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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】製函装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/06 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
B65B51/06 G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017141246
(22)【出願日】2017-07-20
(65)【公開番号】P2019018900
(43)【公開日】2019-02-07
【審査請求日】2020-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】中村 雄一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 淳
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 達也
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-004460(JP,U)
【文献】特開2016-204123(JP,A)
【文献】特表2009-515793(JP,A)
【文献】国際公開第2002/098737(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/00-51/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱状に組み立てられたダンボール箱に、テープロールから繰り出されるテープを貼るテープ貼付部と、
前記テープロールからの前記テープの繰り出し動作を受けているときに前記テープロールの回転を検知する検知センサを含む検知部と、
テープ貼付時に前記ダンボール箱を搬送する搬送部と、
前記ダンボール箱が所定の検知位置に到達したか否か、および前記テープの繰り出し状態を監視して前記テープの貼付異常を判断する制御部と、
を備え、
前記制御部は、搬送されていく前記ダンボール箱が前記検知位置に到達したときに、前記検知センサから前記テープロールが回転していることを示す信号変化の繰り返しがない場合には、前記テープがなくなった、或いは前記テープが前記ダンボール箱に張り付かなかったものと推定する、
製函装置。
【請求項2】
箱状に組み立てられたダンボール箱に、テープロールから繰り出されるテープを貼るテープ貼付部と、
前記テープロールからの前記テープの繰り出し動作を受けているときに前記テープロールの回転を検知する検知センサを含む検知部と、
テープ貼付時に前記ダンボール箱を搬送する搬送部と、
前記ダンボール箱が所定の検知位置に到達したか否か、および前記テープの繰り出し状態を監視して前記テープの貼付異常を判断する制御部と、
を備え、
前記制御部は、搬送されていく前記ダンボール箱が前記検知位置を通過したにもかかわらず、前記検知センサから前記テープロールが回転していることを示す信号変化の繰り返しが継続している場合には、前記テープが正常に切断されなかったものと推定する、
製函装置。
【請求項3】
所定位置にスリットが設けられ、前記テープロールと同期回転する円板をさらに備え、
前記検知部は、前記スリットを検知して検知信号を前記制御部へ送る、
請求項1または請求項2に記載の製函装置。
【請求項4】
前記検知部は、前記スリットを検知したときにオン又はオフの信号を発するセンサである、
請求項3に記載の製函装置。
【請求項5】
前記検知部は、前記テープロールから繰り出される前記テープを監視する光センサである、
請求項1に記載の製函装置。
【請求項6】
前記検知部は、前記テープロールから繰り出される前記テープを監視するカメラである、
請求項1に記載の製函装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記テープの貼付異常があったと判断したとき、再始動させやすい時期に停止させる、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の製函装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製函装置、特に搬送中のダンボール箱の蓋をテープで封緘するテープ貼付部を備えた製函装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダンボールの製函装置、例えば特許文献1(特開平9-207243号公報)に記載の製函装置では、ダンボール箱が搬送されてくると、粘着テープを案内するローラがテープをダンボール箱の前面上部に貼付けながら箱の上面に乗り上げ、上面にテープを貼り付け、その後、上面端から降下しながら背面上部にテープを貼付け、テープをカットする。作業者は、テープが適切に貼られているか否かを確認するために、製函装置から排出された箱を目視で確認する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
生産性の向上の観点から、テープが引っ張られていることをセンサで確認するような自動検査によって、目視検査を廃止することが検討されている。
