルブ(15)を前記出口チャネル(18)と前記収集チャネル(10)とが互いに接続される位置に切り替えるステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
ステップd)とステップe)との間に、前記フィルタキャニスタ(2)は、洗浄ツールを用いて溶融残留物を手動で洗浄されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック溶融物を濾過するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック溶融物を濾過するための、特に大規模濾過のための公知の装置がある。プラスチック溶融物を濾過するためにフィルタキャニスタ内に配置されたフィルタカートリッジが使用され、このようなフィルタカートリッジは、一般にフィルタ媒体としてのフィルタ物質およびフィルタ格子により形成される。このような装置は通常連続プロセスに埋め込まれており、高いリサイクル比率を有するプラスチック溶融物は、高品質の出発生成物、例えばプラスチック粒状物に変換される。出発生成物の恒久的な高品質を保証し、かつフィルタカートリッジの閉塞を防止することを可能にするために、フィルタカートリッジのフィルタ格子は定期的に交換されなければならず、プロセスの定期的な中断および人員の投入をまねく。
【0003】
上述の装置は、例えば、中国特許第102241125B号により公知であり、中国特許第102241125B号による公知の装置は、互いに独立したフィルタキャニスタ内にそれぞれ配置された2つのフィルタカートリッジを有する。フィルタキャニスタは、それぞれ溶融物チャネルを介して入口バルブに取り付けられ、プラスチック溶融物は、2つのフィルタキャニスタのそれぞれ一方にのみ供給することができる。このようにして、装置の濾過作業において、プラスチック溶融物は一方のフィルタキャニスタにのみ適用され、他方のフィルタキャニスタはプラスチック溶融物が適用されず、同時に洗浄することができ、フィルタカートリッジのフィルタ格子を交換することができる。
【0004】
中国特許第102241125B号により公知の装置では、プラスチック溶融物を濾過するために十分に大きいフィルタ表面を得るためには装置をかなり大きい寸法にしなければならないことが不利であることが分かっており、フィルタキャニスタ内に配置されたフィルタカートリッジのフィルタ格子の交換間隔が可能な限り離れるようになっている。しかしながら、装置の大きさのために、多くの設置スペースが必要とされ、フィルタ格子を迅速かつ効果的に交換するために十分なスペースが利用可能であるように、より大きい設備の一部として装置を配置することは困難であることが分かっている。しかしながら、装置によって、プラスチック溶融物の連続濾過が達成することができるが、しかし、装置の小さいフィルタ表面のために、また、ひどく汚染されたプラスチック溶融物の場合にはフィルタ格子の交換に時間がかかるために、連続的な濾過を確実にするために、フィルタキャニスタ内のフィルタカートリッジのフィルタ格子を交互に交換することだけで人が従事することが起こり得る。
【0005】
さらに、フィルタキャニスタ内に配置された複数のフィルタカートリッジを有するプラスチック溶融物を濾過するための公知の装置がある。そのような装置は、例えば、独国特許第19636067A1号、特開平10-244576A号および国際公開第02/056997A1号により公知である。
【0006】
様々な媒体を濾過するためのさらなる装置は、米国特許第5,279,733A号、米国特許第5,462,653A号、米国特許第4,921,607A号、国際公開第02/42054A1号、米国特許第3,670,895A号および米国特許第2,440,487A号により公知である。
【0007】
米国特許第3,896,029A号は、フィルタの出口で材料の流れを妨げることなく、2つの個々のフィルタの間で切り替えることを可能にするバルブを開示している。
米国特許第3,940,222号は、濾材への溶融物の供給を制御するためのフィルタ交換バルブユニットを開示している。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、装置内のフィルタ動作を維持するために人員の投入がかなり少なく、かつ濾過されていない廃棄物が防止されている装置を提供することである。
