IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社三共の特許一覧

<>
  • 特許-遊技機 図1
  • 特許-遊技機 図2
  • 特許-遊技機 図3
  • 特許-遊技機 図4
  • 特許-遊技機 図5
  • 特許-遊技機 図6
  • 特許-遊技機 図7
  • 特許-遊技機 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017085798
(22)【出願日】2017-04-25
(65)【公開番号】P2018183307
(43)【公開日】2018-11-22
【審査請求日】2020-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
【審査官】森川 能匡
(56)【参考文献】
【文献】特許第6496706(JP,B2)
【文献】特開2005-205101(JP,A)
【文献】特開2008-061740(JP,A)
【文献】特開2017-006561(JP,A)
【文献】特開2013-116292(JP,A)
【文献】特開2015-134213(JP,A)
【文献】特開2006-288540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変表示を行い、可変表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときに遊技者にとって有利な有利状態として第1有利状態および第2有利状態のいずれかに制御可能であるとともに、前記第1有利状態の終了後に前記有利状態となりやすい特別状態に制御せず、前記第2有利状態の終了後に前記特別状態に制御可能な遊技機であって、
可変表示の表示結果が表示される前に行われる演出であって、所定表示を表示した後に、前記有利状態に制御されることを報知可能な成功態様の演出、および、当該成功態様と異なる失敗態様の演出のいずれかを実行する特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、 リーチ演出を実行可能なリーチ演出実行手段と、を備え、
前記特定演出において前記失敗態様の演出が実行された後に、可変表示の表示結果として前記特定表示結果とは異なる表示結果であって前記有利状態の制御に対応しない不利表示結果が表示されることがあり、
前記特別状態において、前記リーチ演出実行手段によって前記第1有利状態に制御されることを示唆する態様で前記リーチ演出が実行され、前記特定演出実行手段によって前記特定演出において前記失敗態様の演出が実行された後に、前記不利表示結果が表示されることなく前記特定表示結果が表示される場合に、前記第1有利状態に制御される割合と比較して高い割合で、前記第2有利状態に制御され、
前記特定演出実行手段は、
記成功態様の演出および前記失敗態様の演出のいずれかを、遊技者の動作に応じて実行し、
前記失敗態様の演出が実行された後に前記不利表示結果が表示される場合と、前記失敗態様の演出が実行された後に前記特定表示結果が表示される場合と、において所定タイミングまで共通の演出態様により前記特定演出を実行可能である、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。詳しくは、可変表示を行い、可変表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときに遊技者にとって有利な有利状態として第1有利状態および第2有利状態のいずれかに制御可能であるとともに、前記第1有利状態の終了後に前記有利状態となりやすい特別状態に制御せず、前記第2有利状態の終了後に前記特別状態に制御可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、確変大当り図柄および通常(非確変)大当り図柄でのリーチ状態における操作演出の選択割合が異なるもので、通常大当り図柄でのリーチ状態の場合には、操作演出の実行を制限するものがあった(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-226396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特別状態(確変状態)において、第1有利状態(通常大当り)への移行を示唆する態様によりリーチ演出が実行されたときに、遊技者としては、特別状態が終了しないことを期待するところ、特定演出(ボタン操作演出)において失敗態様が表示されたにもかかわらず大当りとなった場合に、終了後に特別状態に制御されない第1有利状態に制御されると、遊技の興趣が減退してしまう。
【0005】
この発明はかかる事情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技の興趣の減退を抑制することが可能な遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(A) 可変表示を行い、可変表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときに遊技者にとって有利な有利状態として第1有利状態および第2有利状態のいずれかに制御可能であるとともに、前記第1有利状態の終了後に前記有利状態となりやすい特別状態に制御せず、前記第2有利状態の終了後に前記特別状態に制御可能な遊技機であって、
可変表示の表示結果が表示される前に行われる演出であって、所定表示を表示した後に、前記有利状態に制御されることを報知可能な成功態様の演出、および、当該成功態様と異なる失敗態様の演出のいずれかを実行する特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、 リーチ演出を実行可能なリーチ演出実行手段と、を備え、
前記特定演出において前記失敗態様の演出が実行された後に、可変表示の表示結果として前記特定表示結果とは異なる表示結果であって前記有利状態の制御に対応しない不利表示結果が表示されることがあり、
前記特別状態において、前記リーチ演出実行手段によって前記第1有利状態に制御されることを示唆する態様で前記リーチ演出が実行され、前記特定演出実行手段によって前記特定演出において前記失敗態様の演出が実行された後に、前記不利表示結果が表示されることなく前記特定表示結果が表示される場合に、前記第1有利状態に制御される割合と比較して高い割合で、前記第2有利状態に制御され、
前記特定演出実行手段は、
記成功態様の演出および前記失敗態様の演出のいずれかを、遊技者の動作に応じて実行し、
前記失敗態様の演出が実行された後に前記不利表示結果が表示される場合と、前記失敗態様の演出が実行された後に前記特定表示結果が表示される場合と、において所定タイミングまで共通の演出態様により前記特定演出を実行可能である。
(1) 可変表示を行ない、可変表示の表示結果が特定表示結果(たとえば、大当り表示結果)となったときに遊技者にとって有利な有利状態(たとえば、大当り遊技状態)として第1有利状態(たとえば、非確変大当り。小当りであってもよい。)および第2有利状態(たとえば、確変大当り)のいずれかに制御可能であるとともに、前記第1有利状態の終了後に有利状態となりやすい特別状態(たとえば、確変状態)に制御せず、前記第2有利状態の終了後に前記特別状態に制御可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン)であって、
所定表示(たとえば、図5(B)で示すボタン操作を促す一発告知煽り演出)を実行した後に、有利状態に制御されることを報知可能な成功態様の演出(たとえば、図5(C1)で示す告知演出用ランプ90を点灯する一発告知成功演出)、および、当該成功態様と異なる失敗態様の演出(たとえば、図5(C2)で示す促進表示を消去する一発告知失敗演出)のいずれかを実行する特定演出(たとえば、一発告知演出)を実行可能な特定演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、ステップS159,ステップS163,ステップS164)と、
リーチ演出(たとえば、図5(A)で示す変動表示において演出図柄をリーチ状態とする演出、リーチ状態において実行される演出)を実行可能なリーチ演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、
