(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】半導体デバイス及び半導体デバイスを製造する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20220107BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20220107BHJP
H01L 29/778 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
H01L29/80 U
H01L29/80 H
(21)【出願番号】P 2020500626
(86)(22)【出願日】2018-10-16
(86)【国際出願番号】 CN2018110419
(87)【国際公開番号】W WO2019076299
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-03-27
(31)【優先権主張番号】201710959834.9
(32)【優先日】2017-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518335137
【氏名又は名称】ダイナックス セミコンダクター インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DYNAX SEMICONDUCTOR,INC.
【住所又は居所原語表記】No.18,Chenfeng Road, Yushan Zhen Kunshan, Jiangsu 215300 China
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ナイキアン
(72)【発明者】
【氏名】ウ,シンシン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シンチュアン
【審査官】杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-081124(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106252310(CN,A)
【文献】特開2009-033097(JP,A)
【文献】特開2017-174937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/778
H01L 29/812
H01L 21/338
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性領域と該活性領域の外側に位置する不活性領域とを備える半導体デバイスであって、
基板と、
前記基板の一方の側に形成された半導体層であって、前記活性領域に配置された第1の半導体層と前記不活性領域に配置された第2の半導体層とを備える、半導体層と、
前記活性領域に形成されかつ前記半導体層の前記基板から離れる側に配置されたソース、ドレイン及びゲートであって、前記第2の半導体層は、前記ソースの少なくとも一端に近接する不活性領域に配置されている、ソース、ドレイン及びゲートと、
前記基板、前記第1の半導体層の少なくとも一部及び前記第2の半導体層の少なくとも一部を貫通するビアホールと、
を備える、半導体デバイス。
【請求項2】
前記基板の面に対する前記ビアホールの投影は、該基板の該面に対する前記ソースの投影と部分的にオーバーラップする、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記ソースの少なくとも一端は凹状構造として配置され、前記基板の面に対する前記ビアホールの投影は、該基板の該面に対する前記ソースの投影とオーバーラップしないか又は部分的にオーバーラップする、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記ソース及び前記第2の半導体層の前記基板から離れる面に相互接続金属層が配置されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記第1の半導体層及び前記第2の半導体層の前記基板から離れる側の前記ビアホールに対応する位置に、バリア層が配置されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記ソース、前記第2の半導体層及び前記バリア層の前記基板から離れる側の面に、相互接続金属層が配置されている、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記ソースは、前記半導体デバイスの前記基板から離れる側の面に形成され、又は、前記ソースを収容する凹部が、前記半導体層の前記基板から離れる側に配置され、該ソースは該凹部内に配置されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記ソースは前記凹部内に形成され、前記第2の半導体層に配置された前記ビアホールの底面と前記半導体層の前記基板から離れる面との間の高さの差は、250nm以下である、請求項7に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記ソースの2つの端部の各々に1つの前記ビアホールが設けられ、前記ソースの2つの端縁に設けられた2つの前記ビアホールの間の距離は、前記ゲートの幅の1/4以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記ビアホールの容積の1/6~5/6が、前記第2の半導体層内に配置されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記第2の半導体層の縁は弧状である、請求項1~6のいずれか1項に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記第2の半導体層は、前記相互接続金属層と前記不活性領域とがオーバーラップする領域における前記半導体層の一部である、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
半導体デバイスを製造する方法であって、
基板を準備することと、
前記基板の一方の側に半導体層を形成して活性領域及び不活性領域を形成することであって、前記半導体層は、前記活性領域に配置された第1の半導体層と前記不活性領域に配置された第2の半導体層とを備えることと、
前記活性領域において前記半導体層の前記基板から離れる側にソース、ドレイン及びゲートを形成することと、
前記ソースの前記半導体層から離れる側と前記第2の半導体層の前記基板から離れる側とに相互接続金属を形成することと、
前記基板の前記半導体層から離れる側から、前記基板、前記第1の半導体層の少なくとも一部、及び前記第2の半導体層の少なくとも一部を貫通するビアホールを形成することと、
を含む、半導体デバイスを製造する方法。
【請求項14】
前記相互接続金属を形成する前に、前記半導体層の前記基板から離れる側にエッチングストップ層を形成することであって、該エッチングストップ層は前記ビアホールの上方に配置されること、
を更に含む、請求項13に記載の半導体デバイスを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2017年10月16日に出願された中国特許出願第201710959834.9号の優先権を主張し、上述した中国特許出願によって開示された内容の全文を本出願の一部としてここに引用する。
【0002】
本発明は、半導体技術の分野に関し、詳細には、半導体デバイス及び半導体デバイスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ケイ素の第1世代半導体及びヒ化ガリウムの第2世代半導体と比較して、窒化ガリウムの半導体材料は、バンドギャップが広い、電子飽和ドリフト速度が高い、破壊電界強度が高い、及び高温に耐えることができる等、多くの利点を有し、それにより、高温、高圧、高周波数及び高出力を有する電子デバイスの製造により好適である。上述した利点に起因して、窒化ガリウムは、広範な応用の可能性があり、半導体産業の分野においてその研究が注目を浴びている。
【0004】
窒化ガリウムの高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、AlGaN/GaNヘテロ接合部において2次元電子ガスを使用して形成される窒化ガリウムデバイスであり、高周波数、高電圧及び高出力の分野に応用することができる。窒化ガリウムデバイスのパッケージングプロセス中、デバイスの利得を増大させ接地抵抗を低減させるために、一般に、ビアホール構造が使用される。
【0005】
目下、窒化ガリウムデバイスのビアホールの位置分布には主に2つの形態がある。一方の形態は、活性領域の同じ側においてソース金属PAD領域にビアホールを設けるというものである。他方の形態は、各活性領域におけるソースがビアホールを通して直接接地されるように、活性領域のソースの下方にビアホールを設けるというものである。こうした構造により、活性領域におけるソース-接地距離が低減し、それにより接地抵抗が低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
機械知能の開発により、チップに対するサイズ要件がより重要となるため、チップサイズをより小さくすることが、最新の半導体業界が注目している問題となった。現行の窒化ガリウム半導体分野において、小さいゲート幅を有するデバイスが必要とされる場合、ビアホールの間の距離は通常低減し、それにより、デバイスの放熱性能が大幅に低下する結果となり、相互インダクタンスまでももたらす可能性があり、それはデバイス性能に影響を与える。
【0007】
