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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】流体吐出容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20220127BHJP
   B65D 77/06 20060101ALI20220127BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20220127BHJP
   B05B 11/00 20060101ALN20220127BHJP
【FI】
B65D83/00 K
B65D77/06 H
A45D34/04 555
A45D34/04 525B
B05B11/00 101D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017099537
(22)【出願日】2017-05-19
(65)【公開番号】P2018193103
(43)【公開日】2018-12-06
【審査請求日】2019-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】710006932
【氏名又は名称】株式会社パックプラス
(74)【代理人】
【識別番号】100114764
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正樹
(72)【発明者】
【氏名】下田 愛里
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-16896(JP,A)
【文献】特開2015-30493(JP,A)
【文献】特開2013-23244(JP,A)
【文献】国際公開第2017/061060(WO,A1)
【文献】特開2009-166862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
B65D 77/06
A45D 34/04
B05B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流体が充填される袋状の内側容器と、該内側容器の上部に設けられ、垂直に延びる挿通孔が形成された雌コネクタと、上部に開口部が形成され、該開口部から前記内側容器が差し込まれながら収容される外側容器と、該外側容器の上部の開口部に閉蓋状態に設けられ、中央部に貫通孔が形成された蓋と、該蓋の貫通孔を貫通し、かつ前記雌コネクタの挿通孔に挿通されるとともに、内部に流通路が形成された雄コネクタが設けられた吐出機構とを備え、該吐出機構により前記内側容器に充填された流体が前記雄コネクタの流通路を通じて外部に吐出される流体吐出容器であって、
前記雌コネクタは、挿通孔と前記蓋の貫通孔とが互いに軸線方向に重なりながら、上端面が前記蓋の下面に当接する態様で前記蓋の下側に装着され、
前記蓋は、前記雌コネクタに嵌合する嵌合部材が下面に設けられていることを特徴とする流体吐出容器。
【請求項2】
前記嵌合部材は、前記雌コネクタに係合する爪部が内周面に設けられている請求項に記載の流体吐出容器。
【請求項3】
前記雌コネクタは、前記嵌合部材に嵌合する環状部材が上部に設けられている請求項または請求項に記載の流体吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧水や美容液等の流体が充填され、吐出機構により流体を外部に吐出する流体吐出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、化粧水や美容液等の流体が充填されるハンディタイプの容器として、上部に開口部が形成された容器と、該容器の上部の開口部に閉蓋状態に設けられ、貫通孔が形成された蓋と、該蓋に設けられた吐出機構とを備え、該吐出機構により容器の内部に充填された流体を外部に吐出する容器が知られている。
【0003】
ところが、この容器では、容器に充填された流体を吐出機構により最後まで吐出させることは難しく、容器の底部に流体が残留する虞があり、資源の無駄が生じていた。また、容器の内部に充填された流体を吐出機構により吐出するたびに、流体が外部の空気と置き換わるため、容器の内部に充填された流体が空気に触れ続けて劣化する虞があった。
