(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置、及び表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/01 20060101AFI20220107BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20220107BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
G07G1/01 301E
G07G1/00 331Z
G07G1/12 331Z
(21)【出願番号】P 2017054689
(22)【出願日】2017-03-21
【審査請求日】2020-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】五反田 剛
(72)【発明者】
【氏名】中島 隆司
(72)【発明者】
【氏名】杉田 延裕
(72)【発明者】
【氏名】後藤 幾
(72)【発明者】
【氏名】菊池 淳
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 純
(72)【発明者】
【氏名】平松 顕也
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-136440(JP,A)
【文献】特開2014-075119(JP,A)
【文献】特開2015-146066(JP,A)
【文献】特開2016-033750(JP,A)
【文献】特開2007-095026(JP,A)
【文献】特開2014-211831(JP,A)
【文献】特開2013-242839(JP,A)
【文献】特開2013-030086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00-1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会計装置から複数の処理段階における現在の処理状況を表すデータを受信する受信部と、
前記複数の処理段階のそれぞれに対応する、前記処理段階を表す画像を含む状態画像を表示する表示部と、
前記受信部により受信されるデータに基づいて、前記状態画像における現在の処理状況までの処理段階の画像の表示形態を変更する
ものであって、前記受信部により受信されるデータに応じて、前記処理段階における操作が可能な状態となってからの経過時間を計測し、前記経過時間が予め設定された第1時間を経過した場合に前記画像に代えて第2時間に到達するまでの残り時間を表示する変更部とを有する商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記状態画像において、前記複数の処理段階をそれぞれ図形により表示し、
前記変更部は、現在の処理状況に応じた処理段階までの、前記処理段階のそれぞれを表す図形の表示形態を変更する請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記受信部は、複数の会計装置のそれぞれから、現在の処理状況を表すデータを受信し、
前記表示部は、前記複数の会計装置のそれぞれに対応する状態画像を表示する請求項1
または請求項2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記会計装置に設けられた釣銭機に収容された紙幣と硬貨の少なくとも一方の残量を示す在高データ、及び前記会計装置に設けられたプリンタに収容された用紙の残量を示す残量データの少なくとも何れか一方を示す状態データを受信する状態データ受信部をさらに有し、
前記表示部は、前記状態画像と共に、前記状態データに応じた画面を表示する請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
コンピュータを、
会計装置から複数の処理段階における現在の処理状況を表すデータを受信する受信部と、
前記複数の処理段階のそれぞれに対応する、前記処理段階を表す画像を含む状態画像を表示させる表示部と、
前記受信部により受信されるデータに基づいて、前記状態画像における現在の処理状況までの処理段階の画像の表示形態を変更する
ものであって、前記受信部により受信されるデータに応じて、前記処理段階における操作が可能な状態となってからの経過時間を計測し、前記経過時間が予め設定された第1時間を経過した場合に前記画像に代えて第2時間に到達するまでの残り時間を表示する変更部として機能させるための表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置、及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等で利用される店舗会計システム(チェックアウトシステム)では、POS(Point of Sales)端末と称される商品販売データ処理装置が広く用いられる。商品販売データ処理装置は、買い上げの対象とする商品の登録、登録された商品に対する決済処理を従業員2(店員)の操作に応じて実行する。
【0003】
また、近年では、主に従業員の操作により登録処理を実行する登録装置(商品販売データ処理装置)と、登録処理により生成される取引情報をもとに顧客の操作により決済処理を実行する会計装置とが設けられた、セミセルフタイプのチェックアウトシステムが使用されている。セミセルフタイプのチェックアウトシステムでは、登録装置を操作する従業員が、決済処理に使用される会計装置を管理し、また会計装置を使用する顧客の対応をする必要がある。このため、従来のシステムでは、顧客による会計装置についての処理中/使用完了などの操作の状態を示す情報を登録装置に送信し、会計装置に表示するなどして従業員に通知する機能が設けられている。
【0004】
