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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-17
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】電子機器およびプロジェクタ
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/16 20060101AFI20220107BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
G03B21/16
G03B21/00 E
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020520355
(86)(22)【出願日】2019-05-23
(86)【国際出願番号】 JP2019020392
(87)【国際公開番号】W WO2019225680
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2020-11-24
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2018/020099
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】300016765
【氏名又は名称】シャープNECディスプレイソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 亮祐
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/224992(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/027424(WO,A1)
【文献】特開2007-226266(JP,A)
【文献】特開2004-138911(JP,A)
【文献】特開2013-041307(JP,A)
【文献】特開2016-080957(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0273656(US,A1)
【文献】特開2003-005291(JP,A)
【文献】特開2008-026422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B21/00-21/10
21/12-21/13
21/134-21/30
33/00-33/16
H04N5/66-5/74
H05K7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送風機を有し、
前記複数の送風機は、光を投写レンズへ出力する照明光学系に搭載された、光変調を行う3つの液晶パネルのそれぞれを冷却し、前記3つの液晶パネルの前記投写レンズ側と反対側に、前記3つの液晶パネルのうちの2つの液晶パネルが対向する第1の方向に沿って並べられ、当該送風機のモータの回転軸が前記第1の方向に沿うように配置され、当該複数の送風機それぞれが冷却風を吹き出すための空気を外部から吸気するために当該複数の送風機それぞれに具備された複数の吸気口それぞれを前記第1の方向において互いに同じ向きに具備し、
前記複数の送風機それぞれは、前記吸気口が向いている方向と直交する方向を向いている吹き出し口を具備する電子機器。
【請求項2】
請求項に記載の電子機器において、
前記送風機の数は3つであり、前記3つの送風機それぞれは、前記3つの液晶パネルのそれぞれを冷却する電子機器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電子機器において、
前記複数の送風機のうち、前記3つの液晶パネルのうちの互いに対向する2つの液晶パネル以外の液晶パネルを冷却する送風機の吹き出し口から該送風機が冷却する液晶パネルまでの距離が、他の送風機の吹き出し口からそれぞれが冷却する液晶パネルまでの距離よりも短い電子機器。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載の電子機器において、
前記送風機は、その吹き出し口の高さが他の送風機の吹き出し口の高さと互いに同じである電子機器。
【請求項5】
請求項1からのいずれか1項に記載の電子機器において、
前記送風機は、前記第1の方向と直交する方向における吹き出し口の位置が他の送風機の前記第1の方向と直交する方向における吹き出し口の位置と互いに同じである電子機器。
【請求項6】
請求項1からのいずれか1項に記載の電子機器において、
前記送風機それぞれは、ブロアーファンである電子機器。
【請求項7】
請求項に記載の電子機器において、
