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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13357 20060101AFI20220128BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220128BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220128BHJP
【FI】
G02F1/13357
F21S2/00 481
F21S2/00 484
F21Y115:10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020078359
(22)【出願日】2020-04-27
(62)【分割の表示】P 2016099879の分割
【原出願日】2016-05-18
(65)【公開番号】P2020118994
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2020-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 重典
(72)【発明者】
【氏名】矢田 竜也
(72)【発明者】
【氏名】原田 勉
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/020138(WO,A1)
【文献】特開2010-135204(JP,A)
【文献】特開2007-041351(JP,A)
【文献】特開2009-140720(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0221612(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1335 - 1/13357
F21S 2/00
F21V 8/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1サブ表示領域及び第2サブ表示領域を備えた表示パネルと、
前記表示パネルを照明する照明装置と、を備え、
照明装置は、
前記第1サブ表示領域と対向する第1光源と、
前記第2サブ表示領域と対向する第2光源と、
前記第1光源及び前記第2光源と前記表示パネルとの間に位置する仕切り部材と、を備え、
前記仕切り部材は、前記第1光源及び前記第2光源をそれぞれ囲む側面と、前記表示パネルと対向する上面と、前記上面に位置し光拡散性または光吸収性を有する調光部と、を備え、
前記上面は、平面視において、第1方向に延出した第1稜部と、第2方向に延出した第2稜部と、前記第1稜部と前記第2稜部とが交差する交差部と、を備え、
前記調光部は、前記第1稜部前記第2稜部、及び、前記交差部にそれぞれ形成され、
前記第1稜部における前記調光部の密度は、前記第2稜部における前記調光部の密度とは異なり、
前記第2稜部における前記調光部の密度は、前記第1稜部における前記調光部の密度、及び、前記交差部における前記調光部の密度より高い、表示装置。
【請求項2】
前記調光部は、光吸収部材によって形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記調光部は、ドット状に形成されている、請求項1または2に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この実施形態は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の一つとして、液晶表示パネルと、その直下に光源を備えたバックライトと、を備えた構成が実用化されている。一例では、バックライトにおいて隣接する光源がいずれも点灯した際に、照明光のトータルの強度をほぼ均一化する技術が提案されている。また、他の例では、ヘッドアップディスプレイにおいて、表示される表示像の範囲を判断し、対応する領域の光源を点灯させ、消費電力を低減し、発熱を抑制する技術が提案されている。また、さらに他の例では、直下型バックライトにおいて、ホルダーの角錐状孔が発光素子側から発光面側に階段状に広がる形状に形成され、輝度ムラを低減する技術が提案されている。
所定の間隔で複数の光源を並べた光源アレイを駆動させた際に、隣接する光源間において低輝度の暗線や高輝度の明線などの輝度ムラを抑制することが要望される。また、このような照明装置を備えた表示装置においては、照明装置の輝度ムラに起因した表示品位の劣化を抑制することが要望される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8434887号明細書
【文献】特開2005-1506号公報
【文献】特開2001-281656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態の目的は、表示品位の劣化を抑制することが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態によれば、第1サブ表示領域及び第2サブ表示領域を備えた表示パネルと、前記表示パネルを照明する照明装置と、を備え、照明装置は、前記第1サブ表示領域と対向する第1光源と、前記第2サブ表示領域と対向する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源と前記表示パネルとの間に位置する仕切り部材と、を備え、前記仕切り部材は、前記第1光源を囲む第1側面と、前記第2光源を囲む第2側面と、前記第1側面及び前記第2側面を接続する接続部とを備え、前記接続部は、曲面、2以上の平面、及び、曲面と平面との組み合わせ、のいずれかによって形成されている、表示装置が提供される。
【0006】