【0009】
本発明によれば、この課題は、入口バルブ、出口バルブおよびフィルタキャニスタを有する装置によって解決される。フィルタキャニスタ内には、取り外し可能なカバーを用いて閉じることができるキャビティが形成される。溶融物チャネルがキャビティ内に開口し、キャビティ内には複数のフィルタカートリッジが配置される。フィルタカートリッジはフィルタ基板とフィルタ格子とによってそれぞれ形成され、フィルタカートリッジはフィルタキャニスタに固定され、複数の開口部を有する壁を含み、壁は内部空間を画定し、内部空間は出口を介して収集チャネル内に開口する。フィルタ格子は、それがフィルタ基板の開口部を覆うように形成され、個々のフィルタ格子はカバーを介してフィルタ基板上に固定される。フィルタ基板の壁ならびにフィルタ格子は、有利には中空円筒の形状に形成される。溶融物チャネルは入口バルブに隣接し、入口バルブを介して入口チャネルと流体連通することができる。収集チャネルは出口バルブに隣接し、出口バルブを介して出口チャネルと流体連通することができる。装置は、入口バルブと連通する通気チャネルと、出口バルブと連通する排水チャネルとを有し、溶融物チャネルは入口バルブを介して通気チャネルに接続することができ、収集チャネルは出口バルブを介して排水チャネルに接続することができる。
【0010】
これは、フィルタ格子を交換する前に、フィルタキャニスタのキャビティをガス、特に空気によってフラッシングすることができるという利点を有する。キャビティをフラッシングすることは、フィルタ格子の交換を容易にし、したがって、交換によって洗浄されない材料が出口チャネルを介して装置から出るのを防ぐ。
【0011】
フィルタキャニスタの単一のキャビティ内に複数のフィルタ格子を構成することによって、装置のフィルタ表面が増大し、その結果として装置がより長期間にわたって動作可能であり続けるという利点が得られ、従来のフィルタ装置よりも大きいフィルタ表面を有するフィルタキャニスタは、同じサイズまたはさらに小さいサイズに構成することができる。その結果、フィルタ格子の交換の間隔はより長くなり、したがって装置をフィルタ動作に維持するための人員の投入は少なくなる。
【0012】
さらに、本発明では、フィルタキャニスタのキャビティ内に配置されたフィルタカートリッジのすべてのフィルタ格子は、カバーによってフィルタ基板上に固定される。したがって、フィルタカートリッジを交換するためには、カバーのみを取り外すだけでよく、それによってキャビティ内のフィルタ格子は自由にアクセス可能であり、当然それぞれの安全対策を遵守して、ツールを用いてまたは手動でフィルタ基板を引き出すかまたは取り外すことができる。このように、フィルタカートリッジの複数のフィルタ格子の交換時間はかなり短い。
【0013】
特に好ましい実施形態では、装置は、フィルタキャニスタを離間して取り囲む加熱カップにより非接触式に加熱することができる。このようにして、フィルタキャニスタを広い領域にわたって加熱することができるという利点が得られるが、それにもかかわらず、加熱カップを簡単に取り外すことによってフィルタカートリッジを迅速に交換することが可能になる。
【0014】
入口バルブおよび出口バルブは、回転式および/または摺動可能なバルブによって有利に形成される。このようにして、キャビティ内へのプラスチック溶融物の供給および収集チャネルからのプラスチック溶融物の排出の簡単な制御という利点が得られる。特に好ましくは、入口バルブおよび出口バルブは電子的に制御することができる。
【0015】
溶融物チャネルおよび収集チャネルは、好ましくは、フィルタキャニスタの側面の領域におけるフィルタキャニスタの少なくとも1つの壁に形成される。このようにして、フィルタキャニスタのキャビティおよびフィルタ基板の内部空間は、フィルタ動作においてプラスチック溶融物が実質的に反対方向に、すなわち逆流として流れる。これにより、装置全体をよりコンパクトに構成することができるという利点が得られる。同時に、溶融物の供給または溶融物の排出のために構成されたチャネルが容易なアクセスに対する障害物を構成しないので、濾材またはフィルタ格子へのより良好なアクセス可能性もそれぞれ提供される。