これに鑑みて、本発明の実施形態の目的は、上記問題を解決するために、半導体デバイス及び半導体デバイスを製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によって提供される技術的解決法は、以下の通りである。
【0009】
活性領域とこの活性領域の外側に位置する不活性領域とを備える半導体デバイスであって、
基板と、
基板の一方の側に形成された半導体層であって、活性領域に配置された第1の半導体層と不活性領域に配置された第2の半導体層とを備える半導体層と、
活性領域に形成されかつ半導体層の基板から離れる側に配置されたソース、ドレイン及びゲートであって、第2の半導体層は、ソースの少なくとも一端に近接する不活性領域に配置されている、ソース、ドレイン及びゲートと、
基板、第1の半導体層の少なくとも一部及び第2の半導体層の少なくとも一部を貫通するビアホールと、
を備える、半導体デバイス。
【0010】
さらに、基板の面に対するビアホールの投影は、この基板のこの面に対するソースの投影と部分的にオーバーラップする。
【0011】
さらに、ソースの少なくとも一端は凹状構造として配置され、基板の面に対するビアホールの投影は、この基板のこの面に対するソースの投影とオーバーラップしないか又は部分的にオーバーラップする。
【0012】
さらに、ソース及び第2の半導体層の基板から離れる面に相互接続金属層が配置されている。
【0013】
さらに、第1の半導体層及び第2の半導体層の基板から離れる側のビアホールに対応する位置に、バリア層が配置されている。
【0014】
さらに、ソース、第2の半導体層及びバリア層の基板から離れる側の面に、相互接続金属層が配置されている。
【0015】
さらに、ソースは、半導体デバイスの基板から離れる側の面に形成され、又は、ソースを収容する凹部が、半導体層の基板から離れる側に配置され、このソースはこの凹部内に配置されている。
【0016】
さらに、ソースは凹部内に形成され、第2の半導体層に配置されたビアホールの底面と半導体層の基板から離れる面との間の高さの差は、250nm以下である。
【0017】
さらに、ソースの2つの端部の各々に1つの上記ビアホールが設けられ、ソースの2つの端縁に設けられた2つの上記ビアホールの間の距離は、ゲートの幅の1/4以上である。
【0018】
さらに、ビアホールの容積の1/6~5/6が、第2の半導体層内に配置されている。
【0019】
さらに、第2の半導体層の縁は弧状である。
【0020】
さらに、第2の半導体層は、相互接続金属層と不活性領域とがオーバーラップする領域における半導体層の一部である。
【0021】
本発明は、半導体デバイスを製造する方法であって、
基板を準備することと、
基板の一方の側に半導体層を形成して活性領域及び不活性領域を形成することであって、半導体層は、活性領域に配置された第1の半導体層と不活性領域に配置された第2の半導体層とを備えることと、
活性領域において半導体層の基板から離れる側にソース、ドレイン及びゲートを形成することと、
ソースの半導体層から離れる側と第2の半導体層の基板から離れる側とに相互接続金属層を形成することと、
基板の半導体層から離れる側から、基板、第1の半導体層の少なくとも一部、及び第2の半導体層の少なくとも一部を貫通するビアホールを形成することと、
を含む、半導体デバイスを製造する方法を更に提供する。
【0022】
さらに、本方法は、
相互接続金属を形成する前に、半導体層の基板から離れる側にエッチングストップ層を形成することであって、このエッチングストップ層はビアホールの上方に配置されること、
を更に含む。
【0023】
本発明の実施形態では、ビアホールはソースの下方に設けられ、その一部は不活性領域に配置される。その結果、小型サイズのデバイスが製造される場合、ビアホールの一部が不活性領域にあるため、デバイスのサイズの低減に起因してビアホール間の距離が低減する場合であっても、その距離は、デバイスのサイズ要件を依然として満足させることができ、プロセスの難易度を増大させることなく、デバイスサイズを低減させることができる。同時に、上記距離は、デバイスの放熱に影響を与えず、かつ接地インダクタンスを増大させず、一方で、デバイスの性能を向上させることができる。
【0024】
本発明の目的、特徴及び利点をより明白かつ理解可能とするために、好ましい実施形態について、添付図面とともに詳細に説明する。
【0025】
本発明の実施形態の技術的解決法をより明確に例示するために、実施形態で使用する図面について以下簡単に説明する。以下の図面は、本発明の幾つかの特定の実施形態のみを例示しており、したがって、範囲を限定するものとしてみなされるべきではないということが理解されるべきである。当業者であれば、他の関連する図面もまた、発明の技能を行使することなくこれらの図面に従って得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態による半導体デバイスの概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による半導体デバイスにおけるソース、ドレイン及びゲートの一部の概略図である。
