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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】光電センサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/12 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
H01L31/12 D
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2017066457
(22)【出願日】2017-03-29
(65)【公開番号】P2018170394
(43)【公開日】2018-11-01
【審査請求日】2020-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】100098187
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100085707
【弁理士】
【氏名又は名称】神津 堯子
(72)【発明者】
【氏名】大津 信一郎
【審査官】吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-077234(JP,U)
【文献】特開2002-071553(JP,A)
【文献】特開平06-085644(JP,A)
【文献】特開2003-282937(JP,A)
【文献】特開2012-112684(JP,A)
【文献】特開平06-251669(JP,A)
【文献】特開2008-177087(JP,A)
【文献】米国特許第04279465(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出光を検出領域に向けて投光する発光素子と、
前記検出領域からの検出光を受光する受光素子と、
前記発光素子に光結合される投光用光伝搬部材が接続される投光用接続部と、
前記受光素子に光結合される受光用光伝搬部材が接続される受光用接続部と、
前記受光素子で生成された受光信号としきい値とを比較して比較結果を示す検出信号を生成する信号生成部と、
前記受光用接続部に光結合され、前記受光素子の受光面であって、前記受光用接続部に対面する主なる受光面の上に配置された第1表示用発光素子と、
波長選択性の光吸収能力を備えたフィルタ部材と、
前記受光素子の上に前記フィルタ部材を介して設けられた前記第1表示用発光素子とが配置された実装基板と、を有する光電センサ。
【請求項2】
検出光を検出領域に向けて投光する発光素子と、
前記検出領域からの検出光を受光する受光素子と、
前記発光素子に光結合される投光用光伝搬部材が接続される投光用接続部と、
前記受光素子に光結合される受光用光伝搬部材が接続される受光用接続部と、
前記受光素子で生成された受光信号としきい値とを比較して比較結果を示す検出信号を生成する信号生成部と、
前記受光用接続部に光結合された第1表示用発光素子と、
前記受光素子と前記第1表示用発光素子とが設けられる実装基板と、
前記受光素子及び前記第1表示用発光素子を包囲する共通の透明部材と、を有する光電センサ。
【請求項3】
検出光を検出領域に向けて投光する発光素子と、
前記検出領域からの検出光を受光する受光素子と、
前記発光素子に光結合される投光用光伝搬部材が接続される投光用接続部と、
前記受光素子に光結合される受光用光伝搬部材が接続される受光用接続部と、
前記受光素子で生成された受光信号としきい値とを比較して比較結果を示す検出信号を生成する信号生成部と、
前記受光用接続部に光結合された第1表示用発光素子と、
前記第1表示用発光素子と前記受光素子のうち一方が他方を介して位置決めされた実装基板と、を有し、
前記第1表示用発光素子が前記実装基板上に設けられ、
前記受光素子がリードフレームを介して前記実装基板に実装され、
該受光素子がモールド樹脂で包囲され、
前記第1表示用発光素子が前記受光素子のモールド樹脂を介して前記受光用接続部と光結合されている、光電センサ。
【請求項4】
前記受光素子と前記第1表示用発光素子が、前記受光素子の受光面であって、前記受光用接続部に対面する主なる受光面の上に配置されている、請求項2に記載の光電センサ。
【請求項5】
前記受光素子と前記第1表示用発光素子が、前記受光素子の主なる受光面の上において、上下の関係で配置されている、請求項1に記載の光電センサ。
【請求項6】
前記受光素子の前記主なる受光面の面積が、前記第1表示用発光素子よりも大きな面積を有している、請求項4又は5に記載の光電センサ。
【請求項7】
前記受光素子と前記第1表示用発光素子との間に波長選択性の光吸収能力を備えたフィルタ部材が設けられている、請求項2又は3に記載の光電センサ。
【請求項8】
前記受光素子と前記第1表示用発光素子との間に光反射能力を備えた薄膜が設けられている、請求項1に記載の光電センサ。
【請求項9】
前記受光素子と前記第1表示用発光素子とが共通のモールド樹脂で包囲されている、請求項1、7又は8に記載の光電センサ。
【請求項10】
前記受光素子がフォトダイオードベアチップを有し、該フォトダイオードベアチップが前記実装基板に設けられている、請求項9に記載の光電センサ。