【0004】
そこで、内部に流体が充填される袋状の内側容器と、該内側容器の上部に設けられ、垂直方向に伸びる挿通孔が形成された雌コネクタと、前記内側容器が収容され、上部に開口部が形成された外側容器と、該外側容器の上部の開口部に閉蓋状態に設けられ、貫通孔が形成された蓋と、該蓋の貫通孔を貫通し、かつ前記雌コネクタの挿入孔に挿入されるとともに、内部に流通路が形成された雄コネクタが設けられた吐出機構とを備える容器が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
これによれば、内側容器に充填された流体を吐出機構により最後まで吐出させ易くなるとともに、内側容器の内部に充填された流体を吐出機構により吐出しても、内側容器の内部が真空状態またはそれに近い状態を維持し得るため、内側容器に充填された流体が空気に触れることなく劣化を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2009-166862号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の容器では、製造工程において雌コネクタが設けられた袋状の内側容器を外側容器に収容する際、雌コネクタの外周面と外側容器の内周面とが接する態様で雌コネクタを外側容器に嵌め込んで固定する構造であった。このため、仮に雌コネクタの外径が外側容器の内径よりも大きいと、雌コネクタを外側容器に嵌め込むことができない一方、雌コネクタの外径が外側容器の内径よりも小さいと、雌コネクタが外側容器に固定されない不安定な状態となることから、雌コネクタの外径と外側容器の内径を厳密に一致させなければならず、容器の設計が些か困難になるという問題があった。
【0008】
また、雌コネクタの外径と外側容器の内径を厳密に一致させることから、雌コネクタを完全に垂直な状態にして、しかも強い力で外側容器に嵌め込まなければならず、製造工程において組立作業が煩雑になるという問題があった。
【0009】
また、上述のように雌コネクタの外径と外側容器の内径を一致させる関係上、外側容器の形状や径を変更しにくくなって、容器のデザインのバリエーションが少なくなるという問題があった。
【0010】
また、蓋と雌コネクタの間に隙間が生じるため、製造工程において吐出機構の雄コネクタを蓋の貫通孔に完全に垂直に貫通させなければ、該雄コネクタを雌コネクタの挿通孔に挿入しくくなり、製造工程においてさらに組立作業が煩雑になるという問題があった。
【0011】
また、蓋と雌コネクタの間の隙間の分だけ外側容器が高くなってしまい、容器が大型化するという問題があった。
【0012】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、簡単に組み立てることができ、豊富なバリエーションのデザインで展開することが可能な流体吐出容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る流体吐出容器は、上記目的を達成するために、内部に流体が充填される袋状の内側容器と、該内側容器の上部に設けられ、垂直に延びる挿通孔が形成された雌コネクタと、上部に開口部が形成され、該開口部から前記内側容器が差し込まれながら収容される外側容器と、該外側容器の上部の開口部に閉蓋状態に設けられ、中央部に貫通孔が形成された蓋と、該蓋の貫通孔を貫通し、かつ前記雌コネクタの挿通孔に挿通されるとともに、内部に流通路が形成された雄コネクタが設けられた吐出機構とを備え、該吐出機構により前記内側容器に充填された流体が前記雄コネクタの流通路を通じて外部に吐出される流体吐出容器であって、前記雌コネクタは、挿通孔と前記蓋の貫通孔とが互いに軸線方向に重なりながら、上端面が蓋の下面に当接する態様で前記蓋の下側に装着されていることを特徴とする。
【0014】
これによれば、雌コネクタは、挿通孔と前記蓋の貫通孔が互いに軸線方向に重なりながら、上端面が蓋の下面に当接する態様で前記蓋の下側に装着されているため、雌コネクタの外径と外側容器の内径を厳密に一致させる必要がなくなり、容器の設計が簡単になる。
【0015】
また、雌コネクタを外側容器に嵌め込む必要がなく、雌コネクタを蓋に装着すればよいため、製造工程において容器を簡単に組み立てることができる。
【0016】
