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特許6995881太陽光パネル清掃ロボットの辺縁測位装置及びその測位方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】太陽光パネル清掃ロボットの辺縁測位装置及びその測位方法
(51)【国際特許分類】
   H02S 40/10 20140101AFI20220107BHJP
   B08B 13/00 20060101ALI20220107BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20220107BHJP
【FI】
H02S40/10
B08B13/00
G05D1/02 J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019558440
(86)(22)【出願日】2018-04-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 CN2018081991
(87)【国際公開番号】W WO2019076005
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2019-10-25
(31)【優先権主張番号】201710981171.0
(32)【優先日】2017-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518015815
【氏名又は名称】蘇州瑞得恩光能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU RADIANT PHOTOVOLTAIC TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】No. 636, Zixu Road, Xukou Township, Wuzhong Dist. Suzhou, Jiangsu 215101 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】特許業務法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】汪 志祥
(72)【発明者】
【氏名】徐 建栄
(72)【発明者】
【氏名】徐 斐
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-013281(JP,A)
【文献】特開2014-194729(JP,A)
【文献】特開2016-051343(JP,A)
【文献】特開2015-80779(JP,A)
【文献】特開2015-138873(JP,A)
【文献】特開2015-138854(JP,A)
【文献】特開2010-282393(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
H02S 40/10
B08B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光パネル清掃ロボットの辺縁測位装置であって、
前記太陽光パネル清掃ロボットは、少なくとも一つの太陽光パネル上を走行又は停止する車体を含み、前記太陽光パネルは、長方形をなし、その辺縁に四本のフレームラインが設けられ、その内側に互いに直交する縦線及び横線が設けられ、前記フレームラインの幅は、その内側における前記縦線及び前記横線の幅よりも大きく、
前記辺縁測位装置は、画像取得ユニット及び画像識別処理ユニットを含み、
前記画像取得ユニットは、前記車体に設けられるユニットであって、前記車体の走行経路における太陽光パネルの表面画像情報を取得し、前記表面画像情報を前記画像識別処理ユニットに送信し、
前記太陽光パネルの表面画像情報は、太陽光パネルにおける縦線、横線又はフレームライン幅データを含み、
前記画像識別処理ユニットは、前記画像取得ユニットから送信された画像を受信した後、前記画像を白黒二色画像に変換し、
前記画像におけるライン図形は、白色であり、
前記画像識別処理ユニットは、変換した前記画像における連続の白色ラインの幅データと前記ライン幅データに対応したフレームライン幅データとを比較し、取得した白色ラインの幅データが前記ライン幅データに対応したフレームライン幅データと同一である場合、受信した前記画像にフレームラインが存在すると認定し、前記車体が太陽光パネルの辺縁領域を走行していると判定する、辺縁測位装置。
【請求項2】
太陽光パネル清掃ロボットの辺縁測位装置であって、