【請求項11】
前記第1表示用発光素子がLEDベアチップを有し、該LEDベアチップが前記実装基板に設けられている、請求項9又は10に記載の光電センサ。
【請求項12】
前記モールド樹脂で包囲された前記第1表示用発光素子が前記受光素子の上に配置されている、請求項9に記載の光電センサ。
【請求項13】
素子ホルダを更に有し、
該素子ホルダが、
前記投光用光伝搬部材が挿入される投光用ファイバ穴と、
前記受光用光伝搬部材が挿入される受光用ファイバ穴と、
前記発光素子を収容する投光部収容部と、
前記受光素子を収容する受光部収容部と、を備えている、請求項1~3のいずれか一項に記載の光電センサ。
【請求項14】
前記発光素子に隣接して配置された第2表示用発光素子と、
前記発光素子と前記第2表示用発光素子とが設けられた投光用実装基板とを有し、
前記第2表示用発光素子と前記発光素子が共に前記投光用接続部との光結合を保った状態で共通のモールド樹脂で包囲されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の光電センサ。
【請求項15】
検出光を検出領域に向けて投光する発光素子と、
前記検出領域からの検出光を受光する受光素子と、
前記発光素子に光結合される投光用光伝搬部材が接続される投光用接続部と、
前記受光素子に光結合される受光用光伝搬部材が接続される受光用接続部と、
前記受光素子で生成された受光信号としきい値とを比較して比較結果を示す検出信号を生成する信号生成部と、
前記投光用接続部に光結合された第2表示用発光素子と、
前記第2表示用発光素子と前記発光素子の各々が前記投光用接続部に位置決めされ配置された実装基板と、を有し、
前記受光素子と前記第2表示用発光素子が共に前記実装基板上に設けられ、
前記受光素子及び前記第2表示用発光素子が共通の透明部材で包囲されている光電センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光電センサに関し、より詳しくは、光ファイバのような光伝搬部材を通じてコントローラに光連結された投受光部を備えた分離型の光電センサに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、光伝搬部材つまり光ファイバの先端部で動作状態を確認できる反射型の光電センサを開示している。この光電センサは、投光用光ファイバの端に光結合された検出用投光素子(LED)と、受光用光ファイバの端に光結合された受光素子(フォトダイオード)とを有する分離型の光電センサである。投光用光ファイバの周囲には、複数の動作表示用光ファイバが配置されている。そして、この複数の動作表示用光ファイバの端に光結合された第1の動作表示用LEDを更に有し、同様に、受光用光ファイバの周囲には、複数の動作表示用光ファイバの端に光結合された第2の動作表示用LEDを更に有している。
【0003】
通常の動作の時には、投光素子(LED)からの検出光が投光用光ファイバにより投光される。物体により、この光が反射されると、この反射光が受光用光ファイバを通じて受光素子に検知される。
【0004】
受光が安定しているときには、つまり、しきい値レベルよりも高いしきい値レベルを有する比較回路によって、安定して物体を検出している状態では、第1、第2の動作表示用LEDが例えば緑色に点灯され、この状態を光ファイバの先端で確認することができる。また、物体を検知した時にも、その検知を光ファイバの先端で確認することができる。
【0005】
特許文献2は、分離型光電センサの本体つまりコントローラは、動作表示灯及び安定動作表示灯を備えていることを前提として、生産ラインに光電センサを設置する際の光学系の位置合わせ、つまり投光用光ファイバと受光用光ファイバとの相対的な位置決め、つまり光軸合わせを簡便化することを目的とした光電センサを提案している。
【0006】
この投受光用の光ファイバの相対的な位置決めは、コントローラの動作表示灯及び安定動作表示灯を確認しながら行われる。したがって、投受光用の光ファイバの相対的な位置決め作業つまり光軸合わせの作業がコントローラから遠く離れた場所で行われる場合には、投受光用の光ファイバの相対的な位置決めが実質的に困難になる。この問題を解消するために、コントローラにおいて、投光用LEDの隣に表示用LEDを並置することを提案している。これによれば、投光用LEDと光結合した光ファイバを使って表示用LEDの光を当該光ファイバの先端まで誘導することができる。
【0007】
特許文献3は、単一の検出ヘッドとコントローラとを有し、コントローラと検出ヘッドとを光ファイバで連結した分離型光電センサを開示している。この光電センサは、揮発性の液体を貯留したタンク周りの漏液の検出に適用される。検出ヘッドは検出面を有し、この検出面に向けて投光する。漏液によって検出面が濡れると、光は検出面を突き抜けてしまい、これを受光することができなくなる。このため受光量が減る。これによりタンクの液漏れを検出することができる。検出ヘッド内において、検出面に向けて光を誘導するその途中で光の一部を上方に分岐させる光分岐部を有し、この分岐した光を検出ヘッドの上方から視認可能にする表示部を有する。
【0008】