従来のシステムでは、従業員に通知すべき状態が会計装置において発生した際に、登録装置に通知して、その都度、会計装置に会計装置の状態を表示するなどしている。従って、通知される処理中/使用完了などの予め決められた操作の状態以外の状況を把握することが困難となっていた。すなわち、会計装置で顧客により処理される全体の処理の中で何れの処理段階まで完了しているかを直感的に容易に把握することが困難となっていた。また、例えば、顧客による会計処理の処理中の状態が長時間となっている場合に、従業員は、どれくらい時間が経過しているか容易に把握できず、顧客対応をすべき状態にあるか否かを感覚的に判断するしかなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、会計装置の状態を容易に把握することが可能な商品販売データ処理装置、及び表示制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、商品販売データ処理装置は、受信部、表示部、及び変更部を有する。受信部は、会計装置から複数の処理段階における現在の処理状況を表すデータを受信する。表示部は、前記複数の処理段階のそれぞれに対応する、前記処理段階を表す画像を含む状態画像を表示する。変更部は、前記受信部により受信されるデータに基づいて、前記状態画像における現在の処理状況までの処理段階の画像の表示形態を変更するものであって、前記受信部により受信されるデータに応じて、前記処理段階における操作が可能な状態となってからの経過時間を計測し、前記経過時間が予め設定された第1時間を経過した場合に前記画像に代えて第2時間に到達するまでの残り時間を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態のセミセルフタイプのチェックアウトシステムにおける登録装置と複数の会計装置の配置を示す平面図。
【
図2】本実施形態における登録装置の外観の一例を示す斜視図。
【
図3】本実施形態におけるコンビネーションキーボードの一例を示す図。
【
図4】本実施形態における登録装置及び会計装置の構成を示すブロック図。
【
図5】本実施形態におけるタッチパネルに表示される状態遷移画像の一例を示す図。
【
図6】本実施形態における登録装置の状態遷移画像を表示するための処理を説明するためのフローチャート。
【
図7】本実施形態における登録装置の状態遷移画像を表示するための処理を説明するためのフローチャート。
【
図8】本実施形態における登録装置の状態遷移画像を表示するための処理を説明するためのフローチャート。
【
図9】本実施形態における会計装置の処理を説明するためのフローチャート。
【
図10】本実施形態における状態画像の表示形態の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態におけるチェックアウトシステムは、例えばスーパーマーケットなどの店舗に設置される。以下の説明では、セミセルフタイプのチェックアウトシステムが使用されているものとして説明する。セミセルフタイプのチェックアウトシステムは、主に従業員の操作により登録処理を実行する登録装置(商品販売データ処理装置)と、登録処理により生成される取引情報をもとに顧客の操作により決済処理を実行する会計装置とが設けられる。
【0010】
図1は、本実施形態のセミセルフタイプのチェックアウトシステムにおける登録装置10(10A,10B)と複数の会計装置12(12A1,12A2,12B1,12B2)の配置を示す平面図である。
図1に示すチェックアウトシステムは、2台の登録装置10A,10Bが設けられている。登録装置10Aの近傍には、登録装置10Aにおいて生成される取引情報をもとに決済処理が実行する2台の会計装置12A1,12A2が設けられている。登録装置10Bの近傍には、同様にして、において生成される取引情報をもとに決済処理が実行する2台の会計装置12B1,12B2が設けられている。
【0011】
登録装置10Aは、買物客4(4A-1)が購入しようとする商品の商品コードを入力して、商品コードをもとに会計装置12における決済処理に使用される取引情報を生成する。登録装置10Aは、1つの取引毎に取引情報を生成する。取引情報には、少なくとも1つの商品についての情報と、決済対象とする金額(取引合計金額)を含む。登録装置10Aは、チェッカーと呼ばれる商品登録操作をする従業員2-1によって操作される。また、登録装置10Aは、取引情報に基づいて、チェッカーの操作により会計装置12と同様の決済処理をする機能を有している。
【0012】
会計装置12A1,12A2は、登録装置10Aにより生成された取引情報を受信し、この取引情報に基づく決済処理をする。会計装置12A1,12A2は、買物客4(4A-2,4A-3)により操作される。
図1では、2台の会計装置12A1,12A2が配置された例を示している。3台以上の会計装置12が設けられていても良い。
【0013】
登録装置10Bは、登録装置10Aと同様にして、買物客4(4B-1)が購入しようとする買上商品を登録して取引情報を生成する。登録装置10Bは、従業員2-2(チェッカー)によって操作される。また、登録装置10Bは、取引情報に基づいて、チェッカーの操作により会計装置12と同様の決済処理をする機能を有している。
【0014】
会計装置12B1,12B2は、登録装置10Bにより生成された取引情報を受信し、この取引情報に基づく決済処理をする。会計装置12B1,12B2は、買物客4(4B-2,4B-3)により操作される。
【0015】
なお、本実施形態におけるチェックアウトシステムは、登録装置10の台数について限定されない。また、登録装置10により生成された取引情報は、基本的には、取引情報を生成した登録装置10の近傍に設置された会計装置12において決済処理が実行されるが、離れた場所に設置された会計装置12において決済処理が実行されても良い。例えば、登録装置10Aにより生成された取引情報は、会計装置12Bまたは会計装置12Bによって決済処理が実行されても良い。
【0016】
図2は、本実施形態における登録装置10(10A,10B)の外観の一例を示す斜視図である。
図2に示すように、登録装置10は、釣銭機11e、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j(キーボード11ja、タッチパネル11jb)、プリンタ11k、カードリーダライタ11m、及びディスプレイ11nが設けられている。
【0017】