また、雌コネクタの外径と外側容器の内径を一致させる必要がないため、外側容器の形状や径を変更し易くなり、容器のデザインのバリエーションを増やすことができる。
【0017】
また、蓋と雌コネクタの間に隙間がないため、製造工程において吐出機構の雄コネクタを雌コネクタに挿通させ易くなり、製造工程において容器をより簡単に組み立てることができる。
【0018】
また、蓋と雌コネクタの間の隙間がないため、容器を小型化したり、あるいは内側容器に充填する流体を増量することができる。
【0019】
また、前記蓋は、前記雌コネクタに嵌合する嵌合部材が下面に設けられているのが好ましい。これによれば、雌コネクタを蓋の下側に簡単かつ確実に装着することができる。
【0020】
また、前記嵌合部材は、雌コネクタに係合する爪部が内周面に設けられているのが好ましい。これによれば、雌コネクタを蓋の下側から抜け落ちることを防止することができる。
【0021】
また、前記雌コネクタは、前記嵌合部材に嵌合する環状部材が上部に設けられているのが好ましい。これによれば、雌コネクタを蓋の下側により一層簡単かつ確実に装着することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、雌コネクタは、挿通孔と前記蓋の貫通孔が互いに軸線方向に重なりながら、上端面が蓋の下面に当接する態様で前記蓋の下側に装着されているため、雌コネクタの外径と外側容器の内径を厳密に一致させる必要がなくなり、容器の設計が簡単になる。
【0023】
また、雌コネクタを外側容器に嵌め込む必要がなく、雌コネクタを蓋に装着すればよいため、製造工程において容器を簡単に組み立てることができる。
【0024】
また、雌コネクタの外径と外側容器の内径を一致させる必要がないため、外側容器の形状や径を変更し易くなり、容器のデザインのバリエーションを増やすことができる。
【0025】
また、蓋と雌コネクタの間に隙間がないため、製造工程において吐出機構の雄コネクタを雌コネクタに挿通させ易くなり、製造工程において容器をより簡単に組み立てることができる。
【0026】
また、蓋と雌コネクタの間の隙間がないため、容器を小型化したり、あるいは内側容器に充填する流体を増量することができる。
【0027】
而して、容器を簡単に組み立てることができ、豊富なデザインのバリエーションで展開することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態に係る流体吐出容器の断面図である。
図2】雌コネクタが設けられた内側容器の(a)平面図、(b)断面図である。
図3】蓋の下方斜視図である。
図4】蓋の(a)一部断面図、(b)底面図である。
図5】雌コネクタを蓋の下側に装着する状態を示す断面図である。
図6】雌コネクタと蓋の装着部分の拡大断面図である。
図7】吐出機構を蓋の上側に装着する状態を示す断面図である。
図8】内側容器等を外側容器に収容する状態を示す断面図である。
図9】流体吐出容器の組立方法の第1の例を示すフローチャートである。
図10】流体吐出容器の組立方法の第2の例を示すフローチャートである。
図11】流体吐出容器の組立方法の第3の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明に係る流体吐出容器(以下、本容器という)の実施形態について図1図8を参照しつつ説明する。
【0030】
本容器は、図1に示すように、袋状の内側容器1と、内側容器1の上部に設けられた雌コネクタ2と、内側容器1が収容される外側容器3と、外側容器3の上部に装着された蓋4と、蓋4の上側に装着された吐出機構5とを備え、吐出機構5により内側容器1に充填された流体を外部に吐出するものとなされている。
【0031】
前記内側容器1は、図2に示すように、合成樹脂製の可撓性のパウチであって、一対の同大同形の第1のシート部材11と第2のシート部材12からなり、第1のシート部材11および第2のシート部材12の上縁部1a(但し、上縁部の中央部を除く)、右側縁部1b、左側縁部1cおよび下縁部1dが互いにヒートシールにより溶着されることにより密閉の袋状に形成される。この内側容器1は、後述するように化粧水や美容液等の流体が充填され、流体が満杯状態の場合は略円筒状となり、流体が吐出されるたびに収縮しながら変形していく。
【0032】