前記太陽光パネル清掃ロボットは、少なくとも一つの太陽光パネル上を走行又は停止する車体を含み、前記太陽光パネルは、長方形をなし、その辺縁に四本のフレームラインが設けられ、その内側に互いに直交する縦線及び横線が設けられ、前記フレームラインの幅は、その内側における前記縦線及び前記横線の幅よりも大きく、
前記辺縁測位装置は、画像取得ユニット及び画像識別処理ユニットを含み、
前記画像取得ユニットは、前記車体に設けられるユニットであって、前記車体の走行経路における太陽光パネルの表面画像情報を取得し、前記表面画像情報を前記画像識別処理ユニットに送信し、
前記太陽光パネルの表面画像情報は、太陽光パネルにおける縦線、横線又はフレームライン幅データを含み、
前記画像識別処理ユニットは、取得した前記ライン幅データと前記ライン幅データに対応したフレームライン幅データとを比較し、取得した前記ライン幅データが前記ライン幅データに対応したフレームライン幅データ以上である場合、前記画像にフレームラインが存在すると認定し、前記車体が太陽光パネルの辺縁領域を走行していると判定し、
前記画像識別処理ユニットは、前記車体が太陽光パネルの辺縁領域を走行していると判定した後、取得された前記太陽光パネル表面画像の側辺境界から識別した前記フレームラインまでの距離データを算出し、算出した前記距離データと前記画像識別処理ユニットの前記距離データに対応した距離閾値とを比較し、算出した前記距離データが前記画像識別処理ユニットの前記距離データに対応した距離閾値よりも大きい場合、算出した前記距離データが前記距離データに対応した前記距離閾値と同一となるまで、前記車体が移動するように指令を出力し、算出した距離データが前記距離データに対応した前記距離閾値よりも小さい場合、算出した前記距離データが前記距離データに対応した前記距離閾値と同一となるまで、前記車体が移動するように指令を出力する、辺縁測位装置。
【請求項3】
前記車体には、前記画像取得ユニットに光線照明を供給する照明ユニットがさらに設けられる、請求項1又は2に記載の辺縁測位装置。
【請求項4】
前記車体は、筐体を含み、
前記車体の両側には、走行装置が設けられ、
前記筐体は、前記走行装置を覆うように設けられ、
前記画像取得ユニットが取得した画像は、前記筐体と前記走行装置との間に位置する前記太陽光パネルの表面位置画像を含む、請求項1又は2に記載の辺縁測位装置。
【請求項5】
前記画像取得ユニットは、前記走行装置と前記筐体との間の位置に設けられる、請求項に記載の辺縁測位装置。
【請求項6】
前記画像取得ユニットは、レンズを地面に向ける方向で設けられる撮像装置を含む、請求項1又は2に記載の辺縁測位装置。
【請求項7】
太陽光パネル清掃ロボットの辺縁測位方法であって、前記清掃ロボットが位置する太陽光パネルは、長方形をなし、その辺縁に四本のフレームラインが設けられ、その内側に互いに直交する縦線及び横線が設けられ、前記フレームラインの幅は、その内側における前記縦線及び前記横線の幅よりも大きく、
前記辺縁測位方法は、パネル画像取得ステップ及び画像解析ステップを含み、
前記パネル画像取得ステップでは、前記清掃ロボットの車体の走行経路における太陽光パネルの表面画像情報を取得し、前記表面画像情報を前記清掃ロボットの画像識別処理ユニットに送信し、
前記太陽光パネルの表面画像情報は、太陽光パネルにおける縦線、横線又はフレームライン幅データを含み、
前記画像識別処理ユニットは、前記画像取得ステップにおいて送信された画像を受信した後、前記画像を白黒二色画像に変換し、
前記画像におけるライン図形は、白色であり、
前記画像識別処理ユニットは、変換した前記画像における連続の白色ラインの幅データと前記ライン幅データに対応したフレームライン幅データとを比較し、取得した白色ラインの幅データが前記ライン幅データに対応したフレームライン幅データと同一である場合、受信した前記画像にフレームラインが存在すると認定し、前記車体が太陽光パネルの辺縁領域を走行していると判定する、辺縁測位方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃ロボット分野に関し、特に太陽光パネル清掃ロボットの辺縁測位装置及びその測位方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化石燃料の減少が日々続くと、新たな再生可能エネルギーとしての太陽エネルギーは、人間が使用するエネルギーの重要な一部になっていた。過去10年間、太陽エネルギー応用技術は、世界の各国で急速に発展してきた。太陽光パネルは、半導体材料に光を照射させて発生する光起電力効果(photovoltaic)により、太陽エネルギーを直接に電気エネルギーに変換する機器である。太陽光パネルは、太陽光がある場所で発電することができるので、大規模な発電所から小型の携帯用充電器までのさまざまな場合に適しているため、近年、急速に発展している。
