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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】開閉装置及び開閉制御方法
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/73 20150101AFI20220107BHJP
【FI】
E05F15/73
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020147996
(22)【出願日】2020-09-03
(62)【分割の表示】P 2015228070の分割
【原出願日】2015-11-20
(65)【公開番号】P2020197119
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2020-09-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大助
(72)【発明者】
【氏名】若井 孝仁
(72)【発明者】
【氏名】小林 諒平
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-516891(JP,A)
【文献】特開2013-237969(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0035814(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102011119579(DE,A1)
【文献】特開2002-70422(JP,A)
【文献】特開2014-201968(JP,A)
【文献】特開2004-63149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00-15/79
E06B 9/00- 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部の周縁部から開閉部材を移動させることによって前記開口部を開閉する開閉手段と、
前記開閉手段の動作を指示するための押しボタン手段と、
前記押しボタン手段の近傍に配置されて、手指が接近した状態を非接触にて検知する非接触スイッチ手段と、
前記押しボタン手段の操作状態及び前記非接触スイッチ手段の検知状態に応じて前記開閉手段の動作を制御する開閉制御手段とを備えた開閉装置において、
前記非接触スイッチ手段は、前記開口部の周縁部に少なくとも2個隣接するように配置されたエリアセンサから構成され、前記エリアセンサに手指が接近した状態を非接触にて検知し、
前記押しボタン手段は、前記開閉手段の開閉停の各動作を指示するための3点式の押しボタンで構成され、
前記非接触スイッチ手段を構成する少なくとも2個のエリアセンサは、前記押しボタンの配列方向に沿って、前記押しボタンの近傍であって、隣接する2個のエリアセンサが一つの手指を同時に検知することができるような位置にそれぞれ離間配置され、
前記開閉制御手段は、前記エリアセンサの検知状態に基づいて前記手指が前記配列方向に沿った正逆いずれの方向に動いたか又は静止しているのかを検出し、正方向に動いたと検出したときは前記開閉手段の開動作を実行し、逆方向に動いたと検出したときは前記開閉手段の閉動作を実行し、静止していると検出したときは前記開閉手段を停止動作させることを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉装置において、
前記非接触スイッチ手段が第1及び第2のエリアセンサから構成される場合は、前記第1のエリアセンサは、前記押しボタンの開ボタンと停止ボタンとの間に、前記第2のエリアセンサは、前記押しボタンの停止ボタンと閉ボタンとの間に設けられることを特徴とする開閉装置。
【請求項3】
請求項1に記載の開閉装置において、
前記非接触スイッチ手段が第1、第2及び第3のエリアセンサから構成される場合は、前記第1のエリアセンサは、前記押しボタンの開ボタンの横側近傍に、前記第2のエリアセンサは、前記押しボタンの停止ボタンの横側近傍に、前記第3のエリアセンサは、前記押しボタンの閉ボタンの横側近傍にそれぞれ設けられることを特徴とする開閉装置。
【請求項4】
請求項1、2、又3に記載の開閉装置において、
前記開閉制御手段は、前記手指が前記配列方向に沿った正逆いずれの方向に動いたか又は静止しているのかを、所定時間前及び現時点における前記エリアセンサの検知状態の変化に基づいて検出することを特徴とする開閉装置。
【請求項5】
開閉手段の動作を指示するための押しボタン手段の操作状態に応じて、開口部の周縁部から開閉部材を移動させることによって前記開口部を開閉する開閉手段の開閉停の各動作を制御する開閉制御方法であって、
前記押しボタン手段の近傍に配置された非接触スイッチ手段によって手指の接近した状態を非接触にて検知した場合、前記押しボタン手段の操作状態及び前記非接触スイッチ手段の検知状態に応じて前記開閉手段の動作を制御し、
前記開口部の周縁部に少なくとも2個のエリアセンサを隣接配置し、前記エリアセンサからなる非接触スイッチ手段を用いて手指が接近した状態を非接触にて検知し、前記非接触スイッチ手段から出力される検知状態を示す信号に応じて前記開閉停の各動作を制御する開閉制御方法において、
前記押しボタン手段は、前記開閉手段の開閉停の各動作を指示するための3点式の押しボタンで構成され、
前記非接触スイッチ手段を構成する少なくとも2個のエリアセンサは、前記押しボタンの配列方向に沿って、前記押しボタンの近傍であって、隣接する2個のエリアセンサが一つの手指を同時に検知することができるような位置にそれぞれ離間配置され、
前記エリアセンサの検知状態に基づいて前記手指が前記配列方向に沿った正逆いずれの方向に動いたか又は静止しているのかを検出し、正方向に動いたと検出したときは前記開閉手段の開動作を実行し、逆方向に動いたと検出したときは前記開閉手段の閉動作を実行し、静止していると検出したときは前記開閉手段を停止動作させることを特徴とする開閉制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の開閉制御方法において、
前記非接触スイッチ手段が第1及び第2のエリアセンサから構成される場合は、前記第1のエリアセンサは、前記押しボタンの開ボタンと停止ボタンとの間に、前記第2のエリアセンサは、前記押しボタンの停止ボタンと閉ボタンとの間に設けられることを特徴とする開閉制御方法。
【請求項7】
請求項5に記載の開閉制御方法において、
前記非接触スイッチ手段が第1、第2及び第3のエリアセンサから構成される場合は、前記第1のエリアセンサは、前記押しボタンの開ボタンの横側近傍に、前記第2のエリアセンサは、前記押しボタンの停止ボタンの横側近傍に、前記第3のエリアセンサは、前記押しボタンの閉ボタンの横側近傍にそれぞれ設けられることを特徴とする開閉制御方法。
【請求項8】
請求項5、6又7に記載の開閉制御方法において、
前記手指が前記配列方向に沿った正逆いずれの方向に動いたか又は静止しているのかを、所定時間前及び現時点における前記エリアセンサの検知状態の変化に基づいて検出することを特徴とする開閉制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル、工場、倉庫などの建物を含む構造物躯体の開口部などをシャッターなどの開閉体を用いて仕切るように構成された開閉装置及び開閉制御方法に係り、特に非接触方式の操作子を用いて開閉停の各動作を制御することのできる開閉装置及び開閉制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シャッターカーテンなどのような開閉装置は、住宅、ビル、工場、倉庫、車庫などの建物を含む構造物躯体の開口部や窓部あるいは内部の通路や空間などの開口部に設置され、その開閉体を移動させることによってその開口部を開放、閉鎖するものである。この開閉装置は、多数の短冊状のスラット材からなるスラットカーテン、多数のパイプ材をリンク材などで連結させてなるパイプグリルカーテン、一枚状あるいは多数連結されたパネル材からなるパネルカーテン、ネット材からなるネットカーテン、合成樹脂あるいは布繊維製のシート材からなるシートカーテン、あるいはこれらの複合部材などからなる複合カーテンなどの開閉体を、開口部の上部から繰り出し下降させて開口部全体を閉鎖するように構成されている。このような開閉装置は、開閉体の開閉動作を電動で行なう場合が多い。電動の開閉装置としては、電動シャッター装置、電動ドア装置、電動オーニング装置などがある。
【0003】