前記特別状態において、前記リーチ演出実行手段によって前記第1有利状態に制御されることを示唆する態様で前記リーチ演出が実行され(たとえば、図5(A)参照)、前記特定演出実行手段によって前記特定演出において前記失敗態様の演出が実行された後に、可変表示の表示結果として前記特定表示結果と異なる遊技者にとって不利な不利表示結果(たとえば、はずれ表示結果)が表示されることなく前記特定表示結果が表示される場合(たとえば、図5(D1),(E)参照)には、前記第1有利状態に制御される割合と比較して高い割合で、前記第2有利状態に制御される(たとえば、図3のステップS153,図4(A)で示されるように、確変大当りとすることが決定されている場合は、非確変大当りとすることが決定されている場合よりも、高い割合で一発予告演出として失敗態様を決定する。)。
【0007】
このような構成によれば、特別状態において、第1有利状態に制御されることを示唆する態様でリーチ演出が実行され、特定演出において失敗態様の演出が実行された後に、可変表示の表示結果として特定表示結果と異なる遊技者にとって不利な不利表示結果が表示されることなく特定表示結果が表示される場合には、第1有利状態に制御される割合と比較して高い割合で、第2有利状態に制御される。その結果、遊技の興趣の減退を抑制できる。
【0008】
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記特定演出実行手段は、前記成功態様の演出および前記失敗態様の演出のいずれかを、遊技者の動作(たとえば、ボタンを操作する動作、赤外線で検知される動作)に応じて実行する(たとえば、図3のステップS161、図5(B)参照)。
【0009】
このような構成によれば、遊技者に動作をさせる演出による失敗態様の演出の実行後の遊技の興趣の減退を抑制できる。
【0010】
(3) 上記(1)または(2)の遊技機において、
前記特別状態でない非特別状態(たとえば、非確変状態)において、前記リーチ演出実行手段によって前記第1有利状態に制御されることを示唆する態様で前記リーチ演出が実行され、前記特定演出実行手段によって前記特定演出において前記失敗態様の演出が実行された後に、可変表示の表示結果として前記不利表示結果が表示されることなく前記特定表示結果が表示される場合には、前記第2有利状態に制御される割合と比較して高い割合で、前記第1有利状態に制御される(たとえば、図3のステップS154,図4(B)で示されるように、非確変大当りとすることが決定されている場合は、確変大当りとすることが決定されている場合よりも、高い割合で一発予告演出として失敗態様を決定する。)。
【0011】
このような構成によれば、非特別状態では有利状態への制御が行なわれるか否かに遊技者が注目するため、特定演出において失敗態様の演出が実行された後に特定表示結果が表示されることで、演出に意外性を持たせて、遊技の興趣を向上させることができる。
【0012】
(4) 上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、
複数の演出モードから遊技者が演出モードを選択可能であり、
前記特定演出実行手段は、特定演出モードが選択されているときに前記特定演出を実行可能である(たとえば、図3のステップS151参照)。
【0013】
このような構成によれば、遊技者の趣向に合った演出を実現できる。
(5) 上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、
有利状態に制御するか否かを決定する決定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
前記決定手段の決定よりも前に有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)とをさらに備え、
前記判定手段によって当該可変表示よりも後の可変表示において有利状態に制御されると判定された場合、前記リーチ演出実行手段によって前記リーチ演出が実行され、前記特定演出実行手段によって前記特定演出において前記成功態様の演出が実行された後に、可変表示の表示結果として不利表示結果が表示される場合に、当該可変表示において、前記後の可変表示において有利状態に制御されることを報知可能である(たとえば、図8参照)。
【0014】
このような構成によれば、演出に意外性を持たせて、遊技の興趣を向上させることができる。
【0015】
(6) 上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、
有利状態に制御するか否かを決定する決定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
前記決定手段の決定よりも前に有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
遊技者にとって不利な内容を報知する不利報知演出(たとえば、図6(E)参照)を実行可能な報知演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、
可変表示に基づいて有利状態に制御される場合に、可変表示に基づいて有利状態に制御されない場合よりも高い割合で、可変表示中に特別演出(たとえば、図6(D)参照)を実行可能な特別演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、
前記不利報知演出が実行される場合に、前記不利報知演出が実行される後に行われる可変表示を対象とする前記判定手段の判定に基づいて、前記不利報知演出が実行される前の可変表示中に前記特別演出を実行可能である(たとえば、図6参照)。
【0016】
このような構成によれば、演出に意外性を持たせて、遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
図2】主基板(遊技制御基板)における回路構成の一例を示すブロック図である。
図3】一発告知演出処理の流れを示すフローチャートである。
図4】一発告知演出決定テーブルを説明するための図である。
図5】一発告知演出に関する画面遷移図である。
図6】変形例における不利報知演出を実行する場合の演出例を示す図である。
図7】変形例における不利報知演出を実行しない場合の演出例を示す図である。
図8】変形例において演出が実行される場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
【0019】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
【0020】
パチンコ遊技機1は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に打込むことにより、以下に説明するような所定の遊技が行なわれる。パチンコ遊技機1は、外枠と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開
閉可能に設けられているガラス扉枠2を有する。
【0021】
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル5等が設けられている。パチンコ遊技機1の内部には、打球操作ハンドル5の操作に応じて遊技領域7に遊技球を打込む打球発射装置が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0022】
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、操作手段として、プッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為がプッシュセンサ124(図2参照)により検出される。
【0023】
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
【0024】
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
【0025】
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、第1始動口スイッチ13aによって検出される。また、第1始動入賞口13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
【0026】