登録装置10は、規定のハウジングに対して、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j、プリンタ11k、ディスプレイ11nが脱着可能となるように構成されている。このため、登録装置10は、店舗での使用に適した、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j、プリンタ11k、ディスプレイ11nを個々に選択して実装させることができる。
【0018】
例えば、コンビネーションキーボード11jは、
図2及び
図3に示すように、キーボード11jaとタッチパネル11jbとが設けられた形態の他、タッチパネル11jbに代えて、より多くのキーが実装されたキーボードのみの形態のものがある。また、コンビネーションキーボード11jを実装せずに、タッチパネル11hからのみ従業員2による入力操作を受け付ける形態とすることもできる。本実施形態では、
図3に示すキーボード11jaとタッチパネル11jbとが設けられたコンビネーションキーボード11jが実装されているものとして説明する。
【0019】
同様にして、例えばディスプレイ11nは、顧客に対して情報を提供するための客面用として用いられるもので、画面サイズの異なる複数のユニットから何れかを選択して実装することができる。また、顧客による入力操作を受け付けられるように、ディスプレイ11nに代えてタッチパネルを実装することも可能である。
【0020】
図4は、本実施形態における登録装置10A及び会計装置12A1の構成を示すブロック図である。なお、登録装置10Bは、登録装置10と同様の構成を有するものとして詳細な説明を省略する。また、会計装置12A2,12B1,12B2は、会計装置12A1と同様の構成を有するものとして詳細な説明を省略する。
【0021】
登録装置10Aは、コンピュータの機能が実装されており、プロセッサ(CPU(central processing unit)等)11a、ROM(read-only memory)11b、RAM(random-access memory)11c、記憶ユニット11d、釣銭機11e、通信ユニット11f、スキャナ11g、タッチパネル11h、コンビネーションキーボード11j(キーボード11ja、タッチパネル11jb)、プリンタ11k、カードリーダライタ11m、及びディスプレイ11nを有する。
【0022】
プロセッサ11aは、ROM11b及びRAM11cに記憶されたオペレーティングシステム、ミドルウェア及びアプリケーションプログラムに基づいて、登録装置10としての各種の動作を実現するべく各部を制御するための回路である。
【0023】
ROM11b及びRAM11cは、プロセッサ11aにより実行される各種プログラムの他、プロセッサ11aが各種の処理を行う上で参照するデータを記録する。例えば、RAM11cには、商品の情報を登録する処理が実行される場合に、顧客による購入対象とする商品の情報が登録される登録商品テーブルが記録される。
【0024】
プロセッサ11aにより実行されるプログラムには、スキャナ11gを通じて商品の情報(商品コード等)を入力する処理、登録商品テーブルに登録された商品の情報に応じた決済処理に用いられる取引情報を生成する処理、取引情報をもとにした決済処理などを実行するための制御プログラムが含まれる。さらに、プロセッサ11aにより実行されるプログラムには、会計装置12において実行される決済処理の処理状況を表す画面を表示する表示制御プログラムが含まれる。プロセッサ11aは、表示制御プログラムを実行することにより、会計装置12から決済処理に含まれる複数の処理段階における現在の処理状況を表すデータを受信する受信部、複数の処理段階を表す状態画像(状態遷移画像)を表示する表示部、受信部により受信されるデータに基づいて、状態画像における現在の処理状況に応じた処理段階の範囲の表示形態を変更する変更部、会計装置12に設けられた釣銭機に収容された紙幣と硬貨の少なくとも一方の残量を示す在高データ、及び会計装置12に設けられたプリンタに収容された用紙の残量を示す残量データの少なくとも何れか一方を示す状態データを受信する状態データ受信部の各機能を実現する。
【0025】
記憶ユニット11dは、プロセッサ11aが各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ11aの処理によって生成されたデータを記憶する。記憶ユニット11dとしては、例えばEEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)、あるいはSSD(solid state drive)などを使用できる。
【0026】
釣銭機11eは、プロセッサ11aによる決済処理等と連動して、現金の入出金を自動的に行う装置であり、従業員2により投入される硬貨及び紙幣を収受(入金)し、釣銭とする硬貨及び紙幣を排出(出金)する。
通信ユニット11fは、例えばLAN14を介して、他の登録装置10B、複数の会計装置12、サーバ13との通信を行う。
【0027】
スキャナ11gは、例えば、光学的スキャンにより商品の情報を読み取って、商品に固有の商品コードを入力する。スキャナ11gは、固定式またはハンディ式の2次元コードスキャナとしても良いし、商品を撮影した画像から画像認識技術を利用して商品を識別するタイプとしても良い。また、スキャナ11gは、1つのタイプのみを設けても良いし、複数のタイプのものを設けても良い。
【0028】
タッチパネル11hは、従業員により入力操作がされるデバイスであり、表示デバイス及びタッチセンサを含む。表示デバイスは、GUI(Graphical User Interface)画面などの任意の画面を表示する。例えば、表示デバイスは、買い上げ対象として登録された商品に関する取引情報(商品名、金額など)の一覧リストや小計金額等を含む登録画面(商品一覧画面)、各種のメニュー、及びコマンドを入力するためのボタンなどを表示する。表示デバイスとしては、例えばカラーLCD(Liquid Crystal Display)等の周知のデバイスを利用できる。タッチセンサは、表示デバイスの表示面に重ねて配置される。タッチセンサは、表示デバイスの表示面への操作者のタッチ位置を検出し、その位置情報をプロセッサ11aへと送る。タッチセンサとしては、周知のデバイスを利用できる。