【
図3】
図2のAA’の方向における概略断面図である。
【
図4】
図2のBB’の方向における概略断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による半導体デバイスのソース、ドレイン及びゲートの一部の別の概略図である。
【
図6】
図5のCC’の方向における概略断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による半導体デバイスにおいてソースがエッチング半導体層の内側にある、概略断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による半導体デバイスを製造する方法の概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態における技術的解決法について、添付図面を参照して以下に明確にかつ完全に説明する。明らかに、記載する実施形態は、本発明の実施形態の全てではなく単に一部である。本明細書に記載し図面に例示する本発明の実施形態の構成要素は、概して、様々な異なる構成で配置し設計することができる。したがって、図面における本発明の実施形態の以下の詳細な説明は、本発明の範囲を限定するようには意図されておらず、単に、本発明の好ましい実施形態に言及するものである。当業者が発明の技能を行使することなく本発明の実施形態に基づいて得る他の全ての実施形態が、本発明の範囲内にある。
【0028】
以下の図面において同様の参照数字及び文字は同様の項目を示すことが留意されるべきである。したがって、図面において或る項目が定義されると、後続する図面においてその項目を更に定義し説明する必要はない。
【0029】
本発明者らは、ビアホールが金属PAD領域に設けられている構造により、デバイスの放熱に対するビアホールの影響が低減するが、活性領域の電流の全体の流れ方向が同じになりかつ分散されず、その結果、活性領域の金属フィンガーの間に相互インダクタンスがもたらされる、ということが分かった。さらに、こうした構造により、活性領域におけるソース-接地距離が増大し、すなわち、ソースの接地抵抗が増大し、それにより、デバイスの利得等、性能が影響を受ける。デバイスのサイズを低減させるためにビアホールの直径が低減する場合、デバイスの接地インダクタンスは直接増大し、プロセスの難易度が大幅に増大し、これは、製造応用によい結果をもたらさない。
【0030】
これに鑑みて、本出願の一実施形態は、半導体デバイス100を提供する。
図1~
図3に示すように、半導体デバイス100は、基板110、半導体層120、ソース130、ドレイン140及びゲート150を備える。
【0031】
図1を参照すると、半導体デバイス100は、活性領域10及び不活性領域20を備える。半導体層120は、活性領域10における第1の半導体層と不活性領域20における第2の半導体層121とを備える。第2の半導体層121は、ソースの少なくとも一端に近接する、不活性領域20における或る特定の領域の半導体層である。活性領域10の下方の2次元電子ガス、電子又は正孔が存在するのは、半導体デバイス100の動作領域である。不活性領域20の下方の2次元電子ガス、電子又は正孔が、MESAエッチングプロセス、イオン注入プロセス又は酸化分離プロセスによって排除又は分離されるのは、半導体デバイス100の内部動作領域ではない。
【0032】
図3を参照すると、基板110は、ケイ素、サファイア、炭化ケイ素、ヒ化ガリウムのうちの1種の材料から形成することができ、半導体層120は、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム又は窒化インジウムガリウムのうちの1種又は組合せから形成することができる。半導体層120を形成するプロセスにおいて、ソース130の一端又は両端に近接する不活性領域20における或る特定の領域の第2の半導体層121を貫通するように、ビアホール131の少なくとも一部が形成される。
【0033】
半導体層120の基板110から離れる側に、ソース130、ドレイン140及びゲート150が形成される。ソース130及びドレイン140は、金属材料、又は複数種の金属材料の複合材料とすることができる。ゲート150は、単層金属ゲート、又は2層金属若しくは多層ゲートの積層体の構造とすることができる。ソース130及びドレイン140は、オーミック接触電極とすることができ、ゲート150は、ショットキー接触電極とすることができる。ソース130及びドレイン140は、交互に配置することができ、ゲート150は、ソース130とドレイン140との間に櫛歯状形態で分散される。
【0034】
図1~
図4に更に示すように、半導体デバイス100は、ソースに対応しかつ基板110と半導体層の少なくとも一部とを貫通するビアホールを更に備える。特定の実施形態では、ソース130は、半導体層120の基板110から離れる側の面に形成することができ、基板110の面に対するビアホール131の投影は、基板の面に対するソース130の投影と部分的にオーバーラップする。ソース130は、ストリップ形状とすることができ、ビアホール131は、ソース130の下方で半導体層120を貫通する。同時に、ビアホール131は、第2の半導体層121を貫通することができる。