可変入賞球装置15は、左右一対の可動片を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な入賞手段であり、ソレノイド16によって駆動される。可変入賞球装置15が開状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になる(始動入賞し易くなり)。可変入賞球装置15が閉状態のときには、遊技球が第2始動入賞口14に入賞不可能になる。なお、可変入賞球装置15は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。可変入賞球装置15は、所定領域に遊技球が進入可能となる第1状態と、所定領域に遊技球が進入不可能または進入困難な第2状態とに変化可能となる可変入賞手段により構成されていればよい。
【0027】
可変入賞球装置15が閉状態のときには、可変入賞球装置15が遊技球を受入可能な領域がなくなるので、遊技球が第2始動入賞口14よりも第1始動入賞口13に入賞しやすい。一方、可変入賞球装置15が開状態のときには、第1始動入賞口13よりも、可変入賞球装置15が遊技球を受入可能な領域が広くなるので、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
【0028】
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、0~9の数字を変動表示可能な表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
【0029】
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の変動表示が開始される。普通図柄表示器10における変動表示結果による停止図柄が所定の図柄(当り図柄。)となったときに、可変入賞球装置15が所定回数および所定時間だけ開状態に制御される。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄の変動表示が保留記憶され、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。このような普通図柄の保留記憶に基づいて普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、普通図柄の保留記憶が消化され、点灯するLEDを1減らす。
【0030】
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、遊技球が、始動入賞領域としての第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に進入(通過、入賞を含む)して第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されることにより変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立する。その後、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態となる変動表示の開始条件が成立したことに基づいて開始される。第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示時間(変動時間)が経過すると、当該変動表示の表示結果(停止図柄)が導出表示されて終了する。また、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のような始動入賞領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、所定の上限数の範囲内で情報を記憶することが保留記憶と呼ばれる。第1始動入賞口13への遊技球の進入による保留記憶は、第1保留記憶と呼ばれる。第2始動入賞口14への遊技球の進入による保留記憶は、第2保留記憶と呼ばれる。
【0031】
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1保留記憶の保留記憶数を表示する4つの表示器からなる。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2保留記憶の保留記憶数を表示する4つの表示器からなる。第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bのそれぞれは、対応する有効な始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やし、対応する特別図柄表示器での変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0032】
第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときには、その変動表示に対応して演出表示装置9で演出図柄の変動表示等の演出表示が実行される。
【0033】
特別図柄および演出図柄の変動表示が実行され、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
【0034】
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
【0035】
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
【0036】
リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。リーチの中には、特別なスーパーリーチ以外のリーチとして、基本的なリーチであるノーマルリーチが含まれている。ノーマルリーチは、スーパーリーチよりも大当りが発生しにくいように設定されたものである。
【0037】
スーパーリーチにおいては、リーチ図柄が形成された後、所定の動画を表示する等、演出等の遊技者の期待感を向上させるような複雑な演出表示が実行される。また、ノーマルリーチにおいては、比較的簡素な演出表示が実行される。
【0038】
リーチ状態となった後に、リーチ図柄が形成された態様ではずれ表示結果となったときが、リーチはずれと呼ばれる。また、リーチ状態とならずにリーチ図柄が形成されない態様ではずれ表示結果となったときが、非リーチはずれと呼ばれる。
【0039】
また、演出表示装置9の表示領域中における下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像(以下、保留画像または保留表示と呼ぶ)が保留記憶情報の数に対応して表示される保留表示エリアが形成される(図示省略)。また、保留表示エリアから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応するアクティブ表示(変動対応表示とも呼ぶ)を含む情報を表した画像を表示するアクティブ表示エリアが保留表示エリアに隣接して形成される。
【0040】
可変入賞球装置15の下方には、ソレノイド21によって駆動される開閉板を備え、遊技者にとって有利(遊技球が進入可能)な開状態(第1状態)と、遊技者にとって不利(遊技球が進入不可能)な閉状態(第2状態)とに変化可能な入賞手段として、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態において開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に進入した遊技球は、カウントスイッチ23により入賞球として検出される。なお、特別可変入賞球装置20は、閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(遊技球が入賞しにくい)ように構成されてもよい。
【0041】
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放
されている状態が、ラウンドと呼ばれる。ラウンドにおいて繰返し継続制御により特別可変入賞球装置20が開放される遊技は、ラウンド遊技と呼ばれる。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる最終ラウンド(たとえば第15ラウンド等)に達するまで繰返される。
【0042】
大当りについては、複数の種別が設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。「大当り」の種別のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
【0043】