前記雌コネクタ2は、図2に示すように、合成樹脂製の略円柱状の本体部21と、本体部21の下端部に設けられた合成樹脂製のプラグ22とを備えている。
【0033】
前記本体部21は、内側容器1の上端部1aにおいて、周面が第1のシート部材11および第2のシート部材12に挟着されている。
【0034】
また、前記本体部21は、上部に平面視円形の環状部材23が設けられている。この環状部材23は、外径が後述する蓋4の嵌合部材45の内径に対応する輪郭形状および外径に形成されており、蓋4の嵌合部材45に嵌合するものとなされている。
【0035】
また、前記本体部21は、内部に垂直方向(図1の上下方向)に延びる挿通孔24が形成されている。この挿通孔24は、内径が後述する吐出機構5の雄コネクタ52に対応する断面形状および内径に形成されており、上端部および下端部に上端開口部24aおよび下端開口部24bが形成されている。このため、図1に示すように、吐出機構の雄コネクタ52が、挿通孔24の上端開口部24aから挿入されたあと、下端開口部24bから突出することにより、挿通孔24に密着状態で挿通される。
【0036】
前記プラグ22は、本体部21の挿通孔24の下端開口部24bを閉蓋する状態で設けられている。このプラグ22は、図1に示すように、吐出機構5の雄コネクタ52が挿通孔24に挿通された際、該雄コネクタ52の先端部に係合したあと、雄コネクタ52により下方に押し込まれることによって本体部21の下端部から外れて、挿通孔24の下端開口部24bを開放状態にする。
【0037】
なお、本実施形態では、本体部21とプラグ22は別個独立に構成するものとしたが、アーム部材等により連結してもよい。
【0038】
前記外側容器3は、合成樹脂製の剛性を有する円筒状の有底容器であって、上部に開口部31が形成されている。この外側容器3は、深さが内側容器1の長さよりもやや短くなるように形成され、内側容器1を垂直方向にやや圧縮しながら収容する。また、外側容器3は、内径が内側容器1の流体が満杯状態の外径と同程度に形成されている。なお、外側容器3は、上端部の内周面に段部32が形成されている。
【0039】
前記蓋4は、図3および図4に示すように、外側容器3と同材質の合成樹脂製の剛性を有する蓋4であって、平面視円形の天板部41と、該天板部41の周縁部から下方に垂下する垂下部42とを備える。天板部41は、外径が外側容器3の段部32の内径と同程度に形成されている。また、垂下部42は、長さが外側容器3の段部32の深さと同程度に形成されている。このため、蓋4は、外側容器3の開口部31において段部32に嵌り込む態様で閉蓋するものとなされている。
【0040】
また、前記蓋4は、天板部41の中央部に平面視円形の貫通孔43が形成されている。この貫通孔43は、内径が吐出機構5の雄コネクタ52の外径よりも大きく形成されており、吐出機構5の雄コネクタ52が上方から下方に向けて垂直方向に接触することなく貫通するようになっている。
【0041】
また、前記蓋4は、天板部41の上面において、貫通孔43の周縁部から上方に立設する立設部44が設けられている。この立設部44は、上部の外周面に雄螺子44aが形成されている。
【0042】
また、前記蓋4は、天板部41の下面において、貫通孔43の周縁部から所定距離を隔てた位置で略環状に下方に垂下する嵌合部材45が設けられている。この嵌合部材45は、内径が雌コネクタ2の環状部材23の外径と同程度か、やや小さくなるように形成されている。これにより、雌コネクタ2の環状部材23を蓋4の嵌合部材45の内側に嵌合すると、雌コネクタ2の挿通孔24と前記蓋4の貫通孔43とが軸線方向に完全に重なる態様で、雌コネクタ2(環状部材23)の上端面と蓋4の下面が互いに当接する態様で雌コネクタ2が蓋4の下側に装着される。なお、軸線方向とは、図面中に示す上下方向に延びる一点鎖線の方向を示す。
【0043】
なお、本実施形態では、前記嵌合部材45は、雌コネクタ2に係合する爪部45aが内周面に設けられている。
【0044】
前記吐出機構5は、図1に示すように、ピストン方式により流体を吐出する機構であって、上部に設けられた吐出機構本体部51と、該吐出機構本体部51の下部に設けられた雄コネクタ52とを備える。
【0045】
前記吐出機構本体部51は、下部に凹部53が形成され、該凹部53の上部の内周面に雌螺子53aが形成されており、蓋4の立設部44の雄螺子44aと螺着されることにより蓋4の上側に装着される。
【0046】