本実施形態によれば、第1サブ表示領域及び第2サブ表示領域を備えた表示パネルと、前記表示パネルを照明する照明装置と、を備え、照明装置は、前記第1サブ表示領域と対向する第1光源と、前記第2サブ表示領域と対向する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源と前記表示パネルとの間に位置する仕切り部材と、を備え、前記仕切り部材は、前記第1光源及び前記第2光源をそれぞれ囲む側面と、前記表示パネルと対向する上面と、前記上面に位置し光拡散性または光吸収性を有する調光部と、を備えた、表示装置が提供される。
【0007】
本実施形態によれば、第1サブ表示領域及び第2サブ表示領域を備えた表示パネルと、前記表示パネルを照明する照明装置と、を備え、照明装置は、前記第1サブ表示領域と対向する第1光源と、前記第2サブ表示領域と対向する第2光源と、前記第1光源及び前記第2光源と前記表示パネルとの間に位置する仕切り部材と、を備え、前記仕切り部材は、平面視において、第1方向にそれぞれ延出した第1稜部及び第3稜部と、第2方向に延出し前記第1稜部及び前記第3稜部とそれぞれ交差する第2稜部と、を備え、前記第1稜部と前記第2稜部との第1交差部及び前記第3稜部と前記第2稜部との第2交差部に凹部を有し、前記第1交差部と前記第2交差部との間に凸部を有する、表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態に適用可能な照明装置及び表示パネルの一構成例を示す図である。
図3図3は、ローカルディミング制御が適用される表示装置の一構成例を示すブロック図である。
図4図4は、本実施形態の表示装置の分解斜視図である。
図5図5は、図4に示した照明装置に適用される仕切り部材の一構成例を示す平面図である。
図6図6は、照明装置において隣接する光源が同時に点灯した際の輝度分布を説明するための図である。
図7図7は、図5のA-B線で切断した仕切り部材の一構成例を示す断面図である。
図8図8は、図5のA-C線で切断した仕切り部材の一構成例を示す断面図である。
図9図9は、図5のA-B線で切断した仕切り部材の他の構成例を示す断面図である。
図10A図10Aは、図5のA-B線で切断した仕切り部材の他の構成例を示す断面図である。
図10B図10Bは、図5のA-B線で切断した仕切り部材の他の構成例を示す断面図である。
図11図11は、図5のA-B線で切断した仕切り部材の他の構成例を示す断面図である。
図12図12は、仕切り部材の他の構成例を示す分解斜視図である。
図13図13は、図5のD-E線で切断した仕切り部材の一構成例を示す断面図である。
図14図14は、図5のA-B線で切断した仕切り部材の他の構成例を示す断面図である。
図15図15は、図5のA-B線で切断した仕切り部材の他の構成例を示す断面図である。
図16図16は、図5のA-B線で切断した仕切り部材の他の構成例を示す断面図である。
図17図17は、稜部における調光部の配置例を示す平面図である。
図18図18は、稜部における調光部の他の配置例を示す平面図である。
図19図19は、稜部における調光部の他の配置例を示す平面図である。
図20図20は、稜部における調光部の他の配置例を示す平面図である。
図21図21は、本実施形態における表示装置の適用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
まず、本実施形態に係る表示装置について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る表示装置DSPの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、表示装置DSPは、制御部10と、表示パネルPNLと、表示パネルPNLを照明する照明装置ILと、を備えている。制御部10は、信号処理部20と、表示パネルPNLの駆動を制御する表示パネル駆動部40と、照明装置ILの駆動を制御する照明装置制御部60と、を備えている。
【0011】
信号処理部20は、画像出力部11から画像の入力信号SGIが入力され、表示装置DSPの各部に出力信号SGOを送り、表示装置DSPの動作を制御する。信号処理部20は、表示パネル駆動部40及び照明装置制御部60と接続されている。ここで、信号処理部20は、表示パネルPNL及び照明装置ILの動作を制御する演算処理部に相当する。信号処理部20は、入力信号SGIを処理して、出力信号SGO及び照明装置制御信号SGILを生成する。信号処理部20は、生成した出力信号SGOを表示パネル駆動部40に出力し、生成した照明装置制御信号SGILを照明装置制御部60に出力する。
【0012】
表示パネルPNLは、信号処理部20から出力された出力信号SGOに基づいて画像を表示する。表示パネルPNLは、マトリクス状に配置された複数の画素PXを有している。後述するが、各画素PXは、複数の副画素から構成されており、各副画素にはスイッチング素子等が配置されている。
【0013】
表示パネル駆動部40は、信号出力回路41及び走査回路42を備えている。信号出力回路41は、信号線SLを介して表示パネルPNLと電気的に接続されている。走査回路42は、走査線GLを介して表示パネルPNLと電気的に接続されている。表示パネル駆動部40は、信号出力回路41によって映像信号を保持し、順次、表示パネルPNLに出力する。また、表示パネル駆動部40は、走査回路42によって、表示パネルPNLにおける副画素を選択し、副画素の動作(光透過率)を制御するためのスイッチング素子のオン及びオフを制御する。
【0014】
図2は、本実施形態に適用可能な照明装置IL及び表示パネルPNLの一構成例を示す図である。図中の第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していても良い。第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面は、表示パネルPNLや照明装置IL等の光学部品の主面と平行であり、第3方向Zは、照明装置IL及び表示パネルPNLの積層方向あるいは照明装置ILから出射された光の進行方向に相当する。
