(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】布団敷板装置
(51)【国際特許分類】
A47C 21/06 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
A47C21/06 Z
(21)【出願番号】P 2017164191
(22)【出願日】2017-08-29
【審査請求日】2020-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】500281648
【氏名又は名称】株式会社めいじ屋
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【氏名又は名称】大竹 雅久
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和雄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 英次
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3162423(JP,U)
【文献】登録実用新案第3182080(JP,U)
【文献】特開平10-052335(JP,A)
【文献】特開2005-349015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 19/00-21/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷き布団類の下に敷かれて前記敷き布団類を支える布団敷板装置であって、
各々すのこ状に形成された第1の敷板及び第2の敷板と、
前記第1の敷板と前記第2の敷板を折り曲げ可能に連結する連結部材と、
前記第1の敷板に回動自在に取り付けられて、前記連結部材が折り曲げられて前記布団敷板装置が逆V字状に立てられた状態において前記第2の敷板に係合して前記第1の敷板及び前記第2の敷板を支える支持体と、を備え、
前記第1の敷板及び前記第2の敷板は、前記布団敷板装置の長手方向に延在する複数の縦材と、前記縦材の上に取り付けられて前記布団敷板装置の短手方向に延在する複数の横板と、を有し、
前記布団敷板装置の縁部に配設された前記縦材の上面には、外側に向かって下降傾斜する傾斜部が形成されて
おり、
前記支持体は、前記縦材に対してそれぞれ回動自在に軸支されて前記縦材に沿って配置される一対の縦材と、該縦材の上に取り付けられて前記布団敷板装置が平らになった状態において前記第1の敷板の前記横板と共に前記第1の敷板の上面を構成する横板と、前記支持体を構成する前記縦材の先端部に取り付けられて前記布団敷板装置が逆V字状に立てられた状態において前記第2の敷板に係合する係止部材と、を有し、
前記係止部材は、前記第1の敷板の前記横板よりも前記長手方向の幅が狭く、前記布団敷板装置が平らになった状態において前記第1の敷板の上面と面一になって前記第1の敷板の上面の一部を構成することを特徴とする布団敷板装置。
【請求項2】
敷き布団類の下に敷かれて前記敷き布団類を支える布団敷板装置であって、
各々すのこ状に形成された第1の敷板及び第2の敷板と、
前記第1の敷板と前記第2の敷板を折り曲げ可能に連結する連結部材と、
前記第1の敷板に回動自在に取り付けられて、前記連結部材が折り曲げられて前記布団敷板装置が逆V字状に立てられた状態において前記第2の敷板に係合して前記第1の敷板及び前記第2の敷板を支える支持体と、を備え、
前記第1の敷板及び前記第2の敷板は、前記布団敷板装置の長手方向に延在する複数の縦材と、前記縦材の上に取り付けられて前記布団敷板装置の短手方向に延在する複数の横板と、を有し、
前記布団敷板装置の縁部に配設された前記縦材の上面には、外側に向かって下降傾斜する傾斜部が形成されて
おり、
前記支持体は、前記縦材に対してそれぞれ回動自在に軸支されて前記縦材に沿って配置される一対の縦材と、該縦材の上に取り付けられて前記布団敷板装置が平らになった状態において前記第1の敷板の前記横板と共に前記第1の敷板の上面を構成する横板と、前記支持体を構成する前記縦材の先端部に取り付けられて前記布団敷板装置が逆V字状に立てられた状態において前記第2の敷板に係合する係止部材と、を有し、
前記係止部材は、前記第1の敷板の前記横板よりも幅が狭く、前記布団敷板装置が平らになった状態において前記第1の敷板の上面と面一になって前記第1の敷板の上面の一部を構成し、
