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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
B41J2/01 121
B41J2/01 305
B41J2/01 401
B41J2/01 451
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018038698
(22)【出願日】2018-03-05
(65)【公開番号】P2019151039
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒須 重隆
(72)【発明者】
【氏名】植竹 重夫
(72)【発明者】
【氏名】牧井 厚人
【審査官】四垂 将志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/14289(WO,A1)
【文献】特開2017-119407(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/326890(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔料を吐出して記録材に印字を行う記録ヘッド部と、
前記記録ヘッド部よりも記録材搬送方向の上流側に配置された、前記記録材の表面の除電を行う除電部と、
前記記録ヘッド部よりも記録材搬送方向の下流側に配置された、前記記録ヘッド部により前記記録材に印字されたドットの形状を検知するドット形状検知部と、
前記ドット形状検知部により検知された前記ドットの形状に応じて、前記除電部の出力を制御する制御部と、を備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記ドット形状検知部として、
前記記録材に印字されたドットの形状を検知する第1のドット形状検知部と、
前記第1のドット形状検知部よりも記録材搬送方向の下流側に配置され、前記記録材に印字されたドットの形状を検知する第2のドット形状検知部と、を有し、
前記第2のドット形状検知部は、前記第1のドット形状検知部よりも解像力が高い
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1のドット形状検知部は、前記記録材搬送方向に直交する方向である主走査方向における前記ドットの位置を検知し、
前記第2のドット形状検知部は、前記第1のドット形状検知部により主走査方向上の位置が検知された前記ドットの形状を検知し、
前記制御部は、前記第2のドット形状検知部で検知された前記ドットの形状から前記ドットの変形率を計算し、前記ドットの変形率に基づいて前記除電部の出力を決定する
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ドットの変形率は円形度である
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、ジョブを開始する前に、前記記録材に印字されたドットの形状に応じて前記除電部の出力を決定するための印字テストモードを実行する
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ドット形状検知部により検知された前記ドットの形状に基づいて前記除電部の出力を制御した後、前記記録ヘッド部により記録材に再度ドットを印字する処理、及び前記ドット形状検知部により再印字された前記ドットの形状を検知する処理を実行する制御を行い、前記ドットの形状の変形が解消されないと判定した場合には、予め設定された対処制御動作を実行する
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記記録ヘッド部は、インク液滴を吐出して前記記録材に付着させる記録ヘッドである
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、絶縁性の高い、樹脂フィルムや合成紙などのシート状記録材(以下「記録材」と総称する)は、その製造工程、コロナ処理などの表面処理工程、搬送工程などにおける摩擦帯電や剥離放電、コロナ放電により記録材に帯電した電荷が減衰せず、表面に残留する。これらの帯電電荷は、記録材表面に一様には分布せず、局所的に正負の両極性の電荷に帯電しているなど、不均一な状態であることが多い。このような絶縁性の高い記録材にインクジェット(IJ)印字を行うと、記録材の帯電に起因して、次のような画像ノイズが生じることが分かっている。
【0003】
記録材等が帯電していると、その帯電電荷とインクジェットヘッド間に形成される電界によって、インク液滴の飛翔特性が影響を受ける。それにより、飛翔速度や飛翔方向が変化し、インク液滴が記録材の意図しないところに着弾するなどの問題が生じる。特に液滴サイズが小さい場合、空気抵抗による減速が大きいため、電界の影響を受けやすく、ミストとなったインク液滴(副滴)が電界によってインクジェットヘッド側に戻されて付着したり、インク液滴が記録材の意図せぬところに付着して地汚れとなったりするなどの問題が発生する。目標の着弾位置からずれた副滴はサテライトとも呼ばれる。
