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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 67/00 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
A01D67/00 A
A01D67/00 G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019086471
(22)【出願日】2019-04-26
(65)【公開番号】P2020182389
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-08-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】仙波 篤志
(72)【発明者】
【氏名】岩本 浩
(72)【発明者】
【氏名】五島 一実
(72)【発明者】
【氏名】奥村 和哉
(72)【発明者】
【氏名】河野 栄太
(72)【発明者】
【氏名】釘宮 啓
(72)【発明者】
【氏名】土居原 純二
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 秀範
(72)【発明者】
【氏名】田名部 賢一
(72)【発明者】
【氏名】西村 聡一郎
【審査官】磯田 真美
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-183816(JP,A)
【文献】特開2016-214167(JP,A)
【文献】特開2018-029561(JP,A)
【文献】特開2007-215435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 67/00 - 69/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側に設けた刈取装置(4)により刈り取った穀稈を脱穀処理する脱穀装置(3)と、脱穀処理した穀粒を貯留するグレンタンク(5)と、操縦部(6)を機体フレーム(1)に搭載したコンバインにおいて、前記機体フレーム(1)は、所定の脱穀装置(3)とグレンタンク(5)とを搭載しうる大きさのメインフレーム(10)と、前記操縦部(6)を搭載する操作フレーム(11)とに前後に分割構成し、機体進行方向の左右方向で操作フレーム(11)をメインフレーム(10)から機体進行方向の前方に突出させて配置し、操作フレーム(11)とメインフレーム(10)とは側面視において同じ面上に配置し、平面視において、前記メインフレーム(10)の右側端部と操作フレーム(11)の右側端部の間の機体進行方向の左右方向に段差を形成し、前記操作フレーム(11)の右側の操作側縦杆(15)の側方に、前端位置を操作側縦杆(15)の前端位置に一致させ、後側に至るに従い外側に位置するプレート(20)を設けプレート(20)の操作側横杆(24)より前方部分には左右方向の縦板により形成した前側横プレート(26)を設けたコンバイン。
【請求項2】
前記操作フレーム(11)の機体進行方向の右側の操作側縦杆(15)の外側部におけるメインフレーム(10)の機体進行方向の右側のメイン側縦杆(13)の機体進行方向の前側の部位に、段差空間部(17)を形成し、この段差空間部(17)にテーパー形状のプレート(20)を設けた請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記プレート(20)上面の所定部分にギザギザ形状の凹凸部を形成し、ステップ(22)を構成した請求項2記載のコンバイン。
【請求項4】
前記段差空間部(17)は操作側縦杆(15)とメインフレーム(10)の横杆(14)とによりL型形状とし、段差空間部(17)に面する操作フレーム(11)とメインフレーム(10)とを繋いで溶接固定可能な構成とした請求項3記載のコンバイン。
【請求項5】
