(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】データフロー制御のためのラインドライバデバイス
(51)【国際特許分類】
H04L 61/5038 20220101AFI20220127BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20220127BHJP
H04L 101/622 20220101ALN20220127BHJP
【FI】
H04L61/5038
H04L12/28 100A
H04L101:622
(21)【出願番号】P 2021512846
(86)(22)【出願日】2019-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2019025187
(87)【国際公開番号】W WO2020052802
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】102018007144.9
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506038073
【氏名又は名称】イノヴァ セミコンダクトルズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ノイマン、ローラント
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/077841(WO,A1)
【文献】特開平1-114133(JP,A)
【文献】特開平9-107277(JP,A)
【文献】特開平6-327007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L61/50
H04L12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
効率的でエラー耐性のあるデータフロー制御のためのラインドライバデバイス(LTV)であって、
コマンドユニットまたは第1の他のラインドライバデバイス(LTV)と通信するように構成された第1のインターフェースユニット(A)と、
第2の他のラインドライバデバイス(LTV)との通信するように構成された第2のインターフェースユニット(B)と、
複数の実行ユニット(AE)と通信するように構成された第3のインターフェースユニット(C)とを備え、前記第1のインターフェースユニット(A)と前記第2のインターフェースユニット(B)との間に第1の通信経路が配置され、前記第1のインターフェースユニット(A)、前記第2のインターフェースユニット(B)、および前記第3のインターフェースユニット(C)の間に第2の通信経路が配置されているラインドライバデバイス(LTV)において、前記第1の通信経路上に少なくとも2つの抵抗(W1、W2)およびそれらの間にあるスイッチ(S)が配置され、データフローは、スイッチポジションによって前記第1の通信経路または前記第2の通信経路を介するように切り替え可能であり、前記抵抗(W1、W2)は、前記スイッチポジションに応じて前記スイッチ(S)が開いている場合に前記第1の通信経路を介するパススルー抵抗または前記スイッチ(S)が閉じて前記データフローが前記第2の通信経路を介して行われる場合に終端抵抗として設定可能であり、電圧源(VCC)により終端電圧が前記スイッチ(S)に印加され、前記終端電圧が前記スイッチ(S)に印加されている場合にのみ前記スイッチ(S)が閉じ、前記終端電圧が印加されていない場合には前記スイッチ(S)が開くことを特徴とするラインドライバデバイス(LTV)。
【請求項2】
前記第3のインターフェースユニット(C)は、直列に接続可能な実行ユニット(AE)と通信するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のラインドライバデバイス(LTV)。
【請求項3】
前記第2の通信経路上の前記第3のインターフェースユニット(C)の上流に論理ユニット(LE)が接続されることを特徴とする、請求項1または2に記載のラインドライバデバイス(LTV)。
【請求項4】
前記論理ユニット(LE)が前記第2のインターフェースユニット(B)および/または前記第3のインターフェースユニット(C)を作動させることを特徴とする、請求項4に記載のラインドライバデバイス(LTV)。
【請求項5】
前記終端電圧が最大で電源電圧に対応することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のラインドライバデバイス(LTV)。
【請求項6】
前記第1の通信経路が受動的通信経路の形態をとることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のラインドライバデバイス(LTV)。
【請求項7】
前記第2の通信経路が能動的通信経路の形態をとることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のラインドライバデバイス(LTV)。