【0004】
図1に、インクジェット方式の画像形成処理における記録材の帯電と画像ノイズの関係を示す。図1は、インクジェットヘッド10から射出された飛翔中のインク液滴が受ける影響を示したものである。
【0005】
図1は、インクジェットヘッド10から射出されたインク液滴が、体積の大きい主滴11と、主滴11の形成過程で生じた副滴11a(ミスト)で構成される場合を示している。図1において空気抵抗の大きい副滴11aに着目し、副滴11aがプラス電荷を持っている場合を考える。記録材Mが比較的一様にプラス帯電し、図1において垂直方向電界が形成されている場所では、副滴11aは、飛翔方向とは逆方向のインクジェットヘッド10へ向かう静電気力を受ける(図1中央部)。
【0006】
また、記録材Mの帯電ムラにより水平方向電界が形成されている場所(図1左側及び右)では、主滴12の形成過程で生じた副滴12aが記録材M表面に近接すると横方向の静電気力を受ける。このような静電気力によって、インク液滴の速度や方向が変化した結果、本来意図した位置とは異なる位置に副滴12aが着弾し、画像ノイズとなる。また、静電気力によって副滴11aがインクジェットヘッド10に付着するとインクジェットヘッド10の汚れとなり、特に副滴11aがノズル近傍に付着すると射出曲がり等の不具合を引き起こす。
【0007】
このように、インクジェット記録装置において印字前の記録材Mが帯電していると、サテライトやインク液滴の着弾位置ずれなどが発生し、それらが画像不良の要因となる。特に樹脂フィルムなどの絶縁性が高く接触帯電や摩擦帯電のしやすい記録材において問題となる。
【0008】
従来の除電方法として、表面電位計を用いて記録材Mの表面の電位を測定し、イオナイザ等の除電器を使って測定結果に基づいて記録材Mの除電を行うことが知られている。しかし、図2に示すように、1つの表面電位計14で検出できる領域(検出領域Ar)は、記録材Mの幅(例えば搬送方向に直交する方向の長さ)に比べて極めて狭く、このため検出領域Ar内の帯電よりも強帯電している部分に対しては除電不足となり、帯電ムラが残ってしまう場合がある。
【0009】
また、図3に示すように、表面電位計14で検出できる分解能は粗く(図3の(1)(2))、表面電位計14は微小領域の帯電状態を均して検出してしまうために(図3の(3))、実際の記録材Mの帯電ムラ(帯電部13)に対して除電不足となってしまう場合がある。図3の(3)に示すように、表面電位計14で測定された帯電部13の電位V2は、実際の電位V1よりもずっと低いものになっている。一般的な表面電位計では、被測定物との距離が3mmであるとき検出領域Arの幅(分解能)が10~15mmであり、被測定物との距離を近づけても5~6mm程度の分解能にしかならない。
【0010】
例えば記録材の除電を行う技術として、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1には、インクジェットヘッドより絶縁性の記録媒体に液滴を吐出して記録するインクジェット記録装置であって、記録媒体の帯電を中和する中和手段と、記録媒体の帯電状態を検出する検出部と、検出結果に基づいて中和手段が発生するイオンの量を制御する制御手段と、記録媒体に接触し、アース接続された導電性部材と、を有するインクジェット記録装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2017-119407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したように表面電位計は、使用される記録材の大きさに対して検知できる領域が狭く、また微少領域の帯電ムラを検出するには分解能が粗いため、精度よく帯電ムラを検出することが困難であった。このため、除電器による除電が不十分な場合、スタチックマークと呼ばれる放電跡画像不良や、スジとして視認できる画像不良等が発生するという問題がある。また、むやみに除電出力を上げて除電器を使用すると、オゾンの発生や除電部の耐久性に悪影響が出るという問題があった。
【0013】
特許文献1には、帯電を中和する手段としてイオナイザの開示があるが、特許文献1に記載のものは、フィルムの帯電ムラ部の閉じた電気力線によってイオナイザで生成した電荷には静電気力が作用せず、帯電ムラに応じた電荷供給が困難である(帯電ムラを十分に消すことができない)。
【0014】