【0004】
しかしながら、テープが透明であることを前提にセンサを設定すると、色や模様が入ったテープが使用された場合には、誤検知する虞がある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、テープの貼付動作を確実に検知することができる製函装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る製函装置は、テープ貼付部と、検知部と、搬送部と、制御部とを備えている。テープ貼付部は、箱状に組み立てられたダンボール箱に、テープロールから繰り出されるテープを貼る。検知部は、テープロールからのテープの繰り出し動作を受けているときにテープロールの回転を検知する検知センサを含む。搬送部は、テープ貼付時にダンボール箱を搬送する。制御部は、ダンボール箱が所定の検知位置に到達したか否か、およびテープの繰り出し状態を監視してテープの貼付異常を判断する。また、制御部は、搬送されていくダンボール箱が検知位置に到達したときに、検知センサからテープロールが回転していることを示す信号変化の繰り返しがない場合には、テープがなくなった、或いはテープがダンボール箱に張り付かなかったものと推定する。
【0007】
この製函装置では、制御部は、ダンボール箱がテープ貼付区間を搬送されているにもかかわらず、テープの繰り出し状態が検出されないときは、テープの貼付異常と判断することができるので、目視検査を介さない自動検査が可能となる。
【0008】
本発明の第2観点に係る製函装置は、テープ貼付部と、検知部と、搬送部と、制御部とを備えている。テープ貼付部は、箱状に組み立てられたダンボール箱に、テープロールから繰り出されるテープを貼る。検知部は、テープロールからのテープの繰り出し動作を受けているときにテープロールの回転を検知する検知センサを含む。搬送部は、テープ貼付時にダンボール箱を搬送する。制御部は、ダンボール箱が所定の検知位置に到達したか否か、およびテープの繰り出し状態を監視してテープの貼付異常を判断する。また、制御部は、搬送されていくダンボール箱が検知位置を通過したにもかかわらず、検知センサからテープロールが回転していることを示す信号変化の繰り返しが継続している場合には、テープが正常に切断されなかったものと推定する。
【0009】
この製函装置では、制御部は、ダンボールが予め設定された搬送位置を通過するタイミングと、テープの繰り出し動作を開始し、又は停止するタイミングとのズレが、所定量以上のときはテープの貼付異常と判断することができる。
【0010】
この製函装置では、ダンボール箱へのテープ貼付が行われているか否かは、テープロールの回転動作の有無で一義的に検知することができるので、誤検知が少ない。
【0011】
本発明の第3観点に係る製函装置は、第1観点または第2観点に係る製函装置であって、円板をさらに備えている。円板は、所定位置にスリットが設けられ、テープロールと同期回転する。検知部は、スリットを検知して検知信号を制御部へ送る。
【0012】
この製函装置では、制御部は、検知部から送られてくる検知信号によって、テープロールの回転動作、すなわちテープ繰り出し動作の有無を判断することができる上に、検知信号の連続性から正常なテープカットの有無も判断することができ、さらには回転周期からテープの消費量をも推定することができる。
【0013】
本発明の第4観点に係る製函装置は、第3観点に係る製函装置であって、検知部が、スリットを検知したときにオン又はオフの信号を発するセンサである。
【0014】
本発明の第5観点に係る製函装置は、第1観点に係る製函装置であって、検知部が、テープロールから繰り出されるテープを監視する光センサである。
【0015】
本発明の第6観点に係る製函装置は、第1観点に係る製函装置であって、検知部が、テープロールから繰り出されるテープを監視するカメラである。
【0016】
本発明の第7観点に係る製函装置は、第1観点から第6観点のいずれか1つに係る製函装置であって、制御部が、テープの貼付異常があったと判断したとき、再始動させやすい時期に停止させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る製函装置では、制御部は、ダンボール箱がテープ貼付区間を搬送されているにもかかわらず、テープの繰り出し状態が検出されないときは、テープの貼付異常と判断することができるので、目視検査を介さない自動検査が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る製函装置を搭載した箱詰システムのブロック図。
図2】箱詰システムにおけるダンボール箱及び物品の流れを示す斜視図。
図3】ダンボール箱の概略斜視図。
図4】テープ貼付部を図1のYの方向から視たとき側面図。
図5】テープ貼付部の概略斜視図。
図6A】ダンボール箱に対するテープの貼付を開始する前のテープ貼付部の正面図。
図6B】搬送されるダンボール箱のメジャー天フラップにテープを押し付けて貼付しているテープ貼付部の正面図。
図6C】ダンボール箱に対するテープの貼付完了直後のテープ貼付部の正面図。
図7】コントローラによるテープ貼付異常検出制御のフローチャート。
