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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】仕訳ルール生成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/00 20120101AFI20220107BHJP
【FI】
G06Q40/00 420
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2017140091
(22)【出願日】2017-07-19
(65)【公開番号】P2019021118
(43)【公開日】2019-02-07
【審査請求日】2020-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】308020434
【氏名又は名称】弥生株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 伸晃
(72)【発明者】
【氏名】橋本 武志
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-014854(JP,A)
【文献】特開2015-191609(JP,A)
【文献】特開2001-350892(JP,A)
【文献】特開2009-223809(JP,A)
【文献】特開2004-192564(JP,A)
【文献】特開2014-235484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引者による取引の内容を示す取引データを取得する取引データ取得部と、
前記取引データに対して生成された仕訳データを取得する仕訳データ取得部と、
前記仕訳データを生成した主体の属性情報を取得する属性情報取得部と、
前記属性情報に基づいて前記仕訳データの信頼度を判定する信頼度判定部と、
前記取引データの取引の内容を形態素解析して、各形態素と、前記取引データに対して生成された前記仕訳データの勘定科目とを対応付けた対応付けデータを生成し、当該対応付けデータに、当該仕訳データの前記信頼度が高い程、重みが重くなるように重み付けを行い、複数の前記対応付けデータを用いて、前記形態素毎の勘定科目の出現頻度を決定し、仕訳対象の取引データの取引の内容を形態素解析して各形態素に対応する勘定科目の出現頻度を加算して最も値が高い勘定科目を第1候補とする、前記取引データを自動仕訳するための仕訳ルールを生成する仕訳ルール生成部とであって、前記複数の対応付けデータを用いて形態素毎の勘定科目の出現頻度を決定する場合に、前記重みに応じた出現回数として出現頻度を決定する、仕訳ルール生成部
を備える仕訳ルール生成装置。
【請求項2】
前記仕訳データ取得部は、会計ソフトウエアを用いて生成された前記仕訳データを取得し、
前記属性情報は、前記仕訳データを生成した主体の前記会計ソフトウエアの使用期間を含み、
前記信頼度判定部は、前記使用期間が長いほど高い前記信頼度を判定する、
請求項1に記載の仕訳ルール生成装置。
【請求項3】
前記属性情報は、前記仕訳データを生成した生成者の会計事務の経験年数を含み、
前記信頼度判定部は、前記経験年数が長いほど高い前記信頼度を判定する、請求項2に記載の仕訳ルール生成装置。
【請求項4】
前記仕訳データ取得部は、会計ソフトウエアを用いて生成された前記仕訳データを取得し、
前記属性情報は、前記会計ソフトウエアの種類を含み、
前記信頼度判定部は、前記会計ソフトウエアの種類に応じた前記信頼度を判定する、請求項1に記載の仕訳ルール生成装置。
【請求項5】
前記属性情報は、前記仕訳データを生成した生成者の保有資格を含み、
前記信頼度判定部は、前記保有資格に応じた前記信頼度を判定する、請求項1からのいずれか一項に記載の仕訳ルール生成装置。
【請求項6】
前記属性情報は、前記仕訳データを生成した主体が会計事務所であるか否かを示し、
前記信頼度判定部は、前記主体が会計事務所である場合、前記主体が会計事務所でない場合に比べて高い前記信頼度を判定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の仕訳ルール生成装置。
【請求項7】
前記属性情報は、前記主体によって生成された前記仕訳データの修正回数を含み、
前記信頼度判定部は、前記修正回数が多いほど低い前記信頼度を判定する、請求項1から6のいずれか一項に記載の仕訳ルール生成装置。
【請求項8】
コンピュータを、請求項1からのいずれか一項に記載の仕訳ルール生成装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕訳ルール生成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
取引を自動的に仕訳ける自動仕訳機能が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2014-235484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
自動仕訳の精度を向上可能な技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、仕訳ルール生成装置が提供される。仕訳ルール生成装置は、取引者による取引の内容を示す取引データを取得する取引データ取得部を備えてよい。仕訳ルール生成装置は、取引データに対して生成された仕訳データを取得する仕訳データ取得部を備えてよい。仕訳ルール生成装置は、仕訳データを生成した主体の属性情報を取得する属性情報取得部を備えてよい。仕訳ルール生成装置は、属性情報に基づいて仕訳データの信頼度を判定する信頼度判定部を備えてよい。仕訳ルール生成装置は、仕訳データ及び信頼度に基づいて、取引データを自動仕訳するための仕訳ルールを生成する仕訳ルール生成部を備えてよい。
