(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20220107BHJP
【FI】
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2017209474
(22)【出願日】2017-10-30
【審査請求日】2020-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】特許業務法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】奥山 一幸
(72)【発明者】
【氏名】山田 篤史
【審査官】山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-196635(JP,A)
【文献】特開2012-190366(JP,A)
【文献】特開2014-071703(JP,A)
【文献】特許第6157044(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0244324(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルごとに、
テーブル識別子と、
配席可能な上限人数と、
他のテーブルに係るテーブル識別子及び当該他のテーブルとの連結優先順位を含む1以上のテーブル連結情報と
を記憶する第1の記憶部と、
第1のテーブル識別子と利用人数を指定してテーブルの利用を通知する利用通知の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部が入力を受け付けた前記利用通知に係る前記第1のテーブル識別子と前記利用人数とを記憶する第2の記憶部と、
前記利用人数が前記第1のテーブル識別子により特定される第1のテーブルの上限人数を上回るか否かを判定し、
前記利用人数が前記第1のテーブルの上限人数を上回る場合に、前記第1のテーブル識別子に対応する1以上のテーブル連結情報に含まれる連結優先順位に基づいて、連結する他のテーブルを選択し、
選択された他のテーブルに係るテーブル識別子を、前記第1のテーブル識別子と関連付けて前記第2の記憶部に記憶させる
制御部
を備える
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、連結する他のテーブルを選択する際、連結優先順位が上位の他のテーブルに利用者が割り当てられていたら、連結優先順位が下位の他のテーブルを選択する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記第1の記憶部は、さらに、他のテーブルと結合する際に優先する方向の情報に係る連結優先方向を、テーブルごとに記憶し、
前記制御部は、連結する他のテーブルを選択する際、前記第1のテーブル識別子に対応する連結優先方向にも基づいて、連結する他のテーブルを選択する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、連結する他のテーブルを選択した後、前記第1のテーブルの上限人数に、選択された連結する他のテーブルの上限人数を加算した上限人数が、前記利用人数よりも少ない場合に、前記連結する他のテーブルに対応する1以上のテーブル連結情報に含まれる連結優先順位に基づいて、前記連結する他のテーブルに連結する他のテーブルを選択する
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、連結する他のテーブルを選択した後、前記第1のテーブルの上限人数に、選択された連結する他のテーブルの上限人数を加算した上限人数が、前記利用人数よりも少ない場合に、前記第1のテーブルの1以上のテーブル連結情報に基づいて、前記第1のテーブルに連結する他のテーブルを選択する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記入力部は、前記第2の記憶部に既に記憶されている前記第1のテーブル識別子を指定して新たな利用通知が入力された場合に、前記新たな利用通知の入力を受け付け、
前記制御部は、前記入力部により前記新たな利用通知が入力された場合に、前記第1のテーブルの上限人数を、前記第2の記憶部に既に記憶されている前記利用人数に前記新たな利用通知で指定される利用人数を加算した人数が上回るか否かを判定し、上回ると判定される場合に連結する他のテーブルを選択する
