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特許6996678制御された医学的治療のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-02-15
(54)【発明の名称】制御された医学的治療のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 11/02 20060101AFI20220207BHJP
   A61M 13/00 20060101ALI20220207BHJP
   A61M 11/00 20060101ALN20220207BHJP
【FI】
A61M11/02 Z
A61M13/00
A61M11/00 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019531554
(86)(22)【出願日】2017-08-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-24
(86)【国際出願番号】 US2017048624
(87)【国際公開番号】W WO2018039562
(87)【国際公開日】2018-03-01
【審査請求日】2020-08-18
(31)【優先権主張番号】62/379,523
(32)【優先日】2016-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519062878
【氏名又は名称】バリドーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ラピドス、 カイル
(72)【発明者】
【氏名】カリヤンプール、 アルジュン
(72)【発明者】
【氏名】サフィアン、 ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ボータ、 マルセル
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-543353(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0081216(US,A1)
【文献】実開平07-010316(JP,U)
【文献】特開2010-89085(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0095957(US,A1)
【文献】特表2004-505730(JP,A)
【文献】国際公開第2016/54104(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 11/02
A61M 13/00
A61M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスと、
コンピューティングデバイスに無線で接続された分配デバイスと、を含む時間制御された薬物投与のためのシステムであって、
前記分配デバイスは、
第1の閉鎖端と第2の閉鎖端とを有する円筒形ハウジングを有し、
第1の閉鎖端は、表面と、表面に対して垂直に移動するノズルとを有し、
ポンプアセンブリが接続されたハウジング内の液体容器を有し、前記ポンプアセンブリは、表面に向かうノズルの移動によって作動可能であり、
ハウジング内に配置され、コンピューティングデバイスから送信された命令に従ってハウジング内のロック機構を作動させるように構成されたプロセッサを有し、前記ロック機構は、内歯車内の歯車を回転させるモータを有するモータアセンブリを含み、
前記内歯車上のロックであって、キー溝を有するロックと、ポンプアセンブリ上のシャフトであって、キー溝内に嵌合するように構成された1つ以上のキーを有するシャフトと、を更に含み、
ロック位置において、ロック機構は、ノズルが第1の閉鎖端の表面に押し下げられるのを阻止する、
時間制御された薬物投与のためのシステム。
【請求項2】
ロック解除位置において、前記ロック機構は前記ノズルが前記第1の閉鎖端の表面に移動するのを阻止しない、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ロック解除位置において、前記キーは前記キー溝と位置合わせされる、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記ロック位置において、前記キーは前記キー溝と整列していない、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
指示が投与スケジュールである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
コンピューティングデバイスと、
コンピューティングデバイスに無線で接続された分配デバイスと、を含む時間制御された薬物投与のためのシステムであって、
前記分配デバイスは、
第1の部分および第2の部分を有する円筒形ハウジングの表面に対して垂直に移動するノズルであって、第1の部分はノズルに接続されたポンプアセンブリを有し、第2の部分は、ポンプアセンブリに接続された液体容器を有する、ノズルを有し、
ハウジングの第1の部分内に配置され、電源に動作可能に接続され、コンピューティングデバイスから送信された命令に従ってハウジング内のロック機構を作動させるように構成されたプロセッサを有し、前記ロック機構は、内歯車内の歯車を回転させるモータを有するモータアセンブリを含み、
