(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】スライドレールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A47B 88/49 20170101AFI20220107BHJP
A47B 88/443 20170101ALI20220107BHJP
A47B 88/57 20170101ALI20220107BHJP
【FI】
A47B88/49
A47B88/443
A47B88/57
(21)【出願番号】P 2020078061
(22)【出願日】2020-04-27
【審査請求日】2020-04-27
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】翁 子承
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0001864(US,A1)
【文献】特開2017-127625(JP,A)
【文献】特開2016-198474(JP,A)
【文献】登録実用新案第3201270(JP,U)
【文献】特開2018-042993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00-88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のレールと、
前記第1のレールに対して可動な第2のレールと、
前記第2のレールに対して可動な第3のレールであって、該第3のレールは駆動構造及び前側接触部を備える、第3のレールと、
第1の状態及び第2の状態のうちの一方になるように前記第2のレールに対して可動なスイッチ部材と、
前記第1のレールに配置される後ろ側ベースであって、該後ろ側ベースは第1のベース部及び第2のベース部を含む、後ろ側ベースと、
前記第2のレールに配置される後ろ側係合機構であって、該後ろ側係合機構は前記第2のレールに対して直線方向に沿って直線的に動かすことができる係合部材を含む、後ろ側係合機構と、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して所定の位置に位置している場合、前記後ろ側係合機構の係合部材は、前記第2のレールが該所定の位置から伸長方向に沿って動くのを防止するために前記後ろ側ベースの第1のベース部によってブロックされ、
前記第2のレールが前記所定の位置に位置している場合、前記後ろ側係合機構の係合部材は、前記第2のレールが前記所定の位置から引っ込め方向に沿って動くのを防止するために前記後ろ側ベースの第2のベース部によってブロックさ
れ、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して第1の伸長位置に位置する場合、前記スイッチ部材は前記第1の状態から前記第2の状態に切り替わるように動作可能であり、
前記第3のレールが前記引っ込め方向に沿って動かされた場合、前記第3のレールの駆動構造は、前記第3のレールが前記第2のレールを駆動して、前記第2のレールを前記所定の位置へと前記引っ込め方向に沿って動かすことができるように前記第2の状態にある前記スイッチ部材と接触するように構成され、
前記第3のレールが前記所定の位置にある前記第2のレールに対して前記伸長方向に沿って所定の伸長距離動かされた場合、前記第3のレールは前記前側接触部を介して前記スイッチ部材を駆動して前記第2の状態から前記第1の状態に切り替えるように構成されている、スライドレールアセンブリ。
【請求項2】
前記後ろ側係合機構は前記係合部材に弾性力を提供するように構成された弾性部材をさらに含み、
前記第2のレールが前記所定の位置に位置する場合、前記係合部材は、前記弾性部材の弾性力に対応して前記後ろ側ベー
スの第1のベース部と第2のベース部との間でブロックされるように動かされ、
前記直線方向は前記第2のレールの長手方向と実質的に垂直であり、
前記スライドレールアセンブリは前記第1のレールに配置される前側ベースをさらに含み、該前側ベースはブロック部を含み、
前記スライドレールアセンブリは前記第2のレールに配置される前側係合機構をさらに含み、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して第1の伸長位置に位置する場合、前記前側係合機構は、前記第2のレールが前記第1の伸長位置から前記引っ込め方向に沿って動くのを防止するために前記前側ベースのブロック部に隣接して位置する、請求項1に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項3】
第1のレールと、
前記第1のレールに対して可動な第2のレールと、
前記第2のレールに対して可動な第3のレールと、
第1の状態及び第2の状態のうちの一方になるように前記第2のレールに対して直線的に動かすことが可能なスイッチ部材と、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して所定の位置に位置する場合、前記第3のレールは、前記第3のレールが前記所定の位置にある前記第2のレールに対して伸長方向に沿って所定の伸長距離動かされる間に前記スイッチ部材を駆動して前記スイッチ部材を前記第2の状態から前記第1の状態に切り替えるように構成されている、スライドレールアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のレールに配置される後ろ側ベースと、前記第2のレールに配置される係合機構とをさらに含み、該係合機構は前記第2のレールに対して直線方向に沿って直線的に動かすことができる係合部材
を含み、
前記第2のレールが所定の位置に位置している場合、前記係合機構の係合部材は、前記第2のレールが該所定の位置から前記伸長方向に沿って動くのを防止するために前記後ろ側ベースによってブロックされる、請求項
3に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項5】