これらの電動の開閉装置は、開閉体の開閉制御に必要なモータドライブ(インバータ)、入出力端子台、パラメータ設定ユニット等を一つの制御盤内に収納したものが主流である。図1は、従来のロールスクリーン装置の概略構成を示す正面図である。ロールスクリーン装置10は、収納ボックス11、ガイドレール12,13、巻取シャフト14、スクリーンカーテン15、及びウェイトバー16などから構成される。
【0004】
巻取シャフト14は、収納ボックス11内の左右両側側面の内壁面に設けられた軸受け部(図示せず)とロールエンド部(図示せず)との間に回転可能に取り付けられている。スクリーンカーテン15は、その一端部が巻取シャフト14に取り付けられており、その他端部にウェイトバー16が取り付けられており、収納ボックス11の下端部に設けられたスリット状の出入口に案内されるようになっている。従って、スクリーンカーテン15は、巻取シャフト14の回転に応じて、巻取シャフト14に巻き取られ、スリット状の出入口から繰り出されるようになっている。
【0005】
巻取シャフト14は、中空パイプ形状をしており、この中空部分に内挿された電動モータ17の駆動力によって回転制御される。図示していないが、電動モータ17の本体外側と巻取シャフト14の内側とが固定され、電動モータ17の出力軸が軸受け部に回転しないようにボルトなどで固定されている。従って、電動モータ17が正方向に回転することによって、スクリーンカーテン15は繰り出されるように動作し、逆方向に回転することによってスクリーンカーテン15は巻き取られるように動作する。すなわち、モータを正逆方向に回転させることによって開閉体であるスクリーンカーテン15の開閉動作を制御している。
【0006】
スクリーンカーテン15の開閉動作を制御しているのは、ガイドレール13の右側壁面に取り付け配置された制御盤20である。制御盤20は、マイクロコンピュータ構成になっており、電源ラインを介して外部から200[V]又は100[V]の交流電圧が供給されている。制御盤20は、通常、入出力端子台、パラメータ設定ユニット等及びモータドライブ基板から構成される。入出力端子台には3点式の押しボタン33などが接続されており、ロールスクリーン装置10の全体動作を制御するマイクロコンピュータが内蔵されている。パラメータ設定ユニットは、各種処理モードのパラメータを表示したり、変更したり、その変更履歴を表示するものである。モータドライブ基板は、電動モータ17の回転を制御するものである。
【0007】
従来は、上述のような入出力端子台に接続された押しボタン33を操作して、スクリーンカーテン15の開閉停の各動作を制御している。一方、特許文献1には、手指をそばにかざすだけで自動ドア開閉のための制御信号を出力する自動ドア用非接触スイッチが開示されている。
【0008】
【文献】特開2008-159293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載の自動ドア用非接触スイッチは、衛生面への配慮が必要となる食品工場や病院などに好適である。しかしながら、特許文献1に記載の自動ドア用非接触スイッチは、スイッチ部に手指をかざすことによって、ドアを自動的に開動作し、その後自動的に閉動作させるものであり、自動ドアに近接する人を近赤外線反射方式などで検出する代わりに、手指をかざすという動作に反応して自動的にドアを開閉するものに過ぎない。
【0010】
従って、特許文献1に記載の自動ドア用非接触スイッチを用いたとしても、シャッター装置に設けられている3点式押しボタンと同様の開閉動作を行うことは困難であり、開閉停の各動作を任意に制御するという操作を行うことはできなかった。
【0011】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、非接触スイッチを用いて、開閉体の開閉停の各動作を制御することができる開閉装置及び開閉制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る開閉装置の第1の特徴は、開口部の周縁部から開閉部材を移動させることによって前記開口部を開閉する開閉手段と、前記開閉手段の動作を指示するための押しボタン手段と、前記押しボタン手段の近傍に配置されて、手指が接近した状態を非接触にて検知する非接触スイッチ手段と、前記押しボタン手段の操作状態及び前記非接触スイッチ手段の検知状態に応じて前記開閉手段の動作を制御する開閉制御手段とを備えたことことにある。
これは、手指が接近した状態を非接触にて検知する非接触スイッチ手段を押しボタン手段の近傍に配置し、押しボタン手段の操作状態及び非接触スイッチ手段の検知状態に応じて開閉手段の動作を制御するようにしたものである。開閉手段は、押しボタン手段の操作状態及び非接触スイッチ手段の検知状態に基づいて開閉停の動作を制御するので、非接触スイッチ手段の操作状態に基づいて開閉停を制御する場合、若干の遅れが発生する可能性があるので、このような場合には押しボタン手段の操作状態に応じてリアルタイムに開閉停の制御を可能としている。すなわち、その時々の状況に応じて非接触スイッチ手段を用いた方が適切な場合と、押しボタン手段を用いた方が適切な場合があるので、適宜選択して開閉停の制御を実行することができる。
【0013】
本発明に係る開閉装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉装置において、前記非接触スイッチ手段は、前記開口部の周縁部に少なくとも2個隣接するように配置されたエリアセンサから構成され、前記エリアセンサに手指が接近した状態を非接触にて検知することにある。
これは、非接触方式のエリアセンサを少なくとも2個隣接するように配置し、いずれか一方又は両方のエリアセンサに手指をかざすことによって、エリアセンサは複数の検知状態となる。この複数の検知状態をそれぞれ開閉停に対応させることによって、開閉手段の開閉停の各動作を制御するようにした。
エリアセンサが2個の場合の検知状態としては、両方が検知状態にある場合、いずれか一方が検知状態にある場合、いずれも検知状態にない場合の4種類となる。そこで、両方が検知状態にある場合を停動作に、いずれか一方が検知状態にある場合をそれぞれ開動作と閉動作に対応させて開閉停動作を制御する。
また、エリアセンサが3個の場合の検知状態としては、3個全部が検知状態にある場合、いずれか2個が検知状態にある場合、いずれか1個が検知状態にある場合、3個全部が検知状態にない場合の8種類となる。そこで、この8種類の検知状態をそれぞれ開閉停の各動作に対応させて開閉停動作制御する。
例えば、3個のエリアセンサのいずれか1個が検知状態にある場合を、それぞれを開閉停の動作に対応させ、いずれか1個のエリアセンサが検知状態になった場合に、その検知状態に対応して開閉停の各動作を制御し、それ以外は何もしない。この場合、1個のエリアセンサがなんらかの物体に誤って反応して検知状態になると、それによって誤動作が発生する可能性がある。そこで、エリアセンサから出力される検知状態を所定時間前と現時点における、すなわち検知状態の時間経過における変化に基づいて判断することによって、誤検知状態となる可能性を減少させることができる。
【0014】
本発明に係る開閉装置の第3の特徴は、前記第2の特徴に記載の開閉装置において、前記押しボタン手段は、前記開閉手段の開閉停の各動作を指示するための3点式の押しボタンで構成され、前記非接触スイッチ手段を構成する少なくとも2個のエリアセンサは、前記押しボタンの配列方向に沿って、前記押しボタンの近傍であって、隣接する2個のエリアセンサが一つの手指を同時に検知することができるような位置にそれぞれ離間配置され、前記開閉制御手段は、前記エリアセンサの検知状態に基づいて前記手指が前記配列方向に沿った正逆いずれの方向に動いたか又は静止しているのかを検出し、正方向に動いたと検出したときは前記開閉手段の開動作を実行し、逆方向に動いたと検出したときは前記開閉手段の閉動作を実行し、静止していると検出したときは前記開閉手段を停止動作させることにある。
通常は非接触スイッチ手段を用いて開閉停の動作を実行するが、メンテナンス時などのように確実に開閉停の操作を実行したい場合には、接触式である3点式の押しボタンを設けて、接触操作によって開閉停の動作を実行することが望ましい。そこで、この発明では、開閉装置に接触式の従来の3点式の押しボタンと非接触スイッチ手段の両方を設けて共用できるようにしている。また、エリアセンサをこの押しボタンの近傍に設けている。このときに、隣接するエリアセンサの間隔として、隣接する2個のエリアセンサが一つの手指を同時に検知可能な離間距離とする。これによって、上述のようなエリアセンサが2又は3個の場合の検知状態として、一つの手指で隣接する2個を検知状態とすることが可能となり、操作性を向上することができる。また、このように配置したエリアセンサの検知状態に基づいて手指が配列方向に沿った正逆いずれの方向に動いたか又は静止しているのかを検出することができる。そして、正方向に動いたと検出したときは開閉手段の開動作を実行し、逆方向に動いたと検出したときは開閉手段の閉動作を実行し、静止していると検出したときは開閉手段を停止動作させるという開閉停動作の制御を実現できる。本明細書中、手指とは、人間の手指のみならず、例えば義手の手指や鉛筆、ペン等の人間の手指に似た細長い物体を含む総称とする。