前記支持体を構成する前記縦材には、前記布団敷板装置が逆V字状に立てられた状態において前記第2の敷板が載置される凹部が形成されていることを特徴とする布団敷板装置。
【請求項3】
前記横板の端面は、前記傾斜部よりも前記布団敷板装置の中心側に位置することを特徴とする請求項1
または請求項2に記載の布団敷板装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敷き布団類の下に敷いて利用される布団敷板装置に関し、特に、すのこ状の敷板を起立させて布団類干し等として利用することができる布団敷板装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の布団敷板装置として、例えば、特許文献1に開示された「ふとん干し機能付きふとん敷き板装置」が知られている。
図10は、特許文献1に開示された布団敷板装置
110の起立した状態を示す斜視図であり、
図11は、D矢視図である。
図10及び
図11に示すように、同文献に開示された布団敷板装置110は、桟115と桁113によってすのこ状に形成された2つの構成部材111、112を有し、2つの構成部材111、112は、それぞれの一辺にてヒンジ部117により開閉可能に結合されている。
【0003】
そして、一方の構成部材111には、布団敷板装置110を布団干しとして使用するため逆V字状に立てたときに、2つの構成部材111、112を支えるものとなる支持体120が設けられている。支持体120は、布団敷板装置110が布団類の下に敷かれる敷板として利用されるときには、構成部材111の一部となって敷板が支えるべき荷重を負担するものとなる。
【0004】
詳しくは、支持体120は、構成部材111とは別に設けられた桟122と桁121を有し、一方の構成部材111の外方の端部にヒンジ結合されて回転可能となっている。
図10に示すように、一方の構成部材111では、支持体120が畳まれた状態において支持体120の桟122と重なる箇所に桟115が設けられておらず、当該箇所は、支持体120の桟122が収められる空所116となっている。
【0005】
図11に示すように、2つの構成部材111、112がヒンジ部117で折り曲げられて逆V字状に立てられる際、他方の構成部材112の外方の端部は、一方の構成部材111から展開された支持体120の桟122と桟122の間に置かれる。これにより2つの構成部材111、112が所定の開き度で逆V字状に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図12は、特許文献1に開示された布団敷板装置110の側部近傍の横断面図である。
図12に示すように、従来技術の布団敷板装置では、構成部材111、112の側部において桟115を支える桁113は、横断面略矩形状に形成されており、桁113の側面と桟115の端面は、略面一に形成されていた。そのため、布団敷板装置が展開されて床等の上に敷かれた状態において、利用者が誤って布団敷板装置の縁部に足の指先等をぶつけると、大怪我をする恐れはないものの、痛い思いをすることがあった。
【0008】
また、桁113の側面と桟115の端面が略面一に形成されていることにより、布団類の縁部が桟115からはみ出すと、床等に接触し易く、汚れたり破れたりする恐れがあった。布団類のはみ出しをなくすためには、桟115を十分長くする必要があるが、桟115は自然材を利用しているので、僅かに長くするだけであっても材料取りが難しくなり、生産コストが増大するという問題点がある。
【0009】
また、前述のとおり、特許文献1に開示された布団敷板装置110では、2つの構成部材111、112が逆V字状に立てられる際、他方の構成部材112の外方の端部は、支持体120の桟122と桟122の間に置かれる。そのため、
図11に示すX部のように、支持体120の先端近傍は、起立した構成部材112よりも、桟122の幅に相当する分だけ外方に突出することになる。逆V字状に立てられた構成部材111、112から突出する支持体120の先端部分は、構成部材111、112を配置する際に邪魔になり、利用者がつまずく等の恐れもあった。