機体フレーム(1)を、メインフレーム(10)と操作フレーム(11)とに分割形成し、メインフレーム(10)の機体進行方向の右側端部に備えた縦杆(13)を前記機体フレーム(1)の機体進行方向の最前方位置に備えた機体進行方向の左右方向の横杆(14)より前方に突出させ、この突出部分を、操作フレーム(11)の機体進行方向の右側の操作側縦杆(15)と側面視においてラップするラップ部分(25)とした請求項1~請求項4記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、前側に設けた刈取装置により刈り取った穀稈を脱穀処理する脱穀装置と、脱穀処理した穀粒を貯留するグレンタンクと操縦部を機体フレームに搭載したコンバインにおいて、操縦部の下方の操作フレームの右側の縦杆とメインフレームの右側の縦杆とを同一直線上に配置した構成は、公知である(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-183089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、機体フレームを、操縦部の下方の操作フレームと脱穀装置およびグレンタンクの下方のメインフレームとを前後方向の縦枠と左右方向の横枠を互いに固定して一体状に連続形成しているので、操縦部の下方の操作フレームの右側の縦杆とメインフレームの右側の縦杆とは同一直線上に配置する構成となっている。
これにより、操縦部より右側に膨らむ大型のグレンタンクは搭載できないという課題がある。
本発明は、大型のグレンタンクの搭載可能な機体フレームの構成を工夫したものであり、部品の共用化を図り、コストダウンできるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、前側に設けた刈取装置4により刈り取った穀稈を脱穀処理する脱穀装置3と、脱穀処理した穀粒を貯留するグレンタンク5と、操縦部6を機体フレーム1に搭載したコンバインにおいて、前記機体フレーム1は、所定の脱穀装置3とグレンタンク5とを搭載しうる大きさのメインフレーム10と、前記操縦部6を搭載する操作フレーム11とに前後に分割構成し、機体進行方向の左右方向で操作フレーム11をメインフレーム10から機体進行方向の前方に突出させて配置し、操作フレーム11とメインフレーム10とは側面視において同じ面上に配置し、平面視において、前記メインフレーム10の右側端部と操作フレーム11の右側端部の間の機体進行方向の左右方向に段差を形成し、前記操作フレーム11の右側の操作側縦杆15の側方に、前端位置を操作側縦杆15の前端位置に一致させ、後側に至るに従い外側に位置するプレート20を設けプレート20の操作側横杆24より前方部分には左右方向の縦板により形成した前側横プレート26を設けたコンバインとしたものである。
請求項2記載の発明は、前記操作フレーム11の機体進行方向の右側の操作側縦杆15の外側部におけるメインフレーム10の機体進行方向の右側のメイン側縦杆13の機体進行方向の前側の部位に、段差空間部17を形成し、この段差空間部17にテーパー形状のプレート20を設けたコンバインとしたものである。
請求項3記載の発明は、前記プレート20上面の所定部分にギザギザ形状の凹凸部を形成し、ステップ22を構成したコンバインとしたものである。
請求項4記載の発明は、前記段差空間部17は操作側縦杆15とメインフレーム10の横杆14とによりL型形状とし、段差空間部17に面する操作フレーム11とメインフレーム10とを繋いで溶接固定可能な構成としたコンバインとしたものである。
請求項5記載の発明は、機体フレーム1を、メインフレーム10と操作フレーム11とに分割形成し、メインフレーム10の機体進行方向の右側端部に備えた縦杆13を前記機体フレーム1の機体進行方向の最前方位置に備えた機体進行方向の左右方向の横杆14より前方に突出させ、この突出部分を、操作フレーム11の機体進行方向の右側の操作側縦杆15と側面視においてラップするラップ部分25としたコンバインとしたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、機体フレーム1は、脱穀装置3とグレンタンク5を搭載するメインフレーム10と、前記操縦部6を搭載する操作フレーム11から構成し、機体左右方向で操作フレーム11をメインフレーム10から前方に突出させ、平面視において、前記メインフレーム10の右側端部と操作フレーム11の右側端部の間に段差を形成しているので、メインフレーム10に大型化させたグレンタンク5の搭載を可能にし、部品共用化できて、コストダウンできる。