【0029】
コンビネーションキーボード11jは、従業員により入力操作がされるデバイスであり、例えば特定の機能が個々に割り当てられた複数のキーが配列されたキーボード11jaとタッチパネル11jbを有する。タッチパネル11jbは、例えばタッチパネル11hと同様に構成される。タッチパネル11jbは、常に表示する必要がない補足情報や、店内の従業員2で共有すべき情報(特売情報や店長からのメッセージなど)等が表示される。また、タッチパネル11jbには、タッチパネル11hに対する操作により実行されるチェック業務と直接関係ない画面を常に表示しておくことが可能である。このため、タッチパネル11jbには、例えば会計装置12の処理状況を表示する状態画像(状態遷移画像)を表示することで、従業員2に対して、会計装置12により実行される複数の処理段階の進捗状況を継続的に把握させることができる。
【0030】
プリンタ11kは、例えばサーマルプリンタまたはドットインパクトプリンタなどであり、レシート用紙に対して各種の文字列、画像、コードパターン(バーコード、2次元コードなど)などを印刷することにより、商品名、単価、合計金額などの取引内容が印刷された取引レシート等を発行する。
【0031】
カードリーダライタ11mは、カードに記録されたデータを読み取るとともに、カードへデータを書き込む。カードは、クレジットカード、デビットカード、電子マネーカード、プリペイドカードなどの決済用カードの他に、メンバーズカード、ポイントカードなどの決済処理に関わる情報を記録する各種のカードを含む。カードリーダライタ11mは、磁気式、接触式、あるいは非接触式の何れのデバイスであっても良いし、また複数種のデバイスを含んでいても良い。
【0032】
ディスプレイ11nは、例えば顧客に対して情報を提供するための客面用として用いられるデバイスであり、カラーLCD等の周知のデバイスを利用できる。
【0033】
会計装置12A1は、コンピュータの機能が実装されており、プロセッサ(CPU等)12a、ROM(read-only memory)12b、RAM(random-access memory)12c、記憶ユニット12d、釣銭機12e、通信ユニット12j、スキャナ12f、タッチパネル12g、プリンタ12h、及びカードリーダライタ12iを有する。なお、会計装置12A1に設けられる各部は、登録装置10Aの同じ名称の各部と同様に機能するものとして詳細な説明を省略する。
【0034】
なお、プロセッサ12aは、ROM12bあるいはRAM12cに記憶された決済処理プログラムに基づいて、登録装置10Aの登録処理により生成された取引情報をもとに決済処理を実行する。決済処理では、複数の処理段階における現在の処理状況を表すデータを登録装置10Aに対して送信する。また、プロセッサ12aは、釣銭機12eに収容された紙幣と硬貨の少なくとも一方の残量を示す在高データ、及びプリンタ12hに収容されたレシート用紙の残量を示す残量データの少なくとも何れか一方を示す状態データを会計装置12A1に送信する。
【0035】
釣銭機12eには、収納された紙幣と硬貨の在高を検出する機能が設けられる。釣銭機12eには、例えば紙幣収納部、硬貨収納部とが設けられている。紙幣収納部は、金種別の紙幣収納庫を備えており、各紙幣収納庫に収納あるいは出庫される紙幣を収納センサにより検出し、金種ごとの紙幣収納庫にそれぞれ収納された紙幣の枚数を計数する。硬貨収納部は、金種別の硬貨収納庫を備えており、各硬貨収納庫に収納される硬貨を収納センサにより検出し、金種別の硬貨収納庫に収納される貨幣の枚数を計数する。
【0036】
釣銭機12eは、収納センサによる検出に応じて計数された、紙幣収納部と硬貨収納部のそれぞれに収納された紙幣と硬貨の金種毎の枚数を示す在高データを、所定の送信タイミングにおいてプロセッサ12aに送信することができる。
【0037】
なお、紙幣と硬貨だけでなく、釣銭機12eの棒金保管装置に収容された包装硬貨(棒金)の在高を示す在高データを送信するようにしても良い。棒金の在高データは、例えば複数の金種毎の在高を示すものとする。
【0038】
プリンタ12hは、例えばロール状に巻回されたレシート用紙が収納されており、取引毎にレシートとして必要な分が引き出されて取引内容が印刷され、カットして排出される。プリンタ12hには、レシート用紙に巻回された用紙の残量を検出する機能が設けられる。例えば、プリンタ12hは、レシート用紙が所定の残量(ニアエンプティ状態)になったことを検出する残量センサが設けられており、この残量センサにより検出された残量を示す残量データをプロセッサ12aに対して送信することができる。
【0039】
サーバ13は、チェックアウトシステム全体を管理するストアサーバである。サーバ13は、コンピュータの機能が実装されており、例えばプロセッサ、ROM、RAM、記憶ユニット、通信ユニット、ディスプレイ、キーボード、プリンタを有する。サーバ13のプロセッサは、登録装置10Aと同様にして、表示制御プログラムを実行することにより、受信部、表示部、変更部、状態データ受信部の各機能を実現することができる。サーバ13は、会計装置12からLAN14を通じて現在の処理状況を表すデータを受信し、このデータに基づいて会計装置12における処理状況を表す状態画像(状態遷移画像)を表示することができる。
【0040】
次に、本実施形態における登録装置10A(商品販売データ処理装置)の動作について説明する。
登録装置10Aは、買い上げ対象とする商品の登録処理を行うモードで起動されると、プロセッサ11aによる、ROM11bまたは記憶ユニット11dに記憶された制御プログラムに基づく制御処理を開始する。
【0041】
プロセッサ11aは、制御処理を開始すると、RAM11cに記録される登録商品テーブルをクリアし、タッチパネル11hに登録画面を表示させる。登録画面は、登録商品テーブルに登録された商品の情報などを表示するためのもので、登録処理の実施状況を従業員2に確認させるための画面である。
【0042】