上記の状況から、記録材の帯電ムラを精度よく検知し、帯電ムラに起因する画像不良を防止する手法が要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様の画像形成装置は、顔料を吐出して記録材に印字を行う記録ヘッド部と、該記録ヘッド部よりも記録材搬送方向の上流側に配置された、記録材の表面の除電を行う除電部と、記録ヘッド部よりも記録材搬送方向の下流側に配置された、記録ヘッド部により記録材に印字されたドットの形状を検知するドット形状検知部と、該ドット形状検知部により検知されたドットの形状に応じて、除電部の出力を制御する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の少なくとも一態様によれば、ドット形状検知部により記録材の帯電ムラを精度よく検知し、その検知結果に基づいて除電部の除電出力を制御することができる。それにより、帯電ムラに起因する画像不良の防止が精度良く行える。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】インクジェット方式の画像形成処理における記録材の帯電と画像ノイズの関係を示す説明図である。
図2】記録材表面の帯電ムラと表面電位計の検出領域の関係を示す説明図である。
図3】表面電位計の分解能についての説明図である。
図4】記録材表面の帯電ムラとドット形状の一例を示す説明図である。
図5】記録材表面の帯電ムラとドット変形比との関係の一例を示すグラフである。
図6】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置が備える記録ヘッド部の周辺の構成例を示す説明図である。
図7】本発明の一実施形態に係る第1のドット形状検知部と第2のドット形状検知部の配置例を示す説明図である。
図8】本発明の一実施形態で使用されるドット形状検知部の例を示す説明図である。
図9】本発明の一実施形態に係るドット変形比の算出方法を示す説明図である。
図10】本発明の一実施形態に係るドット変形比と第1の除電部のグリッド電圧との関係の一例を示すグラフである。
図11】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の制御系の一例を示すブロック図である。
図12】本発明の一実施形態に係る除電処理手法の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)の例について、添付図面を参照しながら説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0019】
まず、本発明の一実施形態についての説明に先立って、記録材表面の帯電ムラとドット形状との関係について説明する。本発明者らは、記録材M表面の帯電ムラとドット形状について測定や考察を重ねた結果、帯電ムラとドット形状に関係性があることが新たに判明した。従来、記録材とインクジェットヘッド242(図11参照)との間の距離と記録材Mに着弾後のドット形状、又は、紙種とドット形状には、それぞれ関係性があることが知られていたが、記録材の帯電ムラとドット形状との関係性は知られていなかった。
【0020】
具体的には、記録材Mに帯電ムラが存在すると、記録材Mの平面方向の電界によりドット形状が変形し、このとき帯電ムラが大きいほどドット形状の変形量が大きいことが判明した。目視による画像品質としては、帯電ムラは画像スジとして視認される。
【0021】
図4に、記録材Mの表面の帯電ムラとドット形状の一例を示す。
図4の左側は、記録材Mの帯電ムラΔが200Vの例を示し、図4の右側は、記録材Mの帯電ムラΔが500Vの例を示す。印字条件は以下の通りである。
・記録材M:PET(polyethylene terephthalate)
・ドット間距離:140μm
・ドット径:60μm
【0022】
図4の左側に示す記録材Mの表面には、複数のドットが印字されている。この記録材Mの左側領域A1と右側領域A2では、帯電電位が異なるために中央部縦方向に帯電ムラΔ“200V”が発生している。この帯電ムラが発生している部分(電位の段差)に相当する、左側領域A1と右側領域A2との帯電ムラ境界B1(一点鎖線)には、矢印で示す境界線に垂直な方向に電界E1が発生する。帯電ムラ境界B1上に存在するドットD1の形状は、電界E1の静電気力により、円が潰れて楕円のような形状に変形している。帯電ムラ境界B1上ではなく、左側領域A1又は右側領域A2のいずれかに付着したドットDの形状は、変形のない略円である。
【0023】
図4の右側に示す記録材Mの表面にも、複数のドットが印字されている。この記録材Mの左側領域A1と右側領域A2でも、中央部縦方向に“500V”の帯電ムラΔが発生している。左側領域A1と右側領域A2との帯電ムラ境界B2(一点鎖線)には、矢印で示す境界線に垂直な方向に電界E2が発生する。帯電ムラΔの大きさは“500V”であり、図4の左側に示す“200V”の帯電ムラΔと比較して大きいため、矢印の長さで表しているように、電界E2の大きさは電界E1よりも大きい。そのため、帯電ムラ境界B2上に存在するドットD2の形状は、電界E2の静電気力により、円が潰れてさらにより長い楕円状に変形している。帯電ムラ境界B2上ではなく、左側領域A1又は右側領域A2のいずれかに付着したドットDの形状は、変形のない略円である。
【0024】