【請求項8】
前記ラインドライバデバイス(LTV)が単一の部品で形成されることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のラインドライバデバイス(LTV)。
【請求項9】
前記スイッチ(S)が、リレー、トランジスタ、および/またはデジタルスイッチの形態をとることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のラインドライバデバイス(LTV)。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のラインドライバデバイス(LTV)を含むシステム構成。
【請求項11】
効率的でエラー耐性のあるデータフロー制御のための方法であって、
コマンドユニットまたは第1の他のラインドライバユニット(LTV)と通信するように構成された第1のインターフェースユニット(A)を
準備する
ステップ(100)
と、
第2の他のラインドライバデバイス(LTV)と通信するように構成された第2のインターフェースユニット(B)を
準備する
ステップ(101)
と、
複数の実行ユニット(AE)と通信するように構成された第3のインターフェースユニット(C)を
準備する
ステップ(102)
と、
前記第1のインターフェースユニット(A)と前記第2のインターフェースユニット(B)との間に第1の通信経路
を配置
するステップ(103)
と、
前記第1のインターフェースユニット(A)、前記第2のインターフェースユニット(B)、および前記第3のインターフェースユニット(C)の間に第2の通信経路
を配置
するステップ(104)
と、を含む方法において、
前記第1の通信経路上に少なくとも2つの抵抗(W1、W2)およびそれらの間にあるスイッチ(S)
を配置
するステップ(105)
と、
データフローをスイッチポジションによって前記第1の通信経路または前記第2の通信経路を介するように切り替え可能にする
ステップ(106)
と、を含み、
前記抵抗(W1、W2)は、前記スイッチポジションに応じて前記スイッチ(S)が開いている場合に前記第1の通信経路を介するパススルー抵抗または前記スイッチ(S)が閉じて前記データフローが前記第2の通信経路を介して行われる場合に終端抵抗として設定可能であり、電圧源(VCC)により終端電圧が前記スイッチ(S)に印加され、前記終端電圧が前記スイッチ(S)に印加されている場合にのみ前記スイッチ(S)が閉じ、前記終端電圧が印加されていない場合には前記スイッチ(S)が開くことを特徴とする方法。
【請求項12】
コンピュータ上で実行されるときに請求項11に記載の方法を実施する制御コマンドを含むコンピュータプログラ
ム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、実行ユニットを作動させるためのシステム構成において、前方へのデータフローのために第1または第2の通信経路を選択することを、技術的に低費用で可能にするラインドライバデバイスに関する。さらに、提案されたラインドライバデバイスは、特に、エラー耐性があり、とりわけ自動車での使用に適している。本発明は、さらに、対応するシステム構成、およびラインドライバデバイスを動作させるか、または製造するための方法に関する。さらに、提案された方法を実施するか、またはラインドライバデバイスを構築するか、または動作させる制御コマンドを含むコンピュータプログラムが提案される。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バスシステムおよびその動作方法、特に、照明機器の制御方法が示されている。
特許文献2には、技術システムの様々な部品間のデータ交換が示されている。この発明は、特に、部品間のデータ交換を可能にするために技術システムの様々な部品間のネットワーキングおよび構成に関する。
【0003】
特許文献3には、コンピュータネットワークにおけるデータバスによる冗長データ伝送が示されている。
特許文献4には、異なる部品間のダウンワードデータ伝送が示されている。
【0004】
特許文献5には、データ伝送のためのバスシステムのバスユーザのシステムが示されている。
特許文献6には、直列に配置された実行ユニットがコマンドユニットによって作動される効率的な制御装置および制御方法が開示されている。
【0005】
特許文献7には、汎用的に使用することができるが、コンパクトな構造により、特に、車両での使用に有利であるコンパクトなLED装置が開示されている。
特許文献8には、少なくとも1つのLEDにおける輝度補償のための方法が開示されている。
【0006】
従来の方法では、直列に接続されたコントロールユニットをアドレス指定するための複数のオプションが既知である。特定の適用を想定した場合には不利になる可能性のある汎用的なアプローチと、汎用的に使用できなくなった高度に専門化されたアプローチが存在する。例えば、ケーブルハーネスに関連して開発され、特に、制御デバイスのネットワークを実装することを目的としたCANバスが知られている。