【0015】
図示した例では、表示パネルPNLは、液晶表示パネルであり、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持された液晶層LCと、を備えている。偏光板PL1は、第1基板SUB1の背面側に位置している。偏光板PL2は、第2基板SUB2の前面側に位置している。例えば、偏光板PL1及び偏光板PL2のそれぞれの吸収軸はX-Y平面内において直交している。なお、ここでは、表示パネルPNLから見て照明装置ILが配置されている側を背面側、表示パネルPNLの背面側とは反対側を前面側と定義する。
【0016】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域DAを備えている。表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。画素PXは、例えば、第1副画素SPX1と、第2副画素SPX2と、第3副画素SPX3と、を含んでいる。第1副画素SPX1には、例えば、赤色のカラーフィルタが配置され、第1副画素SPX1は赤色を表示する。第2副画素SPX2には、例えば、緑色のカラーフィルタが配置され、第2副画素SPX2は緑色を表示する。第3副画素SPX3には、例えば、青色のカラーフィルタが配置され、第3副画素SPX3は青色を表示する。
【0017】
第1基板SUB1は、複数の走査線GL(ゲート線ともいう)、及び、走査線GLと交差する複数の信号線SL(データ配線あるいはソース線ともいう)を備えている。各走査線GLは、表示領域DAの外側に引き出され、走査回路42に接続されている。各信号線SLは、表示領域DAの外側に引き出され、信号出力回路41に接続されている。走査回路42及び信号出力回路41は、表示領域DAに画像を表示するための画像データに基づいて制御される。
【0018】
各副画素は、スイッチング素子SW(例えば薄膜トランジスタ)、画素電極PE、共通電極CEなどを備えている。スイッチング素子SWは、走査線GL及び信号線SLと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。共通電極CEは、複数の画素電極PEと対向している。画素電極PE及び共通電極CEは、液晶層LCを駆動する駆動電極として機能する。画素電極PE及び共通電極CEは、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)やインジウム亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料によって形成されている。
【0019】
照明装置ILは、表示パネルPNLの背面に配置され、表示パネルPNLに向けて光を照射する。照明装置ILは、表示領域DAに対向する照明領域IAを備えている。照明装置ILは、照明領域IAにおいて、マトリクス状に配置された光源LSを備えている。光源LSは、例えば白色に発光する発光ダイオードであるが、これに限定されるものではない。白色に発光する光源LSとしては、例えば、赤色、緑色、及び、青色にそれぞれ発光する発光ダイオードを1チップ化したものや、青色または近紫外に発光する発光ダイオードと蛍光体とを組み合わせたものなどが適用可能である。このような光源LSは、供給される電流の大きさに応じて輝度を制御することができる。
【0020】
一例では、1個の光源LSは、m*n個の画素PXからなるサブ表示領域と対向するように配置されている。但し、m及びnは正の整数であり、mは第1方向Xに並んだ画素PXの個数に相当し、nは第2方向Yに並んだ画素PXの個数に相当する。光源LSの各々について、点灯および消灯は、個別に制御することができる。このため、照明装置ILは、照明領域IAにおいて、点灯および消灯を個別に制御可能なサブ照明領域を形成することができる。サブ照明領域は、少なくとも1個の光源LSを備えている。サブ照明領域は、X-Y平面内において、第1方向Xに延びた帯状、第2方向Yに延びた帯状、第1方向X及び第2方向Yに並んだマトリクス状など種々の形状に形成することができる。
【0021】
次に、ローカルディミング制御について説明する。
図3は、ローカルディミング制御が適用される表示装置DSPの一構成例を示すブロック図である。照明装置ILは、照明領域IAにおいて、マトリクス状に配置された複数のサブ照明領域IA11、IA12…を備えている。表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、マトリクス状に配置された複数のサブ表示領域DA11、DA12…を備えている。図2を参照して説明した通り、サブ照明領域の各々は、1個以上の光源を備えている。サブ表示領域の各々は、サブ照明領域と対向し、m*n個の画素PXを備えている。サブ照明領域の輝度は、光源に供給される電流値に応じて制御することができる。このため、サブ照明領域の各々の光源の電流値を変えることで、サブ照明領域毎に輝度を変えることができる。各サブ照明領域から出射された光は、対向するサブ表示領域を照明する。このため、表示領域DAにおいて、階調が低い画素を多く含むサブ表示領域を照明するサブ照明領域の輝度は低く設定し、階調が高い画素を多く含むサブ表示領域を照明するサブ照明領域の輝度は高く設定することで、表示領域DAに表示された画像のコントラスト比を向上することができる。
【0022】
以下、制御の一例について簡単に説明する。図1に示すように、信号処理部20には、表示する画像の情報である入力信号SGIが外部の画像出力部11から入力される。信号処理部20は、タイミング生成部21、画像処理部22、画像解析部23、光源駆動値決定部24を備えている。
【0023】