図8】アクチュエータを有するテープ貼付部であって、ダンボール箱に対するテープの貼付を開始する前の当該テープ貼付部の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0020】
(1)箱詰システム1の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る製函装置を搭載した箱詰システム1のブロック図である。また、図2は、箱詰システム1におけるダンボール箱B及び物品の流れを示す斜視図である。図1において、箱詰システム1は、例えば、スナック菓子等の袋入商品(袋G)をダンボール箱Bに、一定個数、整列状態で多段詰めするものである。
【0021】
図1に示すように、箱詰システム1は、製函工程P1、物品整列工程P2、箱詰工程P3という3つの工程が連携している。
【0022】
製函工程P1は、シート状のダンボール箱材Zをダンボール箱Bへ組み立てて箱詰位置まで搬送する工程であり、箱材搬入部11、箱組立部12、及び箱下方搬送部13で構成されている。
【0023】
物品整列工程P2は、上流側工程か供給される袋Gを所定位置に搬入し、一定数の袋Gを隣接するもの同士がお互いに一部重なるように整列させて、箱詰位置まで搬送する工程であり、物品搬入部21、及び物品整列部22で構成されている。
【0024】
箱詰工程P3は、製函工程P1から搬送されてきたダンボール箱Bに物品整列工程P2において整列が完了した一定数量の袋Gを箱詰し、箱を閉じて箱排出位置まで搬送する工程であり、箱詰部31、箱搬送部32及びテープ貼付部33で構成されている。
【0025】
箱詰システム1は、ダンボール箱Bに袋Gの多段詰めを行っており、箱B内における袋Gの姿勢は「立ち姿勢」である。つまり、箱Bの開口を上に向けたとき、袋Gのオモテ面及びウラ面が側方を向き、袋Gの上下の端部が上下を向き、左右の側部が側方を向く姿勢である。
【0026】
(1-1)製函工程P1
図1及び図2に示すように、製函工程P1は、ダンボール箱材Zを箱詰システム1に導入する箱材搬入部11と、ダンボール箱Bを組み立てる箱組立部12と、ダンボール箱Bの開口とメジャー天フラップZfaとが同一鉛直面上になるように姿勢を変換させて下方へ搬送する箱下方搬送部13とで構成されている。
【0027】
(1-1-1)箱材搬入部11
箱材搬入部11では、図2に示すように、供給位置に積み重ねられたダンボール箱材Zのうちの一番先頭のダンボール箱材Zを1枚ずつ挟んで上方へ送出し、送出されたダンボール箱材Zを鉛直軸周りに90°回転させて筒状に広げる。
【0028】
ダンボール箱材Zは、作業者によって供給位置に載置される。ダンボール箱材Zは、フラップZf,Zeが開いた状態で折り畳まれ、そのフラップZf,Zeが鉛直方向に位置する姿勢で水平方向に積み重ねられている。なお、説明の便宜上、天面側のフラップZf,Zeをメジャー天フラップZfa、マイナー天フラップZea、底面側のフラップZf,Zeをメジャー底フラップZfb、マイナー底フラップZebという。
【0029】
ダンボール箱材Zの上方への送出は、昇降機構111によって行われ、供給位置の全てのダンボール箱材Zがなくなると、センサ(図示せず)の検知信号をコントローラ40(図1参照)へ送信する。
【0030】
また、ダンボール箱材Zの鉛直軸周りの回転は、吸着回転機構112によってダンボール箱材Zの側面を吸盤で吸着して保持し、モータ(図示せず)によって吸着回転機構112を鉛直軸回りに90°回転することによって実現される。
【0031】
(1-1-2)箱組立部12
箱組立部12は、筒状に広がったダンボール箱材Zを水平方向に搬送させながらダンボール箱材Zの底フラップZfbを折り込んでテープ張りを行い、天フラップZfaが開いた状態のダンボール箱Bを組み立てる。
【0032】
(1-1-3)箱下方搬送部13
箱下方搬送部13は、ダンボール箱Bを搬送方向と直交する水平軸周りに90°回転させ、ダンボール箱Bの開口とメジャー天フラップZfaとマイナー天フラップZeaとが同一鉛直面上になるように姿勢を変換させてから下方へ搬送する。つまり、箱組立部12で形成されたダンボール箱Bの立方体の形状を保持したまま下方に移動させる。
【0033】
(1-2)物品整列工程
箱詰システム1の袋Gの流れにおける上流側工程には、図示しない計量装置、及び製袋包装機等が配置されている。そして、箱詰システム1には、上流側工程で重量、シール性、異物混入検査等に合格した袋Gだけが供給される。
【0034】
物品整列工程P2は、袋Gを受け取り所定位置まで搬送する物品搬入部21と、物品搬入部21から供給される袋Gを整列させる物品整列部22とで構成されている。
【0035】
(1-2-1)物品搬入部21
物品搬入部21は、物品導入コンベア211、及び搬入コンベア212を有している。物品導入コンベア211は、重量、シール性、異物混入検査等を行う工程の下流側で、検査に合格した袋Gの供給を受けて、それを搬入コンベア212へ導く。
【0036】
搬入コンベア212は、物品導入コンベア211から搬送されてくる袋Gを物品整列部22へ搬送する。なお、搬入コンベア212については、後半で詳細を説明する。
【0037】
(1-2-2)物品整列部22
物品整列部22は、第1整列コンベア221、第2整列コンベア222、及び第3整列コンベア223を有している。第1整列コンベア221は、搬入コンベア212から落下する袋Gを受けるために、その一端は搬入コンベア212の先端部の高さより低い位置に設定され、他端は第2整列コンベア222の高さ位置に設定されている。