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、利用者が足先等をぶつけた際の痛みを軽減することができ、且つ布団類の縁部の汚れや損傷等を抑制することができる布団敷板装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、逆V字状に立てて布団類干しとして利用する際に、支持体の突出が小さく支持体が邪魔にならない布団敷板装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の布団敷板装置は、敷き布団類の下に敷かれて前記敷き布団類を支える布団敷板装置であって、各々すのこ状に形成された第1の敷板及び第2の敷板と、前記第1の敷板と前記第2の敷板を折り曲げ可能に連結する連結部材と、前記第1の敷板に回動自在に取り付けられて、前記連結部材が折り曲げられて前記布団敷板装置が逆V字状に立てられた状態において前記第2の敷板に係合して前記第1の敷板及び第2の敷板を支える支持体と、を備え、前記第1の敷板及び前記第2の敷板は、前記布団敷板装置の長手方向に延在する複数の縦材と、前記縦材の上に取り付けられて前記布団敷板装置の短手方向に延在する複数の横板と、を有し、前記布団敷板装置の縁部に配設された前記縦材の上面には、外側に向かって下降傾斜する傾斜部が形成されており、前記支持体は、前記縦材に対してそれぞれ回動自在に軸支されて前記縦材に沿って配置される一対の縦材と、該縦材の上に取り付けられて前記布団敷板装置が平らになった状態において前記第1の敷板の前記横板と共に前記第1の敷板の上面を構成する横板と、前記支持体を構成する前記縦材の先端部に取り付けられて前記布団敷板装置が逆V字状に立てられた状態において前記第2の敷板に係合する係止部材と、を有し、前記係止部材は、前記第1の敷板の前記横板よりも前記長手方向の幅が狭く、前記布団敷板装置が平らになった状態において前記第1の敷板の上面と面一になって前記第1の敷板の上面の一部を構成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の布団敷板装置によれば、布団敷板装置の縁部に配設された縦材の上面には、外側に向かって下降傾斜する傾斜部が形成されている。これにより、布団敷板装置の縁部に利用者が足先等をぶつけた際に、足先等を斜め上方に逃がして衝突の衝撃を和らげて、利用者が感じる痛みを軽減することができる。
【0014】
また、本発明の布団敷板装置によれば、横板の端面は、傾斜部よりも布団敷板装置の中心側にあっても良い。これにより、布団敷板装置の上に敷かれた布団類は、縁部が横板からはみ出したとしても傾斜部の上に置かれるようになるので、布団類の縁部が直接的に床面等に触れてしまうことが抑制される。よって、布団類の縁部が床面等に触れて汚れてしまうことや破れてしまうことが抑えられる。また、布団類と横板の端面との引っ掛かりも少なくなり、横板の端面による布団類の損傷も抑制することができる。また、横板の長さを短くすることができるので、横板の材料取りが容易になり、布団敷板装置の生産性を高めることができる。
【0015】
また、本発明の布団敷板装置によれば、支持体は、第1の敷板の縦材に対してそれぞれ回動自在に軸支されて第1の敷板の縦材に沿って配置される一対の縦材と、該縦材の上に取り付けられて布団敷板装置が平らになった状態において第1の敷板の横板と共に第1の敷板の上面を構成する横板と、支持体を構成する縦材の先端部に取り付けられて布団敷板装置が逆V字状に立てられた状態において第2の敷板に係合する係止部材と、を有し、係止部材は、第1の敷板の横板よりも幅が狭く、布団敷板装置が平らになった状態において第1の敷板の上面と面一になって第1の敷板の上面の一部を構成しても良い。このように、支持体の先端部に、第2の敷板を係合する部材として、横板よりも幅が狭い係止部材が設けられることにより、布団敷板装置が逆V字状に立てられた状態において、第2の敷板の下方から突出する支持体の先端部の突出寸法を小さくすることができる。よって、布団敷板装置を布団類干しとして利用する際に、起立した布団敷板装置の下部から突出する支持体の先端部が邪魔にならない。
【0016】
