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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】吸収性血管フィルタ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/01 20060101AFI20220107BHJP
   A61L 31/06 20060101ALI20220107BHJP
   A61L 31/14 20060101ALI20220107BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A61F2/01
A61L31/06
A61L31/14 500
A61M25/06 556
【請求項の数】 6
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017076169
(22)【出願日】2017-04-06
(62)【分割の表示】P 2013556739の分割
【原出願日】2012-02-23
(65)【公開番号】P2017164508
(43)【公開日】2017-09-21
【審査請求日】2017-04-25
【審判番号】
【審判請求日】2019-09-05
(31)【優先権主張番号】13/096,049
(32)【優先日】2011-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】13/036,351
(32)【優先日】2011-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513249035
【氏名又は名称】アディエント メディカル,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 佳正
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】エガーズ,ミッチェル,デイー.
【合議体】
【審判長】内藤 真徳
【審判官】莊司 英史
【審判官】加藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】特表平10-509623(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0059373(US,A1)
【文献】特開平11-57018(JP,A)
【文献】特表2002-535075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/01,A61L 31/06,A61L 31/14 500 ,A61M 25/06 556
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管に接触し、フィルタの基部(base)に位置する、編んで作られた環状部材を含み、環状部材は、所定の持続時間にわたって前記血管内を流れる物質を捕捉する吸収性捕捉バスケットと一体化している吸収性フィルタであって、前記捕捉バスケットは前記吸収性フィルタの構造を確認するために展開された状態において複数の頂端湾曲部(apical loops)を含み、
前記環状部材は、第1格子間隔によって特徴付けられ、前記捕捉バスケットは、第2格子間隔によって特徴付けられ、前記展開された状態において前記第1格子間隔は前記第2格子間隔よりも小さく、
前記捕捉バスケットは、隣接するループによって連続的に組み合うように連結され、前記複数の頂端湾曲部まで延ばすように織られ、かつ、前記複数の頂端湾曲部は互いに結合されることにより、前記捕捉バスケットは、前記環状部材を越えた繊維の連続的な延長として頂点を有する円錐状に形成され、このとき前記第1格子間隔は依然として前記第2格子間隔よりも小さいことを特徴とする吸収性フィルタ。
【請求項2】
編んで作られた環状部材及び捕捉バスケットが単一の連続した吸収性繊維で構成される請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
編んで作られた環状部材及び捕捉バスケットが複数の吸収性繊維で構成される請求項1に記載のフィルタ。
【請求項4】
一体化した環状部材及び捕捉バスケットが、ポリジオキサノン、ポリトリメチレンカーボネート、ポリグラクチン、ポリグリコール酸、ポリL乳酸、ポリグレカプロン、ポリグリトン及びポリ乳酸グリコール酸から成る群から選択される吸収性材料から形成される請求項1に記載のフィルタ。
【請求項5】
編んで作られた環状部材が、直径方向に拡縮可能なチューブ特性を示すように編まれて、カテーテルによる低侵襲的な配置に適合する請求項1に記載のフィルタ。
【請求項6】
血管壁上に働く、編んで作られた環状部材の径方向の力が、環状部材を含む編んで作られた複数の部材の交点の角度、材料の組成及びサイズ、並びに/又は環状部材の外径に基づいて決定される請求項1に記載のフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2011年2月28日に電子出願されたMitchell Eggersの
「吸収性血管フィルタ(Absorbable Vascular Filter)」と題する米国特許出願番号第1
3/036,351号、及び2011年4月28日に電子出願されたMitchell
Eggersの「血管フィルタステント(Vascular Filter Stent)」と題する米国特許
出願番号第13/096,049号に基づく優先権の利益を主張し、両出願は、参照によ
りそれら全体が本明細書に明示的に包含される。
【0002】
本発明は、概して血管フィルタに関し、より具体的には、体液を一時的にろ過するため
に血管内に配置される吸収性血管フィルタに関する。好ましい実施形態は、フィルタの吸
収特性に基づいて決められる特定の持続時間にわたって肺塞栓症を防止するために、この
ような吸収性血管フィルタが下大動脈(IVC)内に配置されることである。
【背景技術】
【0003】
毎年100,000~300,000人のアメリカ人が肺塞栓症(PE)により死亡し
ており(乳癌及びAIDSの合計より多い)、PEは米国における死因の第3位を示して
いる[1~5]。欧州においても同様のPE発症率が分かっており、毎年約370,00
0人が死亡している[6]。更に、PEは最初の24時間を生き残る外傷患者の3番目に
多い死因である。全ての入院患者のおよそ25%は、PEの発症を除いて臨床的に明白で
ないことが多い、ある種の深部静脈血栓症(DVT)を有している[7]。平均して、D
VTの33%が症候性PEに進行し、その中の10%が致死的になる[6]。
【0004】