第1のレールと、
前記第1のレールに対して可動な第2のレールと、
前記第2のレールに対して可動な第3のレールであって、該第3のレールは駆動構造及び前側接触部を備える、第3のレールと、
第1の状態及び第2の状態のうちの一方になるように前記第2のレールに対して直線方向に沿って直線的に動かすことが可能なスイッチ部材と、
を含むスライドレールアセンブリであって、
前記第2のレールが前記第1のレールに対して第1の伸長位置に位置する場合、前記スイッチ部材は前記第1の状態から前記第2の状態に切り替わるように動作可能であり、
前記第3のレールが引っ込め方向に沿って動かされた場合、前記第3のレールの駆動構造は、前記第3のレールが前記第2のレールを駆動して、前記第2のレールを所定の位置へと前記引っ込め方向に沿って動かすことができるように前記第2の状態にある前記スイッチ部材と接触するように構成され、
前記第3のレールが前記所定の位置にある前記第2のレールに対して伸長方向に沿って所定の伸長距離動かされた場合、前記第3のレールは前記前側接触部を介して前記スイッチ部材を駆動して前記スイッチ部材を前記第2の状態から前記第1の状態に切り替えるように構成されている、スライドレールアセンブリ。
【請求項6】
前記第3のレールは後ろ側接触部をさらに備え、
前記第3のレールが前記第2のレールの通路から前記伸長方向に沿って動かされて取り外され、前記スイッチ部材が前記第1の状態から前記第2の状態に切り替られている場合、前記第3のレールは、前記第3のレールを前記引っ込め方向に沿って前記第2のレールの通路に再度取り付ける過程の間に、前記後ろ側接触部を介して前記スイッチ部材を駆動し、前記スイッチ部材を前記第2の状態から前記第1の状態に切り替えるように構成され、
前記スイッチ部材が前記第1の状態にある場合、前記第3のレールの駆動構造は、前記第3のレールを前記第2のレールに対して前記引っ込め方向に沿って完全引っ込め位置へと動かすことができるように前記スイッチ部材から離れている、請求項
5に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項7】
前記第2のレールは前記第1のレールと前記第3のレールとの間で可動に取り付けられ、前記第2のレールは第1の側及び第2の側を有し、前記第2のレールの第1の側は前記第1のレールに面し、前記第2のレールの第2の側は前記第3のレールに面し、
前記直線方向は前記第2のレールの長手方向と実質的に垂直であり、
前記第2のレールは、前記スイッチ部材を前記第1の状態で一時的に保持するように構成された少なくとも1つの保持部材を備え、
前記スイッチ部材が前記第2の状態にある場合、前記スイッチ部材のスイッチ部、前記駆動構造及び前記前側接触部は同じ水平位置に位置する、請求項
5に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項8】
前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記第1の伸長位置に位置する場合、前記スライドレールアセンブリは第1の長さを有し、前記第2のレールが前記第1のレールに対して前記所定の位置に位置する場合、前記スライドレールアセンブリは前記第1の長さよりも小さい第2の長さを有し、
前記スライドレールアセンブリは第1のレールに配置される前側ベースと、前記第2のレールに配置される第1の係合機構とをさらに含み、該前側ベースはブロック部を含み、
前記第2のレールが前記第1の伸長位置に位置する場合、前記第1の係合機構は、前記第2のレールが前記第1の伸長位置から前記引っ込め方向に沿って動くのを防止するために、前記前側ベースのブロック部に隣接して位置し、
前記第1の係合機構は第1の係合部材と、該第1の係合部材に弾性力を提供するように構成された第1の弾性部材とを含み、
前記第2のレールが前記第1の伸長位置に位置する場合、前記第1の係合部材は、前記第1の弾性部材の弾性力に対応して前記前側ベースのブロック部に隣接して位置する、請求項
5に記載のスライドレールアセンブリ。
【請求項9】
前記スライドレールアセンブリは、前記第1のレールに配置される後ろ側ベースと、前記第2のレールに配置される第2の係合機構とをさらに含み、
前記第2のレールが前記所定の位置に位置している場合、前記第2の係合機構は、前記第2のレールが前記所定の位置から前記伸長方向に沿って動くのを防止するために前記後ろ側ベースによってブロックされ、
前記後ろ側ベースは第1のベース部を含み、前記第2の係合機構は第2の係合部材を含み、
前記第2のレールが前記所定の位置に位置する場合、前記第2の係合部材は前記後ろ側ベースの第1のベース部によってブロックされるように直線的に動かされ、
前記第2の係合機構は前記第2の係合部材に弾性力を提供するように構成された第2の弾性部材をさらに含み、
前記第2のレールが前記所定の位置に位置する場合、前記第2の係合部材は前記第2の弾性部材の弾性力に対応して前記後ろ側ベースの第1のベース部によってブロックされる、請求項
5に記載のスライドレールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスライドレールアセンブリに関し、より具体的には、限られた空間でのスライドレールアセンブリのメンテナンス作業をし易くするために、伸長長さが調節可能なスライドレールアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には第1のレール、第2のレール及び第3のレールを含むスライドレールアセンブリが開示されている。第3のレールはスイッチ部材を備え、スイッチ部材は第1の切り替え位置又は第2の切り替え位置に位置するよう操作されるように構成されている。スイッチ部材が第2の切り替え位置に位置する場合、第3のレールは、スライドレールアセンブリの全長を短くしてスライドレールアセンブリを狭い空間で利用し易くするために第2のレールを駆動して第2の方向(引っ込め方向)に沿って動かすように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のスライドレールアセンブリでは、スイッチ部材が第3のレールに配置されており、ユーザーはスイッチ部材を手動でしか操作することができない。ユーザーによってスイッチ部材が適切に第1の切り替え位置に戻されていない場合、レールを完全に引っ込めることができない。