前記内歯車上のロックであって、キー溝を有するロックと、ポンプアセンブリ上のシャフトであって、キー溝内に嵌合するように構成された1つ以上のキーを有するシャフトと、を更に含み、
前記ロック機構は、プロセッサによって作動されると、ロック位置からロック解除位置へ移動する、
時間制御された薬物投与のためのシステム。
【請求項7】
前記ロック位置において、前記ロック機構は、前記ノズルが前記円筒形ハウジングの前記表面へ移動するのを阻止する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
モータと、第1の部分の底面上のディスクとの両方に接続される第2のギアを更に含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
ディスクの外周に沿った1つまたは複数の切欠きと、
第1の部分の底面にある開口と、及び
第2の部分の上面に沿った1つまたは複数のフランジと、
を更に含み、
前記フランジは前記開口と前記切欠きとが位置合わせされたときに、前記第1の部分の底面の開口と前記ディスクの切欠きとを通って摺動するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記モータによる前記第2のギアの回転は、前記ディスクおよび前記切欠きを開口と整列しないように回転させ、前記フランジを前記ハウジングの前記第1の部分にロックする、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
コンピュータデバイスと、コンピュータデバイスに無線で接続される分配デバイスとを備えるシステムを提供するステップであって、
分配デバイスは第1の閉鎖端および第2の閉鎖端を備える円筒形ハウジングを備え、第1の閉鎖端は、表面と、該表面に対して垂直に移動するノズルと、表面に向かうノズルの移動によって作動可能な、ハウジング内に接続されるポンプアセンブリを有する液体容器と、ハウジング内に配置され、ロック機構を作動させるように構成されるプロセッサとを有し、前記ロック機構は、内歯車内の歯車を回転させるモータを有するモータアセンブリを含み、前記内歯車上のロックであって、キー溝を有するロックと、ポンプアセンブリ上のシャフトであって、キー溝内に嵌合するように構成された1つ以上のキーを有するシャフトと、を更に含むことを特徴とする前記ステップと、
認証キーを前記コンピュータデバイスから分配デバイスのプロセッサに送信するステップと、
前記プロセッサが認証キーにより識別を検証するステップと、
前記コンピュータデバイスからの命令に従って、ロック機構をプロセッサによってロック解除位置に移動させるステップと、
ノズルを円筒形ハウジングの第1の閉鎖端の表面に向かって押し下げるステップと、
ポンプアセンブリを介してノズルを通して液体容器から物質を放出するステップと、
を含む、制御された医学療法のための方法。
【請求項12】
前記ノズルを前記円筒形ハウジングの前記第1の閉鎖端の前記表面に向かって押し下げるステップは、信号を前記分配デバイスの前記プロセッサに送信する触覚スイッチを作動させるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記プロセッサから前記ロック機構に信号を送信し、前記ロック機構をロック位置に移動させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記プロセッサによって、前記コンピュータデバイスからの前記命令に従って、前記ロック機構をロック位置に維持するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬剤の分配(dispensing)を制御するためのシステムおよび方法に関し、より詳細には、ウェブプラットフォームに連結された時間制御デバイスを介して薬剤を分配するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鼻腔内噴霧装置のような従来の個人用薬剤分配デバイスは、噴霧薬剤を送達するのに効果的に使用されることが多い。従来の鼻腔内噴霧装置は、液体がノズルを通って供給オリフィスから推進されるときに液体を霧化する細長いノズルを備えたポンプからなる。結果として生じる霧は、吸入され、組織によって効率的に吸収され、それによって効果的な処置を提供する。
【0003】
鼻腔内噴霧デバイスは、アレルギー、疼痛緩和および抑うつに及ぶ症状のための薬物を提供するために利用されてきた。疼痛緩和および抑うつのような状態については、これらの状態を治療する薬物の嗜癖性のために、装置内に提供される薬物に関連する乱用の危険性が高い。例えば、ケタミンは、双極性うつ病などの重篤な状態の治療において大きな有効性を示した。しかし、ケタミンなどの薬物の嗜癖性を考慮すると、医療提供者は、家庭での使用のためにそれらを投与するか、またはそうでなければ処方することをためらう。医療提供者はしばしば、薬物を乱用または誤用している患者、薬物を乱用している患者以外の人、および薬物の窃盗および/または販売に関心がある。
【0004】