前記送風機は、所定の吸気量が確保できる間隔で配置される電子機器。
【請求項8】
請求項1からのいずれか1項に記載の電子機器と、
前記投写レンズと、
光源とを有し、
前記電子機器は、前記光源からの光を入射し、前記入射した光を光変調するプロジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器およびプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
映像を投写する投写型表示装置を構成する主なモジュールには、ランプ、レーザー、LED(Light Emitting Diode)などの光源、照明光学系、投写レンズ、電子基板や電源がある。照明光学系にはDMD(Digital Mirror Device)または液晶パネルなどの光変調素子を用いて画像を生成する光学電子部品が実装されている。外部からの映像信号に応じて、電子基板が光変調素子を駆動するための駆動信号を生成する。ランプまたはレーザー/LEDの光源から強い光が照明光学系に送り込まれ、各光学部品を経て光変調素子に照射する。投写レンズが光変調素子からの射出光を拡大してスクリーンへ投影する。
【0003】
これらの過程において、電子部品には電気抵抗による発熱、光学部品には光の吸収による温度上昇が発生する。各部品には所望の性能を発揮するために許容温度を超えないように動作させる必要がある。そこで、装置内に複数の冷却ファンが実装され、冷却ファンからの送風が各部品を冷却して、許容温度を超えないように温度上昇を抑えている。また、液晶パネルには温度に応じて寿命時間が決まるため、さらに温度を下げる必要がある。
液晶パネルや周辺の光学部品を冷却するために、一般的には照明光学系の周辺に配置されたブロアーファンから吹き出された冷却風を、冷却ダクトを使用して液晶パネルや光学部品まで導いている。インテグレータおよびPBS(Polarizing Beam Splitter)が並んで配置される方向が映像の投写方向と直交する3LCD(Liquid Crystal Display)光学照明系においては、インテグレータの光軸方向に長く、インテグレータの光軸方向と直交する方向に短いため、照明光学系は長方形の光学レイアウトになる。
【0004】
図1は、一般的な3LCDの照明光学系におけるファンおよび液晶パネルの冷却用開口の配置の一例を示す図である。図1に示した例のように、一般的な3LCDの照明光学系では、3つの液晶パネルのうち2つの液晶パネルが対向する方向が長辺となる長方形の光学レイアウトになっており、3つの液晶パネルそれぞれを冷却するための3つのファンであるファン1001~1003をその短辺方向に並べて配置するケースが多い。
【0005】
図2は、一般的な3LCDの照明光学系におけるファンおよび液晶パネルの冷却用開口の配置の他の例を示す図である。図2に示した例のように、図1に示した例と比較してファンの吸気面積を広くとるために、照明光学系に対するファンの1つファン1004の配置角度を変えて配置するケースもある。
【0006】
また、一対のファンを投写レンズの両側にそれぞれ配置して、冷却を行う装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第3467697号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図1に示した配置では、冷却風が流れる流路(冷却ダクト)の幅W1001~W1003が狭くなってしまい、効率的な冷却が行われない。また、流路の長さが長さL1001,L1002と比較して長さL1003が長くなってしまい、これが冷却効率を下げる原因となってしまう。また、図2に示した配置では、ダクトによる導風で角度をつけると大きな圧力損失の原因になってしまう。また、特許文献1に記載されたような装置においては、3つの液晶パネルを冷却するファンの数が2つに限られてしまうという問題点がある。
このように、効率的な冷却を行うことができないという問題点がある。
【0009】
本発明の目的は、上述した課題を解決する電子機器およびプロジェクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の電子機器は、
複数の送風機を有し、
前記複数の送風機は、光を投写レンズへ出力する照明光学系に搭載された、光変調を行う3つの液晶パネルのそれぞれを冷却し、前記3つの液晶パネルの前記投写レンズ側と反対側に、前記3つの液晶パネルのうちの2つの液晶パネルが対向する第1の方向に沿って並べられ、当該送風機のモータの回転軸が前記第1の方向に沿うように配置される。
【0011】
また、本発明のプロジェクタは、
3つの送風機を有し、
前記3つの送風機は、光を投写レンズへ出力する照明光学系に搭載された、光変調を行う3つの液晶パネルのそれぞれを冷却し、前記3つの液晶パネルの前記投写レンズ側と反対側に、前記3つの液晶パネルのうちの2つの液晶パネルが対向する第1の方向に沿って並べて配置される電子機器と、