【0015】
本発明に係る開閉装置の第4の特徴は、前記第3の特徴に記載の開閉装置において、前記非接触スイッチ手段が第1及び第2のエリアセンサから構成される場合は、前記第1のエリアセンサは、前記押しボタンの開ボタンと停止ボタンとの間に、前記第2のエリアセンサは、前記押しボタンの停止ボタンと閉ボタンとの間に設けられることにある。
これは、開閉装置に接触式の従来の3点式の押しボタンと2個の非接触スイッチ手段の両方を設けて共用できるように構成した場合におけるエリアセンサの具体的な配置位置に関し、第1のエリアセンサを開ボタンと停止ボタンのほぼ中間位置に設け、第2のエリアセンサを停止ボタンと閉ボタンのほぼ中間位置に設けるようにしたものである。
【0016】
本発明に係る開閉装置の第5の特徴は、前記第2の特徴に記載の開閉装置において、前記非接触スイッチ手段が第1、第2及び第3のエリアセンサから構成される場合は、前記第1のエリアセンサは、前記押しボタンの開ボタンの横側近傍に、前記第2のエリアセンサは、前記押しボタンの停止ボタンの横側近傍に、前記第3のエリアセンサは、前記押しボタンの閉ボタンの横側近傍にそれぞれ設けられることにある。
これは、開閉装置に接触式の従来の3点式の押しボタンと3個の非接触スイッチ手段の両方を設けて共用できるように構成した場合におけるエリアセンサの具体的な配置位置に関し、各エリアセンサを開ボタン、停止ボタン及び閉ボタンの横側近傍にそれぞれ設けるようにしたものである。
【0017】
本発明に係る開閉装置の第6の特徴は、前記第2、第3又は第4の特徴に記載の開閉装置において、前記開閉制御手段は、前記手指が前記配列方向に沿った正逆いずれの方向に動いたか又は静止しているのかを、所定時間前及び現時点における前記エリアセンサの検知状態の変化に基づいて検出することにある。
これは、上述のようにエリアセンサから出力される検知状態を所定時間前と現時点における、すなわち検知状態の時間経過における変化として見ると、エリアセンサが2個の場合は、所定時間前が4種類、現時点が4種類の全部で16個の変換パターンを持つ変換テーブルを構成できる。また、エリアセンサが3個の場合は、所定時間前が8種類、現時点が8種類の全部で64個の変換パターンを持つ変換テーブルを構成できる。この16個又は64個の変換パターンを持つ変換テーブルに開閉停の各動作を割り当てることによって、操作者の手指が配列方向に沿った正逆いずれの方向に動いたか又は静止しているのかを検出するようにした。検知状態の経過時間における変化は、操作者が手指をエリアセンサの前で意図的に動かすという所定の動作が行われることによって、初めて得られるものなので、上述のような誤検知状態となる可能性は減少する。また、検知状態の経過時間における変化を一連の変化パターンとして認識し、その変化パターンに基づいて手指が配列方向に沿った正逆いずれの方向に動いたか又は静止しているのかを検出するようにしてもよい。この場合も同様に一連の変化パターンと手指の動作とが対応するようになるので、上述のような誤検知状態となる可能性を減少させることができる。
【0018】
本発明に係る開閉制御方法の第1の特徴は、開閉手段の動作を指示するための押しボタン手段の操作状態に応じて、開口部の周縁部から開閉部材を移動させることによって前記開口部を開閉する開閉手段の開閉停の各動作を制御する開閉制御方法において、前記押しボタン手段の近傍に配置された非接触スイッチ手段によって手指の接近した状態を非接触にて検知した場合、前記押しボタン手段の操作状態及び前記非接触スイッチ手段の検知状態に応じて前記開閉手段の動作を制御することにある。
これは、前記第1の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【0019】
本発明に係る開閉制御方法の第2の特徴は、前記開口部の周縁部に少なくとも2個のエリアセンサを隣接配置し、前記エリアセンサからなる非接触スイッチ手段を用いて手指が接近した状態を非接触にて検知し、前記非接触スイッチ手段から出力される検知状態を示す信号に応じて前記開閉停の各動作を制御することにある。
これは、前記第2の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【0020】
本発明に係る開閉制御方法の第3の特徴は、前記第2の特徴に記載の開閉制御方法において、前記押しボタン手段は、前記開閉手段の開閉停の各動作を指示するための3点式の押しボタンで構成され、前記非接触スイッチ手段を構成する少なくとも2個のエリアセンサは、前記押しボタンの配列方向に沿って、前記押しボタンの近傍であって、隣接する2個のエリアセンサが一つの手指を同時に検知することができるような位置にそれぞれ離間配置され、前記エリアセンサの検知状態に基づいて前記手指が前記配列方向に沿った正逆いずれの方向に動いたか又は静止しているのかを検出し、正方向に動いたと検出したときは前記開閉手段の開動作を実行し、逆方向に動いたと検出したときは前記開閉手段の閉動作を実行し、静止していると検出したときは前記開閉手段を停止動作させることにある。
これは、前記第3の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【0021】
本発明に係る開閉制御方法の第4の特徴は、前記第3の特徴に記載の開閉制御方法において、前記非接触スイッチ手段が第1及び第2のエリアセンサから構成される場合は、前記第1のエリアセンサは、前記押しボタンの開ボタンと停止ボタンとの間に、前記第2のエリアセンサは、前記押しボタンの停止ボタンと閉ボタンとの間に設けられることにある。
これは、前記第4の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【0022】
本発明に係る開閉制御方法の第5の特徴は、前記第3の特徴に記載の開閉制御方法において、前記非接触スイッチ手段が第1、第2及び第3のエリアセンサから構成される場合は、前記第1のエリアセンサは、前記押しボタンの開ボタンの横側近傍に、前記第2のエリアセンサは、前記押しボタンの停止ボタンの横側近傍に、前記第2のエリアセンサは、前記押しボタンの閉ボタンの横側近傍にそれぞれ設けられることにある。
これは、前記第5の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【0023】
本発明に係る開閉制御方法の第6の特徴は、前記第3、第4又は第5の特徴に記載の開閉制御方法において、前記手指が前記配列方向に沿った正逆いずれの方向に動いたか又は静止しているのかを、所定時間前及び現時点における前記エリアセンサの検知状態の変化に基づいて検出することにある。
これは、前記第6の特徴に記載の開閉装置に対応した開閉制御方法の発明である。
【発明の効果】
【0024】
本発明の開閉装置及び開閉制御方法によれば、非接触スイッチを用いて、開閉体の開閉停の各動作を制御できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来のロールスクリーン装置の概略構成を示す正面図である。
図2】本発明に係る開閉装置の一例であるロールスクリーン装置の概略構成を示す正面図である。
図3図2のロールスクリーン装置を左側から見た側面図である。
図4図2及び図3のロールスクリーン装置のモータの駆動を制御する制御システムを構築する入出力端子台、モータドライブ基板及びパラメータ設定ユニットの接続関係の概略を示す図である。
図5図2のパラメータ設定ユニットを内蔵した入出力端子台の一例を示す図である。
図6】この実施の形態に係る開閉装置の入出力端子台が実行する処理の一例を示すフローチャート図である。
図7】この実施の形態に係る開閉装置のモータドライブ基板が実行する処理の一例を示すフローチャート図である。
図8】この実施の形態に係る開閉装置のパラメータ設定ユニットが実行する処理の一例を示すフローチャート図である。
図9図6のステップS212において、非接触スイッチからの検知信号に基づいて入出力端子台が実行する検知信号処理の一例を示す図である。
図10】3個のエリアセンサの各エリアフラグの状態に対応して出力される信号を選択するための64個の変換パターンを持つ変換テーブルの一例を示す図である。
