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  • 特許-離間装置および離間方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】離間装置および離間方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20220107BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
H01L21/78 W
H01L21/68 N
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017093951
(22)【出願日】2017-05-10
(65)【公開番号】P2018190888
(43)【公開日】2018-11-29
【審査請求日】2020-02-13
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(72)【発明者】
【氏名】杉下 芳昭
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】小川 将之
【審判官】▲吉▼澤 雅博
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-81976(JP,A)
【文献】特開2006-310438(JP,A)
【文献】特開2001-308234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面と他方の面との少なくとも一方に、複数の被着体または分割されて複数になる被着体が貼付された接着シートの端部を保持する複数の保持手段と、
前記接着シートの端部を保持した前記保持手段を相対移動させ、前記接着シートに張力を付与して前記被着体の相互間隔を広げる離間手段と、
相互間隔が広げられた前記被着体群全体を一塊として認識可能な検知手段とを備え
前記離間手段は、前記検知手段の検知結果を基にして、各被着体の全体的な集合形状が基の全体的な集合形状に対して相似関係となるように各保持手段を移動させ、当該各被着体の全体的な集合形状を所定の集合形状とし、
前記検知手段は、前記所定の集合形状を一塊と認識し、
前記検知手段の検知結果を基にして、前記一塊の被着体群全体の位置と方位との少なくとも一方の位置決めをする位置決め手段とを備えていることを特徴とする離間装置。
【請求項2】
一方の面と他方の面との少なくとも一方に、複数の被着体または分割されて複数になる被着体が貼付された接着シートの端部を保持する保持手段と、
前記接着シートにおける前記複数の被着体が貼付された被着体接着領域よりも外側であって、前記保持手段が保持した保持領域の内側で当該接着シートに当接する当接手段と、
前記接着シートの端部を保持した前記保持手段および当接手段を相対移動させ、前記接着シートに張力を付与して前記被着体の相互間隔を広げる離間手段と、
相互間隔が広げられた前記被着体群全体を一塊として認識可能な検知手段とを備え
前記離間手段は、前記検知手段の検知結果を基にして、各被着体の全体的な集合形状が基の全体的な集合形状に対して相似関係となるように各保持手段を移動させ、当該各被着体の全体的な集合形状を所定の集合形状とし、
前記検知手段は、前記所定の集合形状を一塊と認識し、
前記検知手段の検知結果を基にして、前記一塊の被着体群全体の位置と方位との少なくとも一方の位置決めをする位置決め手段とを備えていることを特徴とする離間装置。
【請求項3】
一方の面と他方の面との少なくとも一方に、複数の被着体または分割されて複数になる被着体が貼付された接着シートの端部を複数の保持手段で保持する保持工程と、
前記接着シートの端部を保持した前記保持手段を相対移動させ、前記接着シートに張力を付与して前記被着体の相互間隔を広げる離間工程と、
相互間隔が広げられた前記被着体群全体を一塊として認識する検知工程とを有し
前記離間工程で、前記検知工程の検知結果を基にして、各被着体の全体的な集合形状が基の全体的な集合形状に対して相似関係となるように各保持手段を移動させ、当該各被着体の全体的な集合形状を所定の集合形状とし、
前記検知工程で、前記所定の集合形状を一塊と認識し、
前記検知工程の検知結果を基にして、前記一塊の被着体群全体の位置と方位との少なくとも一方の位置決めをする位置決め工程とを有することを特徴とする離間方法。
【請求項4】
一方の面と他方の面との少なくとも一方に、複数の被着体または分割されて複数になる被着体が貼付された接着シートの端部を保持手段で保持する保持工程と、
前記接着シートにおける前記複数の被着体が貼付された被着体接着領域よりも外側であって、前記保持手段が保持した保持領域の内側で当該接着シートに当接する当接手段および、前記接着シートの端部を保持した前記保持手段を相対移動させ、前記接着シートに張力を付与して前記被着体の相互間隔を広げる離間工程と、
相互間隔が広げられた前記被着体群全体を一塊として認識する検知工程とを有し
前記離間工程で、前記検知工程の検知結果を基にして、各被着体の全体的な集合形状が基の全体的な集合形状に対して相似関係となるように各保持手段を移動させ、当該各被着体の全体的な集合形状を所定の集合形状とし、
前記検知工程で、前記所定の集合形状を一塊と認識し、