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記第2の記憶部に記憶されている、前記第1のテーブル識別子と前記第1のテーブル識別子に関連付けられているテーブル識別子とによりそれぞれ特定されるテーブルが連結されていることを示す配席レイアウトの表示情報を生成する
情報処理装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、テーブルを利用していた利用者が清算すると、前記第2の記憶部に記憶されている、前記第1のテーブル識別子と前記第1のテーブル識別子に関連付けられているテーブル識別子との関連付けを解消する
情報処理装置。
【請求項9】
テーブルごとに、
テーブル識別子と、
配席可能な上限人数と、
他のテーブルに係るテーブル識別子及び当該他のテーブルとの連結優先順位を含む1以上のテーブル連結情報と
を記憶し、
第1のテーブル識別子と利用人数を指定してテーブルの利用を通知する利用通知の入力を受け付け、
前
記入力を受け付けた前記利用通知に係る前記第1のテーブル識別子と前記利用人数とを記憶し、
前記利用人数が前記第1のテーブル識別子により特定される第1のテーブルの上限人数を上回るか否かを判定し、
前記利用人数が前記第1のテーブルの上限人数を上回る場合に、前記第1のテーブル識別子に対応する1以上のテーブル連結情報に含まれる連結優先順位に基づいて、連結する他のテーブルを選択し、
選択された他のテーブルに係るテーブル識別子を、前記第1のテーブル識別子と関連付けて記憶する
、
コンピュータによって実行される情報処理方法。
【請求項10】
テーブルごとに、
テーブル識別子と、
配席可能な上限人数と、
他のテーブルに係るテーブル識別子及び当該他のテーブルとの連結優先順位を含む1以上のテーブル連結情報と
を記憶する処理と、
第1のテーブル識別子と利用人数を指定してテーブルの利用を通知する利用通知の入力を受け付ける処理と、
前記入力部が入力を受け付けた前記利用通知に係る前記第1のテーブル識別子と前記利用人数とを記憶する処理と、
前記利用人数が前記第1のテーブル識別子により特定される第1のテーブルの上限人数を上回るか否かを判定する処理と、
前記利用人数が前記第1のテーブルの上限人数を上回る場合に、前記第1のテーブル識別子に対応する1以上のテーブル連結情報に含まれる連結優先順位に基づいて、連結する他のテーブルを選択する処理と、
選択された他のテーブルに係るテーブル識別子を、前記第1のテーブル識別子と関連付けて記憶する処理
をコンピュータに実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関し、電子データ化された飲食店の配席レイアウトにおいて複数のテーブルの連結を反映するために必要な手間や工数を削減するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店などの運営を支援することを目的としたコンピュータシステムにおいては、注文や予約を受け付けたり、会計をしたりする際に、テーブルごとに処理をすることが比較的多い。例えば、予約の空きを調べる際に、4人が座れるテーブルが空いているか否かを判断するといった処理が行われる。
【0003】
ところが、飲食店においては、テーブルの配置は必ずしも固定的ではなく、2人席と2人席を連結して4人席を作るといったことが行われている。このようなテーブルの連結/結合をコンピュータシステムに反映する場合、従来は手作業で入力する必要があり、工数や手間がかかっていた。
【0004】
特許文献1には、タイムテーブル形式で表された予約情報において、選択した複数のテーブルをグループとして管理することが開示されている。しかしながら、この開示技術ではテーブルの配置などを考慮しておらず、上述したような課題の解決は難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の実情に鑑み、本発明は、複数のテーブルの連結をコンピュータシステムに反映する際の工数の削減を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明に係る一態様は、第1の記憶部と、入力部と、第2の記憶部と、制御部を備える。
上記第1の記憶部は、テーブルごとに、テーブル識別子と、配席可能な上限人数と、他のテーブルに係るテーブル識別子及び当該他のテーブルとの連結優先順位を含む1以上のテーブル連結情報とを記憶する。
