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特許6995955商品販売処理装置、商品販売処理装置に用いられるプログラム
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  • 特許-商品販売処理装置、商品販売処理装置に用いられるプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】商品販売処理装置、商品販売処理装置に用いられるプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
G07G1/12 321P
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020157692
(22)【出願日】2020-09-18
(62)【分割の表示】P 2016081665の分割
【原出願日】2016-04-15
(65)【公開番号】P2020201994
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2020-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇賀神 智行
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-281632(JP,A)
【文献】特開平9-330479(JP,A)
【文献】特開2009-15661(JP,A)
【文献】特開2011-227938(JP,A)
【文献】特開2008-165426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品コードを取得する第1の取得手段と、
会員情報を取得する第2の取得手段と、
第1のボタンを含む会計処理画面を表示部に表示する表示手段と、
前記第1の取得手段によって取得した商品コードに基いて商品の販売登録を行う第1の登録手段と、
前記第1のボタンの操作後に、前記第2の取得手段によって前記会員情報を取得した場合に、前記操作の直前に前記第1の登録手段によって販売登録した情報と前記会員情報による特典データとに基いて再度商品の販売登録を行う第2の登録手段と、
を備える商品販売処理装置。
【請求項2】
前記会員情報による特典データは、前記会員情報毎に付与されるポイントのデータを含み、
前記第2の登録手段は、前記第1のボタンが操作されたあとで、前記第2の取得手段によって前記会員情報が取得された場合に、前記第1の登録手段によって販売登録された情報に前記ポイントを付与して累計ポイントを算出する請求項1記載の商品販売処理装置。
【請求項3】
前記会員情報による特典データは、会員割引のデータを含み、
前記第2の登録手段は、前記第1のボタンが操作されたあとで、前記第2の取得手段によって前記会員情報が取得された場合に、前記第1の登録手段によって販売登録した情報に前記会員割引のデータによる値割引を適用して合計金額を算出する請求項1記載の商品販売処理装置。
【請求項4】
前記第1の登録手段による商品の販売登録の情報を記憶手段に記憶し、
前記第2の登録手段は、前記第1のボタンが操作されたとき、前記記憶手段に記憶された販売登録の情報を読み出して再度商品の販売登録の処理を行い、処理後の販売登録の情報を前記記憶手段に記憶する請求項1記載の商品販売処理装置。
【請求項5】
記表示手段は、前記表示部に、商品の販売登録画面と、支払画面と、ポイント情報画面を含む前記会計処理画面を表示し、前記第2の登録手段による商品の販売登録内容を表示する請求項1記載の商品販売処理装置。
【請求項6】
商品販売処理装置に、
商品コードを取得する第1の取得機能と、
会員情報を取得する第2の取得機能と、
第1のボタンを含む会計処理画面を表示部に表示する表示機能と、
前記第1の取得機能によって取得した商品コードに基いて商品の販売登録を行う第1の登録機能と、
前記第1のボタンの操作後に、前記第2の取得機能によって前記会員情報を取得した場合に、前記操作の直前に前記第1の登録機能によって販売登録した情報と前記会員情報による特典データとに基いて再度商品の販売登録を行う第2の登録機能と、
を実現させるための商品販売処理装置に用いられるプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、POS(Point Of Sales)端末等の商品販売処理装置に係り、特に、会員カードの提示が遅れたときの再登録処理を実行可能な商品販売処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、コンビニエンスストア、スーパー、量販店等の様々な店舗においては、POS端末等の商品販売処理装置を用いて商品の販売登録を行い、会計処理を行っている。また会計処理の際に、店舗(企業)で取り扱う会員カード(ポイントカード)を提示することで、値割引、ポイントの付与等が行われている。