乱用および誤用は、薬物の嗜癖性に起因するだけでなく、患者の状態の緩和を送達する際の薬物の効力にも起因する。患者は、薬剤が提供する軽減のため、処方された投薬量を超えて使用するように駆り立てられ得る。結果として、そのような薬剤を必要としている患者は、ヘルスケア提供者への訪問毎に少量の投薬または供給を受けるだけであり得る。その結果、一部の患者は、週に複数回など、医療提供者を頻繁に訪ねなければならない。医療提供者への多くの必要な訪問は不便であるばかりでなく、負担の多い交通費を負担したり、雇用地から離れて長時間を要したりすることができない人々にとって、医薬品へのアクセスに対する障壁として働くこともあり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ウェブプラットフォームに連結された時間制御デバイスを介して薬剤を投与するためのシステムおよび方法である。このシステムは、分配デバイスおよび計算デバイスを含む。分配デバイスは、第1の閉鎖端および第2の閉鎖端を有する円筒形ハウジングを含む。第1の閉鎖端は、そこから垂直に延びるノズルを有する第1の表面を含む。第2の閉鎖端は、締結具でハウジングに固定されたベースプレートを含む。ハウジングはさらに、ディスプレイスクリーンを有する凹部を含む。
【0006】
ハウジングは、液体医薬組成物を貯蔵するように構成された円筒形液体容器をさらに含んでもよい。液体容器は、ノズル内のチャネルを通して液体医薬組成物を推進するように構成されたポンプアセンブリを含む。ハウジングはまた、ポンプアセンブリの動きに対して垂直に動作するソレノイドなどのロック機構を含む。ソレノイドがロック位置まで延ばされると、ソレノイドはノズルの経路を遮断する。したがって、ソレノイドが伸長されると、ノズルを完全に押し下げることができず、液体医薬組成物を分配デバイスから放出することができない。
【0007】
ハウジング内に配置されたプリント回路基板がロック機構を操作する。プリント回路基板はまた、ポンプアセンブリ上の触覚スイッチおよびリアルタイムクロックに動作可能に接続される。ポンプアセンブリが作動されると、触覚スイッチおよびリアルタイムクロックは、データ信号をプリント回路基板に送信する。このデータを使用して、プリント回路基板は、ロック機構をロックおよびロック解除する。
【0008】
この方法は、投薬数および投薬間の最小時間期間などの命令でプリント回路基板をプログラムするステップと、バイオメトリックまたは他の認証パラメータに基づいてユーザ識別をプログラムするステップと、バイオメトリックセンサから信号を受信するステップと、ロック機構をロック解除位置に移動させるステップと、液体医薬組成物を投与するステップと、ロック機構をロック位置に移動させるステップとを含む。
【0009】
本発明は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことによって、より完全に理解および認識されるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明によるシステムの一実施形態の斜視図である。
図2図2は、アンロック位置にあるシステムの一実施形態の線Aに沿った概略断面図である。
図3A図3Aは、ロック位置にあるシステムの一実施形態の線Aに沿った概略断面図である。
図3B図3Bは、ロック位置にあるシステムの一実施形態の線Bに沿った概略断面図である。
図4図4は、本発明による方法の一実施形態を示す図である。
図5図5は、本発明による方法の一実施形態を示す図である。
図6図6は、本発明による方法の一実施形態を示す図である。
図7A図7Aは、ロック位置にあるモータアセンブリの一実施形態の上面斜視図である。
図7B図7Bは、ロック解除位置におけるモータ組立体の実施形態の側面斜視図である。
図7C図7Cは、ロック解除位置におけるモータアセンブリの実施形態の上面図である。
図8A図8Aは、モータアセンブリを有するハウジングの第1および第2の部分の実施形態の側面斜視図である。
図8B図8Bはロック解除位置にあるハウジングの第1および第2の部分の実施形態の別の側面斜視図である。
図8C図8Cは、ロック位置にあるハウジングの第1および第2の部分の実施形態の上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照すると、本発明は、システム、方法、および/またはコンピュータプログラム製品であってもよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本発明の態様を実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をその上に有するコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。
【0012】
コンピュータ可読記憶媒体は命令実行デバイスによって使用するための命令を保持し、記憶することができる有体デバイスとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体は例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または前述のもの任意の適切な組合せとすることができるが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的なリストは、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、命令が記録された溝内のパンチカードまたは隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、および前述の任意の適切な組合せ、を含む。本明細書で使用するコンピュータ可読記憶媒体は電波または他の自由に伝播する電磁波、導波路または他の伝送媒体を通って伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、またはワイヤを通って伝送される電気信号などの一時的な信号自体であると解釈されるべきではない。