図11】2個のエリアセンサの各エリアフラグの状態に対応して出力される信号を選択するための16個の変換パターンを持つ変換テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下添付図面に従って本発明に係る開閉装置の好ましい実施の形態について説明する。図2は、本発明に係る開閉装置の一例であるロールスクリーン装置の概略構成を示す正面図である。図3は、図2のロールスクリーン装置を左側から見た側面図である。この実施の形態では開閉装置として上下に開閉(昇降)制御されるロールスクリーン装置を例に説明する。
【0027】
このロールスクリーン装置10は、構造物躯体の開口部上の天井部に直接又は他の部材を介して間接的に設けられたり、上方の梁に直接又は他の部材を関して間接的に設けられたりする。このロールスクリーン装置10は、それぞれ収納ボックス11、ガイドレール12,13、巻取シャフト14、合成繊維製布地からなるスクリーンカーテン15、及びウェイトバー16から構成される。
【0028】
このロールスクリーン装置10は、上方が開方向で下方が閉方向であり、上方の天井部等に収納ボックス11を備えている。ロールスクリーン装置10は、材質が合成繊維製布地(ポリエステルなど)からなるカーテン布からなるスクリーンカーテン15を巻取シャフト14に巻き取ったり巻戻したりすることによって、その先端側が出入口部を開閉移動するものである。このスクリーンカーテン15の両側にはファスナー部がその全長に渡って設けられている。このファスナー部は、ガイドレール12,13内に設けられたインナーレール内に挟み込まれて上下方向に自在に摺動するようになっている。このファスナー部は、通常のスライドファスナー(滑り式留金具)の噛み合う部分であるエレメントを利用したものである。このファスナー部は、エレメントが丹銅・アルミ・洋白などの金属で出来ている金属製ファスナーやエレメントがコイル状のポリエステル樹脂でできている樹脂ファスナーやポリアセタールなどの樹脂製のエレメントがテープに射出成型されたビスロンファスナーなどで構成される。
【0029】
ガイドレール12,13内にインナーレールが設けられているが、その図示は省略して示してある。図1では、スクリーンカーテン15の両側にガイドレール12,13がその全長に渡って設けられているように示してあるが、実際はガイドレール12,13内にインナーレールが設けられており、カーテン布の両側は、このガイドレール12,13内に挟み込まれて上下方向に自在に摺動するような構成になっている。
【0030】
巻取シャフト14は、収納ボックス11内の左右両側側面の内壁面に設けられた軸受け部(図示せず)とロールエンド部(図示せず)との間に回転可能に取り付けられている。スクリーンカーテン15は、その一端部が巻取シャフト14に取り付けられており、その他端部にウェイトバー16が取り付けられており、収納ボックス11の下端部に設けられたスリット状の出入口に案内されるようになっている。従って、スクリーンカーテン15は、巻取シャフト14の回転に応じて、巻取シャフト14に巻き取られたり、スリット状の出入口から繰り出されたりするようになっている。なお、巻取り時にスクリーンカーテン15が収納ボックス11内で弛んだりした場合の異常状態を検出するための異常検出センサ(図示せず)が収納ボックス11の内壁面に取り付けられている。スクリーンカーテン15の閉鎖側先端部に、障害物検知装置が設けてあってもよい。
【0031】
巻取シャフト14は、中空パイプ形状をしており、この中空部分に内挿された電動モータ17によって回転制御される。電動モータ17の本体外側と巻取シャフト14の内側とが固定され、電動モータ17の出力軸が軸受け部に回転しないようにボルトなどで固定されている。従って、電動モータ17が正方向に回転することによって、スクリーンカーテン15は繰り出されるように閉(下降)動作し、逆方向に回転することによってスクリーンカーテン15は巻き取られるように開(上昇)動作する。すなわち、電動モータ17を正逆方向に回転させることによって開閉体であるスクリーンカーテン15の開閉動作を制御している。
【0032】
この実施の形態において、ロールスクリーン装置10の電動モータ17の駆動を制御する開閉装置は、入出力端子台21、モータドライブ基板22及びパラメータ設定ユニット23から構成される。入出力端子台21は、マイクロコンピュータ構成になっており、電源ライン(図示せず)を介して外部から200[V]又は100[V]の交流電圧が供給されており、交流電圧を24[V]の直流電圧に変換し、電源ケーブルを介して、モータドライブ基板22に供給している。
【0033】
入出力端子台21には、3点式の押しボタンやブザー、プルスイッチ、起動用センサ、信号灯、回転灯、ブザー、各種センサ(障害物感知用の光電センサなど)、リモコン用制御回路などの各構成部品が接続される。入出力端子台21は、ロールスクリーン装置10の全体動作を制御するマイクロコンピュータを内蔵しており、押しボタンの操作状態に対応した制御信号やモータドライブ基板22からの信号などに基づいて、所定の処理モードに従って処理を実行し、電動モータ17の回転を制御する。
【0034】
入出力端子台21は、処理モードを実行するためのプログラムや処理実行に必要な各種パラメータを記憶したメモリ等を内蔵している。入出力端子台21は、パラメータ設定ユニット23を内蔵しており、パラメータ設定信号又は変更信号に基づいて、各種処理モードのパラメータの設定変更を実行できるようになっている。パラメータとして設定される値は、パラメータの用途に応じて、数値や数値以外の値(例えば、処理モード内容を指定する文字列、記号等)である。
【0035】
パラメータ設定ユニット23を内蔵した入出力端子台21は、ガイドレール13の前面側の平坦部に配置されている。本明細書において、図2の開口部に沿った方向の紙面手前方向及び図3の左側をガイドレール12の前面側とし、この反対側を背面側とする。パラメータ設定ユニット23は、入出力端子台21に接続された各構成部品に割り当てられた各パラメータをメモリのアドレスとして管理し、任意のパラメータが設定変更された場合、その設定変更されたパラメータのアドレスを削除せずに残しておき、変更後のパラメータをメモリの別のアドレスに格納することによって、設定値を更新する。これによって、パラメータのデフォルト値は不変となり、変更後のアドレスに基づいて、設定変更されたメモリ内のパラメータにアクセスすることができると共にパラメータの変更履歴を適宜管理できるようにしてある。
【0036】
モータドライブ基板22は、巻取シャフト14及び電動モータ17の下方であって、収納ボックス11内の床面上のスペースに配置される。電動モータ17には、その回転位置すなわちスクリーンカーテン15の開閉位置と開閉状態を検出するためのパルス発生型のロータリーエンコーダ等で構成されるリミットスイッチ(図示せず)が設けられている。モータドライブ基板22は、このリミットスイッチから出力される電動モータ17の回転に応じたパルス信号を入力し、電動モータ17の回転位置やスクリーンカーテン15の閉鎖側先端部の開口部における位置などを、このパルスの発生状況に基づいて演算にて求め、それを入出力端子台21に送信する
【0037】
図4は、図2及び図3のロールスクリーン装置のモータの駆動を制御する制御システムを構築する入出力端子台、モータドライブ基板及びパラメータ設定ユニットの接続関係の概略を示す図である。入出力端子台21とモータドライブ基板22との間、入出力端子台21とパラメータ設定ユニット23との間は、それぞれRS-485の通信ケーブル30,31によって接続されている。RS-485は、アメリカ電子工業会(EIA)により規定されたバス型接続ネットワークシステムの物理層規格であり、マルチポイント接続可能な通信方式である。従って、同じバス上で複数のデバイスを接続することができるので、この実施の形態では、1台の入出力端子台21で、モータドライブ基板22及びパラメータ設定ユニット23の両方を管理している。また、これ以外のデバイスの増減や配置変更も適宜可能である。
【0038】
なお、図4では、入出力端子台21とモータドライブ基板22との間、入出力端子台21とパラメータ設定ユニット23との間は、電源ケーブル32,33を介して直流電圧(電力)が供給される。また、図4では、モータドライブ基板22は、電動モータ17に設けられたリミットスイッチ18からのシャッター位置情報を示す信号を受信し、それに基づいて電動モータ17を制御する。
【0039】