【0035】
半導体デバイス100の活性領域10に、複数のソース130、複数のドレイン140及び複数のゲート150を配置することができる。対応して、ソース130の各々に、ビアホール131を設けることができ、ビアホール131の数は、実際の要件に従って決定することができる。本出願の実施形態におけるビアホール131の一部は、第2の半導体層121に配置され、すなわち、ビアホール131の一部は、不活性領域20における第2の半導体層121に配置される。ビアホール131は、ソース130の2つの端部それぞれに設けることができ、2つのビアホール131は、ともに、不活性領域20の第2の半導体層121に部分的に配置され、その結果、デバイスのサイズを低減させるために2つのビアホール131が互いに近づく場合であっても、ビアホール131の一部を不活性領域20に配置し、2つのビアホール131の間の間隔を制御することにより、2つのビアホール131の間に相互インダクタンスは発生しない。
【0036】
ソース130を形成するためにオーミック金属を製造するプロセスにおいて、オーミック金属は、活性領域10においてソース領域のみを覆うことができ、又は、不活性領域20の第2の半導体層121の領域もまた覆うことができることを理解することができる。ソース130の上面形状は、(例えば、
図2において構造130によって示すように)規則的な4つの辺を有するストリップ形状とすることができる。オーミック金属が活性領域10におけるソース領域のみを覆う場合、ソース130は、不活性領域20に近接する一端又は両端において活性領域におけるビアホール131の形状に一致する凹状構造も有することができる。(例えば、
図5に示すように)凹状構造から露出する半導体層122の形状は、後に形成されるビアホール131の形状と同じであり、半導体層122の面積は、活性領域10におけるビアホール131の断面積以上である。基板の面に対するビアホール131の投影は、基板の面に対するソース130の投影とオーバーラップしないか、又は部分的にオーバーラップする。
【0037】
オーミック金属製造が完了した後、ビアホール131に対応する位置において半導体層120の基板110から離れる側に、バリア層132を形成することができる。バリア層132の形状は、ビアホール131の断面形状と一致し、面積は、その位置におけるビアホール131の接触面の面積以上である。バリア層132の材料は、1種の金属、又は複数種の金属の複合材料を採用することができ、例えば、バリア層は、金、タングステン、白金、チタン、ニッケル金属のうちの1種又は組合せを使用することによって形成することができる。確実に、相互接続金属層133を直接製造するために、このステップは省略することもできる。相互接続金属層133は、基板110から離れる半導体層120の活性領域10においてソース130の上を、かつ不活性領域20の第2の半導体層121の上を覆うことができる。ソース130が凹状構造を有する場合、相互接続金属層133は、同時に、凹状構造から露出した半導体層122を覆う。好ましくは、不活性領域における第2の半導体層は、相互接続金属層133及び不活性領域がオーバーラップする領域における半導体層120の一部である。
【0038】
ビアホール131は、金、金及び錫の合金等、少なくとも1種の導電性材料で充填することができ、導電性材料は、ソース電極に電気的に接続することができる。代替的に、ソース130は、導電性材料を充填することによって接地することができる。代替的に、ソース130の半導体層120から離れる側と第2の半導体層121の基板110から離れる側とに、相互接続金属の層を形成することができ、その結果、ソース130及びビアホール131は、接地配置を達成するように電気接続を形成する。ビアホール131の断面の形状は、円形、楕円形、正方形、くびれ(waist)等、任意の形状とすることができる。ビアホール131の縦断面の形状は、台形、正方形、又は他のプロセスによって容易に達成可能な任意の形状とすることができる。
【0039】
図2及び
図4に示すように、ビアホール131は、ソース電極130の各々の2つの端部の下方に設けられる。ゲート幅Lもまた、半導体デバイス100の異なるサイズに従って対応して変更することができる。代替的に、2つのビアホール131の最も近い境界の間の距離は、ゲート幅Lの1/4以上である。放熱性能を向上させかつ相互インダクタンスを低減させるために、2つのビアホール131の最も近い境界の間の距離は、ゲート幅Lの1/4以上かつゲート幅Lの3/4以下である。代替的に、同じソース130の2つのビアホール131の最も近い境界の間の距離が、ゲート幅Lの1/4より小さくすることができる場合、不活性領域20に配置される第2の半導体層121のゲート幅方向における幅の範囲は、ビアホールの長さの1/6~5/6とすることができ、ここではビアホールの長さは、ソース130に最も近接するビアホール131の面における2つの最も遠い点の間のゲート幅方向における距離である。デバイスのサイズを低減させながら、デバイスの放熱等の優れた性能を確保するために、ゲート幅方向における第2の半導体層121の幅は、ビアホールの長さの1/3~2/3とすることができる。