上記入力部は、第1のテーブル識別子と利用人数を指定してテーブルの利用を通知する利用通知の入力を受け付ける。
上記第2の記憶部は、上記入力部が入力を受け付けた上記利用通知に係る上記第1のテーブル識別子と上記利用人数とを記憶する。
上記制御部は、上記利用人数が上記第1のテーブル識別子により特定される第1のテーブルの上限人数を上回るか否かを判定し、上記利用人数が上記第1のテーブルの上限人数を上回る場合に、上記第1のテーブル識別子に対応する1以上のテーブル連結情報に含まれる連結優先順位に基づいて、連結する他のテーブルを選択し、選択された他のテーブルに係るテーブル識別子を、上記第1のテーブル識別子と関連付けて上記第2の記憶部に記憶させる。
【0008】
上記構成により、利用通知が入力されると、それの利用人数がテーブルを使用可能な上限人数を上回るか否かが判断され、上回る場合に他のテーブルとの連結を内部処理することができるので、複数のテーブルの連結をコンピュータシステムに反映する際の工数の削減が可能になる。
【0009】
上記構成において、上記制御部は、連結する他のテーブルを選択する際、連結優先順位が上位の他のテーブルに利用者が割り当てられていたら、連結優先順位が下位の他のテーブルを選択してもよい。
【0010】
上記構成により、連結優先順位が高位の他のテーブルから順に、連結の候補とすることができる。
【0011】
上記構成において、上記第1の記憶部は、さらに、他のテーブルと結合する際に優先する方向の情報に係る連結優先方向を、テーブルごとに記憶してもよく、上記制御部は、連結する他のテーブルを選択する際、上記第1のテーブル識別子に対応する連結優先方向にも基づいて、連結する他のテーブルを選択してもよい。
【0012】
上記構成により、1のテーブルに対して他のテーブルが有する連結優先順位だけでなく、1のテーブルが優先的に連結する方向によっても連結する他のテーブルを選択することができる。
【0013】
上記構成において、上記制御部は、連結する他のテーブルを選択した後、上記第1のテーブルの上限人数に、選択された連結する他のテーブルの上限人数を加算した上限人数が、上記利用人数よりも少ない場合に、上記連結する他のテーブルに対応する1以上のテーブル連結情報に含まれる連結優先順位に基づいて、上記連結する他のテーブルに連結する他のテーブルを選択してもよい。
あるいは、上記構成において、上記制御部は、連結する他のテーブルを選択した後、上記第1のテーブルの上限人数に、選択された連結する他のテーブルの上限人数を加算した上限人数が、上記利用人数よりも少ない場合に、上記第1のテーブルの1以上のテーブル連結情報に基づいて、上記第1のテーブルに連結する他のテーブルを選択してもよい。
【0014】
上記構成のいずれによっても、2つのテーブルが連結されてもなお配席可能な人数が利用人数に満たない場合に行われる2つのテーブルへの別のテーブルの連結がコンピュータシステムに自動的に登録され、テーブル連結のシステムへの反映に必要な工数が削減される。
【0015】
上記構成において、上記入力部は、上記第2の記憶部に既に記憶されている上記第1のテーブル識別子を指定して新たな利用通知が入力された場合に、上記新たな利用通知の入力を受け付けてもよい。
その場合、上記制御部は、上記入力部により上記新たな利用通知が入力された場合に、上記第1のテーブルの上限人数を、上記第2の記憶部に既に記憶されている上記利用人数に上記新たな利用通知で指定される利用人数を加算した人数が上回るか否かを判定し、上回ると判定される場合に連結する他のテーブルを選択してもよい。
【0016】
上記構成により、既に利用者がいるテーブルに、いわゆる相席をお願いして、別グループの利用者を案内する場合に行われるテーブルの連結がコンピュータシステムに自動的に登録され、テーブル連結のシステムへの反映に必要な工数が削減される。
【0017】
上記構成において、上記制御部は、上記第2の記憶部に記憶されている、上記第1のテーブル識別子と上記第1のテーブル識別子に関連付けられているテーブル識別子とによりそれぞれ特定されるテーブルが連結されていることを示す配席レイアウトの表示情報を生成してもよい。
【0018】
上記構成により、テーブル連結が反映された配席レイアウトの表示情報を表示出力することができる。なお、出力先は情報処理装置が有する表示部であるか、外部装置の表示部であるかを問わない。
【0019】