【0005】
このような課題や様々な市場の要望のために、様々なスライドレール製品を開発することが重要である。
【0006】
本発明は、スライドレールを用いてスイッチ部材を駆動してある状態から別の状態に切り替えることが可能なスライドレールアセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリは、第1のレールと、第2のレールと、後ろ側ベースと、後ろ側係合機構とを含む。第2のレールは第1のレールに対して可動である。後ろ側ベースは第1のレールに配置され、後ろ側ベースは第1のベース部及び第2のベース部を含む。後ろ側係合機構は第2のレールに配置される。後ろ側係合機構は第2のレールに対して直線方向(linear direction)に沿って直線的に動かすことができる(linearly movable)係合部材を含む。第2のレールが第1のレールに対して所定の位置に位置している場合、後ろ側係合機構の係合部材は、第2のレールが該所定の位置から伸長方向に沿って動くのを防止するために後ろ側ベースの第1のベース部によってブロックされる。第2のレールが所定の位置に位置している場合、後ろ側係合機構の係合部材は、第2のレールが所定の位置から引っ込め方向に沿って動くのを防止するために後ろ側ベースの第2のベース部によってブロックされる。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、スライドレールアセンブリは第1のレールと、第2のレールと、第3のレールと、スイッチ部材とを含む。第2のレールは第1のレールに対して可動である。第3のレールは第2のレールに対して可動である。スイッチ部材は第1の状態及び第2の状態のうちの一方になるように第2のレールに対して直線的に動かすことができる。第2のレールが第1のレールに対して所定の位置に位置する場合、第3のレールは、第3のレールが所定の位置にある第2のレールに対して伸長方向に沿って所定の伸長距離動かされる間にスイッチ部材を駆動してスイッチ部材を第2の状態から第1の状態に切り替えるように構成されている。
【0009】
様々な図面に図示する下記の好ましい実施形態の詳細な説明を読み終えた後、本発明の上記の目的及び他の目的が当業者に間違いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るスライドレールアセンブリの分解図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る第2のレール及びスイッチ部材の分解図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る第1の状態にあるスイッチ部材を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る第1の状態にあるスイッチ部材を別の視点で示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る第2の状態にあるスイッチ部材を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る第2の状態にあるスイッチ部材を示す別の視点で示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る、引っ込められた状態にあるスライドレールアセンブリの内部構成要素を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る、伸長方向に沿って動かされたスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る、第1の伸長位置に位置するスライドレールアセンブリの第2のレールを示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る、スライドレールアセンブリが伸長状態にあり、スイッチ部材が第1の状態にあることを示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態に係る、スライドレールアセンブリが伸長状態にあり、スイッチ部材が第2の状態にあることを示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係る、引っ込め方向に沿って動かされたスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態に係る、引っ込め方向に沿って1つの位置に動かされたスライドレールアセンブリの第3のレールを示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の一実施形態に係る、第3のレールによって駆動されて、第1のレールに対して引っ込め方向に沿って動かされた第2のレールを示す図である。
【
図15】
図15は、本発明の一実施形態に係る、第3のレールによって駆動されて、第1のレールに対して引っ込め方向に沿ってさらに動かされた第2のレールを示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の一実施形態に係る、第3のレールによって駆動されて、第1のレールに対して引っ込め方向に沿って所定の位置に動かされた第2のレールを示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の一実施形態に係る、第2のレールが第1のレールに対して所定の位置に位置し、第3のレールが伸長方向に沿って動かされた状態を示す図である。
【
図18】
図18は、本発明の一実施形態に係る、スイッチ部材が第1の状態になるように駆動するために伸長方向に沿って動かされた第3のレールを示す図である。
【