また、本発明の布団敷板装置によれば、支持体を構成する縦材には、布団敷板装置が逆V字状に立てられた状態において第2の敷板が載置される凹部が形成されている。これにより、第2の敷板の下部を布団敷板装置が設置される床面等に近づけることができ、起立した状態の布団敷板装置を安定させることができる。よって、布団敷板装置は、布団類干しとして利用される際に、布団類を安定して支えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の概略を示す平面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の起立した状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の起立した状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の起立した状態を示すA矢視図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の畳まれた状態を示す側面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の支持体の先端近傍を示す透視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る布団敷板装置のB部近傍を示す透視図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の起立した状態の連結部材近傍を拡大して示す透視図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る布団敷板装置の側部近傍の横断面図である。
【
図10】従来技術の布団敷板装置の例を示す布団敷板装置が起立した状態の斜視図である。
【
図11】従来技術の布団敷板装置の例を示す布団敷板装置が起立した状態のD矢視図である。
【
図12】従来技術の布団敷板装置の例を示す布団敷板装置の側部近傍の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る布団敷板装置を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る布団敷板装置10の概略を示す平面図である。
図1に示すように、布団敷板装置10は、平面視略矩形状のすのこ状の形態をなし、上面に布団類等が敷かれて用いられるものである。
【0019】
布団敷板装置10は、各々すのこ状に形成された第1の敷板としての敷板11及び第2の敷板としての敷板12を有する。敷板11及び敷板12は、布団敷板装置10の長手方向に並べて設けられ、折り曲げ可能な連結部材17によって連結されている。
【0020】
敷板11及び敷板12は、布団敷板装置10の長手方向に延在する複数の縦材13、14を有する。縦材13、14は、床面等に載置されて布団敷板装置10を支える部材であり、略棒状の形態をなしている。
【0021】
縦材13、14の上面には、布団敷板装置10の短手方向に延在する複数の横板15が取り付けられている。横板15は、略矩形板状の形態をなし、横板15の上面は、布団類が載置される面となる。
【0022】
布団敷板装置10を構成する各部材の材質としては、特に限定されるものではないが、本実施形態に係る布団敷板装置10では、木材が用いられている。布団敷板装置10の材質として、例えば、桐材等は、軽量で湿気対策に適しており、また、檜材等は、防虫効果や芳香作用が期待できるので好ましい。
【0023】
図2ないし
図4は、布団敷板装置10の起立した状態を示す図であり、
図2は、布団敷板装置10を敷板11側から見た斜視図、
図3は、布団敷板装置10を敷板12側から見た斜視図、
図4は、
図3に示すA矢視図である。
【0024】
図2ないし
図4に示すように、布団敷板装置10は、長手方向の略中央において連結部材17が折り曲げられることにより、略逆V字状に折り曲げられて起立する。これにより、起立した布団敷板装置10に布団類を載せることができ、布団敷板装置10を布団類干しとして用いることができる。
【0025】
図5は、布団敷板装置10の畳まれた状態を示す側面図である。
図5に示すように、布団敷板装置10は、連結部材17において折り曲げられることにより、敷板11及び敷板12が重なり合うように折り畳まれる。これにより、布団敷板装置10を小さく折り畳んで収納することができる。また、布団敷板装置10の移動も容易になる。
【0026】
次に、布団敷板装置10を略逆V字状に起立させた状態で保持するための構成について詳細に説明する。
図2ないし
図4に示すように、布団敷板装置10は、敷板11に回動自在に取り付けられている支持体20を有する。支持体20は、布団敷板装置10が略逆V字状に折り曲げられた状態において、敷板11に対して回動して、床面等に載置される。
【0027】
そして、
図3及び
図4に示す如く、敷板12の横板15が支持体20の先端部近傍の上部に置かれて後述する係止部材24に係合することにより、支持体20は、敷板11及び敷板12を支えて、布団敷板装置10を起立させた状態で支持することができる。