【0013】
本明細書で説明されるコンピュータ可読プログラム命令はコンピュータ可読記憶媒体から、またはネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、および/またはワイヤレスネットワークを介して外部コンピュータもしくは外部記憶装置に、それぞれのコンピューティング/処理装置にダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、無線伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、および/またはエッジサーバを含むことができる。各コンピューティング/処理装置内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースはネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれのコンピューティング/処理装置内のコンピュータ可読記憶媒体に格納するために、コンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0014】
本発明の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミング言語と「C」プログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語または同様のプログラミング言語との任意の組合せで書かれたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかとすることができる。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上で、および部分的にリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータまたはサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、リモート・コンピュータがローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することができ、あるいは外部コンピュータへの接続(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用するインターネットを介して)を行うことができる。いくつかの実施形態では、例えば、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路は本発明の態様を実行するために、電子回路をパーソナライズするためにコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0015】
本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して、本発明の態様を本明細書で説明する。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図におけるブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装できることを理解されたい。
【0016】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が流れ図および/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定される機能/動作を実装するための手段を作成するように、マシンを生成することができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令はコンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、および/または他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に格納することもでき、それにより、その中に格納された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作の態様を実施する命令を含む製品を含む。
【0017】
コンピュータ可読プログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイス上にロードされて、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させ、コンピュータ実装プロセスを生成させ、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックまたはブロック(単数または複数)で指定される機能/動作を実装するようにしてもよい。
【0018】