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明の効果に加え、操作フレーム11の右側の操作側縦杆15の外側部におけるメインフレーム10の右側のメイン側縦杆13の前側の部位に、段差空間部17を形成し、この段差空間部17にテーパー形状のプレート20を設けているので、中割のときの、プレート20により、メインフレーム10と操作フレーム11の間の段差空間部17に穀稈が引っ掛かるのを防止し、穀稈の流れ性を向上させることができる。
請求項3記載の発明では、請求項2記載の発明の効果に加え、プレート20上面の所定部分にギザギザ形状の凹凸部を形成し、ステップ22を構成しているので、プレート20を穀稈の案内ガイドとステップを兼用することができる。
請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明の効果に加え、段差空間部17は操作フレーム11の操作側縦杆15とメインフレーム10の横杆14とにより逆L型形状とし、段差空間部17に面する操作フレーム11とメインフレーム10とを繋いで溶接固定可能な構成としているので、機体フレーム1の右側の穀稈のガイドとフレームの補強部材を兼用できる。
請求項5記載の発明では、機体フレーム1を、メインフレーム10と操作フレーム11とに分割形成し、メインフレーム10の右側端部に備えた縦杆13を前記機体フレーム1の最前方位置に備えた左右方向の横杆14より前方に突出させ、この突出部分を、操作フレーム11の右側の操作側縦杆15と側面視においてラップするラップ部分25としているので、機体フレーム1の強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】コンバインの側面図。
図2】同平面図。
図3】同正面図。
図4】機体フレームの平面図。
図5】同側面図。
図6】同正面図。
図7】機体フレームの他の実施形態のコンバインの一部側面図。
図8】機体フレームの他の実施形態の一部平面図。
図9】縦揚穀装置の平面図と背面図と側面図。
図10】引起装置の正面図。
図11】操向用のリリーフバルブの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図により説明すると、1は機体フレーム、2は機体フレーム1の下部に設けた走行装置、3は機体フレーム1上に設けた脱穀装置、4は刈取装置、5はグレンタンク、6は脱穀装置3の前方の一側に設けた操縦部、7は操縦部6のステップである。
機体フレーム1を、脱穀装置3とグレンタンク5とを搭載するメインフレーム10と、操縦部6を搭載する操作フレーム11とにより2部品構成とし、機体左右方向で操作フレーム11が前方に突出させて、メインフレーム10と操作フレーム11とを段付き設置する構成とする。
すなわち、機体フレーム1は、脱穀装置3とグレンタンク5を搭載するメインフレーム10と、前記操縦部6を搭載する操作フレーム11から構成し、機体左右方向で操作フレーム11をメインフレーム10から前方に突出させ、平面視において、前記メインフレーム10の右側端部と操作フレーム11の右側端部の間に段差を形成する。
【0009】
これにより、メインフレーム10に大型化させたグレンタンク5の搭載を可能にし、部品共用化できて、コストダウンできる。
すなわち、メインフレーム10は縦杆13と横杆14とにより四角状に形成し、操作フレーム11は左右の操作側縦杆15の前部を左右方向の連結部16により連結して平面視逆コの字形状に形成し、操作側縦杆15の後部をメインフレーム10の横杆14に固定する。
換言すると、操作フレーム11の操作側縦杆15に対してメインフレーム10の縦杆13を右側にオフセットさせる。
これにより、メインフレーム10に大型化させたグレンタンク5の搭載を可能にし、部品共用化できて、コストダウンできる。
【0010】