タイミング生成部21は、表示パネルPNLが表示する画像と、照明装置ILの駆動を同期する。すなわち、タイミング生成部21は、入力信号SGIを処理することで、1フレーム期間ごとに表示パネルPNLと照明装置制御部60とのタイミングを同期するための信号を表示パネル駆動部40及び照明装置制御部60へ送信する。
【0024】
画像処理部22は、照明装置ILの駆動に応じて、表示パネルPNLに画像を表示するための処理を行う。すなわち、画像処理部22は、入力信号SGIを処理することで、第1乃至第3副画素のそれぞれの表示階調を決定するための出力信号を生成し、光源駆動に応じた画像を表示するように、表示パネル駆動部40に出力する表示データを処理する。画像解析部23は、入力信号SGIを処理することで、サブ照明領域IA11、IA12…ごとに表示する画像を解析する。光源駆動値決定部24は、画像解析部23において解析されたデータに基づいて各光源の駆動値を決定し、副画素ごとの輝度の情報を画像処理部22に送信し、また、照明装置制御部60を制御する。
【0025】
図4は、本実施形態の表示装置DSPの分解斜視図である。
照明装置ILは、表示パネルPNLの背面側に位置している。照明装置ILは、複数の光源LSと、複数の光源LSと表示パネルPNLとの間に位置した仕切り部材PTと、仕切り部材PTと表示パネルPNLとの間に位置した光拡散層DPと、を備えている。
複数の光源LSは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。これらの光源LSは、回路基板LFPCにそれぞれ実装されている。
【0026】
仕切り部材PTは、各光源LSからの出射光を光拡散層DPに向けて導く導光部LGを備えている。導光部LGは、光源LSの各々と対向して、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。1つの導光部LGは、1つの光源LSと対向している。ここで、1つの光源LSは、LED(Light Emitting Diode)等の少なくとも1つの発光素子を含んでいる。
以下、1つの導光部LGに着目して、その構造について説明する。
導光部LGは、光源LSと対向する開口OP1と、光拡散層DPと対向する開口OP2と、光源LSを囲む側面P10と、を備えている。図示した例では、導光部LGは、1個の光源LSを囲む4つの側面P10を備えている。また、開口OP1及びOP2は、いずれも四角形であり、開口OP1の面積は、開口部OP2の面積よりも小さい。なお、一例では、開口部OP1の面積は光源LSの面積と同等以上であり、また、開口部OP1の形状は光源LSの外形に応じて適宜決定され、光源LSは開口部OP1に嵌め込まれている。このような導光部LGは、光源LSから光拡散層DPに向かって広がる角錐台状に形成されている。
【0027】
なお、ここでは、1つの光源LSを囲む側面P10の個数が4つである場合について説明したが、この例に限らない。また、開口部OP1及びOP2の形状について、四角形である場合について説明したが、円形、楕円形、他の多角形などのいずれの形状であっても良い。
【0028】
図5は、図4に示した照明装置ILに適用される仕切り部材PTの一構成例を示す平面図である。
ここでは、光源LS1及びLS2にそれぞれ対応した導光部LG1及びLG2に着目して、仕切り部材PTの構造について説明する。仕切り部材PTは、光源LS1を囲む側面P11乃至P14と、光源LS2を囲む側面P21乃至P24と、側面P11及びP21を接続する接続部P3と、を備えている。側面P11及びP21は、第2方向Yに並んでいる。つまり、ここでの接続部P3とは、4つの側面P11乃至P14のうちの1つ側面P11と、4つの側面P21乃至P24のうちの1つの側面P21と、を接続するものである。
【0029】
仕切り部材PTは、平面視において、第1方向Xに延出した稜部RG1と、第2方向Yに延出した稜部RG2と、を備えている。1つの稜部RG1は、第1方向Xに沿って仕切り部材PTの一端から他端へ連続して延出している。また、1つの稜部RG2は、第2方向Yに沿って仕切り部材PTの一端から他端へ連続して延出している。これらの稜部RG1及びRG2は互いに交差して格子状に形成されている。上記の接続部P3は、稜部RG1に位置している。
光源LS1を囲む稜部RG1及びRG2のそれぞれの一部に着目すると、稜部RG1の光源LS1に対応する部分は長さL1を有し、稜部RG2の光源LS1に対応する部分は長さL2を有している。長さL1及び長さL2は、等しい場合もあり得るし、互いに異なっている場合もあり得る。図示した例では、長さL1は長さL2より大きいが、長さL2が長さL1より大きい場合もあり得る。
なお、ここで、光源LS1及びLS2は、例えば、それぞれ図3に示したサブ表示領域DA11及びDA12と対応している。このとき、光源LS1及びLS2の各々は、サブ表示領域DA11及びDA12に画像が表示されるのに同期して、サブ表示領域DA11及びDA12をそれぞれ駆動するための画像データの階調値に応じた輝度で点灯または消灯する。
【0030】
図6は、照明装置ILにおいて隣接する光源が同時に点灯した際の輝度分布を説明するための図である。図6中の(a)は光源LS1及びLS2、仕切り部材PT、及び、光拡散層DPを含む概略断面図であり、図6中の(b)は光源LS1及びLS2、及び、仕切り部材PTを含む概略平面図であり、図6中の(c)は光源LS1及びLS2が同時に点灯した際に光拡散層DPを透過した光の輝度分布を概略的に示す図である。
【0031】