【0007】
一般に、CANプロトコルの複雑さは、ISELED(登録商標)よりもはるかに大きく、そのため、より高価になる。しかしながら、CANとLINの最大の欠点は、バスアーキテクチャのため、自然な(自動)アドレス指定オプションが提供されないことである。このような場合には、アドレスを設定する必要がある。ISELED(実行ユニット)およびセグメント化されたISELED(ラインドライバユニットおよび実行ユニット)の場合、物理的に事前定義された文字列があり、アドレスを自動的に割り当てるための1つのオプションとなる。
【0008】
従来技術では、複数の実行ユニットを動作させるためのシステム構成が知られている。これは、制御コマンドによって対応する実行ユニットをアドレス指定するか、これらの実行ユニットからデータを読み出す必要があることを意味する。デイジーチェーン接続では、実行ユニットは直列に接続され、個々のコマンドユニットによってアドレス指定される。実行ユニットだけでなく、実際のコマンドユニットに故障が発生した場合、より広範囲の誤動作が発生する可能性がある。
【0009】
また、一般に、複数のコマンドユニットを直列に接続することにより、エラーの影響を受けやすくなるという問題がある。従って、一方では個々のコマンドユニット間に、他方では複数の実行ユニット間に、それぞれの場合に、1つのシリアル通信経路しか存在しない。この結果、後続のコマンドユニットへのデータフローが遮断されてしまう。従って、残りのシステム全体が停止する。
【0010】
さらに、自動車の適用状況では、設置される部品はフェイルセーフである必要があるが、同時に、コストの削減につながる技術的に低費用で提供する必要があるという問題がある。従って、故障の安全性確保と技術的な複雑さのとの間のバランスを取る必要がある。しかしながら、顧客が故障時の安全性確保の低下を受け入れず、製造業者が高価な回路に向かう傾向を示さないので、従来技術では、これは、都合が悪い。その結果、フェイルセーフでありながらコスト効率の高い部品が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】独国特許出願公開第102007044820号明細書
【文献】独国特許出願公開第102013201106号明細書
【文献】独国特許出願公開第10044309号明細書
【文献】国際公開第2013/062949号
【文献】独国特許出願公開第102009056563号明細書
【文献】国際公開第2017/162323号
【文献】国際公開第2018/103880号
【文献】国際公開第2017/153026号
【発明の概要】
【0012】
従って、本発明の目的は、効率的に動作し、かつエラー耐性もあるラインドライバユニットを提案することである。ラインドライバデバイスは、特に、フェイルセーフであるか、または故障が発生した場合にそれ以上の影響を引き起こさないようにする必要がある。さらに、本発明の目的は、ラインドライバデバイスが有利に使用されるシステム構成を提案することである。さらに、ラインドライバデバイスを提供するか、または動作させる方法が提案される。また、本発明の目的は、ラインドライバデバイスを構築するか、または動作させ、提案された方法を実施する制御コマンドを含むコンピュータプログラムを提供することである。
【0013】
この目的は、独立請求項の特徴によって達成される。さらに有利な実施形態は、従属請求項において特定されている。
従って、効率的でエラー耐性のあるデータフロー制御のためのラインドライバデバイスが提案され、ラインドライバデバイスは、コマンドユニットまたは第1の他のラインドライバデバイスと通信するように構成された第1のインターフェースユニットと、第2の他のラインドライバデバイスとの通信するように構成された第2のインターフェースユニットと、複数の実行ユニットと通信するように構成された第3のインターフェースユニットとを備え、第1のインターフェースユニットと第2のインターフェースユニットとの間に第1の通信経路が配置され、第1のインターフェースユニット、第2のインターフェースユニット、および第3のインターフェースユニットの間に第2の通信経路が配置されているラインドライバデバイスにおいて、第1の通信経路上に少なくとも2つの抵抗およびそれらの間にあるスイッチが配置され、データフローは、スイッチポジションによって第1の通信経路または第2の通信経路を介するように切り替え可能であり、抵抗は、スイッチポジションに応じてスイッチが開いている場合に第1の通信経路を介するパススルー抵抗またはスイッチが閉じてデータフローが第2の通信経路を介して行われる場合に終端抵抗として設定可能であり、電圧源により終端電圧がスイッチに印加され、終端電圧がスイッチに印加されている場合にのみスイッチが閉じ、終端電圧が印加されていない場合にはスイッチが開くことを特徴とする。
【0014】