【0038】
なお、搬入コンベア212の先端部は、第1整列コンベア221の物品載置面の直上空間に位置することが好ましい。ここで、物品載置面とは、第1整列コンベア221の搬送面のうち、落下してくる袋Gを待ち受ける面である。
【0039】
また、第1整列コンベア221及び第2整列コンベア222上の袋Gは、互いに隣接するもの同士が部分的に重なり合うように列を成している。
【0040】
列の最後尾の袋Gが第1整列コンベア221に着地した後、第2整列コンベア222と第3整列コンベア223とが動作を開始し、第1整列コンベア221、第2整列コンベア222、及び第3整列コンベア223が同一方向に搬送動作を行う。それゆえ、第1整列コンベア221及び第2整列コンベア222上で一列に整列したN個の袋Gが、一斉に第3整列コンベア223に移動し、その第3整列コンベア223上を進行する。
【0041】
(1-3)箱詰工程P3
箱詰工程P3は、袋Gをダンボール箱Bに詰める箱詰部31と、袋Gの箱詰が完了したダンボール箱Bを搬送する箱搬送部32と、ダンボール箱Bの天フラップZfaを折り込んで開口面を閉じ、テープ貼りを完了するテープ貼付部33とを有している。
【0042】
(1-3-1)箱詰部31
箱詰部31は、第3整列コンベア223で一列に整列した一群の袋Gの先頭と最後尾とを挟んで一群の袋Gを丸ごとダンボール箱B内に挿入する。図2に示すように、箱詰部31は、整列した一群の袋Gを挟むために、阻止板311と、押寄板313と、挿入板315とを有している。
【0043】
阻止板311は、第3整列コンベア223の下流端上に設けられ、列を成して搬送されて来る袋Gの進行を阻止する。阻止板311は、平面部が常に袋Gの搬送方向と直交するように配置されている。
【0044】
押寄板313は、一列に整列したN個の袋Gの最後尾を押して、阻止板311とで挟んで起立させる。押寄板313は、第3整列コンベア223の上流端上に設けられているが、袋Gの列が第2整列コンベア222から第3整列コンベア223へ移動している間は、平面部が袋Gの搬送方向と平行になるように第3整列コンベア223の脇に収容されている。また、押寄板313は、列の最後尾の袋Gが第2整列コンベアから第3整列コンベア223へ完全に移った際に、平面部が袋Gの搬送方向と直交するように回動する。さらに、押寄板313は、列の最後尾の袋Gを押して列全体を阻止板311側へ寄せる。
【0045】
このとき、阻止板311は固定されているので、列の先頭の袋Gは阻止板311の平面部に沿って起立し、次の袋Gは起立した先頭の袋に沿って起立する。後続の袋Gも同様の動作で連鎖して起立するので、N個の袋Gは起立状態で整列する。
【0046】
また、箱詰部31は、挿入板315を介して、起立状態のN個の袋Gを一括してダンボール箱B内に押し込む。挿入板315は、第3整列コンベア223を挟んでダンボール箱Bの位置と反対側に位置している。第2整列コンベア222側から視たととき、第3整列コンベア223の右側にダンボール箱Bの開口面が位置し、第3整列コンベア223の左側に位置する。
【0047】
挿入板315は、平面部をダンボール箱Bの開口に対向させて待機しており、N個の袋Gは起立状態になった後、それらをダンボール箱Bに開口面に向かって押し、N個の袋Gをダンボール箱Bに開口から底に向かって一挙に挿入する。挿入板315は、阻止板311と押寄板313との間を横切ってダンボール箱Bに開口面まで進行する。
【0048】
(1-3-2)箱搬送部32
箱搬送部32は、袋Gの詰められたダンボール箱Bの姿勢を変換する姿勢変換機構321と、ダンボール箱Bを搬送する排出コンベア322とを有している。
【0049】
姿勢変換機構321は、それまで鉛直にしていた開口面を水平にして、すなわち、開口面が上を向くようにダンボール箱Bを回転させる。姿勢変換機構321は、ダンボール箱Bの側面及び底面を同時に吸着する吸着盤付きのL字状部材で保持し、L字状部材が90°回転することで、ダンボール箱Bが回転する。
【0050】
姿勢変換機構321は、ダンボール箱Bを90°回転させた際に、開口面を上に向けた状態で排出コンベア322に載せる。排出コンベア322は、ダンボール箱Bを所定位置まで搬送するが、所定位置に到達する前に、メジャー天フラップZfa及びマイナー天フラップZeaを折り込んで開口面を閉じ、テープ貼りを完了する。
【0051】
(1-3-3)テープ貼付部33
テープ貼付部33の説明に先立って、ダンボール箱B各部の名称が説明の便宜上必要となるので、図面を用いて、ダンボール箱B各部の名称に符号付して説明する。
【0052】
図3は、ダンボール箱Bの概略斜視図である。図3において、ダンボール箱Bは、4つの側面(第1側面SF1、第2側面SF2、第3側面SF3および第4側面SF4)から構成された角筒を有する。角筒の両端からは、上蓋および底蓋となる各フラップが延びる。
【0053】
具体的には、側面部を構成する各側面SF1,SF2,SF3,SF4の両端に、それぞれ1つずつフラップが設けられている。ダンボール箱Bが、排出コンベア322に受け渡される時点では、底蓋側の各フラップは折り込まれて閉じられ、テープTにより底蓋が封緘されている。
【0054】
一方、上蓋側のマイナー天フラップZea1,Zea2およびメジャー天フラップZfa1,Zfa2は、排出コンベア322に受け渡される時点では外側に開かれた状態である(図1参照)。