光源LS1のみが点灯した際の輝度分布は、図中に右下がりの斜線で示した通りであり、光源LS1の直上を含む中央部付近でほぼ均一の輝度となり、光源LS2との境界B付近に近づくにしたがってなだらかに輝度が減少する。図示した例では、中央部付近での輝度を100%としたとき、境界B付近での輝度は50%である。光源LS2のみが点灯した際の輝度分布については、図中に左下がりの斜線で示した通りであり、光源LS1と同様である。これにより、光源LS1及びLS2が同時に点灯した際の輝度分布については、図中の実線で囲まれた部分に示した通りであり、光源LS1及びLS2のそれぞれの直上付近のみならず、境界Bにおいてもほぼ100%の輝度が得られ、輝度の分布を均一化することができる。したがって、光源LS1及びLS2が同時に点灯した際には、図示したような輝度分布が得られることが望ましい。
【0032】
一方で、光源LS1及びLS2のそれぞれの輝度分布について、境界B付近の輝度が50%より低い場合、光源LS1及びLS2が同時に点灯した際に、境界Bにおいて100%より低い輝度となり、結果として、境界Bに低輝度の暗線が生じる。
また、光源LS1及びLS2のそれぞれの輝度分布について、境界B付近の輝度が50%より高い場合、光源LS1及びLS2が同時に点灯した際に、境界Bにおいて100%より高い輝度となり、結果として、境界Bに高輝度の明線が生じる。
【0033】
各光源の輝度分布は、光源から出射される光の出射角、各導光部LGの位置や高さ、X-Y平面内における縦横比などの条件によって異なる。また、複数の光源LSが並んだ光源アレイにおいて、隣接する光源LSの境界付近での輝度は、各光源の輝度分布に加えて、隣接する光源LSの間隔、隣接する導光部LGの間隔などの条件によって異なる。このため、照明装置ILにおいてX-Y平面内で均一な輝度分布を得る、あるいは、境界B付近で50%の輝度を得るためには、照明装置ILを設計する上で、種々の制約を受けることになる。
一例では、図5に示した照明装置ILにおいて、稜部RG1及びRG2の双方の直上で暗線または明線となったり、稜部RG1及びRG2のうちの一方の直上で暗線となり且つ他方の直上で明線となったりすることがあり得る。本実施形態は、このような輝度ムラを抑制すべく、以下に説明する各種構成例を採り得るものである。
【0034】
図7は、図5のA-B線で切断した仕切り部材PTの一構成例を示す断面図である。図示した構成例は、接続部P3が曲面で形成された場合に相当する。なお、ここでの曲面とは、楕円面、放物面、球面、非球面などのいずれであっても良い。側面P11及びP21は、いずれも平面である。ここで、光源LS1及びLS2のそれぞれの出射面E1及びE2を含むX-Y平面と平行な面を基準面Rf1としたとき、側面P11及びP21は、いずれも基準面Rf1に対して傾斜した傾斜面である。例えば、側面P11の傾斜角θ11は、側面P11と基準面Rf1とのなす角度に相当し、鋭角である。一方、接続部P3の傾斜角θ3は、接続部P3の接線と基準面Rf1とのなす角度に相当し、鋭角である。傾斜角θ11は、傾斜角θ3とは異なる。図中に実線で示した例では、側面P11の傾斜角θ11は、接続部P3の傾斜角θ31より大きい。また、図中に一点鎖線で示した例では、側面P11の傾斜角θ11は、接続部P3の傾斜角θ32より小さい。ここで、側面P11の頂部Tと側面P13の底部Cとを結ぶ線分Lと、基準面Rf1とのなす角度θ0は、傾斜角θ11より小さい。また、角度θ0は、傾斜角θ31より大きく、傾斜角θ32より小さい。
【0035】
図示した例では、側面P11及びP21、及び、接続部P3は一体的に形成されている。これらの側面P11及びP21、及び、接続部P3は、同一材料によって形成され、それぞれ同等の反射率を有する反射面を形成している。このような反射面は、金属層、白色などの高反射率の色の樹脂層などで形成可能である。なお、一例では、側面P11と側面P21との間は中空であるが、これに限定されるものではない。例えば、壁部の断面形状が図示した側面P11及びP21、及び、接続部P3を有するものであっても良く、この場合、壁部自体が高反射率の金属製あるいは樹脂製であっても良いし、壁部の表面のみに高反射率の金属層あるいは樹脂層が設けられても良い。また、側面P11及びP21と、接続部P3とが異なる材料によって形成されていても良く、この場合、側面P11及びP21と、接続部P3とでは反射率が異なる場合もあり得る。
【0036】
このような本実施形態によれば、隣接する側面P11及びP21を接続する接続部P3は、側面P11とは異なる傾斜角を有する。例えば、接続部P3が位置する稜部RG1の直上で暗線が生ずるモードに対しては、傾斜角θ31が傾斜角θ11より小さい構成例が有効である。このような構成例では、出射面E1のほぼ全域から出射された光を稜部RG1の直上に導くことができる。特に、出射面E1のうち、側面P13の底部Cに近接する位置から出射された光は、図中の線分Lで示したように、接続部P3で遮られることなく、その直上に導かれる。このため、稜部RG1の直上での暗線の発生を抑制することができる。また、傾斜角θ31が小さい形状の接続部P3は、基準面Rf1と平行な平面に近い曲面となる。このため、光拡散層DPで拡散された光のうち、接続部P3に向かって拡散された光は、接続部P3によって再び光拡散層DPに向けて正反射される。これにより、暗線の発生を抑制することができる。
【0037】
また、接続部P3が位置する稜部RG1の直上で明線が生ずるモードに対しては、傾斜角θ32が傾斜角θ11より大きい構成例が有効である。このような構成例では、接続部P3は、出射面E1から出射された光の一部を遮ることができる。このため、稜部RG1の直上に導かれる光の量が低減され、明線の発生を抑制することができる。また、傾斜角θ32が大きい形状の接続部P3は、光拡散層DPで拡散された光を散乱させる。これにより、再び光拡散層DPに向かう光の量が低減され、明線の発生を抑制することができる。
【0038】
したがって、本実施形態の照明装置ILによれば、輝度ムラの発生を抑制することができる。加えて、本実施形態の照明装置ILを適用した表示装置DSPによれば、照明装置ILの輝度ムラに起因した表示品位の劣化を抑制することができる。
【0039】