コントローラは、投光素子として赤色光源と黄色光源とを有し、これらは互いに直交する関係で配置され、そしてハーフミラーが介装されている。例えば、通常の動作時には赤色光源を使用し、漏液を検出したときには赤色光源から黄色光源に切り替える。これにより、正常時には表示部を通じて赤色を視認し、漏液時には表示部を通じて黄色を視認することができる。変形例として、正常時には赤色と黄色の2つの光源を一緒に点灯して表示部を通じてオレンジ色を視認させるようにしてもよい。更に変形例として、センサの取付不良、電気回路の故障、受光素子の劣化、光ファイバの折損などの異常を検出したとき、この異常検出動作時に投光素子としての発光態様を変化させることを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】実用新案出願公開平1-77234号公報
【文献】特開平6-85644号公報
【文献】特開2002-71553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図16は、分離型光電センサにおける投光部と受光部との間の相対的な位置決め、つまり投光ヘッド100と受光ヘッド200との光軸合わせを説明する図である。t0ないしt6は時間の経過を示す。投光ヘッド100と受光ヘッド200とを動かしながら両者の相対的な位置決めを行う。この図16の例では、t3のとき、光軸合わせが上手く行ったときであり、受光量が最大値となっている。
【0011】
受光量の最大値からX%(例えば10%)の範囲を光軸が合った受光量として設定し、そして受光量の最大値からX%低い受光量をしきい値として設定する。このしきい値よりも受光量が多い領域では、光軸が合致したときの受光量となる。そして、次に光軸調整するとき、つまり投光ヘッド100と受光ヘッド200との相対的な位置決めを行うときには、当該しきい値を用いて光軸調整が行われる。
【0012】
特許文献2でも明記している通り、投光ヘッド100、受光ヘッド200とコントローラとが離れている場合、コントローラの表示を確認できないため、投光ヘッド100と受光ヘッド200との光軸調整が難しいという問題を有している。
【0013】
図16を再び参照して、光軸が合ったとき、例えばt3のときに例えば受光ヘッド200が光ると、この光を目視することで光軸が合ったことを知ることができる。図16に、受光ヘッド200が光っている様子を星印で図示してある。すなわち、光軸調整の際に、コントローラの表示をいちいち確認しなくてもよい。換言すれば、コントローラの他に、受光ヘッド200を光らせることにより、この受光ヘッド200も実質的な表示手段を備えることになる。同じことは投光ヘッド100についても言える。例えば、投光ヘッド100と受光ヘッド200が共に光ることにより、投光ヘッド100と受光ヘッド200の対を目視で確認できる。このことは、複数の対の投光ヘッド100と受光ヘッド200とを並べて設置するときに、とても効果的である。
【0014】
このことを実現するために、特許文献1に開示の光電センサは、投光素子(LED)の端に光結合された投光用光ファイバの周囲に複数の動作表示用光ファイバを配置し、そして、この複数の動作表示用光ファイバの端に光結合された第1の動作表示用LEDを更に有し、同様に、受光素子(フォトダイオード)の端に光結合された受光用光ファイバの周囲に複数の動作表示用光ファイバを配置し、そして、この複数の動作表示用光ファイバの端に光結合された第2の動作表示用LEDを更に有している。
【0015】
特許文献2に開示の光電センサは、コントローラにおいて、投光用LEDの隣に表示用LEDを並置し、投光用LEDと光結合した光ファイバを使って表示用LEDの光を当該光ファイバの先端まで誘導することを提案している。
【0016】
本発明の目的は、コントローラに光伝搬部材を通じて連結された投光部及び受光部を有する分離型の光電センサを前提として、コントローラに内蔵された表示発光源を有し、該表示発光源によって受光部を光らせる機構を備えた光電センサの大型化を招くことなく、そして、受光性能を低下させることなく受光部を十分な光量で光らせることのできる光電センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の技術的課題は、本発明の一つの観点によれば、
検出光を検出領域に向けて投光する発光素子と、
前記検出領域からの検出光を受光する受光素子と、
前記発光素子に光結合される投光用光伝搬部材が接続される投光用接続部と、
前記受光素子に光結合される受光用光伝搬部材が接続される受光用接続部と、
前記受光素子で生成された受光信号としきい値とを比較して比較結果を示す検出信号を生成する信号生成部と、
前記受光用接続部に光結合され、前記受光素子の受光面であって、前記受光用接続部に対面する主なる受光面の上に配置された第1表示用発光素子と、
波長選択性の光吸収能力を備えたフィルタ部材と、
前記受光素子の上に前記フィルタ部材を介して設けられた前記第1表示用発光素子とが配置された実装基板と、を有する光電センサを提供することにより達成される。
【0018】