本実施形態では、操作フレーム11の右側の縦杆操作側縦杆15とメインフレーム10の右側のメイン側縦杆13との間に、段差空間部17を形成し、段差空間部17内にテーパー形状のプレート20を設ける。
すなわち、操作フレーム11の右側の操作側縦杆15の外側部におけるメインフレーム10の右側のメイン側縦杆13の前側の部位に、段差空間部17を形成し、この段差空間部17にテーパー形状のプレート20を設ける。
これにより、例えば、中割のときの、プレート20により、メインフレーム10と操作フレーム11の間の段差空間部17に穀稈が引っ掛かるのを防止し、穀稈の流れ性を向上させられる。
【0011】
プレート20上面の所定部分にはギザギザ形状の凹凸部21を設け、凹凸部21によりステップ22を構成する。
すなわち、プレート20上面の所定部分にギザギザ形状の凹凸部を形成し、ステップ22を構成する。
これにより、プレート20を穀稈の案内ガイドとステップを兼用することができる。
段差空間部17は操作フレーム11の操作側縦杆15とメインフレーム10の横杆14とにより逆L型形状とし、段差空間部17に面する操作フレーム11とメインフレーム10とを繋いで溶接固定可能な構成とする。
これにより、機体フレーム1の右側の穀稈のガイドとフレームの補強部材を兼用できる。
【0012】
具体的には、プレート20は、前端が操作フレーム11の連結部16の前面と略同じ位置とし、後端がメインフレーム10の最前部の横杆14と同じ前後位置に位置する操作側斜杆23と、横杆14と平行な操作側横杆24とにより逆L字形状に形成し、段差空間部17のメインフレーム10の横杆14と操作フレーム11の操作側縦杆15とを繋ぐように、プレート20をメインフレーム10の横杆14と操作フレーム11の操作側縦杆15とに溶接固定する。
すなわち、プレート20の操作側斜杆23の前部は操作フレーム11の操作側縦杆15の前部に当接させて溶接固定し、プレート20の操作側横杆24の内端(左端)は操作フレーム11の操作側縦杆15に当接させて溶接固定し、プレート20の操作側横杆24の後面はメインフレーム10の横杆14の前面に当接させて溶接固定する。
【0013】
機体フレーム1を、メインフレーム10と操作フレーム11とに分割形成し、メインフレーム10の縦杆13を最前方位置の横杆14より前方に突出させ、この突出部分を、操作フレーム11の右側の操作側縦杆15と側面視において前後方向でラップするラップ部分(突出部分)25とする。
すなわち、機体フレーム1を、メインフレーム10と操作フレーム11とに分割形成し、メインフレーム10の右側端部に備えた縦杆13を前記機体フレーム1の最前方位置に備えた左右方向の横杆14より前方に突出させ、この突出部分を、操作フレーム11の右側の操作側縦杆15と側面視においてラップするラップ部分25とする。
これにより、機体フレーム1の強度を向上させられる。
【0014】
メインフレーム10のラップ部分25は、操作フレーム11の根元部分に設ける。
これにより、メインフレーム10の右側の縦杆13が、操作フレーム11の操作側縦杆15に対して右外側に位置するオーバーハング部分の補強をすることができ、上下荷重が掛かった際に(操縦部6に乗車時等)、メインフレーム10の外側変位量を軽減できる。
また、操作フレーム11の操作側縦杆15がメインフレーム10の最前部の横杆14に対して前方に位置するオーバーハング部分の補強ができ、上下荷重が掛かった際に(操縦部6に乗車時等)、操作フレーム11の前側変位量を軽減できる。
また、縦杆13はラジエーター36より外側に配置する。
これにより、ラジエーターは縦杆13により保護され、損傷されるのを防止できる。
【0015】
また、縦杆13は、ラジエーター36の外側を包囲するラジエーターカバー37よりも外側に配置する。
これにより、ラジエーターカバー37は縦杆13により保護され、損傷されるのを防止できる。
また、縦杆13は、グレンタンク5の外側側面よりも外側に配置する。
これにより、グレンタンク5は縦杆13により保護され、損傷されるのを防止できる。
また、縦杆13は、グレンタンク5の外側側面の下部に設けたロワーカバー38よりも外側に配置する。
【0016】
