(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】固形食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20220107BHJP
A23G 3/00 20060101ALI20220107BHJP
A23L 5/10 20160101ALI20220107BHJP
【FI】
A23L5/00 A
A23G3/00
A23L5/10 F
(21)【出願番号】P 2017174383
(22)【出願日】2017-08-24
【審査請求日】2020-07-13
(31)【優先権主張番号】P 2016183084
(32)【優先日】2016-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000210067
【氏名又は名称】池田食研株式会社
(72)【発明者】
【氏名】真砂 佳広
(72)【発明者】
【氏名】本山 大暉
(72)【発明者】
【氏名】木村 ちづる
【審査官】田ノ上 拓自
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-283011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 5/00-5/30
A23G 1/00-9/52
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の製造方法で得られる
、抹茶を含む固形食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固形食品として、特許文献1では糖を含む結合剤によって塊を形成した穀物を含むクリスピーな食感のセイボリースナックが知られているが、材料混合時に加水し、封をせずに加熱することで水分を蒸発させていた。また、塊を形成するためには高温で加熱しなければならなかった。
【0003】
通常、粉末類の結着には加水や液状の糖が必要だったが、完成品に水が多いとカビ発生等微生物汚染の原因となるため、十分に加熱して水を蒸発させる必要があった。そのため、大きな熱量が必要で、かつ加熱と共に素材の風味や香りが飛び、熱に弱い素材の風味や色の変質が避けられなかった。
【0004】
さらに、従来の固形食品の製造方法は、成型した原料を、ガス又は電気オーブン等の中で封をせずに加熱して製造するため、通常分解洗浄できないオーブン等の装置を使用する製造ラインでは、製造ラインの汚染によるコンタミリスクが避けられず、アレルゲンを含む製品とアレルギーフリーの製品とを同じ装置で製造することができない等の問題があった。
【0005】
また、一般的な焼き菓子は小麦粉や卵等を焼成して固形化しているため、食物アレルギー患者は喫食できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、製造時の熱量を低減でき、素材の風味や香りが飛びにくく、素材の風味や色の変質を避けることができ、さらに加熱装置の汚染を防止できる製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは、果糖及び/又はイヌリンを含む粉粒物を、封をした後、加熱後冷却して結着させることで、固形食品を製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の[1]~[6]の態様に関する。
[1]果糖及び/又はイヌリンを結着剤として含む粉粒物を、容器に入れ封をし、加熱した後、冷却して結着させる、固形食品の製造方法。
[2]果糖及び/又はイヌリンを、粉粒物全体の1~100重量%含む、[1]記載の固形食品の製造方法。
[3]0.001~30mmの粒子径を有する粉粒物を含む、[1]又は[2]記載の固形食品の製造方法。
[4]湿熱加熱により加熱する、[1]~[3]の何れかに記載の固形食品の製造方法。
[5]固形食品が菓子又は調味料である、[1]~[4]の何れかに記載の固形食品の製造方法。
[6][1]~[5]の何れかに記載の製造方法で得られる固形食品。
【発明の効果】
【0010】
本発明の製造方法によって、水飴やシロップ等、液状の糖の代わりに粉末状の果糖及び/又はイヌリンを結着剤として使用することで、原料中の水分を少なくできるため水分を除去する必要がなく、製造時に小さな熱量でも微生物汚染のリスクを低減できるとともに、小さな熱量でも塊を形成でき、固形食品を製造することが可能になった。また、小麦粉や卵を使用しなくても固形化でき、かつ味も優れたアレルギーフリーの固形食品を提供できる。さらに、封をして加熱するため熱量を抑えることができ、省エネを実現できるとともに、素材の風味や香りが飛びにくく、熱に弱い素材の風味や色の変質を抑え、素材の風味や色を生かした固形食品を製造することができる。加えて、封をして加熱することで、異物混入を防止できると共に、加熱装置自体の汚染を防ぐことができるため、分解洗浄ができない加熱装置でも、アレルゲンを含む製品とアレルギーフリーの製品とを同一装置で製造することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】トレーに入った実施品1の抹茶ブラウニーの写真。
【
図2】トレーに入った実施品6のアーモンドプラリネの写真。
【
図3】トレーに入った実施品7のグラノーラキューブの写真。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、果糖及び/又はイヌリンを結着剤として含む粉粒物を、容器に入れ封をし、加熱した後、冷却して結着させることで、固形食品を製造できる。
【0013】
本発明に記載の粉粒物は、果糖及び/又はイヌリンを結着剤として含む。果糖及び/又はイヌリンを、粉粒物全体の1~100重量%含むのが好ましく、99.9重量%以下、99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下又は50重量%以下含むのがより好ましく、3重量%以上、5重量%以上、10重量%以上又は15重量%以上含むのがより好ましい。また、果糖は粉粒物全体の40重量%以下がさらに好ましく、30重量%以下が特に好ましく、20重量%以下が最も好ましい。また、イヌリンは、本発明の方法で粉粒物を結着できれば特に限定されないが、グルコースに結合したフルクトースの平均鎖長が25以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。
【0014】
粉粒物は、果糖及び/又はイヌリンの他に顆粒状及び/又は粉末状の具材を含んでいてもよく、具材としては、例えば穀粒、種実類、乾燥野菜、乾燥果実、乾燥肉類、乾燥魚介類、乾燥海藻類、菓子等の乾燥品、ロースト品、焼成品又は油ちょう品が例示でき、さらに調味料、油脂、香料、色素等が例示できる。穀粒は、シリアル、フレーク、パフ、グラノーラ等が例示できる。種実類は、各種ナッツ、種子、ゴマ等が例示できる。菓子は、焼き菓子、揚げ菓子、チョコレート菓子等が例示できる。調味料は、乳製品粉末、飲料粉末、エキスパウダー、香辛料、茶葉粉末、甘味料、塩等が例示できる。油脂は、ココナッツオイル、パーム油、バターオイル、ココアバター、ラード、ヘッド等を例示できる。具材の含量は、粉粒物全体の99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下又は70重量%以下が好ましく、0.1重量%以上、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、20重量%以上、30重量%以上又は40重量%以上が好ましい。なお、水分が多過ぎると固形食品が得られ難く、また微生物汚染リスクも高まることから、粉粒物に加水しないのが最も好ましく、加水する場合、加水は粉粒物全体の5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1重量%以下がさらに好ましい。該範囲内の水分であれば、液状の原料を添加してもよい。
【0015】
本発明の粉粒物は、本発明の方法で粉粒物を結着できれば特に限定されないが、好ましくは0.001~30mm、より好ましくは0.005~20mm、更に好ましくは0.01~10mmの粒子径を有する粉粒物である。なお、3mm以上の粒子径を有する具材が粉粒物全体の体積の50%以上を占める場合は、液体脂又は固体脂を加熱して液状にした油脂を該具材と混合するのが好ましく、得られた具材及び油脂の混合物と、結着剤を含む残りの粉粒物の混合物とを、混合して、容器に入れ封をし、加熱工程に供するのが好ましい。
【0016】
本発明の製造方法は、前記粉粒物を容器に入れ封をすればよく、例えばキューブ状やバー状の固形食品を製造するためにはモールド型等のトレーに粉粒物を入れて成形してもよく、又は板状やフレーク状の固形食品を製造するためにはトレーの底や板の上に粉粒物を板状に広げてもよく、続いて、粉粒物を入れたトレーごと耐熱性の袋等の容器に入れて封をしてもよく、又は封ができる容器であれば容器自体に封をしてもよい。
【0017】
本発明の製造方法は、容器に入れ封をした粉粒物を加熱後冷却することで、固形食品を製造できる。加熱は、乾熱加熱でも湿熱加熱でもよく、例えば電気、ガス又はマイクロ波オーブン、乾燥機、蒸し器等で焼成又は蒸煮することができるが、湿熱加熱が好ましい。加熱にかかる熱量は、通常の固形食品にかかる熱量より小さな熱量でよく、加熱温度は、本発明の固形食品が得られれば特に限定されないが、150℃以下、130℃以下、120℃以下、110℃以下、105℃以下又は100℃以下が好ましく、100℃未満でもよく、90~98℃程度でもよい。加熱時間は、温度に合わせて適宜設定でき、本発明の固形食品が得られれば特に限定されないが、例えば、1分~120分程度が例示でき、5分~60分がより好ましい。本発明では、加水しなくても粉粒物自体が保有する湿気により、通常の融点より低い温度で結着剤として利用できるため、小さな熱量で固形食品を製造することができる。よって、素材の風味や香りが飛びにくくなるとともに、100℃未満の加熱でも固形食品を製造することができる。さらに異物混入が防止できると共に、加熱装置自体の汚染も防ぐことができる。
【0018】
本発明の製造方法では、冷却は、加熱後の粉粒物が固化、結着すればよく、例えば室温に放置して冷却してもよく、冷蔵庫内で冷却してもよい。
【0019】
本発明の製造方法では、固化後に容器を開封して固形食品を回収してもよく、容器入り固形食品としてもよい。さらに、回収後に任意の形状にカット又は破砕してもよい。
【0020】
本発明の方法で、菓子、調味料等の固形食品が得られる。固形食品は、本発明の方法で結着した固形食品であれば形状は特に限定されないが、キューブ状、バー状、ハート形等立体的な形状でもよく、板状、フレーク状等の形状でもよい。
【0021】
本発明の固形食品は、果糖及び/又はイヌリンを、固形食品全体の1~100重量%含むのが好ましく、99.9重量%以下、99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下又は50重量%以下含むのがより好ましく、3重量%以上、5重量%以上、10重量%以上又は15重量%以上含むのがより好ましい。また、果糖は固形食品全体の40重量%以下がさらに好ましく、30重量%以下が特に好ましく、20重量%以下が最も好ましい。
【0022】
本発明の固形食品は、果糖及び/又はイヌリンの他に顆粒状及び/又は粉末状の具材を含んでいてもよく、具材の種類は、前記に記載のとおりである。具材の含量は、固形食品全体の99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下又は70重量%以下が好ましく、0.1重量%以上、1重量%以上、5重量%以上、10重量%以上、20重量%以上、30重量%以上又は40重量%以上が好ましい。
【実施例】
【0023】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の例によって限定されるものではない。尚、本発明において、各原料及び素材の%は別記がない限り全て重量%である。
【実施例1】
【0024】
表1記載の割合で混合した粉粒物を、プラスチック製のトレーに入れて成形後、耐熱性のポリ袋に入れて封をし、乾熱オーブンで97℃、30分加熱した。加熱後室温まで冷却した後、開封し、実施品1の固形食品(抹茶ブラウニー)を得た。
図1に写真を示した。なお、無水結晶果糖は、日新製糖社製のクリスター300、粉末油脂は、ミヨシ油脂社製のマジックファット202(登録商標)を用いた。
【0025】
【実施例2】
【0026】
実施例1記載の粉粒物を、プラスチック製のトレーに入れて成形後、耐熱性のポリ袋に入れて封をし、湿熱オーブン(ヘルシオ(登録商標)、シャープ株式会社製)で97℃、30分加熱した。加熱後室温まで冷却した後、開封し、実施品2の固形食品(抹茶ブラウニー)を得た。
【実施例3】
【0027】
実施例1記載の粉粒物を、プラスチック製のトレーに入れて成形後、耐熱性のポリ袋に入れて封をし、乾熱オーブンで90℃、15分加熱した。加熱後室温まで冷却した後、開封し、実施品3の固形食品(抹茶ブラウニー)を得た。
【実施例4】
【0028】
実施例1記載の粉粒物を、プラスチック製のトレーに入れて成形後、耐熱性のポリ袋に入れて封をし、乾熱オーブンで90℃、30分加熱した。加熱後室温まで冷却した後、開封し、実施品4の固形食品(抹茶ブラウニー)を得た。
【実施例5】
【0029】
実施例1記載の粉粒物を、プラスチック製のトレーに入れて成形後、耐熱性のポリ袋に入れて封をし、乾熱オーブンで97℃、60分加熱した。加熱後室温まで冷却した後、開封し、実施品5の固形食品(抹茶ブラウニー)を得た。
【0030】
[比較例1]
実施例1記載の粉粒物を、プラスチック製のトレーに入れて成形後、乾熱オーブンで97℃、30分加熱した。加熱後室温まで冷却したが、粉のままで、固形食品は得られなかった(比較品1)。
【0031】
[比較例2]
実施例1記載の粉粒物を、プラスチック製のトレーに入れて成形後、乾熱オーブンで90℃、30分加熱した。加熱後室温まで冷却したが、粉のままで、固形食品は得られなかった(比較品2)。
【0032】
[比較例3]
実施例1記載の粉粒物を、金属製のトレーに入れて成形後、乾熱オーブンで180℃、5分加熱した。加熱後室温まで冷却して比較品3の固形食品を得た。
【0033】
[評価試験1]
上記の実施例で得られた実施品1~6、並びに比較例で得られた比較品1~3について、封の有無及び加熱条件を表2にまとめ、形状、色及び風味を評価して表2に示した。形状の評価は、粉末が結着して塊になったものを「○」、未結着の粉末状態のものを「×」とし、色の評価は、表面の色が濃い緑色のものを「◎」、薄緑色のものを「○」、退色したものを「△」、焦げたものを「×」とし、風味の評価は、食した際に、抹茶風味が有るものを「○」、抹茶風味が無いものを「×」とした。なお、加熱前の色は、薄緑色だった。また、固形食品が得られなかった比較品1及び2は、風味評価は行わなかった。
【0034】
【0035】
封をしない場合は、100℃以下の加熱条件では固形食品は得られなかったのに加え、抹茶の色が退色し、若干褐変もしていた。これは、抹茶の色素成分が加熱と酸素による酸化の影響を受けたと考えられた。また、封をせず180℃で加熱した場合、つまり、一般的なクッキーやケーキの焼成条件では、固形食品は得られたが、抹茶の風味は飛び、さらに焦げていた。一方、封をした状態であれば、乾熱加熱でも湿熱加熱でも、90~97℃、15~60分の加熱で固形食品が得られた。封をすることで、原料の粉粒物中に含まれる水分が袋内に存在することで、低い温度でも結着剤により粉粒物同士を結着できたと考えられた。また、袋内の酸素量は、封をしない場合の加熱装置内部に含まれる酸素量に比べて少ないため、熱に弱い色素が加熱や酸素による酸化の影響をうけにくいと考えられた。
【0036】
得られた抹茶ブラウニーは、強い抹茶風味を有し、さらに小麦粉や卵を使用していないが、通常の小麦粉や卵を使用したブラウニーと変わらない食感も有しており、アレルギーフリーであってもおいしい菓子を製造できることが分かった。
【実施例6】
【0037】
表3記載の割合で混合した粉粒物を、金属製のトレーに入れて成形後、耐熱性のポリ袋に入れて封をし、湿熱オーブンで97℃、30分加熱した。なお、表3記載のローストアーモンド顆粒は混合せず、粉粒物をトレーに充填した後で上部に振りかけた。加熱後室温まで冷却した後、開封し、実施品6の固形食品(アーモンドプラリネ)を得た。
図2に写真を示した。なお、イヌリンは、フジ日本精糖社製のフラクトファイバー(登録商標)フジFFを用い、バーントシュガーパウダー、キャラメルパウダー及びステビア(ハイステビアM‐180H)は何れも池田糖化工業社製のものを用いた。
【0038】
【0039】
[比較例4]
実施例6記載の粉粒物を、金属製のトレーに充填後、乾熱オーブンで97℃、30分加熱した。加熱後室温まで冷却したが、粉粒物のままで、固形食品は得られなかった(比較品4)。
【0040】
[評価試験2]
【0041】
上記の実施例で得られた実施品6及び比較例で得られた比較品4について、封の有無及び加熱条件を表4にまとめ、形状を評価して表4に示した。形状の評価は、粉末が結着して塊になったものを「○」、未結着の粉末状態のものを「×」とした。
【0042】
【0043】
封をしない場合は、固形食品は得られなかったが、封をした状態であれば、小さな熱量でも固形食品が得られることがわかった。
【実施例7】
【0044】
表5記載の原料のうち、表5記載の割合で、イヌリン及び粉末カラメルを混合したものと、グラノーラ及びココナッツオイル(液状)を混合したものとを、混合して得た粉粒物を、プラスチック製のトレーに入れて成形後、耐熱性のポリ袋に入れて封をし、湿熱オーブンで97℃、30分加熱した。加熱後室温まで冷却した後、開封し、実施品7の固形食品(グラノーラキューブ)を得た。
図3に写真を示した。なお、グラノーラは粒子径が5~15mm程度の粒状だった。
【0045】
【実施例8】
【0046】
表6記載の原料のうち、表6記載の割合で、イヌリン、果糖、ココアパウダー、ジェットブラックココアパウダー及び精製塩を混合したものと、グラノーラ及びココナッツオイル(液状)を混合したものとを、混合して得た粉粒物を、プラスチック製のトレーに入れて成形後、耐熱性のポリ袋に入れて封をし、湿熱オーブンで97℃、30分加熱した。加熱後室温まで冷却した後、開封し、実施品8の固形食品(ココアグラノーラキューブ)を得た。なお、グラノーラは粒子径が5~15mm程度の顆粒だった。また、ジェットブラックココアパウダーは、Blommer Chocolate Company社製のものを用いた。
【0047】
【0048】
[比較例5]
実施例6記載の粉粒物を、プラスチック製のトレーに入れて成形後、乾熱オーブンで97℃、30分加熱した。加熱後室温まで冷却したが、粉粒物のままで、固形食品は得られなかった(比較品5)。
【0049】
[評価試験3]
上記の実施例で得られた実施品7及び8、並びに比較例で得られた比較品5について、封の有無及び加熱条件を表7にまとめ、形状を評価して表7に示した。形状の評価は、顆粒同士が結着して塊になったものを「○」、顆粒同士が塊になっていないものを「×」とした。
【0050】
【0051】
封をしない場合は、固形食品は得られなかったが、封をした状態であれば、小さな熱量でも固形食品が得られることがわかった。