前記検知工程の検知結果を基にして、前記一塊の被着体群全体の位置と方位との少なくとも一方の位置決めをする位置決め工程とを有することを特徴とする離間方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離間装置および離間方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、接着シートに貼付された複数の被着体の相互間隔を広げる離間装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-127124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような従来の離間装置では、個々の接着シートの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件や、その他の要因等のばらつきによって、相互間隔が広げられた片状体(被着体)群全体が所定の位置に定まらず、例えば、相互間隔が広げられた被着体をピックアップ装置でピックアップする場合、当該ピックアップ装置が位置ずれを起こしてピックアップができなくなったり、相互間隔が広げられた被着体群全体を他のものに転写する場合、位置ずれを起こして転写されたりするという不都合を生じる。
【0005】
本発明の目的は、相互間隔が広げられた被着体群全体を所定の位置に位置決めすることができる離間装置および離間方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、相互間隔が広げられた被着体群全体を所定の位置に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(A)は、本発明の実施形態に係る離間装置の平面図。(B)は、(A)の側面図。
図2】(A)~(C)は、本発明の実施形態に係る離間装置の動作説明図。
図3】(A)、(B)は、本発明の他の例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な矢印BD方向から観た場合を基準とし、基準となる図を挙げることなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸の矢印方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
本発明の離間装置10は、一方の面AS1に複数の被着体CPが貼付された接着シートASの端部を保持する複数の保持手段20と、接着シートASの端部を保持した保持手段20を相対移動させ、接着シートASに張力を付与して被着体CPの相互間隔を広げる離間手段30と、相互間隔が広げられた被着体CP群全体を一塊として認識可能な検知手段40と、検知手段40の検知結果を基にして、一塊の被着体CP群全体の位置と方位との両方の位置決めをする位置決め手段50とを備えている。
【0011】
保持手段20は、離間手段30に支持された駆動機器としての回動モータ21と、その出力軸21Aに支持された上保持部材22とを備えている。
【0012】
離間手段30は、駆動機器としてのリニアモータ31と、そのスライダ31Aに支持され、上面側で回動モータ21を支持する下保持部材32とを備えている。
【0013】
検知手段40は、カメラや投影機等の撮像手段、光学センサや音波センサ等の各種センサ等の検知機器41を備え、被着体CPの相互間隔や各被着体CPの全体的な集合形状等を検知可能になっている。
【0014】
位置決め手段50は、Y軸方向に移動するスライダ51Aを備えた駆動機器としてのリニアモータ51と、スライダ51Aに支持され、X軸方向に移動するスライダ52Aを備えた駆動機器としてのリニアモータ52と、スライダ52Aに支持され、Z軸を中心に回転する出力軸53Aを備えた駆動機器としての回動モータ53と、出力軸53Aに支持され、上方で離間手段30を支持するベーステーブル54とを備えている。
【0015】
以上の離間装置10の動作を説明する。
先ず、各部材が図1(A)、(B)中実線で示す初期位置で待機している離間装置10に対し、当該離間装置10の使用者(以下、単に「使用者」という)が操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。その後、作業者または、図示しない搬送手段が複数の被着体CPが貼付された接着シートASを下保持部材32上に載置すると、保持手段20が各回動モータ21を駆動し、図1(B)中二点鎖線で示すように、上保持部材22と下保持部材32とで接着シートASの端部を保持する。
【0016】
次いで、離間手段30が各リニアモータ31を駆動し、図2(A)に示すように、保持手段20を相互に離間させ、接着シートASに張力を付与して被着体CPの相互間隔を広げる。このとき、各被着体CPは、接着シートASのひずみ等によって、相互間隔が所定の間隔に広がらないことがある。そこで、検知手段40が検知機器を駆動し、各被着体CPの相互間隔や各被着体CPの全体的な集合形状等を検知する。次に、検知手段40の検知結果を基にして、離間手段30が各リニアモータ31を駆動し、図2(B)に示すように、各被着体CPの相互間隔が所定間隔となるように、または、各被着体CPの全体的な集合形状が基の全体的な集合形状に対して相似関係となるように、各保持手段20を個別に移動させる。これにより、各被着体CPは、その全体的な集合形状が所定の集合形状となる。
【0017】