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
【0044】
特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
【0045】
電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
【0046】
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
【0047】
大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(
非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
【0048】
大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
【0049】
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側には、効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
【0050】
演出表示装置9の上部には、告知演出用ランプ90が設けられる。告知演出用ランプ90は、本実施の形態においてはLEDで構成されるが、他の発光手段で構成されるようにしてもよい。
【0051】
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
【0052】
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1における遊技の進行等を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
【0053】
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
【0054】
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
【0055】
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a
、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
【0056】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
【0057】
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU101を含む。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。演出制御用CPU101は、プッシュセンサ124の検出信号が、入力ポート(図示省略)を介して入力される。
【0058】
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出表示装置9等の各種演出装置の演出内容を指示する演出制御コマンドを、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28および告知演出用ランプ90の表示制御を行なったり、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なったりすることで、各種の演出制御を行なう。
【0059】
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、遊技制御用の予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。第1特別図柄と第2特別図柄とのような特別図柄の変動表示、および、大当り遊技制御等の特定の遊技制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される遊技制御プロセス処理により、所定のプロセスにしたがって実行される。
【0060】
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、乱数回路503および各種のランダムカウンタからデータを抽出し、その抽出データを用いて、大当り判定、大当り種類判定、変動パターン種別判定、変動パターン判定、普通当り判定、および、ランダムカウンタの初期値決定等を行なう。大当り判定用のデータ、大当り種別判定用のデータ、変動パターン種別判定用のデータ、および、変動パターン判定用のデータ等の所定のデータは、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aによる遊技球の検出時(始動入賞検出時)に抽出され、第1保留記憶情報または第2保留記憶情報としてRAM55に記憶される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560では、そのような保留記憶情報に基づく変動表示の開始条件が成立したときに、RAM55に第1保留記憶情報または第2保留記憶情報として記憶された各種データが読出されて、前述のような各種判定に用いられ、その判定結果に基づいて、変動表示が実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当り遊技制御、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、普通図柄の変動表示等の各種遊技制御を実行する。
【0061】
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、このような各種判定に基づいて、大当りの判定結果、大当り種類の判定結果、変動パターン種別の判定結果、および、変動パター
ンの判定結果等の予め定められた制御情報を、演出制御指示用のコマンドである演出制御コマンドとして、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100では、受信した演出制御コマンドに基づいて、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、および、大当り制御等の遊技制御に合せた演出を実行する。
【0062】
演出制御用マイクロコンピュータ100では、演出制御用の予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms,4ms等)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の演出制御が実行可能となる。演出図柄の変動表示に関する演出、および、大当り遊技状態に関する演出等の特定の演出制御が、タイマ割込処理が実行されるときに付随して実行される演出制御プロセス処理により、所定のプロセスにしたがって実行される。
【0063】
図3は、一発告知演出処理の流れを示すフローチャートである。このフローチャートは、演出制御プロセス処理の各プロセスで実行される処理のうち、一発告知演出に関する処理を便宜的に1つのフローチャートに集めて示したものである。
【0064】
図3を参照して、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって決定された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドの受信時であるか否かを判断する(ステップS150)。
【0065】
変動パターン指定コマンドの受信時である(ステップS150でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、パチンコ遊技機1の演出モードが特定演出モードに設定されているか否かを判断する(ステップS151)。演出モードは、特定演出モードを含む複数種類の中から遊技者が選択可能なように構成されている。特定演出モードに設定されている(ステップS151でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、確変状態中であるか否かを判断する(ステップS152)。
【0066】
確変状態中である(ステップS152でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、確変状態時一発告知演出決定テーブルを用いて演出態様を決定する(ステップS153)。
【0067】