米国公衆衛生局長官は、この憂慮すべき統計を認識しており、2008年にはDVT及
びPEを予防するための公式の行動喚起を公表している[1]。残念ながら、DVT/P
Eは、一部は治療後の長期の不活動に起因して高齢者に偏って発症する。発症率は50歳
未満では相対的に低く(1/100,000)、その後急激に上昇して85歳では100
0/100,000に達する[8]。その結果、米国公衆衛生局長官は、より良い予防策
がない場合には、老齢の米国人によるDVT/PE症例数の増加が人口増加を上回る可能
性があると述べている[1]。
【0005】
DVTから生じるPEの危険因子は、Virchowの3要素[9]、即ち(i)内皮
損傷、(ii)凝固性亢進、及び(iii)血流動態変化(うっ血又は乱流)に続いて生
じる。それ故に、具体的な危険因子として、股関節形成術及び膝関節形成術、腹部、骨盤
及び四肢の手術、骨盤及び長骨の骨折、長期入院及び飛行機での旅行等の長期の静止状態
、麻痺、高齢、過去のDVT、癌、肥満、COPD、糖尿病並びにCHFが挙げられる。
整形外科医の患者は、予防的治療がない場合には、膝関節及び股関節の手術後にDVT及
びPEに関する40%~80%の危険度を伴うことから、整形外科医が特に憂慮している
[10~12]。
【0006】
米国整形外科学会(AAOS)は、PEの予防に関するガイドラインを公表している。
基本的には、標準的な危険度の患者には、手術中及び/又は手術直後の機械的予防に加え
て、化学予防的な薬、例えば、アスピリン、低分子量ヘパリン(LMWH)、合成五糖類
又はワルファリンを検討すべきである[13]。
【0007】
アスピリンは、症候性DVTにおいて29%の相対危険度減少率を有しており、致死的
なPEにおいて58%の相対危険度減少率を有している[14]。LMWHは、DVTに
おいて30%の危険度減少率を持っており、高危険度群、例えば股関節形成術及び膝関節
形成術において、非分画ヘパリンと比べてより効果的であることが証明されている[7]
。3ヶ月にわたって続発性血栓の予防として国際標準化比(INR)の結果が2~3を達
成するという目標のためにヘパリンの開始から24~48時間以内にワルファリンを始め
ることにより、再発性静脈血栓塞栓症(VTE)リスクが偽薬に比べて90%減少する[
15、16]。PEの発症を抑えるために、空気のうで脚を繰り返し圧迫する空気圧迫装
置から成る機械的予防策も、抗凝血剤と併せて利用される。
【0008】
予防の継続時間は潜在的DVTの原因に依存している。予防に関する現在の推奨では、
中程度から高危険度の手術に関しては最低で7~10日であり、多くの整形外科手術に関
しては最大で28~35日である。具体的には、整形外科的外傷に関して、DVTの予防
は、患者の可動化まで(32%)、入院患者の退院まで(19%)、術後3週間(16%
)、術後6週間(27%)、及び希な状況で6週間超(7%)持続される[17]。80
%の外傷患者において負傷後少なくとも1ヶ月にわたって凝固性亢進が持続することが研
究で指摘されている[18]。全ての膝関節形成術及び股関節形成術、並びに癌の手術に
関して、35日間の予防的治療が推奨されている[12、19]。起こり得るVTEの予
防的治療は概して、外科手術又は大手術の後に最大で6週間が正当とされることが多い。
【0009】
化学的予防に関する禁忌として、活動性の出血、出血性素因、出血性卒中、神経外科手
術、過度の外傷、血胸、頭蓋内出血を伴う骨盤又は下肢の骨折、抗凝固の中断、及び手術
を受ける新しいDVT/PE患者が挙げられる。
【0010】
前述の抗凝固予防に禁忌を示す患者のために、又は抗凝固治療が失敗している場合に、
AAOS(米国整形外科学会)及び英国血液学標準化委員会が下大動脈(IVC)フィル
タの使用を全面的に推奨している[13、20、21]。これらの血管内金属フィルタは
、カテーテルによりIVC内に配置され、肺がPEを呈するに至る前にDVTに起因する
塞栓を基本的に捕捉する。更に、英国血液学標準化委員会は、抗凝固の禁忌を有しており
、及び広範囲のVTEを発症している妊娠中の患者内に、分娩直前(2週間以内)にIV
Cフィルタを配置することを推奨している。
【0011】
東部外傷手術学会は、出血及び長期の静止状態の危険性が高い外傷患者内に、予防のた
めのIVCフィルタを配置することを更に推奨している[22]。このような予防的推奨
は、IVCが配置された重い多発性外傷を有する患者内ではPEの割合が低いことを立証
する研究に倣ったものである[23~25]。実際に、1999年の49,000例から
2007年の167,000例、その結果2012年は259,000ユニットが推定さ
れるという、IVCフィルタ全体の使用数の極めて早い成長の徴候が、回収可能なIVC
フィルタを用いる予防薬の市場にある[26、27]。
【0012】
主にIVC配置用の血管フィルタの例は、米国特許第4,425,908号、米国特許
第4,655,771号、米国特許第4,817,600号、米国特許第5,626,6
05号、米国特許第6,146,404号、米国特許第6,217,600B1号、米国
特許第6,258,026B1号、米国特許第6,497,709B1号、米国特許第6
,506,205B2号、米国特許第6,517,559B1号、米国特許第6,620
,183B2号、米国特許出願公開第2003/0176888号、米国特許出願公開第
2004/0193209号、米国特許出願公開第2005/0267512号、米国特
許出願公開第2005/0267515号、米国特許出願公開第2006/020613
8A1号、米国特許出願公開第2007/0112372A1号、米国特許出願公開第2
008/0027481A1号、米国特許出願公開第2009/0192543A1号、
米国特許出願公開第2009/0299403A1号、米国特許出願公開第2010/0
016881A1号、米国特許出願公開第2010/0042135A1号及び米国特許
出願公開第2010/0174310A1号に開示されている。
【0013】
IVCフィルタの有効性が、いくつかのクラスI及びクラスIIエビデンスの研究で証
明されている[22、28~30]。設置された初期のフィルタの多くは、永続的な定着
物であることを期待されていた。これは、生命を脅かす出血、IVCの解離及び血栓症に
至る、元には戻らない血管損傷が起こることなく多くのモデルを除去することが非現実的
になる内皮化が7~10日以内に起きるためである。これらの永続的なフィルタはPEを
予防するが、それらは実際には再発性DVTの危険性を時間とともに増加させることが知
られている。
【0014】
具体的には、コクランレビュー[31]は、PEを予防するためのIVCフィルタの使
用に関して、DecoususらによるレベルIの無作為前向き臨床試験[32]を引用