図8は、図5のA-C線で切断した仕切り部材PTの一構成例を示す断面図である。図示した構成例は、稜部RG1と稜部RG2とが異なる断面形状を有する場合に相当する。図示した例では、稜部RG1は、側面P11及びP21を接続する接続部P3からなる断面形状を有し、稜部RG2は、側面P22及びP41を接続する接続部P4からなる断面形状を有する。稜部RG1の基準面Rf1からの高さH1は、稜部RG2の基準面Rf1からの高さH2とは異なり、図示した例では、高さH1は高さH2よりも高い。また、稜部RG1を形成する接続部P3は、図7の一点鎖線で示した通り、傾斜角θ32が傾斜角θ11よりも大きい場合に相当し、稜部RG2を形成する接続部P4は、図7の実線で示した通り、傾斜角θ31が傾斜角θ11よりも小さい場合に相当する。
【0040】
図5に示したように、各光源を囲む稜部RG1及びRG2のそれぞれの部分の長さが異なる構成では、光源から出射された光の第1方向Xへの広がり度合いと、第2方向Yへの広がり度合いとが異なる場合があり、第1方向Xに隣接する光源間の境界と、第2方向Yに隣接する光源間の境界とでは、一方で暗線が発生し、他方で明線が発生するようなモードが生じ得る。このようなモードに対しては、図8に示した構成例が有効である。例えば、稜部RG1の直上で明線が発生し、稜部RG2の直上で暗線が発生するモードに対して、稜部RG1を形成する接続部P3は光源LS2から出射された光を遮り且つ拡散させることで明線を抑制し、また、稜部RG2を形成する接続部P4は光源LS2から出射された光をその直上に導くことで暗線を抑制することができる。したがって、輝度ムラの発生を抑制することができる。
【0041】
図9は、図5のA-B線で切断した仕切り部材PTの他の構成例を示す断面図である。図9は、図7に示した構成例と比較して、接続部P3が2以上の平面で形成された点で異なっている。
図示した構成例は、接続部P3は、第1面P31、第2面P32、第3面P33を有している。第1面P31、第2面P32、第3面P33は、平面である。第1面P31は、側面P11に接続され、側面P11とは傾斜角が異なる平面である。第3面P33は、側面P21に接続され、側面P21とは傾斜角が異なる平面である。第2面P32は、第1面P31及び第3面P33に接続されている。これらの側面P11及びP21、及び、接続部P3は、同一材料によって形成され、それぞれ同等の反射率を有する反射面を形成している。なお、接続部P3は、側面P11及びP21とは異なる材料によって形成されても良いし、側面P11及びP21と反射率が異なっていても良い。
このような構成例においても上記したのと同様の効果が得られる。
【0042】
図10Aは、図5のA-B線で切断した仕切り部材PTの他の構成例を示す断面図である。図10Aは、図7に示した構成例と比較して、接続部P3が曲面と平面との組み合わせによって形成された点で異なっている。
図示した構成例では、第1面P31及び第3面P33は、曲面であり、第2面P32は、平面である。なお、後述するが、第1面P31及び第3面P33は、下方に向かって窪んだ凹面であるが、上方に向かって突出した凸面であっても良い。また、図示した例では、第2面P32は、第1面P31及び第3面P33を接続しているが、第2面P32を省略して第1面P31及び第3面P33が直接接続されていても良い。
このような構成例においても上記したのと同様の効果が得られる。
【0043】
図10Bは、図5のA-B線で切断した仕切り部材PTの他の構成例を示す断面図である。図10Bは、図10Aに示した構成例と比較して、第1面P31及び第3面P33が、上方に向かって突出した凸面である点で異なっている。
図10Aに示した例と同様に、図示した構成例では、第1面P31及び第3面P33は、曲面であり、第2面P32は、平面である。また、図示した例では、第2面P32は、第1面P31及び第3面P33を接続しているが、第2面P32を省略して第1面P31及び第3面P33が直接接続されていても良い。
このような構成例においても上記したのと同様の効果が得られる。
【0044】
図11は、図5のA-B線で切断した仕切り部材PTの他の構成例を示す断面図である。図11は、図7に示した構成例と比較して、仕切り部材PTが調光部DM1を備えている点で相違している。
図示した例では、仕切り部材PTは、側面P11及びP21を繋ぐ上面USを有している。上面USは、X-Y平面に沿った平面であり、表示パネルPNL及び光拡散層DPと対向している。調光部DM1は、上面USに位置している。図示した例では、調光部DM1は、上面USの全面に位置している。この場合、接続部P3は、調光部DM1の表示パネルPNLと対向する側の面に相当し、側面P11及びP21とを接続している。図示した例では、接続部P3は、調光部BMの曲面に相当する。なお、調光部DM1は、上面USの一部に位置していても良い。
【0045】
図11に示す構成例においては、調光部DM1は、光拡散性を有する光拡散部材である。例えば、調光部DM1は、半透明な樹脂材料、あるいは、透明な母材に散乱体を分散した樹脂材料などによって形成されている。つまり、接続部P3は、光拡散部材によって形成されている。すなわち、側面P11及びP21は接続部P3とは異なる材料によって形成され、側面P11及びP21の反射率は接続部P3の反射率とは異なっている。また、光拡散部材である調光部DM1のヘイズ値は、光拡散層DPのヘイズ値より小さい。
【0046】
このように、調光部DM1が上面USに配置されることで、光源LSからの出射光が調光部DM1に入射することで適度に拡散され、局所的に光が集光されることによる明線の発生を抑制することができる。また、光拡散層DPで拡散された光が調光部DM1に入射することで適度に散乱させる。これにより、上面USでの正反射が抑制され、再び光拡散層DPに向かう光の量が低減され、明線の発生を抑制することができる。なお、接続部P3は、光を拡散させるために粗面に形成されていてもよい。
【0047】