【0055】
マイナー天フラップZea1,Zea2は、側面部の矩形状の開口の短辺側に設けられたフラップである。メジャー天フラップZfa1,Zfa2は、側面部の矩形状の開口の長辺側に設けられたフラップである。
【0056】
マイナー天フラップZea1は、第1側面SF1に連なって延びている。マイナー天フラップZea2は、第1側面SF1と対向する第2側面SF2に連なって延びている。メジャー天フラップZfa1は、第3側面SF3に連なって延びている。メジャー天フラップZfa2は、第3側面SF3と対向する第4側面SF4に連なって延びている。
【0057】
図4は、テープ貼付部33を図1のYの方向から視たとき側面図である。図4において、予め、図示しない部材により、マイナー天フラップZea1,Zea2(図3参照)を、ダンボール箱Bの開口を覆うように折り込んだ後、折り込み棒331を駆動してメジャー天フラップZfa1,Zfa2を押し、メジャー天フラップZfa1,Zfa2を閉じている。折り込み棒331は、排出コンベア322の搬送方向Dと所定角度を保って延びる棒である。
【0058】
テープ貼付部33は、排出コンベア322により搬送されるダンボール箱Bの、排出コンベア322の搬送方向Dにおける下流側の第1側面SF1の上部と、折り込まれたメジャー天フラップZfa1,Zfa2の境界部分と、第1側面SF1と対向する第2側面SF2(排出コンベア322の搬送方向Dにおける上流側の第2側面SF2)の上部と、に連続的にテープTを貼付して、ダンボール箱Bの上蓋を封緘する。
【0059】
(2)テープ貼付部33の詳細構成
図5は、テープ貼付部33の概略斜視図である。図6Aは、ダンボール箱Bに対するテープTの貼付を開始する前のテープ貼付部33の正面図である。また、図6Bは、搬送されるダンボール箱Bのメジャー天フラップZfa1,Zfa2にテープTを押し付けて貼付しているテープ貼付部33の正面図である。さらに、図6Cは、ダンボール箱Bに対するテープTの貼付完了直後のテープ貼付部33の正面図である。
【0060】
図5図6A図6B及び図6Cにおいて、テープ貼付部33は、第1アーム34、第2アーム35、リンク部材36、弾性部材37、および、テープTを巻回したテープロール39を主に有する。
【0061】
また、図5に示すように、テープロール39の側面には、テープロール39の回転と同期して回転する円板39aが取り付けられている。円板39aには、径方向及び周方向それぞれに所定長さを有する複数のスリット391が設けられている。スリット391は、円板39aを貫通している。
【0062】
図4及び図5では、円板30aには複数のスリット391が形成されているが、一つのスリット391が形成されるだけでもよい。
【0063】
円板30aと対抗する位置には、スリット391の通過を検知する検知センサ50が配置されている。
【0064】
(2-1)第1アーム34
第1アーム34は、前後方向に延びる揺動軸34a周りに揺動可能である。第1アーム34の先端には貼付ローラ34bが設けられている。貼付ローラ34bは、揺動軸34a周りに揺動する。
【0065】
また、貼付ローラ34bは、第1側面SF1およびメジャー天フラップZfa1,Zfa2に対しテープTを押し付ける。テープロール39のテープTは、貼付ローラ34bまでガイドされている。
【0066】
ダンボール箱Bに対するテープTの貼付開始時、テープロール39から貼付ローラ34bまでガイドされたテープTの粘着面は、排出コンベア322の搬送方向Dの上流側(図6A正面視右方)に向けられている。
【0067】
また、ダンボール箱Bに対するテープTの貼付開始時、貼付ローラ34bまでガイドされたテープTの非粘着面(粘着面とは反対側の面)は、貼付ローラ34bにより搬送方向Dの下流側(図6A正面視左方)から支持されている。
【0068】
(2-2)第2アーム35
第2アーム35は、前後方向に延びる揺動軸35a周りに揺動可能である。第2アーム35は、ダンボール箱Bに対するテープTの貼付開始前の状態(図6Aの状態)において、揺動軸35aに対して下方側に延びる第1部分351と、揺動軸35aに対して上方側に延びる第2部分352とを有する。第2部分352は、揺動軸35aに対し、第1部分351と概ね反対側に延びる。
【0069】
第1部分351の端部には、押付ローラ35bが設けられている。押付ローラ35bは、メジャー天フラップZfa1,Zfa2および第2側面SF2に対しテープTを押し付ける。
【0070】
(2-3)リンク部材36
リンク部材36は、第1アーム34と第2アーム35とを連結する部材である。第1アーム34の揺動軸34aの近傍と、第2アーム35の第1部分351の揺動軸35aの近傍とが、棒状のリンク部材36により連結されている。
【0071】
リンク部材36が第1アーム34と第2アーム35とを連結することによって、第1アーム34および第2アーム35が連動し、互いに逆向きに揺動する。
【0072】
図6Aの状態の第1アーム34に、排出コンベア322に搬送されるダンボール箱Bが搬送方向Dの上流側(図6A正面視右側)から接触すると、第1アーム34は、正面側から見て揺動軸34a周りを時計方向に揺動し、貼付ローラ34bが上方側へと動かされる(図6B参照)。
【0073】