しており、IVCフィルタ群のDVTの発生率はほとんど2倍に増加した。即ち、(i)
2年(P=0.02)で無フィルタLMWH群での12%に対するフィルタ群での再発性
DVTの発生率21%、及び(ii)8年(P=0.042)で無フィルタ群での15%
に対するフィルタ群での再発性DVTの発生率36%[33]である。しかしながら、フ
ィルタはPEの発生を減少させた。即ち、最初の12日(P=0.03)において5%の
PEを示している無フィルタ群に対して、フィルタ群はわずか1%のPEが見られた。研
究された何れの期間枠においても、死亡率において統計的有意差は見られなかった。見か
け上、永続的なIVCフィルタによるPEの減少という最初の利点は、死亡率において如
何なる差違を伴うことなく、DVTにおける増加によって相殺される。
【0015】
IVCフィルタの長期配置によるDVTの発生率の増加に加えて、フィルタの移動(3
%~69%)、静脈不全(5%~59%)及び血栓後症候群(13%~41%)のみなら
ず、フィルタの閉塞が6%~30%の発生率で報告されている[34~36]。血腫、感
染、気胸、声帯まひ、脳卒中、空気塞栓症、誤留置、ティルティング動静脈瘻及び不慮の
頸動脈穿刺を含む、挿入による合併症は、4%~11%の発生率を有している[37]。
【0016】
PEの危険度が低下すると除去されることを目的とし、従って永続的なフィルタの多く
の有害な合併症が回避される、一時的な又は回収可能なIVCフィルタが最近になって市
販された。容易な回収のために、回収可能なフィルタは、柔軟なフック、崩壊する部材及
び非拘束の脚を特徴としている。残念なことに、まさにこれらの特徴が、望ましくないフ
ィルタの移動、疲労破壊、IVC貫通、断片の肝静脈及び肺動脈への移動、フィルタの傾
斜及び金属塞栓をもたらしている[38~43]。2005年より、328例の装置の移
動、146例の装置の脱離(金属製塞栓)、70例のIVC貫通、及び56例のフィルタ
断片化を含む921例の有害なフィルタ事象がFDAに報告されている[44]。いくつ
かの回収可能な銘柄は驚くべき事故率を公表しており、例えばBard Recover
yフィルタでは、50ヶ月経過で25%の断片化であり、この断片化は末端器官に塞栓を
起こす。心臓に塞栓を形成した断片化の71%は、致死的な心室頻拍症、タンポナーデ及
び場合によっては突然死の原因となっていた。別の回収可能なモデル、Bard G2は
、24ヶ月経過で12%の断片化をもたらした[45]。このような装置の断片化の出現
率は、留置期間に対して一方向に比例するものと見られている。
【0017】
これらの不具合及び他のことがFDAを駆り立てて、2010年8月に「FDAは、移
植医及び臨床医は、PEからの保護がそれ以上不要となれば直ちに除去することが検討さ
れる回収可能なIVCフィルタを有する患者の継続管理に責任を負うよう勧告する。」と
いう公式伝達を公表させた[44]。たとえこれらの種類の回収可能なフィルタが数ヶ月
の期間で除去されることを目的としていたとしても、回収可能なIVCフィルタを有する
患者の約70%~81%がフィルタを除去するために病院に戻らず、その結果、数十万の
患者を回収可能なIVCの長期配置による致死的な有害事象に曝していることをいくつか
の研究が指摘している[41、44、46~48]。これらの患者は、追跡不能か、合併
症がないのでフィルタの除去を拒否するかのいずれかである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、液体をろ過するためのシステム及び方法を含む。特定の実施形態は、身体血
管内で塞栓を捕捉して拘束することにより肺塞栓症を一時的に予防する新規の吸収性血管
フィルタを含む。本発明の特定の態様に係る吸収性血管フィルタは、永続的な、一時的な
、及び任意のIVCフィルタを含む全ての従来の血管フィルタに比べて優れた点が多い。
最も重要なことは、本明細書で開示されている吸収性血管フィルタは、吸収性フィルタ材
料の選択によって設計された計画的スケジュールに従って血管内で緩やかに生分解され、
これによりフィルタを除去する必要がないことである。更に、吸収性血管フィルタ部材は
、移動して断片化することが多い従来の金属IVCフィルタが示すような、詳細に計画さ
れた分解時の末端臓器への悪影響を与えない非金属合成ポリマーから製造される。また、
吸収性血管フィルタの相対的に短い留置期間(月)に起因して、従来の長期的IVCフィ
ルタで見られるDVTの逆説的増加が回避される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】a.吸収性捕捉部材の段階的に連続した生分解を含む、吸収性血管フィルタの一実施形態の一部切欠き等角図である。b.図1aの捕捉部材を詳細に特徴付ける図である。c.一定時間後の図1bの捕捉部材を特徴付ける図であって、捕捉部材の基部が生体吸収/生分解されている図である。d.一定時間後の図1cの捕捉部材を特徴付ける図であって、捕捉部材の基部及び中間部が生体吸収/生分解されて末端部のみが残っている図である。e.図1bの捕捉部材の最も末端の部分の最終的な完全な生体吸収/生分解を示す図である。
図2】a.吸収性捕捉部材の段階的に連続した生分解を特徴とする吸収性血管フィルタの他の実施形態の断面図である。b.図2aに描いた吸収性フィルタの吸収性捕捉部材の拡大端面図である。c.血管内にフィルタを配置した時点での図2bの捕捉部材を描いた図である。d.一定時間後の図2cの捕捉部材を描いた図であって、内部捕捉環状部材が生体吸収/生分解されている図である。e.一定時間後の図2dの捕捉部材を描いた図であって、円周方向に取り付けられた捕捉部材が生体吸収/生分解されている図である。f.一定時間後の図2eの捕捉部材を描いた図であって、円周方向に取り付けられた2個の捕捉部材が生体吸収/生分解されている図である。g.一定時間後の図2fの捕捉部材を描いた図であって、生体吸収/生分解後に、円周方向に取り付けられた1個のみの捕捉部材が残る図である。h.最終的に完全に生体吸収/生分解されている図2bの捕捉部材の最も末端の部分を描いた図である。
図3】a.物質、例えば塞栓をろ過するためにステントに取り付けられた複数の捕捉部材を含む血管フィルタの一実施形態の一部切欠き等角図である。b.図3aの捕捉部材を詳細に特徴付ける図である。
図4a】サイズ3-0、2-0、0及び1のポリジオキサノン縫合糸から、捕捉部材の直径及び消滅期限の変化に基づいて連続的に分解することを特徴とするクモの巣状の模様に構成される吸収性血管フィルタの図である。
図4b】サイズ2-0が利用されていることのみを除いて図4aのクモの巣状の模様に模様が類似するポリジオキサノン縫合糸から構成される吸収性血管フィルタの図である。