また、吐出機構本体部51は、内部に流通路54が形成されており、上端部に流通路54に連通する吐出口54aが形成されている。
【0047】
前記雄コネクタ52は、吐出機構5本体の凹部53の中央部から下方に延びる態様に形成されており、上部が径大に形成され、かつ下部が径小に形成された2段構造となされており、蓋4の貫通孔43を貫通するとともに、雌コネクタ2の挿通孔24に挿通される。
【0048】
また、前記雄コネクタ52は、内部には流通路55が形成されており、下端部に流通路55に連通する吸引孔55aが形成されている。この吸引孔55aは、雄コネクタ52が雌コネクタ2の挿通孔24に完全に挿通された際、雌コネクタ2の本体部21とプラグ22の間において内側容器1の内部に露出した状態となる。このため、吐出機構本体部51において上下にピストン動作を行うと、内側容器1に充填されている流体が吸引孔55aから吸引され、流通路55を通じて吐出機構本体部51に送られたあと、吐出機構本体部51の流通路54を通じて吐出口54aから吐出される。
【0049】
次に本容器の組立方法について説明する。なお、以下の説明において、「ステップ」を「S」と略記する。
【0050】
図9は、本容器の組立方法の第1の例である。
【0051】
まず、内側容器1の内部に流体を充填する(S11)。具体的には、図示略の流体充填器具の雄部材を雌コネクタ2の挿通孔24に挿通し、雄部材をプラグ22に係合させて下方に押し込むことにより、プラグ22を雌コネクタ2の下端部から外した上で流体を充填する。そして、流体の充填を完了した後、図示略の流体充填器具の雄部材を雌コネクタ2の挿通孔24から引き抜くことにより、プラグ22を再び雌コネクタ2の下端部に係合させて挿通孔24の下端開口部24bを閉蓋状態にする。
【0052】
次に、内側容器1を蓋4の下側に装着する(S12)。具体的には、図6に示すように、雌コネクタ2の環状部材23を蓋4の嵌合部材45の内側に嵌合すると、雌コネクタ2の挿通孔24と前記蓋4の貫通孔43が互いに軸線方向に重なりながら、雌コネクタ2(環状部材23)の上端面と蓋4の下面が互いに当接する態様で雌コネクタ2が蓋4の下側に装着される。
【0053】
次に、吐出機構5を蓋4の上側に装着する(S13)。具体的には、図7および図8に示すように、吐出機構5の雄コネクタ52を蓋4の立設部44から貫通孔43に貫通させたあと、蓋4の下側に装着された雌コネクタ2の挿通孔24に挿通する。このとき、吐出機構5は、吐出機構本体部51が蓋4の立設部44に係合するとともに、雄コネクタ52の先端部がプラグ22に係合する。そして、吐出機構本体部51を蓋4に対して周方向に回転させると、吐出機構本体部51の凹部53の雌螺子53aと蓋4の立設部44の雄螺子44aとが次第に螺着していくことにより、吐出機構5の雄コネクタ52が下方に次第に移動し、それに伴って、雌コネクタ2のプラグ22が下方に押し込まれることにより本体部21の下端部から外れる。また、雄コネクタ52の吸引孔55aは、雌コネクタ2の本体部21とプラグ22の間において露出した状態となる。
【0054】
次に、内側容器1を外側容器3に収容する(S14)。具体的には、図8および図1に示すように、内側容器1を外側容器3の開口部31から差し込みながら底部まで収容したあと、蓋4を外側容器3の開口部31に嵌め込む態様で閉蓋する。
【0055】
なお、第1の例では、内側容器1の内部に流体を充填する第1のステップ(S11)のあとにおいて、内側容器1を蓋4の側に装着する第2のステップ(S12)を行ったあと、蓋4の上側に吐出機構5を装着する第3のステップ(S13)を行い、最後に内側容器1を外側容器3に収容する第4のステップ(S14)を行ったが、先に内側容器1を外側容器3に収容する第4のステップ(S14)を行ったあと、第2のステップ(S12)と第3のステップ(S13)を行ってもよい。
【0056】
また、内側容器1の内部に流体を充填する第1のステップ(S11)のあとにおいて、内側容器1を蓋4の側に装着する第2のステップ(S12)と、蓋4の上側に吐出機構5を装着する第3のステップ(S13)を分けて行ったが、吐出機構5が蓋4の上側にあらかじめ装着された蓋4の下側に内側容器1を装着してもよい。
【0057】