入出力端子台21には、非接触式センサを内蔵した3点式の押しボタン24が接続されている。これ以外にも入出力端子台21には、ブザー、プルスイッチ、起動用センサ、信号灯、回転灯、ブザー、各種センサ(障害物感知用の光電センサなど)、リモコン用制御回路などの各種構成部品から出力される状態変化を示す制御信号がそれぞれ入力される。入出力端子台21は、これら各種構成部品から出力される状態変化を示す制御信号を入力した時点で、それに対応した処理を実行するために、通信ケーブル30,31経由でモータドライブ基板22及び/又はパラメータ設定ユニット23に制御信号を送信する。
【0040】
モータドライブ基板22は、通信ケーブル30経由で入力された入出力端子台21からの制御信号に基づいて、電動モータ17の回転を制御する。このとき、電源ケーブル32から供給される直流電圧を交流電圧に変換して、電動モータ17を制御する。また、モータドライブ基板22は、電動モータ17に設けられたリミットスイッチ18からのシャッター位置情報を示す信号を受信し、それに基づいて電動モータ17を制御すると共にシャッター位置情報を示す信号を通信ケーブル30経由にて入出力端子台21に送信する。
【0041】
図5は、図2のパラメータ設定ユニットを内蔵した入出力端子台の一例を示す図である。入出力端子台21は、パラメータ設定ユニット23の他に開閉停の3点式の押しボタン24及び非接触スイッチ25を内蔵している。入出力端子台21は、ガイドレール13の前面側であって、開口部への進入時に操作者が操作しやすい位置に設けてある。3点式の押しボタン24は、開閉停の各動作に対応した制御スイッチとして、上昇(開)ボタン241、停止(停)ボタン242、下降(閉)ボタン243をそれぞれ有し、各押しボタン24の操作状態に応じた制御信号(上昇(開)信号、停止(停)信号、下降(閉)信号)を、通信ケーブル経由で入出力端子台21のマイクロコンピュータに出力する。なお、この3点式の押しボタン24に代えて無線型リモコンスイッチを用いて操作できるようにしてもよい。
【0042】
非接触スイッチ25は、3点式の押しボタン24の上昇(開)ボタン241、停止(停)ボタン242、下降(閉)ボタン243の左側に隣接して設けられたエリアセンサ25a~25cから構成される。3個のエリアセンサ25a~25cは、3点式の押しボタン24の配列方向(図5では上下方向又は開閉方向)に沿った各ボタンの左側近傍に配置されている。この非接触スイッチ25は、近赤外線距離限定反射式のエリアセンサ25a~25cで構成され、点線で示す手指40などの反射物がエリアセンサ25a~25cに接近した状態を検知し、その検知信号を通信ケーブル経由にて入出力端子台21のマイクロコンピュータに出力する。このエリアセンサ25a~25cの検知範囲は、上昇(開)ボタン241、停止(停)ボタン242、下降(閉)ボタン243の左側であって、センサ手前の約5~15[cm]の領域(エリア)A,B,Cである。なお、エリアセンサ25a~25cは、3点式の押しボタン24の上昇(開)ボタン241、停止(停)ボタン242、下降(閉)ボタン243の右側に隣接して設けてもよい。手指40は、人間の手指のみならず、例えば義手の手指や鉛筆、ペン等の人間の手指に似た細長い物体を含むものである。
【0043】
エリアセンサ25a~25cは、点線で示す領域(エリア)A,B,Cに物体である手指40が位置する場合にその手指40の存在を検知する。エリアセンサ25a~25cから構成される非接触スイッチ25からの検知信号を入力した入出力端子台21は、その検知信号に基づいて検知信号処理を実行する。この検知信号処理は、物体である手指40の動きに応じて非接触スイッチ25から出力される検知信号に基づいて、3点式の押しボタン24の上昇(開)ボタン241、停止(停)ボタン242、下降(閉)ボタン243が操作されたのと同じ状態を検出する処理である。なお、図5では、点線で示す領域(エリア)A,B,Cが重複しないようにしてあるが、重複するようなエリアを設定してもよい。また、各領域(エリア)A,B,Cの離間距離は、手指40が標準的な大人の大きさの場合に、2個のエリアA,B、又はエリアB,Cに同時にかざすことのできるが、3個のエリアA~Cに同時に一つの手指40をかざすことができないような大きさが好ましい。すなわち、隣接する2個のエリアセンサ25a及び25b、25b及び25cは、一つの手指40を同時に検知することができるような位置にそれぞれ離間して配置されていることが好ましい。なお、3個のエリアA~C又は上下両端の離間したエリアA,Cに同時に手指をかざす場合には、両方の手指をかざすことによって対応可能である。なお、非接触スイッチ25からの検知信号に対応した処理の詳細については後述する。
【0044】
パラメータ設定ユニット23は、パラメータ表示部231、エンタースイッチ232、モード選択スイッチ233、及びスクロールスイッチ234,235を備えている。パラメータ表示部231は、パラメータの設定変更用の文字や画像を表示するものであり、入出力端子台21のパラメータメモリ等に記憶されている各種処理モードのパラメータを読み出して、それを画面上に表示すると共にパラメータ設定変更時における各種処理画面等を表示する。エンタースイッチ232は、パラメータ設定ユニット23のパラメータ設定処理モードを起動スイッチ、設定変更するパラメータを決定するためのスイッチ、また設定変更されたパラメータ値を確定するためのスイッチなどとして機能する。モード選択スイッチ233は、パラメータ表示部231の表示画面の表示モードを選択するスイッチとして機能する。スクロールスイッチ234,235は、パラメータ表示部231の表示画面に表示されている内容を上下方向にスクロールさせるスイッチとして機能する。
【0045】
例えば、スクロールスイッチ234,235を操作すると、パラメータ表示部231の表示画面に表示されているパラメータが上下方向に移動するので、設定変更を希望するパラメータを表示させ、そのパラメータの文字が反転表示されている状態で、エンタースイッチ232を操作することによって、該当するパラメータの設定変更が可能な状態となり、設定変更するパラメータに設定可能な設定値が全て表示される。この状態で、さらに、スクロールスイッチ234,235を操作して、表示された設定可能な設定値を上下方向に移動させて所望の設定値を選択し、エンタースイッチ232を操作することによって、設定変更するパラメータの設定値が新たなパラメータとして選択設定される。
【0046】
図6は、この実施の形態に係る開閉装置の入出力端子台が実行する処理の一例を示すフローチャート図である。図7は、この実施の形態に係る開閉装置のモータドライブ基板が実行する処理の一例を示すフローチャート図である。図8は、この実施の形態に係る開閉装置のパラメータ設定ユニットが実行する処理の一例を示すフローチャート図である。以下、これらのフローチャート図を用いて開閉装置が実行する処理の一例を説明する。
【0047】
図6に基づいて入出力端子台21が実行する処理の一例について説明する。
ステップS211では、接続されている各種構成部品から状態変化を示す信号が入力したか否かの判定を行い、状態が変化した(yes)場合は、次のステップS212に進み、そうでない(no)場合はステップS213にジャンプする。ここで状態変化を示す信号は、例えば、3点式の押しボタン24からの押圧操作信号、非接触スイッチ25からの検知信号、プルスイッチからの操作信号、起動用センサからの起動信号、障害物感知用の光電センサからの感知信号などがそれぞれ対応する。
【0048】
ステップS212では、接続されている各種構成部品から入力した状態変化を示す信号に対応した制御信号をモータドライブ基板22に通信ケーブル30経由で送信する。例えば、3点式の押しボタン24からの押圧操作信号を入力した場合、それぞれの開閉停の押しボタン241~243に対応した開閉停の制御信号をモータドライブ基板22に送信する。また、非接触スイッチ25からの検知信号に基づいて検知信号処理を実行し、開閉停の制御信号をモータドライブ基板22に送信する。さらに、障害物感知用の光電センサから感知信号を入力した場合、閉動作停止信号をモータドライブ基板22に送信する。
【0049】
ステップS213では、通信ケーブル30経由で信号を受信したか否かの判定を行い、受信した(yes)場合は、次のステップS214に進み、そうでない(no)場合はリターンする。
ステップS214では、受信した信号に対応した処理を実行する。例えば、受信した信号がモータドライブ基板22からの処理終了信号又はモータドライブ基板22からのリミットスイッチ18のシャッター位置情報を示す信号の場合、その処理終了信号及びシャッター位置情報に基づいて、スクリーンカーテン15の開閉停の処理が終了したこと及び終了時におけるスクリーンカーテン15の位置を認識し、その後の処理に利用する。また、受信した信号がパラメータ設定ユニット23からのパラメータ設定に関する信号の場合、そのパラメータ設定に関する信号に基づいて、入出力端子台21の各種処理モードのパラメータを変更し、設定変更の終了を示す信号をパラメータ設定ユニット23に通信ケーブル31経由で送信する。