図4c】サイズ2-0のポリジオキサノン縫合糸から、従来のIVCフィルタの典型的な放射状の模様に構成される吸収性血管フィルタの図である。
図4d】サイズ3-0、2-0、0及び1のポリジオキサノン縫合糸から、捕捉部材の直径の変更に基づいて連続的に分解することを特徴とする放射状の模様に構成される吸収性血管フィルタの図である。
図5】13週中に始まり、一週間当たり1~2個の捕捉部材を失い、22週で最後の分解に達するフィルタの連続的分解を明らかにするための0、7、13~22週でのインビトロ試験中における、図4aに示した吸収性フィルタの写真を表示する図である。
図6】インビトロ試験中における時間に対するポリジオキサノン捕捉部材の平均破断点荷重(kg/撚り糸)のグラフである。
図7】時間に対する最初の強度からの割合としてのポリジオキサノン捕捉部材の強度保持のグラフである。
図8】インビトロ試験中における時間に対するポリジオキサノン捕捉部材に関するヤング率のグラフである。
図9】a.圧縮した状態のフィルタを有するカテーテル系システムを使用する、吸収性血管フィルタの好ましい設置方法を明らかにする断面図である。b.外部シースを滑らせてフィルタを完全に拡張した状態で配置するカテーテル系システムを使用する、吸収性血管フィルタの配置を詳述する断面図である。c.カテーテル系配置システムの外部シースの除去と同時に吸収性血管フィルタを安定化するのに使用される中心の安定用ロッド又はピストンの除去を詳述する断面図である。d.血管内における塞栓の存在下での吸収性血管フィルタの作用を説明する図である。e.吸収性血管フィルタの完全な生体吸収/生分解後の血管を示す図である。
図10a】捕捉バスケットと一体化した、組まれた、又は織られたステントから構成される吸収性血管フィルタの実施形態を示す図である。
図10b図10aに示す吸収性血管フィルタに関連した平面図である。
図11】吸収性血管フィルタのステント部分を含む吸収性部材の編物又は織物の拡大図である。
図12】一体化した吸収性血管フィルタ用のステント部分及び捕捉バスケットの両方を含む吸収性部材の編物又は織物の拡大図である。
図13a】単一の合成繊維で織られた、一体化した吸収性IVCフィルタの写真である。
図13b図13aに示した、一体化した吸収性IVCフィルタの端面の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
当業者が本発明を実施することができるように説明に役立つ例として提供する図面及び
写真を参照して、本発明の実施形態を今から詳細に記載する。特に、図及び下記の実施例
は、本発明の範囲を1つの実施形態に限定することを意図しておらず、記述又は図示され
た要素のいくつか又は全てを置き換えることによって他の実施形態が可能である。都合の
よい限り、同一の又は類似の部分を示すために図面全体を通じて同じ参照番号が使用され
る。これらの実施形態の特定の要素を公知の構成要素を使用して部分的に又は完全に実施
することができる場合、本発明の理解に必要であるこのような公知の構成要素の一部のみ
が記載され、このような公知の構成要素の他の部分の詳細な説明は、本発明が不明瞭にな
らないように省略される。本明細書において、一つだけの構成要素を示す実施形態を限定
とみなすべきではなく、むしろ本発明は、複数の同一構成要素を含む他の実施形態を包含
するものであり、本明細書に明白に別段の定めをした場合を除き、逆もまた同じである。
更に、出願人は、明細書又は特許請求の範囲におけるいかなる用語も、それ自体を明白に
説明する場合を除き、希な又は特別な意味とみなすことを意図しない。更に、本発明は、
説明によって本明細書に示される構成要素の現在及び将来の公知の均等物を包含する。
【0021】
図1a~eに描いた実施形態を参照すると、吸収性血管フィルタ1は、複数の吸収性フ
ィルタ捕捉部材(30~32、40~41)を支持するための外環状部材2から成る。予
期しない塞栓の原因となるフィルタ全体の同時分離を避けるために、捕捉部材は、好まし
くは連続の態様で、生物学的に吸収及び/又は分解されるように意図的に設計されている
。異なる吸収プロフィール、直径及び/又は消滅期限を有する吸収性ポリマーを選択する
ことにより、連続的な分解を制御することができる。また、吸収中に分離点として作用す
るように吸収性結合を組み込むことができる。連続的な生体吸収/生分解を図1b~eで
説明しており、分解は基部の捕捉部材30から始まり、中間部の捕捉部材31へと進行し
、最終的には図1eに描いたように完全に生体吸収/生分解される。
【0022】
このように設計された捕捉部材の連続的な生体吸収/生分解を多数の合成材料により実
現することができる。所望のフィルタ留置期間に適合する吸収性フィルタ材料を選択する
ことが目標である。先の背景技術の項目によれば、外傷後のPE又は大手術に伴うPEを
予防するIVCフィルタには6週間のフィルタ留置期間が適している。捕捉部材の形成に
使用することができる合成材料として以下のものが挙げられる。
【0023】
ポリジオキサノン(PDO、PDS)-多数のエーテル-エステル繰り返し単位から成
る、無色で結晶性の生分解性合成ポリマー。縫合糸の形態では、サイズ4/0以下のPD
SII(Ethicon、サマービル、ニュージャージー)は、2、4及び6週でそれぞ
れ、その引張り強度の60%、40%及び35%を維持する。サイズ3/0以上のPDS
IIに関して、このPDSIIは2、4及び6週でそれぞれ、その引張り強度の80%、
70%及び60%を保持する。6週間にわたり外傷を支えることに加えて、PDSII縫
合糸は加水分解により183~238日中に完全に吸収され、これによりPDSII縫合
糸はIVCフィルタ用途に関する強力な候補になる。基本的に、吸収は最初の90日間で
は最小であり、6ヶ月中に基本的に完了する。最後に、PDSの微生物に対する親和性は
低く、PDSの組織反応性は最小である。
【0024】
ポリトリメチレンカーボネート(Maxon)-吸収プロフィールがPDSと類似して
いるが、破壊強度がわずかに高い。Maxon(Covidien、マンスフィールド、
マサチューセッツ州)は、2、4及び6週でそれぞれ、その引張り強度の81%、59%
及び30%を維持し、180~210日中に完全に加水分解される。
【0025】
ポリグラクチン910(Vicryl)-ラクチド及びグリコリドのコポリマー(ポリ
グラクチン370)で被覆された編物マルチフィラメント。縫合糸の形態では、サイズ6
/0以上のVicryl(Ethicon)は2、3及び4週でそれぞれ、その引張り強
度の75%、50%及び25%を維持し、56~70日中に完全に吸収される。
【0026】
ポリグリコール酸(Dexon)-ポリグラクチンと類似しており、ポリグリコール酸
から形成されてポリカプロレートで被覆されている。Dexonはポリグラクチンと類似