前記投写レンズと、
光源とを有し、
前記電子機器は、前記光源からの光を入射し、前記入射した光を光変調する。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、高い冷却効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一般的な3LCDの照明光学系におけるファンおよび液晶パネルの冷却用開口の配置の一例を示す図である。
図2】一般的な3LCDの照明光学系におけるファンおよび液晶パネルの冷却用開口の配置の他の例を示す図である。
図3】本発明の電子機器の第1の実施の形態を示す図である。
図4】本発明の電子機器の第2の実施の形態を示す図である。
図5】本形態におけるプロジェクタの外観の一例を示す図である。
図6図4に示したファンの外観の一例を示す図である。
図7図6に示したファンをAの方向から見たファンの平面図である。
図8図4に示したファンから吹き出された冷却風を液晶パネルへ導く冷却ダクトの構成の一例を示す平面図である。
図9図8に示したファン、冷却ダクトおよび照明光学系を、プロジェクタの側面方向から見た側面図である。
図10図4に示したファンの配置を照明光学系側から見た図である。
図11図8に示した冷却ダクトの構造の一例を示す図である。
図12図8に示した冷却ダクトの構造の一例を示す図である。
図13図8に示した冷却ダクトの構造の一例を示す図である。
図14】本発明の電子機器の第3の実施の形態を示す図である。
図15図14に示したファンから吹き出された冷却風を液晶パネルへ導く冷却ダクトの構成の一例を示す平面図である。
図16図15に示したファン、冷却ダクトおよび照明光学系を、プロジェクタの側面方向から見た側面図である。
図17図14に示したファンの配置を照明光学系側から見た図である。
図18図14に示したPBSを冷却する機能を具備する形態の一例を示す図である。
図19図14に示したPBSを冷却する機能を具備する形態の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
【0015】
図3は、本発明の電子機器の第1の実施の形態を示す図である。本形態における電子機器100は図3に示すように、照明光学系101と、送風機200~202とを有する。照明光学系101は、光を投写する投写レンズ105へ光を出力する。送風機200~202は、照明光学系101に搭載される3つの液晶パネル102~104のそれぞれを冷却する。送風機200~202は、3つの液晶パネル102~104の投写レンズ105側と反対側に、3つの液晶パネル102~104のうちの2つの液晶パネル102,104が対向する第1の方向に沿って並べて配置される。液晶パネル102~104は、光変調を行う変調素子である。
【0016】
このように、3つの液晶パネルを用いて映像を投写する電子機器において、対向する2つの液晶パネルが対向する方向に沿って、3つの液晶パネルそれぞれを冷却する送風機を並べて配置する。これにより、冷却効率を上げることができる。
(第2の実施の形態)
【0017】
図4は、本発明の電子機器の第2の実施の形態を示す図である。本形態における電子機器であるプロジェクタ111は図4に示すように、照明光学系112と、光源ユニット113とを有する。
投写レンズ121が設置された照明光学系112は、クロスダイクロイックプリズムであるXDP122と、3つの液晶パネル123~125と、ミラー126と、フィールドレンズ127と、ミラー128と、リレーレンズ129と、ミラー130と、リレーレンズ131と、カラーフィルタ132と、フィールドレンズ133と、カラーフィルタ134と、フィールドレンズ135と、偏光ビームスプリッタであるPBS(Polarizing Beam Splitter)136と、インテグレータ137とを有する。光源ユニット113は、レンズ138と、DM139と、レンズ140と、蛍光体141と、レンズ142と、レンズ143と、レーザー144とを有する。照明光学系112および光源ユニット113が具備する各構成要素は、一般的なプロジェクタが具備する構成要素と同じである。
【0018】
レーザー144からの光が、光源ユニット113を構成する他の構成要素を用いて、出力される。また、本形態においては、インテグレータ137、PBS136およびフィールドレンズ135を通過した光のうち、青色光が、カラーフィルタ134で反射し、フィールドレンズ127を通過し、ミラー126で反射される。また、インテグレータ137、PBS136およびフィールドレンズ135を通過した光のうち、緑色光が、カラーフィルタ134およびフィールドレンズ133を通過し、カラーフィルタ132で反射される。また、インテグレータ137、PBS136およびフィールドレンズ135を通過した光のうち、赤色光が、カラーフィルタ134、フィールドレンズ133、カラーフィルタ132およびリレーレンズ131を通過し、ミラー130で反射し、リレーレンズ129を通過し、ミラー128で反射される。そのため、液晶パネル123は、青色光を変調する。また、液晶パネル124は、緑色光を変調する。また、液晶パネル125は、赤色光を変調する。