図面のフローチャートおよびブロック図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能、および動作を示す。この点に関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能(複数可)を実装するための1つまたは複数の実行可能命令を含む命令のモジュール、セグメント、または一部を表すことができる。いくつかの代替的な実装形態では、ブロックに記された機能が図面に記された順序から外れて生じてもよい。例えば、連続して示される2つのブロックは実際には実質的に同時に実行されてもよく、またはブロックが含まれる機能に応じて、時々、逆の順序で実行されてもよい。ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャート図のブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する、または専用ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを実行する専用ハードウェアベースのシステムによって実装できることにも留意されたい。
【0019】
再び図面を参照すると、図1には本発明によるシステムの実施形態の斜視図が示されており、同様な参照番号は全体を通して同様な部品を指している。図1は、分配デバイス100および計算装置200を含むシステムの実施形態を示す。コンピューティング装置200は、スマートフォン、ポータブルタブレット、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、および任意の他の同様の装置とすることができる。図1はまた、分配デバイス100の実施形態の外部構成要素を示す。分配デバイス100は、第1の閉鎖端104と第2の閉鎖端106とを有する円筒形ハウジング102を含む。ノズル108は、第1の閉鎖端104の表面104aから垂直に延びている。第2の閉鎖端106は星形ねじなどの締結具でハウジング102に固定されたベースプレート106aをさらに備えることができ、これにより、ハウジング102の容易な改ざんが防止される。磁気ファスナー、特注の「キー付き」ネジ、または類似のロッキングデバイスなどの他のファスナーが予定される。ハウジング102は、ディスプレイスクリーン112を内部に有する凹部110をさらに含む。表示画面は例えば、モノクロOLEDグラフィックディスプレイなどのパネルディスプレイ、または他のLEDディスプレイとすることができる。
【0020】
図2を参照すると、ロック解除位置におけるシステムの一実施形態の概略断面図が示されており、図2は、ノズル108が押し下げられた、ロック解除位置における分注装置100の内部構成要素を示す図である。分配デバイス100のハウジング102は、第1の部分114および第2の部分116をさらに含む。ハウジング102の第1の部分114は、第1の閉鎖端104と第2の部分116の両方に接続されている。
【0021】
図示の実施形態では、ハウジング102の第2の部分116が第2の閉鎖端106またはベースプレート106aに接続され、分配デバイス100の基部を提供する。第2の部分116は、液体医薬組成物を貯蔵するように構成された液体容器118を収容する。図示の実施形態では、液体容器118は円筒形であり、同様な円筒形ハウジング102内に効率的に嵌合するようになっている。円筒形の液体容器118の例は、糸サイズのストックバイアルである。
【0022】
液体容器118の医薬内容物へのアクセスを提供するために、液体容器118はポンプアセンブリ120を含む。図2A~2Bに図示の実施形態では、ポンプ120は、液体容器118内に中央に配置される。ポンプアセンブリ120は、従来の鼻腔内噴霧装置で使用される標準的なポンプアセンブリとして実質的に構成され、動作する。第1の閉鎖端104の表面104aに向かってノズル108に圧力が加えられると、ポンプアセンブリ120は液体容器118内に貯蔵された液体医療組成物をノズル108内のチャネル122を通して推進し、液体医療組成物を分配デバイス100から放出する。したがって、ロック解除位置では、液体医療組成物が分配デバイス100から自由に排出することができる。
【0023】
図3A~3Bを参照すると、それぞれ線AおよびBに沿った、ロック位置にあるシステムの実施形態の概略断面図が示されている。図示の実施形態では、ハウジング102の第1の部分114がその中にソレノイド124ロック機構をさらに含む。ソレノイド124は、ポンプ組立体120の運動に垂直に作動する。一実施形態では、ソレノイド124が作動されると、ソレノイド124はノズル108の経路内に移動し、それにより、第1の閉鎖端104の表面104aに向かうノズル108の完全な移動を阻止し、ポンプアセンブリ120が液体医薬組成物を分配デバイス100から放出するのを防止する。ソレノイド124は、図2ではロック解除位置で示され、図3A~3Bではロック位置で示される。代替実施形態では、ソレノイド124がノズル108の経路を遮断し、ポンプアセンブリ120の運動を中断するUクリップなどの取付具を備えることができる。
【0024】
引き続き図3A~3Bを参照すると、図示の実施形態では、ソレノイド124がプリント回路基板126などのプロセッサから送られる電気信号に応答して作動される。図3A~3Bに示す通り、プリント回路基板126はハウジング102の第2の部分116内で第2の閉鎖端106に向かって配置されている。プリント回路基板126は、第2の閉鎖端106において第2の部分116内に配置されるバッテリ128に動作可能に接続され、バッテリ128によって電力供給される。バッテリ128は、再充電可能なリチウムイオンバッテリまたは類似のタイプの電源であり得る。