ラインドライバデバイスは、例えば、システム構成内に設けられ、他のラインドライバデバイスと通信するデバイスであり得る。概して、他の部品との通信は有利であり、ラインドライバデバイスは、例えば、複数の実行ユニットと通信する部品である。実行ユニットは、ラインドライバデバイスから直接または間接的に発信されるコマンドを実行する部品である。従って、実行デバイス、即ち実行ユニットは、LEDを作動させるLEDユニットの形態であり得る。LEDは、典型的には、赤色、緑色、または青色のLEDの形態をとり、任意選択的に、白色LEDを設けることも可能である。
【0015】
従って、ラインドライバデバイスは、複数の実行ユニットと通信し、それ自体が、別のユニット、例えば、コマンドユニットからコマンドを受信するように構成され得る。従って、コマンドユニットはマイクロコントローラの形態をとることができ、ラインドライバデバイスは、マイクロコントローラの形態をとることもでき、または、概して、データフロー制御および追加のコマンド処理のための手段を有する単にユニットの形態をとることもできる。
【0016】
典型的に、ラインドライバデバイスは直列に接続され、このタイプの複数のラインドライバデバイスは、データラインに沿って直列に結合される。結果として、典型的には、制御ユニットに接続された複数のラインドライバデバイスが設けられる。直列に接続された第1のラインドライバデバイスはコマンドユニットに直接結合され、他のラインドライバデバイスはコマンドユニットに間接的に結合される。従来技術では、直列結合において、1つのラインドライバデバイスが故障すると、直列内のすべての他のラインドライバデバイスが故障するという問題があった。従って、従来技術では、1つのラインドライバデバイスの故障または非活性化状態は、複数の他の部品が故障することを意味する。これは、提案されたラインドライバデバイスが、非活性化状態で信号を単に接続する通信経路、即ちデータ経路を有する本発明により克服される。
【0017】
その結果、単一のラインドライバデバイスに故障が発生した場合でも、直列に接続された他のラインドライバデバイスはデータフローから除外されず、ラインドライバが非活性化状態である場合、入力信号は何も処理されずに再び出力に出力される。これは、以下に、パススルーまたは接続スルーするものとして説明される。
【0018】
従って、提案されたラインドライバデバイスは全体的にエラー耐性があり、これは、特に、他のラインドライバデバイスとの相互作用において有効である。ラインドライバデバイスは、それ自体がシステム構成として説明されているが、ラインドライバデバイス自体がシステム構成と呼ばれるようにラインドライバデバイスの用語を変更することもできる。提案されたラインドライバデバイスは、概して、ラインドライバデバイス自体に単に設置される構造的特徴に基づいている。外部部品に関しては、ラインドライバデバイスは通信能力を備えているため、提案されたラインドライバは、外部機能を参照して説明されていない。むしろ、ラインドライバデバイスは、他の部品も有するシステム構成に埋め込むのに適している。
【0019】
さらに、データフロー制御が簡単な技術的手段を使用して実装されるため、ラインドライバデバイスも効率的である。本発明の一態様では、データフロー制御には、単に、第1の通信経路、他の通信経路、2つの抵抗、およびスイッチが必要である。データラインまたは通信経路は、個々の導電経路または単純な電気接続であり得る。結果として、提案されたラインドライバデバイスは、単一の回路基板上に配置されるか、またはハウジング内に単一の部品として収容される。
【0020】
他のデバイスと通信するために、ラインドライバデバイスは少なくとも3つのインターフェースユニットを有する。従って、第1のインターフェースユニットは、他のラインドライバデバイスと通信するためのインターフェースとして機能する。このインターフェースは、コマンドユニットとの通信にも適している。コマンドユニットは、ラインドライバデバイスの上位に位置し、ラインドライバデバイスにコマンドを提供するインスタンスである。従って、コマンドユニットはラインドライバデバイスに対するマスターユニットとして機能し、ラインドライバデバイスはスレーブユニットまたはクライアントユニットとして機能する。
【0021】
第2のインターフェースユニットは、第1のインターフェースユニットと同様に設計することができ、少なくとも、他のラインドライバユニット、即ちラインドライバデバイスとの通信に適している。従って、例えば、第1のインターフェースユニットは、ラインドライバデバイスの入力として指定され、第2のインターフェースは、出力として指定される。しかしながら、ラインドライバデバイスは、他のデバイス、例えば、コマンドデバイスまたは他のラインドライバデバイスと双方向に結合することもでき、これは、双方向通信も可能になり、その結果、第2のインターフェースユニットが入力として存在し、第1のインターフェースユニットが出力として存在することを意味する。その結果、2つのインターフェースユニットは、通信の方向に応じて、出力または入力の役割を担う場合がある。