この時、リンク部材36によって第1アーム34と連結されているので、第2アーム35には第2部分352を左方に押す力が作用する。その結果、第2アーム35は、正面側から見て揺動軸35a周りを反時計方向に揺動し、押付ローラ35bが上方側へと動かされる(図6B参照)。
【0074】
また、ダンボール箱Bが排出コンベア322により搬送されることで、図6Bのようにダンボール箱Bのメジャー天フラップZfa1,Zfa2を下方に押している押付ローラ35bが、メジャー天フラップZfa1,Zfa2と接触しなくなると、第2アーム35は正面側から見て揺動軸35a周りを時計方向に揺動し、押付ローラ35bが下方側へと動かされる(図6C参照)。
【0075】
この時、リンク部材36により第2アーム35と連結されている第1アーム34には、右方へと押す力が作用する。その結果、第1アーム34は、正面側から見て揺動軸34a周りを反時計方向に揺動し、貼付ローラ34bが下方側へと動かされる(図6C参照)。
【0076】
弾性部材37は、一端がテープ貼付部33のフレーム部分(不動の部分)に固定され、他端が第2アーム35の第2部分352に連結されている。弾性部材37は、例えばバネであるが、これに限定されるものではない。
【0077】
弾性部材37は、弾性力により、第2アーム35の第2部分352に、右方に引っ張る力を作用させる。第2アーム35の第2部分352に右方に引っ張る力が作用することによって、第2アーム35は正面側から見て揺動軸35a周りを時計方向に揺動する。
【0078】
第2アーム35が、弾性部材37の弾性力により、正面側から見て揺動軸35a周りを時計方向に揺動するよう付勢されることによって、押付ローラ35bには、搬送されるダンボール箱Bのメジャー天フラップZfa1,Zfa2および第2側面SF2にテープTを押し付ける押付力が生じる。
【0079】
また、上記のように、第1アーム34と第2アーム35とは、リンク部材36により連結されていることから、第1アーム34は、弾性部材37の弾性力により、正面側から見て揺動軸34a周りを反時計方向に揺動する。
【0080】
第1アーム34が、弾性部材37の弾性力により、正面側から見て揺動軸34a周りを反時計方向に揺動することによって、貼付ローラ34bには、搬送されるダンボール箱Bの第1側面SF1およびメジャー天フラップZfa1,Zfa2にテープTを押し付ける押付力が生じる。
【0081】
(2-4)検知センサ50
図4及び図5において、検知センサ50は、スリット391を検知している期間に出力する信号と、検知していない期間に出力する信号とが異なるものであればよい。
【0082】
本実施形態における検知センサ50は、円板39aと対向する一平面上に発光素子と受光素子とを配置させ、光の反射・非反射により信号を発生させる、いわゆる反射型エンコーダである。
【0083】
検知センサ50は、コントローラ40に接続されている。コントローラ40は、検知センサ50からの信号変化が繰り返されている間は、テープロール39が回転し、テープ繰り出し動作を行っていると判断する。
【0084】
なお、検知センサ50は、スリット391を検知したときにオン又はオフの信号を発するセンサであればよいので、円板39aにレーザー光を照射して、スリット391が通過したときの距離変動により生じるセンサ出力の変化に基づき、スリット391の通過を検知してもよい。もちろん、近接スイッチ、フォトセンサを利用してもよい。
【0085】
また、テープロール39から繰り出されるテープTを監視するカメラを検知センサとして代用してもよい。
【0086】
(3)テープ貼付異常の判断
コントローラ40は、排出コンベア322上を搬送されていくダンボール箱Bが検知ポジションPd(図4参照)に到達しているにもかかわらず、検知センサ50からテープロール39が回転していることを示す「信号変化の繰り返し」がない場合に、テープTがなくなった、或いはテープTがダンボール箱Bに張り付かなかったものと推定し、テープ貼付異常と判断する。
【0087】
また、コントローラ40は、排出コンベア322上を搬送されていくダンボール箱Bが検知ポジションPdを通過しているにもかかわらず、検知センサ50からテープロール39が回転していることを示す「信号変化の繰り返し」が継続している場合、ダンボール箱BからテープTが正常に切断されなかったものと推定し、テープ貼付異常と判断する。
【0088】
図7は、コントローラ40によるテープ貼付異常検出制御のフローチャートである。以下、図7を参照しながらその動作を説明する。
【0089】
(ステップS1)
図7のステップS1において、コントローラ40は、ダンボール箱Bが検知ポジションPdに到達したか否かを判定する。排出コンベア322の検知ポジションPdの側方には、図示していないが、ダンボール箱Bの通過を検知する通過センサ335が取り付けられている。
【0090】
通過センサ335は、例えば、排出コンベア322を挟んで対向配置される投光器335aと受光器335bとで構成される。この投光器335aと受光器335bとの間をダンボール箱Bが通過すると投射光が遮断され、光量減少により受光器の電気的特性の変化が検出信号となる。
【0091】
コントローラ40は、ダンボール箱Bが検知ポジションPdに到達したと判定したときは、ステップS2へ進む。
【0092】
(ステップS2)