【0025】
別の実施形態では、ロック機構はモータアセンブリである。図7A~8Cには、モータアセンブリ300のロック機構の一実施形態の種々の図が示されている。最初に図7Aを参照すると、モータ組立体300の上面斜視図がロック位置に示されている。モータ組立体300は、内歯車308の開口306内に配置された第1の歯車304に接続されたモータ302を含む。内歯車308は、キー溝312が貫通して延びる中央ロック310を含む。ロック機構がソレノイド124である実施形態(図3A~3B)と同様に、モータアセンブリ300は、ポンプアセンブリ120の動きを中断するか、さもなければブロックする。図7Aに示す実施形態では、ポンプ組立体120のシャフト314が内歯車308の中央ロック310を通って延びている。ロックを容易にするために、ポンプ組立体120のシャフト314から突出する1つ以上のキー316がある。キー316は、中央ロック310のキー溝312内に滑り込むように構成されるか、または嵌合される。図7Aに示す実施形態では、キー316は中央ロック310上に載り、キー溝312内への摺動が阻止される。したがって、ポンプ組立体120に取り付けられたノズル108は、キー316がキー溝312と整列していないときには圧縮可能ではない。
【0026】
次に図7B~7Cを参照すると、ロック解除位置にあるモータアセンブリ300の側面斜視図および上面図が示されている。図7Bに示すロック位置から、モータ302は、プリント回路基板126からの電気信号によって作動され、プリント回路基板126はギア304を回転させ、それにより、内部ギアホイール308を回転させる。内歯車308の開口部306は、内歯車308が歯車304に引っ掛かるまでいずれかの方向にのみ回転するので、内歯車308の回転を制限する。内歯車308が回転すると、ロック310およびキー溝312も回転する。内歯車308は、図7Bに示すロック解除位置になるまで回転する。ロック解除位置では、ポンプ組立体120のシャフト314のキー316がロック310を通って延びるキー溝312と整列する。モータ組立体300がロック解除位置になると、ノズル108を圧縮することができる。ノズル108が圧縮されると、図7Cに示すように、ポンプ組立体120のシャフト314上のキー316がロック310のキー溝312内に摺動する。ノズル108が解放されると、シャフト314上のキー316がキー溝312から滑り出し、内歯車308が図7Aに示すロック位置に戻るように回転されてもよい
【0027】
次に図8A~8Cを参照すると、モータアセンブリ300を備えたハウジング102の実施形態の第1の部分114および第2の部分116の種々の斜視図が示されている。図示の実施形態ではハウジング102の第1の部分114がポンプアセンブリ102、プリント回路基板126、およびバッテリ128(図示せず)を含み、ハウジング102の第2の部分116は液体容器118(図示せず)を含む。最初に図8Bを参照すると、ロック解除位置にあるハウジング102の第1の部分114およびハウジング102の第2の部分116の側面図が示されている。ハウジング102の第1の部分114は、その底面320の外周に沿って開口318を有する。ハウジング102の第1の部分114の底面320の上に積み重ねられたディスク324は、ディスク324の外周に沿って切り欠き326を有する。切欠き326は、第1の部分114の底面320の開口318と整列するように構成されている。さらに図8Bを参照すると、モータアセンブリ300のモータ302は、モータ302の第1のギア304とは反対側に第2のギア322を備える。第2のギア322は、第1の部分114の底面320上のディスク324を回転させるために使用される。
【0028】
次に図8Aを参照すると、ハウジング102の第2の部分116は、第2の部分116の上面330から延びる複数のL字形フランジ328を備える。L字形フランジ328は、第1の部分114の底面320の開口318およびディスク324の切欠き326を通って嵌合するように構成されている。図8Bに示すロック解除位置では、L字形フランジ328が第1の部分114の底面320の開口318およびディスク324の切欠き326と整列している。したがって、第2の部分116は、ハウジング102の第1の部分114から引っ張って取り外すことができる。
【0029】
図8Cに示すロック位置に到達するために、モータ302は、プリント回路基板126から電気信号を受け取ると、第2ギア422を回転させ、これがディスク324を回転させる。ディスク324は、切欠き326もはやL字形フランジ328と整列しないように回転する。したがって、L字形フランジ328、したがってハウジング102の第2の部分116は、第1の部分114から取り外すことができない。いくつかの実施形態では、ディスク324がロック位置がディスク324のデフォルト位置であるようにバネ荷重される。
【0030】
ロック機構を作動させるように説明した回路は図1に示すように、ハウジング102上の1つ以上の信号LED130に接続することもできる。一実施形態では、信号LED130がソレノイド124が作動され、分配デバイス100がロック位置にあるときに点灯する。代替の実施形態では、信号LED130がソレノイド124が作動され、分配デバイス100がロック位置にあるとき、赤色で点灯し、ソレノイド124が非作動又は非作動であり、分配デバイス100がロック解除位置にあるとき、緑色で点灯することができる。
【0031】