【0003】
会員カードの所有者は、会計処理の際に会員カードを提示することで、会員割引が受けられたり、販売価格に応じて、或いは予め設定した条件を満たす場合にポイントが付与され、販売価格からポイント分がディスカウントされる。このポイントは、例えば本部に設置されるサーバによって管理される。或いは、顧客が所有する会員カードにポイントの情報を格納して管理するようにしている。
【0004】
しかしながら、会計処理の際に、会員カードの所有者がカードの提示を忘れたり、カードの提示が遅れた場合などは、販売登録の終了後に会員カードが提示されることがある。このため、POS端末の操作者は、商品の販売登録をやり直し、改めてポイントの付与等を行う必要があり、会計待ちをしている他の顧客に迷惑をかけてしまうという不具合を生じることがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-174576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明が解決しようとする課題は、販売登録の終了後に会員カードが提示された場合でも、短時間で商品販売の再登録が行えるようにした商品販売処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る商品販売処理装置は、商品コードを取得する第1の取得手段と、会員情報を取得する第2の取得手段と、第1のボタンを含む会計処理画面を表示部に表示する表示手段と、前記第1の取得手段によって取得した商品コードに基いて商品の販売登録を行う第1の登録手段と、前記第1のボタンの操作後に、前記第2の取得手段によって前記会員情報を取得した場合に、前記操作の直前に前記第1の登録手段によって販売登録した情報と前記会員情報による特典データとに基いて再度商品の販売登録を行う第2の登録手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る商品販売処理装置の外観を示す斜視図。
図2】一実施形態に係る商品販売処理装置の構成を示すブロック図。
図3】一実施形態におけるポイントデータベースのデータ構成を示す説明図。
図4】一実施形態において表示される会計処理画面の一例を示す説明図。
図5】一実施形態における再登録処理時の会計処理画面の一例を示す説明図。
図6】一実施形態における商品販売登録の処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付す。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、一実施形態に係る商品販売処理装置の外観を示す斜視図である。商品販売処理装置として、以下の説明では、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で会計業務に使用されるPOS(Point Of Sales)端末を例に説明する。
【0011】
図1において、POS端末10は、本体11の上面にタッチパネル式のディスプレイ12と、客用のディスプレイ13を備えている。操作者は、ディスプレイ12にタッチすることで各種の入力が可能である。客用のディスプレイ13は、顧客側に向けられ、顧客は客用のディスプレイ13を見ることで商品の金額などを確認することができる。POS端末10の前面部には、キーボード14を設けており、本体11の下側には、ドロワ15を引出自在に設けている。
【0012】
さらに、POS端末10は、レシートなどの記録媒体に画像を形成するプリンタ16を備えている。またPOS端末10には、スキャナ17が接続されている。スキャナ17は、商品に貼付された商品コード(商品データ)を、例えば光学的に読み取る。またPOS端末10は、カードリーダ18を備えている。カードリーダ18は、会員カード19(ポイントカード)、クレジットカード、デビッドカード等からカード情報を読み取る。カードリーダ18は、会員カード19への情報の追加、更新を行うことができるリード/ライトタイプである。
【0013】
図2は、実施形態に係る商品販売処理装置(POS端末10)の構成を示すブロック図である。POS端末10は、コントローラであるCPU(中央制御装置)20と、CPU20に対してバスライン201を介して接続されたROM(リードオンリーメモリ)21、RAM(ランダムアクセスメモリ)22、及び記憶部23を含む。
【0014】
バスライン201には、さらに、キーボード14、ドロワ15、プリンタ16、スキャナ17、カードリーダ18、通信インターフェイス(I/F)24が接続されている。またバスライン201には、ディスプレイコントローラ25が接続され、ディスプレイコントローラ25にはタッチパネル式のディスプレイ12及び客用ディスプレイ13が接続されている。
【0015】