【0040】
代替的に、ビアホール131の容積の1/6~6/6は活性領域10に配置され、ビアホール131の残りの部分は不活性領域20に配置され、これは、ビアホール131が、不活性領域20の第2の半導体層121に配置されることを意味する。不活性領域20と接触する第2の半導体層121の縁は、湾曲した角部又は面取りされた角部になるように形成することができる。湾曲した角部又は面取りされた角部の形状は、有効に先端放電を軽減しデバイス性能を向上させることができる。
【0041】
図5及び
図6に示すように、1つの実施形態では、
図6は、
図5のCC’方向における概略断面図である。ソースは、半導体層の基板から離れる側の面に形成され、オーミック金属は、活性領域10においてソースパターン領域のみを覆うことができる。不活性領域20に近接するソース130の2つの端部は、活性領域におけるビアホール131の形状と一致する凹状構造を有し、凹状構造から露出する半導体層122の形状は、活性領域10におけるビアホール131の形状と同じであり、又は、わずかに広い面積を有する。代替的に、ビアホール131の断面は、楕円形又はくびれ形状とすることができ、ソース130は、活性領域10におけるビアホール131の一端と一致する弧形状を有し、その結果、ソース130の両端は、弧状の凹状構造で形成される。凹状構造の曲率はビアホール131の曲率と一致することができることを理解することができる。
図6に示すように、第2の半導体層121に配置されるビアホール131の一部は、第2の半導体層121を貫通することができる。ソース130の金属の安定性からの影響又はビアホール131がエッチングされるときの損傷の発生を回避するために、ソース130が形成された後に、ビアホール131の対応する位置に、ビアホール131の断面図と同じ形状を有するエッチングストップ層132を予め設定することができる。エッチングストップ層の材料は、金属又は複数種の金属の複合材とすることができ、その結果、ソース130は、エッチングストップ層132を通してビアホール131内の導電性材料に接続される。代替的に、ソース130の半導体層120から離れる側と第2の半導体層121の基板110から離れる側とに、相互接続金属層133を形成することができ、その結果、ソース130の接地を達成するために、ソース130は、相互接続金属層133を通してビアホール131内の導電性材料に接続される。
【0042】
図7に示すように、別の特定の実施形態では、半導体層120に、ソースを収容する凹部が設けられ、ソースは、その凹部内に配置される。ビアホール131はソース130の少なくとも一端に設けられ、ビアホール131はソース130と部分的にオーバーラップする。上述した実施形態では、ソース130は、半導体層120の基板110側から離れる面に直接形成することができる。ソース130が凹部内に形成される場合、ビアホール131はソース130と部分的にオーバーラップし、第2の半導体層121におけるビアホール131の底面は、半導体層120の基板110から離れる面から高さの差を有することができ、この高さの差は250nm以下である。
【0043】
再び
図1に示すように、本出願の実施形態における半導体デバイス100は、ゲートパッド170及びドレインパッド160を更に備えることができる。ゲートパッド170は、不活性領域20に配置し、ゲート相互接続金属171及びゲート相互接続線172を通してゲート150に接続することができる。ドレインパッド160は、ドレイン相互接続金属161及びドレイン相互接続線162を通してドレイン140に接続することができる。ゲート相互接続線172及びドレイン相互接続線162は、金属又は他の金属から作製することができ、それは、本発明の実施形態では限定されない。半導体デバイス100は、複数のゲートパッド170、複数のドレインパッド160、複数のゲート相互接続金属171、複数のドレイン相互接続金属161、複数のゲート相互接続線172及び複数のゲート相互接続線162を備えることができる。
【0044】
本出願の実施形態は、以下のステップを含む、
図8に示すような半導体デバイス100を製造する方法を更に提供する。
【0045】
ステップS101、基板を準備する。
【0046】
ステップS102、基板の一方の側に半導体層を形成して活性領域及び不活性領域を形成し、ソースの少なくとも一端に近接する不活性領域における或る特定の領域の半導体層を第2の半導体層とする。
【0047】
不活性領域の半導体層に関して、真下に位置する2次元電子ガスは、メサエッチングプロセス(MESAエッチ)、イオン注入プロセス又は酸化分離プロセスにより、排除又は分離される。