の引張り強度及び吸収プロフィールを有している。
【0027】
ポリグレカプロン25(Monocryl)-グリコリド及びe-カプロラクトンの合
成コポリマー。Monocryl(Ethicon)は1及び2週でそれぞれ、その引張
り強度の50%~70%及び20%~40%を維持し、91~119日中に完全に吸収さ
れる。
【0028】
ポリ乳酸グリコール酸(PLGA)グリコール酸及び乳酸のモノマーのコポリマー。重
合に際してグリコリドに対するラクチドの比率を制御することにより、形態及び特性が異
なるPLGAを調製することができる。他の吸収性合成材料と同様に、PLGAは、モノ
マー比によって決まる吸収プロフィールで加水分解により分解し、グリコリドの含有量が
高い程、より早く分解する。しかしながら、50:50コポリマーが2ヶ月で最も早い分
解を示す。体内でポリマーが分解し、乳酸及びグリコール酸(両方とも通常の生理的物質
である)が生成されることから、PLGAがもたらす全身毒性は最小である。
【0029】
ポリL-乳酸(PLA)も乳酸から生成されるポリマーであるが、相当に長寿命である
。軟組織の隣接縫合(approximation)において、PLAは28週間にわたって無傷のま
まであり、52週間以内に完全に吸収される。
【0030】
PE保護の期間の後に連続的に分解するための捕捉部材の設計例として、サイズ4/0
(直径0.15mm)のPDSIIで基部の捕捉部材30、41を作成することができ、
更にサイズ2/0(直径0.3mm)で中間の捕捉部材31、40を作成することができ
、最後にサイズ2(0.5mm)のPDSII縫合糸で末端の捕捉部材32を作成するこ
とができた。
【0031】
複数の捕捉部材を組み立てる代わりに、吸収性又は非吸収性の複合メッシュで血管フィ
ルタを作成することができる。メッシュ捕捉システムの候補として、C-QUR(Atr
ium Medical Corp.ハドソン、ニューハンプシャー州)等のポリプロピ
レン、PROCEED(Ethicon、サマービル、ニュージャージー州)においての
ようなポリジオキサノンでカプセル化したポリプロピレン、Bard Seprames
h IP Composite(Davol,Inc.、ウォリック、ロードアイランド
州)においてのようなポリグリコール酸繊維で共編みしたポリプロピレン、Pariet
iex Composite(Covidien、マンスフィールド、マサチューセッツ
州)においてのようなポリエチレンテレフタレート、及びDUALAMESH(W.Go
re&Assoc.Inc.、フラッグスタッフ、アリゾナ州)において使用されるeP
TFEが挙げられる。
【0032】
図1、2及び3中の環状部材2に関して、環状部材2は、吸収性血管フィルタの捕捉部
材を支持するように作用し、カテーテルからの拡張時に血管内でのフィルタの位置保持を
維持し、前述のような吸収性材料又は非吸収性材料のどちらも利用することができる。非
吸収性材料は基本的に、吸収性捕捉部材の寿命より遙かに存続する永続的なステントとし
て作用する。このことは、血管が開存性を維持するのに補助を必要とする場合において重
要な選択肢であることができる。環状部材2の両方のタイプとも、配置時にフィルタの位
置保持を維持するために逆棘79(図2参照)を包含することができる。環状部材を構成
する有望な非吸収性材料として、ニチノール、エルジロイ、フィノックス、316ステン
レス鋼、MP35N合金、チタン合金、白金合金、ニオブ合金、コバルト合金及びタンタ
ル線が挙げられる。
【0033】
図2a~2hは、吸収性血管フィルタの他の実施形態を説明しており、吸収性捕捉部材
60~64は、任意の逆棘79により血管壁70に対して保持された単一の環状部材2に
取り付けられる。ここで、この場合も前述の吸収性又は非吸収性材料等で環状部材2を作
成することができる。捕捉部材の組立体65の拡大断面図を図2bに示す。選択された吸
収性材料の直径を変化させることにより捕捉部材の連続的な分解が実現されることに留意
しなければならない。例えば、内部の捕捉部材60は時間t図2dにおいて説明する
ように最も早く吸収されることになるPDSII4/0(直径0.15mm)であること
ができ、続いて図2eにおいて時間tで捕捉部材61であるPDSII3/0(直径0
.20mm)が分解し、続いて図2fにおいて時間tで捕捉部材62であるPDSII
2/0(直径0.30mm)が分解し、続いて図2gにおいて時間tで捕捉部材63で
あるPDSII0(直径0.35mm)が分解し、最終的に図2hにおいて時間tでP
DSII1(直径0.40mm)で構成される最後の捕捉部材64が分解する。これらの
寸法は具体例を示しているが、約0.1mm~0.7mm内での任意の直径で十分である
。全体的に見て、外傷及び大手術用途のために、6週間の予防期間(prophylactic windo
w)に従って分解の段階的進行が意図的に設計されている。
【0034】
図3a及びbに描いた実施形態を参照すると、血管フィルタ1は、複数の折り畳み式フ
ィルタ捕捉部材(60~64)を支持するための、及び血管の開存性を維持するための外
環状ステント2から成る。捕捉部材は、カテーテルによる設置のために折り畳み式である
ように、及び末端器官の損傷を避けるように意図的に設計されている。波状の支持構造体
3で支持されている人工代用血管として支持ステント2が作成されていることが示されて
いる。吸収性又は非吸収性フィルタ捕捉部材から成ることができるこの血管フィルタは、
永続的な、一時的な及び任意のIVCフィルタを含む全ての従来の血管フィルタに比べて
優れた点が多い。最も重要なことであるが、血管フィルタは、血管の開存性の確保に加え
て捕捉部材用の周方向のマウントとして作用し、逆棘を有するストラットを備える金属フ
ィルタの内皮化特性を避けるステントで作成されている。それ故に、金属ストラットによ
る特有の血管損傷に起因して金属IVCフィルタで観測されるDVTの発生率の増加が未
然に防止される可能性がある。
【0035】
図3a中の環状ステント部材2は、血管開存性の維持及び拡張時の血管内での固定フィ
ルタの位置保持の維持に加えて、血管フィルタの捕捉部材を支持するように作用する。胸
部内人工器官として従来採用された多くのタイプのステントを利用することができる。こ
のようなステントとして、Gore TAG、Medtronic Talent及びV
aliant Systems並びにCook Zenith TX2 Systemが
挙げられる。特に、Gore TAGは、フッ素ポリマー(延伸ポリテトラフルオロエチ
レンPTFE及びフッ素化エチレンプロピレン又はFEP)で形成され、構造体を支持す
るニチノールと組み合わされた人工代用血管から成る。また、ニッケル-チタン合金(ニ