図5は、記録材Mの帯電ムラとドット変形比との関係の一例を示すグラフである。図5の横軸は帯電ムラΔ(V)を示し、縦軸はドット変形比を示す。図5においては、5つの測定点をプロットして特性曲線を求めた。図5からは、帯電ムラΔが大きくなるほどドット変形比が大きくなることがわかる。つまり、帯電ムラΔとドット変形比には、正の相関がある。
【0025】
このことから、ドット変形比に応じて帯電ムラΔを打ち消す方向に除電出力を制御すればよいことがわかる。そこで、本発明者らは、記録材Mに印字されたドットの形状を検知し、ドット形状の検知結果に基づいて記録材の帯電ムラを判断し、インクジェットヘッド242よりも上流に配置された除電部を制御して記録材の帯電ムラを抑制する構成を考えた。従来、表面電位計による表面電位の検知結果に基づいて、除電出力を制御する技術は知られていたが、ドット形状に基づく除電出力の制御は行われていない。
【0026】
<一実施形態>
図6は、一実施形態に係るインクジェット記録装置が備える記録ヘッド部の周辺の構成例を示す説明図である。図6に示すように、インクジェット記録装置1は、記録材Mのテンションを維持するためのテンションローラー61、第1の対向ローラー62、及び第2の対向ローラー63を備えている。記録材Mの搬送方向の上流からテンションローラー61、第1の対向ローラー62、及び第2の対向ローラー63の順に配置されており、記録材Mが、テンションローラー61、第1の対向ローラー62、及び第2の対向ローラー63に巻き掛けられている。ここでは、記録材Mに、厚み25μmのロール状の絶縁性PETフィルムが用いられる。記録材Mは、図示しない給送装置により矢印方向に、40m/分の速さで連続的に搬送移動される。
【0027】
加熱部23は、制御部40の制御により、近傍を通過する記録材Mが所定の温度となるように発熱を行う。なお、図6では、加熱部23がテンションローラー61の上流側に配置されているが、加熱部23はヘッドユニット24の上流側に配置されていればよい。例えば、加熱部23を、搬送経路上のテンションローラー61と第1の対向ローラー62の間、又は、第1の対向ローラー62と第2の対向ローラー63の間に配置してもよい。
【0028】
印字を行うヘッドユニット24(記録ヘッド部の一例)に対して、搬送方向の上流側に配置され、記録材Mを帳架搬送している第1の対向ローラー-62は、電気的に接地された金属ローラーである。記録材Mを挟んで第1の対向ローラー-62の対向側には、第1の除電部27及び第2の除電部28が設けられている。第1の対向ローラー62は金属でなくとも導電性(低抵抗)の材料で構成され、接地されていればよい。また、第1の対向ローラー62の表面は、PETフィルム等の記録材Mと隙間なく密着できるような表面性を持つ材料が望ましい。第1の対向ローラー62と記録材Mの密着性を高めることで、記録材Mに帯電する電子やイオン等の電荷が、第1の対向ローラー62に接続されたアース線に流れやすくなり、記録材Mをより効率よく除電できる。
【0029】
第1の除電部27及び第2の除電部28として、コロナ帯電器やローラー帯電器などを用いることができる。本実施形態では、主走査方向に延在するワイヤー状のコロナ放電電極27a(28b)と被帯電体(本実施形態では記録材M)の間にグリッド電極27b(28b)を設けた、スコロトロン帯電器(コロナ帯電器の一種)を用いている。スコロトロン帯電器は、グリッド電極27bへ印加される電圧によってグリッド電極27bを介して記録材Mへ供給する電荷量を調整する。即ち、コロナ放電電極27a(28a)による電荷生成とグリッド電極27b(28b)による電界形成の2つの機能を分離でき、記録材Mの静電容量に応じた電荷供給量が得られる。この場合、グリッド電極は、放電電極の一例とも言える。また、スコロトロン帯電器は、電界を形成するグリッド電極27b(28b)を記録材Mに近接して配置できる。このことから、スコロトロン帯電器は、帯電ムラの均一化及び帯電量調整の点で特に好ましい。
【0030】
第2の対向ローラー63の表面に対向するように、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)に対応して4つのヘッドユニット24(記録ヘッド部の一例)が配置される。各ヘッドユニット24は、4つの色のうち対応する色のインク(顔料)の液滴を、それぞれのインクジェットヘッド242(後述する図11参照)から吐出する。4つのヘッドユニット24は、4色のインクをそれぞれ独立して記録材Mに吐出して記録材Mに付着させ、記録材Mにカラー画像を形成(印字)する。
【0031】
4つのヘッドユニット24の下流側には、定着部25が配置されている。本実施形態では、紫外線硬化型インクを使用する。4つのヘッドユニット24により記録材Mに形成された画像は、定着部25が備える紫外線照射光源(UVランプ)からの紫外線照射によりインクが硬化されて、定着画像が得られる。
【0032】
定着部25の下流側に第1のドット形状検知部29が配置されるとともに、さらに第1のドット形状検知部29よりも下流側に第2のドット形状検知部30が配置されている。第1のドット形状検知部29及び第2のドット形状検知部30は、ドット形状検知部の一例であり、ヘッドユニット24により記録材Mに印字されたドットの形状を検知するものである。