これにより、グレンタンク5のロワーカバー38は縦杆13により保護され、損傷されるのを防止できる。
そして、グレンタンク5のロワーカバー38よりも外側に縦杆13を配置し、ロワーカバー38よりも外側の縦杆13上に作業者の足掛けとなる所定空間部を形成する。
これにより、縦杆13を作業者の足掛け部として利用でき、高所部分のメンテナンス作業を容易にする。
また、縦杆13は、グレンタンク5の後部に設けた縦揚穀装置40の外側を包囲する揚穀カバー39よりも外側に配置する。
これにより、グレンタンク5内の穀粒を排出する縦揚穀装置40の外側を包囲する揚穀カバー39は縦杆13により保護され、損傷されるのを防止できる。
【0017】
また、大型のグレンタンク5を搭載可能なメインフレーム10の縦杆13は、走行装置2のクローラー39Aより外側に張り出させ、エンジンの排油排出用のドレン(図示省略)の下方にバケツ等の排油収容容器を設置できるスペースを確保する。
これにより、エンジンの排油排出用のドレン(図示省略)の真下に排油収容容器を設置できるので、メンテナンスを容易にする。
上記プレート20の構成を合わせて採用する構成とする。
これにより、操作フレーム11のメインフレーム10に対するオーバーハング部分の補強ができ、上下荷重が掛かった際に(操縦部6に乗車時等)、操作フレーム11の変位を軽減できる。
【0018】
プレート20の操作側横杆24より前方部分には左右方向の縦板により形成した前側横プレート26を設ける。
前側横プレート26の右端部は操作側斜杆23に固定し、前側横プレート26の左端部は操作フレーム11の操作側縦杆15に固定する。
これにより、プレート20と操作フレーム11の強度を向上させられ、また、ステップ22に足を掛けたときに操作側斜杆23と操作側縦杆15の間の隙間に足が入るのを防止できる。
メインフレーム10の右前側には、エンジン(図示省略)搭載用のエンジン搭載枠30を設け、エンジン搭載枠30はメインフレーム10の最前方位置の横杆14の一部と横杆14より短い横枠31と縦枠32とにより構成し(図4)、エンジン搭載枠30にはエンジンのマウント取付部33を設け、このエンジン搭載枠30の横杆14にプレート20の後部を溶接固定する。
【0019】
これにより、操作フレーム11のメインフレーム10に対するオーバーハング部分の補強ができ、上下荷重が掛かった際に(操縦部6に乗車時等)、操作フレーム11の変位を軽減できる。
図8は、他の実施形態を示し、前記ラップ部分25の前端は、操縦部6に設けた補助ステップ開口部28.の下方位置まで延伸させる。
これにより、部品点数を減らすことができる。
プレート20の操作側横杆24より前方部分には左右方向の横板により形成した前側横プレート26を、プレート20の操作側斜杆23とラップ部分25とを跨ぐように、プレート20の操作側斜杆23とラップ部分25とを連結固定する(図8)。
これにより、プレート20と操作フレーム11の強度を向上させられ、また、ラップ部分25に足を掛けたときにラップ部分25と操作側縦杆15の間の隙間に足が入るのを防止できる。
【0020】
グレンタンク5の穀粒を排出する縦揚穀装置40の近傍に、機体フレーム1に固定のステー41を設け、ステー41にはセンサ(図示省略)を取付けると共に、燃料補給タンク(図示省略)により燃料補給する際に燃料補給タンクを載置する燃料補給タンク載置台42の挿入腕43を取付収納する収納部44を設ける(図9)。
縦揚穀装置40の周囲を包囲する包囲カバー39Aの内側に補強板46を設け、補強板46にはステー41との干渉を防止する開口部47を設ける。
これにより、包囲カバー39Aが縦揚穀装置40を包囲する際に、補強板46とステー41との干渉を避けて、包囲カバー39Aが確実に閉じて縦揚穀装置40を包囲することができる。
【0021】
刈取装置4の引起装置50に、引起ラグ51の起立姿勢を支持する支持プレート52を設け、正面視において、支持プレート52は巻き込み防止プレート53の始端部より上方に位置させ、巻き込み防止プレート53は引起装置50のフレーム54に蝶番(図示省略)とボルト(図示省略)により取付け、巻き込み防止プレート53は平面視において、引起ケース(図示省略)に対して自由に角度調節可能に構成する。