【0028】
支持体20は、
図1に示す如く布団敷板装置10が展開された状態において布団敷板装置10の長手方向に延在する一対の縦材21を有する。縦材21は、敷板11の中央側に設けられる一対の縦材13に沿ってそれぞれ設けられ、縦材13に対して回動自在に軸支されている。
【0029】
一対の縦材21の上部には、布団敷板装置10の短手方向に延在する横板22、23が取り付けられている。横板22、23は、略矩形板状に形成されており、横板22、23の幅は、敷板11に取り付けられる横板15の幅と略同じである。
【0030】
図6は、支持体20の先端近傍を示す透視図である。
図6に示すように、一対の縦材21の先端部には、布団敷板装置10の短手方向に延在する係止部材24が取り付けられている。係止部材24は、略四角柱状の形態をなし、一対の縦材21を連結するように、一対の縦材21の先端面に固定されている。
【0031】
即ち、一対の縦材21は、先端部近傍において、横板23及び係止部材24によって連結されて固定されており、
図2に示す如く、敷板11に支持されている端部近傍において、横板22によって連結されて固定されている。これにより、支持体20の剛性が高められ、支持体20の変形等を抑制することができる。
【0032】
図1及び
図6を参照して、係止部材24の幅は、敷板11の横板15の幅よりも狭く形成されている。また、
図6に示すように、横板23と係止部材24との間の縦材21の上面には、下方に凹む凹部25が形成されている。
【0033】
図7は、布団敷板装置10を起立させた状態を示しており、
図3に示すB部付近を拡大して示す透視図である。
図7に示すように、布団敷板装置10が起立した状態においては、敷板12の端部近傍に設けられた横板15は、支持体20の先端近傍の上部に載置されて係止部材24に係止される。これにより、支持体20によって敷板12が支持される。
【0034】
このとき、
図4に示すように、敷板12の横板15は、支持体20の縦材21に形成された凹部25に載置されている。これにより、敷板12の下部を布団敷板装置10が設置される床面等に近づけることができ、起立した状態の布団敷板装置10を安定させることができる。よって、布団敷板装置10は、布団類干しとして利用される際に、布団類を安定して支えることができる。
【0035】
また、前述のとおり係止部材24は横板15よりも幅狭に形成されているので、布団敷板装置10が略逆V字状に立てられた状態において、
図4のC部に示すように、敷板12の下部から突出する支持体20の先端部の突出寸法を小さくすることができる。よって、布団敷板装置10を布団類干しとして利用する際に、起立した布団敷板装置10の下部から突出する支持体20の先端部が邪魔にならない。
【0036】
また、
図7に示すように、係止部材24の両端上部の角部24aには、丸み付け面取りが施されている。これにより、利用者が誤って係止部材24を踏んでしまった際や足の指先等をぶつけてしまった際の痛みを軽減することができる。
【0037】
また、
図2に示すように、敷板11の略中央、及び支持体20が支持されている端辺近傍には、横板15が配設されていない空所16が形成されている。即ち、空所16が設けられている箇所においては、横板15は、延在方向の略中央部において分断されており、敷板11の両側部側に長さの短い横板15が設けられている。
【0038】
更に詳しくは、空所16は、
図1に示す如く布団敷板装置10が展開された状態において、支持体20の横板22、23及び係止部材24に対応する位置に形成されている。これにより、支持体20の横板22、23及び係止部材24は、
図1に示す如く布団敷板装置10が平らに展開された状態及び
図5に示す如く布団敷板装置10が折り畳まれた状態においては、敷板11の空所16に収められる。
【0039】
ここで、支持体20の横板22、23及び係止部材24は、布団敷板装置10が展開されて平らになった状態において、敷板11の横板15と共に敷板11の上面を構成する。つまり、布団敷板装置10が平らにされた状態において、敷板11の横板15及び支持体20の横板22、23並びに係止部材24の上面は、略面一になり、敷板11の布団等が敷かれる上面となる。
【0040】
換言すれば、横板22、23及び係止部材24は、支持体20の一対の縦材21を支持する補強部材としての機能と、布団敷板装置10が平らに展開された状態において布団類が載置される載置面としての機能と、を併せ持つ。これにより、敷板11を構成する部材を少なく抑えることができる。