【0003】
太陽光パネルの作業環境は、屋外に限られる。太陽光パネルの動作に影響を与える最大の問題は、風雨雷ではなく、長年蓄積してきた粉塵である。太陽光パネルに付着した粉塵又はその他の付着物は、パネルの透過率に影響し、光電効率を妨げるため、パネルが太陽光を直接に取得する効率に深刻な影響を与え、パネルのエネルギー吸収及び変換効率を低下させ、発電効率を低下させる。先行技術の太陽光パネルの使用中において、清掃作業を手作業のみで定期的に行うことができる。太陽光パネルの面積が大きく、また大型発電所では同時により多くのパネルが使用されるため、粉塵が繰り返して蓄積され、繰り返して清掃する必要がある。これにより、人件費が高く、清掃効率が低く、清掃効果が低い。多くの場合、空間利用率を高めるために、太陽光パネルは、ブラケットによって高い場所に配置されるため、清掃作業により大きな困難性及びリスクをもたらすことになる。多くの太陽光パネルユーザは、清掃コストを削減するために、清掃しないことを選択し、粉塵による電力損失を受けるしかない。よって、太陽光パネルを自動的に清掃できる新たな自動清掃装置が必要とされている。
【0004】
これに対し、業界では、太陽光パネルを清掃するための新型清掃ロボットが開発されている。詳細には、中国特許出願第201610836028.8号に開示されている関連内容が参照されたい。しかしながら、このような清掃ロボットが実際使用され続けるうちに、業界では、直面する様々な問題を解決するため、新しい機能の研究開発を行う必要がある。
【0005】
例えば、太陽光パネルには、辺縁位置が存在するため、前記清掃ロボットが清掃のために辺縁位置にあるとき、清掃ロボットは、自身が太陽光パネルの辺縁位置にあることを適時に発見できないと、経路計画の問題により予期しない落下を引き起こすおそれがある。さらに、太陽光パネルは、通常高い場所に配置されているため、前記清掃ロボットが落下すると、機体に損傷を与え、一定の経済的損失を引き起こすおそれがある。
【0006】
そこで、先行技術の欠陥を克服するため、新型の太陽光パネル清掃ロボットの辺縁測位装置を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的の一つは、従来の清掃ロボットを太陽光パネルの辺縁で適時に測位することができないという問題が解決されるように、太陽光パネル清掃ロボットの辺縁測位装置を提供することにある。
【0008】
上記の問題を解決するため、本発明では、太陽光パネル清掃ロボットの辺縁測位装置であって、前記太陽光パネル清掃ロボットは、少なくとも一つの太陽光パネル上を走行又は停止する車体を含み、前記太陽光パネルは、長方形をなし、その辺縁に四本のフレームラインが設けられ、その内側に互いに直交する縦線及び横線が設けられ、前記フレームラインの幅は、その内側における前記縦線及び前記横線の幅よりも大きく、前記辺縁測位装置は、画像取得ユニット及び画像識別処理ユニットを含み、前記画像取得ユニットは、前記車体に設けられるユニットであって、前記車体の走行経路における太陽光パネルの表面画像情報を取得し、前記表面画像情報を前記画像識別処理ユニットに送信し、前記太陽光パネルの表面画像情報は、太陽光パネルにおける縦線、横線又はフレームライン幅データを含み、前記画像識別処理ユニットは、前記画像取得ユニットから送信された画像を受信した後、前記画像を白黒二色画像に変換し、前記画像におけるライン図形は、白色であり、前記画像識別処理ユニットは、変換した前記画像における連続の白色ラインの幅データと前記ライン幅データに対応したフレームライン幅データとを比較し、取得した白色ラインの幅データが前記ライン幅データに対応したフレームライン幅データと同一である場合、受信した前記画像にフレームラインが存在すると認定し、前記車体が太陽光パネルの辺縁領域を走行していると判定する。
【0009】