【0033】
また、本実施形態では、第1のドット形状検知部29は、記録材Mの搬送方向に直交する方向(主走査方向)におけるドットの位置を検知し、検知結果を制御部40(図11参照)へ出力する。また、第2のドット形状検知部30は、第1のドット形状検知部29により主走査方向上の位置が検知された該当ドットの形状を検知し、検知結果を制御部40へ出力する。制御部40は、第2のドット形状検知部30で検知されたドットの形状から、当該ドットの変形率を計算し、そのドットの変形率に基づいて第1の除電部27及び第2の除電部28の出力を決定する。本実施形態では、第2のドット形状検知部30は、第1のドット形状検知部29よりも解像力が高い、即ち高分解能である。
【0034】
第1のドット形状検知部29及び第2のドット形状検知部30は、それぞれCCDイメージセンサ又はCMOSセンサ(撮像素子)を用いて構成されるとともに、記録材Mの表面に近接して対向配置される。上流側に配置された第1のドット形状検知部29として、例えば600dpiの解像力を持ち、図7に示すように、記録材Mの主走査方向の全幅(若しくは画像形成領域の全域)を検知できる長さのものが配置されている。このような第1のドット形状検知部29により得られた検知結果を利用して、印字テストモードを実行したときの画像スジの発生場所を特定する。図4に示したように、記録材Mの帯電ムラはその境界でドット形状が変形し、スジ状のノイズとして視認される。
【0035】
一方、下流側の第2のドット形状検知部30は、例えば4800dpiの解像力を持つ。また、図7に示すように、第2のドット形状検知部30の長さは、第1のドット形状検知部29の長さよりも短い。そのため、第2のドット形状検知部30は、移動駆動部31(図11参照)及び不図示の移動機構により、主走査方向に移動できるように構成されている。移動駆動部31は、例えば回転モーターや直動モーターなどである。このように構成される第2のドット形状検知部30は、第1のドット形状検知部29で検知された画像スジの発生位相(発生位置)へ移動して、印字されたドットの読み取りを行い、ドット形状を検知する。
【0036】
図8は、第1のドット形状検知部29及び第2のドット形状検知部30の例を示す説明図である。ドット形状検知部は、上記形態に限定されるものではない。以下、第1のドット形状検知部29について説明するが、第2のドット形状検知部30についても同様のことが言える。
【0037】
図8Aに示すように、初めから高密度及び高解像度のイメージセンサからなる第1のドット形状検知部29を、主走査方向の全域に配置してもよい。ただし、非常に高コストとなる。図8Aに示す第1のドット形状検知部29単体は、図8Bの第1のドット形状検知部29単体、及び図8Cに示す又は第1のドット形状検知部29を構成するドット形状検知部29-1~29-4よりも、光電変換素子(画素)の数が多い。
【0038】
第1のドット形状検知部29の解像度を上げる方法として、例えば図8Bのように、第1のドット形状検知部29と印字面(ドットD)との間に、レンズ状の物質を配置して光学的に高解像としてもよい。この場合、ドットDの拡大光学像が、第1のドット形状検知部29に射影される。
【0039】
また、図8Cに示すように、第1のドット形状検知部29を、1ピッチ未満ずつ位相をずらして並べて配置した複数のドット形状検知部29-1~29-4で構成してもよい。
【0040】
なお、本実施形態では、ドット形状検知部として、第1のドット形状検知部29及び第2のドット形状検知部30の2つを備えた例を示したが、ドット形状検知部を一個、又は、3個以上から構成してもよい。
【0041】
図9は、一実施形態に係るドット変形比の算出方法を示す説明図である。
図9Aに示すように、制御部40は、第2のドット形状検知部30で検知したドットDの形状に対して、その最も長い長辺nとその長辺に直交する最大長さの短辺wとの比(円形度に相当)を割り出す。そして、制御部40は、予め設定して記憶部44に記憶してある、ドット変形比と除電出力の対応テーブル(図示略)から、上流側にある第1の除電部27のグリッド電圧Vgを決定し、この決定値に基づいて第1の直流電源部271を制御する。なお、対応テーブルを例に挙げて説明したが、図10に示すような特性曲線の対応式を求め、対応式からグリッド電圧Vgを決定するようにしてもよい。
【0042】
図10に、ドット変形比と第1の除電部27のグリッド電圧Vg(V)との関係の一例を示す。図10の例では、ドット変形比と第1の除電部27のグリッド電圧Vgとの間には、正の相関がある。
【0043】
第1の除電部27の出力極性は、正極性としており、またグリッド電圧Vgは、記録材Mの帯電ムラの大きさよりも大きい出力値としている。これは、上流側の第1の除電部27により記録材Mの帯電ムラを正極性に揃えることを目的とするものである。次に、下流側にある第2の除電部28でコロナ放電電極28aのワイヤー電流を負極性、グリッド電圧Vgを0Vとすることにより、記録材Mの帯電ムラを消去する。