CPU20は、制御の中枢として機能する。ROM21は、POS端末10の制御プログラム等のデータを記憶している。RAM22は、POS端末10のメインメモリとして機能し、各種のデータを一時的に記憶する。POS端末10に各種の処理を実行させるためのプログラム(例えば販売登録のためのプログラム)は、ROM21に格納されており、CPU20は、このプログラムをRAM22に展開して実行することにより、POS端末10の各部の制御を行う。
【0016】
記憶部23は、商品に固有に割り当てられる商品コード毎に単価を格納する商品マスタ231と、一取引の内容を格納するトランザクションファイル232とを含む。
【0017】
キーボード14は、PLU(Price Look Up)キー、預かりキー、取消キー、および置数キー等で構成された機械式のキーボードであり、押下げられた操作キーに応じた信号をCPU20に通知する。プリンタ16は、取引の明細等を印字したレシートを発行する。スキャナ17は、例えば操作者が操作するハンディタイプのスキャナであり、商品に貼付されたバーコードを例えば光学的に読み取って商品コードをデコードする。デコードされた商品コードは、CPU20に通知される。
【0018】
カードリーダ18は、例えば、ICタイプまたは磁気タイプのカードリーダであり、店舗の会員カード19、クレジットカード、デビッドカード等からカード情報を読み取り会員情報を取得する。また、例えば、会員カード19にバーコード等で会員情報が記されている場合は、このバーコード等を、スキャナ17を用いて読み取り会員情報を取得してもよい。したがって、カードリーダ18またはスキャナ17は、会員情報取得部の役割をになう。カードリーダ18(又はスキャナ17)が読み取ったカード情報(会員情報)は、CPU20に通知される。尚、以下の説明では、カードリーダ18によってカード情報を読取る例を述べる。
【0019】
通信I/F24は、LAN(Local Area Network)等のネットワーク回線202に接続され、ネットワーク回線202を介してサーバ30等の外部機器とデータ通信を行う。
【0020】
ディスプレイコントローラ25は、表示制御部を構成するもので、CPU20からの指令に応じて、タッチパネル式のディスプレイ12の画面表示を制御する。またタッチパネルから出力される信号に基づいてディスプレイ12に表示されたGUI(Graphical user Interface)の操作を監視し、いずれかのGUIが操作されると、操作内容をCPU20に通知する。尚、以下の説明では、GUIの操作、即ちディスプレイ12に表示された画面にタッチすることを、「操作」と呼ぶこともある。
【0021】
ディスプレイ12は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示部であり、販売登録画面、支払画面、および各種設定用の画面等を表示する。客用ディスプレイ13は、例えば、販売登録された商品の名称や価格、取引の合計金額、釣り銭額等を選択的に表示する。またディスプレイコントローラ25は、CPU20からの指令に応じて客用ディスプレイ13の画面表示を制御する。
【0022】
サーバ30は、演算装置であるCPU31と、ハードディスクドライブ等の記憶部32と、POS端末10と通信を行う通信インターフェイス(I/F)33を備える。記憶部32は、会員情報毎、例えば顧客に固有に割り当てられる会員ID毎にポイント残高を格納するポイントデータベース(DB)321等を含む。会員カード19は、磁気カードやICカードなどの読み書き可能な記憶媒体である。
【0023】
尚、図2では、サーバ30に1つのPOS端末10を接続した例を示しているが、サーバ30には、複数のPOS端末を接続することができ、各POS端末での売上金額等をサーバ30で管理するようにしている。
【0024】
図3は、ポイントデータベース321のデータ構成の一例を示す図である。図3に示すように、ポイントデータベース321は、会員情報、例えば顧客に固有に割り当てられる識別子である「会員ID」と、顧客情報である顧客の「氏名」及び顧客の「電話番号」と、前回のポイント残高を示す「ポイント残高」等を格納する。
【0025】
次に、POS端末10の動作について説明する。POS端末10が会計業務モードに設定され、スキャナ17によって商品コードが読み取られると、図4に示すような会計処理画面が表示される。会計処理画面は、販売登録画面41、支払画面42、確定ボタン44を含み、これらがディスプレイ12に表示される。販売登録画面41には、例えば商品名、単価、数量(点数)、値割引、金額(販売額)等の項目を含む商品データの明細が、販売登録された順(NO.1,2…で示す)に表示される。
【0026】
図4では、販売登録画面41の第1行目(No.1)に商品名「レディススカート」の明細が表示され、第2行目(NO.2)に商品名「ニットワンピース」の明細が表示された例を示している。なお、図4の例では、いくつかの商品が販売登録された状態を示しているが、販売登録処理の当初においては、販売登録画面41の明細エリアには商品データは表示されていない。またディスプレイ12には、販売登録画面41以外に、購入した商品の金額(小計/点数)と外税、及びそれらの合計金額で構成される支払画面42が表示される。