上記構成において、上記制御部は、テーブルを利用していた利用者が清算すると、上記第2の記憶部に記憶されている、上記第1のテーブル識別子と上記第1のテーブル識別子に関連付けられているテーブル識別子との関連付けを解消してもよい。
【0020】
上記構成により、第2の記憶部に記憶されている複数のテーブル識別子同士の関連付けを解消することができ、連結されている複数のテーブルの分離をコンピュータシステムへ反映するのに必要な工数が削減される。
【0021】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、テーブルごとに、テーブル識別子と、配席可能な上限人数と、他のテーブルに係るテーブル識別子及び当該他のテーブルとの連結優先順位を含む1以上のテーブル連結情報とを記憶し、第1のテーブル識別子と利用人数を指定してテーブルの利用を通知する利用通知の入力を受け付け、前記入力部が入力を受け付けた前記利用通知に係る前記第1のテーブル識別子と前記利用人数とを記憶し、前記利用人数が前記第1のテーブル識別子により特定される第1のテーブルの上限人数を上回るか否かを判定し、前記利用人数が前記第1のテーブルの上限人数を上回る場合に、前記第1のテーブル識別子に対応する1以上のテーブル連結情報に含まれる連結優先順位に基づいて、連結する他のテーブルを選択し、選択された他のテーブルに係るテーブル識別子を、前記第1のテーブル識別子と関連付けて記憶する情報処理方法である。
【0022】
本発明の一態様に係るプログラムは、テーブルごとに、テーブル識別子と、配席可能な上限人数と、他のテーブルに係るテーブル識別子及び当該他のテーブルとの連結優先順位を含む1以上のテーブル連結情報とを記憶する処理と、第1のテーブル識別子と利用人数を指定してテーブルの利用を通知する利用通知の入力を受け付ける処理と、前記入力部が入力を受け付けた前記利用通知に係る前記第1のテーブル識別子と前記利用人数とを記憶する処理と、前記利用人数が前記第1のテーブル識別子により特定される第1のテーブルの上限人数を上回るか否かを判定する処理と、前記利用人数が前記第1のテーブルの上限人数を上回る場合に、前記第1のテーブル識別子に対応する1以上のテーブル連結情報に含まれる連結優先順位に基づいて、連結する他のテーブルを選択する処理と、選択された他のテーブルに係るテーブル識別子を、前記第1のテーブル識別子と関連付けて記憶する処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0023】
以上に説明したように、本発明によれば、複数のテーブルの連結をコンピュータシステムに反映する際の工数の削減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係る一実施形態のシステム構成を示す図である。
【
図2】上記実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】上記実施形態に係る記憶部が記憶する各種データの構成例を示す図である。
【
図4】上記実施形態に係るテーブル情報データベースの構成例を示す図である。
【
図5】上記実施形態におけるテーブルの連結を説明するための模式図である。
【
図6】上記実施形態に係る情報処理装置の情報処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0026】
<第1の実施形態>
[システムの構成]
図1は、本実施形態に係る店舗運営支援システム1の構成を示した図である。同図に示すように、本実施形態に係る店舗運営支援システム1は、情報処理装置100と可搬型端末200を含む。
図1には店舗運営支援システム1のほかに、店舗運営支援システム1をユーザが利用するためのユーザ端末300が示されている。
【0027】
本実施形態に係る制御部が構成される情報処理装置100は、汎用のコンピュータにより構成することができる。情報処理装置100は、
図1では運営支援対象の飲食店の店舗内に設置されているが、これは一例であって、店舗外に設置されてもよく、設置場所は任意である。可搬型端末200は、例えば、飲食店の従業員のホール係が扱う「ハンディ」と呼ばれている注文を入力するための端末などとして実施されてもよい。ユーザ端末300は、汎用のコンピュータやスマートデバイスが利用できる。
【0028】
なお、本実施形態では、飲食店の店舗が提供する飲食サービス等を利用する客を「利用者」と呼ぶ。店舗運営システム1を直接的に利用する店舗の経営者層や従業員等を指すときは「利用者」と呼ばない。