【0044】
または、図9Bに示す方法を用いて、ドット変形比(ドット形状の変化量)を求めることもできる。ある画像形成条件で印字を行った場合に、記録材Mに付着したドットDsの形状は略円である。そこで、このときのドットDsの円周長を予め求めて基準円周長とし、変形したドットの円周長と基準円周長を比較することにより、ドット形状の変化量が求められる。ドットの直径がRの場合、当該ドットの円周長は「πR」である。
【0045】
なお、第1の除電部27及び第2の除電部28において、除電だけでなく、ミスト(図1の副滴11a)によるヘッド汚れやサテライト(副滴12a)に対して、下流側の第2の除電部28で記録材Mを狙いの値に均一に帯電させ、インクジェットヘッド242と記録材Mとの間の電界によりヘッド汚れを抑制するといったことも可能である。
【0046】
上述した一実施形態に係るドット形状の検知方法や除電部(第1の除電部27、第2の除電部28)の構成は、この例に限らない。インクの特性や記録材Mの特性に合わせて、適宜帯電ムラとドット変形比(変形量)の関係を求め、除電部(第1の除電部27及び第2の除電部28)の出力にフィードバックすればよい。
【0047】
[インクジェット記録装置の制御系]
次に、インクジェット記録装置1の制御系の構成について説明する。図11は、インクジェット記録装置1の制御系の一例を示すブロック図である。
【0048】
図11に示すように、インクジェット記録装置1は、制御部40を備えている。制御部40は、例えばCPU(Central Processing Unit)41と、CPU41の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)42と、CPU41が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)43と、を有する。さらに、制御部40は、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)等からなる記憶部44を有している。記憶部44には、画像読取部26が読み取った画像のデータ、帯電調整を行うための情報、インクジェットヘッド242のノズルの吐出不良を検出するためのテストチャート、ノズルの吐出不良検出動作を行うための情報などが格納される。
【0049】
また、インクジェット記録装置1は、不図示の画像形成ドラム、用紙排出部や用紙反転部等の搬送系の駆動を行う搬送駆動部51と、操作表示部52と、入出力インターフェース53とを有している。
【0050】
制御部40のCPU41は、加熱部23、ヘッドユニット24、定着部25、画像読取部26、RAM42、ROM43、及び記憶部44にそれぞれシステムバス54を介して接続され、装置全体を制御する。また、CPU41は、搬送駆動部51、操作表示部52、入出力インターフェース53にそれぞれシステムバス54を介して接続されている。
【0051】
操作表示部52は、液晶表示装置(LCD)又は有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイからなるタッチパネルである。この操作表示部52は、ユーザに対する指示メニュー、ノズルの吐出検出動作に関する情報や取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示部52は、複数のキーを備え、ユーザのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける入力部としての役割を持つ。
【0052】
入出力インターフェース53は、外部装置4と通信可能に接続されている。そして、入出力インターフェース53は、外部装置4から印刷ジョブ(画像データ、出力設定)を受信する。入出力インターフェース53は、受信した画像データを制御部40に出力する。そして、制御部40は、入出力インターフェース53から受信した画像データを画像処理する。また、制御部40が、受信した画像データに対し、必要に応じて、シェーディング補正、画像濃度調整、画像圧縮等の画像処理を行うように構成してもよい。
【0053】
また、ヘッドユニット24は、制御部40によって画像処理された画像データを受け取り、画像データに基づいて記録材M上に所定の画像を形成する。具体的には、ヘッドユニット24は、ヘッド駆動部241を駆動することで、インクジェットヘッド242からインクを所定の位置に吐出させる。ヘッドユニット24の上流側には、制御部40の制御により、近傍を通過する記録材Mが所定の温度となるように発熱を行う加熱部23が設けられている。
【0054】
ヘッドユニット24は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)のに応じて4つ設けられている。4つのヘッドユニット24は、記録材Mの搬送方向に対して上流側から、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの順に配置されている。
【0055】