【0027】
また操作者が確定ボタン44にタッチすることで、商品の販売登録が実行され、商品の取引内容の情報(商品明細や金額など)が、記憶部23の所定の記憶領域に記憶される。また商品の販売登録内容の情報がPOS端末10からサーバ30に送信され、サーバ30の記憶部32に保存される。
【0028】
尚、図4の会計処理画面は、会員カード19の提示がない場合の例を示しているが、会員カード19の所有者がカード19の提示を忘れていたり、カード19が中々見つからずにカードの提示が遅れた場合などは、POS端末10で会計処理が行われた後に会員カード19が提示されることがある。このため、POS端末の操作者は、直前の商品取引内容の情報を取消した上で、スキャナで各商品の商品コードを再スキャンして商品登録をやり直し、かつ会員カードをカードリーダで読取り、会員値引きやポイント付与の手続きを行う必要がある。したがって、会計待ちをしている他の顧客を待たせることになり、迷惑をかけてしまうという不具合を生じることがある。
【0029】
そこで、実施形態では、ディスプレイコントローラ25の制御のもとに、会計処理画面に特定の操作ボタン、例えば再登録ボタン51を表示するようにしている。操作者は、再登録ボタン51にタッチすることで、再登録処理が可能となる。即ち、会計処理の完了後に顧客から会員カード19(ポイントカード)が提示された場合、操作者が再登録ボタン51にタッチすると、ディスプレイコントローラ25は、再登録ボタン51にタッチする直前の商品の取引内容の情報を記憶部23(又は記憶部32)から読み出し、再登録用の販売登録画面を生成してディスプレイ12に自動的に表示する。また会員カード19の読取りにより、ポイント付与や会員値引き(値割引)の入力を行うことが可能になる。以下、具体的に説明する。
【0030】
操作者が、再登録ボタン51にタッチすると、ディスプレイコントローラ25は、再登録ボタン51が操作されたことを感知し、ディスプレイ12に、図5に示すような会計処理画面を表示する。図5の会計処理画面には、販売登録画面41、支払画面42、ポイント情報画面43が表示され、再登録ボタン51は、登録ボタン52に切替えて表示される。
【0031】
つまり、図4の再登録ボタン51の押下により、押下直前の商品取引内容の情報が記憶部23(又は記憶部32)から読み出され、ディスプレイコントローラ25は、読み出した情報をもとに再登録用の販売登録画面41を生成する。そして、ディスプレイ12に、図5に示すような販売登録画面41を自動的に表示する。また提示された会員カード19の情報をカードリーダ18で読み取ることで、CPU20は、販売登録画面41に表示された商品の登録データ(金額やポイント)を会員カードの特典データをもとに再計算する。
【0032】
会員カードの特典として、例えばポイント付与や会員値引き(値割引)がある場合、特典データ(ポイント、値割引)をもとに商品の登録データが再計算される。例えば、会員カード19の提示により、ポイントが付与される場合には、ポイント情報画面43に、前回のポイント残高を示す「前回ポイント残」のほかに商品の新規購入に伴って発行される「今回ポイント」、及び前回ポイント残に今回ポイントが加算された「累計ポイント」が表示される。
【0033】
また会員カード19の提示により、会員値引きが適用される場合には、販売登録画面41の値割引の項目に値割引の金額が表示される。また支払画面42の小計、外税、合計は、会員値引きが適用された金額に修正されて表示される。
【0034】
そして、再登録の処理後、操作者が登録ボタン52にタッチすると、商品の販売登録が実行され、記憶部23に先に記憶された販売登録内容が削除され、会員カード19の特典データ(ポイント、値割引)に基づいて商品の登録データが再計算された販売登録内容が記憶される。またPOS端末10からサーバ30に再計算された販売登録内容の情報が送信され、記憶部32に先に記憶された販売登録内容は削除され、再計算により修正された販売登録内容の情報が保存される。また会員カード19には、累計ポイントが更新記録される。さらに再登録処理が実行されたあと、プリンタ16により商品取引内容が印字され、レシートが出力される。
【0035】
尚、再登録の処理は、次の顧客の販売登録が実行される前に再登録ボタン51にタッチされた場合に限られ、新たな顧客が購入した商品の販売登録処理が開始されたとき(商品コードがスキャナで読み取られたとき)は、前の顧客による商品の再登録は実行されない。
【0036】
図6は、POS端末10による商品の販売登録(再登録)の処理を示すフローチャートである。図6のフローチャートは、CPU20の制御のもとに実行される。
【0037】