【0029】
[情報処理装置のハードウェア構成]
図2は、情報処理装置100のハードウェア構成を示した図である。同図に示すように、情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、入出力インタフェース15、及び、これらを互いに接続するバス14を備える。
【0030】
CPU11は、必要に応じてRAM13等に適宜アクセスし、各種演算処理を行いながら各ブロック全体を統括的に制御する。ROM12は、CPU11に実行させるOS、プログラムや各種パラメータなどのファームウェアが固定的に記憶されている不揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の作業用領域等として用いられ、OS、実行中の各種アプリケーション、処理中の各種データを一時的に保持する。
【0031】
入出力インタフェース15には、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19等が接続される。表示部16は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro-Luminescence Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等を用いた表示デバイスである。操作受付部17は、例えばマウス等のポインティングデバイス、キーボード、その他の入力装置である。なお、表示部16と操作受付部17を液晶タッチパネルにより一つにまとめてもよい。
【0032】
記憶部18は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、フラッシュメモリ(SSD;Solid State Drive)、その他の固体メモリ等の不揮発性メモリである。当該記憶部18には、上記OSや各種アプリケーション、各種データが記憶される。
【0033】
通信部19は、例えばNIC(Network Interface Card)や無線LAN等の無線通信用の各種モジュールである。通信部19により本端末の他端末とのデータの送受信が可能になる。
【0034】
なお、上述のハードウェア構成を採用することで、予約システムとのデータ連携が容易になる。また、CPU11はROM12に記憶されているソフトウェアプログラムをロードすることにより本実施形態の制御部を構成する。記憶部18は本実施形態の第1の記憶部として機能する。RAM13は本実施形態の第2の記憶部として機能する。通信部19は本実施形態の入力部として機能する。
【0035】
[記憶部のデータ内容]
記憶部18が記憶する各種データのうち、本実施形態の構成及び動作に関係するものについて説明する。
【0036】
図3は、記憶部18が記憶する各種データの構成例を示す図である。
図3に示すように、記憶部18は、フロアマップデータベース181と、テーブル情報データベース182と、配席レイアウトデータベース183を有している。各データベースは相互に関連付けがなされており、全体として一つのリレーショナルデータベースとして構築されている。なお、これは説明のための便宜的な一例であり、他の実施形態においてはリレーショナルデータベースとしなくてもよい。また、データベースと呼べるような規模のものではなく、単純な記憶テーブルのようなものでもよい。
【0037】
フロアマップデータベース181は、店舗の平面図(フロアマップ)を記憶するデータベースである。記憶するフロアマップは複数でもよい、すなわち複数の店舗の平面図を記憶してもよい。テーブル情報データベース182は、後述するテーブルごとの情報を記憶するデータベースである。配席レイアウトデータベース183は、店舗ごとにテーブルとイスの位置(配席レイアウト)に係る情報を記憶するデータベースである。
【0038】
フロアマップデータベース181が店舗に固定的に設置された壁や柱などを格納しているのに対し、配席レイアウトデータベース183は、店舗内を移動する可能性のあるテーブルやイスの位置情報をフロアマップに関連付けた配席レイアウトを格納している。
【0039】
配席レイアウトを構成する要素であるテーブルの位置情報は、テーブルの移動によって変化することがある。変動した位置情報は、店舗のホール係など操作者による手入力で更新されるようにしてもよいが、手間と工数がかかる。本実施形態では、以下に述べるテーブル情報データベース182を利用した情報処理装置100の情報処理により、その工数を削減する。