各被着体CPの全体的な集合形状が所定の集合形状となると、検知手段40が検知機器41を駆動し、図2(B)中二点鎖線で示すように、被着体CP群全体を一塊としての方形エリアSEとして認識する。認識が完了すると、検知手段40は、方形エリアSEの角部C1とC2とを結ぶ線分L1の中心で当該線分L1に直交する第1中心線CL1と、方形エリアSEの角部C1とC3とを結ぶ線分L2の中心で当該線分L2に直交する第2中心線CL2との交点を求め、当該交点を方形エリアSEの中心SCとして認識した後、第1中心線CL1とY軸との傾きθ1も求める。
【0018】
その後、位置決め手段50が回動モータ53を駆動し、傾きθ1を打ち消すように、ベーステーブル54を傾きθ1分反時計回転方向に回転させ、線分L1をX軸と平行(線分L2をY軸と平行)にすることで、一塊の被着体CP群全体(方形エリアSE)の方位の位置決めを行う。次いで、位置決め手段50がリニアモータ51、52を駆動し、方形エリアSEの中心SCを当該離間装置10の中心ACに合致させることで、図2(C)に示すように、一塊の被着体CP群全体(方形エリアSE)の位置の位置決めを行う。
【0019】
そして、接着シートASとして紫外線、X線または赤外線等の所定のエネルギーが付与されることでその接着力が低下するものが採用されている場合、当該所定のエネルギーを付与可能な図示しないエネルギー付与手段が接着シートASに所定のエネルギーを付与し、被着体CPに対する接着シートASの接着力を低下させる。次いで、ピックアップ装置や搬送装置等の図示しない被着体取出し手段が各被着体CPを保持し、接着シートASから取り外して別工程に搬送する。そして、全ての被着体CPまたは所定量の被着体CPが接着シートASから取り外されると、各手段がそれぞれの駆動機器を駆動し、各部材を初期位置に復帰させた後、作業者または、図示しない搬送手段が下保持部材32上に残された接着シートASを取り去り、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0020】
以上のような離間装置10によれば、相互間隔が広げられた被着体CP群全体を所定の位置に位置決めすることができる。
【0021】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、検知手段は、相互間隔が広げられた被着体群全体を一塊として認識可能なものであれば、出願当初の技術常識に照らし合わせ、その技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0022】
本発明の離間装置は、図3(A)に示すように、保持手段20と、接着シートASにおける複数の被着体CPが貼付された被着体接着領域CEよりも外側であって、保持手段20が保持した保持領域HEの内側で当該接着シートASに当接する当接手段60と、接着シートASの端部を保持した保持手段20および当接手段60を相対移動させ、接着シートASに張力を付与して被着体CPの相互間隔を広げる離間手段30Aと、検知手段40と、位置決め手段50とを備えた離間装置10Aとしてもよい。
なお、離間装置10Aにおいて、離間装置10と同等の構成で同等の機能を有するものは、当該離間装置10と同じ番号を付してその構成説明は省略し、動作説明は簡略化する。
【0023】
当接手段60は、位置決め手段50のベーステーブル54上に支持された円筒状の当接部材61を備えている。
離間手段30Aは、ベーステーブル54上に支持された駆動機器としての直動モータ33と、その出力軸33Aに支持され、上面側で回動モータ21を支持する下保持部材34とを備えている。
【0024】
このような離間装置10Aは、離間装置10と同様にして複数の被着体CPが貼付された接着シートASが下保持部材34上に載置されると、保持手段20が回動モータ21を駆動し、図3(A)中二点鎖線で示すように、上保持部材22と下保持部材34とで接着シートASの端部を保持する。なお、接着シートASの端部には、図3に示すように、リング状のフレームRFが貼付されているが、当該フレームRFは、なくてもよい。次いで、離間手段30Aが直動モータ33を駆動し、保持手段20を下降させて保持手段20および当接手段60を相対移動させ、図3(B)に示すように、被着体CPの相互間隔を広げる。その後、離間装置10と同様にして、検知手段40の検知結果を基にして、位置決め手段50が回動モータ53およびリニアモータ51、52を駆動し、相互間隔が所定間隔とされた被着体CP群全体の位置決めを行う。そして、図示しない被着体取出し手段によって、被着体CPが接着シートASから取り外されると、各手段がそれぞれの駆動機器を駆動し、各部材を初期位置に復帰させた後、下保持部材34上に残された接着シートASを取り外し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0025】
このような離間装置10Aによっても、離間装置10と同様の効果を得ることができる。
【0026】
保持手段20は、他方の面AS2や、一方の面AS1および他方の面AS2の両方の面に複数の被着体CPが貼付された接着シートASの端部を保持する構成でもよいし、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤、粘着剤、磁力、ベルヌーイ吸着、駆動機器等で接着シートASの端部を保持する構成でもよい。
保持手段20は、離間装置10の場合、例えば、右方へ移動する当該保持手段20を1体とし、左方へ移動する当該保持手段20を1体とした2体で構成してもよいし、例えば、右方、左方およびその他の方向へ移動する3体以上で構成してもよい。
保持手段20は、離間装置10Aの場合、1体でもよいし2体以上でもよい。
【0027】
離間手段30、30Aは、複数でなく単数でもよく、この場合、例えば、離間装置10は、1体のリニアモータの2つのスライダで、保持手段20をそれぞれ1体ずつ支持し、被着体CPの相互間隔を広げる構成とし、被着体CPの相互間隔を1軸方向(例えば、X軸方向またはY軸方向等)のみに広げる構成としてもよい。
離間手段30は、相互間隔を3軸以上の方向(例えば、X軸方向、Y軸方向およびその他の軸方向)に広げる構成でもよいし、例えば、X軸方向に移動させた複数の保持手段20をそれぞれY軸方向に移動させる構成(Y軸方向に移動させた複数の保持手段20をそれぞれX軸方向に移動させる構成)とし、被着体CPの相互間隔を広げてもよいし、被着体CPの相互間隔が所定間隔となるように作動できない構成でもよい。
離間手段30Aは、保持手段20を停止または移動させつつ、当接手段60を移動させることで、保持手段20および当接手段60を相対移動させ、接着シートASに張力を付与して被着体CPの相互間隔を広げてもよい。
離間手段30、30Aは、作業者がボタンやレバー等を操作して、リニアモータ31、直動モータ33を駆動してもよく、この場合、例えば、検知手段40による検知結果をモニタや検出器等の表示器に表示するように構成し、この表示器に表示される検知結果によって被着体CPの相互間隔が所定間隔となるように、または、各被着体CPの全体的な集合形状が基の全体的な集合形状に対して相似関係となるように、作業者がリニアモータ31、直動モータ33を駆動させてもよい。
【0028】
検知手段40は、作業者の目視でもよく、例えば、作業者が目視によって、被着体CPの相互間隔が所定間隔となるように、または、各被着体CPの全体的な集合形状が基の全体的な集合形状に対して相似関係となるように、ボタンやレバー等を操作して、リニアモータ31、51、52、直動モータ33、回動モータ53を駆動するように構成してもよい。
【0029】
位置決め手段50は、一塊の被着体CP群全体の位置のみを位置決めしてもよいし、一塊の被着体CP群全体の方位のみを位置決めしてもよいし、上記のような位置決め以外に、例えば、方形エリアSEの対角線の交点を当該方形エリアSEの中心SCとして認識し、一塊の被着体CP群全体(方形エリアSE)の位置と方位との少なくとも一方の位置決めをする構成でもよいし、当該離間装置10の中心ACに方形エリアSEの中心SCを合致させずに、他の所定の基準点に合致させてもよいし、線分L1やL2を、X軸やY軸と平行とさせずに、他の所定の基準線と平行となるように位置決めしてもよい。
【0030】
当接手段60は、角筒状や楕円筒状等の他、円柱、角柱、楕円柱等の他の形状の当接部材61を採用してもよい。
【0031】
本発明における接着シートASおよび被着体CPの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートAS、被着体CP、一塊の被着体CP群全体は、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよい。また、接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層との間に中間層を有するもの、基材の上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材を接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、そのような両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体CPとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、半導体チップ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよいし、接着シートASは、紫外線、X線または赤外線等の所定のエネルギーが付与されることでその接着力が低下しないものでもよい。
被着体CPは、予め接着シートAS上に複数存在しているものでもよいし、離間手段30、30A、その他の機構または人手等で外力を付与した時点で複数に分割され、接着シートAS上に複数存在するような分割されて複数になるものでもよい。このような分割されて複数になる被着体CPとしては、例えば、半導体ウエハや基板等にレーザを照射し、当該半導体ウエハや基盤等に線状や格子状等の脆弱な脆弱層を形成しておき、接着シートASに張力を付与したり、半導体ウエハや基盤等に直接的または間接的に外力を付与したりした時点で個片化し、複数の被着体CPとなるものや、例えば、樹脂や硝子板等にカッター刃で切り込み、当該樹脂や硝子板等に線状や格子状等の表裏に貫通することのない切込やミシン目等の切断予定ラインを形成しておき、接着シートASに張力を付与したり、樹脂や硝子板等に直接的または間接的に外力を付与したりした時点で個片化し、複数の被着体CPとなるもの等、何ら限定されるものではない。
【0032】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
【符号の説明】
【0033】
10、10A…離間装置
20…保持手段
30、30A…離間手段
40…検知手段
50…位置決め手段
60…当接手段
AS…接着シート
AS1…一方の面
AS2…他方の面
CE…被着体接着領域
CP…被着体
HE…保持領域
図1
図2
図3