投光用接続部は、実施例において典型的には素子ホルダ368内の第1の挿入穴376で構成され、受光用接続部は、実施例において典型的には素子ホルダ368内の第2の挿入穴378で構成される。投光用光伝搬部材及び受光用光伝搬部材は共に、典型的には光ファイバで構成される。本発明によれば実装基板を用意し、この実装基板に、受光素子及び第1表示用発光素子を受光用光伝搬部材(受光用光ファイバ)と光結合を保つことができる状態で配置することで、受光素子や第1表示用発光素子を受光用光ファイバに接近した状態で位置決めすることが可能となる。これにより、受光素子の受光性能を維持しつつ第1表示用発光素子による光を効果的に受光用光ファイバに供給することができる。
【0019】
以下に、本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。この詳細な説明により、本発明の作用効果、他の目的が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施例の光電センサの機能ブロック図である。
図2】光電スイッチの調整機能を実現する構成のブロック図である。
図3】分離型の光電スイッチの複数のコントローラを横並びに配列した状態を示す斜視図である。
図4図3に示す複数の分離型光電スイッチの互いに並んで配置したコントローラの平面図である。
図5】投光ヘッドと受光ヘッドとの間に検出領域が生成されることを説明するための図である。
図6】投光部、受光部及びこれらに関連した構造を説明するためのコントローラの縦断面斜視図である。
図7】投光部、受光部及びこれらに関連した構造を説明するためのコントローラの縦断面図である。
図8】投光側の光ファイバを受け入れる穴と投光側空間との関係を説明するための図である。
図9】受光側の光ファイバを受け入れる穴と受光側空間との関係を説明するための図である。
図10】コントローラに含まれる受光部材及び投光部材の構造を説明するための図である。
図11】受光部材の変形例を説明するための図である。
図12】受光部材の更なる変形例を説明するための図である。
図13】受光部材の別の変形例を説明するための図である。
図14図14は、投光ヘッドの検出光と表示発光素子の表示光とを区別可能にするために発光タイミングを異ならせる例を説明するための図である。
図15】投光ヘッドの検出光と表示発光素子の表示光とを区別可能にするために発光周波数的に分離する方法を説明するための図である。
図16】投光ヘッドと受光ヘッドとの光軸調整を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0021】
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例として、透過型の光電センサに基づいて説明するが、本発明はこれに限定されず、反射型の光電センサにも好適に適用可能である。
【0022】
図1図5は実施例の分離型光電センサに関し、より詳しくは透過型の光電センサに関する図である。すなわち、図示の透過型光電センサ1は、投光ヘッド100及び受光ヘッド200(図5)が接続されるコントローラ300(図3)を有する分離型の光電センサである。すなわち、透過型光電センサ1は、投光ヘッド100と受光ヘッド200とコントローラ300とが物理的に分離しており、投光ヘッド100と受光ヘッド200は、光伝搬部材である光ファイバFb(図3)を介してコントローラ300に接続される。
【0023】
図1は、コントローラ300のブロック図である。この図1を参照して、コントローラ300の基本構成を説明する。
【0024】
光電センサ1の基本構成
光電センサ1は、コントローラ300(図3)と、このコントローラ300に、典型的な光伝搬部材である光ファイバFbで接続された投光ヘッド100(図5)と、コントローラ300に、典型的な光伝搬部材である光ファイバFbで接続された受光ヘッド200(図5)とを含んでいる。
【0025】
図1を参照して、コントローラ300は投光部102と受光部202とを備えている。投光部102は所定のパルス光を投光ヘッド100に出力する。投光部102の発光素子104は、投光電源制御回路302から供給される発振パルスによって駆動されて、パルス光を発する。受光部202が受光した光は受光素子204で光電変換され、受光素子増幅回路206、コントローラ300の増幅回路304、A/D変換器306を経て制御部308に送られる。これによって、パルス光に同期した検波が施され、検波信号は更に直流信号等に変換された後、インタフェース部を構成するI/O回路360から、検出結果を表わすON/OFF信号として出力される。
【0026】
コントローラ300は投光部102として投光用の発光素子104及びこの発光素子104を駆動するための投光回路106を備える。発光素子104の典型例はLEDである。投光回路106は、投光APC回路108と、モニタPD等のモニタ用受光素子110を備える。投光APC回路108は発光素子104の出力、つまり発光量が所定値となるよう制御する。
【0027】
投光部102のモニタ用受光素子110はモニタ信号増幅回路114に接続されており、モニタラインを介してLED発光量モニタ回路312に受光量を送出する。LED発量モニタ回路312は、A/D変換器314を介してデジタル信号に変換した受光量信号を制御部308に供給する。制御部308は、モニタ用受光素子110が検出した発光量に基づいて、発光量が所定値となるように投光電源制御回路302を制御し、投光APC回路108の電流量を調整して発光素子104を駆動するフィードバック制御を行う。