チノール)、コバルト-クロム-ニッケル合金(エルジロイ)、コバルト-クロム-ニッ
ケル-モリブデン合金(フィノックス)、316ステンレス鋼、MP35N合金、チタン
合金、白金合金、ニオブ合金、コバルト合金及びタンタル線を利用する(人工代用血管を
有していない)支持構造体のみから血管フィルタのステント部材を作成することができる
【0036】
図4aに示す連続的に分解する吸収性血管フィルタの具体的な実施形態を構成し、試験
し、様々なポリジオキサノン縫合糸(サイズ3-0、2-0、0及び1)を用いて評価し
た。フィルタは、より小さい塞栓を捕捉するために、図2bに示したものに比べて高密度
のクモの巣状を特徴としていた。ポリジオキサノンは、外傷の隣接縫合用途で証明された
張力の保持及び吸収特性に基づいて好ましい候補のポリマーであった。IVCと類似する
、内径が25.4mmのTygon長屈曲寿命チューブ(Saint-Gobain P
erformance Plastics、アクロン、オハイオ州)を血管壁に利用し、
ポリジオキサノンを示した様々なフィルタの模様に作り上げた。
【0037】
図4aは、吸収中におけるフィルタ全体の同時分離を避けるために、連続的に又は段階
的に吸収されるように意図的に設計されているクモの巣状の捕捉部材を示す。ここで、完
全に吸収される時間を変更するために、消滅期限の変更に加えて、ポリジオキサノンの様
々な直径の撚り糸(サイズ3-0、2-0、0及び1)を利用した。吸収中に応力点で吸
収性ポリマーが最初に壊れることから、クモの巣状のフィルタを長さD/2で8個に、及
びD/4のサイズで8個に分解するように設計した(Dは血管の内径である)。目標は、
循環においてポリマーフィルタ捕捉部材の浮遊した露出を最小化するための、漸次、段階
的又は連続的な分解である。図4bは同じクモの巣状の模様ではあるが、比較のための均
一のサイズのポリジオキサノン縫合糸である。図4cは、従来の金属IVCフィルタと類
似の放射状フィルタの模様ではあるが、連続的に吸収されるために様々な直径の縫合糸を
示す。最後に、図4dは、サイズが2-0のポリジオキサノンのみで構成した放射状の模
様である。
【0038】
血管フィルタ用途に関して吸収性ポリマーを評価するための主要決定点は、時間に応じ
た破断点荷重であった。図4に図示した吸収性フィルタに加えて、週に一度の破壊的引張
り試験のために様々な吸収性ポリマー候補でいくつかの試験セルを作成した。破断点荷重
の主要決定点に加えて降伏応力対歪みのグラフ、及びいくつかの副次的決定点、即ち(i
)最大応力(引張り強度)、(ii)最大歪み(%破断点伸度)、(iii)破断点エネ
ルギー、及び(iv)弾性体のヤング率のために、MTESTQuattroソフトウェ
ア(ノーウッド、マサチューセッツ州)を有するADMET eXpert 7601引
張り試験装置を利用して一週間間隔でポリマー特性解析を行った。3cm/分のクロスヘ
ッド速度でADMET装置を稼働させ、高解像度100lbロードセル及び2KN空気圧
グリッパをADMET装置に取り付けた。
【0039】
試験セルに縫合した(捕捉部材を示す)候補吸収性ポリマーを、ヒトの心臓生理機能を
模倣するように設計した閉鎖循環システム中に組み込んだ。一週間間隔で、システムを停
止して各サイズの縫合糸を取り出し、破壊的引張り試験を行うために分類した。コントロ
ールとして、37℃に保持した静的バッファ槽(StableTempデジタル式汎用槽
、Cole-Parmer、バーノンヒル、イリノイ州)中に同一の吸収性縫合糸を浸し
、この吸収性縫合糸も週に一度の頻度で試験した。仮説では、循環システムの熱力学の増
加により捕捉部材の吸収率及び引張り強度損失の両方が促進される。
【0040】
IVCを模倣した内径25.4mmの柔軟なTygonチューブの内側に密接に嵌め込
んだ外径26.7mmの薄肉3/4インチPVCで閉鎖循環システムを構成した。システ
ムの心臓は、心臓の心室活動を模倣したHarvard Apparatus大型動物脈
動血液ポンプ(ホリストン、マサチューセッツ州)とした。Harvard Appar
atus血液ポンプは、小規模の予防保全を伴って、22週間にわたってほとんど連続し
て稼働させた(913Kリットルを送り出した)。
【0041】
心拍数は60bpmに調整し、一回拍出量は60~70mlであり、収縮期/拡張期持
続比は35%/65%であり、収縮期血圧は120mmHg(脳及び全身の塞栓症を予防
するための動脈フィルタの条件を模倣している)~5mmHg(PEを予防するためのI
VCフィルタの条件を模倣している)の幅があった。
【0042】
上流及び下流のセンサマニホールドから実時間の測定値を得た。試験用の吸収性フィル
タより上流のセンサは、デジタル温度、流量(L/分)、全流量(L)及び圧力(mmH
g)を含んでいた。下流の計測は、%酸素の実時間測定値、全溶存固形分(TDS、pp
t)及びpHを含んでいた。フィルタ及び試験セルからの縫合糸の断片を下流の80ミク
ロン直列式フィルタが捕捉することができるが、サイズが20ミクロン未満である吸収副
生成物を評価するためにTDSのモニタニングを含めた。
【0043】
図4で提起した4個の候補吸収性血管フィルタを上流のチューブに沿って直列に設置し
、一方で週に一度行う破壊試験用の吸収性縫合糸を含む5個の試験セルをインビトロ心臓
試験システムの下流部分に沿って直列に設置した。閉鎖循環系内を37℃に維持するため
に、温度調節器を有する288W加熱テープを利用した。最後に、ヒトの血液と類似の電
解質組成を有するpH7.4のリン酸塩緩衝液(Invitrogen、カールズバッド
、カリフォルニア州)を循環流体とした。安定したpHを維持するために、緩衝液を一週
間に一度交換した。
【0044】
循環システム及びコントール槽の両方で強度低下が匹敵するまで、選択したポリマーの
吸収及び張力特性を時間に応じて測定した。各週の間にpHが7.4から平均して6.6
に低下したときに、循環システム中のリン酸塩緩衝液を一週間に一度交換した。静的環境
中における緩衝液のpH安定性に起因して、コントロール槽中の緩衝液を一月に一度だけ
交換した。酸素が平均して30%であり、TDSが8.8pptである間、平均流量は4
.7L/分であった。
【0045】
クモの巣状の吸収性フィルタ模様の段階的な、又は連続的な吸収を図5のコラージュに
示す。第13週中にフィルタが分解し始め、段階的な態様で進行し、その後、22週中に
分解が完了するまで一週間当たり1又2個の捕捉部材のみが消失することに留意しなけれ
ばならない。第13週中に検出した最初の分解は、捕捉部材中の高応力点に位置していた
。環状支持体に取り付けられた捕捉部材の先端は、捕捉部材の基部と比較して2倍の圧力
を受けていることから、最初の破壊は先端で起きる。血管壁からフィルタの中心に伸びて