図19】
図19は、本発明の一実施形態に係る、第3のレールが第2のレールの通路から伸長方向に沿って取り外された場合の第1の状態にあるスイッチ部材を示す図である。
【
図20】
図20は、本発明の一実施形態に係る、第3のレールが第2のレールの通路から伸長方向に沿って取り外された場合の第1の状態にあるスイッチ部材を示す図である。
【
図21】
図21は、本発明の一実施形態に係る、引っ込め方向に沿って第2のレールの通路に取り付けられた第3のレールを示す図である。
【
図22】
図22は、本発明の一実施形態に係る、第3のレールが引っ込め方向に沿って第2のレールの通路に取り付けられた場合に第1の状態に切り替えられたスイッチ部材を示す図である。
【
図23】
図23は、本発明の一実施形態に係る、第2の係合部材を第1のレールから外すために、引っ込め方向に沿って動かされた第3のレールを示す図である。
【
図24】
図24は、本発明の一実施形態に係る、スライドレールアセンブリが保持物体を保持するように構成されるとともに第1の伸長位置に位置する場合に第1の長さを有するスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図25】
図25は、本発明の一実施形態に係る、スライドレールアセンブリの第2のレールが所定の位置に位置する場合に第2の長さを有するスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図26】
図26は、本発明の一実施形態に係る、スライドレールアセンブリの第2のレールが所定の位置に位置し、第3のレールが第2のレールから伸長方向に沿って取り外されている状態を示す図である。
【
図27】
図27は、本発明の一実施形態に係る、第2の係合部材が後ろ側ベースによってブロックされたスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図28】
図28は、本発明の一実施形態に係る、スイッチ部材が第1の状態にあるスライドレールアセンブリを示す図である。
【
図29】
図29は、本発明の一実施形態に係る、スイッチ部材が第2の状態にあるスライドレールアセンブリを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示すように、本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリ20は第1のレール22、第2のレール24及び第3のレール26を含む。第2のレール24は第1のレール22と第3のレール26との間で可動に取り付けられる。さらに、第1のレール22は、前端部f1及び後端部r1を有する。第1のレール22は上壁28a、下壁28b及び上壁28aと下壁28bとの間に接続される長手壁30を含む。上壁28a、下壁28b及び長手壁30によって通路が定義され、通路は第2のレール24を収容するように構成されている。
【0012】
スライドレールアセンブリ20は、第1のレール22の長手壁30に配置される前側ベース32をさらに含み、前側ベース32は、ガイド部34と、ガイド部34に隣接するブロック部36とを含む。本実施形態では、ガイド部34は傾斜面又は円弧面を有する。
【0013】
スライドレールアセンブリ20は、第1のレール22の長手壁30に配置される後ろ側ベース38をさらに含むことが好ましい。後ろ側ベース38は、第1のガイド区画40、第2のガイド区画42及び第1のガイド区画40と第2のガイド区画42との間に位置する係合区画44を含む。第1のガイド区画40及び第2のガイド区画42のそれぞれは傾斜面又は円弧面を有し、係合区画44はノッチであることが好ましいが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0014】
第1のレール22は、後端部r1及び前端部f1にそれぞれ隣接する少なくとも1つの後ろ側ブロック部46及び少なくとも1つの前側ブロック部48を備えることが好ましい。本実施の形態では、第1のレール22は2つの後ろ側ブロック部46及び2つの前側ブロック部48を備えるが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0015】
第2のレール24は前端部f2及び後端部r2を有する。第2のレール24は、上壁50a、下壁50b及び上壁50aと下壁50bとの間に接続される長手壁52を含む。上壁50a、下壁50b及び長手壁52によって通路が定義され、通路は第3のレール26を収容するように構成されている。第2のレール24は、第1の側L1と、第1の側L1と反対の第2の側L2とを有する。第2のレール24の第1の側L1は第1のレール22に面し、第2のレール24の第2の側L2は第3のレール26に面する。
【0016】
スライドレールアセンブリ20は、第2のレール24の長手壁52に配置される第1の係合機構をさらに含むことが好ましい。第1の係合機構は、第1の係合部材54と、第1の係合部材54に弾性力を提供するように構成された第1の弾性部材56とを含む。本実施形態では、第1の係合部材54は、支持部58、係合部60及び支持部58と係合部60との間に位置する取り付け部62を含む。第1の係合部材54の取り付け部62は、第1の枢動部材64を介して第2のレール24の長手壁52の第2の側L2に枢結される。
【0017】
第2のレール24の長手壁52は、第2のレール24の第1の側L1及び第2の側L2と連通する第1の貫通孔66を有することが好ましい。第1の係合部材54の係合部60は、第2のレール24の第2の側L2から第1の貫通孔66を貫通して、第2のレール24の第1の側L1に延びる。他方、第1の弾性部材56は本体部68と、本体部68に接続される弾性部70とを有する。本体部68は、第2のレール24の長手壁52の第2の側L2に接続されている。弾性部70は、第1の係合部材54に対して弾性的に当接するように構成され、弾性部70は、支持部58に隣接する。
【0018】