また、プロセッサ11aは、タッチパネル11jbに、常時、会計装置12A,11Bの処理状況を表す状態遷移画像を表示させる場合には、ROM11bまたは記憶ユニット11dに記憶された表示制御プログラムに基づく状態画像表示処理を開始する。プロセッサ11aは、状態画像表示処理を開始すると、タッチパネル11jbに状態遷移画像を表示させる。なお、常時、タッチパネル11jbに状態遷移画像を表示させない場合には、プロセッサ11aは、必要に応じて、常に表示する必要がない補足情報や、店内の従業員2で共有すべき情報(特売情報や店長からのメッセージなど)等を表示させる。この場合、従業員2は、会計装置12の動作状況の確認が必要となった場合などに、登録装置10Aに対する所定の操作により状態遷移画像の表示を指示する。プロセッサ11aは、従業員2による所定の操作に応じて、状態画像表示処理を実行して状態遷移画像をタッチパネル11jbに表示させる。
【0043】
図5は、本実施形態におけるタッチパネル11jbに表示される状態遷移画像SCの一例を示す図である。
図5に示す状態遷移画像SCには、会計装置12A1の処理状況を表す第1状態遷移画像SC1と、会計装置12A2の処理状況を表す第2状態遷移画像SC2が含まれている。
【0044】
なお、
図5では、複数の会計装置12A1,12A2に対応する第1状態遷移画像SC1と第2状態遷移画像SC2を1画面に表示する例を示しているが、第1状態遷移画像SC1と第2状態遷移画像SC2をそれぞれ1画面に表示するようにしても良い。この場合、プロセッサ11aは、例えば従業員2の所定の操作に応じて、第1状態遷移画像SC1と第2状態遷移画像SC2を個別に表示する画面に切り替えるものとする。また、登録装置10Aの近傍に配置された会計装置12A1,12A2に対応する状態遷移画像だけでなく、他の登録装置10Bの近傍に配置された会計装置12B1,12B2に対応する状態遷移画像を表示することも可能である。タッチパネル11jbは、タッチパネル11hと独立して設けられているため、状態遷移画像を表示することで登録画面が隠されることがないので、登録処理等の妨げとなることはない。
【0045】
図5に示す第1状態遷移画像SC1は、会計装置12A1の処理段階を表示するための状態画像41-1、会計装置12A1の釣銭機12eに収納された紙幣及び硬貨の在高を表示するための在高表示画像42-1、及び会計装置12A1のプリンタ12hに収納されたレシート用紙の残量を表示するための残量表示画像43-1を含む。
【0046】
状態画像41-1は、会計装置12A1から受信される現在の処理状況を表すデータに基づいて、会計装置12A1が実行する複数の処理段階のうち、現在の処理状況が何れの段階にあるかが状態遷移によって表示される。本実施形態では、会計装置12A1が実行する複数の処理段階として、例えば「待機」「操作開始」「締め前」「お釣出金」「レシート」の5段階があるものとして説明する。
図5では、複数の処理段階をそれぞれ図形と図形内の文字により表示する例を示している。その他、状態遷移を従業員2が容易に把握できる形態であれば、静止画像、動画、文字のみなど、他の表示形態を用いることも可能である。会計装置12A1の処理段階は、前述したものに限らない。
【0047】
在高表示画像42-1と残量表示画像43-1は、会計装置12A1から受信される釣銭機12eとプリンタ12hの状態を示す状態データに基づいて表示される。
在高表示画像42-1は、釣銭機12eに収納された紙幣及び硬貨の金種の在高を例えば枚数によって表す。また、在高表示画像42-1では、在高が予め設定された枚数より少なくなった場合に、ニアエンプティ表示「N」42Nが金種別に付加される。なお、在高が予め設定された収容可能な枚数を越えた(あるいは予め設定された枚数より多くなった)場合に、フル表示「F」(第2状態遷移画像SC2に示す「F」42F)が金種別に付加される。
【0048】
残量表示画像43-1は、プリンタ12hに収納されたレシート用紙の残量を表す。本実施形態では、例えば残量が十分に残っている「正常」、残量が予め設定された値以下となっている「ニアエンド」、レシート用紙切れとなっている「残量なし」を表示する。
【0049】
なお、
図5に示す第2状態遷移画像SC2は、会計装置12A2の処理段階を表示するための状態画像41-2、会計装置12A2の釣銭機に収納された紙幣及び硬貨の在高を表示するための在高表示画像42-2、及び会計装置12A2のプリンタに収納されたレシート用紙の残量を表示するための残量表示画像43-2を含む。第2状態遷移画像SC2は、第1状態遷移画像SC1と同様に表示されるものとして詳細な説明を省略する。
【0050】
図6は、本実施形態における登録装置10Aの状態遷移画像SC(在高表示画像、残量表示画像)を表示するための処理を説明するためのフローチャートである。ここでは、会計装置12A1に対応する第1状態遷移画像SC1の在高表示画像42-1及び残量表示画像43-1の表示を例にして説明する。なお、会計装置12A2に対応する第2状態遷移画像SC2(在高表示画像42-2及び残量表示画像43-2)についても同様の処理を実行するものとして説明を省略する。
プロセッサ11aは、会計装置12A1から釣銭機12eの在高データを受信するタイミングである場合(Act1、Yes)、会計装置12A1から送信される釣銭機12eの在高データを受信する。在高データには、釣銭機12eに収納された複数の金種別の紙幣、貨幣の在高をそれぞれ示すデータが含まれている。受信タイミングとしては、例えば登録装置10Aから例えば予め決められた時間毎に、会計装置12A1に対して釣銭機12eの在高データを送信する要求を出しても良いし、会計装置12A1のプロセッサ12aが釣銭機12eから予め決められた時間毎に在高データを取得して登録装置10Aに送信するようにしても良い。また、釣銭機12eにおける在高(紙幣、貨幣)に予め設定された変化(減少量)があった場合に、会計装置12A1は、釣銭機12eから在高データを取得して登録装置10Aに送信するようにしても良い。
【0051】
プロセッサ11aは、会計装置12A1から釣銭機12eの在高データを受信すると(Act2)、タッチパネル11jbに表示している状態遷移画像SCの在高表示画像42-1の表示内容を更新する(Act3)。
【0052】
ここで、在高データをもとに警告表示が必要であることが判別される場合(ニアエンプティ、またはフル)、プロセッサ11aは、警告を表す表示(ニアエンプティ表示「N」、またはフル表示「F」)を付加する。例えば、