図4は、一発告知演出決定テーブルを説明するための図である。図4(A)は、確変状態時一発告知演出決定テーブルを説明するための図である。図4(A)を参照して、表示結果として確変大当りとすることが決定されている場合、一発告知演出の態様として、50%の確率で成功態様、40%の確率で失敗態様、10%の確率で不実行が決定される。
【0068】
同様に、表示結果として非確変大当り(通常大当り)とすることが決定されている場合、一発告知演出の態様として、10%の確率で成功態様、20%の確率で失敗態様、70%の確率で不実行が決定される。また、表示結果としてはずれとすることが決定されている場合、一発告知演出の態様として、0%の確率で成功態様、30%の確率で失敗態様、70%の確率で不実行が決定される。
【0069】
図3に戻って、一方、確変状態中でない(ステップS152でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、非確変状態時一発告知演出決定テーブルを用いて演出態様を決定する(ステップS154)。
【0070】
図4(B)は、非確変状態時一発告知演出決定テーブルを説明するための図である。図4(B)を参照して、表示結果として確変大当りとすることが決定されている場合、一発告知演出の態様として、60%の確率で成功態様、20%の確率で失敗態様、20%の確
率で不実行が決定される。
【0071】
同様に、表示結果として非確変大当り(通常大当り)とすることが決定されている場合、一発告知演出の態様として、5%の確率で成功態様、40%の確率で失敗態様、55%の確率で不実行が決定される。また、表示結果としてはずれとすることが決定されている場合、一発告知演出の態様として、0%の確率で成功態様、30%の確率で失敗態様、70%の確率で不実行が決定される。
【0072】
図3に戻って、ステップS153およびステップS154の後、演出制御用CPU101は、受信した変動パターン指定コマンドで示される変動パターンにしたがって実行される変動表示について、確変大当りとすることが決定されているか否かを判断する(ステップS155)。
【0073】
確変大当りとすることが決定されている(ステップS155でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、昇格演出の前の変動表示の表示結果を非確変大当り(通常大当り)の表示結果に変更する(ステップS156)。その後、演出制御用CPU101は、実行する処理をステップS157に進める。
【0074】
このように、確変状態において、通常大当りの図柄でリーチ状態とするリーチ演出が実行され、一発告知演出において失敗態様の演出が実行された後に、変動表示の表示結果としてはずれ表示結果が表示されることなく大当り表示結果が表示される場合には、通常大当りに制御される割合(図4(A)では20%)と比較して高い割合(図4(A)では40%)で、確変大当りに制御されるように、一発告知演出の態様を決定することができる。
【0075】
また、通常状態(非確変状態)において、通常大当りの図柄でリーチ状態とするリーチ演出が実行され、一発告知演出において失敗態様の演出が実行された後に、変動表示の表示結果としてはずれ表示結果が表示されることなく大当り表示結果が表示される場合には、確変大当りに制御される割合(図4(B)では20%)と比較して高い割合(図4(B)では40%)で、通常大当りに制御されるように、一発告知演出の態様を決定することができる。
【0076】
変動パターン指定コマンドの受信時でない(ステップS150でNO)と判断した場合、特定演出モードに設定されていない(ステップS151でNO)と判断した場合、および、ステップS156の後、演出制御用CPU101は、一発告知演出を実行すると決定されたか否かを判断する(ステップS157)。
【0077】
一発告知演出を実行すると決定された(ステップS157でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、一発告知演出の前に実行される一発告知煽り演出の実行タイミングであるか否かを判断する(ステップS158)。実行タイミングである(ステップS158でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、後述の図5(B)で示す一発告知煽り演出を実行する(ステップS159)。
【0078】
一発告知煽り演出の実行タイミングでない(ステップS158でNO)と判断した場合、および、ステップS159の後、演出制御用CPU101は、一発告知演出の実行タイミングであるか否かを判断する(ステップS160)。
【0079】
一発告知演出の実行タイミングである(ステップS160でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120の操作が有ったか否かを判断する(ステップS161)。
【0080】
ボタン操作が有った(ステップS161でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、一発告知演出の態様として成功態様が決定されたか否かを判断する(ステップS162)。成功態様が決定された(ステップS162でYES)と判断した場合、一発告知成功演出を実行する(ステップS163)。一発告知成功演出は、後述の図5(C1)で示す告知演出用ランプ90を点灯させる演出である。
【0081】
一方、成功態様が決定されていない(ステップS162でNO)、つまり、失敗態様が決定されたと判断した場合、一発告知失敗演出を実行する(ステップS164)。一発告知失敗演出は、後述の図5(C2)で示す告知演出用ランプ90を点灯させず、一発告知煽り演出でのボタン表示を消去する演出である。
【0082】
一発告知演出の実行タイミングでない(ステップS160でNO)と判断した場合、ボタン操作が無い(ステップS161でNO)と判断した場合、ステップS163の後、および、ステップS164の後、演出制御用CPU101は、変動表示の表示結果を導出表示するタイミングであるか否かを判断する(ステップS165)。
【0083】
表示結果を導出表示するタイミングである(ステップS165でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、変動表示の表示結果を導出表示する(ステップS166)。なお、昇格演出を実行する場合は、昇格演出の前の表示結果を導出表示する。
【0084】
表示結果を導出表示するタイミングでない(ステップS165でNO)と判断した場合、および、ステップS166の後、演出制御用CPU101は、昇格演出の実行タイミングであるか否かを判断する(ステップS167)。
【0085】
昇格演出の実行タイミングである(ステップS167でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、確変大当りとすることが決定されているか否かを判断する(ステップS168)。
【0086】
確変大当りとすることが決定されている(ステップS168)と判断した場合、演出制御用CPU101は、後述する図5(E)で示す昇格演出を実行する(ステップS169)。
【0087】
図5は、一発告知演出に関する画面遷移図である。図5を参照して、図5(A)で示すように、確変状態中に、演出表示装置9で実行されている演出図柄の変動表示において通常大当り図柄(非確変図柄)でリーチ状態となったときに、図5(B)で示すように、一発告知煽り演出が実行される場合がある。一発告知煽り演出においては、たとえば、プッシュボタン120の操作を促す画像を表示するボタン操作演出が実行される。
【0088】
一発告知煽り演出で成功とする場合、図5(C1)で示すように、成功態様の一発告知演出である一発告知成功演出が実行される。一発告知成功演出においては、告知演出用ランプ90が点灯するとともに報知音(たとえば「キュイン!」という効果音)がスピーカ27から出力される。その後、図5(D1)で示すように、通常大当り図柄で大当りとなる。なお、この後に、確変大当り図柄での確変大当りに昇格される場合と昇格されない場合とがある。
【0089】
一発告知煽り演出で失敗とする場合、図5(C2)で示すように、失敗態様の一発告知演出である一発告知失敗演出が実行される。一発告知失敗演出においては、告知演出用ランプ90は点灯されず、一発告知煽り演出のプッシュボタン120の操作を促す画像が消去される。その後、図5(D2)で示すように、通常大当り図柄で大当りとなり、さらに