【0041】
なお、
図4に示すように、布団敷板装置10は、支持体20の先端近傍と、連結部材17の近傍と、をつなぐように掛けられた紐26を有する。詳しくは、紐26は、
図6に示す如く、支持体20の先端近傍において、一対の縦材21に形成された貫通孔27に挿通されている。また、紐26は、
図2に示す如く、敷板11及び敷板12の間を通り、縦材13を連結している連結部材17の上に掛けられている。
【0042】
紐26が設けられていることにより、布団敷板装置10が略逆V字状に起立した状態から、
図1に示す如く平らに展開された状態または
図5に示す如く折り畳まれた状態に戻される際に、利用者は、紐26を引いて支持体20の先端部を容易に引き上げることができる。よって、支持体20の収納が容易になる。
【0043】
図8は、布団敷板装置10を起立させた状態の連結部材17近傍を拡大して示す透視図である。なお、以下、
図8を参照して、縦材14を連結する連結部材17について説明するが、縦材13(
図2参照)を連結する連結部材17についても同等の構成である。
【0044】
図8に示すように、敷板11及び敷板12を連結する連結部材17は、例えば、布等によって略帯状に形成されている。連結部材17は、その両端部近傍が縦材14と横板15によって挟まれて固定されている。また、連結部材17は、例えば、スクリュー釘等の図示しない固定具によって、縦材14の端面に固定されている。連結部材17が縦材14の端面に固定されていることにより、敷板11と敷板12の横ずれを抑制することができる。
【0045】
また、連結部材17の上部には、連結部材17を覆うようにカバー部材18が設けられている。カバー部材18は、連結部材17と同様に、例えば、布等によって略帯状に形成されている。カバー部材18が設けられることにより、連結部材17を固定する固定具が露出することを防止できる。
【0046】
縦材14の端部近傍の横板15に対向する面には、連結部材17及びカバー部材18を重ねた厚みに略対応する深さの凹部19が形成されており、この凹部19に連結部材17及びカバー部材18が取り付けられている。これにより、連結部材17及びカバー部材18を縦材14及び横板15で挟んで固定する構成において、布団類等が載置される面である横板15の上面の平坦度を確保することができる。
【0047】
図9は、布団敷板装置10の敷板11の側部近傍の横断面図である。
図9に示すように、布団敷板装置10の縁部に配設された縦材14の上面には、外側に向かって下降傾斜する傾斜部14aが形成されている。これにより、布団敷板装置10の縁部に利用者が足先等をぶつけた際に、足先等を斜め上方に逃がして衝突の衝撃を和らげて、利用者が感じる痛みを軽減することができる。
【0048】
また、横板15の端面15aは、縦材14の傾斜部14aよりも布団敷板装置10の中心側に設けられている。これにより、布団敷板装置10の上に敷かれた布団類は、縁部が横板15からはみ出したとしても傾斜部14aの上に置かれるようになるので、布団類の縁部が直接的に床面等に触れてしまうことが抑制される。よって、布団類の縁部が床面等に触れて汚れてしまうことや破れてしまうことが抑えられる。
【0049】
また、横板15の端面15aが縦材14の傾斜部14aよりも内側に設けられていることにより、布団類と横板15の端面15aとの引っ掛かりも少なくなり、横板15の端面15aによる布団類の損傷も抑制することができる。また、横板15の長さを短くすることができるので、横板15の材料取りが容易になり、布団敷板装置10の生産性を高めることができる。
【0050】
ここで、傾斜部14aが形成されることによる上記の各効果を得るためには、傾斜部14aは、横板15や縦材14等のその他の角部に形成される通常の面取りによる傾斜形状と比べて遥かに大きく形成されている必要がある。具体的には、傾斜部14aの高さH2は、縦材14の高さH1のおよそ30~90%であり、好ましくは、50~90%である。また、傾斜部14aの傾斜角度θ1は、およそ20~60度であり、好ましくは、30~45度である。
【0051】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。
【符号の説明】
【0052】
10 布団敷板装置
11 敷板
12 敷板
13、14 縦材
14a 傾斜部
15 横板
16 空所
17 連結部材
18 カバー部材
20 支持体
21 縦材
22、23 横板
24 係止部材
25 凹部