また、流体を充填した内側容器1を蓋4の下側に装着する第2のステップ(S12)のあとにおいて、吐出機構5を蓋4の上側に装着する第3のステップ(S13)を行ったあと、内側容器1を外側容器3に収容する第4のステップ(S14)を行ったが、先に第4のステップ(S14)を行ったあと、第3のステップ(S13)を行ってもよい。
【0058】
図10は、本容器の組立方法の第2の例である。なお、以下の説明では、各ステップの具体的な説明は省略することとする。
【0059】
まず、内側容器1を外側容器3に収容する(S21)。
【0060】
次に、内側容器1の内部に流体を充填する(S22)。
【0061】
次に、内側容器1を蓋4の下側に装着するとともに、蓋4を外側容器3の開口部31に嵌め込んで閉蓋する(S23)。
【0062】
次に、吐出機構5を蓋4の上側に装着する(S24)。
【0063】
なお、第2の例では、内側容器1を外側容器3に収容した第1のステップ(S21)のあとにおいて、内側容器1の内部に流体を充填する第2のステップ(S22)を行ったあと、内側容器1を蓋4の上側に装着する第3のステップ(S23)を行うものとしたが、先に第3のステップ(S23)を行ったあと、第2のステップ(S22)を行ってもよい。
【0064】
また、内側容器1に流体を充填する第2のステップ(S22)のあとにおいて、内側容器1を蓋4の側に装着する第3のステップ(S23)と、蓋4の上側に吐出機構5を装着する第4のステップ(S24)を分けて行ったが、吐出機構5が蓋4の上側にあらかじめ装着された蓋4の下側に内側容器1を装着してもよい。
【0065】
図11は、本容器の組立方法の第3の例である。なお、以下の説明では、各ステップの具体的な説明は省略することとする。
【0066】
まず、内側容器1を蓋4の下側に装着する(S31)。
【0067】
次に、内側容器1の内部に流体を充填する(S32)。
【0068】
次に、内側容器1を外側容器3に収容するとともに、蓋4を外側容器3の開口部に嵌め込んで閉蓋する(S33)。
【0069】
次に、吐出機構5を蓋4の上側に装着する(S34)。
【0070】
なお、第3の例では、蓋4の下側に内側容器1を装着する第1のステップ(S31)のあとにおいて、内側容器1に流体を充填する第2のステップ(S32)を行ったあと、内側容器1を外側容器3に収容する第3のステップ(S33)を行ったが、先に第3のステップ(S33)を行ったあと、第2のステップ(S32)を行ってもよい。
【0071】
また、内側容器1の内部に流体を充填する第2のステップ(S32)のあとにおいて、内側容器1を外側容器3に収容する第3のステップ(S33)のあと、蓋4の上側に吐出機構5を装着する第4のステップ(S34)を行ったが、先に第4のステップ(S34)を行ったあと、第3のステップ(S33)を行ってもよい。
【0072】
なお、本実施形態では、嵌合部材45を介して雌コネクタ2を蓋4の下側に脱着可能に装着するものとしたが、雌コネクタ2を蓋4の下側に接着剤等により直接装着してもよい。
【0073】
また、雌コネクタ2の挿通孔24と前記蓋4の貫通孔43とが軸線方向に完全に重なる態様としたが、吐出機構5の雄コネクタ52が貫通および挿通し得るのであれば、一部が重なる態様であってもよい。
【0074】
また、雌コネクタ2は、本体部21の上部に環状部材23を設けて、該環状部材23を蓋4の嵌合部材45に嵌合するものとしたが、環状部材23を設けずに本体部21を蓋4の嵌合部材45に嵌合してもよい。この場合、本体部21の上端面と蓋4の下面が当接することになる。
【0075】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1…内側容器
1a~1d…上縁部、右側縁部、左側縁部、下縁部
11…第1のシート部材
12…第2のシート部材
2…雌コネクタ
21…本体部
22…プラグ
23…環状部材
24…挿通孔
24a…上端開口部
24b…下端開口部
3…外側容器
31…開口部
32…段部
4…蓋
41…天板部
42…垂下部
43…貫通孔
44…立設部
44a…雄螺子
45…嵌合部材
45a…爪部
5…吐出機構
51…吐出機構本体部
52…雄コネクタ
53…凹部
53a…雌螺子
54…流通路
54a…吐出口
55…流通路
55a…吸引孔
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
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図11