スライドレールアセンブリ20は、第2のレール24の長手壁52に配置される第2の係合機構をさらに含むことが好ましい。第2の係合機構は、第2の係合部材72と、第2の係合部材72に弾性力を提供するように構成された第2の弾性部材74とを含む。本実施形態では、第2の係合部材72は、係合区画78、支持区画80及び係合区画78と支持区画80との間に位置する接続部82を含む。第2の係合部材72の接続部82は、第2の枢動部材84を介して第2のレール24の長手壁52の第2の側L2に枢結されている。
【0019】
第2のレール24の長手壁52は、第2のレール24の第1の側L1及び第2の側L2と連通する第2の貫通孔86を有する。第2の係合部材72の係合区画78は、第2のレール24の第2の側L2から第2の貫通孔86を貫通して第2のレール24の第1の側L1に延びる。他方、第2の弾性部材74は、第2のレール24の長手壁52に配置される。第2の弾性部材74は、第2の係合部材72に弾性的に当接するように構成され、第2の弾性部材74は係合区画78に隣接する。
【0020】
第3のレール26は、前端部f3及び後端部r3を有する。第3のレール26は、上壁88a、下壁88b及び上壁88aと下壁88bとの間に接続される長手壁90を含む。第3のレール26の長手壁90は駆動構造92、前側接触部94及び後ろ側接触部96を備え、前側接触部94は、後ろ側接触部96と駆動構造92との間に位置する。
【0021】
第3のレール26の長手壁90は、作用部98及び支持部100をさらに備えることが好ましい。
【0022】
駆動構造92、前側接触部94、後ろ側接触部96、作用部98及び支持部100は、第3のレール26の長手壁90から第2のレール24の第2の側L2の方を向くように突出する突起であるが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0023】
スライドレールアセンブリ20の2つの隣接するレールの間に摺動支援装置が配置されて、2つの隣接するレールの相対的な長手方向の動きの滑らかさを改善することが好ましい。例えば、第1のレール22の通路内に下側ベアリングリテーナー102及び上側ベアリングリテーナー104が配置され、第2のレール24の下壁50b及び上側壁50aをそれぞれ支持するように構成されている。
【0024】
第2のレール24の下壁50b及び上壁50aは、下側押し部(lower pushing part)106及び上側押し部(upper pushing part)108をそれぞれさらに備えることが好ましい。下側押し部106及び上側押し部108は、下側ベアリングリテーナー102の後端及び上側ベアリングリテーナー104の後端にそれぞれ当接するように構成されている。
【0025】
図2~
図4に示すように、本発明の一実施形態によれば、スライドレールアセンブリ20は、第2のレール24に可動に配置されるスイッチ部材110をさらに含む。本実施の形態では、スイッチ部材110は第2のレール24に可動に配置されるとともに、第2のレール24の前端部f2に隣接するが、本発明はこのような構成に限定されない。他方、第2のレール24は、第1の制限部112、第2の制限部114及び第1の制限部112と第2の制限部114との間に定義される空間116を有する。空間116は、第2のレール24の第1の側L1及び第2の側L2と連通する。
【0026】
スイッチ部材110は、シャフト部材118を介して第2のレール24の第1の側L1に枢結されることが好ましい。スイッチ部材110は、第2のレール24の第2の側L2に延びるスイッチ部120を備える。
【0027】
空間116は、第2のレール24の長手壁52の円弧状の孔壁によって定義される孔であることが好ましい。加えて、空間116は、互いに連通する第1の収容部K1及び第2の収容部K2を有する。スイッチ部材110は保持部111を備え、第2のレール24は整合部25を備える。保持部111及び整合部25は、互いに整合する凹構造及び凸構造の組み合わせであるが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0028】
スイッチ部材110は、(
図3及び
図4に示す)第1の状態S1及び(
図5及び
図6に示す)第2の状態S2のうちの一方になるように第2のレール24に対して動かすことができることが好ましい。
【0029】
スイッチ部材110のスイッチ部120は、第1のヘッド部122、第2のヘッド部124及び第1のヘッド部122と、第2のヘッド部124との間に接続される本体部126を有することが好ましい。第1のヘッド部122は第2のレール24の第1の側L1に位置し、第2のヘッド部124は第2のレール24の第2の側L2に位置し、本体部126は、第1の収容部K1及び第2の収容部K2において円弧状の孔壁によって支持される。スイッチ部材110が第1の状態S1にある場合、スイッチ部材110のスイッチ部120は空間116の第1の収容部K1内に位置する。
【0030】
スイッチ部材110は、補助シャフト部材128を介して第2のレール24にさらに接続され、スイッチ部材110は、限られた補助ガイド孔130を備えることが好ましい。補助ガイド孔130の輪郭は実質的に円弧状である。補助シャフト部材128は、補助ガイド孔130の一部を通過する。補助シャフト部材128及び補助案内孔130は、スイッチ部材110が限られた範囲内で第2のレール24に対して動くことができるのを支援するように構成されている。
【0031】
図5及び
図6に示すように、ユーザーは、スイッチ部材110に力Fを加えて、スイッチ部材110を第1の状態S1から第2の状態S2に切り替えることができる。スイッチ部材110が第2の状態S2にある場合、スイッチ部材110のスイッチ部120は空間116の第2の収容部K2内に位置し、保持部111と整合部25とが互いに当接して、スイッチ部材110を第2の状態S2で保持する。
【0032】
図7に示すように、スライドレールアセンブリ20は引っ込められた状態にある(第3のレール26が完全引っ込め位置Rに位置する)。第1のレール22の後ろ側ブロック部46は、第2のレール24の後端部r2をブロックするように構成されている。
【0033】