【0019】
このような3LCDの配置では、照明光学系112の平面形状が、液晶パネル123と液晶パネル125とが対向する方向を長辺とする長方形となる。
【0020】
送風機であるファン203~205が、液晶パネル123~125をそれぞれ冷却するために設けられている。ファン203~205は、液晶パネル123~125の投写レンズ121が配置されている側と反対側に、液晶パネル123~125のうちの液晶パネル123と液晶パネル125とが対向する第1の方向に沿って並べて配置される。また、ファン203~205は、それぞれの吸気口が互いに対向するように配置される。なお、照明光学系112を構成する構成要素が、それらのレイアウト(図4に示した照明光学系112の破線)を収納可能な1つの直方体またはそれに相応する形状である筐体に収納されている場合、ファン203~205は、その筐体の投写レンズ121が配置されている面とは対向する面側に配置される。その場合、ファン203~205は、その筐体内に配置されるものであっても良いし、その筐体外に配置されるものであって良い。
【0021】
図5は、本形態におけるプロジェクタ111の外観の一例を示す図である。図5に示すように、3つのファン203~205が長辺に沿って照明光学系の投写レンズ121が配置されていない側に並べて配置されている。また、図5に示すように、ファン203~205は、それぞれの吸気口が互いに対向するように配置される。つまり、ファン203~205は、プロジェクタ111の底面に対して縦置きとなるように設置される。
【0022】
図6は、図4に示したファン203の外観の一例を示す図である。図7は、図6に示したファン203をAの方向から見たファン203の平面図である。なお、図4に示したファン204,205についても同じである。図6および図7に示すように、本形態におけるファン203は、冷却風を吹き出すための空気をファン203の側面に設けられた吸気口から吸気を行い、吸気口が向いている方向と直交する方向に吹き出しを行うブロアーファンである。つまり、ファン203は、吸気口が向いている方向と吹き出し口が向いている方向とが直交するブロアーファンであり、高静圧を特徴とする。なお、図7に示した例では、ファン203の両方の側面から吸気を行うものを例に挙げて示しているが、一方の側面からのみ吸気を行うものであっても良い。
【0023】
なお、ファン203~205の回転は個々に制御され、互いに回転数が異なるものであっても良い。この回転数は、液晶パネル123~125における光変調の動作に基づいてあらかじめ設定されているものであっても良いし、液晶パネル123~125の温度を測定し、測定された温度に基づいて制御されるものであっても良いし、液晶パネル123~125の使用期間に基づいて制御されるものであっても良い。
【0024】
図8は、図4に示したファン203~205から吹き出された冷却風を液晶パネル123~125へ導く冷却ダクトの構成の一例を示す平面図である。図8に示すように、ファン203~205から吹き出された冷却風は、冷却ダクト304に設けられたそれぞれの空間を通過し、液晶パネル123~125をそれぞれ冷却するためのLCD冷却用開口301~303へ導かれる。
【0025】
なお、ファン203~205は、所定の吸気量が確保できる間隔で配置される。また、ファン203~205の互いの間に仕切り板が設けられていても良い。さらに、ファン203~205が両方の側面から吸気を行うものである場合、一方の側面からの吸気能力と他方の側面からの吸気能力との比率に基づいて、その仕切り板の位置を決めるものであっても良い。具体的には、例えば、ファン203~205の左側面からの吸気能力が右側面からの吸気能力よりも大きな場合、当該ファン203~205の左側面から左側の仕切り板までの距離を、当該ファン203~205の右側面から右側の仕切り板までの距離よりも長くするものであっても良い。
【0026】
また、冷却ダクト304に対するファン203~205それぞれの吹き出し口の位置、つまり、ファン203~205それぞれの吹き出し口から冷却ダクト304の受け入れ口までの距離は互いに等しいものが好ましい。
【0027】