また、他の実施形態では、太陽光パネル清掃ロボットの辺縁測位装置であって、前記太陽光パネル清掃ロボットは、少なくとも一つの太陽光パネル上を走行又は停止する車体を含み、前記太陽光パネルは、長方形をなし、その辺縁に四本のフレームラインが設けられ、その内側に互いに直交する縦線及び横線が設けられ、前記フレームラインの幅は、その内側における前記縦線及び前記横線の幅よりも大きく、前記辺縁測位装置は、画像取得ユニット及び画像識別処理ユニットを含み、前記画像取得ユニットは、前記車体に設けられるユニットであって、前記車体の走行経路における太陽光パネルの表面画像情報を取得し、前記表面画像情報を前記画像識別処理ユニットに送信し、前記太陽光パネルの表面画像情報は、太陽光パネルにおける縦線、横線又はフレームライン幅データを含み、前記画像識別処理ユニットは、取得した前記ライン幅データと前記ライン幅データに対応したフレームライン幅データとを比較し、取得した前記ライン幅データが前記ライン幅データに対応したフレームライン幅データ以上である場合、前記画像にフレームラインが存在すると認定し、前記車体が太陽光パネルの辺縁領域を走行していると判定し、前記画像識別処理ユニットは、前記車体が太陽光パネルの辺縁領域を走行していると判定した後、取得された前記太陽光パネル表面画像の側辺境界から識別した前記フレームラインまでの距離データを算出し、算出した前記距離データと前記画像識別処理ユニットの前記距離データに対応した距離閾値とを比較し、算出した前記距離データが前記画像識別処理ユニットの前記距離データに対応した距離閾値よりも大きい場合、算出した前記距離データが前記距離データに対応した前記距離閾値と同一となるまで、前記車体が移動するように指令を出力し、算出した距離データが前記距離データに対応した前記距離閾値よりも小さい場合、算出した前記距離データが前記距離データに対応した前記距離閾値と同一となるまで、前記車体が移動するように指令を出力する
【0010】
さらに、他の実施形態では、前記車体には、前記画像取得ユニットに光線照明を供給する照明ユニットがさらに設けられる。
【0011】
さらに、他の実施形態では、前記車体は、筐体を含み、前記車体の両側には、走行装置が設けられ、前記筐体は、前記走行装置を覆うように設けられ、前記画像取得ユニットが取得した画像は、前記筐体と前記走行装置との間に位置する前記太陽光パネルの表面位置画像を含む。
【0012】
さらに、他の実施形態では、前記画像取得ユニットは、前記走行装置と前記筐体との間の位置に設けられる。
【0013】
さらに、他の実施形態では、前記画像取得ユニットは、レンズを地面に向ける方向で設けられる撮像装置を含む。
【0014】
さらに、本発明の別の実施形態では、太陽光パネル清掃ロボットの辺縁測位方法であって、前記清掃ロボットが位置する太陽光パネルは、長方形をなし、その辺縁に四本のフレームラインが設けられ、その内側に互いに直交する縦線及び横線が設けられ、前記フレームラインの幅は、その内側における前記縦線及び前記横線の幅よりも大きく、前記辺縁測位方法は、パネル画像取得ステップ及び画像解析ステップを含み、前記パネル画像取得ステップでは、前記清掃ロボットの車体の走行経路における太陽光パネルの表面画像情報を取得し、前記表面画像情報を前記清掃ロボットの画像識別処理ユニットに送信し、前記太陽光パネルの表面画像情報は、太陽光パネルにおける縦線、横線又はフレームライン幅データを含み、前記画像識別処理ユニットは、前記画像取得ステップにおいて送信された画像を受信した後、前記画像を白黒二色画像に変換し、前記画像におけるライン図形は、白色であり、前記画像識別処理ユニットは、変換した前記画像における連続の白色ラインの幅データと前記ライン幅データに対応したフレームライン幅データとを比較し、取得した白色ラインの幅データが前記ライン幅データに対応したフレームライン幅データと同一である場合、受信した前記画像にフレームラインが存在すると認定し、前記車体が太陽光パネルの辺縁領域を走行していると判定する。
【0030】
本発明によれば、取得した画像情報から識別したラインの幅、面積又は長さデータと、内部にあらかじめ設定されたフレームラインデータ又は距離閾値データ又は長さ閾値データとを比較し、比較結果に基づいて前記清掃ロボットが太陽光パネルの辺縁位置にあるか否かを決定することで、前記清掃ロボットが太陽光パネルから落下するリスクを効果的に低減し、不必要な物的損害を回避することができる太陽光パネル清掃ロボットの辺縁測位装置及びその測位方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1は、本発明の実施例に係る清掃ロボットの構造を示す概略図であり、図に示す車体の側部はその筐体部分を図示していない。
図2は、別の角度からみた図1に示す清掃ロボットの構造を示す概略図である。
図3は、図1に示す清掃ロボットが太陽光パネルに位置することを示す概略図である。
図4は、本発明の別の実施例に係る清掃ロボットであって、太陽光パネルに位置する清掃ロボットの構造を示す概略図であり、図に示す車体の側部はその筐体部分を図示していない。
【0032】
図中の要素の符号は、以下のように示される。