さらに、後ろ側ベース38は前側ベース32から離れている。第1の係合部材54は、第1の弾性部材56の弾性力に対応して第1の所定の状態X1で保持され、第1の係合部材54の係合部60は、前側ベース32のガイド部34に対応する位置に位置する。第2の係合部材72の支持区画80は、第2の係合部材72を初期状態Y1で保持し、第2の係合部材72の係合区画78が後ろ側ベース38と位置が合わないようにするために、第3のレール26の支持部100によって支持されるように構成されている。その間、第2の弾性部材74は弾性力を蓄積する。さらに、スイッチ部材110が第1の状態S1にある場合、スイッチ部材110のスイッチ部120は、第3のレール26の駆動構造92、前側接触部94及び後ろ側接触部96と同じ水平位置に位置していない。
【0034】
第3のレール26の前側接触部94及びスイッチ部材110のスイッチ部120のうちの一方はガイド面を有することが好ましい。本実施形態では、前側接触部94がガイド面132を有し、スイッチ部120は円筒である。ガイド面132は傾斜面又は円弧面であり得るが、本発明はそのような構成に限定されない。
【0035】
第3のレール26の後ろ側接触部96及びスイッチ部材110のスイッチ部120のうちの一方はガイド面を有することが好ましい。本実施形態では、後ろ側接触部96はガイド面134を有する。ガイド面134は傾斜面又は円弧面であり得るが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0036】
第3のレール26の駆動構造92及びスイッチ部材110のスイッチ部120のうちの一方はガイド面を有することが好ましい。本実施形態では、駆動構造92はガイド面136を有する。ガイド面136は傾斜面又はアーク面であり得るが、本発明はこのような構成に限定されない。加えて、駆動構造92は接触壁138(例えば、垂直壁)をさらに有する。
【0037】
図8に示すように、第2のレール24が第1のレール22に対して伸長方向D1に沿って1つの位置に動かされると、第1の係合部材54の係合部60は、前側ベース32のガイド部34と接触するように構成されている。
【0038】
図9に示すように、第2のレール24が第1のレール22に対して伸長方向D1に沿ってさらに動かされると、第1の係合部材54の係合部60は前側ベース32のガイド部34によってガイドされ、それにより第1の係合部材54が偏向される。第1の弾性部材56は、第1の係合部材54の偏向に対応して弾性力を蓄積する。第2のレール24が第1のレール22に対して第1の伸長位置E1に動かされ、第1の係合部材54の係合部60がガイド部34を横断すると、第1の弾性部材56の弾性部70は弾性力を直ちに放って、第1の係合部材54が第1の所定の状態X1に戻ることができるようにする。その間、第1の係合部材54の係合部60は、第2のレール24が第1の伸長位置E1から引っ込め方向D2に沿って動くのを防止するために、前側ベース32のブロック部36によってブロックされる。
【0039】
図10及び
図11に示すように、第2のレール24が第1のレール22に対して第1の伸長位置E1に位置する場合、第3のレール26は第2のレール24に対して伸長方向D1に沿って第2の伸長位置E2へとさらに動かすことができる。その際、スライドレールアセンブリ20は完全に伸長した状態にある。
【0040】
さらに、第2のレール24が第1のレール22に対して第1の伸長位置E1に位置する場合、スイッチ部材110を第1の状態S1から第2の状態S2に手動で切り替えることができる。スイッチ部材110が第2の状態S2にある場合、スイッチ部材110のスイッチ部120は、(
図11に示すように)第3のレール26の駆動構造92、前側接触部94及び後ろ側接触部96と実質的に同じ水平位置Hに位置する。
【0041】
さらに、
図12及び
図13に示すように、支持部100が第2の係合部材72の支持区画80を支持しなくなるように、第3のレール26を第2のレール24に対して動かすと、第2の係合部材72は、第2の弾性部材74の弾性力に対応して初期状態Y1から非初期状態Y2に切り替わる。加えて、第1の係合部材54は、係合部60に隣接する係合解除部140をさらに含む。係合解除部140及び作用部98のうちの一方は傾斜面又は円弧面を有することが好ましい。本実施の形態では、係合解除部140が傾斜面(又は円弧面)を有するが、本発明はこのような構成に限定されない。
【0042】
図11~
図13に示すように、スイッチ部材110は第2の状態S2にある。第3のレール26が、第1の伸長位置E1にある第2のレール24に対して引っ込め方向D2に沿って所定の距離第2の伸長位置E2から動かされると、第3のレール26の作用部98は第1の係合部材54の係合解除部140と接触して作用力を生成し、第1の係合部材54は、該作用力に対応して回転し(
図12に示す)第1の所定の状態X1から(
図13に示す)第2の所定の状態X2になる。そのため、第1の係合部材54の係合部60は前側ベース32のブロック部36によってもはやブロックされていないため、第2のレール24を第1の伸長位置E1から引っ込め方向D2に沿って動かすことができる。第3のレール26が第2の伸長位置E2から引っ込め方向D2に沿って動かされると、駆動構造92の接触壁138は、第3のレール26が第2のレール24を引っ込め方向D2に沿って駆動して動かすように第2の状態S2にあるスイッチ部材110のスイッチ部120と接触するように構成されている。
【0043】
図14~
図15に示すように、第2の係合部材72は、支持区画80に隣接する係合解除区画142をさらに含む。係合解除区画142及び支持部100のうちの一方は傾斜面又は円弧面を有することが好ましい。本実施の形態では、係合解除区画142は傾斜面(又は円弧面)を有するが、本発明はそのような構成に限定されない。
【0044】
第3のレール26が引っ込め方向D2に沿って動かされると、駆動構造92の接触壁138は、第3のレール26が第2のレール24を駆動して引っ込め方向D2に沿って(