ヘッドユニット24は、記録材Mの搬送方向と直交する方向(主走査方向)において記録材Mの全体を覆う長さ(幅)に設定されている。すなわち、インクジェット記録装置1は、ワンパス方式のラインヘッド型インクジェット記録装置である。4つのヘッドユニット24は、それぞれ吐出するインクの色が異なるのみで、互いに同一の構成を有している。
【0056】
本実施形態では、ヘッドユニット24による記録材Mへの画像形成に先立って、制御部40が第1の直流電源部271及び第2の直流電源部281を制御して、第1の除電部27及び第2の除電部28が供給する電荷を制御し、記録材Mの帯電を調整する(図3参照)。制御部40は、記録材Mの種類(例えば絶縁性や抵抗の情報)や画像形成条件(例えば画像濃度や印字面積率)などの情報に基づいて、第1の除電部27及び第2の除電部28から供給する電荷量を調整する。
【0057】
また、制御部40は、第1のドット形状検知部29及び第2のドット形状検知部30からそれぞれ検知結果を受信し、記録材M上の画像スジの検知、及び該当画像スジにおけるドット形状の変形の判定を行う。
【0058】
ヘッドユニット24により記録材Mに形成された画像は、画像読取部26によって読み取られ、その画像データが制御部40に送られる。また、ノズルの吐出不良検出動作を行う際、制御部40は、画像読取部26から送られた画像データに基づいて吐出不良が生じているノズルを判別する。そして、制御部40は、例えば、インクジェットヘッド242の吐出不良が発生したノズルに隣接するノズルからのインクの吐出量を増やすことで、ヘッドユニット24の補正処理を行う。
【0059】
[除電処理手法の手順]
次に、インクジェット記録装置1による除電処理手法の手順例を説明する。
図12は、インクジェット記録装置1による除電処理手法の手順例を示すフローチャートである。
【0060】
インクジェット記録装置1において、制御部40は、ジョブを開始する前、若しくは一のジョブと次のジョブの間に、印字テストモードを実行する。まず、制御部40は、第1の直流電源部271及び第2の直流電源部281を制御して第1の除電部27及び第2の除電部28の除電出力をOFF(オフ)にした状態で、搬送駆動部51により記録材Mを搬送する。
【0061】
次いで、制御部40は、印字テストモードの画像データに基づいて各ヘッドユニット24のヘッド駆動部241を制御し、インクジェットヘッド242からインクを吐出して記録材Mの主走査方向全域に複数の孤立ドット(ハーフトーン画像)を印字する(S1)。
【0062】
次いで、制御部40は、記録材Mに印字された複数の孤立ドットに対し定着部25から紫外線を照射して各孤立ドットを固化し、記録材Mに定着させる(S2)。
【0063】
次いで、制御部40は、第1のドット形状検知部29により記録材Mに印字された複数の孤立ドットを読み取り、画像スジの検知処理を行う(S3)。
【0064】
次いで、制御部40は、読み取った複数の孤立ドットの画像から画像スジを検知したかどうかを判定し(S4)、画像スジが検知されなかった場合には(S4のNO)、除電出力をOFFしたままジョブを開始し、本フローチャートの処理を終了する。
【0065】
一方、制御部40は、画像スジを検知した場合には(S4のYES)、移動駆動部31を制御して第2のドット形状検知部30を画像スジが検知された位置(位相)に移動させる(S5)。
【0066】
次いで、制御部40は、第2のドット形状検知部30により記録材Mに印字された複数の孤立ドットを読み取り、画像スジが発生した部分に該当する孤立ドットの形状、及びドット変形比を計算する(S6)。
【0067】
次いで、制御部40は、計算したドット変形比と所定値を比較し、該当孤立ドットの形状が変形しているかどうかを判定し(S7)、ドット形状の変形が検知されなかった場合には(S7のNO)、除電出力をOFFしたままジョブを開始し、本フローチャートの処理を終了する。
【0068】
次いで、制御部40は、ドット形状の変形を検知した場合には(S7のYES)、第1の除電部27及び第2の除電部28の除電出力がON(オン)であるかどうかを判定する(S8)。ここで、制御部40は、除電出力がOFFである場合には(S8のNO)、例えば図10のグラフを反映した対応式を用いドット形状変化(例えばドット変形比)に応じて、第1の除電部27及び第2の除電部28のそれぞれの除電出力を決定する(S9)。そして、制御部40は、第1の除電部27及び第2の除電部28の各々の決定値に基づいて、第1の直流電源部271と第2の直流電源部281を動作させて第1の除電部27及び第2の除電部28の出力をONし、記録材Mの表面の除電を行う(S10)。
【0069】
次いで、制御部40は、ステップS1の処理に移行し、ヘッドユニット24を制御し、記録材Mの主走査方向全域に複数の孤立ドット(ハーフトーン画像)を再度印字する(S1)。次いで、制御部40は、印字した複数の孤立ドットの固化及び定着を行った後、第1のドット形状検知部29により複数の孤立ドットの読み取りを行い、画像スジの有無を判定する(S2~S4)。
【0070】