図5に示す例では、100円硬貨がニアエンプティの状態にあるため、100円硬貨の枚数表示「18枚」に「N」42Nを付加している。なお、警告表示をする場合には、背景色を、警告を表す色に変更するなど、表示形態を通常とは異なる形態にすることで従業員2が容易に認識できるようにする。
【0053】
一方、プロセッサ11aは、会計装置12A1からプリンタ12kの残量データを受信するタイミングである場合(Act6、Yes)、会計装置12A1から送信されるプリンタ12kの残量データを受信する。残量データは、プリンタ12kに収納されたレシート用紙の残量を示すもので、例えば残量が十分に残っている「正常」、残量が予め設定された値以下となっている「ニアエンド」、レシート用紙切れとなっている「残量なし」の何れかを示す。受信タイミングとしては、例えば登録装置10Aから例えば予め決められた時間毎に、会計装置12A1に対してプリンタ12kの残量データを送信する要求を出しても良いし、会計装置12A1のプロセッサ12aがプリンタ12kから予め決められた時間毎に残量データを取得して登録装置10Aに送信するようにしても良い。また、プリンタ12kにおける残量に予め設定された変化(減少量)があった場合に、会計装置12A1は、プリンタ12kから残量データを取得して登録装置10Aに送信するようにしても良い。
【0054】
なお、会計装置12A1は、プリンタ12kのレシート用紙について「ニアエンド」あるいは「残量なし」となった場合のみ従業員2に通知(警告)が必要とする場合には、プリンタ12kにおいてレシート用紙が「ニアエンド」あるいは「残量なし」の状態となったタイミングで残量データを受信するようにしても良い。
【0055】
プロセッサ11aは、会計装置12A1からプリンタ12kの残量データを受信すると(Act7)、残量データが「ニアエンド」あるいは「残量なし」の警告表示が必要な状態を示すかを判別する。ここで、残量データをもとに警告表示が必要であると判別される場合(Act8、Yes)、プロセッサ11aは、残量表示画像43-1の表示を、残量データが示す「ニアエンド」あるいは「残量なし」に変更する。なお、警告表示をする場合には、背景色を、警告を表す色に変更するなど、表示形態を通常とは異なる形態にすることで従業員2が容易に認識できるようにする。
【0056】
なお、会計装置12A1から釣銭機12eの在高データを受信するタイミング(Act1)と、プリンタ12kの残量データを受信するタイミング(Act6)は、同じであっても良いし、それぞれ異なるタイミングであっても良い。
【0057】
また、前述した説明では、タッチパネル11jbにおいて状態遷移画像を表示させるとしているが、タッチパネル11hにおいて表示させるようにしても良い。例えば、登録処理が実行されていない場合など、タッチパネル11hに表示された画面を使用する作業が行われていない場合などには、従業員2の入力操作による指示に応じて、状態遷移画像をタッチパネル11hに表示する。
【0058】
このようにして、状態遷移画像SC(第1状態遷移画像SC1)の在高表示画像42-1及び残量表示画像43-1では、会計装置12A1の釣銭機12eに収納された紙幣と硬貨の在高とプリンタ12kに収納されたレシート用紙の残量を表示させることができる。これにより、従業員2は、釣銭機12eとプリンタ12kの状態を第1状態遷移画像SC1から同時に把握することができる。従って、釣銭機12eとプリンタ12kのそれぞれにおいて、個々に発生する補充作業が必要な状況に対して、逐一、個別に対応する必要がなくなり、釣銭機12eとプリンタ12kに対する補充作業を効率的に実行することが可能となる。同様にして、第2状態遷移画像SC2の在高表示画像42-2及び残量表示画像43-2では、会計装置12A2の釣銭機に収納された紙幣と硬貨の在高とプリンタに収納されたレシート用紙の残量を表示させることができる。従って、複数の会計装置12A1,12A2の在高とレシート用紙の残量をまとめて把握することができ、補充作業の効率化を図ることができる。
【0059】
図7及び
図8は、本実施形態における登録装置10Aの状態遷移画像SC(状態画像)を表示するための処理を説明するためのフローチャートである。ここでは、会計装置12A1に対応する第1状態遷移画像SC1の状態画像41-1の表示を例にして説明する。
図9は、本実施形態における会計装置12A1の処理を説明するためのフローチャートである。
図10は、本実施形態における状態画像41-1の表示形態の一例を示す図である。なお、会計装置12A2に対応する第2状態遷移画像SC2(状態画像41-2)についても同様の処理を実行するものとして説明を省略する。
【0060】
従業員2の操作によりスキャナ11gから商品に付された商品コードが読み取られたことを検出すると、プロセッサ11aは、商品コードに対応する商品の情報を登録商品テーブルに登録(更新)する。また、プロセッサ11aは、更新後の登録商品テーブルの内容に応じて、登録画面の商品の情報を更新する。その後、プロセッサ11aは、前述したように、従業員2がスキャナ11gにより商品コードを読み取らせる操作がされる毎に、取得された商品コードに応じた商品の情報を、順次、登録商品テーブルに追加する。
【0061】
こうして、少なくとも1つの商品が登録された後、プロセッサ11aは、例えば小計ボタンが操作されたことを検出した場合(Act21、Yes)、登録商品テーブルに登録された内容に基づいて、登録商品テーブルに登録された商品に関する決済処理のための取引情報を生成する。取引情報には、登録商品のリストや、買上商品の合計個数および合計金額などの情報を含む。プロセッサ11aは、取引情報をもとに決済処理を実行させる、例えば会計装置12A1に取引情報を送信する。
【0062】
また、プロセッサ11aは、取引情報を送信してから会計装置12A1において操作が開始されるまでの「待機」時間の計測を開始する(Act22)。また、プロセッサ11aは、状態画像41-1の「待機」の処理段階に対応する図形の表示形態を変更する(Act23)。すなわち、会計装置12A1における処理段階が「待機」の状態にあることを示すように表示する。なお、表示形態の変更としては、特定の色表示に変更するなど、通常とは異なる形態にする。