図12は、仕切り部材PTの他の構成例を示す分解斜視図である。
図12に示した例では、稜部RG1及びRG2は、それぞれ凹部CC及び凸部CVを有している。稜部RG1及び稜部RG2の凹部CCは、稜部RG1と稜部RG2との交差部に位置している。
【0048】
図13は、図5のD-E線で切断した仕切り部材PTの他の構成例を示す断面図である。図13は、仕切り部材PTが図12に示した形状である場合に、D-E線に沿って仕切り部材PTを切断した稜部RG2の断面に相当するが、相対的な位置関係を示すために、光源LS1及びLS2や導光部の側面P11及びP13などを点線で図示している。図示したように、稜部RG2は、凹部CV及び凸部CCを有している。一例では、凸部CVは、隣接する凹部CCの間の中間の位置で最も突出し、光拡散層DPに接近している。なお、ここでは、稜部RG2の断面について説明するが、稜部RG1の断面も図示した例と同様である。
【0049】
このように、稜部RG1及びRG2の交差部に凹部CCが形成されることにより、各光源からの出射光が交差部の直上の位置に到達するため、交差部において暗線の発生を抑制することができる。
【0050】
図14は、図5のA-B線で切断した仕切り部材PTの他の構成例を示す断面図である。図14は、図11に示した構成例と比較して、調光部DM2が異なっている。
【0051】
調光部DM2は、上面USに位置している。図示した例では、調光部DM2は、上面USから光源LS1及びLS2と対向する位置に延在したシート部材である。図14に示す構成例においては、調光部DM2は、光拡散性を有する光拡散部材である。また、光拡散部材である調光部DM2のヘイズ値は、光拡散層DPのヘイズ値より小さい。
【0052】
このように、シート部材である調光部DM2が配置されたことにより、光源LSからの出射光は、調光部DM2内を伝播し、仕切り部材PTの上面USまで拡散される。つまり、暗線となり得る位置には光が導かれ、また、明線となり得る位置では光が拡散される。加えて、調光部DM2が光拡散層DPのヘイズ値より小さいヘイズ値を有することにより、上面USでの正反射が抑制される。よって、稜部RG1及びRG2において輝度ムラを抑制することができる。
【0053】
図15は、図5のA-B線で切断した仕切り部材PTの他の構成例を示す断面図である。図15は、図11に示した構成例と比較して、調光部DM3が異なっている。
【0054】
調光部DM3は、上面USに位置しており、光源LS1及びLS2と対向する位置には延在していない。図15に示す構成例においては、調光部DM3は、光拡散性を有する光拡散部材である。ここで、調光部DM3は、接続部P3として第1面P31、第2面P32、第3面P33を有しているが、図11に示した調光部DM1と同様に接続部P3が曲面であっても良い。つまり、接続部P3は、光拡散部材によって形成されている。すなわち、側面P11及びP21と、接続部P3とは、異なる材料によって形成され、側面P11及びP21の反射率と接続部P3の反射率とは異なっている。また、光拡散部材である調光部DM3のヘイズ値は、光拡散層DPのヘイズ値より小さい。
【0055】
このような構成とすることで、図14に示したのと同様の効果を得ることができる。
【0056】
図16は、図5のA-B線で切断した仕切り部材PTの他の構成例を示す断面図である。図16は、図15に示した構成例と比較して、調光部DM4が異なっている。
【0057】
図16に示す構成例では、調光部DM4は光吸収部材である。例えば、調光部DM4は、黒色の樹脂材料などによって形成可能であるが、上面USよりも低反射率の材料で形成されていれば良い。また、図示した例では、調光部DM4は、上面USの全面に位置しているが、上面USの一部に位置していても良い。また、調光部DM4は、接続部P3として第1面P31、第2面P32、第3面P33を有しているが、図11に示した調光部DM1と同様に接続部P3が曲面であっても良い。つまり、接続部P3は、光吸収部材によって形成されている。すなわち、側面P11及びP21と、接続部P3とは、異なる材料によって形成され、側面P11及びP21の反射率と接続部P3の反射率とは異なっている。
【0058】
このように、光吸収部材としての調光部DM4が上面USに配置されることで、調光部DM4が光を吸収し、稜部RG1及びRG2における明線の発生を抑制することができる。
【0059】
図17は、稜部RG1及びRG2における調光部DM4の他の配置例を示す平面図である。図17に示した配置例では、調光部DM4がドット状に形成されている。
仕切り部材PTの上面USは、平面視において、第1方向Xに延出した稜部RG1と、第2方向Yに延出した稜部RG2と、を備えており、これらの稜部RG1及びRG2は互いに交差して格子状に形成されている。
【0060】
図示した例では、調光部DM4は上面USにおいてドット状に配置されている。図17の(a)に示した例においては、調光部DM4のドットは、稜部RG1及びRG2においてほぼ均一な密度で配置されている。図17の(b)に示した例においては、調光部DM4のドットは、稜部RG1や稜部RG1及びRG2の交差部よりも、稜部RG2において高密度に配置されている。
【0061】
図16に示した構成例で説明したように、調光部DM4は、光吸収部材によって形成されているため、明線が発生しうる位置には、より高密度にドット状の調光部DM4を配置することが望ましく、暗線が発生し得る位置には、調光部DM4を配置しないことが望ましい。このような場合を想定し、ドット状の調光部DM4は、稜部RG1及び稜部RG2の少なくとも一方に配置されていても良い。
例えば、図17の(b)に示した例では、第1方向Xに隣接する光源LSの間に位置する稜部RG2において、第2方向Yに隣接する光源LSの間に位置する稜部RG1よりも明線が発生しやすい場合に相当し、稜部RG2において稜部RG1よりも高密度のドットが配置されている。
【0062】