図5(E)で示すように、昇格演出が実行され、確変大当り図柄での確変大当りに昇格される場合がある。なお、昇格されない場合もある。また、図5(C2)の後に、図柄が揃わず、はずれとなる場合がある。
【0090】
また、図5(B)の後に、図5(C1)の一発告知成功演出や図5(C2)の一発告知失敗演出を実行せずに、大当り表示結果が表示される場合がある。
【0091】
[変形例]
(1) 有利状態に制御するか否かを決定し、当該決定よりも前に有利状態に制御されるか否かを判定し、遊技者にとって不利な内容を報知する不利報知演出(たとえば、図6(E)参照)を実行可能であり、可変表示に基づいて有利状態に制御される場合に、可変表示に基づいて有利状態に制御されない場合よりも高い割合で、可変表示中に特別演出(たとえば、図6(D)参照)を実行可能であり、不利報知演出が実行される場合に、不利報知演出が実行される後に行われる可変表示を対象とする有利状態に制御されるか否かの判定に基づいて、不利報知演出が実行される前の可変表示中に特別演出を実行可能である(たとえば、図6参照)ようにしてもよい。
【0092】
図6は、不利報知演出としての時短終了報知を実行する場合の演出例を示している。この場合、演出表示装置9の表示画面では、例えば図6(A)に示すように、時短状態における飾り図柄の可変表示が行われ、時短状態において実行可能な可変表示の残り回数(時短残回数)が「1」となっている。図6(A)に示す表示画面の左上部には、時短中であることを示す「時短中」の演出画像が表示され、その表示画面の中央上部には、時短残回数が「1」であることに対応して、「あと1回」を示す演出画像が表示されている。このとき、保留記憶数は「2」である。この可変表示中に始動入賞が発生して、保留記憶数が「3」になると、図6(B)に示すように、新たな保留記憶に対応する保留表示550が表示される。この保留記憶では、入賞時判定結果が「大当り」となることにより、大当り保留が発生する。その後、図6(C)では、飾り図柄の最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されることで、可変表示が終了している。これに続いて、図6(D)では、飾り図柄の可変表示が開始される。
【0093】
図6(D)に示す可変表示の開始に対応して、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって、時短中最終可変表示であると判定され、時短終了報知(はずれ)変動パターンが決定される。また、演出制御用CPU101によって、時短中であると判定され、大当り保留の確認が行われる。このとき、時短残回数は「0」に更新されており、保留番号「2」に関連付けた入賞時判定結果は「大当り」となっている。これにより、「大当り保留あり」と判定され、大当り保留告知演出の実行が開始可能となる。ここでは、保留記憶数に対応する「2」が大当り保留告知回数として設定される。こうして、図6(D)に示すように、告知演出用ランプ90を点灯させることで、大当り保留告知演出が実行される。演出制御用CPU101によって、時短終了報知期間であると判定されるより前に、告知演出期間であると判定され、大当り保留告知演出を実行可能である。このように、時短終了報知が実行される前の可変表示中に大当り保留告知演出を実行可能であればよい。
【0094】
その後、時短終了報知期間であると判定されたときに、図6(E)に示すような演出画像の表示などを行うことで時短終了報知が実行される。このとき、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄(演出図柄)表示エリアにおける飾り図柄は、表示画面の右上部にて縮小された状態で停止表示(仮停止)されていればよい。飾り図柄の最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されることに伴い、時短終了報知が終了してもよいし、可変表示の終了後も特定報知時間が経過するまでは継続して時短終了報知が行われてもよい。これに続いて、図6(F)では、飾り図柄の可変表示が開始されている。このときには、既に時短状態が終了しており、大当り保留告知回数が「1」に更新され、保留番号「1」の保留記
憶による可変表示を告知対象として、大当り保留告知演出が継続して実行される。そして、図6(G)に示すような確定飾り図柄が停止表示されることで、可変表示が終了する。これに続いて、図6(H)では、飾り図柄の可変表示が開始される。
【0095】
図6(H)に示す可変表示が開始されるときには、大当り保留告知回数が「0」に更新され、今回の可変表示を告知対象として、大当り保留告知演出が継続して実行される。この可変表示では、例えば図6(I)に示すように、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となり、その後、図6(J)に示すように、大当り組合せの確定飾り図柄が最終停止図柄として停止表示される。こうして、可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、有利状態としての大当り遊技状態に制御される。
【0096】
図6(D)に示す可変表示において、可変表示結果が「大当り」となる場合に、時短終了報知(大当り)変動パターンが決定される。この場合には、図6(E)に示す場合と同様に演出画像の表示などを行うことで不利報知演出としての時短終了報知が実行され、その後に、停止表示(仮停止)されている飾り図柄が再び可変表示(再変動)して、大当り組合せの確定飾り図柄が最終停止図柄として停止表示されるようにすればよい。
【0097】
なお、可変表示結果が「大当り」で時短終了報知(大当り)変動パターンに対応する可変表示の場合には、図6(E)に示す可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも、視認性を低下させた演出画像の表示(例えば縮小表示、半透明表示、隠蔽表示のいずれか)などを行うことにより、不利報知演出の実行を制限してもよい。このように、不利報知演出となる時短終了報知が実行される可変表示に基づいて有利状態としての大当り遊技状態に制御される場合には、大当り遊技状態に制御されない場合よりも遊技者が認識しにくい演出態様となるように、不利報知演出の実行を制限してもよい。あるいは、時短状態において実行可能な最終の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となる場合には、不利報知演出としての時短終了報知が実行されないように、不利報知演出の実行を制限してもよい。こうして、時短状態において実行可能な最終の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となる場合などの範囲と、不利報知演出を実行不能または認識困難にするという演出実行の限界とが定められるように、不利報知演出の実行を制限してもよい。
【0098】
図7は、不利報知演出としての時短終了報知を実行しない場合の演出例を示している。この例では、変動パターン設定処理を開始したときに、大当りフラグがオンであれば、大当り時に対応する変動パターンを決定すればよい。そして、図7(A)に示す可変表示が実行されるときに、図6(D)に示す可変表示が実行されるときと同様に、時短残回数は「0」に更新される。こうした可変表示の開始に対応して、今回大当りであると判定され、大当り変動告知の決定が行われる。このとき、大当り変動告知演出を実行することに決定されると、大当り変動告知演出の実行が開始可能となる。こうして、図7(A)に示すように、告知演出用ランプ90を点灯させることで、大当り変動告知演出が実行される。
【0099】
その後、図7(B)に示すように、大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示され、可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、有利状態としての大当り遊技状態に制御される。このときには、例えば図7(C)に示すような演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることなどにより、ファンファーレ演出が実行される。その後、大当り遊技状態におけるラウンドの実行に対応して、例えば図7(D)に示すような演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させるといった、大当り中演出が実行される。次に、大当り遊技状態の終了に対応して、例えば図7(E)に示すような演出画像を演出表示装置9の表示画面に表示させることにより、大当り終了演出が実行される。このときには、大当り遊技状態となる前の時短状態が継続することを報知すればよい。そして、例えば図7(F)に示すように、時短状態における飾り図柄の可変表示を開始させることができる。