【0063】
図10(A)は、状態画像41-1の「待機」の処理段階に対応する図形ST1を、「待機」の処理段階に到達したことを表す図形ST1Bの表示形態に変更した状態を示している。図形ST1Bは、「操作開始」「締め前」「お釣出金」「レシート」の他の処理段階にそれぞれ対応する図形ST2,ST3,ST4,ST5とは異なる表示形態となっている。このため、状態画像41-1の表示を参照することで、会計装置12A1の処理段階が「待機」であることを把握することができる。
【0064】
一方、会計装置12A1のプロセッサ12aは、登録装置10Aから取引情報を受信すると、買物客4の操作を受け付けるための待機画面をタッチパネル12gに表示させる(Act41)。待機画面は、支払い方法(現金、クレジット)を選択させるための選択ボタンが設けられた画面とする。
【0065】
登録装置10Aのプロセッサ11aは、会計装置12A1において買物客4による操作が開始(操作開始通知が受信される)まで時間の計測をする(Act22~26)。この間、プロセッサ11aは、計測されている時間が予め設定された「待機」時間を経過したか判別する(Act24)。
【0066】
「待機」時間が経過したと判別される場合(Act24、Yes)、プロセッサ11aは、状態画像41-1において「待機」時間が経過したことを表す警告表示をする。ここでは、例えば「待機」時間として2つの時間が予め設定されているものとする。
【0067】
第1の「待機」時間として、例えば、会計装置12A1に対して決済処理のための操作が可能な状態(取引情報の受信)となってから実際に買物客4により操作が開始されるまでの想定時間が設定される。すなわち、通常の買物客4であれば操作を開始する想定時間(例えば、20秒)を設定しておく。これにより、第1の「待機」時間が経過しても操作が開始されない場合に、トラブル発生などのために従業員2が買物客4の対応をする必要があることを判断できるようにする。
【0068】
第2の「待機」時間として、第1の「待機」時間より短い時間が設定される。すなわち、第1の「待機」時間の到達に近づいていることを従業員2に通知する表示の開始時間(例えば、10秒)を設定しておく。
【0069】
プロセッサ11aは、第2の「待機」時間が経過したことを判別した場合(Act24、Yes)、警告表示として、第1の「待機」時間に到達するまでの時間を示す数字を表示する表示形態に変更する(Act25)。
【0070】
図10(B)は、状態画像41-1の「待機」の処理段階に対応する図形ST1において、第1の「待機」時間に到達するまでの残り時間(8秒)を表示した図形ST1Tの一例を示している。プロセッサ11aは、図形ST1Tに表示する残り時間を示す数字を時間経過に伴って変更する。従って、従業員2は、状態画像41-1において、
図10(A)に示す図形ST1の表示が図形ST1Tに変更されることで、買物客4が直ちに操作をしていないことを把握することができ、通常であれば操作を開始する想定時間までの残り時間を継続して認識することができる。このため、従業員2は、操作を開始できない買物客4に注意を払い、買物客4について対応する準備などをすることができる。
【0071】
また、プロセッサ11aは、第1の「待機」時間が経過したことを判別した場合(Act24、Yes)、警告表示として、第1の「待機」時間に到達したことを表す警告表示の形態に図形ST1を変更する(Act25)。例えば、トラブル発生などのために買物客4が操作を開始できない可能性があるため、直ちに買物客4について対応するよう促すために、図形ST1を赤色により点滅表示させるなどして、特別に従業員2が認識できる表示形態に変更する。これにより、従業員2が直ちに買物客4に対応することが可能となる。
【0072】
一方、会計装置12A1のプロセッサ12aは、待機画面に対する支払い方法を選択する買物客4による操作を検出すると(Act42、Yes)、登録装置10Aに対して操作開始通知を送信する(Act43)。登録装置10Aのプロセッサ11aは、会計装置12A1から操作開始通知を受信すると(Act26、Yes)、状態画像41-1の「操作開始」の処理段階に対応する図形ST2の表示形態を変更して、会計装置12A1における処理段階が「操作開始」の状態にあることを示すように表示する(Act27)。なお、図形ST1について警告表示をしていた場合には、図形ST2と同様に、通常の処理段階に到達したことを表す表示形態に変更するものとする。
【0073】
また、プロセッサ11aは、操作が開始されてから会計装置12A1において締め操作がされるまでの「締め前」時間の計測を開始する(Act28)。さらに、プロセッサ11aは、状態画像41-1の「締め前」の処理段階に対応する図形ST3の表示形態を変更して、会計装置12A1における処理段階が「締め前」の状態にあることを示すように表示する(Act29)。
【0074】
図10(C)は、状態画像41-1の「締め前」の処理段階に対応する図形ST3までの表示形態を変更した状態を示している。
図10(C)に示すように、状態画像41-1では、処理段階「締め前」までの各処理段階「待機」「操作開始」「締め前」まで到達したことを表す表示形態に変更された図形ST1B,ST2B,ST3Bが表示されている。
【0075】
登録装置10Aのプロセッサ11aは、会計装置12A1において買物客4による操作が開始されてから締め操作がされるまでの時間を計測している間、計測されている時間が予め設定された「締め前」時間を経過したか判別する(Act30)。
【0076】
「待機」時間が経過したと判別される場合(Act30、Yes)、プロセッサ11aは、状態画像41-1において「締め前」時間が経過したことを表す警告表示をする。ここでは、例えば「締め前」時間として、「待機」時間と同様に2つの時間が予め設定されているものとする。
【0077】
第1の「締め前」時間として、例えば、会計装置12A1が決済処理のための操作が可能な状態(取引情報の受信)となってから締め操作(支払い操作の完了)がされるまでの想定時間が設定される。すなわち、通常の買物客4であれば締め操作が完了する想定時間(例えば、40秒)を設定しておく。これにより、第1の「締め前」時間が経過しても締め操作が完了しない場合に、トラブル発生などのために従業員2が買物客4の対応をする必要があることを判断できるようにする。