【0028】
コントローラ300は受光素子204を駆動するための受光回路208を備える受光素子204は受光素子増幅回路206に接続されており、前述したように、受光素子204で受光した受光量は受光素子増幅回路206で増幅されて、増幅回路304に送出される。コントローラ増幅回路304で増幅されたアナログ信号は、A/D変換器306を介してデジタル信号に変換され、制御部308に入力される。これにより受光素子(フォトダイオードPD)204の受光量を検出し、そして所定のしきい値に基づいて検出の判定を行い、その比較結果を示す検出信号を生成して、最終的にI/O回路360から判定結果を出力する。
【0029】
制御部308には、各種設定値などを記憶するための記憶部326、コントローラ300側の情報を表示するための表示回路328、設定値調整を受け付けるためのユーザインタフェースである操作部362(図2)を接続したスイッチ入力回路330、外部との入出力を行うI/O回路360などが接続されており、これら回路はコントローラ電源回路332によって駆動される。
【0030】
なお,制御部308は,例えば,CPU, FPGA,ASICなどのICから構成される。各種回路(108、114、206、214、302、304、306、312、314、320、328、330、332、360)は,それぞれがICから構成されていてもよいし,各種回路で1つのICで構成されていてもよいし,制御部と各種回路とが1つのICで構成されていてもよい。
【0031】
次に、光電センサ1の調整機能を実現する構成を図2に示すブロック図に基づいて説明する。コントローラ300は、前述した各種制御を行うための制御部308及び設定値などを記憶するための記憶部326と、しきい値や検出値、目標値などを表示するための表示部334と、各種操作や設定を行うための操作部362と、表示部334における表示モードを切り替えるための表示切替部358と、検出結果を出力するための出力部360と、受光部202で受光した受光量のアナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D変換器306とを備える。また制御部308は、表示用変換率調整部336と、しきい値調整部338と、判定部340と、検出値を保持する検出値保持部342と、しきい値を保持するしきい値保持部344とを含む。さらに記憶部326は、しきい値記憶部346と、表示用基準目標値記憶部348と、表示用基準検出値記憶部350と、表示用変換率記憶部352が含まれる。制御部308はCPU等のマイクロプロセッサで構成されている。コントローラ300の操作部362は、表示用基準目標値設定部354と、基準検出値取得部356とを含む。
【0032】
図1図5を参照して、光電センサ1は、投光部102で発した検出光を光ファイバFbを介して投光ヘッド100に供給する。投光ヘッド100は検出領域に向けて光を出射する。検出領域からの光を受光ヘッド200を介して受け取り、この光は光ファイバFbを介して受光部202に供給される。受光部202で受光した受光量を検出値として判定部340(図2)がしきい値と比較し、その判定結果を出力部360より出力する。具体的には、判定部340(図2)は、入力された検出値のデジタル値をしきい値と比較して、その結果を検出対象物の有無を示す二値信号として出力部360から外部機器へ出力する。
【0033】
図3はコントローラ300を斜め上方から見た斜視図であり、図3には、DINレール2に4つのコントローラ300を互いに隣り合わせに設置した例が図示されており、そのうちの1台のコントローラ300が上蓋4を開いた状態で図示されている。
【0034】
DINレール2に隣接して設置された複数のコントローラ300は、その1つが親機であり、他が子機である。例えば親機の投光が終わると、親機から第1の子機に投光開始の信号が供給され、第1の子機の投光が実行される。この第1の子機の投光が終わると、第1の子機から第2の子機に投光開始の信号が供給され、第2の子機の投光が実行される。以下、第3、第4の子機の投光が順次開始される。
【0035】
図4は光電センサ1の平面図である。図3及び図4を参照して、表示部334は、横並びに配置した2つの4桁7セグメントディスプレイD1、D2で構成され、この2つの4桁7セグメントディスプレイD1、D2を使って検出値(受光量)やしきい値等が表示される。表示部334を液晶ディスプレイなどの平面ディスプレイで構成してもよい。
【0036】
ディスプレイD1、D2に隣接して、スイング式のアップダウンボタン6、モードボタン8、セットボタン10、プリセットボタン12等が配設されている。
【0037】
図2に戻って、コントローラ300は表示切替部358を有し、この表示切替部358は上記のモードボタン(Mボタン)8やプリセットボタン12で構成される。モードボタン8やプリセットボタン12を操作することにより、検出値(受光量)及びしきい値をそのまま表示する無変換表示モードと、表示用変換率又は表示用変換式で変換した表示用検出値(表示用受光量)及び表示用しきい値を表示する変換表示モードとを切り替えることができる。
【0038】