【0016】
フィルタ格子は金属、プラスチックまたはセラミック材料から有用に作られ、フィルタカートリッジは、装置のフィルタ動作において有利には実質的に36μmより大きい、好ましくは25μmより大きい、より好ましくは15μmより大きい粒子がプラスチック溶融物から濾別されるように構成される。
【0017】
最後に、本発明の装置のうちの2つはシステムに有利に組み合わされており、システムは装置の入口バルブおよび出口バルブを制御する制御ユニットを有する。このようにして、一方の装置がプラスチック溶融物を濾過するために使用されている間に、他方の装置を洗浄することができるという利点が得られる。複数のフィルタ格子の高いフィルタ表面によりフィルタカートリッジのフィルタ格子の交換間隔が互いに広く離間されることにより、また、フィルタ格子の交換時間が短いことにより、多くの人員を投入することなくシステムを継続的に洗浄することができる。そのようなシステム、特に3つ以上の装置を有するシステムでは、装置が同時に動作すること、および個々の装置を追加することによってまたは個々の装置のスイッチを切ることによってシステムの全濾過表面が変化する可能性も与えられる。結果として、全濾過表面は、汚染度および装置に供給されるプラスチック溶融物の体積流量のレベルに対して調整することができる。装置は互いに平行に有益に配向されているので、フィルタキャニスタのキャビティに側面からアクセス可能であり、したがってフィルタカートリッジの交換が容易になるという利点が得られる。
【0018】
本発明による装置のフィルタカートリッジのフィルタ格子の交換は、好ましくは、
入口バルブを入口チャネルと溶融物チャネルとを接続する位置から通気チャネルと溶融物チャネルとを接続する位置に切り替えることによって、装置内へのプラスチック溶融物の供給を停止するステップと、
出口バルブを出口チャネルと収集チャネルとを接続する位置から排水チャネルと収集チャネルとを接続する位置に切り替えるステップと、
通気チャネルを通してガスを供給することによって装置をフラッシングするステップであって、ガスは好ましくは加圧されている、ステップと、
カバーを開けて、必要に応じて、フィルタのサイズに従って成形された洗浄ツールを用いて、フィルタキャニスタにまだ残っている溶融残留物を手動で洗浄するステップと、
フィルタ格子を交換するステップと、
カバーを閉めるステップと、
入口バルブを入口チャネルと溶融物チャネルとが互いに接続される位置に切り替えるステップと、
キャビティ内にまだ存在するガスが排水チャネルを通って出ると、出口バルブを出口チャネルと収集チャネルとが互いに接続される位置に切り替えるステップと
で実行される。
【0019】
本発明による装置のさらなる有利な実施形態の変形例は、図面を用いて以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、フィルタ動作における本発明による装置の実施形態の変形例の概略断面図である。
図2図2は、図1による装置の実施形態の変形例を断面A-Aに沿って示す図である。
図3図3は、図1による装置の実施形態の変形例を断面B-Bに沿って示す図である。
図4図4は、フィルタ格子を交換するときの1つの構成における図1による装置の実施形態の変形例の概略断面図である。
図5図5は、フィルタ格子を交換するときの別の構成における図1による装置の実施形態の変形例の概略断面図である。
図6図6は、フィルタ格子を交換するときのさらに別の構成における図1による装置の実施形態の変形例の概略断面図である。
図7図7は、フィルタ格子を交換するときのさらに別の構成における図1による装置の実施形態の変形例の概略断面図である。
図8図8は、カバーが下から取り外されている、図1による装置の実施形態の変形例を示す図である。