このように、制御部40は、第1の除電部27及び第2の除電部28により除電出力が制御された、記録材Mの前回ドット形状変形が発生した位相のドット形状を、再度第1のドット形状検知部29及び第2のドット形状検知部30で読み取る。そして、制御部40は、ドット形状の変形が検知されなかった場合には(S7のNO)、ドット形状の変形が解消された(画像スジの発生がない)と判断して、ジョブを開始する。
【0071】
一方、制御部40は、画像スジが検知され(S4のYES)、ドット形状の変形が検知された場合には(S7のYES)、第1の除電部27及び第2の除電部28の出力がON(オン)であるかどうかを判定する(S8)。本実施形態では、第1の除電部27及び第2の除電部28の除電出力の調整(S9,S10)が行われた場合には、第1の除電部27及び第2の除電部28の出力はON(オン)であると判定される(S8のYES)。
【0072】
そして、制御部40は、ステップS8でYES判定の場合には、ドット形状の変形が解消されていない(画像スジが発生している)と判断して、他の要因フラグ(不具合要因フラグ)を立てる(S11)。不具合要因フラグは、第1の除電部27及び第2の除電部28の除電出力の制御において、ドット形状変形を解消できないと判断したときに、制御部40が他の要因に関する処理を実施したり、オペレーターが他の要因を確認したりするために使用される。不具合要因フラグの情報は、RAM42に一時保存されるが、不具合解析のために記憶部44に蓄積してもよい。
【0073】
次いで、制御部40は、不具合要因フラグを立てた場合に実行するべき、予め設定された対処制御を実行し(S12)、対処制御が完了したら本フローチャートの処理を終了する。対処制御として、制御部40により、例えばインクジェットヘッド242のクリーニング、インクジェットヘッド242の傾き補正、及び/又は、操作表示部52に対して異常を知らせる画面の表示や音声通知等が実施される。
【0074】
なお、図12に示した除電処理を実行するタイミングは、生産性を考慮して記録材の種類やロットが変わるときだけとしたり、オペレーターがマニュアルで任意のタイミングで実行できるようにしたりすることが望ましい。あるいは、任意の搬送ローラー等の走行距離に応じて、定期的に自動で実行するなど、適宜条件に応じて複数のタイミングを設定できるようにしておくとよい。
【0075】
[効果]
上述した一実施形態によれば、これまで表面電位計では検知することができなかった記録材Mの帯電ムラを、ドット形状検知部(第1のドット形状検知部29、第2のドット形状検知部30)を利用して高精度に検知することができる。
【0076】
また、上述した一実施形態によれば、ドット形状の検知結果に基づいて、適正な除電出力の制御を行うことができるため、除電不足や、過剰出力によるオゾン発生及び耐久性への悪影響を与えることなく、良好な画像を得ることができるようになる。それにより、帯電ムラに起因する画像不良の防止が精度良く行える。
【0077】
<変形例>
なお、上述した一実施形態では、紫外線硬化型インクを用いたインクジェット記録装置1の例を示したが、画像形成方法はこれに限定されるものではない。例えば水性インク、溶剤インクなどを用いて画像形成するようにしてもよい。また、画像形成に用いる色は、色の種類や数はこれに限定されるものではない。
【0078】
また、上述した一実施形態においては、本発明をインクジェット記録装置1に適用した場合の例について説明したが、本発明をヘッド記録部からトナーを吐出して記録材に付着させるトナージェット記録装置に適用することもできる。
【0079】
さらに、本発明は上述した各実施形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
【0080】
例えば、上述した実施形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、ある実施形態例の構成の一部を他の実施形態例の構成要素に置き換えることは可能である。また、ある実施形態例の構成に他の実施形態例の構成要素を加えることも可能である。また、各実施形態例の構成の一部について、他の構成要素の追加、削除、置換をすることも可能である。
【0081】
また、上記の各構成要素、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路の設計などによりハードウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0082】
1…インクジェット記録装置、 20…記録材、 24…ヘッドユニット、 27…第1の除電部、 28…第2の除電部、 29…第1のドット形状検知部29、 30…第2のドット形状検知部、 31…移動駆動部、 62…第1の対向ローラー、 63…第2の対向ローラー、 242…インクジェットヘッド242、 271…第1の直流電源部、 281…第2の直流電源部、 M…記録材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12