回路はまた、ハウジング102の凹部110内のスクリーン112に接続し、スクリーン112に電力を供給する。図2および図3Aに示す実施形態では、凹部110はレンズ132によって囲まれている。 レンズ132は、液体、破片、および他の汚染物質からスクリーン112を保護する一方で、依然としてユーザがスクリーン112を明瞭に見ることを可能にする。図示の実施形態では、レンズ132はハウジング102と同一平面上にあり、使用者が分配デバイス100を容易に操作できるようになっている。一実施形態では、レンズ132がその中にバイオメトリックセンサを含むことができる。図1に示すような別の実施形態では、バイオメトリックセンサ134がハウジング102に沿った別個の位置にある。バイオメトリックセンサ134は、指紋スキャナ、虹彩スキャナ、心拍数検出器などを含むことができる。レンズ132はまた、ユーザがスクリーン112上に表示されたキーパッド上にパスコードを入力することができるように、タッチスクリーン機能を備えることができる。バイオメトリックセンサ134およびパスコード要素は装置を使用して個人を確認し、ソレノイド124をロック解除位置に移動させるためにプリント回路基板126に信号を送る薬剤にアクセスするための追加のセキュリティ層を提供する。
【0032】
いくつかの実施形態では、分配デバイス100がハウジング内に配置され、回路に接続された光電池136をさらに備えることができる。フォトセル136は、装置内部の光状態を検出する。したがって、フォトセル136は、分配デバイス100がいつ改ざんされたか、または破壊されたかを検出することができる。他の実施形態では、分配デバイス100が液体容器118内の薬剤のレベルを監視する回路に接続された薬剤センサ138をさらに備えることができる。したがって、薬剤センサ138は液体容器118が空であるか、または薬剤の残量が少ないときに、プリント回路基板126に信号を送ることができる。
【0033】
ポンプアセンブリ120は、触覚スイッチ140をさらに含んでもよい。触覚スイッチ140は、ポンプアセンブリ120が完全に作動されたときに作動される瞬間スイッチとして動作する。触覚スイッチ140は、ポンプアセンブリ120の完全な作動が記録されるプリント回路基板126に動作可能に接続される。プリント回路板126からの回路はさらにリアルタイムクロックチップ142まで延びる。リアルタイムクロックチップ142は、画面112上に表示するための日付および時間を提供するために使用することができる。後述するように、リアルタイムクロックチップ142をソレノイド124および触覚スイッチ140と組み合わせて使用して、分配デバイス100をロックすることもできる。
【0034】
ここで図4~6を参照すると、本発明による方法の実施形態のダイヤグラム表現が示されている。使用中、投薬デバイス100内の構成要素は、コンピューティングデバイス200上でアクセス可能なウェブプラットフォームと通信して、薬物の投薬を制御することができる。プリント回路基板126は、コンピューティングデバイス200と通信するための無線プロトコルとしてBluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE:Bluetooth low energy)を利用することができる。したがって、プリント回路基板126は、コンピューティングデバイス200からプログラムすることができる。例えば、ヘルスケア提供者は、コンピューティングデバイス200上の端末を介して、ウェブプラットフォーム上の設定を調整することができる。ヘルスケア提供者は、液体容器118に格納された薬剤の投薬数と、投薬間の最小期間とを示すことができる。次に、この情報はプリント回路基板126に送信される。プリント回路基板126は触覚スイッチ140からのフィードバックに基づいて投与回数を計算し、リアルタイムクロックチップ142からのデータに基づいて投与間の時間を決定する。
【0035】
分配デバイス100のプログラミングに加えて、ウェブプラットフォームは、分配デバイスからのステータス情報を見るためにヘルスケア提供者によって利用されてもよい。例えば、投薬時間、ロック状態、不正変更警告、および残りの投薬量はワイヤレスネットワークおよび/またはセルラーデータを介して分配デバイス100からウェブプラットフォームにプッシュされ得る情報であり、これは、最終的にはコンピューティング装置200上の端末においてヘルスケア提供者によってアクセス可能である。さらに、ウェブプラットフォームは、患者の投与量および処方計画を追跡するためのカレンダーインターフェースまたは他のスケジューリングフォーマットも含むことができる。したがって、分配デバイス100、ヘルスケア提供者のコンピュータ装置200、および患者のスマートフォン(以下に説明される)は、GSMまたは何らかの他の類似のデジタルセルラーネットワークを介してステータス情報を交換することができる。
【0036】
バイオメトリックセンサ134は、ヘルスケア提供者の存在下で患者によってプログラムされてもよい。例えば、ヘルスケア提供者は生体測定センサ134のプログラミングを可能にするために、ウェブプラットフォーム上の設定を調整することができる。次いで、バイオメトリックセンサ134は患者の指紋をスキャンして、例えば、患者識別を特定の分配デバイス100に割り当てることができる。一旦プログラムされると、バイオメトリックセンサ134は分配デバイス100が使用され得る前に、身元確認を必要とする。
【0037】