図15に示す)所定の位置Pに動かすように第2の状態S2にあるスイッチ部材110のスイッチ部120と接触する。第2のレール24が所定の位置Pに位置する場合、第2のレール24は、第2の係合機構を介して後ろ側ベース38と係合する。
【0045】
具体的には、第2のレール24を引っ込め方向D2に沿って所定の位置Pに動かす過程の間に、非初期状態Y2にある第2の係合部材72の係合区画78は、第2の係合部材72が非初期状態Y2でなくなるように回転させるように(
図14に示す)後ろ側ベース38の第2のガイド区画42と接触して作用力を生成し、第2の弾性部材74は弾性力を蓄積する。第2のレール24が所定の位置Pに位置する場合、第2の係合部材72は、第2の弾性部材74の弾性力に対応して初期状態Y2に戻る。そのため、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pから伸長方向D1又は引っ込め方向D2に沿って動くのを防止するために、第2の係合部材72の係合区画78が(
図16に示すように)後ろ側ベース38の係合区画44と係合する。
【0046】
さらに、第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pに位置する場合、第2の係合部材72の係合区画78は、後ろ側ベース38の係合区画44と係合する。その際、スライドレールアセンブリ20の全長は短くされ、第2のレール24はロック状態にある。したがって、スライドレールアセンブリ20の第3のレール26を第2のレール24に対して伸長方向D1に沿って動かして引き出すのに小さな空間で済むため、スライドレールアセンブリ20は限られた空間での使用が容易である。他方、第2のレール24が所定の位置Pに位置し、第3のレール26の駆動構造92が第2の状態S2にあるスイッチ部材110と接触すると、第3のレール26は第2のレール24に対して引っ込め方向D2に沿って動くのが防止される。
【0047】
図16~
図18に示すように、第2のレール24が第1のレール22に対して位置Pに位置する場合、第3のレール26は、第2のレール24に対して伸長方向D1に沿って動かすことができる。第3のレール26が伸長方向D1に沿って所定の伸長距離動かされると、前側接触部94のガイド面132はスイッチ部材110のスイッチ部120と接触し、第3のレール26は、スイッチ部材110を駆動して(
図16に示す)第2の状態S2から(
図17に示す)第1の状態S1に切り替えるように構成され、第3のレール26は、所定の位置Pに位置する第2のレール24から(
図18に示す)伸長方向D1に沿ってさらに動かして取り外すことができる。
【0048】
したがって、第3のレール26が所定の位置Pにある第2のレール24に対して伸長方向D1に沿って動かされた場合、第3のレール26は、前側接触部94を介してスイッチ部材110を駆動して第2の状態S2から第1の状態S1に切り替えることができるため、スイッチ部材110が第1の状態S1にあるのを確実にできる。とりわけ、第3のレール26を第2のレール24から伸長方向D1に沿って取り外す場合に、スイッチ部材110が第1の状態S1にあるのを確実にできる。
【0049】
図18及び
図19に示すように、第3のレール26が伸長方向D1に沿って第2のレール24の通路から取り外された後、スイッチ部材110は(
図18に示すように)第1の状態S1にある。しかしながら、スイッチ部材110が、他の要因(外力等)により、誤って第1の状態S1から(
図19に示す)第2の状態S2に切り替えられた場合、第3のレール26は、第3のレール26を再度引っ込め方向D2に沿って第2のレール24の通路に取り付ける過程の間に、後ろ側接触部96を介してスイッチ部材110を駆動して、第2の状態S2から第1の状態S1に切り替えることができる。
【0050】
図19~
図21に示すように、第3のレール26を再度第2のレール24の通路に取り付ける過程の間、第3のレール26は、後ろ側接触部96のガイド面134がスイッチ部材110のスイッチ部120に接触することを介して、スイッチ部材110を駆動し、(
図20に示す)第2の状態S2から(
図21に示す)第1の状態S1に切り替えるように構成されている。
【0051】
図15及び
図22に示すように、第3のレール26が所定の位置Pにある第2のレール24に対して引っ込め方向D2に沿って動かされると、第3のレール26の支持部100は、第2の係合部材72が(
図15に示す)非初期状態Y2から(
図22に示す)初期状態Y1に切り替わるように第2の係合部材72の係合解除区画142と接触して作用力を生成し、第3のレール26の支持部100は、第2の係合部材72の支持区画80を再度支持して第2の係合部材72を初期状態Y1で保持するように構成されている。これにより、第2の係合部材72の係合区画78は、第2のレール24を第1のレール22に対して所定の位置Pから引っ込め方向D2に沿って引っ込めることができるように、後ろ側ベース38の係合区画44と係合していない。スイッチ部材110は第1の状態S1に切り替えられているため、第3のレール26を第2のレール24に対して引っ込め方向D2に沿って完全引っ込め位置Rに動かすことができる(
図7を参照されたい)。
【0052】
したがって、スイッチ部材110が(
図21に示す)第1の状態S1にある場合、第3のレール26は、第2のレール24に対して引っ込め方向D2に沿って完全引っ込め位置Rに動かすことができる(
図7を参照されたい)。
【0053】
図23~
図25に示すように、上記の構成によれば、本発明のスライドレールアセンブリ20は狭い空間で適用可能である。第1のレール22はラック(図示せず)に取り付けられるように構成されている。第3のレール26は保持物体144を保持するように構成されている。第2のレール24が第1のレール22に対して第1の伸長位置E1に位置する場合、スライドレールアセンブリ20は第1の長さM1を有する。第3のレール26は、第2のレール24に対して伸長方向D1に沿って(