100:太陽光パネル清掃ロボット、200:太陽光パネル、210:フレームライン、211:縦線、212:横線、10:車体、11:筐体、12:走行装置、13:画像取得ユニット、14:照明ユニット、15:赤外線照射ユニット
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明を実施できることを実証するために、以下、図面を参照して本発明に係る好適実施例について説明する。前記実施例によれば、本発明を当業者に完全に紹介することができ、技術内容をより明確かつ理解しやすくすることができる。本発明は、多くの他の実施例で実施することができ、本発明の保護範囲は、本明細書に開示された実施例に限定されるものではない。
【0034】
図面において、同じ構造を有する要素は、同じ数字で示され、構造的又は機能的に類似する要素は類似の数字で示される。図面に示される各要素のサイズ及び厚さは、任意に示されており、本発明は、各要素のサイズ及び厚さを制限するものではない。図をより明確にするため、図面の一部では、要素の厚さを適切に拡大している。
【0035】
「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」、「側面」等の本発明に言及される方向を表する用語は、図面における方向のみであり、本発明を解釈及び説明するために使用され、本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0036】
ある部材が他の要素の「上に」あると記述される場合、前記要素は他の要素の上に直接に配置されてもよく、また中間要素を介して、前記要素は前記中間要素の上に配置され、さらに前記中間要素が他の要素の上に配置されてもよい。要素が他の要素に「取り付け」又は「接続」される場合、両者は、直接に「取り付け」又は「接続」され、又は一つの要素が中間要素を通じて、異なる要素と間接的に「取り付け」又は「接続」されるように理解してもよい。
【0037】
本発明によれば、太陽光パネル清掃ロボット100の辺縁測位装置が提供される。前記太陽光パネル清掃ロボット100は、少なくとも一つの太陽光パネル200上を走行又は停止する車体10を含む。前記太陽光パネル200は、長方形をなし、その辺縁に四本のフレームラインが設けられ、その内側に互いに直交する縦線及び横線が設けられ、前記フレームラインの幅は、その内側における前記縦線及び前記横線の幅よりも大きい。前記辺縁測位装置は、画像取得ユニット13及び画像識別処理ユニットを含む。前記画像取得ユニット13は、前記車体10に設けられ、前記車体10の走行経路における太陽光パネル200の表面画像情報を取得し、前記表面画像情報を前記画像識別処理ユニットに送信するためのものである。前記画像識別処理ユニットは、前記太陽光パネルの表面画像情報を受信した後、前記表面画像情報における目標ライン情報を取得し、取得した前記目標ライン情報とあらかじめ設定されたデータとを比較し、両者の比較結果に基づいて前記車体が太陽光パネルの辺縁領域を走行しているか否かを判定する。
【0038】
さらに、取得した前記太陽光パネルの表面画像情報における目標ラインについては、異なる種類があってもよい。この場合、本発明は、これらの異なる種類のラインに基づいて、異なる技術手段を提供する。
【0039】
具体的には、前記太陽光パネルの表面画像における目標ラインは、例えばフレームライン210ライン等の太陽光パネル200における固有のライン情報であってもよい。前記フレームライン210の幅は、縦線211及び横線212よりも大きい。同時に、フレームライン210が存在することは、清掃ロボット100が既に太陽光パネルの辺縁領域に位置していることを意味するので、前記フレームライン210のライン情報を取得することにより、前記車体10が太陽光パネル200の辺縁領域に位置しているか否かを判定することができる。
【0040】
又は、外部から前記太陽光パネル200に投射されたラインの長さの変化により、前記車体10が太陽光パネル200の辺縁領域を走行しているか否かを判定してもよい。具体的には、前記車体10が太陽光パネル200上を正常に走行しているとき、外部から太陽光パネル200に照射された光線の長さは一定であるので、前記画像取得ユニット13が取得した前記太陽光パネルの表面画像情報に含まれる前記照射光線の長さも一定である。一方、前記車体10が太陽光パネル200の辺縁部を走行しているとき、前記外部照射光線は、前記車体10が太陽光パネル200の辺縁領域に位置しているため、照射光線の一部が太陽光パネル200から外れる可能性がある。それに応じて、前記画像取得ユニットが取得した前記太陽光パネルの表面画像情報に含まれる前記照射光線の長さもその分収縮する。このように、前記車体10が太陽光パネル200の辺縁領域に位置しているか否かを判定することができる。