【0048】
ステップS103、活性領域において半導体層の基板から離れる側にソース、ドレイン及びゲートを形成する。
【0049】
ソース130、ドレイン140及びゲート150は、フォトリソグラフィ、堆積又はエッチング等のプロセスによって形成することができ、又は、ソース130及びドレイン140が形成された後、不活性領域に対応する2次元電子ガスがイオン注入プロセス又は酸化分離プロセスにより除去された後、ゲート150を形成することができる。
【0050】
ステップS104、ソースの半導体層から離れる側と第2の半導体層の基板から離れる側とに相互接続金属層を形成し、その結果、ソースは、相互接続金属により、後に形成されるビアホールに接続される。
【0051】
相互接続金属を形成する前に、半導体層の基板から離れる側にエッチングストップ層材料を形成することができ、エッチングストップ層材料は、後に形成されるビアホールの上方に配置され、ソースと電気接続を形成する。エッチングストップ層材料を設けることにより、ビアホール131がエッチングされるときに他の構造への損傷を防止することができる。
【0052】
ステップS105、基板の半導体層から離れる側から、不活性領域において、ソースに対応し、かつ、基板、半導体層の少なくとも一部及び第2の半導体層の少なくとも一部を貫通するビアホールを形成する。
【0053】
ビアホールの構造は、上述した実施形態に記載したようなものとすることができ、詳細はここではこれ以上記載しない。ビアホールを形成する前に、基板110に対して、薄化、研削及び研磨等のプロセスを施すことができる。さらに、基板110の半導体層120から離れる側に裏面金属層を形成することができ、その結果、ソース130の接地を達成するために、ビアホール131内に充填された導電性材料を通して裏面金属にソース130を接続することができる。
【0054】
要約すると、本発明の実施形態では、ビアホールの一部は不活性領域に配置される。その結果、小型サイズのデバイスが製造される場合、ビアホールの一部が不活性領域にあるため、デバイスのサイズの低減に起因してビアホール間の距離が低減する場合であっても、その距離は、デバイスのサイズ要件を依然として満足させることができ、プロセスの難易度を増大させることなく、デバイスサイズを低減させることができる。同時に、上記距離は、デバイスの放熱に影響を与えず、かつ接地インダクタンスを増大させず、一方で、デバイスの性能を向上させることができる。
【0055】
本発明の記載において、別段指定又は限定のない限り、「設定され」、「取り付けられ」、「接続され」及び「結合され」という用語は、広義に使用され、例えば、固定された接続、着脱可能な接続又は一体化接続とすることができ、機械接続又は電気接続とすることもでき、直接接続、又は介在する構造体を介する間接的接続とすることもでき、2つの要素の内部連通とすることもできる。当業者であれば、場合によって、本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0056】
以下の図面において、同様の参照数字及び文字は同様の項目を示すことが留意されるべきである。したがって、図面において1つの項目が定義されると、後続する図面ではその項目について更に定義し説明する必要はない。
【0057】
本発明の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」及び「外」等の用語によって示される向き又は位置関係は、図面に示す向き若しくは位置関係、又は本発明の製品が使用されるときに慣例的に配置される向き若しくは位置関係に基づくことが留意されるべきである。それらの用語は、本発明を説明しその説明を簡略化する便宜のためのみのものであり、言及するデバイス又は構成要素が、特定の向きを有し、特定の向きで構成され操作されなければならないことを示し又は意味するものではなく、そのため、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に、説明における識別のためにのみ使用され、相対的な重要性を示すか又は意味するものとして解釈されるべきではない。
【0058】
上記説明は、本発明の好ましい実施形態のみを言及し、本発明を限定するようには意図されていない。当業者であれば、本発明に対して様々な変更及び変形を行うことができる。本発明の趣旨及び範囲内で行われるいかなる変更、均等の置換、改善等は、本発明の範囲内に含まれるように意図されている。
【符号の説明】
【0059】
100 半導体デバイス
10 活性領域
20 不活性領域
110 基板
120 半導体層
121 第2の半導体層
130 ソース
131 ビアホール
132 エッチングストップ層
133 相互接続金属層
140 ドレイン
150 ゲート
160 ドレインパッド
161 ドレイン相互接続金属
162 ドレイン相互接続線
170 ゲートパッド
171 ゲート相互接続金属
172 ゲート相互接続線