尚、ディスプレイコントローラ25は、ディスプレイ12に、商品の販売登録画面41を含む会計処理画面を表示するとともに、会計処理画面に含まれる特定の操作ボタン(再登録ボタン51)が操作されたとき、操作の直前の取引内容の情報をもとに、図5に示すような再登録用の販売登録画面41を生成して表示する表示制御部を構成する。
【0038】
またCPU20は、図4又は図5の販売登録画面41に表示された商品の販売登録処理を行い、かつ再登録ボタン51の操作後に、カードリーダ18によって会員カード19の会員情報が読み取られたとき、図5の販売登録画面41に表示された商品の登録データを、会員カード19による特典データを基に再計算して販売登録処理を行う登録処理部を構成する。
【0039】
以下、図6のフローチャートを説明する。先ず通常の販売登録処理では、スキャナ17により商品に貼付された商品コード(バーコード)が読み取られると、CPU20は、ディスプレイコントローラ25を制御して、ディスプレイ12に、図3に示すような会計処理画面を表示する。会計処理画面には、販売登録画面41、支払画面42、確定ボタン44、再登録ボタン51が表示される。
【0040】
ここで、POS端末10で会計処理が行われた後(確定ボタン44が操作される前、又は確定ボタン44が操作された後)に、顧客から会員カード19が提示されたとき、操作者は、図6のAct.1(動作1)で、会計処理画面の再登録ボタン51にタッチする。再登録ボタン51が操作されると、CPU20は、ディスプレイコントローラ25を制御し、Act.2で、ディスプレイ12に図5に示す会計処理画面を表示する。Act.2では、再登録ボタン51が操作される直前の取引の内容が記憶部23から読み出されて、図5の会計処理画面に販売登録画面41が表示される。
【0041】
Act.3で、カードリーダ18によって会員カード19を読取ると、CPU20は、Act.4で再計算処理を実行する。即ち、POS端末10は、読み取った会員カード19の会員IDをサーバ30に送信し、会員IDに基づいて、ポイントデータベース321に格納されている前回のポイント残高を問い合わせる。
【0042】
サーバ30は、POS端末10からの問い合わせに対し、受信した会員IDに基づいてポイントDB321を検索し、該当する会員IDの前回のポイント残高を読み出してPOS端末10に送信する。そして、図5のポイント情報画面43に商品の購入に伴って付与される「今回ポイント」を表示するとともに、「前回ポイント残」に「今回ポイント」を加算した「累計ポイント」を計算して表示する。
【0043】
また会員値引きが適用される場合、CPU20は、Act.5で会計操作を行う。即ち、販売登録画面41の値割引の項目に割引金額を表示し、合計金額から割引金額を減算して金額項目に表示する。また支払画面42には、金額(小計/点数)を表示するとともに、小計金額に基づく外税を計算して税額を表示し、小計金額と税額を加算して合計金額を表示する。
【0044】
そして、操作者が図5の会計処理画面の登録ボタン52にタッチすると、商品の販売登録が実行され、POS端末10からサーバ30に修正された販売登録内容が送信される。サーバ30のCPU31は、記憶部32に先に記憶された販売登録内容の情報を削除して、修正された販売登録内容を記憶部32に保存する。また再登録処理が実行されたあと、プリンタ16により商品取引内容が印字され、レシートが出力される。
【0045】
以上述べたように、実施形態によれば、顧客が会員カードの提示を忘れていたり、会員カードが中々見つからず顧客からの会員カードの提示が遅れた場合であっても、特定のボタン(再登録ボタン)を操作することで、簡単に短時間で再登録を行うことができる。したがって、会員カードの提示忘れにより発生していた、店舗及び顧客双方の後戻り作業のための労力を削減することができる。
【0046】
尚、第1の実施形態において、ディスプレイ12に表示される販売登録画面41の内容は一例を示したに過ぎず、他の項目を表示するなど任意に設定することができる。またカードリーダ18は、POS端末10内に設ける例を説明したが、POS端末に接続可能な外部装置としてのカードリーダを使用して、カード情報を読取り、書込みするようにしても良い。
【0047】
また、特定のボタンとして「再登録ボタン」を例に説明したが、画面上に特定の形のボタンや特定の色のボタンを表示し、それらを操作したときに再登録の処理を行うようにしても良い。
【0048】
尚、本発明のいくつかの実施形態を述べたが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0049】
10…POS端末(商品販売処理装置)
12…タッチパネル式のディスプレイ
17…スキャナ
18…カードリーダ
19…会員カード
20…CPU
21…ROM
22…RAM
25…デイプレイコントローラ(表示制御部)
30…サーバ
41…販売登録画面
42…支払画面
43…ポイント情報画面
51…再登録ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6