【0041】
さらに、以下、添付の図面及び具体的な実施例を参照しながら、太陽光パネルの表面画像情報に含まれる異なるライン情報を取得することにより、太陽光パネルの辺縁領域を走行しているという同じ判定結果を実現する上記二つの方法に採用される具体的な技術手段についてさらに詳しく説明する。図1から図3を参照しながら実施例1について説明し、図4を参照しながら実施例2について説明する。
【実施例1】
【0042】
図1図2及び図3に示すように、本実施例によれば、太陽光パネル清掃ロボット100の辺縁測位装置が提供される。前記太陽光パネル清掃ロボット100は、少なくとも一つの太陽光パネル200上を走行又は停止する車体10を含む。
【0043】
前記太陽光パネル200は、長方形をなし、その辺縁に四本のフレームライン210が設けられ、その内側に互いに直交する縦線211及び横線212が設けられ、前記フレームライン210の幅は、その内側における前記縦線211及び前記横線212の幅よりも大きい。
【0044】
前記辺縁測位装置は、画像取得ユニット13及び画像識別処理ユニットを含み、前記画像取得ユニット13は、前記車体10に設けられ、前記車体10の走行経路における太陽光パネル200の表面画像情報を取得し、取得した前記画像を前記画像識別処理ユニットに送信するためのものである。前記画像情報は、太陽光パネルにおける前記縦線211、横線212又はフレームライン210のライン情報を含む。
【0045】
さらに、前記画像取得ユニット13は、画像を取得する前に、有効な四点撮像座標を設定しておき、画像情報を前記四点撮像座標により取得する。前記画像取得ユニット13は、撮像装置であってもよいが、これに限定されない。一の実施形態では、前記撮像装置のレンズは、地面に向ける方向で設けられるが、これに限定されない。他の実施形態では、前記撮像装置のレンズは、一定の角度で傾斜して設けられてもよい。詳細は必要に応じて決定されるが、制限されない。
【0046】
前記画像識別処理ユニットは、前記車体10に設けられることが好ましいが、これに限定されない。前記画像識別処理ユニットは、前記太陽光パネルの表面画像情報を受信した後、前記表面画像情報における前記ライン情報を取得し、取得した前記ライン情報とあらかじめ設定されたフレームラインデータとを比較する。取得した前記ライン情報があらかじめ設定された前記フレームラインデータ以上である場合、前記画像にフレームラインが存在すると認定し、前記車体10が太陽光パネル200の辺縁領域を走行していると判定する。
【0047】
さらに、他の実施形態では、取得した前記ライン情報は、ライン幅データ及びライン面積データのうちの少なくとも一つを含み、あらかじめ設定された前記フレームラインデータは、前記ライン情報に対応してフレームライン幅データ及びフレームライン面積データのうちの少なくとも一つを含む。
【0048】
さらに、前記画像識別処理ユニットは、前記画像取得ユニット13から送信された画像を受信した後、前記画像を白黒二色画像に変換し、前記画像におけるライン図形は、白色である。使用に係る白黒画像変換方法は、二値法を含むが、これに限定されない。
【0049】
さらに、他の実施形態では、前記画像識別処理ユニットは、変換した前記画像における連続の白色ラインの幅データ又は面積データとあらかじめ設定された前記フレームラインデータの幅データ又は面積データとを比較する。取得した白色ラインの幅データがあらかじめ設定された前記フレームラインデータの幅データと同一である場合、又は、白色ラインの面積データがあらかじめ設定された前記フレームラインデータの面積データ以上である場合、受信した前記画像にフレームラインが存在すると認定し、前記車体が太陽光パネルの辺縁領域を走行していると判定する。
【0050】
例えば、あらかじめ設定された前記フレームラインの幅データを25、面積データを25×75とする場合、これに基づいて、取得した白色ラインの関連データとこの二つのデータのうちの一つ又は二つとを比較し、比較結果に基づいて前記フレームラインの判定を行う。上記数値は単なる例示であり、何ら制限でもない。
【0051】