【0100】
なお、「大当り保留あり」と判定された場合には、時短終了報知のような不利報知演出の実行を制限してもよい。例えば図6(E)に示す演出画像の表示による「時短終了」の報知を、大当り保留告知演出が実行されていないときよりも遊技者が認識しにくい態様で報知してもよいし、報知そのものが実行されないようにしてもよい。こうして、不利報知演出となる時短終了報知が実行される前に、不利報知演出が実行される後に行われる可変表示を対象とする入賞時判定結果に基づいて、特別演出となる大当り保留告知演出が実行される場合などの範囲と、不利報知演出を実行不能または認識困難にするという演出実行の限界とが定められるように、不利報知演出の実行を制限してもよい。特別演出が実行される場合には、特別演出が実行されない場合とは異なり、不利報知演出の実行を制限することで、特別演出に遊技者を注目させて、遊技興趣を向上させることができる。
【0101】
(2) 有利状態に制御するか否かを決定し、当該決定よりも前に有利状態に制御されるか否かを判定し、当該可変表示よりも後の可変表示において有利状態に制御されると判定された場合、リーチ演出が実行され、特定演出において成功態様の演出が実行された後に、可変表示の表示結果として不利表示結果が表示される場合に、当該可変表示において、後の可変表示において有利状態に制御されることを報知可能である(たとえば、図8参照)ようにしてもよい。
【0102】
図8は、不利報知演出として、可変表示結果が「ハズレ」となることを報知するリーチ演出が実行され、特別演出として、演出表示装置9の表示画面における演出画像の表示によるチャンスアップ演出やテロップ表示演出が実行される変形例を示している。この場合、演出表示装置9の表示画面では、例えば図8(A)に示すように、飾り図柄の可変表示が行われ、保留記憶数が「1」となっている。この可変表示中に始動入賞が発生して、保留記憶数が「2」になると、図8(B)に示すように、新たな保留記憶に対応する保留表示550が表示される。この保留記憶では、入賞時判定結果が「大当り」となることにより、大当り保留が発生する。図8(B)では、飾り図柄の最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されることで、可変表示が終了している。これに続いて、図8(C)では、飾り図柄の可変表示が開始される。
【0103】
図8(C)に示す可変表示の開始に対応して、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって、大当りフラグがオフであると判定され、ハズレ時に対応する変動パターンが決定される。たとえば、スーパーリーチはずれの変動パターンが決定される。演出制御基板80の側では、演出制御用CPU101により、ハズレ時に対応する変動パターンである場合に、大当り保留告知演出を実行するようにしてもよい。こうして、スーパーリーチのリーチ演出が実行されることを条件に、大当り保留告知演出を実行可能であってもよい。この場合、保留番号「1」に関連付けた入賞時判定結果が「大当り」となっているので、「大当り保留あり」と判定され、大当り保留告知演出の実行が開始可能となる。
【0104】
図8(C)に示す可変表示が開始された後には、図8(D)に示すように飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となり、続いて図8(E)に示すような演出画像の表示などによるリーチ演出が開始される。このリーチ演出は、例えば図8(F)に示すような演出画像の表示を変更することなどにより進行する。こうしたリーチ演出を実行中に、告知演出期間であると判定されることで、図8(G)に示すような演出画像の表示などを含むチャンスアップ演出が実行される。チャンスアップ演出の実行に続いて、図8(H)に示すような演出画像の表示などによるテロップ表示演出が実行される。図8(H)では、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることで、可変表示が終了する。これに続いて、図8(I)では、飾り図柄の可変表示が開始される。
【0105】
図8(I)に示す可変表示が開始されるときには、今回の可変表示を告知対象として、大当り保留告知演出が継続して実行される。この可変表示では、例えば図8(J)に示す
ように、飾り図柄の可変表示状態がリーチ態様となり、その後、図8(K)に示すように、大当り組合せの確定飾り図柄が最終停止図柄として停止表示される。こうして、可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、有利状態としての大当り遊技状態に制御される。
【0106】
(3) 前述した実施の形態においては、図3のステップS150~ステップS156および図4で示したように、表示結果として確変大当り、非確変大当りおよびはずれのいずれにすることが決定されているかに応じて一発告知演出の演出態様(成功態様、失敗態様、不実行)を決定し、確変大当りとすることが示されている場合は、昇格前の表示結果を非確変大当りの表示結果に変更するようにした。
【0107】
しかし、これに限定されず、表示結果として確変大当り、非確変大当りおよびはずれのいずれにすることが決定されているかに応じて、演出図柄の表示結果の図柄を決定し、確変大当りとすることが決定されている場合は、昇格させるか否かを決定し、さらに、昇格前の表示結果の図柄を決定する。そして、表示結果として非確変大当りとすることが決定されている場合、および、非確変大当りの表示結果から昇格させて確変大当りとすることが決定されている場合に、図4で示すようなテーブルを用いて一発告知演出の演出態様を決定するようにしてもよい。
【0108】
[まとめ]
(1) この実施の形態のパチンコ遊技機1は、演出図柄の変動表示を行ない、変動表示の表示結果が大当り表示結果となったときに大当り遊技状態として非確変大当りおよび確変大当りのいずれかに制御可能であるとともに、非確変大当りの終了後に有利状態となりやすい確変状態に制御せず、確変大当りの終了後に確変状態に制御可能である。
【0109】
図3のステップS159,ステップS163,ステップS164で示したように、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、図5(B)で示すボタン操作を促す一発告知煽り演出を実行した後に、大当り遊技状態に制御されることを報知可能な成功態様の図5(C1)で示す告知演出用ランプ90を点灯する一発告知成功演出、および、当該成功態様と異なる失敗態様の図5(C2)で示す促進表示を消去する一発告知失敗演出のいずれかを実行する一発告知演出が実行可能である。
【0110】
演出制御用マイクロコンピュータ100によって、図5(A)で示す変動表示において演出図柄をリーチ状態とする演出が実行可能である。演出制御用マイクロコンピュータ100によって、確変状態において、図5(A)で示すように非確変大当りに制御されることを示唆する態様でリーチ演出が実行され、一発告知演出において失敗態様の一発告知失敗演出が実行された後に、変動表示の表示結果としてはずれ表示結果が表示されることなく図5(D1),(E)で示すように大当り表示結果が表示される場合には、非確変大当りに制御される割合と比較して高い割合で、確変大当りに制御される。具体的には、図3のステップS153,図4(A)で示されるように、確変大当りとすることが決定されている場合は、非確変大当りとすることが決定されている場合よりも、高い割合で一発予告演出として失敗態様が決定される。
【0111】
上述のようにしない場合、確変状態において、非確変大当りに制御されることを示唆する態様でリーチ演出が実行されたときに、遊技者としては確変状態が終了しないことを期待するところ、ボタン操作演出のような一発告知煽り演出において失敗態様が表示されたにもかかわらず大当りとなった場合に、非確変大当りに制御されると、失敗態様により確変状態が終了してしまうことを回避したものと遊技者が認識したにも拘らず回避していない結果となってしまい、遊技の興趣が減退してしまう。
【0112】