【0022】
第3のインターフェースユニットは、例えば、直列に結合され得る実行ユニットとの通信のために機能する。従って、第3の通信インターフェースまたはインターフェースユニットは、他の外部部品との通信のために機能し、ラインドライバデバイスは、これらの他の部品に関してマスターユニットとして動作する。第3のインターフェースユニットによって結合された部品は、コマンドを受信して実行する実行ユニットとして指定することができる。さらに、インターフェースユニットがこれらの実行ユニットから戻り値を受信するように構成することが可能である。
【0023】
第1の通信経路は、第1のインターフェースユニットと第2のインターフェースユニットとの間に配置される。この通信経路は2つのインターフェースを接続し、信号を伝達するために機能する。少なくとも2つの抵抗またはスイッチユニットなどの他の部品は、例えば、データラインとして実装されるこの通信経路上に配置され得る。その結果、通信経路は、第1のインターフェースユニットから第2のインターフェースユニットに連続的に進行する必要はなく、第1のインターフェースユニットから第2のインターフェースユニットに間接的にデータを伝達することができ、中間部品を設置することも可能である。
【0024】
第2の通信経路は、第1のインターフェースユニット、第2のインターフェースユニット、および第3のインターフェースユニットの間に配置され、同様に、インターフェースユニットを直接または間接的に接続することができる。典型的には、通信経路は、第1のインターフェースユニットを第3のインターフェースユニットに接続し、次に第3のインターフェースユニットを第2のインターフェースユニットに接続するように構成することが有利である。その結果、第2の通信経路は、第1の通信経路と同様に構成されるが、第3のインターフェースユニットが第2の通信経路上に配置される。第2の通信経路は、受信機モジュールまたは送信機モジュールなどの他の部品をも含み得る。
【0025】
通信に関して、第1のインターフェースユニットを第3のインターフェースユニットに結合し、第3のインターフェースユニットを第2のインターフェースユニットに結合する第2のデータライン、即ち第2の通信経路は、本発明の単なる一態様である。従って、インターフェースユニット間の配置は、提案されたインターフェースユニット間の論理通信の進行のために異なる構成を構造的に選択することに基づくことができる。
【0026】
さらに、入力信号を処理し、次にそれらを再び出力する処理ユニットを、第2の通信経路上に配置することができる。この状況において、当業者は、技術的実施のために、他の部品を設置することができることを認識するであろう。
【0027】
第1の通信経路は、スイッチおよび少なくとも2つの抵抗を有する。好ましくは、2つの抵抗は、スイッチの上流および下流にそれぞれ配置される。この状況では、スイッチの上流および下流は通信のフローを指し、第1の通信経路を双方向に構成することが可能である。概して、スイッチの両側に少なくとも1つの抵抗を配置することが有利である。概して、このタイプの抵抗がどのように構成されているかは関係ない。単に例として、抵抗は50オームが適している。所望の抵抗は、そのレベルに応じて、少なくとも1つの物理的抵抗によって提供され得る。
【0028】
スイッチは通信経路を設定するように機能し、概して、第1の通信経路と第2の通信経路のどちらかを選択することが可能である。ラインドライバデバイスに電流が存在する場合、データ信号が受信され、続いて、内部論理ユニットで対応する信号が処理され、その後、処理された信号が送信される。これは、第2の通信経路に対応する。対照的に、電圧がない場合、信号はアナログで通過し、これは第1の通信経路に対応する。設置されているスイッチが開いている場合は電流が流れず、スイッチが閉じている場合は電流が流れる。従って、トランジスタが閉じている場合、導電性の貫通経路はない。従って、閉状態では、第1の通信経路が遮断され、信号は第2の通信経路を介して通過する。
【0029】
故障状況、即ちラインドライバデバイスに欠陥があるか、または非活性化状態にある状況も、この方法で処理される。この場合、スイッチは開いており、導電性の貫通経路がある。従って、ラインドライバデバイスの活性化状態では、入力信号が処理され、続いて、再び出力される。非活性化状態では、信号は、単に受動的に通過する。この状況では、第2の通信経路を介して積極的にパススルーすることはデータ処理を含み、これは、ラインドライバデバイスの活性化状態に対応する。概して、スイッチは、第2の通信経路に直接配置されないが、スイッチに終端電圧を印加することができる。概して、スイッチは、通常は閉じており、積極的に開く必要がある。従って、電圧が存在する場合、ラインドライバデバイスはオンになる。その他の部品については、電圧が存在しない場合、ラインドライバデバイスは利用できない。その結果、ラインドライバデバイスは、故障が発生した場合に受動に切り替わり、その場合でも、他の部品を損なうことなく信号を受動的に通過させる。ラインドライバデバイスが動作していないか、または壊れている場合、ラインドライバデバイスには電圧が存在しないため、信号はラインドライバデバイスを受動的に通過する。