【0050】
図7に基づいてモータドライブ基板22が実行する処理の一例について説明する。
ステップS221では、通信ケーブル30経由で信号を受信したか否かの判定を行い、受信した(yes)場合は、次のステップS222に進み、そうでない(no)場合はリターンする。
ステップS222では、受信した信号に対応した処理を実行する。例えば、受信した信号が入出力端子台21からの3点式の押しボタン24の押圧操作信号の場合、非接触スイッチ25からの検知信号に基づいた開閉停の制御信号の場合、障害物感知用の光電センサから感知信号に基づいた閉動作停止信号の場合、各信号に応じてスクリーンカーテン15の開閉停の処理を実行する。
【0051】
ステップS223では、スクリーンカーテン15の開閉停のどの動作を実行中であるのかその状態を示す信号、又はリミットスイッチ18のシャッター位置情報を示す信号などを入出力端子台21に通信ケーブル30経由で送信する。
【0052】
ステップS224では、ステップS222の受信信号対応処理が終了したか否か、すなわち、開閉停の各動作が終了したか否かの判定を行い、終了した(yes)場合は、次のステップS225に進み、そうでない(no)場合は動作が終了するまでステップS222にリターンする。
ステップS225では、開閉停の各動作が終了したので、終了信号を通信ケーブル30経由にて入出力端子台21に送信する。
【0053】
図8に基づいてパラメータ設定ユニット23が実行する処理の一例について説明する。
ステップS231では、図5に示すような各スイッチが操作されたか否かの判定を行い、操作された(yes)場合は、次のステップS232に進み、そうでない(no)場合はステップS233にジャンプする。
【0054】
ステップS232では、操作されたスイッチに対応した制御信号を入出力端子台21に通信ケーブル31経由で送信する。例えば、パラメータ設定ユニット23のエンタースイッチ232、モード選択スイッチ233、及びスクロールスイッチ234,235が操作された場合、各スイッチに対応した制御信号を入出力端子台21に通信ケーブル31経由で送信する。
【0055】
ステップS233では、通信ケーブル31経由で信号を受信したか否かの判定を行い、受信した(yes)場合は、次のステップS234に進み、そうでない(no)場合はリターンする。
ステップS234では、受信した信号に対応した処理を実行する。例えば、受信した信号が入出力端子台21からのパラメータ設定変更の終了を示す信号の場合、その信号に基づいて、パラメータの設定変更が完了したことをパラメータ表示部231に表示する。
【0056】
図9は、図6のステップS212において、非接触スイッチからの検知信号に基づいて入出力端子台が実行する検知信号処理の一例を示す図である。この実施の形態では、非接触スイッチ25を構成するエリアセンサ25a~25cにそれぞれ対応したカウントレジスタRa~RcとエリアフラグFa~Fcを用いて処理を実行する。カウントレジスタRa~Rcは、下限値「0」から上限値「10」までの値を格納するものであり、「0」よりも下の値、「10」よりも上の値をカウントしない構成になっている。
【0057】
ステップS251では、各エリアセンサ25a~25cの検出可能なエリアA~Cに、物体である手指40が存在するか否かを検出し、存在する(yes)場合は次のステップS252に進み、検出していない(no)場合はステップS253にジャンプする。
ステップS252では、物体である手指40の存在を検出したエリアA~Cに対応するカウントレジスタRa~Rcをカウントアップする。
ステップS253では、物体である手指40の存在を検出しなかったエリアA~Cに対応するカウントレジスタRa~Rcをカウントダウンする。
【0058】
ステップS254では、カウントレジスタRa~Rcの中でカウント値が「10」のものがあるか否か判定し、カウント値が「10」(yes)のものについては次のステップS255に進み、それ以外の「0」~「9」(no)のものについてはステップS256にジャンプする。
ステップS255では、カウント値が「10」のカウントレジスタRa~Rcに対応するエリアフラグFa~Fcに「1」を立てる(セットする)。
【0059】
ステップS256では、カウントレジスタRa~Rcの中でカウント値が「0」のものがあるか否か判定し、カウント値が「0」(yes)のものについては次のステップS255に進み、それ以外の「1」~「10」(no)のものについてはステップS258にジャンプする。
ステップS257では、カウント値が「0」のカウントレジスタRa~Rcに対応するエリアフラグFa~Fcを消す、すなわち「0」にリセットする。
ステップS258では、ステップS251の判定から1[msec]経過するまで判定を行う。すなわち、この判定によって、エリアA~Cについて、物体である手指40が存在するか否かのサンプリング処理を1[msec]毎に実行する。なお、このサンプリング処理の時間は一例であり、これ以上でもこれ以下でもよい。
【0060】
ステップS259では、ステップS255及びS257の処理によって書き換えられたエリアフラグFa~Fcの状態に対応した信号出力処理を実行する。図10は、3個のエリアセンサの各エリアフラグの状態に対応して出力される信号を選択するための64個の変換パターンを持つ変換テーブルの一例を示す図である。図10の変換テーブルは、エリアフラグFa~Fcの前の状態(現時点から所定時間前の状態)と現在の状態(現時点の状態)のデータ並びに基づいて、上昇信号、停止信号、下降信号のいずれを出力するかを決定するものである。この上昇信号、停止信号、下降信号は、約100[msec]の1ショット信号として出力される。
【0061】
図10の変換テーブルにおいて、データ並び「000」~「111」は、エリアフラグFa,Fb,Fcの順番にその状態を並べたものであり、3桁の2進数で表現される。データ並び「000」~「111」の中の「0」は、対応するエリアセンサ25a~25c前に手指40が存在しないことを示し、「1」は、対応するエリアセンサ25a~25c前に手指40が存在することを示している。従って、データ並び「000」はエリアセンサ25a~25c前に手指40が存在しないことを示す。データ並び「001」はエリアセンサ25c前に、データ並び「010」はエリアセンサ25b前に、データ並び「011」はエリアセンサ25b,25c前に、データ並び「100」はエリアセンサ25a前に、データ並び「101」はエリアセンサ25a,25c前に、データ並び「110」はエリアセンサ25a,25b前に、データ並び「111」はエリアセンサ25a~25c前に、それぞれ手指40が存在することを示す。図6の場合は、エリアセンサ25a前に手指40が存在するので、データ並びは「100」となる。
【0062】
図10の変換テーブルによれば、前の状態のデータ並びと現在の状態のデータ並びとが同じ場合、すなわち手指40による動きとして検出されず、静止している場合には、信号出力は行わない。また、前の状態のデータ並びに係わらず、現在の状態のデータ並びが「000」の場合、すなわち手指40がエリアセンサ25a~25cの検知範囲であるエリアA~Cに存在しなくなった場合も同様に信号出力は行わない。前の状態のデータ並びが「010」で、現在の状態のデータ並びが「111」又は「101」の場合、すなわちエリアセンサ25bの一箇所に存在する手指40が全てのエリアセンサ25a~25cに存在するような動きとして検出された場合、又はエリアセンサ25bに存在する手指40がその上下のエリアセンサ25a,25cの二箇所に存在するような動きとして検出された場合にも、信号出力は行わない。
【0063】
前の状態のデータ並びが「111」で、現在の状態のデータ並びが「010」又は「101」の場合、すなわち全てのエリアセンサ25bに存在する手指40が中央のエリアセンサ25bの一箇所に存在するような動きとして検出された場合、又は全てのエリアセンサ25bに存在する手指40がその上下のエリアセンサ25a,25cの二箇所に存在するような動きとして検出された場合にも、信号出力は行わない。前の状態のデータ並びが「101」で、現在の状態のデータ並びが「010」又は「111」の場合、すなわち上下のエリアセンサ25a,25cの二箇所に存在する手指40が中央のエリアセンサ25bの一箇所に存在するような動きとして検出された場合、又は上下のエリアセンサ25a,25cの二箇所に存在する手指40が全てのエリアセンサ25a~25cに存在するような動きとして検出された場合にも、信号出力は行わない。
【0064】