しかし、上述のようにした場合、確変状態において、非確変大当りに制御されることを示唆する態様でリーチ演出が実行され、一発告知演出において失敗態様の一発告知失敗演出が実行された後に、変動表示の表示結果としてはずれ表示結果が表示されることなく大当り表示結果が表示される場合には、非確変大当りに制御される割合と比較して高い割合で、確変大当りに制御される。その結果、遊技の興趣の減退を抑制できる。
【0113】
(2) 図3のステップS161、図5(B)で示したように、成功態様の一発告知成功演出および失敗態様の一発告知失敗演出のいずれかが、遊技者のプッシュボタン120を操作する動作に応じて実行される。これにより、遊技者に動作をさせる演出による失敗態様の演出の実行後の遊技の興趣の減退を抑制できる。
【0114】
(3) 演出制御用マイクロコンピュータ100によって、非確変状態において、非確変大当りに制御されることを示唆する態様でリーチ演出が実行され、一発告知演出において失敗態様の一発告知失敗演出が実行された後に、変動表示の表示結果としてはずれ表示結果が表示されることなく大当り表示結果が表示される場合には、確変大当りに制御される割合と比較して高い割合で、非確変大当りに制御される。具体的には、図3のステップS154,図4(B)で示されるように、非確変大当りとすることが決定されている場合は、確変大当りとすることが決定されている場合よりも、高い割合で一発予告演出として失敗態様が決定される。
【0115】
これにより、非確変状態では大当り遊技状態への制御が行なわれるか否かに遊技者が注目するため、一発告知演出において失敗態様の一発告知失敗演出が実行された後に大当り表示結果が表示されることで、演出に意外性を持たせて、遊技の興趣を向上させることができる。
【0116】
(4) 図3のステップS151で示したように、複数の演出モードから遊技者が演出モードを選択可能であり、特定演出モードが選択されているときに一発告知演出が実行可能である。これにより、遊技者の趣向に合った演出を実現できる。
【0117】
(5) 遊技制御用マイクロコンピュータ560によって、大当り遊技状態に制御するか否かが決定される。遊技制御用マイクロコンピュータ560によって、大当り遊技状態に制御するか否かの決定よりも前に大当り遊技状態に制御されるか否かが判定される。図8で示したように、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、当該変動表示よりも後の変動表示において大当り遊技状態に制御されると判定された場合、リーチ演出が実行され、一発告知演出において成功態様の演出が実行された後に、変動表示の表示結果として不利表示結果が表示される場合に、当該変動表示において、後の変動表示において大当り遊技状態に制御されることが報知可能である。これにより、演出に意外性を持たせて、遊技の興趣を向上させることができる。
【0118】
(6) 遊技制御用マイクロコンピュータ560によって、大当り遊技状態に制御するか否かが決定される。遊技制御用マイクロコンピュータ560によって、大当り遊技状態に制御するか否かの決定よりも前に大当り遊技状態に制御されるか否かが判定される。演出制御用マイクロコンピュータ100によって、遊技者にとって不利な内容を報知する図6(E)で示したような時短終了報知が実行可能である。演出制御用マイクロコンピュータ100によって、変動表示に基づいて大当り遊技状態に制御される場合に、変動表示に基づいて大当り遊技状態に制御されない場合よりも高い割合で、変動表示中に図6(D)で示したような大当り保留告知演出が実行可能である。図6で示したように、時短終了報知が実行される場合に、時短終了報知が実行される後に行われる変動表示を対象とする大当り遊技状態に制御されるか否かの判定に基づいて、時短終了報知が実行される前の可変表示中に大当り保留告知演出が実行可能である。これにより、演出に意外性を持たせて、
遊技の興趣を向上させることができる。
【0119】
[その他の変形例]
(1) 前述した実施の形態においては、図3のステップS161で、遊技者の動作として、プッシュボタン120の操作を検出するようにした。しかし、これに限定されず、遊技者の動作として他の動作を検出するようにしてもよい。たとえば、赤外線センサなどの遊技者の動作を検知可能なセンサで検知可能な動作を検出するようにしてもよい。
【0120】
(2) 前述した実施の形態においては、図3のステップS155,ステップS156で示したように、確変大当りとする場合、つまり、大当り遊技状態とする場合であって確変図柄でリーチ状態とする場合には、必ず、昇格前の表示結果を非確変大当りの表示結果とするようにした。しかし、これに限定されず、確変大当りとする場合であっても、確変図柄でリーチ状態とする場合があるようにして、確変図柄でのリーチ状態中に一発告知演出が実行される場合があるようにしてもよい。
【0121】
(3) 前述した実施の形態においては、図5(D2),(E)で示したように、非確変大当りから確変大当りに昇格するようにした。しかし、これに限定されず、出玉の少ない大当りから多い出玉の大当りに昇格するようにしてもよい。
【0122】
(4) 前述した実施の形態においては、一発告知煽り演出が図5(B)で示したように、ボタン操作演出であることとした。しかし、これに限定されず、可動役物による役物演出であってもよい。たとえば、一発告知煽り演出が、可動役物が進出してくるのを示唆する動作をする演出であってもよい。この場合、一発告知成功演出は、可動役物が進出してくる演出である。一発告知失敗演出は、可動役物が進出してこない演出である。
【0123】
また、一発告知煽り演出が、当りを示す図柄(たとえば、○)およびはずれを示す図柄(たとえば、×)の抽選表示をするルーレット演出であってもよい。この場合、一発告知成功演出は、抽選表示の結果が当りを示す図柄となる演出である。一発告知失敗演出は、抽選表示の結果がはずれを示す図柄となる演出である。
【0124】
また、一発告知煽り演出が、ミニキャラなどのキャラクタ同士のバトル演出であってもよい。この場合、一発告知成功演出は、遊技者側のキャラクタが勝利する演出である。一発告知失敗演出は、遊技者側のキャラクタが敗北する演出である。
【0125】
(5) 前述した図3で説明したような処理は、パチンコ遊技機1によって実行されるようにした。しかし、これに限定されず、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
【0126】
たとえば、リールに加えて演出表示装置でも演出図柄の変動表示が実行されるスロットマシンにおいて、AT状態において、遊技者にとって有利度が低いAT状態が継続されることを示唆する態様でリーチ演出が実行され、一発告知演出において失敗態様の一発告知失敗演出が実行された後に、演出図柄の変動表示の表示結果としてATはずれ表示結果が表示されることなくAT当選の演出図柄が表示される場合には、有利度が低いAT状態に継続制御される割合と比較して高い割合で、有利度が高いAT状態に継続制御されるようにしてもよい。有利度が高いAT状態は、継続回数が多いAT状態や、獲得期待枚数が多いAT状態である。
【0127】
(6) 前述した実施の形態においては、図4(A)で示したように、確変状態中に確変大当りとする場合は、一発告知演出の態様として、40%の確率で失敗態様が選択されるようにした。しかし、これに限定されず、確変状態中に確変大当りとする場合は、一発告知演出の態様として、100%の確率で失敗態様が選択されるようにしてもよい。さらに、確変状態中に非確変大当りとする場合およびはずれとする場合は、一発告知演出の態様として、0%の確率で失敗態様が選択されるようにしてもよい。このようにした場合、確変状態中に失敗態様の一発告知演出である一発告知失敗演出が実行された場合は、確変状態の継続が確定したことを遊技者に報知することができる。
【0128】
(7) 前述した実施の形態においては、図5(E)で示したように、非確変大当りの表示結果が表示された直後に確変大当りへの昇格演出が実行されるようにした。しかし、これに限定されず、昇格演出は、大当り遊技状態中に実行されるようにしてもよいし、大当り遊技状態の終了時(たとえば、大当りのエンディング演出中)に実行されるようにしてもよい。
【0129】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0130】
1 パチンコ遊技機、20 特別可変入賞球装置、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、100 演出制御用マイクロコンピュータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8