セットボタン10とアップダウンボタン6とを操作してしきい値を調整することができる。アップダウンボタン6は、また、しきい値その他の数値の変更、選択肢の決定などに使用される。コントローラ300の表示対象、表示態様、表示示切替え操作、表示モード切替えに関してJP特開2006-351380号明細書に詳しく記載されていることから、このJP特開2006-351380号明細書を援用することにより、その説明を省略する。
【0039】
以上、透過型光電センサ1について説明したが、反射型の光電センサの構造も実質的に同じであり、本発明は透過型に限定されず、反射型の光電センサにも適用可能である。本発明は、投光ヘッド100及び受光ヘッド200とコントローラ300とを光伝搬部材である光ファイバFbで接続するファイバ型の光電センサに好適に適用されるのは前述した通りである。
【0040】
図5を参照して、受光ヘッド200は、投光ヘッド100からの光を受ける受光筒200aを有する。投光ヘッド100は、検出光を出射する投光筒100aを有し、検出光を検出領域に向けて投光する。受光ヘッド200は検出領域からの光を受け取る。投光ヘッド100と受光ヘッド200の設定において、その相対的な位置決めは光電センサ1の性能を左右する。位置決めは、投光筒100aと受光ヘッド200の受光筒200aとを対面させ、そして、投光筒100aの軸線と受光筒200aの軸線とを整合させることにより行われる。投光ヘッド100と受光ヘッド200とを適正に設置することにより、受光ヘッド200と投光ヘッド100との間をワークWが通過することに伴う遮光の有無によってワークWの「有り」、「無し」を適正に検出することができる。
【0041】
表示発光機構
図1を参照して、受光部202は、発光源としての表示発光素子212を含んでいる。表示発光素子212は典型的にはLEDで構成される。例えば、発光素子104が赤色LEDで構成されているときには、これとは別の色、例えば緑色のLEDで表示発光素子212を構成するのがよい。表示発光素子212は、表示発光制御回路214によって点灯が制御され、この表示発光制御回路214は表示発光電源制御回路320によって駆動電力の供給を受ける。
【0042】
受光部202で受けた光は,受光素子(PD)204、受光増幅回路206、コントローラ増幅回路304を介して増幅され、A/Dコンバータ306でA/D変換される。制御部308はその信号をもとに,受光量が図16を用いて説明したように,受光量に基づき,表示発光素子212を制御する。受光量に基づき,(a)表示光(可視光)の色、(b)点滅の回数、(c)点滅周期、(d)表示の強弱の周期、(e)複数の表示色の切り替え周期などによって制御することができる。
【0043】
コントローラ300のハード構成(図6図9
図6を参照して、コントローラ300は素子ホルダ368を有し、この素子ホルダ368には、投光部材370と、受光部材372とが収容されている。投光部材370は前述した投光部102を実質的に構成する。受光部材372は前述した受光部202を実質的に構成する。素子ホルダ368は、投光ヘッド100との間の光伝搬部材である光ファイバFbを受け入れる第1挿入穴376と、受光ヘッド200との間の光伝搬部材である光ファイバFbを受け入れる第2挿入穴378とを有している。第1挿入穴376は、投光用の光ファイバを接続する投光用接続部を構成する。また、第2挿入穴378は、受光用の光ファイバを接続する受光用接続部を構成する。第1、第2の挿入穴376、378の中に光ファイバFbの先端部が深く嵌入される。
【0044】
図6と、コントローラ300の縦断面図である図7とを参照して、投光部材370は、発光素子104としてLED、モニタPD等のモニタ用受光素子110、リフレクタ380を含む。モニタ用受光素子110は、発光素子104の発光量を検出する。そして、検出した発光量が所定値となるように発光素子104のフィードバック制御が行われる。
【0045】
受光部材372は、フォトダイオードPDで構成される受光素子204、表示発光素子としてのLED212を含み、表示発光LED212は受光素子204の上に配置されている。すなわち、受光素子204は、その主なる受光面、つまり第2挿入穴378(受光用光ファイバFb)と対面する受光面を有し、表示発光LED212は、この受光素子204の主なる受光面の上に配置されている。図7において、参照符号382は投光用実装基板を示し、参照符号384は受光用実装基板を示す。
【0046】
図7の参照符号386は投光部材370(図6)が設置される投光側空間を示し、参照符号388は受光部材372(図6)が設置される受光側空間を示す。投光側空間386と受光側空間388とは光学的に隔絶されている。投光側空間386と第1挿入穴376(投光側の光ファイバFbを受け入れる穴)との相対位置を説明するための図8を参照して、発光素子104は、その中心が第1挿入穴376の軸線と一致するように位置決めされる。受光側空間388と第2挿入穴378(受光側の光ファイバFbを受け入れる穴)との相対位置を説明するための図9を参照して、受光素子204は、その中心が第2挿入穴378の軸線と一致するように位置決めされる。
【0047】