【0040】
テーブル情報データベース182の記憶内容の構成例を
図4に示す。テーブル情報データベース182は、少なくとも、
図4(a)に示すようなテーブル情報40を、店舗内のテーブルごとに有する。
図4(a)中には、テーブル情報40a,40b,40cが示されている。図示のように、テーブル情報40は、各々、テーブル識別子41、上限人数42、テーブル連結情報43、テーブル連結方向44を有する。
【0041】
テーブル識別子41は各テーブルにユニークな識別子であり、例えば、テーブルナンバー等が該当する。上限人数42はそのテーブルに配席可能な人数の上限の情報である。例えば、4人がけテーブルであれば4人、2人がけテーブルであれば2人などというように決められる。テーブル連結情報43は、そのテーブルが他のテーブルと連結する際に参照される情報である。テーブル情報40はテーブル連結情報43を複数有してもよい。
図4(a)にはテーブル情報40aがテーブル連結情報43a,43b,43cを有するケースを例示している。なお、テーブル情報40がテーブル連結情報43を持たない場合も許容されるが本実施形態では、そのケースはないものとする。
【0042】
図4(b)にテーブル連結情報43の構成例を示す。また、
図5に本実施形態におけるテーブル連結の態様を説明するための模式図を示す。
図5は店舗のフロアを上から見下ろしたところを示す模式図である。
図4(b)に示すように、テーブル連結情報43は他のテーブルのテーブル識別子431と連結優先順位432を有する。他のテーブルは例えば、連結可能な他のテーブル、隣のテーブルなどが設定される。例えば、
図5中のテーブル51を基準に考えると、テーブル51のテーブル情報40aは、テーブル連結情報43に持っている他のテーブルの情報としては、テーブル52とテーブル54の情報が設定される。
【0043】
テーブル連結情報43としては、連結する他のテーブルを特定するための情報(テーブル識別子421)と、そのテーブルを連結する際の優先順位に関する情報(連結優先順位432)とが少なくともあるとよい。連結優先順位432は、1番、2番・・・のように設定されていてもよい。テーブル連結情報43が参照されることによって、そのテーブル情報40に係るテーブルが優先的に連結すべき他のテーブルを決めることができる。
【0044】
テーブル情報40はさらに、テーブル連結方向44を有していてもよい。テーブル連結方向44は、例えば
図5(a)と(b)に矢印で示したような、テーブルが連結を優先すべき方向の情報である。テーブル51の連結優先方向44は、
図5(a)中に示した矢印、テーブル53の連結優先方向44は、
図5(b)中にテーブル53から引き出されている矢印で示されている。テーブル連結方向44は
図5に示すような方向が導き出せるような情報であればよく、そのような情報の例として具体的には、方位(東西南北)を指定した情報でもよい。
【0045】
[情報処理]
図6に、本実施形態に係る情報処理装置100の情報処理の流れを示す。図示のように本実施形態の情報処理のフローは、情報処理装置100に利用通知が入力されたことをトリガーに始まる(ST11)。利用通知は、通信部19や入出力インタフェース15を介してCPU11を中心に構成される制御部に入力される。
【0046】
利用通知は、店舗内のいずれか一つのテーブルのテーブル識別子と利用人数を指定した構成である。利用通知は例えば次のようにして情報処理装置100に入力される。まず、店舗のホール係が「ハンディ」と呼ばれる可搬型端末200を用いて、利用者のグループを店内に案内する際に、案内するテーブル番号と、グループの人数を打ち込む。次に、可搬型端末200は打ち込まれた情報を利用通知として情報処理装置100に送信する。
【0047】
あるいは、店舗を訪れる予定の利用者が、ユーザ端末300を用いてインターネット上の飲食店の利用予約サイトにアクセスし、利用人数を指定して予約する。次に、情報処理装置100が利用人数に基づいて(又は基づかなくてもよい)利用するテーブルを決定、そのテーブル識別子と利用人数を制御部に再入力する。ここで述べたのは一例であって、他の方法により利用通知を本実施形態の情報処理装置100に入力してもよい。利用通知で指定されたテーブル識別子を以下、「第1のテーブル識別子」と呼ぶ。
【0048】
次に、CPU11は、ST11で入力された利用通知を登録する(ST12)。登録は、第1のテーブル識別子と利用人数をRAM13(第2の記憶部)に記憶させることで行われる。この利用登録は、利用者が飲食代金の清算することをトリガーに解消される。