さらに、他の実施形態では、前記画像識別処理ユニットは、前記車体10が太陽光パネル200の辺縁領域を走行していると判定した後、取得された前記太陽光パネル表面画像の側辺境界から識別した前記フレームラインまでの距離データを算出する。そして、前記画像識別処理ユニットは、算出した前記距離データと前記画像識別処理ユニットの内部にあらかじめ設定された距離閾値とを比較する。算出した前記距離データが前記画像識別処理ユニットの内部にあらかじめ設定された距離閾値よりも大きい場合、算出した前記距離データが前記距離閾値と同一となるまで、前記車体10が走行経路の外側に移動するように指令を出力する。一方、算出した距離データがあらかじめ設定された前記距離閾値よりも小さい場合、算出した前記距離データが前記距離閾値と同一となるまで、前記車体10が走行経路の内側に移動するように指令を出力する。
【0052】
さらに、他の実施形態では、前記フレームライン210は、一定の幅を有するため、取得された前記画像の側辺から前記フレームライン210までの距離閾値を設定する方法には、複数種類があってもよい。例えば、一つの方法として、前記距離閾値は、取得された前記画像の側辺から前記フレームライン210の最も近い側辺までの距離によって決定されてもよい。又は、前記距離閾値は、取得された前記画像の側辺から前記フレームライン210の中央線までの距離によって決定されてもよい。又は、前記距離閾値は、取得された前記画像の側辺から前記フレームライン210の最も遠い側辺までの距離によって決定されてもよい。
【0053】
さらに、好適実施形態では、前記車体10は、筐体11を含む。前記車体10の両側には、走行装置12が設けられる。前記筐体11は、前記走行装置12を覆うように設けられる。前記画像取得ユニット13が取得した画像は、前記筐体11と前記走行装置12との間に位置する前記太陽光パネルの表面位置画像を含む。換言すれば、前記画像取得ユニット13は、前記走行装置12と筐体11との間の位置に設けられる。
【0054】
さらに、前記画像取得ユニット13が取得した画像情報の解像度を確保するために、前記車体10には、前記画像取得ユニット13に光線照明を供給する照明ユニット14が設けられてもよい。具体的には、前記照明ユニット14は、LEDライトの形態として前記画像取得ユニット13の後方に設けられてもよいが、これに限定されない。
【実施例2】
【0055】
図4に示すように、本実施形態よれば、太陽光パネル清掃ロボット100の辺縁測位装置が提供される。前記太陽光パネル清掃ロボット100は、少なくとも一つの太陽光パネル200上を走行又は停止する車体10を含む。
【0056】
前記辺縁測位装置は、赤外線照射ユニット15、画像取得ユニット13及び画像識別処理ユニットを含む、前記赤外線照射ユニット15から発せられた赤外線Aは、前記車体10の走行経路における太陽光パネル200に照射され一定の長さを有する。前記画像取得ユニット13は、前記車体10の走行経路における太陽光パネル200の表面画像を取得し、前記表面画像を前記辺縁測位装置の前記画像識別処理ユニットに送信するためのものである。前記赤外線照射ユニット15が前記太陽光パネル200の表面に照射した赤外線は、前記画像取得ユニット13が取得した前記太陽光パネル200の表面画像に出現する。
【0057】
前記画像取得ユニット13は、撮像装置であってもよいが、これに限定されない。一の実施形態では、前記撮像装置のレンズは、地面に向ける方向で設けられるが、これに限定されない。他の実施形態では、前記撮像装置のレンズは、一定の角度で傾斜して設けられてもよい。詳細については必要に応じて決定すればよく、制限されない。
【0058】
前記画像識別処理ユニットは、前記車体10に設けられることが好ましいが、これに限定されない。前記画像識別処理ユニットは、前記太陽光パネルの表面画像情報を受信した後、前記表面画像情報における前記赤外線の長さデータを取得し、前記赤外線の長さデータとあらかじめ設定・記憶された長さ閾値データとを比較する。前記赤外線の長さデータがあらかじめ設定された前記長さ閾値データよりも小さい場合、前記車体10が太陽光パネル200の辺縁領域を走行していると認定する。
【0059】
さらに、前記画像識別処理ユニットは、受信した画像情報における赤外線の長さがあらかじめ設定された前記長さ閾値データよりも大きいことを発見した場合、太陽光パネル200の対向する辺縁の位置に対する清掃漏れがないように、検出した赤外線の長さが前記長さ閾値データと同一となるまで、前記車体10が走行経路の外側に移動するように指令を出力する。検出した赤外線の長さがあらかじめ設定された前記長さ閾値データよりも小さい場合、太陽光パネル200の辺縁から落下しないように、検出した赤外線の長さが前記長さ閾値データと同一となるまで、前記車体10が走行経路の内側に移動するように指令を出力する。
【0060】