次に、コントローラ40は、ステップS2において、テープロール39が回転しているか否かを判定する。テープロール39の側面には円板39aが同軸で取り付けられており、その円板39aの半径方向に沿ってスリット391が形成されている。
【0093】
円板39aの前方には検知センサ50が配置され、検知センサ50は円板39aとの距離を信号で出力する。円板39aのうちスリット391の区間だけが検知センサ50から遠くなるので、他の区間と異なる信号を出力する。
【0094】
つまり、検知センサ50から異なる信号が交互に出力されているときは、円板39aが回転していること、すなわち、テープロール39が繰り出し動作をしていることを意味する。
【0095】
コントローラ40は、「テープロール39が回転している」と判定したとき、ステップS3へ進む。
【0096】
一方、コントローラ40は、「テープロール39が回転していない」と判定したときは、ステップS6へ進み、箱詰システム1の運転を停止する。なぜなら、ダンボール箱Bが検知ポジションPdに到達しても、テープロール39が回転していないことから、テープTが使い切られたと推定されるからでる。
【0097】
(ステップS3)
次に、コントローラ40は、ステップS3において、ダンボール箱Bが検知ポジションPdを通過したか否かを判定する。ダンボール箱Bが検知ポジションPdを通過することによって、通過センサ335の出力信号が「ダンボール箱Bが検知ポジションPdに到達する前」の信号値へ安定するので、それに基いて判定することができる。
【0098】
コントローラ40は、「ダンボール箱Bが検知ポジションPdを通過した」と判定したときはステップS4へ進み、「ダンボール箱Bが検知ポジションPdを通過していない」と判定したときはステップS2へ戻る。
【0099】
(ステップS4)
次に、コントローラ40は、ステップS4において、テープロール39が停止しているか否かを判定する。ダンボール箱Bが検知ポジションPdを経過したときは、テープTは切断されてダンボール箱Bから離れるので、テープロール39の回転が停止する。
【0100】
つまり、円板39aが停止するので、「検知センサ50から異なる信号が交互に出力されなくなった」ことに基いて判定することができる。
【0101】
コントローラ40は、テープロール39が停止していると判定したときは、ステップS5へ進む。
【0102】
一方、コントローラ40は、「テープロール39が停止していない」と判定したときは、ステップS6へ進み、箱詰システム1の運転を停止する。なぜなら、ダンボール箱Bが検知ポジションPdを通過しても、テープロール39が回転していることから、テープTが適切に剪断されなかったため、ダンボール箱Bに付いたまま引っ張られていると推定されるからでる。
【0103】
(ステップS5)
コントローラ40は、ステップS5において、運転停止信号の有無を判定する。コントローラ40は、「運転停止信号有り」と判定したときはテープ貼付異常検出制御を終了し、「運転停止信号無し」と判定したときはステップS1へ戻る。
【0104】
(ステップS6)
コントローラ40は、ステップS6において、箱詰システム1の運転を停止する。ここでは、生産計画に基づく正規の停止指令の他、上記ステップS2でテープロール39がテープ繰り出し動作を行う時期であるにもかかわらず、テープロール39が回転していないと判定されたとき、又、上記ステップS4でテープロール39がテープ繰り出し動作を停止している時期であるにもかかわらず、テープロール39が回転していると判定されたときに、テープ貼付異常と判断し、箱詰システム1を停止する。
【0105】
なお、箱詰システム1の運転停止に際し、異常判定後直ちに運転停止する必要はなく、例えば、排出コンベア322上のダンボール箱Bが排出された後など、再始動させやすい時期に停止させてもよい。
【0106】
上記の通り、コントローラ40は、検知センサ50を介してテープTの貼付異常の有無を判断することができるので、目視検査を介さない自動検査が可能となる。
【0107】
(4)特徴
(4-1)
箱詰システム1に構成されている製函装置では、コントローラ40は、ダンボール箱Bが検知ポジションPdを通過するタイミングと、テープロール39がテープTの繰り出し動作を開始し、又は停止するタイミングとに基いてテープTの貼付異常を判断する。
【0108】
例えば、コントローラ40は、ダンボール箱Bが検知ポジションPdまで搬送されているにもかかわらず、テープロール39によるテープTの繰り出し状態が検出されないときは、テープの貼付異常と判断することができるので、目視検査を介さない自動検査が可能となる。
【0109】
(4-2)
コントローラ40は、ダンボール箱Bが検知ポジションPdを通過するタイミングと、テープロール39がテープTの繰り出し動作を開始し、又は停止するタイミングとのズレが、所定量以上のときもテープTの貼付異常と判断する。
【0110】
(4-3)
コントローラ40は、検知センサ50を介して、テープロール39と同期回転する円板39aに設けられたスリット391の通過を監視するので、コントローラ40は、テープロール39の回転動作、すなわちテープ繰り出し動作の有無を判断することができる上に、検知信号の連続性から正常なテープカットの有無も判断することができ、さらには回転周期からテープTの消費量をも推定することができる。
【0111】
(4-4)