また、図8に示すように、液晶パネル123~125が図4に示すように配置されているため、液晶パネル123~125をそれぞれ冷却するためのLCD冷却用開口301~303が図8に示すような、ファン203~205から互いに異なる距離に配置される。つまり、図8に示すように、ファン203~205のうち、中央に配置されたファン204の吹き出し口からLCD冷却用開口302(液晶パネル124)までの距離が、ファン203,205の吹き出し口からLCD冷却用開口301,303(液晶パネル123,125)それぞれまでの距離よりも短い。
【0028】
図9は、図8に示したファン204、冷却ダクト304および照明光学系112を、プロジェクタ111の側面方向から見た側面図である。図9に示すように、冷却ダクト304は、照明光学系112の下部に配置される。ファン204から吹き出された冷却風が、冷却ダクト304を通ってLCD冷却用開口302から液晶パネル124を冷却する。
【0029】
図10は、図4に示したファン203~205の配置を照明光学系112側から見た図である。図10に示すように、ファン203~205は、その吹き出し口の高さh1が互いに同じであるものが好ましい。また、ファン203~205は、それ自体の高さh2が互いに同じであっても良い。
【0030】
図11~13は、図8に示した冷却ダクト304の構造の一例を示す図である。図11は、上側筐体と下側筐体とを組み立てる前の冷却ダクト304の斜視図である。図12は、上側筐体と下側筐体とを組み立てる前の冷却ダクト304の平面図である。図13は、上側筐体と下側筐体とを組み立てた後の冷却ダクト304の斜視図である。図11に示した上側筐体と下側筐体とを破線に従って爪の部分を嵌合させて組み立てる。図11~13に示すように、冷却ダクト304には、ファン203~205それぞれから吹き出された冷却風が通る空間が、別個に設けられている。
【0031】
本形態においては、光学レイアウトが長方形となる照明光学系の長辺側に、液晶パネルを冷却するためのファンを並べて配置する。こうすることで、冷却ファンを短辺側に並べて配置するものよりも冷却ダクトの流路の幅を広く確保することができる。また、冷却ファンを短辺側に並べて配置するものよりも冷却ファンから液晶パネルまでの冷却ダクトの流路の長さが短くなる。これにより、液晶パネルの冷却効率を向上させることができる。また、冷却ダクト(冷却風の通路)の曲げが小さくなり、冷却ダクト内での流路抵抗が小さくなり、冷却風の流れの損失を最小限とすることができる。また、ファン配置に占めるレイアウト面積が小さくなり、装置の小型化を実現することができる。
【0032】
また、照明光学系の下部に冷却ダクトを配置し、液晶パネルの投写レンズ側と反対側に、3つのブロアーファンを2つの液晶パネルが対向する方向に、吸気口が互いに対向するように並べて配置する。これにより、吸気の向きと吹き出しの向きとが直交する特徴を持つブロアーファンを用いることで、そのブロアーファンの吸気ダクトの幅も広く確保することができる。さらに、両方の側面から吸気を行うブロアーファンを用いた場合、ファンとファンとの間に仕切り板を設けることで、さらなる冷却効率化を実現することができる。また、ブロアーファンの3つの吹き出し口が揃い、冷却ダクトが簡単な形状になる。また、この配置により照明光学系の天面の高さとブロアーファンの高さとを同じとし、プロジェクタ装置の高さを抑えることができる。また、ブロアーファンを縦置きに配置することで、冷却ダクトの高さとブロアーファンの高さとの差分で生じる部分に照明光学系を配置することができ、スペースの有効利用を図ることができる。
【0033】
このように、冷却ダクトにおける冷却風の流路の幅を広く確保できること、流路の長さを短くできること、ファンの吹き出し口が揃うことにより、冷却効率が向上する冷却構成をとることができる。さらに、ファンの数量を3個以上に増やすことができる。冷却効率が向上すれば液晶パネルの寿命が伸びる。また、冷却ファンの回転数を下げることができ、耳障りな騒音値を下げることが可能になる。また、ブロアーファンの吹き出し口を揃えることで冷却ダクト自体の構造および冷却ファンを保持する構造が簡単になり生産効率を向上させることができる。また、部品点数が減ることで、使用部品全体のコストの削減を実現することができる。
(第3の実施の形態)
【0034】
図14は、本発明の電子機器の第3の実施の形態を示す図である。本形態における電子機器であるプロジェクタ411は図4に示すように、照明光学系112と、光源ユニット113とを有する。照明光学系112および光源ユニット113は、第2の実施の形態におけるものと同じものである。
【0035】