また、稜部RG1及びRG2において輝度分布にグラデーションが生ずる場合、調光部DM4は、ドットの密度を連続的に変化させて配置されることが望ましい。つまり、ドット状に形成された調光部DM4は、周期的に密度が異なっていても良い。
例えば、図17の(b)に示したように、第2方向Yに沿った稜部RG2上のドット密度に着目すると、稜部RG1との交差部においてはドット密度が疎であり、第1方向Xに隣接する光源LSの間においてはドット密度が密である。
【0063】
このような配置例においても、図16を参照して説明したのと同様の効果が得られる。
【0064】
図18は、稜部RG1及びRG2における調光部DM4の他の配置例を示す平面図である。
図示した例では、調光部DM4は、ストライプ状に配置されている。調光部DM4は、ストライプ状の第1部分DM41及び第2部分DM42を有している。第1部分DM41は、第1方向Xに沿って延出し、稜部RG1に配置されている。第2部分DM42は、第2方向Yに沿って延出し、稜部RG2に配置されている。図示した例では、第1部分DM41の第2方向Yに沿った幅W11は、稜部RG1の第2方向Yに幅W12より小さいが、稜部RG1の幅W12と同等以下であれば良い。同様に、第2部分DM42の第1方向Xに沿った幅W21は、稜部RG2の第1方向Xに沿った幅W22より小さいが、稜部RG2の幅W22と同等以下であれば良い。第1部分DM41及び第2部分DM42は、稜部RG1及びRG2の交差部において、交差している。
【0065】
なお、稜部RG1及び稜部RG2の少なくとも一方においてストライプ状の調光部DM4が配置されていても良い。また、図示した例では、稜部RG1及び稜部RG2の各々において、1本の調光部DM4が配置されたが、複数本の調光部DM4が配置されても良い。また、第1部分DM41及び第2部分DM42は、それぞれ稜部RG1及び稜部RG2と平行に延出していたが、第1方向X及び第2方向Yとは異なる方向に延出していても良い。稜部RG1及び稜部RG2の各々に配置される調光部DM4の設置面積、本数、延出方向は、要求される明線の抑制効果に応じて適宜変更できる。
【0066】
図19は、稜部RG1及びRG2における調光部DM4の他の配置例を示す平面図である。
図示した例では、調光部DM4は、稜部RG1及びRG2の全面に配置されている。これにより、稜部RG1及びRG2の全面において明線の発生を抑制することができる。
【0067】
図20は、稜部RG1及びRG2における調光部DM3及びDM4の配置例を示す平面図である。調光部DM3は、図中に左下がり斜線で示され、調光部DM4は、図中に右下がり斜線で示されている。
【0068】
調光部DM3は、稜部RG2に配置されている。調光部DM4は、稜部RG1に配置されている。このように、稜部RG1及びRG2における明線の発生の抑制、又は、暗線の発生の抑制の目的に応じて、稜部RG1及びRG2に異なる調光部を配置することが可能である。
【0069】
なお、上記した調光部DM1乃至DM3も、調光部DM4と同様に、稜部RG1及びRG2の少なくとも一部に位置していれば良い。
【0070】
また、図11図14乃至図20に示したように、上面USに調光部が配置される構成例において、調光部は、上面USに貼られていても良いし、載置されていても良い。例えば、調光部がシート部材である場合、シート部材は、表示パネルPNLと対向する側の面が粗面であっても良いし、シート部材が穴あき構造でも良い。また、調光部は、上面USに、塗布、蒸着、メッキ等の手法を用いて形成されていても良い。
【0071】
図21は、本実施形態における表示装置DSPの適用例を示す図である。図示した適用例の表示装置DSPは、車両等のフロントウインドウを投映用の投影面(スクリーン)SCRとして利用するヘッドアップディスプレイである。なお、投影面SCRは、フロントウインドウそのものに限定されるものではなく、他のコンバイナーが利用されても良い。
【0072】
表示装置DSPは、照明装置ILと、表示パネルPNLと、光学系OPと、投影部PJと、を備えている。
照明装置ILは、上記の通り、表示パネルPNLの裏面に配置された複数の光源を備え、表示パネルPNLを照明する。照明装置IL及び表示パネルPNLのそれぞれの詳細については、上述した通りであるため、説明を省略する。
光学系OPは、表示パネルPNLから出射された光(表示光)を投影部PJに案内する1つ以上のミラーを備えている。投影部PJは、光学系OPによって案内された光を投影面SCRに投影する。このような投影部PJは、例えば凹面鏡が適用可能である。
制御部10は、上記の通り、画像データに基づいて表示パネルPNLを駆動し、表示領域DAに画像を表示させるとともに、サブ照明領域毎に必要な輝度を判断し、対応するサブ照明領域の光源を所定の輝度で点灯させる。これにより、表示装置DSPを利用するユーザ200は、投影面SCRの前方に虚像201を視認することができる。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位の劣化を抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらにまた、請求項の各構成要素において、構成要素を分割して表現した場合、或いは複数を合わせて表現した場合、或いはこれらを組み合わせて表現した場合であっても本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0075】
DSP…表示装置、DA11、DA12…サブ表示領域、PNL…表示パネル、
IL…照明装置、LS1、LS2…光源、PT…仕切り部材、
P11~P14、P21~P24…側面、P3…接続部、θ11、θ3、θ31、θ32…傾斜角、DP…光拡散層、RG1、RG2…稜部、US…上面、DM1、DM2、DM3、DM4…調光部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21