前の状態のデータ並びが「000」で、現在の状態のデータ並びが「000」以外(「001」,「011」,「010」,「110」,「100」,「111」,「101」)の場合、すなわちエリアセンサ25a~25c前に存在しなかった手指40が、エリアセンサ25a~25cの少なくとも一箇所の前に存在するような動きとしてそれぞれ検出された場合には、停止信号を出力する。
【0065】
前の状態のデータ並びが「001」で、現在の状態のデータ並びが「000」及び「001」以外(「011」,「010」,「110」,「100」,「111」,「101」)の場合、すなわちエリアセンサ25cの一箇所に存在する手指40が、データ並び「011」のエリアセンサ25b,25cの二箇所に存在するような動き、データ並び「010」のエリアセンサ25bの一箇所に存在するような動き、データ並び「110」のエリアセンサ25a,25bの二箇所に存在するような動き、データ並び「100」のエリアセンサ25aの一箇所に存在するような動き、データ並び「111」の全てのエリアセンサ25a~25cに存在するような動き及びデータ並び「101」の上下のエリアセンサ25a,25cの二箇所に存在するような動きとしてそれぞれ検出された場合には、手指40が3点式の押しボタン24の配列方向(上下方向)に沿って上方向(正方向)に動いたものと判断し、上昇信号を出力する。
【0066】
前の状態のデータ並びが「011」で、現在の状態のデータ並びが「001」の場合、すなわちエリアセンサ25b,25cの二箇所に存在する手指40が、データ並び「001」のエリアセンサ25cの一箇所に存在するような動きとして検出された場合には、手指40が3点式の押しボタン24の配列方向(上下方向)に沿って下方向(逆方向)に動いたものと判断し、下降信号を出力する。一方、前の状態のデータ並びが「011」で、現在の状態のデータ並びが「011」,「010」,「110」,「100」,「111」,「101」の場合、すなわちエリアセンサ25b,25cの二箇所に存在する手指40が、データ並び「011」のエリアセンサ25b,25cの二箇所に存在するような動き、データ並び「010」のエリアセンサ25bの一箇所に存在するような動き、データ並び「110」のエリアセンサ25a,25bの二箇所に存在するような動き、データ並び「100」のエリアセンサ25aの一箇所に存在するような動き、データ並び「111」の全てのエリアセンサ25a~25cに存在するような動き及びデータ並び「101」の上下のエリアセンサ25a,25cの二箇所に存在するような動きとして検出された場合に、上昇信号を出力する。
【0067】
前の状態のデータ並びが「010」で、現在の状態のデータ並びが「001」又は「011」の場合、すなわちエリアセンサ25bの一箇所に存在する手指40が、データ並び「001」のエリアセンサ25cの一箇所に存在するような動き、又はデータ並び「011」のエリアセンサ25b,25cの二箇所に存在するような動きとして検出された場合は、下降信号を出力する。一方、前の状態のデータ並びが「010」で、現在の状態のデータ並びが「110」又は「100」の場合、すなわちエリアセンサ25bの一箇所に存在する手指40が、データ並び「110」のエリアセンサ25a,25bの二箇所に存在するような動き、データ並び「100」のエリアセンサ25aの一箇所に存在するような動きとして検出された場合には、上述と同様に判断し、上昇信号を出力する。
【0068】
前の状態のデータ並びが「110」で、現在の状態のデータ並びが「001」,「011」,「010」,「111」,「101」の場合、すなわちエリアセンサ25a,25cの二箇所に存在する手指40が、データ並び「001」のエリアセンサ25cの一箇所に存在するような動き、又はデータ並び「011」のエリアセンサ25b,25cの二箇所に存在するような動き、データ並び「111」の全てのエリアセンサ25a~25cに存在するような動き及びデータ並び「101」の上下のエリアセンサ25a,25cの二箇所に存在するような動きとして検出された場合には、上述と同様に判断し、下降信号を出力する。一方、前の状態のデータ並びが「110」で、現在の状態のデータ並びが「100」の場合、すなわちエリアセンサ25a,25cの二箇所に存在する手指40が、データ並び「100」のエリアセンサ25aの一箇所に存在するような動きとして検出された場合には、上述と同様に判断し、上昇信号を出力する。
【0069】
前の状態のデータ並びが「100」で、現在の状態のデータ並びが「000」及び「100」以外(「001」,「011」,「010」,「110」,「111」,「101」)の場合、すなわちエリアセンサ25aの一箇所に存在する手指40が、データ並び「001」のエリアセンサ25cの一箇所に存在するような動き、データ並び「011」のエリアセンサ25b,25cの二箇所に存在するような動き、データ並び「010」のエリアセンサ25bの一箇所に存在するような動き、データ並び「110」のエリアセンサ25a,25bの二箇所に存在するような動き、データ並び「111」の全てのエリアセンサ25a~25cに存在するような動き及びデータ並び「101」の上下のエリアセンサ25a,25cの二箇所に存在するような動きとしてそれぞれ検出された場合には、上述と同様に判断し、下降信号を出力する。
【0070】
前の状態のデータ並びが「111」又は「101」で、現在の状態のデータ並びが「001」又は「011」の場合、すなわちエリアセンサ25a~25cの全て又は上下のエリアセンサ25a,25cの二箇所に存在する手指40が、データ並び「001」のエリアセンサ25cの一箇所に存在するような動き、データ並び「011」のエリアセンサ25b,25cの二箇所に存在するような動きとして検出された場合には、上述と同様に判断し、下降信号を出力する。一方、前の状態のデータ並びが「111」又は「101」で、現在の状態のデータ並びが「110」又は「100」の場合、すなわちエリアセンサ25a~25cの全て又は上下のエリアセンサ25a,25cの二箇所に存在する手指40が、データ並び「110」のエリアセンサ25a,25bの二箇所に存在するような動き、データ並び「100」のエリアセンサ25aの一箇所に存在するような動きとして検出された場合には、上述と同様に判断し、上昇信号を出力する。
【0071】
上述のように、この実施の形態では、非接触スイッチ25を構成するエリアセンサ25a~25cの検知エリアA~Cで手指40をかざして上から下へ移動することによって下降信号が出力され、逆に下から上へ移動することによって上昇信号が出力されるので、スクリーンカーテン15の開閉停の各動作を非接触にて制御することができる。なお、メンテナンス時には、エリアセンサ25a~25cのいずれかや通信ケーブル等が故障の可能性もあることを考慮して、より確実に開閉停操作できるようにするために、接触式である3点式の押しボタン24に対応して開閉停の動作を実行することが望ましい。
【0072】
図10の実施の形態では、前の状態のデータ並びと現在の状態のデータ並びに基づいて開閉停の各動作を決定する場合を説明したが、データ並びの一連の変化パターンに基づいて開閉停の各動作を決定してもよい。例えば、データ並びが「100」→「110」→「001」、「100」→「110」→「011」、「100」→「010」→「001」、「100」→「010」→「011」、「100」→「011」→「001」、「110」→「010」→「001」、「110」→「010」→「011」、「110」→「010」→「001」、「110」→「010」→「011」のように、そのタイミング毎にエリアフラグFa,Fb,Fcの順番に「1」がセットされるような一連の変化パターンを示した場合は、検知エリアA~Cで手指40が上から下へ移動したと判断して下降信号を出力する。
【0073】
逆に、データ並びが「001」→「011」→「100」、「001」→「011」→「110」、「001」→「010」→「100」、「001」→「010」→「110」、「001」→「110」→「100」、「011」→「010」→「100」、「011」→「010」→「110」、「011」→「010」→「100」、「011」→「010」→「110」、「011」→「110」→「100」のように、そのタイミング毎にエリアフラグFc,Fb,Faの順番に「1」がセットされるような変化パターンを示した場合は、検知エリアA~Cで手指40が下から上へ移動したと判断して上昇信号を出力する。同じデータ並びが連続して検知された場合には、停止信号を出力する。これ以外の一連の変化パターンでは何もしない。
【0074】