分配デバイス100がヘルスケア提供者のコンピュータ装置200上のウェブプラットフォームを介してプログラムされると、患者は分配デバイス100を使用することができる。薬剤にアクセスするために、患者は、まず、指紋走査検証のために生体センサ134上に指を置くなど、生体センサ134を作動させることによって、自分の身元を証明する。一旦、患者の同一性が検証されると、患者は、薬物の最初の用量を自己投与することができる。
【0038】
代替実施形態では、患者のスマートフォンまたは他のコンピューティングデバイスが分配デバイス100を利用するための認証の第2の層として働くことができる。例えば、患者は、自分のスマートフォン上のウェブプラットフォームの患者インターフェースにアクセスすることができる。投薬時に、患者はスマートフォンを介して自分自身を認証するように要求されることがある。例えば、患者は、パスコードまたは指紋センサを介して自分の電話をロック解除することによって認証を完了することができる。別の実施形態では、ヘルスケア提供者がウェブプラットフォームのヘルスケア提供者インターフェースからウェブプラットフォームの患者インターフェイスに、一時的または使い捨てのPINコードを送信することができる。したがって、患者は自分のスマートフォン上のウェブプラットフォームにアクセスし、PINコードを検索し、分配デバイス100上でPINコードを入力してロックを解除することができる。
【0039】
第1の用量を投与するために、患者はノズル108が鼻孔に近接するか、または部分的に鼻孔内にあり、ノズル108に第1の閉鎖端104の表面104aに向かう圧力を加えるように、分配デバイス100を保持する。ポンプアセンブリ120は患者が薬剤を吸入できるように、ノズル108から薬剤を放出する。ポンプアセンブリ120が作動されると、触覚スイッチ140もトリガされる。触覚スイッチ140はポンプアセンブリ120が作動されたという信号をプリント回路基板126に送信し、用量が投与されたことを示す。同時に、プリント回路基板126は、触覚スイッチ140からの信号を、リアルタイムクロックチップ142によって提供される時間に関連付ける。
【0040】
ヘルスケア提供者が投薬間の最小期間を設定した場合、触覚スイッチ140からの信号の受信は、プリント回路基板126にソレノイド124を作動させる。ソレノイド124はノズル108の経路内に移動し、それにより、患者が薬剤の次の投与量を投与するのを防止する。分配デバイス100は、最小時間が経過するまで、ソレノイド124がノズル108の作動を阻止するロック位置に留まる。プリント回路基板126は、リアルタイムクロックチップ142から受信したデータを用いて時間を監視することができる。触覚スイッチ140の作動後に最小時間が経過すると、プリント回路基板126はソレノイド124を引っ込めるようにトリガし、それにより患者がノズル108を完全に押し下げて次の投与量を投与できるようにする。その後、ロック処理が繰り返される。
【0041】
1つ以上の信号LED130がハウジング102上に配置される実施形態では、信号LEDがソレノイド130がノズル108の経路内にあるときに赤色を点灯し、投与量が投与されないことを示し、ソレノイド124が引っ込められるときに緑色を点灯し、後続の投与量が利用可能であることを患者に知らせることができる。プリント回路基板126はコンピューティングデバイス200と無線で通信することができるので、プリント回路基板126からの信号をコンピューティングデバイス200に送信して、次の投与量が利用可能であることを患者に警告することができる。代替実施形態では、薬剤センサ138が液体容器118が空であるか、または薬剤の残量が少ないことを示す信号をプリント回路基板126に送信し、最終的にコンピュータ装置200に送信することができる。これは、処方箋を再充填するプロセスを開始するように患者に警告する。
【0042】
ハウジング102がフォトセル136を含む実施形態では、フォトセル136がプログラムされた閾値を超える光を検出したときに、フォトセル136がプリント回路基板126に信号を送るように構成することができる。プリント回路基板126は、ヘルスケア提供者がアクセス可能なコンピューティングデバイス200に信号を送信するようにプログラムすることができる。信号は、分配デバイス100が改ざんされたことをヘルスケア提供者に通知するウェブプラットフォーム上の警告として現れることができる。追加の実施形態では、プリント回路基板126が分配デバイス100の任意の構成要素または構成要素の組み合わせから、ヘルスケア提供者および/または患者によって操作されるコンピューティング装置200にデータを送信するようにプログラムすることができる。次いで、ヘルスケア提供者および患者は、このデータにアクセスして、治療計画の遵守を改善することができる。
【0043】
本発明の実施形態は特定の例示的な実施形態を参照して特に示され、説明されたが、記述された説明および図面によって支持され得る特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な詳細変更がその中で実施され得ることが、当業者によって理解される。さらに、例示的な実施形態が特定の数の要素を参照して説明される場合、例示的な実施形態は、特定の数の要素よりも少ないかまたは多いかのいずれかを利用して実施され得ることが理解される。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C