これにより、引起ラグ51と巻き込み防止プレート53の間に挟まれた穀稈による脱粒・引起ラグ51の変形・引起装置50の上部への付着堆積物を抑制する。
巻き込み防止プレート53の角度を調節可能なため、穀稈の量が多く、引起ラグ51と巻き込み防止プレート53の間に挟まれた穀稈による脱粒や詰まりが多いときには角度を広げ、脱粒を防止する。
【0022】
巻き込み防止プレート53は引起装置50の下部側から上部にかけて傾斜させる構成とする。
これにより、穀稈が引起装置50の上部に流れてもスペースを設けることができる。
巻き込み防止プレート53は硬質弾性部材により形成する。
これにより、巻き込み防止プレート53は引起装置50への穀稈の巻き付きを防止できる剛性と、過度な巻き込みに対して変形して、引起装置50の破損を防止する。
巻き込み防止プレート53は工具レスで着脱可能に構成する。
引起装置50のフレーム54側には圃場状態により鉄製部材(図示省略)を介在させて巻き込み防止プレート53の取付を可能にするように構成する。
【0023】
これにより、巻き込み防止プレート53では巻き込み防止できない場合でも、鉄製部材により剛性を向上させて巻き込み防止できる。
操縦部6の走行方向を操作する所謂パワステレバー(図示省略)に操作方向を検出するリミットスイッチ(図示省略)を設け、リミットスイッチがオンになったタイミングでミッションケース(図示省略)のプッシュシリンダ(図示省略)を作動させて、旋回を開始する構成において、初期圧力にて走行のサイドクラッチのギアが外れるが、ブレーキは作動させない圧力設定とする構成としている。
これにより、機体の最低旋回力を弱めて、パワステレバーによる最低旋回半径の旋回操作を良好にできる。
【0024】
この場合、ブレーキのリターンスプリングを初期圧力にて走行のギアが外れるが、ブレーキが作動しない荷重設定とする。
これにより、機体の最低旋回力を弱めて、パワステレバーによる最低旋回半径の旋回操作を良好にできる。
また、パワステレバーを中立位置に戻す際、リミットスイッチがオフとなるタイミングで、ブレーキが作動しない荷重設定とする。
これにより、ブレーキを作動させないので、旋回終了時のショックを緩和させられる。
【0025】
図11に示す操向用のパワステリリーフバルブにおいて、パワステレバーの操作に伴う油圧回路のパワステリリーフの初期圧力を下げるため、絞り径の調整をポペット58の開口面積とスプリング59の弾力による圧力調整させる構成とする。
これにより、全体の油路を大きくすることができ、初期圧力の低下を容易に行える。
【0026】
(実施形態の作用)
本発明は上記構成であり、圃場を走行し、刈取装置4により穀稈を刈り取り、刈り取った穀稈は脱穀装置3に供給し、供給された穀稈は脱穀処理され、脱穀処理された被処理物はグレンタンク5に一時貯留される。
脱穀装置3とグレンタンク5と操縦部6を搭載する機体フレーム1は、メインフレーム10と、操縦部6を搭載する操作フレーム11とにより2部品構成とし、機体左右方向で操作フレーム11が前方に突出させて、メインフレーム10と操作フレーム11とを段付き設置する構成としているので、メインフレーム10に大型化させたグレンタンク5の搭載を可能にし、部品共用化できて、コストダウンできる。
【0027】
メインフレーム10は縦杆13と横杆14とにより四角状に形成し、操作フレーム11は左右縦杆操作側縦杆15の前部を左右方向の連結部16により連結して平面視逆コの字形状に形成し、操作側縦杆15の後部をメインフレーム10の横杆14に固定しているので、操作フレーム11の操作側縦杆15に対してメインフレーム10の縦杆13を右側にオフセットさせることになる。
これにより、メインフレーム10に大型化させたグレンタンク5の搭載を可能にし、部品共用化できて、コストダウンできる。
【0028】
本実施形態では、操作フレーム11の右側の操作側縦杆15とメインフレーム10の右側のメイン側縦杆13との間に、段差空間部17を形成し、段差空間部17内にテーパー形状のプレート20を設けているので、例えば、中割のときの、プレート20により、メインフレーム10と操作フレーム11の間の段差空間部17に穀稈が引っ掛かるのを防止し、穀稈の流れ性を向上させられる。