【0030】
本発明の別の態様では、第3のインターフェースユニットは、直列に接続可能な実行ユニットと通信するように構成されている。これにより、インターフェースユニットが様々な実行ユニットと通信するという利点があり、いずれの場合も、このような通信を直接行う必要はない。むしろ、複数の実行ユニットを直列に接続することが可能であり、従って、ラインドライバデバイスは、好ましくは、第3のインターフェースユニットを介して直接単一の実行ユニットと通信し、接続された他の実行ユニットと間接的に通信する。概して、第3のインターフェースユニットは、コマンドを他の実行ユニットに伝達し、戻り値を受信することができる。
【0031】
本発明の別の態様では、複数の抵抗は、パススルー抵抗または終端抵抗として設定することができる。これにより、複数の抵抗の値または単一の抵抗の値を使用して、データフローが第1の通信ライン、即ち第1の通信経路を介して流れるか、または第2の通信ライン、即ち第2の通信経路を介して流れるかを設定することができるという利点がある。信号が伝送される際に、スイッチポジションを使用して、2つの抵抗の効果を加えるか否かを設定することができ、その結果、第1の通信経路または第2の通信経路のいずれかが選択されるように、このような方法でデータライン上に抵抗を間接的に設定することができる。概して、第1の通信経路と第2の通信経路が互いに別々に実装されるのではなく、通信経路が部分的に重なっていてもよい。従って、構造的に1つの通信ラインのみを提供して、スイッチポジションにより第1の論理経路または第2の論理経路のどちらが選択されるかを設定することが可能である。
【0032】
本発明の別の態様では、論理ユニットが第3のインターフェースユニットの上流に接続されている。これにより、入力通信信号またはコマンドが第2の通信経路を使用して論理ユニットを通過して、処理することができるという利点がある。従って、信号を処理する論理ユニットは、第2の通信経路上に存在する。従って、処理された信号は、第3のインターフェースユニットを使用して実行ユニットに出力されるか、または出力、即ち第2のインターフェースユニットに印加されることができる。
【0033】
本発明の別の態様では、論理ユニットは、第2のインターフェースユニットおよび/または第3のインターフェースユニットを制御する。これにより、対応するコマンドまたは処理された信号を1つまたは2つの他のユニットに印加することができるという利点がある。従って、論理ユニットは、複数の実行ユニットに伝達されるコマンドを出力することが可能である。
【0034】
本発明の別の態様では、スイッチは、抵抗間の第1の通信経路に結合されている。これにより、抵抗が回路、即ちスイッチの両側に配置され、それぞれの場合において、少なくとも1つの抵抗が回路、即ちスイッチの両側に配置されるという利点がある。このようにして、データフローまたは通信経路を有利に設定することができる。
【0035】
本発明の別の態様では、終端電圧がスイッチに印加される。これにより、このような簡単な技術的手段を使用してスイッチを実施することができるという利点がある。さらに、従来から既知の部品が、単に設置することが必要とされるだけであり、この場合には、簡単で効率的なデータフロー制御が実施されるように適切に組み合わされる。
【0036】
本発明の別の態様では、終端電圧は最大で電源電圧に対応する。これにより、印加電圧が制限され、実際に必要とされるだけの終端電圧を印加するだけでよいという利点がある。この場合もやはり、データフロー制御のための簡単で効率的な構造が提供される。
【0037】
本発明の別の態様では、第1の通信経路は、受動的通信経路の形態をとる。これにより、ラインドライバデバイスが非活性化された場合、通信経路は信号を受動的に通過させるだけであり、従って、欠陥のあるラインドライバデバイスが他の部品に影響を与えないという利点がある。特に、非活性化状態にあるか、または欠陥のあるラインドライバデバイスは、さらなる通信の流れを損なうことはなく、信号は受動的通信経路を介して通過する。
【0038】
本発明の別の態様では、第2の通信経路は、能動的通信経路の形態をとる。これにより、通常の状況、即ちラインドライバデバイスが動作されるときに、通信経路が能動的な状態に設定され、第2の通信経路を使用して信号が処理されるという利点がある。この目的のために、論理ユニットを設けることが好ましい。
【0039】
本発明の別の態様では、ラインドライバデバイスは単一の部品で形成される。これにより、ラインドライバデバイスをシステム構成に特に簡単に設置することができ、例えば、個別の回路基板上に配置したり、個別のハウジング内に設置したりすることができるという利点がある。従って、ラインドライバデバイスは、個別に提供し、その後の処理ステップで設置することができる。