上述の実施の形態では、3個のエリアセンサ25a~25cを設ける場合について説明したが、2個のエリアセンサを設けるようにしてもよい。この場合、2個のエリアセンサ25a,25bを、図5に示した上昇(開)ボタン241と停止(停)ボタン242との間と、停止(停)ボタン242と下降(閉)ボタン243との間であって、2個のエリアに同時に一つの手指40をかざすことができるような位置に設けることが好ましい。図11は、2個のエリアセンサ25a,25bの各エリアフラグの状態に対応して出力される信号を選択するための16個の変換パターンを持つ変換テーブルの一例を示す図である。図11の変換テーブルは、エリアフラグFa,Fbの前の状態と現在の状態のデータ並びに基づいて、上昇信号、停止信号、下降信号のいずれを出力するかを決定するものである。
【0075】
図11の変換テーブルによれば、前の状態のデータ並びと、現在の状態のデータ並びが同じ場合、すなわち手指40による動きとして検出されない場合には、信号出力は行わない。また、前の状態のデータ並びに係わらず、現在の状態のデータ並びが「00」の場合、すなわち手指40がエリアセンサ25a,25bの検知範囲であるエリアA,Bに存在しなくなった場合も同様に信号出力は行わない。前の状態のデータ並びが「00」で、現在の状態のデータ並びが「01」,「10」,「11」の場合、すなわちエリアセンサ25a,25b前に存在しなかった手指40が、エリアセンサ25a,25bの少なくとも一箇所の前に存在するような動きとしてそれぞれ検出された場合には、停止信号を出力する。
【0076】
前の状態のデータ並びが「01」で、現在の状態のデータ並びが「10」,「11」の場合、すなわちエリアセンサ25bの一箇所に存在する手指40が、データ並び「10」のエリアセンサ25aの一箇所に存在するような動き、データ並び「11」のエリアセンサ25a,25bの二箇所に存在するような動きとしてそれぞれ検出された場合には、上述と同様に判断し、上昇信号を出力する。
【0077】
前の状態のデータ並びが「10」で、現在の状態のデータ並びが「01」,「11」の場合、すなわちエリアセンサ25aの一箇所に存在する手指40が、データ並び「01」のエリアセンサ25bの一箇所に存在するような動き、データ並び「11」のエリアセンサ25a,25bの二箇所に存在するような動きとして検出された場合には、上述と同様に判断し、下降信号を出力する。
【0078】
前の状態のデータ並びが「11」で、現在の状態のデータ並びが「01」の場合、すなわちエリアセンサ25a,25bの二箇所に存在する手指40が、データ並び「01」のエリアセンサ25bの一箇所に存在するような動きとして検出された場合には、上述と同様に判断し、下降信号を出力する。一方、前の状態のデータ並びが「11」で、現在の状態のデータ並びが「10」の場合、すなわちエリアセンサ25a,25bの二箇所に存在する手指40が、データ並び「10」のエリアセンサ25aの一箇所に存在するような動きとして検出された場合には、上述と同様に判断し、上昇信号を出力する。
【0079】
図11の実施の形態では、前の状態のデータ並びと現在の状態のデータ並びに基づいて開閉停の各動作を決定する場合を説明したが、データ並びの一連の変化パターンに基づいて開閉停の各動作を決定してもよい。例えば、データ並びが「10」→「11」→「01」のような変化パターンを示した場合は、検知エリアA,Bで手指40が上から下へ移動したと判断して下降信号を出力する。逆に、データ並びが「01」→「11」→「10」のような変化パターンを示した場合は、検知エリアA,Bで手指40が下から上へ移動したと判断して上昇信号を出力する。同じデータ並びが連続して検知された場合には、上述と同様に判断し、停止信号を出力する。これ以外の一連の変化パターンでは何もしない。
【0080】
図10及び図11の実施の形態において、エリアフラグFa~Fcに「1」が立っている場合に点灯するように動作するLEDを、図5の上昇(開)ボタン241、停止(停)ボタン242、下降(閉)ボタン243の近傍に設けてもよい。LEDの点灯状態を視認することによって、エリアセンサ25a~25cにおける手指40の検知状態、すなわちデータ並びの一連の変化パターンを容易に認識することができると共に手指40の動きをLEDの点灯表示に合わせて操作するで、その操作性を向上させることができる。
【0081】
上述の実施の形態では、上昇(開)ボタン241、停止(停)ボタン242、下降(閉)ボタン243からなる押しボタン24とエリアセンサ25a~25cからなる非接触スイッチ25との両方を設ける場合について説明したが、押しボタン24を省略して、非接触スイッチ25のみを設けてもよい。
【0082】
上述の実施の形態では、上昇(開)ボタン241、停止(停)ボタン242、下降(閉)ボタン243又はエリアセンサ25a~25cを用いて、マニュアルモードにて開閉停を制御する場合について説明したが、人の動きを検知して自動的に開閉停を制御できるオートモードに切り替えられるようにしてもよい。この場合、図10におけるデータ並び「101」又は「111」のように、上下両端の離間したエリアA,C又は3個のエリアA~Cに両方の手指をかざさないと実現できないような特別な場合を、マニュアルモードとオートモードとの切り替え信号の出力として利用してもよい。
【0083】
上述の実施の形態では、ガイドレール12の前面にパラメータ設定ユニット23を内蔵した入出力端子台21を設ける場合について説明したが、ガイドレール12及び/又は13に入出力端子台21を設けてもよい。この場合に、その通信ケーブル30は、インナーレール外であって、かつガイドレール12及び/又は13の内部に配置されており、カーテン15とは干渉しない位置に配置されることが好ましく、またガイドレール12及び/又は13の上方から直接に収納ボックス11内に配線されていることが好ましい。このように構成すれば、通信ケーブル30が外部に露出するのを避けることができる。このときに入出力端子台21の配置位置は、大人が操作し易い位置が好ましく、ガイドレール12及び/又は13の高さにもよるが、通常の建物等を考慮すると、ガイドレール12及び/又は13の上部や下方を避けた高さ方向における中央位置付近が好ましい。
【0084】
上述の実施の形態では、パラメータ設定ユニット23を内蔵した入出力端子台21を例に説明したが、パラメータ設定ユニット23と入出力端子台21をガイドレール12及び/又は13に分離した位置にそれぞれ設けてもよい。上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出されるスクリーンカーテンを例に説明したが、開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。
開閉部材が上下昇降方式であって、上昇で閉鎖となり、下降で開放となるように構成されている場合には、開ボタン241と閉ボタン243の並び方向は、上側が閉ボタン243で下側が開ボタン241とされている。また、開閉部材が横引き方式あるいは水平方式で繰り出される場合には、繰り出される方向、言い換えれば閉鎖方向と対応して閉ボタン243が開ボタン241よりも閉鎖方向側に位置するように設けられている。これらの場合、閉ボタン243および開ボタン241と、エリアセンサ25a~25cの配置関係については上方が開放方向である上下昇降方式と同様である。
【0085】
上述の実施の形態では障害物感知装置を設けない場合について説明したが、ウェイトバー近傍および/または開口部近傍に障害物感知装置を設けてもよい。この場合、障害物感知装置として、座板スイッチ、テープスイッチなどのように障害物に当接することによって障害物を検出するものやこれ以外に非当接にて障害物を検出可能なものを用いてもよい。例えば、非当接にて障害物を検出するものとして、開閉部材の両側に赤外光の発光素子と受光素子を設けたり、開口部を挟んで赤外光の発光素子と受光素子を設けたりして、赤外光が遮断された場合に障害物を検出するものなどがある。開口部近傍に障害物等や人を感知した場合、下降動作を停止するように構成することが好ましい。
【符号の説明】
【0086】
10…ロールスクリーン装置
11…収納ボックス
12,13…ガイドレール
14…巻取シャフト
15…スクリーンカーテン
16…ウェイトバー
17…電動モータ
18…リミットスイッチ
20…制御盤
21,21a…入出力端子台
22…モータドライブ基板
23…パラメータ設定ユニット
231…パラメータ表示部
232…エンタースイッチ
233…モード選択スイッチ
234…スクロールスイッチ
24…押しボタン
241…上昇(開)ボタン
242…停止(停)ボタン
243…下降(閉)ボタン
25…非接触スイッチ
25a~25c…エリアセンサ
30,31…通信ケーブル
32…電源ケーブル
33…押しボタン
40…手指
Fa~Fc…エリアフラグ
図1
図2
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図11