いる湾曲部を形成する捕捉部材を、サイズが1及び0であり、消滅期限が2012年1月
であるポリジオキサノンで構成すると同時に、直径の4分の1まで拡張した、より短い捕
捉部材を、サイズが3-0であり、消滅期限が2015年1月であるポリジオキサノン縫
合糸で構成した。13週で分解したより大きな直径の縫合糸に対して、より小さな直径の
縫合糸が17週で分解したことから、消滅期限は、吸収速度において縫合糸の直径よりも
より大きな役割を果たすとみなされる。クモの巣状のフィルタに関する長さがD/2であ
る8個の部材及び長さがD/4である8個の部材という計画的分解は、実際には分解及び
断片化に起因してより小さな脆い断片を生じた。実際には、下流の80umフィルタによ
ってクモの巣状の模様から得た最大のフィルタ部材により、最大のサイズの断片が5mm
×0.3mmであることが判明した。
【0046】
おそらく、吸収性血管フィルタでの使用に関して検討中の主要な特性は、インビトロ循
環システム中のポリジオキサノンに関して図6に描いた吸収性ポリマーの強度保持プロフ
ィールである。示したように、ポリジオキサノンは緩やかな強度低下を最初に示し(最初
の5~6週間にわたって一週間当たり約5%未満)、続いてその後は一週間当たり20%
近くまで急速に低下する。循環における最初の5週間に関して控え目にまとめると、サイ
ズが1のポリジオキサノンは約10kgの強度を維持し、サイズが0では6kgを維持し
、サイズが2-0では4kgを維持し、サイズが4-0では1.5kgを維持した。類似
の結果を、最初の5週間に関するバッファ槽コントロールから得た。しかしながら、サイ
ズ0に関しては5週で(p<0.014)、サイズ2-0及び1に関しては6週で(p<
0.021)、及び7週でp<0.011)有意差を得た。
【0047】
提案したフィルタの模様は、捕捉部材として作用する多重撚り糸を採用しており、それ
故に、塞栓の荷重がN本の撚り糸に分散している。従って、均一な分散、即ちフィルタに
よって対応可能な塞栓の正味荷重は1本の撚り糸の破断点荷重のN倍であると仮定する。
それ故に、環状支持体に固定された8個の捕捉部材を有する、サイズが2-0のポリジオ
キサノンのフィルタは、塞栓の正味荷重32kgに対応する。
【0048】
ポリマーに関する強度保持に近づく別の方法として、図7に示すように時間に応じた強
度保持の割合を図で示す。ここで、全てのサイズのポリジオキサノンは、最初の5週間に
わたって強度を緩やかに失い、次いで第10週までには無視できるほどの強度のために急
速に吸収される。具体的には、Ethiconの商品パンフレットにより2週で80%、
4週で70%、及び6週で60%を得るEthiconのインビボ動物組織の隣接縫合用
途に対して、インビトロ循環システム内のポリジオキサノンは、2-0以上のサイズに関
して2週で88%、4週で85%、及び6週で68%の平均強度を保持した。
【0049】
吸収性フィルタ部材に関して図8に示すように、ポリジオキサノンに関して弾性体のヤ
ング率は1.0~2.3GPaの範囲であった。緩衝液に曝されると、ヤング率が最初は
減少し(ポリマーはより弾力的になった)、6週で最小に達し、次いで初期値の約2倍に
増加したことに留意しなければならない。ポリジオキサノンに関するヤング率におけるこ
の増加は、脆弱度がゼロ起点強度に達したときに脆弱度の増加を示しており、更に分解中
に観察された。この特性は、吸収性フィルタ用途に関して有利である。例えば、ポリジオ
キサノンがゼロ起点強度に達して分解したときに、ポリジオキサノンはより小さくて脆弱
な断片に分裂及び断片化し、その結果、下流の臓器に害を及ぼすことは潜在的により小さ
い。インビボで最終的な断片の正確なサイズを測定するために、及び潜在的な肺の微少梗
塞を評価するために、さらなる研究が必要である。
【0050】
インビトロ吸収性フィルタの研究の結論として、ポリジオキサノンは、少なくとも6週
間にわたって塞栓を捕捉するのに十分な強度を保持し、次いで二酸化炭素及び水への加水
分解によって次の16週にわたって速やかに吸収されるために、吸収性血管フィルタの強
力な候補であるように思われる。具体的には、サイズが2-0のポリジオキサノンは、循
環中に5週を通じて控え目に見ても1本の撚り糸当たり4kgの破断点荷重を維持するこ
とを示した。それ故に、8個の捕捉部材を包含するフィルタは、32kgの塞栓荷重を捕
捉し、又は同様に、塞栓はフィルタを突き破るために1600kgmmのエネルギーを加
えなければならず、IVC中の圧力はわずか5mmHg(約0.1psi)であることを
考えると、このことは全く起こりそうにない。更に、様々な直径の捕捉部材及び消滅期限
を有するクモの巣状のフィルタ形状は、連続的又は段階的な態様で分解することが示され
ており、1個又は2個の小さくて脆弱なフィルタ断片(それぞれ5mm×0.3mm未満
)を14~22週の循環中に毎週放出していた。FDAに認可され、非アレルギー性及び
非発熱性であることが証明されたポリジオキサノンに加えて、カテーテルで配置されるポ
リジオキサノン吸収性血管フィルタもおそらく肺塞栓症の予防に効率的及び効果的な装置
である。
【0051】
吸収性血管フィルタの好ましい配置は、図9a~eに示すように局部麻酔のみを必要と
するカテーテルを用いた静脈内挿入によるものである。ここで、図9aに示すように、フ
ィルタは、外部シース71と中心ロッド上の内部アプリケータ又は安定用ピストン73と
から成る送達カテーテル内で折り畳められており、及び圧縮されている。IVCフィルタ
を配置するために、送達カテーテルが患者の都合のよい位置、例えば大腿静脈又は内頚の
血管系中に挿入される。その後、送達カテーテルは、所望の配置場所、多くの場合は腎静
脈の下方に至るまで通常はガイドワイヤ上で血管系の中を通って送り込まれる。次に、外
部シース71を基部方向に滑らせるのと同時に安定用ロッド及びピストン72を末端方向
へ押すことにより、圧縮されたフィルタ50を拡張することができる(図9b参照)。外
部シース71がフィルタから離れて回収されるとすぐに、図9cに描いたように安定ピス
トン73も回収することができる。その結果として、血栓症が塞栓80を放出すると塞栓
が血管フィルタによって捕捉されて心臓及び肺への移動が予防され、それによって致死的
なPEが潜在的に予防される(図9d参照)。フィルタを利用する所望の予防期間ウィン
ドウ(多くの用途で約6週間)の後にフィルタが生物学的に吸収され、その結果、図9
に描いたように血管中に全く異物がなくなる。
【0052】
吸収性血管フィルタ1の代替実施形態が、一体化した環状支持体102及び捕捉バスケ
ット101とともに図10aに描かれている。ここで、配置前の前述したカテーテル内に