【0040】
本発明の別の態様では、スイッチは、リレー、トランジスタ、および/またはデジタルスイッチの形態をとる。これにより、簡単な部品を使用してスイッチを実現することができ、この場合もやはり、結果的に技術的に低費用となるという利点がある。技術的に低費用により、コスト削減につながるが、依然としてロバストなスイッチが提供される。
【0041】
この目的は、上記のようなラインドライバデバイスを含むシステム構成によっても達成される。
この目的はまた、効率的でエラー耐性のあるデータフロー制御のための方法によっても達成され、方法は、コマンドユニットまたは第1の他のラインドライバユニットと通信するように構成された第1のインターフェースユニットを準備するステップと、第2の他のラインドライバデバイスと通信するように構成された第2のインターフェースユニットを準備するステップと、複数の実行ユニットと通信するように構成された第3のインターフェースユニットを準備するステップと、第1のインターフェースユニットと第2のインターフェースユニットとの間に第1の通信経路を配置するステップと、第1のインターフェースユニット、第2のインターフェースユニット、および第3のインターフェースユニットの間に第2の通信経路を配置するステップとを含む方法において、第1の通信経路上に少なくとも2つの抵抗およびそれらの間にあるスイッチを配置するステップと、データフローをスイッチポジションによって第1の通信経路または第2の通信経路を介するように切り替え可能にするステップとを含み、抵抗は、スイッチポジションに応じてスイッチが開いている場合に第1の通信経路を介するパススルー抵抗またはスイッチが閉じてデータフローが第2の通信経路を介して行われる場合に終端抵抗として設定可能であり、電圧源により終端電圧がスイッチに印加され、終端電圧がスイッチに印加されている場合にのみスイッチが閉じ、終端電圧が印加されていない場合にはスイッチが開くことを特徴とする。
【0042】
この状況において、当業者は、個々の方法ステップが反復的におよび/または異なる順序で実行され得ることを認識するであろう。特に、個々の方法ステップは、サブステップを含み得る。
【0043】
この目的はまた、提案された方法を実施するか、または提案されたラインドライバデバイスを動作させるか、または構築する制御コマンドを含むコンピュータプログラムによって達成される。
【0044】
本発明によれば、方法が、ラインドライバデバイスの構造的特徴によっても機能的に模倣することができる方法ステップを提供することが特に有利である。ラインドライバデバイスおよびシステム構成は、この方法を実施するのに適した構造的特徴を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
さらに有利な構成は、添付の図面を参照してより詳細に説明されている。
【
図1】従来技術に従って直列に接続されたコマンドユニットおよび複数の実行ユニットを含む概略的な装置を示す。
【
図2】本発明の一態様による、効率的でエラー耐性のあるデータフロー制御のためのラインドライバデバイスを含むブロック図である。
【
図3】本発明の別の態様による、効率的でエラー耐性のあるデータフロー制御のための方法の概略的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1の左側は、例えば、コマンドユニットとして機能するマイクロコントローラを示している。さらに、この場合、LEDコントローラとして実装された複数の実行ユニットが、双方向通信を用いて配置されている。これは、参照記号MLED CTRLにより示されている。いくつかの適用状況に関して、従来技術には、あるコントローラが故障した場合、通信が抑制されるため、直列に接続されたそれ以降の全てのコントローラも故障するという欠点がある。
【0047】
図1は、従来技術によるシステムまたは通信構成の可能な構成を示している。従って、この場合、3つのコントロールユニットに接続されているコマンドユニットBEが左側に確認することができる。3つのコントロールユニットが直列に接続されているため、コマンドユニットは、1つのコントロールユニットに直接接続され、他のコントロールユニットに間接的に接続される。コントロールユニットは、マルチLEDコントローラであってもよい。これは、
図1ではMLED CTRLとして示されている。単一の参照符号は、特に、コントロールユニットが通常同一に構成されていることを示すことを目的としている。この図面から確認できるように、LEDはRGB(赤色、緑色、青色)LEDである。これらは、個々のLEDユニットの混合比によって特定の色の値を設定するように構成されている。さらに、この図面では、必要に応じて他の部品が設けられることを理解することができる。例えば、電源を設ける必要がある場合があり得る。しかしながら、この状況では、これらの部品、例えば、電源を外部に設け、単に、それらを接続することも可能である。
【0048】