図23に示す)第2の伸長位置E2に動かすことができ、第3のレール26(又は保持物体144)の前端部f3と障害物146(例えば、壁、ドア又は他の周囲の障害物)との間に第1の空間W1が形成される。しかしながら、第1の空間W1が狭すぎる場合、現場にいるユーザーは、保持物体144又はスライドレールアセンブリ20に対して関連メンテナンス作業を円滑に行うことができない。従って、現場にいるユーザーは、第2のレール24を第1のレール22に対して第1の伸長位置E1から所定の位置Pへと引っ込め方向D2に動かして(
図24及び
図25を参照されたい)、第1の空間W1よりも広い第2の空間W2を第3のレール26の前端部f3と障害物146との間に形成することで、ユーザーは保持物体144の取り外し又はスライドレールアセンブリ20の関連メンテナンス作業を円滑に行うことができる。第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pに位置する場合、スライドレールアセンブリ20は第2の長さM2に短縮され、第2の長さM2は第1の長さM1よりも小さい。第2のレール24が第1のレール22に対して所定の位置Pに位置している場合、第3のレール26は、第2のレール24から伸長方向D1に沿って取り外すことができる。
【0054】
図26及び
図27に示すように、本発明の第2の実施形態によれば、スライドレールアセンブリは第1のレール202、第2のレール204及び第3のレール206を含む。第1の実施形態とは異なり、第2の実施形態の後ろ側ベース208は第1のベース部210及び第2のベース部212を含み、第2の係合機構の第2の係合部材214は、第2のレール204に対して直線方向A1(又は高さ方向)に沿って直線的に動かすことができる。直線方向A1は、より安定した係合を提供するために、第2のレール204の長手方向A2(又は移動方向)に実質的に垂直である。
【0055】
第2のレール204は線状部205(例えば、限られた細長い孔又は限られた細長い溝であり得るが、本発明はこのような構成に限定されない)を有することが好ましい。第2の係合部材214は、線状部205の一部に可動に取り付けられる円筒であり得る。第2の係合機構の第2の弾性部材216は、第2の係合部材214に弾性力を提供するように構成されている。第2のレール204を第1の伸長位置E1から所定の位置Pへと引っ込め方向D2に沿って動かす過程の間、第2の係合部材214は、第2の弾性部材216が(
図26に示すように)弾性力を蓄積するように、(
図26に示すように)後ろ側ベース208の第1のベース部210の第2のガイド区画218と接触して上方に移動して作用力を生成するよう構成されている。第2のレール204が(
図27に示すように)所定の位置Pに位置する場合、第2のレール204が第1のレール202に対して所定の位置Pから伸長方向D1又は引っ込め方向D2に沿って動くのを防止するために、第2の係合部材214は第2の弾性部材216の弾性力に対応して下方に移動して後ろ側ベース208の第1のベース部210と第2のベース部212との間でブロックされる。さらに、第3のレール206の支持部220及び第2の係合部材214のうちの一方はガイド構造222(例えば、傾斜面又は円弧面であり得るが、本発明はこのような構成に限定されない)を有する。本実施形態では、第3のレール206の支持部220がガイド構造222を有する。第3のレール206を引っ込め方向D2に沿って動かす過程の間に、ガイド構造222は、第2の係合部材214が後ろ側ベース208の第1のベース部210と第2のベース部212との間でブロックされなくするために、第2の係合部材214を上方に押して、第2の係合部材214を後ろ側ベース208の第1のベース部210と第2のベース部212との間の位置から遠ざける。
【0056】
図28及び
図29は、本発明の第3の実施形態に係るスライドレールアセンブリを示す図である。第1の実施形態及び第2の実施形態とは異なり、第3の実施形態のスイッチ部材300は、第1の状態S1及び第2の状態S2のうちの一方になるように、第2のレール204に対して直線的に動かすことができ、例えば、直線方向A1(又は高さ方向)に直線的に動かすことができる。
【0057】
直線方向A1は、第2のレール204の長手方向A2に実質的に垂直であることが好ましい。スイッチ部材300は円筒であり、第2のレール204の第2の側L2に位置するスイッチ部302を備えることができる。スイッチ部材300が第2の状態S2にある場合、スイッチ部材300のスイッチ部302は、第3のレール206の駆動構造92、前側接触部94及び後ろ側接触部96と実質的に同じ水平位置Hに位置する。第3のレール206の前側接触部94及びスイッチ部材300のスイッチ部302のうちの一方はガイド面132を有する。第2のレール204は、可撓性材料でできた少なくとも1つの保持部304を備える。保持部304は、スイッチ部材300を第1の状態S1で一時的に保持するために、スイッチ部材300を弾性的に支持するように構成されている。
【0058】
したがって、本発明の実施形態に係るスライドレールアセンブリ20は、スライドレールを引き出すか又は再度取り付けることによりスイッチ部材110、300を絶対確実に切り替えることができるという特徴を有する。すなわち、ユーザーは、スイッチ部材110、300を手動で動かすことなく、スイッチ部材110、300を第2の状態S2から第1の状態S1に切り替えることができる。このような構成によれば、スライドレールアセンブリ20が狭い空間で適用されている間に、第3のレール26を第2のレール24に対して引っ込め方向D2に沿って完全引っ込め位置Rに確実に動かすことができる。他方、第2の係合機構の第2の係合部材214は、第2のレール204に対して直線方向A1(又は高さ方向)に沿って直線的に動かすことができる。より安定した係合を提供するために、直線方向A1は第2のレール204の長手方向A2に実質的に垂直である。
【0059】
当業者であれば、本発明の教示を維持しながら多くの変更及び改良が装置及び方法に加えられ得ることに容易に気付く。したがって、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈すべきである。