(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20220107BHJP
G03G 21/14 20060101ALI20220107BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220107BHJP
B41J 25/20 20060101ALI20220107BHJP
B41J 11/42 20060101ALI20220107BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
B41J29/38 501
G03G21/14
G03G21/00 500
B41J25/20
B41J11/42
G03G15/00 446
(21)【出願番号】P 2017205839
(22)【出願日】2017-10-25
【審査請求日】2020-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【氏名又は名称】益頭 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100194582
【氏名又は名称】栗原 康浩
(72)【発明者】
【氏名】朱 丹
(72)【発明者】
【氏名】笹見 慎吾
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-175375(JP,A)
【文献】特開2016-150526(JP,A)
【文献】特開2014-052433(JP,A)
【文献】特開2006-225128(JP,A)
【文献】特開2016-159601(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0016785(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G03G 21/14
G03G 21/00
B41J 25/20
B41J 11/42
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続紙を搬送経路に従い搬送する搬送部と、
前記連続紙に画像を形成する画像形成部と、
前記搬送部により搬送される前記連続紙の進行方向と直交する方向の前記連続紙の端部を検知する片寄り検知部と、
前記片寄り検知部よりも前記連続紙の進行方向の上流に配置され、前記搬送部により搬送される前記連続紙に形成されている画像のそれぞれと対応して形成されているマークを検知するマーク検知部と、
前記搬送部、前記画像形成部
、前記片寄り検知部
、及び前記マーク検知部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像形成部による画像の形成が中断してから前記搬送部により前記連続紙が巻き戻されて前記画像形成部による画像の形成が再開した状態で、前記連続紙に形成されている画像のうち最終画像の後端が前記片寄り検知部を通過した場合、前記片寄り検知部の検知機能をオン状態に設定する
機能を有すると共に、
前記マーク検知部の検知結果に応じて前記最終画像の後端を特定し、前記画像形成部による画像の形成が再開した状態で、前記連続紙が、前記片寄り検知部と前記マーク検知部との間のセンサ間距離と、前記片寄り検知部による前記連続紙の端部を検知する検知周期、検知回数、及び前記連続紙の搬送線速を掛け合わせた第1距離と、を足し合わせた第2距離を搬送された後に、前記画像形成部による1画像目の書き込みが行われるように書き込みタイミングを決定する機能を有する、
画像形成装置。
【請求項2】
前記連続紙に加熱及び加圧を行う定着部、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記画像形成部による画像の形成の中断を解除し、且つ前記定着部の温度調整が完了した場合、前記搬送部により前記連続紙を巻き戻させる、
請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記最終画像の後端が前記片寄り検知部を通過するまで、前記検知機能をオフ状態に設定する、
請求項
1又は
2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記連続紙を巻き戻させた逆搬送時間、前記連続紙を巻き戻させた逆搬送距離、及び前記連続紙に形成されている画像の個数のうち少なくとも1つに基づき、前記最終画像を特定する、
請求項
1~
3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記連続紙が前記マーク検知部から前記片寄り検知部まで搬送されるのに要する待機時間が設定され、
前記制御部は、
前記最終画像の後端が、前記マーク検知部により検知されてから前記待機時間を経過した場合、前記検知機能をオン状態に設定する、
請求項
1~
4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記画像形成部による画像の形成の中断指示を受けた場合、前記最終画像に対応する前記マークを前記画像形成部に形成させる、
請求項
1~
5の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
連続紙を搬送経路に従い搬送する搬送部と、
前記連続紙に画像を形成する画像形成部と、
前記搬送部により搬送される前記連続紙の進行方向と直交する方向の前記連続紙の端部を検知する片寄り検知部と、
前記搬送部、前記画像形成部、及び前記片寄り検知部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記画像形成部による画像の形成が中断してから前記搬送部により前記連続紙が巻き戻されて前記画像形成部による画像の形成が再開した状態で、前記連続紙に形成されている画像のうち最終画像の後端が前記片寄り検知部を通過した場合、前記片寄り検知部の検知機能をオン状態に設定する機能を有すると共に、
前記画像形成部による画像の形成が再開した状態で、前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正する前から前記画像形成部に1画像目の書き込みを行わせ
ている間、前記画像形成部により形成される画像の印字位置が補正されていない旨を示す識別マークを前記画像形成部により形成される画像と対応して形成させる機能を有する、
画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記画像形成部により形成される画像のうち印字位置が補正されていない画像の周辺に前記識別マークを形成させる、
請求項
7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記画像形成部に1画像目の書き込みを行わせる際、前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正してから書き込みを行わせるか否かを切り替えるものであって、前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正してから書き込みを行わせる場合、前記連続紙の搬送状態、前記連続紙の種別、及び前記画像形成部により形成される画像の印字精度のうち少なくとも1つに応じて、前記画像形成部による1画像目の書き込みタイミングを決定する、
請求項
1~
8の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記最終画像の印字位置への補正量が上限値と下限値との間であって、且つ予め設定された上限補正閾値を超える場合、前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正してから書き込みを行わせ、
前記最終画像の印字位置への補正量が前記上限値と前記下限値との間であって、且つ前記上限補正閾値を超えない場合、前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正する前から書き込みを行わせる、
請求項
9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正する前から前記画像形成部に1画像目の書き込みを行わせる場合、前記画像形成部による1画像目の印字位置の補正量が確定されるまで、前記画像形成部による画像の形成の中断前における前記最終画像の印字位置の補正量で前記画像形成部により形成される画像の印字位置を補正する、
請求項
8~
10の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正する前から前記画像形成部に1画像目の書き込みを行わせる場合、前記画像形成部による1画像目と前記最終画像との間隔を、前記最終画像も含めて前に形成された画像間の間隔に調整する、
請求項
8~
11の何れか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式の画像形成装置が普及している。電子写真方式の画像形成装置により連続紙に画像を印刷させる場合、各種の処理を効率的に行うために、連続紙上の画像間隔を一定に保つことが好ましい。そこで、連続紙上にマークを形成し、そのマークの検知に応じて連続紙に画像を形成する処理が行われている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-268405号公報
【文献】特開2014-052433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1,2に記載のような従来技術では、印刷を途中で中断してから連続紙を巻き戻して印刷を再開する状況下において、中断前に印刷済みの画像領域が片寄り検知部により検知されると、画像領域が連続紙の端部として誤検知される恐れがある。
【0005】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、連続紙に印刷済みの画像があっても、連続紙の端部の誤検知を回避することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面である画像形成装置は、連続紙を搬送経路に従い搬送する搬送部と、前記連続紙に画像を形成する画像形成部と、前記搬送部により搬送される前記連続紙の進行方向と直交する方向の前記連続紙の端部を検知する片寄り検知部と、前記片寄り検知部よりも前記連続紙の進行方向の上流に配置され、前記搬送部により搬送される前記連続紙に形成されている画像のそれぞれと対応して形成されているマークを検知するマーク検知部と、前記搬送部、前記画像形成部、前記片寄り検知部、及び前記マーク検知部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記画像形成部による画像の形成が中断してから前記搬送部により前記連続紙が巻き戻されて前記画像形成部による画像の形成が再開した状態で、前記連続紙に形成されている画像のうち最終画像の後端が前記片寄り検知部を通過した場合、前記片寄り検知部の検知機能をオン状態に設定する機能を有すると共に、前記マーク検知部の検知結果に応じて前記最終画像の後端を特定し、前記画像形成部による画像の形成が再開した状態で、前記連続紙が、前記片寄り検知部と前記マーク検知部との間のセンサ間距離と、前記片寄り検知部による前記連続紙の端部を検知する検知周期、検知回数、及び前記連続紙の搬送線速を掛け合わせた第1距離と、を足し合わせた第2距離を搬送された後に、前記画像形成部による1画像目の書き込みが行われるように書き込みタイミングを決定する機能を有する。
【0008】
また、前記連続紙に加熱及び加圧を行う定着部、をさらに備え、前記制御部は、前記画像形成部による画像の形成の中断を解除し、且つ前記定着部の温度調整が完了した場合、前記搬送部により前記連続紙を巻き戻させる、ことが好ましい。
【0009】
また、前記制御部は、前記最終画像の後端が前記片寄り検知部を通過するまで、前記検知機能をオフ状態に設定する、ことが好ましい。
【0010】
また、前記制御部は、前記連続紙を巻き戻させた逆搬送時間、前記連続紙を巻き戻させた逆搬送距離、及び前記連続紙に形成されている画像の個数のうち少なくとも1つに基づき、前記最終画像を特定する、ことが好ましい。
【0011】
また、前記連続紙が前記マーク検知部から前記片寄り検知部まで搬送されるのに要する待機時間が設定され、前記制御部は、前記最終画像の後端が、前記マーク検知部により検知されてから前記待機時間を経過した場合、前記検知機能をオン状態に設定する、ことが好ましい。
【0012】
また、前記制御部は、前記画像形成部による画像の形成の中断指示を受けた場合、前記最終画像に対応する前記マークを前記画像形成部に形成させる、ことが好ましい。
【0016】
また、本開示の一側面である画像形成装置は、連続紙を搬送経路に従い搬送する搬送部と、前記連続紙に画像を形成する画像形成部と、前記搬送部により搬送される前記連続紙の進行方向と直交する方向の前記連続紙の端部を検知する片寄り検知部と、前記搬送部、前記画像形成部、及び前記片寄り検知部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記画像形成部による画像の形成が中断してから前記搬送部により前記連続紙が巻き戻されて前記画像形成部による画像の形成が再開した状態で、前記連続紙に形成されている画像のうち最終画像の後端が前記片寄り検知部を通過した場合、前記片寄り検知部の検知機能をオン状態に設定する機能を有すると共に、前記画像形成部による画像の形成が再開した状態で、前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正する前から前記画像形成部に1画像目の書き込みを行わせている間、前記画像形成部により形成される画像の印字位置が補正されていない旨を示す識別マークを前記画像形成部により形成される画像と対応して形成させる機能を有する。
【0017】
また、前記制御部は、前記画像形成部に1画像目の書き込みを行わせる際、前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正してから書き込みを行わせるか否かを切り替えるものであって、前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正してから書き込みを行わせる場合、前記連続紙の搬送状態、前記連続紙の種別、及び前記画像形成部により形成される画像の印字精度のうち少なくとも1つに応じて、前記画像形成部による1画像目の書き込みタイミングを決定する、ことが好ましい。
【0018】
また、前記制御部は、前記最終画像の印字位置への補正量が上限値と下限値との間であって、且つ予め設定された上限補正閾値を超える場合、前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正してから書き込みを行わせ、前記最終画像の印字位置への補正量が前記上限値と前記下限値との間であって、且つ前記上限補正閾値を超えない場合、前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正する前から書き込みを行わせる、ことが好ましい。
【0019】
また、前記制御部は、前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正する前から前記画像形成部に1画像目の書き込みを行わせる場合、前記画像形成部による1画像目の印字位置の補正量が確定されるまで、前記画像形成部による画像の形成の中断前における前記最終画像の印字位置の補正量で前記画像形成部により形成される画像の印字位置を補正する、ことが好ましい。
【0020】
また、前記制御部は、前記片寄り検知部の検知結果に応じて補正する前から前記画像形成部に1画像目の書き込みを行わせる場合、前記画像形成部による1画像目と前記最終画像との間隔を、前記最終画像も含めて前に形成された画像間の間隔に調整する、ことが好ましい。
【0022】
また、前記制御部は、前記画像形成部により形成される画像のうち印字位置が補正されていない画像の周辺に前記識別マークを形成させる、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本開示の一側面によれば、連続紙に印刷済みの画像があっても、連続紙の端部の誤検知を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の実施形態に係る画像形成装置1の全体構成例を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る画像形成装置1の機能構成例を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る中断後再開印刷の動作概要において画像IごとにマークMが印字されている一例を説明する図である。
【
図4】本開示の実施形態に係るマークMの個数のカウントにより最終画像I_lastを判定する動作例を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る最終画像I_lastのみマークMを印刷することにより最終画像I_lastを判定する動作例を示す図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る中断後再開印刷開始時の再搬送距離が予め設定された距離を経過した後にマークMを検知した最初の画像Iにより最終画像I_lastを判定する動作例を示す図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る中断後再開印刷の動作概要において最終画像I_lastにだけマークM_10が印字される一例を具体的に説明する図である。
【
図8】本開示の実施形態に係る補正量を確定させてから1画像目の書き込みタイミングが決定される一例を示す図である。
【
図9】本開示の実施形態に係る精度を重視して1画像目の書き込みタイミングが決定される一例を示す図である。
【
図10】本開示の実施形態に係るヤレ削減を重視して1画像目の書き込みタイミングが決定される一例を示す図である。
【
図11】本開示の実施形態に係る印刷再開後に最終画像I_lastが特定される一例を示す図である。
【
図12】本開示の実施形態に係る片寄り検知再開後において補正量確定前までは画像Iの印字位置がずれる一例を示す図である。
【
図13】本開示の実施形態に係る片寄り検知再開後において補正量確定前までの非保証期間に印字された画像Iに対応する識別マークNを印字する一例を示す図である。
【
図14】本開示の実施形態に係る中断後印刷再開時の動作例を説明するフローチャートである。
【
図15】本開示の実施形態に係る通常画出しモード決定処理の一例を説明するフローチャートである。
【
図16】本開示の実施形態に係る早め画出しモード決定処理の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面に基づいて本開示の実施形態を説明するが、本開示は以下の実施形態に限られるものではない。
【0026】
図1は、本開示の実施形態に係る画像形成装置1の全体構成例を示す図である。
図2は、本開示の実施形態に係る画像形成装置1の機能構成例を示す図である。
図3は、本開示の実施形態に係る中断後再開印刷の動作概要において画像IごとにマークMが印字されている一例を説明する図である。画像形成装置1は、画像形成装置本体7を備え、画像形成装置本体7の前段側には給紙調整部4が接続され、給紙調整部4の前段側には給紙部3が接続されている。画像形成装置本体7と、給紙調整部4との間には、マーク検知部5が設けられている。マーク検知部5は、搬送部21により搬送される連続紙PにあるマークMを検知する。マークMは、連続紙Pに形成されている画像Iのそれぞれと対応して形成されているものである。画像形成装置本体7の用紙排出側には巻取調整部8が接続され、巻取調整部8の用紙排出側には巻取部9が接続されている。給紙部3は、連続紙Pを収納、保持し、画像形成装置本体7に給紙する機能を備える。連続紙Pは、例えばロール紙である。巻取部9は、画像形成装置本体7から排紙される連続紙Pを保持する機能を備える。給紙調整部4は、給紙部3と、画像形成装置本体7との間の微小な速度差及び寄りを吸収するためのバッファ機能を備える。巻取調整部8は、巻取部9と、画像形成装置本体7との間の微小な速度差及び寄りを吸収するためのバッファ機能を備える。また、画像形成装置1には搬送部21が設けられている。搬送部21は、搬送ローラー31及びレジストローラー32等のような各種ローラーを備え、連続紙Pを搬送経路22に従い搬送する。搬送経路22は、連続紙Pを給紙し、搬送するものである。搬送経路22では、給紙部3に収容される連続紙Pが給紙され、搬送ローラー31及びレジストローラー32を経て、画像形成部23に連続紙Pが搬送される。また、搬送部21上には、片寄り検知部11が設けられている。片寄り検知部11は、搬送部21により搬送される連続紙Pの進行方向と直交する方向の連続紙Pの端部を検知する。
【0027】
画像形成装置1は、連続紙Pに画像Iを形成する画像形成部23を画像形成装置本体7内に備え、画像形成装置本体7上部には設定部6が設けられている。設定部6は、表示部61と、操作部62とを備え、操作部62を介して操作者の操作を受け付けると共に、表示部61により情報を表示するものであって、例えば印刷動作の各種設定を行うことができる。また、画像形成装置本体7上には、原稿を自動的に読み込む自動原稿給紙装置及び原稿画像走査装置を備える。原稿画像走査装置は、プラテンガラスを介して原稿の読み取りが可能である。原稿画像走査装置は、例えば原稿を読み取り、読み取った原稿の画像情報を不図示の画像メモリ等に記憶する。原稿の画像情報は、画像形成部23による画像形成に利用される。画像形成部23は、マーク検知部5の後段側に設けられ、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等のような各色用にそれぞれ用意された感光体44を備え、それぞれの感光体44の周囲には帯電装置41、露光装置42、及び現像装置43が設けられている。
【0028】
帯電装置41により帯電した感光体44の表面は、画像メモリ等に記憶された原稿の画像情報に基づき、露光装置42により像の露光が行われ、静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置43により現像されてトナー像となる。トナー像は、中間転写ベルト46に転写される。中間転写ベルト46に転写されたトナー像は、二次転写ローラー47で圧着されつつ、搬送部21により搬送経路22に沿って搬送される連続紙Pに転写される。二次転写ローラー47で圧着されて転写されたトナー像は、定着部25により加熱及び加圧されて連続紙Pに定着する。つまり、画像形成部23は、電子写真プロセスによる画像形成を行うことで、連続紙Pにトナー像を転写させる。なお、感光体44の周囲には、ドラムクリーニング装置45が設けられている。ドラムクリーニング装置45は、中間転写ベルト46に残る残留トナーを除去するものである。
【0029】
制御部101は、CPU、ROM、RAM、及び不図示の記憶部等を備える。CPUは、ROMから処理内容に応じてプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の動作を制御する。記憶部は、例えばフラッシュメモリ等のような不揮発性の半導体メモリ又はハードディスクドライブで実現され、各種データが格納されている。記憶部に格納されている各種データは、CPUが画像形成装置1の動作を制御するときに参照される。制御部101は、搬送部21、画像形成部23、定着部25、マーク検知部5、片寄り検知部11、及び設定部6等を制御する。制御部101は、画像形成部23による画像Iの形成が中断してから搬送部21により連続紙Pが巻き戻されて画像形成部23による画像Iの形成が再開した状態で、連続紙Pに形成されている画像Iのうち最終画像I_lastの後端が片寄り検知部11を通過した場合、片寄り検知部11の検知機能をオン状態に設定する。制御部101は、マーク検知部5の検知結果に応じて、最終画像I_lastの後端を特定する。
【0030】
具体的には、
図3に示すように、中断後再開印刷では、既に印刷済みの最終画像I_lastに対応するマークMがマーク検知部5により検知される。マーク検知部5の検知結果に基づき、印刷を再開する1画像目の開始位置から画像Iを書き込ませる制御として例えばタイミング制御を行い画像Iの書き込みが行われる。画像Iの書き込みとは、露光装置42が感光体44の表面に露光することにより、感光体44の表面に静電潜像を形成させる動作である。よって、画像Iの書き込みを行うタイミング制御とは、露光装置42が感光体44の表面に露光するタイミングを制御することと等価である。
図3の一例では、画像I_1から画像I_9まで順次印刷中であったが、画像I_10を印刷した時点で印刷が中断しているため、最終画像I_lastは、画像I_10であり、画像I_10に対応するマークMはマークM_10である。この場合、印刷の再開準備として最終画像I_lastである画像I_10を形成開始位置より上流側に引き戻し、印刷再開させる。画像I_10等のような画像Iの形成開始位置とは、連続紙Pに形成する画像Iの連続紙P上の開始位置である。具体的には、制御部101は、画像形成部23による画像Iの形成の中断を解除し、且つ定着部25の温度調整が完了した場合、搬送部21により連続紙Pを引き戻して巻き戻させる。また、連続紙Pがマーク検知部5から片寄り検知部11まで搬送されるのに要する待機時間t’が設定される。制御部101は、最終画像I_lastの後端が片寄り検知部11を通過するまで、片寄り検知部11の検知機能をオフ状態に設定する。制御部101は、最終画像I_lastの後端が、マーク検知部5により検知されてから待機時間t’を経過した場合、片寄り検知部11の検知機能をオン状態に設定する。なお、
図3の一例においては、制御部101は、連続紙Pを巻き戻させた逆搬送時間Tに基づき、最終画像I_lastを特定する。
【0031】
最終画像I_lastを判定する一例について
図4~
図6を用いて説明する。
図4は、本開示の実施形態に係るマークMの個数のカウントにより最終画像I_lastを判定する動作例を示す図である。
図4の一例では、連続紙Pを引き戻し中のマークMの個数をカウントし、再開動作中のマークMの個数をカウントする。引き戻し中のマークMの個数と、再開動作中のマークMの個数とが一致した場合、そのときのマークMに対応する画像Iが最終画像I_lastであると判定し、印刷再開後、画像形成予定領域R_11に1画像目が形成される。
図5は、本開示の実施形態に係る最終画像I_lastのみマークMを印刷することにより最終画像I_lastを判定する動作例を示す図である。
図5の一例では、最終画像I_lastを印刷する際にのみマークMを印刷し、再印刷時にマークMが検知された場合、そのときのマークMに対応する画像Iが最終画像I_lastであると判定し、印刷再開後、画像形成予定領域R_11に1画像目が形成される。
図6は、本開示の実施形態に係る中断後再開印刷開始時の再搬送距離が予め設定された距離を経過した後にマークMを検知した最初の画像Iにより最終画像I_lastを判定する動作例を示す図である。予め設定された距離は、次の式(1)に示すようになる。
【0032】
予め設定された距離=逆搬送距離L_r-{マーク検知部5と画像停止位置との間の距離+(画像長さ×1.5+空白量)×収縮倍率} (1)
【0033】
画像長さは連続紙Pの搬送方向に沿った長さである。空白量は例えば1mmである。1.5は、確実に1つ前のマークMがマーク検知部5を通過することを保証させるための係数であるが、特にこれに限定されるものではない。
【0034】
つまり、制御部101は、連続紙Pを巻き戻させた逆搬送時間T、連続紙Pを巻き戻させた逆搬送距離L_r、及び連続紙Pに形成されている画像Iの個数のうち少なくとも1つに基づき、最終画像I_lastを特定する。
【0035】
図7は、本開示の実施形態に係る中断後再開印刷の動作概要において最終画像I_lastにだけマークM_10が印字される一例を具体的に説明する図である。
図7に示すように、最終画像I_last形成時のみ、マークM_10と画像I_10とが同時に印字される。印刷中断し、再開準備時には逆搬送距離L_rだけ連続紙Pが巻き戻される。印刷再開後、待機時間t’が経過してから片寄り検知部11の検知機能がオン状態に設定される。つまり、制御部101は、最終画像I_lastに対応するマークM以外にマークMを連続紙Pに形成させない状態においては、画像形成部23による画像Iの形成の中断指示を受けた場合、最終画像I_lastに対応するマークMを画像形成部23に形成させる。
【0036】
次に、制御部101が、画像形成部23による画像Iの形成が再開した状態で、片寄り検知部11の検知結果に応じて、画像形成部23による1画像目の書き込みタイミングを決定する処理について
図8~
図13を用いて具体的に説明する。
図8は、本開示の実施形態に係る補正量を確定させてから1画像目の書き込みタイミングが決定される一例を示す図である。制御部101は、片寄り検知部11により連続紙Pの端部を検知してから画像形成部23により形成される画像Iの印字位置の補正量の確定に要する時間以降に画像形成部23による1画像目の書き込みタイミングを決定する。よって、マーク検知部5と片寄り検知部11との間のセンサ間距離Sは、最小余白領域、すなわちヤレ領域となる。
【0037】
図9は、本開示の実施形態に係る精度を重視して1画像目の書き込みタイミングが決定される一例を示す図である。
図9の一例では、片寄り検知部11が連続紙Pの端部を5回検知後、補正量が確定される。補正量は、片寄り検知部11による実際の連続紙Pの端部の位置と、仕様上の連続紙Pの端部の位置との差異に応じて決定されればよい。
図9の一例では、例えば、5回の検知結果のうち、最終の検知結果に応じて、補正量を決定してもよい。また、例えば、5回の検知結果の平均値に応じて、補正量を決定してもよい。
図10は、本開示の実施形態に係るヤレ削減を重視して1画像目の書き込みタイミングが決定される一例を示す図である。
図10の一例では、片寄り検知部11が連続紙Pの端部を1回検知後、補正量が確定される。補正量は、片寄り検知部11による実際の連続紙Pの端部の位置と、仕様上の連続紙Pの端部の位置との差異に応じて決定されればよい。
【0038】
つまり、
図9及ぶ
図10に示すように、補正量確定前に連続紙Pが搬送され続ける期間は、変動ヤレ領域すなわちヤレ領域調整可能期間である。また、ヤレ領域発生距離Lは、連続紙Pの搬送方向に沿って、ヤレ領域の生ずる距離と、変動ヤレ領域の生ずる距離との合計距離である。ヤレ領域は、上記で説明したように、マーク検知部5と片寄り検知部11との間のセンサ間距離Sで決まる。変動ヤレ領域は、検知周期×検知回数×搬送線速で決まる。よって、制御部101は、片寄り検知部11による連続紙Pの端部の検知回数に応じて、画像形成部23による1画像目の書き込みタイミングを決定する。
【0039】
次に、連続紙Pの端部が片寄る事例について具体的に
図11~
図13を用いて説明する。
図11は、本開示の実施形態に係る印刷再開後に最終画像I_lastが特定される一例を示す図である。
図11の一例においては、マーク検知部5が最終画像I_lastに対応するマークM_10の検知タイミングを起点として待機時間t’が経過後、印刷再開時の1画像目の書き込みが開始される。ところが、実際には、連続紙Pの端部が片寄る場合、補正量を求める必要がある。
図12は、本開示の実施形態に係る片寄り検知再開後において補正量確定前までは画像Iの印字位置がずれる一例を示す図である。
図12に示すように、補正量確定前では、画像I_11~画像I_13及びそれらに対応するマークM_11~マークM_13の印字位置は片寄ることになり、補正量確定タイミング以降となる補正確定後、画像I_14及びそれに対応するマークM_14の印字位置の片寄りが改善される。
図13は、本開示の実施形態に係る片寄り検知再開後において補正量確定前までの非保証期間に印字された画像Iに対応する識別マークNを印字する一例を示す図である。
図13においては、画像I間隔を同間隔にすることが重視されている。補正量確定前では、画像I_11~画像I_13の印字位置は片寄ることになり、補正量確定タイミング以降となる補正確定後、画像I_14~画像I_17及びそれらに対応するマークM_14~マークM_17の印字位置の片寄りが改善される。
図13の一例においては、さらに、識別マークNが印字されているため、補正量確定前までに再開印刷された画像I_11~画像1_13の周辺に識別マークN_11~識別マークN_13が形成されている。なお、識別マークNは、画像形成部23により形成される画像Iの印字位置が補正されていない旨を示すものである。
【0040】
つまり、画像I間隔を同間隔にすることが重視されている場合、制御部101は、画像形成部23による画像Iの形成が再開した状態で、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正する前から画像形成部23に1画像目の書き込みを行わせる。具体的には、制御部101は、画像形成部23に1画像目の書き込みを行わせる際、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正してから書き込みを行わせるか否かを切り替えるものであって、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正してから書き込みを行わせる場合、連続紙Pの搬送状態、連続紙Pの種別、及び画像形成部23により形成される画像Iの印字精度のうち少なくとも1つに応じて、画像形成部23による1画像目の書き込みタイミングを決定する。より具体的には、制御部101は、最終画像I_lastの印字位置への補正量が上限値と下限値との間であって、且つ上限補正閾値を超える場合、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正してから書き込みを行わせる。一方、制御部101は、最終画像I_lastの印字位置への補正量が上限値と下限値との間であって、且つ上限補正閾値を超えない場合、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正する前から書き込みを行わせる。
【0041】
制御部101は、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正する前から画像形成部23に1画像目の書き込みを行わせる場合、画像形成部23による1画像目の印字位置の補正量が確定されるまで、画像形成部23による画像Iの形成の中断前における最終画像I_lastの印字位置への補正量で画像形成部23により形成される画像Iの印字位置を補正する。制御部101は、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正する前から画像形成部23に1画像目の書き込みを行わせる場合、画像形成部23による1画像目と最終画像I_lastとの間隔を、最終画像I_lastも含めて前に形成された画像I間の間隔に調整する。制御部101は、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正する前から画像形成部23に1画像目の書き込みを行わせている間、画像形成部23により形成される画像Iと対応する識別マークNを画像形成部23により形成させる。つまり、制御部101は、画像形成部23により形成される画像Iのうち印字位置が補正されていない画像Iの周辺に識別マークNを形成させる。
【0042】
図14は、本開示の実施形態に係る中断後印刷再開時の動作例を説明するフローチャートである。なお、ステップS19~ステップS25の処理は、再開後画出しモード決定処理に該当する。ステップS11において、制御部101は、印刷を中断させるか否かを判定する。制御部101は、印刷を中断させると判定する場合(ステップS11;Y)、ステップS12の処理に移行する。制御部101は、印刷を中断させないと判定する場合(ステップS11;N)、ステップS11の処理を継続する。ステップS12において、制御部101は、片寄り検知部11の検知機能をオフ状態に設定する。ステップS13において、制御部101は、連続紙Pを逆搬送させる。ステップS14において、制御部101は、最終画像I_lastが特定できる位置まで逆搬送させてから逆搬送を停止させる。ステップS15において、制御部101は、連続紙Pの搬送を再開させる。ステップS16において、制御部101は、最終画像I_lastを特定する。ステップS17において、制御部101は、最終画像I_lastが片寄り検知部11を通過したか否かを判定する。制御部101は、最終画像I_lastが片寄り検知部11を通過したと判定する場合(ステップS17;Y)、ステップS18の処理に移行する。制御部101は、最終画像I_lastが片寄り検知部11を通過しないと判定する場合(ステップS17;N)、ステップS17の処理を継続する。ステップS18において、制御部101は、片寄り検知部11の検知機能をオン状態に設定する。
【0043】
ステップS19において、制御部101は、最終画像I_lastへの補正量が上限補正閾値を超えるか否かを判定する。制御部101は、最終画像I_lastへの補正量が上限補正閾値を超えると判定する場合(ステップS19;Y)、ステップS20の処理に移行し、ステップS20において、通常画出しモード決定処理を実行して処理を終了する。通常画出しモード決定処理の詳細については後述する。制御部101は、最終画像I_lastへの補正量が上限補正閾値を超えないと判定する場合(ステップS19;N)、ステップS21の処理に移行する。ステップS21において、制御部101は、連続紙Pが片寄りの発生しやすい紙種であるか否かを判定する。制御部101は、連続紙Pが片寄りの発生しやすい紙種であると判定する場合(ステップS21;Y)、ステップS22の処理に移行し、ステップS22において、通常画出しモード決定処理を実行して処理を終了する。制御部101は、連続紙Pが片寄りの発生しやすい紙種でないと判定する場合(ステップS21;N)、ステップS23の処理に移行する。ステップS23において、制御部101は、高精度な片寄り補正が要求されているか否かを判定する。制御部101は、高精度な片寄り補正が要求されていると判定する場合(ステップS23;Y)、ステップS24の処理に移行し、ステップS24において、通常画出しモード決定処理を実行して処理を終了する。制御部101は、高精度な片寄り補正が要求されていないと判定する場合(ステップS23;N)、ステップS25の処理に移行し、早め画出しモード決定処理を実行して処理を終了する。早め画出しモード決定処理の詳細については後述する。
【0044】
図15は、本開示の実施形態に係る通常画出しモード決定処理の一例を説明するフローチャートである。ステップS41において、制御部101は、最新の補正量が確定済みであるか否かを判定する。制御部101は、最新の補正量が確定済みであると判定する場合(ステップS41;Y)、ステップS43の処理に移行する。制御部101は、最新の補正量が確定済みでないと判定する場合(ステップS41;N)、ステップS42の処理に移行する。ステップS42において、制御部101は、連続紙Pを搬送するだけで画像Iを印字させず、ステップS41の処理に戻る。ステップS43において、制御部101は、確定された最新の補正量で画像Iの印字位置を補正して印字させ、通常画出しモード決定処理を終了する。
【0045】
図16は、本開示の実施形態に係る早め画出しモード決定処理の一例を説明するフローチャートである。ステップS51において、制御部101は、最終画像I_lastへの補正量で画像Iの印字位置を補正して印字させる。ステップS52において、制御部101は、最新の補正量が確定済みであるか否かを判定する。制御部101は、最新の補正量が確定済みであると判定する場合(ステップS52;Y)、ステップS53の処理に移行する。制御部101は、最新の補正量が確定済みでないと判定する場合(ステップS52;N)、ステップS51の処理に戻る。ステップS53において、制御部101は、確定された最新の補正量で画像Iの印字位置を補正して印字させ、早め画出しモード決定処理を終了する。
【0046】
ところで、連続紙Pに対し、印刷又は加工において、箔押し又はダイカット等のような各種の処理作業を効率的に行うためには、連続紙P上の画像Iの間隔を一定に保つことが好ましい。また、連続紙P上にマークMを配置し、そのマークMの検知タイミングに応じて連続紙Pへの画像Iの書き込みタイミングを調整することが一般的に行われているが、そのような書き込みタイミングの調整は、主に、予め印刷又は加工処理が行われた連続紙Pに対し、追い刷り印刷を行う際のタイミング調整と、何らかの要因で中断された印刷動作を再開する際のタイミング調整に用いられている。
【0047】
また、従来から、片寄り検知部11により連続紙Pの進行方向と直交する方向の連続紙Pの端部を検知し、検知した端部の位置と仕様上想定される端部の位置との差異に応じて、画像Iの印字位置を補正することが行われている。しかし、画像形成装置1において、印刷動作が中断した後に連続紙Pを巻き戻した上で印刷を再開する場合、片寄り検知部11が中断前に印刷済みの画像領域を検知すれば、画像領域を連続紙Pの端部と誤検知する恐れがある。
【0048】
そこで、本実施形態においては、画像形成部23による画像Iの形成が中断してから搬送部21により連続紙Pが巻き戻されて画像形成部23による画像Iの形成が再開した状態で、連続紙Pに形成されている画像Iのうち最終画像I_lastの後端が片寄り検知部11を通過した場合、片寄り検知部11の検知機能がオン状態に設定される。片寄り検知部11の検知機能がオン状態に設定されてから片寄り検知部11を通過する連続紙Pには画像Iが形成されていない。したがって、連続紙Pに印刷済みの画像Iがあっても、連続紙Pの端部の誤検知を回避することができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、連続紙Pには最終画像I_lastに対応するマークMが印字されているため、マーク検知部5の検知結果に応じて、最終画像I_lastの後端が特定されることにより、最終画像I_lastの印字位置を正確に特定することができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、画像形成部23による画像Iの形成の中断が解除され、且つ定着部25の温度調整が完了した場合、搬送部21により連続紙Pが巻き戻される。よって、連続紙Pに画像Iを形成できる状態になっているため、印刷再開され次第、連続紙Pに画像Iを形成していくことができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、最終画像I_lastの後端が片寄り検知部11を通過するまで、検知機能がオフ状態に設定される。よって、片寄り検知部11が最終画像I_lastを連続紙Pの端部と誤検知することがない。したがって、片寄り検知部11の検知結果の信頼性を向上させることができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、連続紙Pを巻き戻させた逆搬送時間T、連続紙Pを巻き戻させた逆搬送距離L_r、及び連続紙Pに形成されている画像Iの個数のうち少なくとも1つに基づき、最終画像I_lastが特定される。よって、最終画像I_lastを確実に特定することができる。したがって、最終画像I_lastが片寄り検知部11を通過するタイミングを特定できるため、片寄り検知部11の検知機能をオフ状態からオン状態に制御するタイミングを正確に決定することができる。
【0053】
また、本実施形態によれば、待機時間t’は、連続紙Pがマーク検知部5から片寄り検知部11まで搬送されるのに要する時間に設定される。最終画像I_lastの後端が、マーク検知部5により検知されてから待機時間t’を経過した場合、片寄り検知部11の検知機能がオン状態に設定される。よって、最終画像I_lastがマーク検知部5から片寄り検知部11まで通過する時間に応じて片寄り検知部11の検知機能をオン状態に制御するタイミングを正確に設定することができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、画像形成部23による画像Iの形成の中断指示を受けた場合、最終画像I_lastに対応するマークMが画像形成部23により形成される。よって、マーク検知部5が連続紙P上のマークMを検知したときには最終画像I_lastがマーク検知部5を通過することと等価となる。よって、単一のマークMの検知により最終画像I_lastを特定することができるため、低コストで最終画像I_lastを特定することができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、画像形成部23による画像Iの形成が再開した状態で、片寄り検知部11の検知結果に応じて、画像形成部23による1画像目の書き込みタイミングが決定される。片寄り検知部11の検知結果から画像Iの印字位置の補正量を求めることができるため、画像Iの印字位置の補正量が求まってから1画像目の書き込みタイミングを決定することができる。
【0056】
また、本実施形態によれば、片寄り検知部11により連続紙Pの端部が検知されてから画像形成部23により形成される画像Iの印字位置の補正量の確定に要する時間以降に画像形成部23による1画像目の書き込みタイミングが決定される。よって、連続紙Pの端部の位置を把握した上で画像Iの印字位置の補正量を確定させるため、画像Iの印字位置の補正量を正確に求めることができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、片寄り検知部11による連続紙Pの端部の検知回数に応じて、画像形成部23による1画像目の書き込みタイミングが決定される。よって、精度を重視するときには連続紙Pの端部の検知回数を増やし、ヤレ削減を重視するときには連続紙Pの端部の検知回数を減らすことができる。したがって、重視するものに応じて画像形成部23による1画像目の書き込みタイミングを決定することができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、画像形成部23による画像Iの形成が再開した状態で、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正する前から画像形成部23に1画像目の書き込みを行わせることができる。よって、早めに画像Iを形成する必要があるときにも画像形成処理を行うことができる。
【0059】
また、本実施形態によれば、画像形成部23に1画像目の書き込みを行わせる際、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正してから書き込みを行わせるか否かを切り替えるものであって、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正してから書き込みを行わせる場合、連続紙Pの搬送状態、連続紙Pの種別、及び画像形成部23により形成される画像Iの印字精度のうち少なくとも1つに応じて、画像形成部23による1画像目の書き込みタイミングが決定される。よって、1画像目の書き込みタイミング制御をより細かく行うことができる。
【0060】
また、本実施形態によれば、最終画像I_lastの印字位置への補正量が上限値と下限値との間であって、且つ上限補正閾値を超える場合、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正してから書き込みを行わせる。一方、最終画像I_lastの印字位置への補正量が上限値と下限値との間であって、且つ上限補正閾値を超えない場合、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正する前から書き込みを行わせる。よって、1画像目の印字位置が大幅にずれている場合には片寄り検知部11の検知結果を利用し、1画像目の印字位置が大幅にずれていない場合には片寄り検知部11の検知結果を利用しないように制御することができる。したがって、必要なときだけ印字位置のずれを補正する制御となるため、全体としての生産性を向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正する前から画像形成部23に1画像目の書き込みを行わせる場合、画像形成部23による1画像目の印字位置の補正量が確定されるまで、画像形成部23による画像Iの形成の中断前における最終画像I_lastの印字位置の補正量で画像形成部23により形成される画像Iの印字位置が補正される。よって、直近の補正量で画像Iの印字位置が補正されるため、的外れな補正量による印字位置の補正を回避させることができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正する前から画像形成部23に1画像目の書き込みを行わせる場合、画像形成部23による1画像目と最終画像I_lastとの間隔を、最終画像I_lastも含めて前に形成された画像I間の間隔に調整される。よって、中断前に形成された画像I間の間隔が同一である場合には、中断再開後に連続紙P上に形成される画像I間の間隔を同一にすることができるため、無駄な空白を回避することができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、片寄り検知部11の検知結果に応じて補正する前から画像形成部23に1画像目の書き込みを行わせている間、画像形成部23により形成される画像Iの印字位置が補正されていない旨を示す識別マークNが画像形成部23により形成される画像Iと対応して形成される。よって、連続紙P上において印字位置が補正されていない区間を直感的に把握させることができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、画像形成部23により形成される画像Iのうち印字位置が補正されていない画像Iの周辺に識別マークNが形成される。よって、連続紙P上に形成される画像Iのうち印字位置が補正されていない画像Iを直感的に把握させることができる。
【0065】
以上、本開示に係る画像形成装置1を実施形態に基づいて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【0066】
例えば、本実施形態においては、連続紙Pがロール紙である一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、連続紙Pは帳票であってもよく、長尺紙であってもよい。つまり、連続紙Pはある範囲にわたって連続しているものであればよい。例えば、連続紙Pは交互に折り曲げられた形態から給紙されるものであってもよい。
【0067】
また、本実施形態においては、画像形成装置1が、給紙部3、給紙調整部4、画像形成装置本体7、巻取調整部8、及び巻取部9を備える一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置1は、画像形成装置本体7のみで構成されるものであってもよい。また、本実施形態においては説明を省略したが、ラミネート加工又は裁断等のように後処理を行う後処理装置が接続されてもよい。後処理装置は画像形成装置本体7内部に含まれてもよく、画像形成装置本体7に後処理装置が接続されて画像形成装置1が構成されてもよく、画像形成装置1に後処理装置が接続されて画像形成システムが構成されてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 画像形成装置、3 給紙部、4 給紙調整部、5 マーク検知部
6 設定部、61 表示部、62 操作部
7 画像形成装置本体、8 巻取調整部、9 巻取部、11 片寄り検知部
21 搬送部、22 搬送経路、23 画像形成部、25 定着部
31 搬送ローラー、32 レジストローラー
41 帯電装置、42 露光装置、43 現像装置、44 感光体
45 ドラムクリーニング装置、46 中間転写ベルト、47 二次転写ローラー
101 制御部
M,M_1~M_17 マーク、N,N-11~N-13 識別マーク
I,I_1~I_17 画像、I_last 最終画像
R_11 画像形成予定領域、 P 連続紙、L ヤレ領域発生距離
T 逆搬送時間、t’ 待機時間、S センサ間距離、L_r 逆搬送距離