【0049】
次に、CPU11は、第1のテーブル識別子により特定されるテーブル情報40を参照して、利用登録された利用通知に係る利用人数が、テーブル情報40が有する上限人数42により既定される人数の上限を上回るか否かを判定する(ST13)。上回らない場合(ST13/No)、例えば、4人がけのテーブルに3人の利用者を案内するような場合には、本実施形態に係る情報処理のフローは終了する。
【0050】
上回るとき(ST13/Yes)、CPU11は、自動的に第1のテーブル識別子により特定されるテーブル(以下、「第1のテーブル」と呼ぶ)に連結する他のテーブル(以下、「第2のテーブル」と呼ぶ)を選択する(ST14)。前出のホール係は、物理的なテーブル連結作業は行うが、特にテーブル連結を電子データ化した配席レイアウトに反映させる、といった入力作業は行わないでよい。
【0051】
ST14において、CPU11は、第1のテーブルのテーブル情報40が有するテーブル連結情報43に基づいて、第2のテーブルを選択する。
図4を参照しながら説明したように、テーブル連結情報43には各々連結優先順位432が含まれる。CPU11は、最も優先されるテーブルを連結優先順位432に基づいて決定し、そのテーブル識別子を「第2のテーブル」のテーブル識別子とする。
【0052】
上記第2のテーブル選択の際、CPU11は、RAM13の利用登録を確認し、仮に選択される第2のテーブルに係るテーブル識別子が既に利用登録済みであれば、選択された第2のテーブルよりも連結優先順位が下位の他のテーブルを第2のテーブルとする。したがって、CPU11は、連結優先順位が上位のものから下位のものに、順番に連結できるか否かを確認し、利用登録がなければ、それを第2のテーブル(連結する他のテーブル)とする。
【0053】
ST14においては、さらに、連結優先順位のみならず、あるいは、連結優先順位に代えて、連結優先方向44に基づいて第2のテーブル(連結する他のテーブル)が選択されてもよい。連結優先方向44が示す方向にあるテーブルは、CPU11が配席レイアウトデータベース183を参照することにより取得する。
【0054】
次に、CPU11は、第2のテーブルに係るテーブル識別子41を第1のテーブルに係るテーブル識別子41と関連付けてRAM13に記憶させることによって、テーブル連結の登録を行う(ST15)。このテーブル連結の登録は、ST12で登録した利用通知(利用登録)に第2のテーブルに係るテーブル識別子41を付け加えるなどの処理により行ってもよい。
【0055】
ここまでの処理により、テーブル連結を店舗運営支援システム1に登録することができ、テーブルを連結したという情報をシステムで扱えるようになる。本実施形態では、さらに、2つのテーブルでは案内しきれない場合に備えて、以下の処理を行う。
【0056】
CPU11は、第1のテーブルと第2のテーブル、それぞれの人数の上限値(テーブル情報40が有する上限人数42により規定される)の合計が、ST12で登録された利用人数に満たないか否かを判定する(ST16)。人数の上限値の合計が利用人数以上であれば、このフローは終了である。人数の上限値の合計が利用人数未満であれば、さらに連結する他のテーブル(以下、「第3のテーブル」と呼ぶ)の選択をする(ST17)。
【0057】
ST17の処理は、基本的にST14の処理と同様の点が多い。しかしながら、ST17においては連結元とすることのできるテーブルが、第1のテーブルと第2のテーブル、2つあり、どちらかを選べる。
【0058】
図5(a)中のテーブル51とテーブル52の連結が、ST14の処理により、システムで扱えるようになったとする。この場合、テーブル51が第1のテーブル、テーブル52が第2のテーブルに相当する。この場合、テーブル53もテーブル54も、第3のテーブルの候補とすることができれば、利用者を効率よく席に案内することが可能になる(
図5(b))。
【0059】
そこでST17においては、CPU11は、第1のテーブルのテーブル連結情報43から、第2のテーブルに係るテーブル連結情報43を取り除いたテーブル連結情報43の連結優先順位に基づいて、第3のテーブルを選択する。あるいは、CPU11は、第2のテーブルのテーブル連結情報43から、第1のテーブルに係るテーブル連結情報43を取り除いたテーブル連結情報43の連結優先順位に基づいて、第3のテーブルを選択する。