箱詰システム1に構成されている製函装置では、コントローラ40が、テープTの貼付異常があったと判断したときであっても、再始動させやすい時期に停止させてもよい。
【0112】
(5)変形例
(5-1)第1変形例
上記実施形態では、排出コンベア322上を搬送されるダンボール箱Bが検知ポジションPdに到達したこと、及びダンボール箱Bが検知ポジションPdを通過したことを、通過センサ335で行っているが、これに限定されるものではない。
【0113】
例えば、通過センサ335と同種のものをさらに設けて、ダンボール箱Bが一方の通過センサに検知されてから他方の通過センサに検知されるまでの間、円板39aが回転していることを検知センサ50が検知している場合、テープロール39の正常なテープ繰り出し動作が行われて、テープTが適切に貼付けられていると判断される。
【0114】
逆に、ダンボール箱Bが一方の通過センサに検知されてから他方の通過センサに検知されるまでの間、円板39aの回転を検知センサ50が検知することができない場合は、テープロール39による正常なテープ繰り出し動作が行われておらず、テープ貼付を失敗したか、或いはテープTがなくなったと判断される。
【0115】
また、円板39aが回転していることを検知センサ50が検知している場合でも、他方の通過センサがダンボール箱Bの通過を検知して所定時間が経過してもなお、検知センサ50が円板39aの回転を検知している場合は、テープTの切断が正常に行われず、テープTが引っ張られていると判断される。
【0116】
(5-2)第2変形例
また、通過センサを用いない方法もある。具体的には、ダンボール箱Bが排出コンベア322に載置されてから、[ダンボール箱Bへのテープ貼付が開始されるポジションに到達するまでの排出コンベア322の送り量]、及び[ダンボール箱Bへのテープ貼付が完了するポジションに到達するまでの排出コンベア322の送り量]は予め分かっている。
【0117】
それゆえ、テープ貼付工程の通過時間は、ダンボール箱Bのサイズ、及び搬送速度から算出することができる。
【0118】
したがって、この通過時間より一定時間早く検知センサ50からのオン・オフ信号が止まった場合は、テープTが使い切られたことが認識される。
【0119】
また、逆に、その通過時間を超えても未だ検知センサ50からのオン・オフ信号が継続している場合は、テープTが切れずにダンボール箱Bの搬送に引っ張られてテープTが引き出されていることが認識される。
【0120】
(6)他の実施形態
上記実施形態では、第2アーム35と第1アーム34とは互いに連動して動作しているが、所定の動作について、第2アーム35が別のアクチュエータによって駆動されてもよい。
【0121】
図8は、アクチュエータ38を有するテープ貼付部33であって、ダンボール箱Bに対するテープTの貼付を開始する前の当該テープ貼付部33の正面図である。図8において、アクチュエータ38以外の構成は、上記実施形態(図6A)と同じであるので、アクチュエータ38以外の部品・部材の詳細な説明は省略する。
【0122】
図8に示す通り、第2アーム35の第1部分351は、アクチュエータ38と連結されている。アクチュエータ38は、例えばエアシリンダであるが、これに限定されるものではない。
【0123】
アクチュエータ38は、コントローラ40により動作が制御される。アクチュエータ38は、第2アーム35の第2部分352を左方に押す。
【0124】
その結果、第2アーム35の第2部分352には、弾性部材37が第2部分352に作用させる弾性力とは逆向きの力が作用する。そのため、アクチュエータ38が動作させられると、正面側から見て揺動軸35a周りを時計方向に揺動するよう第2アーム35を付勢する力が弱められる。
【0125】
つまり、アクチュエータ38が動作させられると、押付ローラ35bが、搬送されるダンボール箱Bのメジャー天フラップZfa1,Zfa2および第2側面SF2にテープTを押し付ける押付力が弱められる(小さくなる)。
【0126】
また、第1アーム34と第2アーム35とがリンク部材36により連結されているので、弾性部材37により弾性力が付与されることによって貼付ローラ34bに生じていた、搬送されるダンボール箱Bの第1側面SF1およびメジャー天フラップZfa1,Zfa2にテープTを押し付ける押付力が、アクチュエータ38が動作することで弱くなる(小さくなる)。
【0127】
つまり、アクチュエータ38は、貼付ローラ34bの押付力が小さくなるように、第2アーム35、リンク部材36、および第1アーム34を介して、貼付ローラ34bに作用する。その結果、押付力によりダンボール箱Bの変形等を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明に係る製函装置は、ダンボール箱へのテープ貼付異常を目視検査以外の方法で検知することができるので、箱詰システム全般に有用である。
【符号の説明】
【0129】
33 テープ貼付部
39 テープロール
39a 円板
40 コントローラ(制御部)
50 検知センサ(検知部)
322 排出コンベア(搬送部)
391 スリット
B ダンボール箱
T テープ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0130】
【文献】特開平9-207243号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8