圧縮可能である放射状に拡張可能なステントと同じように、環状支持体102及び捕捉バ
スケット101は組まれているか、又は織られている。図10bは、捕捉バスケット10
1の織物又は編物を表示する吸収性血管フィルタの平面図である。カテーテルを配置する
際にガイドワイヤを挿入することを可能にするために、織物が開存した中心104を維持
することが示されている。この特定の実施形態の魅力は、下記のフィルタの移動を防止す
るように設計された半径方向の力を有する単一の繊維から吸収性血管フィルタ(環状支持
体及び捕捉部材から成る捕捉バスケット)全体を作成することができることである。
【0053】
図10a及びbに示した、一体化した吸収性血管フィルタは、直径方向に拡張可能であ
り、及び圧縮可能なチューブ状フィルタをもたらし、このチューブ状フィルタは、材料の
選択によって決まる大きさを有する半径方向の力、織物の交差部材の角度フィー(φ)、
及び採用したサイズを超える直径を示す。具体的には、半径方向の力を確立するのに重要
な角度が図11においてφとして描かれている。角度φは180°に近づくにつれてより
大きくなり、織物により供給される半径方向の力の量がより大きくなる。典型的には、φ
は鈍角であり、90~180°の間で選択される。
【0054】
説明するために、縦方向に切断され、湾曲ピン110及び組み繊維103を示す面上に
平置きされた、単一の円筒状に組まれた織物(L=7、P=4)を図11に示す。織物を
周期Pτ(図11中の織物の太い部分を参照)の一連の正弦波形(Pは正弦曲線の一周期
の間に横切った湾曲ピンの数であり、τはピンとピンとの間隔である)として考えると、
血管フィルタの目的とする直径の円周に等間隔で広がる所与の組の平行な湾曲ピンLに関
して、各ピンが一度湾曲され、及び最後の湾曲部が起点で終わっていることを保証するた
めのアルゴリズムを導き出すことができる。
【0055】
円周方向の湾曲部(L)の任意の所望の数に関するL、P及び角度φの間の関係を表す
、表1に示した表によりアルゴリズムを可視化することができる。
【0056】
【表1】
L/Pは、一円周につき横切った正弦曲線の分数を示し、Nは円筒の円周への巻回の総数
を示す。基本的に、織物は、最後の正弦曲線が最初の正弦曲線と一致することが望ましい
最後の湾曲部が得られるまで一定に増加することにより位相がずれている複数の正弦曲線
を生成する。一致する条件は、積Nx(L/P)が整数になることを要件としている。更
に、全てのピンが湾曲されることを保証するために、積Nx(L/P)で生じる最初の整
数がN=Pで現れなければならない。
【0057】
L=7及びP=4である例に関して、表1のP=4に対応する行においてN=4で最初
の整数が現れており、L、P及びNのこの組み合わせが良好な編物を提供し、ここで全て
のピンが利用されており(7個が上端を横切り、7個が下端を横切る)、及び最後の織り
が起点で終わる。良好な編物のためにLが奇数でなければならないことを明らかにするこ
とができる。角度φをφ=2tan-1(Pπr/Ll)として表すことができることを
更に明らかにすることができ、r及びlは所望のフィルタ環状支持体102の半径及び長
さである。表1中のφを算出するのに使用するr及びlの値はそれぞれ、0.625及び
1.5インチであった。また、Lτ=2πr又はτ=2πr/Lの関係からτが容易に算
出される。
【0058】
図12は、L=7及びP=6である他の編物の組み合わせを描いている。表1のP=6に関する行に現れる最初の整数はN=6に対応しており、従って編物は起点で正しく終了し、及び全てのLピンは一回湾曲したことに留意しなければならない。更に図12は、環状支持体102を超えた繊維の単純な連続伸長としての捕捉バスケット101の形成方法を図示する。環状支持体の上端を挟んだ(across)代替湾曲点に示されるように、隣接する湾曲部105によって組み合っている連続的な湾曲部により円錐状の捕捉バスケット101が織られており、湾曲部が頂点106まで延びている。各伸長部106の頂端湾曲部(apical loops)は互いに結合することができ、開存した中心頂点104とともに図10bに示した円錐状の捕捉バスケットを明らかにすることができる。明らかに、所望のサイズの塞栓を捕捉するのに十分な模様の細かさを得るために、他の編物模様を採用することができる。
【0059】
先に説明したように、単純化するために一組の7個の湾曲ピンを検討したが、IVC用
の吸収性血管フィルタに有用であるより好ましい数は、φ>100°で17又は19であ
ることができる。具体的には、図13a及びbに示すように、L=17、P=16、φ=
102°、l=1.5インチ、r=0.625インチ及びτ=0.23インチで単一の1
0フィート合成繊維(0.5mm直径)により、一体化した環状支持体及び捕捉バスケッ
トを有する吸収性IVCフィルタを形成した。鈍角である織り角、(1インチのIVC直
径と一致するために)25%オーバーサイズの直径、及び大きな直径の繊維(0.5mm
)を選択することにより、自己拡張性IVCフィルタはIVC中での配置を維持するのに
十分な半径方向の力を備えている。また、多重に結合した繊維で前述の一体化した吸収性
血管フィルタを構成することができるが、単一の連続した繊維が好ましい場合がある。
【0060】
特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明のより広範囲の趣旨及び範囲か
ら逸脱することなくこの実施形態に様々な変更及び改変を行うことができることは当業者
に明らかであろう。従って、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的であるとみ
なすべきである。
【0061】
(参考文献)
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【符号の説明】
【0062】
1 吸収性血管フィルタ
2 外環状部材
3 波状の支持構造体
30 基部の捕捉部材
31 中間部の捕捉部材
32 末端の捕捉部材
40 中間の捕捉部材
41 基部の捕捉部材
50 圧縮されたフィルタ
60 内部の捕捉部材
61 折り畳み式フィルタ捕捉部材
62 折り畳み式フィルタ捕捉部材
63 折り畳み式フィルタ捕捉部材
64 最後の捕捉部材
70 血管壁
71 外部シース
72 ピストン
73 安全用ピストン
79 逆棘
80 塞栓
101 捕捉バスケット
102 フィルタ環状支持体
103 組み繊維
104 開存した中心
105 湾曲部
106 頂点
110 湾曲ピン
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図5
図6
図7
図8
図9
図10a
図10b
図11
図12
図13a
図13b