【0060】
本実施形態では、上述のようにしてテーブル連結を店舗運営支援システム1に登録する。したがって、複数のテーブルの連結をコンピュータシステムに反映する際の工数が削減される。
【0061】
[表示出力]
情報処理装置100のRAM13に第1のテーブルと第2のテーブルのテーブル識別子同士の関連付けが記憶されることによって、テーブル連結の情報は店舗運営支援システム1に登録される。店舗運営支援システム1はテーブル連結の情報を種々の用途に用いることができるが、本実施形態では配席レイアウトに反映させる。
【0062】
配席レイアウトは、フロアマップデータベース181に格納されている店舗のフロアマップに、テーブル情報データベース182の情報と、その他テーブルの位置情報を組み合わせて作成される。その際、CPU11は、第1と第2のテーブルが連結されていることを示す配席レイアウトの表示情報を生成し、配席レイアウトデータベース183に格納する。なお、生成される表示情報は、画像情報の形式でもよいし、XML等の形式でもよい。配席レイアウトデータベース183が記憶する配席レイアウトは、可搬型端末200やユーザ端末300を介して表示される。店舗のサービスの予約を受け付ける予約受付サイトのウェブサービスにおいて配席レイアウトが利用されてもよい。
【0063】
また、CPU11は、これらテーブルを利用していた利用者、すなわち、その利用通知に係る利用者グループが清算を行うと、RAM13に記憶されている第1及び第2のテーブルのテーブル識別子の関連付けを解消する。これにより、これらのテーブルの再利用が可能になり、新たな利用者を迎える準備ができる。また、複数のテーブル識別子同士の関連付けを解消することができ、連結されている複数のテーブルの分離をコンピュータシステムへ反映するのに必要な工数が削減される。
【0064】
[変形例]
上述の実施形態は種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態においては、いわゆる「相席」を考慮していないが、「相席」の場合でもテーブル連結をスムーズにシステムに登録する変形例を、以下に説明する。
【0065】
上記実施形態では、利用通知で指定するテーブル、つまり、第1のテーブルが、既にRAM13(第2の記憶部)に記憶されている利用登録の中で使われているテーブルであるか否かを問題にしていない。本変形例では、第1のテーブルが、利用登録の中で使われているテーブルである可能性もあることを前提とする。本変形例では、
図6のST13の処理において、テーブル情報40が有する上限人数42により既定される人数の上限との比較に用いる利用人数を、ST11で入力されST12で登録された利用通知で指定された利用人数だけでなく、登録済み利用登録に係る利用人数も加算した人数とする。
【0066】
すなわち、本変形例では、既にRAM13に記憶されている利用登録に関連付けられている利用人数と、新たな利用通知で指定された利用通知に加算した人数を、ST13における人数の比較に用いる。これにより、6人がけのテーブルに既に2名が案内されているような状況で、そのテーブルに別のテーブルを連結し、4人より多い新たな利用者グループを案内するとき、テーブル連結をシステムに登録する手間や工数を削減することができる。
【0067】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の範疇に含まれる。
【0068】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用されてもよいし、単体の装置に適用されてもよい。さらに、本発明は、実施形態の機能を実現する情報処理プログラムが、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給される場合にも適用可能である。したがって、本発明の機能をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム、あるいはそのプログラムを格納した媒体、そのプログラムをダウンロードさせるネットワーク上のサーバも、本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1…店舗運営支援システム
11…CPU
18…記憶部
19…通信部
181…フロアマップデータベース
182…テーブル情報データベース
183…配席レイアウトデータベース
100…情報処理装置
200…可搬型端末