プレート20上面の所定部分にはギザギザ形状の凹凸部凹凸部21を設け、凹凸部21によりステップ22を構成しているので、プレート20を穀稈の案内ガイドとステップを兼用することができる。
【0029】
段差空間部17は操作フレーム11の操作側縦杆15とメインフレーム10の横杆14とにより逆L型形状とし、段差空間部17に面する操作フレーム11とメインフレーム10とを繋いで溶接固定可能な構成としているので、機体フレーム1の右側の穀稈のガイドとフレームの補強部材を兼用できる。
機体フレーム1を、メインフレーム10と操作フレーム11とに分割形成し、メインフレーム10の縦杆13を最前方位置の横杆14より前方に突出させ、この突出部分を、操作フレーム11の右側の操作側縦杆15と側面視において前後方向でラップするラップ部分(突出部分)25としているので、機体フレーム1の強度を向上させられる。
【0030】
メインフレーム10のラップ部分25は、操作フレーム11の根元部分に設けているので、メインフレーム10の右側の縦杆13が、操作フレーム11の操作側縦杆15に対して右外側に位置するオーバーハング部分の補強をすることができ、上下荷重が掛かった際に(操縦部6に乗車時等)、メインフレーム10の外側変位量を軽減できる。
また、操作フレーム11の操作側縦杆15がメインフレーム10の最前部の横杆14に対して前方に位置するオーバーハング部分の補強ができ、上下荷重が掛かった際に(操縦部6に乗車時等)、操作フレーム11の前側変位量を軽減できる。
【0031】
プレート20の操作側横杆24より前方部分には左右方向の縦板により形成した前側横プレート26を設け、前側横プレート26の右端部は操作側斜杆23に固定し、前側横プレート26の左端部は操作フレーム11の操作側縦杆15に固定しているので、プレート20と操作フレーム11の強度を向上させられ、また、ステップ22に足を掛けたときに操作側斜杆23と操作側縦杆15の間の隙間に足が入るのを防止できる。
プレート20の操作側横杆24より前方部分には左右方向の縦板により形成した前側横プレート26を、プレート20の操作側斜杆23と操作フレーム11の操作側縦杆15とを跨ぐように、プレート20と操作フレーム11を連結固定しているので、プレート20と操作フレーム11の強度を向上させられ、また、ステップ22に足を掛けたときに操作側斜杆23と操作側縦杆15の間の隙間に足が入るのを防止できる。
【0032】
前記ラップ部分25の前端は、操縦部6に設けた補助ステップ開口部28の下方位置まで延伸させているので、部品点数を減らすことができる。
メインフレーム10の右前側には、エンジン(図示省略)搭載用のエンジン搭載枠30を設け、エンジン搭載枠30はメインフレーム10の最前方位置の横杆14の一部と横杆14より短い横枠横枠31と縦枠縦枠32とにより構成し、エンジン搭載枠30にはエンジンのマウント取付部33を設け、このエンジン搭載枠30の横杆14にプレート20の後部を溶接固定しているので、操作フレーム11のメインフレーム10に対するオーバーハング部分の補強ができ、上下荷重が掛かった際に(操縦部6に乗車時等)、操作フレーム11の変位を軽減できる。
【符号の説明】
【0033】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、7…ステップ、10…メインフレーム、11…操作フレーム、13…縦杆、14…横杆、15…操作側縦杆、16…連結部、17…段差空間部、20…プレート、21…凹凸部、22ステップ、23…操作側斜杆、24…操作側横杆、25…ラップ部分、26…前側横プレート、28…補助ステップ開口部、30…エンジン搭載枠、31…横枠、32…縦枠、33…マウント取付部、40…縦揚穀装置、41…ステー、42…燃料補給タンク載置台、43…挿入腕、44…収納部、46…補強板、47…開口部、50…引起装置、51…引起ラグ、52…支持プレート、53…巻き込み防止プレート、54…フレーム、55…蝶番、56…ボルト、57…引起ケース。
図1
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図11