【0078】
第2の「締め前」時間として、第1の「締め前」時間より短い時間が設定される。すなわち、第1の「締め前」時間の到達に近づいていることを従業員2に通知する表示の開始時間(例えば、30秒)を設定しておく。
【0079】
プロセッサ11aは、第2の「締め前」時間が経過したことを判別した場合(Act30、Yes)、警告表示として、第1の「締め前」時間に到達するまでの時間を示す数字を表示する表示形態に変更する(Act31)。
【0080】
図10(D)は、状態画像41-1の「締め前」の処理段階に対応する図形ST3Bにおいて、第1の「締め前」時間に到達するまでの残り時間(25秒)を表示した図形ST3Tの一例を示している。プロセッサ11aは、図形ST3Tに表示する残り時間を示す数字を時間経過に伴って変更する。従って、従業員2は、状態画像41-1において、
図10(C)に示す図形ST3Bの表示が図形ST3Tに変更されることで、買物客4が締め操作を完了していないことを把握することができ、通常であれば締め操作を完了する想定時間までの残り時間を継続して認識することができる。このため、従業員2は、締め操作(例えば、入金操作、クレジットカードの挿入操作などを含む)を完了できない買物客4に注意を払い、買物客4について対応する準備などをすることができる。
【0081】
また、プロセッサ11aは、第1の「締め前」時間が経過したことを判別した場合(Act30、Yes)、警告表示として、第1の「締め前」時間に到達したことを表す警告表示の形態に図形ST3を変更する(Act31)。例えば、締め操作の方法が分からないなどのために買物客4が締め操作を完了できない可能性があるため、直ちに買物客4について対応するよう促すために、図形ST3を赤色により点滅表示させるなどして、特別に従業員2が認識できる表示形態に変更する。これにより、従業員2が直ちに買物客4に対応することが可能となる。
【0082】
一方、会計装置12A1のプロセッサ12aは、決済処理のために必要な操作(入金、クレジットカードの挿入)がされ(Act44)、締め操作されたことを検出すると(Act45、Yes)、登録装置10Aに対して締め通知を送信する(Act46)。登録装置10Aのプロセッサ11aは、会計装置12A1から締め通知を受信すると(Act32、Yes)、状態画像41-1の「お釣出金」の処理段階に対応する図形ST4の表示形態を変更して、会計装置12A1における処理段階が「お釣出金」の状態にあることを示すように表示する(Act33)。なお、図形ST3について警告表示をしていた場合には、図形ST4と同様に、通常の処理段階に到達したことを表す表示形態に変更するものとする。
【0083】
会計装置12A1のプロセッサ12aは、お釣りの出金が完了した場合、あるいはお釣りがない、及びクレジットカードによる支払いの場合に(Act47、Yes)、登録装置10Aに対してお釣り出金通知を送信する(Act48)。登録装置10Aのプロセッサ11aは、会計装置12A1からお釣り出金通知を受信すると(Act34、Yes)、状態画像41-1の「レシート」の処理段階に対応する図形ST5の表示形態を変更して、会計装置12A1における処理段階が「レシート」発行に到達した状態にあることを示すように表示する(Act35)。
【0084】
図10(E)は、状態画像41-1の「レシート」の処理段階に対応する図形ST5までの表示形態を変更した状態を示している。
図10(E)に示すように、状態画像41-1では、処理段階「レシート」までの全ての処理段階まで到達したことを表す表示形態に変更された図形ST1B~ST5Bが表示されている。
【0085】
会計装置12A1のプロセッサ12aは、お釣りの出金が完了した後、プリンタ12hによりレシートを発行するレシート発行処理を実行し(Act49)、レシート発行が完了すると(Act50、Yes)、登録装置10Aに対してレシート発行通知を送信する(Act51)。登録装置10Aのプロセッサ11aは、会計装置12A1からレシート発行通知を受信すると(Act36、Yes)、状態画像41-1の表示をクリアして初期の状態に戻す(Act37)。すなわち、会計装置12A1における決済処理が完了したことを表す表示形態に変更する。
【0086】
このようにして、本実施形態における登録装置10Aでは、会計装置12A1で実行される全体の処理を複数段階に分けて、第1状態遷移画像SC1の状態画像41-1として表示し、進捗状況に応じて該当する処理段階の表示を変更していくことができる。すなわち、状態画像41-1では、会計装置12A1における処理の移行に応じて、状態遷移により到達した処理段階を表示するので、全体の処理における現在の処理段階を直感的に容易に把握することができる。
【0087】
なお、前述した説明では、登録装置10Aにおいて実行される場合について説明しているが、登録装置10Bあるいはサーバ13において、同様の処理を実行することが可能である。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0089】
また、前述した実施の形態において記載した処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD等)、半導体メモリなどの記録媒体に書き込んで各種装置に提供することができる。また、通信媒体により伝送して各種装置に提供することも可能である。コンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、または通信媒体を介してプログラムを受信し、このプログラムによって動作が制御されることにより、上述した処理を実行する。
【符号の説明】
【0090】
10(10A,10B)…登録装置、12(12A1,12A2,12B1,12B2)…会計装置、13…サーバ、11a,12a…プロセッサ、11j…コンビネーションキーボード、11ja…キーボード、11jb…タッチパネル、SC…状態遷移画像、41-1…状態画像、42-1…在高表示画像、43-1…残量表示画像。