図9図9は、図1による8つの装置を有する本発明によるシステムの一実施形態の変形例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、フィルタ動作における本発明による装置1の実施形態の変形例の概略断面図である。装置1はカップ状のフィルタキャニスタ2を含み、その中には円筒状のキャビティ3が形成され、それはカバー4によって閉じられている。キャビティ3内には6つのフィルタカートリッジ5が配置されており、これらのフィルタカートリッジ5はフィルタ基板6とフィルタ格子7とによってそれぞれ形成されている。フィルタ基板6は、フィルタキャニスタ2に固定され、円筒状の壁を有し、円筒状の壁は多孔プレート材料によって形成され、したがって複数の開口部を有する。より明確にするために、開口部は図面には示されていない。各フィルタ基板6の壁は、出口9を介してフィルタキャニスタ2の一方の壁31に形成された収集チャネル10内に開口する円筒状の内部空間8を画定する。フィルタ格子7は、厚肉の中空円筒形であり、プラスチック材料で形成されている。さらなる実施形態の変形例では、フィルタ格子7は金属、特に金属繊維織物、またはセラミック材料から作られる。カバー4は、フィルタキャニスタ2から取り外すことができ、カバー4は、図示していないいくつかのねじによってフィルタキャニスタ2にねじ止めされる。カバー4は、フィルタ格子7をフィルタ基板6上にねじ止め状態で固定し、ガスケット11は、内部空間8とキャビティ3との間の漏れを防ぐためにフィルタ基板6の各壁とカバー4との間に形成される。ガスケット11を図5に示す。加熱カップ12は、フィルタキャニスタ2を、間隔を空けて囲むように配置され、フィルタキャニスタ2を非接触で加熱するように構成されている。フィルタキャニスタ2の壁31にはさらに、溶融物チャネル20が形成されており、この溶融物チャネル20は円筒状のキャビティ3の中央に開口している。このようにして、キャビティ3内の6つのフィルタカートリッジ5のすべてが溶融物チャネル20の口24に向かって一様に配置されるという利点が得られる。
【0022】
装置1はさらに、フィルタキャニスタ2の壁31に隣接し、図示していないねじによってそれにねじ止めされている溶融物分配器ハウジング13を有する。溶融物分配器ハウジング13内には入口バルブ14と出口バルブ15とが構成されており、入口バルブ14は摺動可能なバルブであり、出口バルブ15は摺動可能なバルブである。入口バルブ14は供給チャネル32を介して溶融物チャネル20に直接接続され、出口バルブ15は排出チャネル33を介して溶融物チャネル10に直接接続されている。さらに、溶融物分配器ハウジング13内には、第1の接続要素17から入口バルブ14内に開口する入口チャネル16と、第2の接続要素19から出口バルブ15内に開口する出口チャネル18と、が構成されている。さらに、溶融物分配器ハウジング13内には、通気チャネル21と排水チャネル22とがさらに形成され、通気チャネル21は入口バルブ14内に開口し、排水チャネル22は出口バルブ15内に開口している。
【0023】
図1では、入口バルブ14および出口バルブ15は装置1のフィルタ動作に対応する位置にある。フィルタ動作では、濾過されるプラスチック溶融物が入口チャネル16を介して装置1に供給され、それによって、入口バルブ14、供給チャネル32、溶融物チャネル20、キャビティ3を経由し、フィルタ格子7およびフィルタ基板6の壁の開口部を通り、さらに収集チャネル10、排出チャネル33、出口バルブ15を経て出口チャネル18内に至るフィルタ流が形成され、プラスチック溶融物がフィルタ格子7を通過するときにプラスチック溶融物の濾過が行われる。フィルタ格子7およびフィルタ基板6の壁の開口部を通るフィルタ流は、図1では矢印23で示されている。収集チャネル10および溶融物チャネル20が壁31に形成されているので、フィルタ動作ではプラスチック溶融物がフィルタカートリッジ5の内部空間8とは実質的に反対方向にキャビティ3を流れる。結果として、装置1は逆流で動作し、したがって非常にコンパクトな方法で構成することができる。フィルタ動作中、フィルタキャニスタ2は、可能性のある低粘度のプラスチック溶融物を確実にするために、加熱カップ12によって一定温度に保たれる。
【0024】
図2は、図1による装置1の実施形態の変形例を断面A-Aに沿って示す。
【0025】
図3は、図1による装置1の実施形態の変形例を断面B-Bに沿って示す。
【0026】