この場合、データラインは、双方向矢印SIO1、SIO2として示される複数のデータラインセグメントの形態である。コントロールユニットは、実行ユニットと呼ばれ得る。
【0049】
図2は、本発明によるラインドライバデバイスLTVを示す。
図2に示されるように、3つのインターフェースユニット、具体的には、第1のインターフェースユニットA、第2のインターフェースユニットB、および第3のインターフェースユニットCが設けられる。さらに、論理ユニットLEは、第3のインターフェースユニットCの上流に接続される。第3のインターフェースユニットCは、複数の他の実行ユニットAEと通信するように構成されている。さらに、受信機Rxおよび送信機Txなどの他の部品を設置する必要がある場合がある。ここで、Rは受信機を表し、Tは送信機を表す。さらに、抵抗W1、W2およびスイッチSが示されている。さらに、電流源または電圧源VCCが左下に示されている。
【0050】
第1の通信経路は、破線で示され、かつ第1のインターフェースユニットを第2のインターフェースユニットBに接続する。これは間接的に行われ、第1の抵抗W1および第2の抵抗W2などの複数の部品が間に配置される。また、スイッチSも同様に第1のデータライン上に配置されている。第2のデータラインは、点線を使用して示され、かつ第3のインターフェースユニットCを介して第1のインターフェースユニットAと第2のインターフェースユニットBとの間に延在する。第2のデータライン上に配置された論理ユニットLEは、第3のインターフェースユニットの上流に接続される。
【0051】
破線のデータラインである第1のデータライン、および点線のデータラインである第2のデータラインは、少なくとも第1のサブ部分が共同で実装されるように構成されてもよく、即ち、インターフェースユニットAと抵抗W1との間に単一のデータラインが配置され、第2の抵抗W2と第2のインターフェースユニットBとの間に単一のデータラインが配置される。続いて、第1の通信経路および第2の通信経路の両方がこのデータラインに結合される。物理的には、全体として単一のラインシステムが存在する場合があり、スイッチは、第1の論理通信経路または第2の論理通信経路のどちらが選択されるかを設定する。従って、対応する信号は、第1のインターフェースユニットAから少なくとも1つの抵抗またはスイッチを介して第2のインターフェースユニットBに水平に流れるか、あるいは第2のデータラインが選択され得、その場合、信号は第3のインターフェースユニットCを介して伝搬する。
【0052】
他のラインドライバデバイスLTVが左および/または右に配置され得、かつインターフェースユニットAまたはBを介して通信することができるか、あるいは直列に接続された複数の実行ユニットAEを
図2の上部に設けることも可能である。従って、本発明により提案されるシステム構成は、1つのラインドライバデバイスLTVのみならず、直列に接続された複数のラインドライバデバイスLTV、ならびに同様に直列に接続された複数の実行ユニットAEを含み得る。さらに、例えば、インターフェースAを介してラインドライバデバイスLTVと通信するコマンドユニットを設けることができる。このタイプのコマンドユニットは、マイクロコントローラとして実施することができる。
【0053】
図3は、効率的でエラー耐性のあるデータフロー制御のための提案された方法の概略的なフローチャートであり、方法は、
コマンドユニットまたは第1の他のラインドライバユニットLTVと通信するように構成された第1のインターフェースユニットAを提供すること(100)、第2の他のラインドライバデバイスLTVと通信するように構成された第2のインターフェースユニットBを提供すること(101)、複数の実行ユニットAEと通信するように構成された第3のインターフェースユニットCを提供すること(102)、第1のインターフェースユニットAと第2のインターフェースユニットBとの間に第1の通信経路が配置されること(103)、第1のインターフェースユニットA、第2のインターフェースユニットB、および第3のインターフェースユニットCの間に第2の通信経路が配置されること(104)を含む方法において、第1の通信経路上に少なくとも2つの抵抗W1、W2およびそれらの間にあるスイッチSが配置されること(105)、データフローをスイッチポジションによって第1の通信経路または第2の通信経路を介するように切り替え可能にすること(106)を含み、抵抗W1、W2は、スイッチポジションに応じてスイッチSが開いている場合に第1の通信経路を介するパススルー抵抗またはスイッチSが閉じてデータフローが第2の通信経路を介して行われる場合に終端抵抗として設定可能であり、電圧源VCCにより終端電圧がスイッチSに印加され、終端電圧がスイッチSに印加されている場合にのみスイッチSが閉じ、終端電圧が印加されていない場合にはスイッチSが開くことを特徴とする。
【0054】
この状況において、当業者は、個々の方法ステップが反復的におよび/または異なる順序で実行され得、サブステップを有し得ることを認識するであろう。