送風機であるファン503~506が、液晶パネル123~125をそれぞれ冷却するために設けられている。ファン503~506は、液晶パネル123~125の投写レンズ121が配置されている側と反対側に、液晶パネル123~125のうちの液晶パネル123と液晶パネル125とが対向する第1の方向に沿って並べて配置される。また、ファン503~506は、ファン503~506のモータの回転軸が第1の方向に沿うように配置される。ファン503~506は、風を発生させる羽根であるインペラ(ランナー)が回転軸を中心に円筒状に配置され、モータを用いて回転軸を中心にインペラを回転させることでインペラの遠心力により、回転軸にほぼ垂直な方向に旋回流を発生させる。発生した旋回流は、ファン503~506に設けられたスクロールを用いて一方向に整流されて吹き出し口から吹き出される。なお、照明光学系112を構成する構成要素が、それらのレイアウト(図14に示した照明光学系112の破線)を収納可能な1つの直方体またはそれに相応する形状である筐体に収納されている場合、ファン503~506は、その筐体の投写レンズ121が配置されている面とは対向する面側に配置される。その場合、ファン503~506は、その筐体内に配置されるものであっても良いし、その筐体外に配置されるものであって良い。ファン503~506の外観形状は、第2の実施の形態と同じあり、図6および図7に示したファン203の外観形状と同じである。
【0036】
なお、ファン503~506の回転は個々に制御され、互いに回転数が異なるものであっても良い。この回転数は、液晶パネル123~125における光変調の動作に基づいてあらかじめ設定されているものであっても良いし、液晶パネル123~125の温度を測定し、測定された温度に基づいて制御されるものであっても良いし、液晶パネル123~125の使用期間に基づいて制御されるものであっても良い。
【0037】
図15は、図14に示したファン503~506から吹き出された冷却風を液晶パネル123~125へ導く冷却ダクトの構成の一例を示す平面図である。図15に示すように、ファン503~506から吹き出された冷却風は、第1のダクトである冷却ダクト304に設けられたそれぞれの空間を通過し、液晶パネル123~125をそれぞれ冷却するためのLCD冷却用開口301~303へ導かれる。図15に示した例では、ファン503から吹き出された冷却風は、液晶パネル123を冷却するために設けられているLCD冷却用開口301へ導かれる。また、ファン504,505から吹き出された冷却風は、液晶パネル124を冷却するために設けられているLCD冷却用開口302へ導かれる。また、ファン506から吹き出された冷却風は、液晶パネル125を冷却するために設けられているLCD冷却用開口303へ導かれる。なお、図15には、液晶パネル123~125を通過した空気をヒートシンク211へ導く高温エアーダクトを図示していない。また、ファン504から吹き出された冷却風がLCD冷却用開口301へ導かれるものや、ファン505から吹き出された冷却風がLCD冷却用開口303へ導かれるものであっても良い。
【0038】
なお、ファン503~506は、所定の吸気量が確保できる間隔で配置される。また、ファン503~506の互いの間に仕切り板が設けられていても良い。さらに、ファン503~506が両方の側面から吸気を行うものである場合、一方の側面からの吸気能力と他方の側面からの吸気能力との比率に基づいて、その仕切り板の位置を決めるものであっても良い。具体的には、例えば、ファン503~506の左側面からの吸気能力が右側面からの吸気能力よりも大きな場合、当該ファン503~506の左側面から左側の仕切り板までの距離を、当該ファン503~506の右側面から右側の仕切り板までの距離よりも長くするものであっても良い。
【0039】
また、冷却ダクト304に対するファン503~506それぞれの吹き出し口の位置、つまり、ファン503~506それぞれの吹き出し口から冷却ダクト304の受け入れ口までの距離は互いに等しいものが好ましい。
【0040】
また、図15に示すように、液晶パネル123~125が図14に示すように配置されているため、液晶パネル123~125をそれぞれ冷却するためのLCD冷却用開口301~303が図15に示すような、ファン503~506から互いに異なる距離に配置される。つまり、図15に示すように、ファン503~506のうち、液晶パネル124を冷却するファン504,505の吹き出し口からLCD冷却用開口302(液晶パネル124)までの距離が、ファン503の吹き出し口からLCD冷却用開口301(液晶パネル123)までの距離およびファン506の吹き出し口からLCD冷却用開口303(液晶パネル125)までの距離よりも短い。
【0041】
図16は、図15に示したファン504、冷却ダクト304および照明光学系112を、プロジェクタ411の側面方向から見た側面図である。図16に示すように、冷却ダクト304は、照明光学系112の下部に配置される。ファン504から吹き出された冷却風が、冷却ダクト304を通ってLCD冷却用開口302から液晶パネル124を冷却する。
【0042】