図4から図7は、フィルタ格子7を交換するときの様々な構成における図1による装置1の実施形態の変形例の概略断面図である。フィルタ格子7を交換するために、まず加熱カップ12をフィルタキャニスタ2から取り外す。続いて、装置1へのプラスチック溶融物の供給、したがってフィルタ動作は、入口バルブ14を入口チャネル16と溶融物チャネル20とを接続する位置から通気チャネル21と溶融物チャネル20とを接続する位置に切り替えることによって中断される。次のステップでは、出口バルブ15を出口チャネル18と収集チャネル10とを接続する位置から排水チャネル22と収集チャネル10とを接続する位置に切り替える。図4を参照されたい。入口バルブ14および出口バルブ15の切り替えも同時に行うことができる。加圧ガス、例えば空気を、通気チャネル21を通して供給することによって、フィルタカートリッジ5のキャビティ3および内部空間8をフラッシングし、排水チャネル22からのプラスチック溶融物は、直接またはラインを介して排水チャネル22に接続されている図示していない排水容器に押し込まれる。
【0027】
その後に、カバー4をねじで外してフィルタキャニスタ2から取り外し、それにより、フィルタ格子7はもはやフィルタ基板6に固定されず、ツール26によって矢印25の方向に軸方向にフィルタ基板6から引き離され、キャビティ3から取り外すことができる。図5および図6を参照されたい。ガスケット11は、カバー4をフィルタ格子7から取り外すとすぐに取り外されるか、あるいはツール26を使用してフィルタ格子7と同時に取り外される。必要ならば、この状態でキャビティ3の洗浄工程を追加的に実行することができる。次に、新しいまたは洗浄されたフィルタ格子7がツール26によってフィルタ基板6に取り付けられる。フィルタ格子7は、ツール26によって予熱された状態でフィルタ基板6上に有利に取り付けられる。
【0028】
新しいまたは洗浄されたフィルタ格子7を取り付けると、新しいまたは洗浄されたガスケット11がフィルタ格子7またはカバー4内の図示していないそれぞれのノッチに配置され、カバー4をフィルタ基板6に配置することによって、ガスケット11およびフィルタ格子7がカバー4とフィルタ基板6との間に再び固定される。図7を参照されたい。結果として、入口バルブ14は、入口チャネル16と溶融物チャネル20とが互いに接続される位置に再び切り替えられ、キャビティ3は再びプラスチック溶融物で満たされる。濾過されたプラスチック溶融物が排水チャネル22を出るとすぐに、キャビティ3およびフィルタカートリッジ5の内部空間8をフラッシングするために使用されるガスが排出され、出口バルブ15は、出口チャネル18と収集チャネル10とが互いに接続される位置に切り替えられる。装置1は再びフィルタ動作になる。
【0029】
図8は、加熱カップ12を取り外し、カバー4を上から外した、図1による装置1の実施形態の変形例を示し、ツール26によって1つのフィルタ基板6からフィルタ格子7が既に取り外されている。
【0030】
図9は、図1による8つの装置1を有する本発明によるシステム27の実施形態の変形例の概略図である。システム27はさらに、データ交換のために8つのすべての装置1に接続されたコンピュータまたはマイクロコントローラによって形成された制御ユニット28を含む。装置1のすべての入口チャネル16は供給ライン29に接続され、装置1のすべての出口チャネル18は排出ライン30に接続されている。また、通気チャネル21および排水チャネル22はそれぞれラインを介して互いに連結されており、ラインは、より明確にするために図9には示していない。制御ユニット28は装置1の入口バルブ14および出口バルブ15の機能を制御し、システム27の動作においてこれらを有利に完全に自動的に制御する。制御ユニット28によって制御される個々の装置1は、追加されてもよく、またはスイッチを切られてもよい。これは、個々の装置1を洗浄するため、またはシステム27の全濾過面をプラスチック溶融物の体積流量および汚染レベルに調整するために実現される。明確にするために、個々の装置1の加熱カップ12も図9には示していない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9