さらに、好適実施形態では、前記車体10は、筐体11を含む。前記車体10の両側には、走行装置12が設けられる。前記筐体11は、前記走行装置12を覆うように設けられる。前記画像取得ユニット13が取得した画像は、前記筐体11と前記走行装置12との間に位置する前記太陽光パネルの表面位置画像を含む。又は、前記画像取得ユニット13は、前記走行装置12と筐体11との間の位置に設けられてもよい。前記赤外線照射ユニット15は、前記画像取得ユニット13の後方に設けられ、一定の角度で前方に傾斜して赤外線を照射してもよい。
【0061】
さらに、前記画像取得ユニット13が取得した画像情報の解像度を確保するために、前記車体10には、前記画像取得ユニット13に光線照明を供給する照明ユニット14が設けられてもよい。具体的には、前記照明ユニット14は、LEDライトの形態で前記画像取得ユニット13の後方に設けられてもよいが、これに限定されない。
【0062】
さらに、本発明の別の実施形態によれば、パネル画像取得ステップ及び画像解析ステップを含む太陽光パネル清掃ロボット100の辺縁測位方法が提供される。前記清掃ロボット100が位置する太陽光パネル200は、長方形をなし、その辺縁に四本のフレームラインが設けられ、その内側に互いに直交する縦線及び横線が設けられ、前記フレームラインの幅は、その内側における前記縦線及び前記横線の幅よりも大きい。前記画像取得ステップでは、前記清掃ロボットの車体の走行経路における太陽光パネルの表面画像情報を取得し、前記表面画像情報を前記清掃ロボットの画像識別処理ユニットに送信する。前記画像解析ステップでは、前記画像識別処理ユニットは、前記太陽光パネルの表面画像情報を受信した後、前記表面画像情報における目標ライン情報を取得し、目標ライン情報とあらかじめ設定されたデータとを比較し、両者の比較結果に基づいて前記車体10が太陽光パネル200の辺縁領域を走行しているか否かを判定する。
【0063】
さらに、他の実施形態では、取得した前記太陽光パネル200の表面画像情報は、前記太陽光パネル200における縦線211、横線212又はフレームライン210のライン情報を含む。取得した前記目標ライン情報は、前記画像情報におけるライン情報である。取得した前記目標ライン情報とあらかじめ設定されたフレームラインデータとを比較する。取得した前記目標ライン情報があらかじめ設定された前記フレームラインデータ以上である場合、前記画像にフレームラインが存在すると認定し、前記車体10が太陽光パネル200の辺縁領域を走行していると判定する。
【0064】
さらに、他の実施形態では、取得した前記目標ライン情報は、ライン幅データ及びライン面積データのうちの少なくとも一つを含む。あらかじめ設定された前記フレームラインデータは、前記目標ライン情報に対応してフレームライン幅データ及びフレームライン面積データのうちの少なくとも一つを含む。
【0065】
さらに、他の実施形態では、取得した前記太陽光パネルの表面画像情報は、前記太陽光パネルに照射された一本の照射光線を含む。前記目標ラインは前記照射光線である。前記照射光線の長さデータを抽出し、前記照射光線の長さデータと記憶されあらかじめ設定された長さ閾値データとを比較する。前記照射光線の長さデータがあらかじめ設定された前記長さ閾値データよりも小さい場合、前記車体10が前記太陽光パネル200の辺縁領域を走行していると認定する。前記照射光線は、赤外線照射光線であることが好ましいが、これに限定されない。
【0066】
さらに、他の実施形態では、前記画像識別処理ユニットは、受信した表面画像における照射光線の長さデータがあらかじめ設定された前記長さ閾値データよりも大きいことを発見した場合、検出した照射光線の長さデータが前記長さ閾値データと同一となるまで、前記車体が走行経路の外側に移動するように指令を出力する。検出した照射光線の長さデータがあらかじめ設定された前記長さ閾値データよりも小さい場合、検出した前記照射光線の長さデータが前記長さ閾値データと同一となるまで、前記車体が走行経路の内側に移動するように指令を出力する。
【0067】
本発明によれば、太陽光パネル清掃ロボットの辺縁測位装置及びその測位方法が提供される。取得した画像情報から識別したラインの幅、面積又は長さデータと、内部にあらかじめ設定されたフレームラインデータ又は距離閾値データ又は長さ閾値データとを比較し、比較結果に基づいて前記清掃ロボットが太陽光パネルの辺縁位置にあるか否かを決定することで、前記清掃ロボットが太陽光パネルから落下するリスクを効果的に低減し、不必要な物的損害を回避することができる。
【0068】
以上の通り、本発明の当業者は、本発明の技術案と技術構想に基づいて各種の変更及び変形を加えることができる。これらの変更及び変形は、いずれも本発明に特許請求の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4