図17は、図14に示したファン503~506の配置を照明光学系112側から見た図である。図17に示すように、ファン503~506は、その吹き出し口の高さh1が互いに同じであるものが好ましい。また、ファン503~506は、それ自体の高さh2が互いに同じであっても良い。図6に示したファン203の状態は、ファン203を縦置きとした場合の状態である。図17では、このような縦置きの状態で、ファン503~506を配置した状態を示している。つまり、ファン503~506の配置は、プロジェクタ411を平面に置いた状態では、ファン503~506の吸気口が上下方向を向く配置ではなく、左右方向を向く配置となる。
【0043】
本形態においては、光学レイアウトが長方形となる照明光学系の長辺側に、液晶パネルを冷却するためのファンを並べて配置する。こうすることで、冷却ファンを短辺側に並べて配置するものよりも冷却ダクトの流路の幅を広く確保することができる。また、冷却ファンを短辺側に並べて配置するものよりも冷却ファンから液晶パネルまでの冷却ダクトの流路の長さが短くなる。これにより、液晶パネルの冷却効率を向上させることができる。また、冷却ダクト(冷却風の通路)の曲げが小さくなり、冷却ダクト内での流路抵抗が小さくなり、冷却風の流れの損失を最小限とすることができる。また、ファン配置に占めるレイアウト面積が小さくなり、装置の小型化を実現することができる。
【0044】
また、照明光学系の下部に冷却ダクトを配置し、液晶パネルの投写レンズ側と反対側に、4つのブロアーファンを2つの液晶パネルが対向する方向に、それらの吸気口が互いに対向するように並べて配置する。これにより、吸気の向きと吹き出しの向きとが直交する特徴を持つブロアーファンを用いることで、そのブロアーファンの吸気ダクトの幅も広く確保することができる。さらに、両方の側面から吸気を行うブロアーファンを用いた場合、ファンとファンとの間に仕切り板を設けることで、さらなる冷却効率化を実現することができる。また、ブロアーファンの4つの吹き出し口が揃い、冷却ダクトが簡単な形状になる。また、この配置により照明光学系の天面の高さとブロアーファンの高さとを同じとし、プロジェクタ装置の高さを抑えることができる。また、ブロアーファンを縦置きに配置することで、冷却ダクトの高さとブロアーファンの高さとの差分で生じる部分に照明光学系を配置することができ、スペースの有効利用を図ることができる。
【0045】
このように、冷却ダクトにおける冷却風の流路の幅を広く確保できること、流路の長さを短くできること、ファンの吹き出し口が揃うことにより、冷却効率が向上する冷却構成をとることができる。さらに、ファンの数量を4個以上に増やすことができる。冷却効率が向上すれば液晶パネルの寿命が伸びる。また、冷却ファンの回転数を下げることができ、耳障りな騒音値を下げることが可能になる。また、ブロアーファンの吹き出し口を揃えることで冷却ダクト自体の構造および冷却ファンを保持する構造が簡単になり生産効率を向上させることができる。また、部品点数が減ることで、使用部品全体のコストの削減を実現することができる。
【0046】
第2の実施の形態においては、ファンの数が3つである場合を例に挙げ、第3の実施の形態においては、ファンの数が4つである場合を例に挙げて説明したが、その数はこれらに限定せず、5つ以上であっても良い。
【0047】
図18は、図14に示したPBS136を冷却する機能を具備する形態の一例を示す図である。図18に示すように、PBS136を冷却するためのPBS冷却用開口305を冷却ダクト304に設け、ファン503,504から吹き出された冷却風が冷却ダクト304内を通り、LCD冷却用開口301およびPBS冷却用開口305へ導かれる。このように、ファン503~506を用いて、液晶パネル123~125だけでなく、PBS136を冷却するものであっても良い。
【0048】
また、図14に示すような液晶パネル123~125を冷却するためのファン503~506以外に、PBS136を冷却するためのファンを、その吸気口とファン503の吸気口とが互いに対向するようにファン503の隣に配置するものであっても良い。図19は、図14に示したPBS136を冷却する機能を具備する形態の他の例を示す図である。図19に示すように、PBS136を冷却するためのPBS冷却用開口305を冷却ダクト304に設ける。また、ファン507を、その吸気口とファン503の吸気口とが互いに対向するように、ファン503~506と並べて配置する。ファン507から吹き出された冷却風が冷却ダクト304内を通り、PBS冷却用開口305へ導かれる。このように、ファン503~506以外にファン507を設け、液晶パネル123~125だけでなく、PBS136を冷却するものであっても良い。
【0049】
2018年5月25日に出願された国際出願PCT/JP2018/020099を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
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