図10は、コントローラ300に含まれる受光部材372A及び投光部材370Aを説明するための図である。この図10に図示の投光用部材370Aは上記のモニタ用受光素子110(図6)を含んでいる。受光部材372Aは、フォトダイオードベアチップで構成された受光素子204を含み、また、発光源としてLEDベアチップで構成された表示発光素子212を含み、これらは受光用実装基板384に実装されている。すなわち、受光用実装基板384を位置決めすることにより、受光素子204を構成するフォトダイオードベアチップが受光用光ファイバFbの挿入端の軸線(第2挿入穴378の軸線)上にセンタリングされた状態で位置決めされ、そして、この受光素子204は受光用実装基板384に搭載され、受光面204aは受光用光ファイバFbに対面した状態で位置決めされている。また、受光用光ファイバFbに差し向けられている受光面204aの上に表示発光素子212が搭載されている。更に、表示発光素子212と受光素子204は共通の断面台形の透明のモールド樹脂Rで包囲されている。受光用光ファイバFbの挿入端はモールド樹脂Rに当接した状態で第2の挿入穴378に固定される。
【0048】
すなわち、受光用実装基板384側にフォトダイオードベアチップ(受光素子204)が配設され、受光用光ファイバFbの挿入端側にLEDベアチップ(表示発光素子212)が配設され、これらは共通の透明のモールド樹脂Rで包囲されている。モールド樹脂Rの外面に金属蒸着する等、光を反射する材料や電気シールドできる材料でモールド樹脂Rを包囲するのがよい。
【0049】
図10から分かるように、受光素子204のフォトダイオードベアチップの主なる受光面204aは、表示発光素子212のLEDベアチップよりも大きい。
【0050】
受光素子204の上に搭載された表示発光素子212は透明のモールド樹脂Rによって受光用光ファイバFbの挿入端から離間した状態に位置決めされる。図10において、矢印は受光用光ファイバFbから受光部材372Aの中に入る検出光を示す。この検出光は、受光用光ファイバFbの挿入端から末広がりの状態で受光部材372Aの中に入る。受光エリアをドットで図示してある。この検出光は、受光素子204の主なる受光面204aのうち表示発光素子212が占める部分を除く部分で受光されることになる。すなわち、受光素子204の主なる受光面204aの面積に比べて表示発光素子212が占める面積は相当に小さく、主なる受光面204aの中心部分に表示発光素子212が位置決めされている。受光素子204は、その中心部分の外周部分で受光することができる。なお、投光用光ファイバFbの挿入端と、受光用光ファイバFbの挿入端は、共通の平面Pn(図10)上に位置するように設計されている。
【0051】
受光素子204の上に載置された状態の表示発光素子212は、光ファイバFbの挿入端に近づいた状態で位置決めされることになる。したがって、表示発光素子212の光量が比較的少なくても、光ファイバFbに入る光量が多いため、光ファイバFbの先端つまり受光ヘッド200で強く光らせることができる。換言すれば、受光ヘッド200で光らせる程度が同じであれば、光表示発光素子212を光ファイバFbの挿入端に近づければ近づけるほど、光表示発光素子212が発する光量は少なくてよい。
【0052】
コントローラ300は、投光部材370Aとして、発光素子104としてLEDと、モニタPD等のモニタ用受光素子110とに加えて、発光源としての光表示発光素子120を含んでいてもよい。これらはコントローラ300の中で位置決めされている投光用実装基板382に実装されている。発光素子104、光表示発光素子120と共にモニタ用表示素子110は、共通の投光用実装基板382に組み込まれている。モニタ用受光素子110は、前述したように、発光素子104の発光量を検出する。そして、検出した発光量は、これが所定値となるように発光素子104をフィードバック制御するのに用いられる。
【0053】
図10から良く分かるように、図6を参照して前述したモニタ用受光素子110は、受光部材372Bから遠ざかる位置に配置されている。すなわち、モニタ用受光素子110は、受光部材372とは反対側に配置されている。
【0054】
光表示発光素子120は典型的にはLEDで構成され、このLEDは、発光素子104のLEDと同じ色のLEDであってもよいが、異なる色のLEDであるのがよい。具体的には、発光素子104のLEDが赤であれば、光表示発光素子120のLEDは緑であるのがよい。
【0055】
投光部材370Aに含まれる光表示発光素子120の色は、受光部材372Aに含まれる表示発光素子212の色と同じであってもよいし、異なっていてもよい。異なる色を採用することにより、投光ヘッド100と受光ヘッド200の区別が容易になる。
【0056】
発光素子104のLEDはベアチップで構成され、光表示発光素子120のLEDもベアチップで構成されている。投光用光ファイバFbの挿入端に対して、発光素子104を構成するLEDベアチップと、光表示発光素子120を構成するLEDベアチップとは互いに横並びの状態で位置決めされている。また、発光素子104と光表示発光素子120は共通の基板382に組み付けられている。そして、発光素子104と光表示発光素子120とは、共通の断面台形の透明のモールド樹脂Rで包囲されている。投光用光ファイバFbの挿入端はモールド樹脂Rに当接した状態で第1の挿入穴376に固定される。
【0057】
図11図12は、受光部材372の変形例を説明するための図である。図11に図示の変形例の受光部材372Bは3層構造となっている。すなわち、受光部材372はフォトダイオードベアチップで構成された受光素子204を有し、この受光素子204は受光用実装基板384に実装されている。そして、この受光素子204と、その上方に位置するLEDベアチップで構成された表示発光素子212との間に、波長選択性の光吸収能力を有するフィルタ部材390が搭載されている。フィルタ部材390は、受光素子204の主なる受光面204aと同じ面積を有していても良いし、表示発光素子212が当接する部位及びその周辺に限定した大きさを有していてもよい。また、フィルタ部材390は、受光面204aよりも大きな面積を有していてもよい。フィルタ部材390はフィルム塗膜に比べて厚みを有し、例えば赤色ガラスなどの色ガラスや、カラーコーティングした透明部材で構成される。このフィルタ部材390によって、表示発光素子212が発する可視光(表示光)が受光素子204に対して悪影響を及ぼす程度を低減することができる。
【0058】
図12に図示の変形例の受光部材372Cは、厚さを有する上記のフィルタ部材390に代えて、光反射能力を有するフィルム又は金属膜などの薄膜392を有する。この薄膜392は、受光素子204の受光面204aの全域に配置してもよいし、表示発光素子212が当接する部位及びその周辺に限定して配置してもよい。
【0059】
図13に図示の変形例の受光部材372Dは、受光用実装基板384に実装されLEDチップからなる表示発光素子212を有し、また、リードフレーム230によって表示発光素子212の上方に位置決めされた受光素子204を有し、受光素子204はフォトダイオードベアチップで構成されている。図中、参照符号232はワイヤを示す。リードフレーム230及び受光素子204は砲弾型の成形された透明のモールド樹脂Rで包囲されている。
【0060】
砲弾型のモールド樹脂Rの底面に上記LEDチップからなる表示発光素子212を接着剤で接着するのがよい。もちろん、接着剤は光透過性の材料で構成するのがよい。
【0061】
表示発光素子212が発する光は、砲弾型のモールド樹脂Rの中を通って受光用光ファイバFbの中に誘導される。
【0062】
図13に図示の受光部材372Dによれば、受光素子204を受光用光ファイバFbの端に接近した状態に配置することができるため、高い受光性能を確保することができる。
【0063】
受光素子204の下面や側面に遮光材料や反射材料を塗布するなどにより配置してもよい。また、砲弾型のモールド樹脂Rの外面に金属蒸着する等、光を反射する材料や電気シールドできる材料でモールド樹脂Rを包囲するのがよい。
【0064】
受光部材372が受光素子204だけでなく、表示発光素子212を含む場合、受光素子204は、これが対の投光ヘッド100から届いた検出光であるか、表示発光素子212の表示光(可視光)であるかを区別できない。投光ヘッド100の検出光と表示発光素子212の表示光(可視光)とを区別可能にする手法を講じるのが好ましい。
【0065】
具体的には、波長を異ならせる、発光タイミングを異ならせる、発光周波数を異ならせる等の手段を講じることにより、光の波長的に、発光タイミング的に、発光周波数的に分離もしくは光の波長的な分李と他のどちらを組み合わせて実施するのがよい。波長を異ならせる手段は、図11図12を参照して説明したとおり、物理的なフィルタを設けるのがよい。
【0066】
図14は、発光タイミングを異ならせる例を説明するための図である。発光素子104の隣接する2つの検出用発光パルスの間に表示発光素子212を発光させる。図14には、この表示発光素子212を発光パルスにハッチングを付して識別してある。
【0067】
受光素子110の検出タイミングをT1、T2、T3と付すと、この検出タイミングT1、T2、T3の中間で表示発光素子212が光るため、受光素子110は正規に検出用発光パルスを受け取ることができる。
【0068】
図15は発光周波数的に分離する方法を例示的に説明するための図である。発光素子104の検出用発光パルスは所定のタイミングでON/OFFを繰り返す。これに表示発光素子212の光が重畳しても検出用発光パルスの波形が維持された状態で受光素子110が光を受け取る。このことから受光素子110の出力波形を周波数フィルタ(ハイパス)でフィルタリングすることにより、発光素子104が発する検出光だけを取り出すことができる。
【0069】
図15を参照したフィルタリングでは表示発光素子212の発光波形の周波数を下げることにより、検出と表示で使用する周波数領域を区分したが、図15の例とは逆に、表示発光素子212の発光波形の周波数を挙げて周波数領域を区分するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
Fb 光ファイバ(光伝搬部材)
100 投光ヘッド
102 投光部
104 発光素子
200 受光ヘッド
202 受光部
204 受光素子
230 リードフレーム
300 コントローラ
382 投光用実装基板
384 受光用実装基板
370 投光部材
376 第1挿入穴(投光用接続部)
378 第2挿入穴(受光用接続部)
390 フィルタ部材
392 薄膜
R 樹脂モールド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16