【0005】
上記仕訳データ取得部は、会計ソフトウエアを用いて生成された上記仕訳データを取得してよく、上記属性情報は、上記仕訳データを生成した主体の上記会計ソフトウエアの使用期間を含んでよく、上記信頼度判定部は、上記使用期間が長いほど高い上記信頼度を判定してよい。上記仕訳データ取得部は、会計ソフトウエアを用いて生成された上記仕訳データを取得してよく、上記属性情報は、上記会計ソフトウエアの種類を含んでよく、上記信頼度判定部は、上記会計ソフトウエアの種類に応じた上記信頼度を判定してよい。
【0006】
上記属性情報は、上記仕訳データを生成した生成者の保有資格を含んでよく、上記信頼度判定部は、上記保有資格に応じた上記信頼度を判定してよい。上記属性情報は、上記仕訳データを生成した生成者の経験年数を含んでよく、上記信頼度判定部は、上記経験年数が長いほど高い上記信頼度を判定してよい。上記属性情報は、上記仕訳データを生成した主体が会計事務所であるか否かを示してよく、上記信頼度判定部は、上記主体が会計事務所である場合、上記主体が会計事務所でない場合に比べて高い上記信頼度を判定してよい。上記属性情報は、上記主体によって生成された上記仕訳データの修正回数を含んでよく、上記信頼度判定部は、上記修正回数が多いほど低い上記信頼度を判定してよい。上記仕訳データを生成した主体は会社であってよく、上記属性情報取得部は、上記会社の規模及び設立年数の少なくともいずれかを含んでよい。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、コンピュータを、上記仕訳ルール生成装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0008】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】仕訳ルール生成装置100の通信環境の一例を概略的に示す。
図2】取引データ310の一例を概略的に示す。
図3】仕訳データ320の一例を概略的に示す。
図4】仕訳属性情報330の一例を概略的に示す。
図5】会社属性情報340の一例を概略的に示す。
図6】担当者属性情報350の一例を概略的に示す。
図7】仕訳ルール生成装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
図8】仕訳ルール生成装置100として機能するコンピュータ1000のハードウエア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0011】
図1は、仕訳ルール生成装置100の通信環境の一例を概略的に示す。本実施形態に係る仕訳ルール生成装置100は、取引者による取引の内容を示す取引データと、取引データに対して生成された仕訳データと、仕訳データを生成した主体の属性情報とを用いて、取引データを自動仕訳するための仕訳ルールを生成する。
【0012】
取引者は、会社20及び個人事業者32等であってよい。取引データは、会社20及び個人事業者32等によって、公知の任意の手法によって生成されてよい。例えば、取引データは、いわゆる手入力によって生成される。また、取引データは、領収書及びレシート等の証憑をカメラ及びスキャナ等によって取り込むことによって生成されてもよい。また、取引データは、銀行明細、クレジットカードの利用明細、電子マネーの利用明細、及びウェブ明細から生成されてもよい。
【0013】
取引データに対する仕訳データは、例えば、会社20及び個人事業者32によって生成される。会社20の場合、例えば、仕訳データを生成する担当者22によって生成される。
【0014】
仕訳データは、会計事務所40によって生成されてもよい。会計事務所40の場合、例えば、会社20及び個人事業者32等から受け取った取引データに対して、担当者42が仕訳データを生成する。また、例えば、会社20及び個人事業者32等から受け取った仕訳データを担当者42が修正することによって、仕訳データが生成される。
【0015】
仕訳データは、例えば、会計ソフトウエアを用いて生成される。会計ソフトウエアは、いわゆるインストール型会計ソフトウエアであってよい。また、会計ソフトウエアは、いわゆるクラウド型会計ソフトウエアであってよい。
【0016】
取引データ及び仕訳データは、データ管理装置200によって管理されてよい。データ管理装置200は、例えば、クラウド型会計ソフトウエアを提供する提供主体であってよく、クラウド型会計ソフトウエアを用いて入力された取引データ及び生成された仕訳データを管理する。また、データ管理装置200がクラウド型会計ソフトウエアを提供する提供主体でない場合、データ管理装置200は、クラウド型会計ソフトウエアを提供する提供主体から、取引データ及び仕訳データを受信して管理してもよい。
【0017】
データ管理装置200は、会社20の担当者22が使用する通信端末24、個人事業者32が使用する通信端末34、及び会計事務所40の担当者42が使用する通信端末44において、インストール型会計ソフトウエアを用いて入力された取引データと、生成された仕訳データとを受信して管理してもよい。データ管理装置200は、会計ソフトウエアを用いずに入力された取引データと、生成された仕訳データとを受信して管理してもよい。
【0018】
データ管理装置200は、仕訳データを生成した主体の属性情報も管理してよい。仕訳データを生成した主体が会社20である場合、属性情報は、例えば、会社20の業種、規模、設立年数、及び会計ソフトウエアの使用期間等であってよい。会社20の規模は、規模を表す任意の指標であってよい。例えば、会社20の規模は、大会社、中会社、小会社等のランクであってよい。また、会社20の規模は、総資産、従業員数、取引金額、売上高、及び利益等の値であってよく、これらの任意の組み合わせであってもよい。また、主体の属性情報は、担当者22の属性情報であってもよい。担当者22の属性情報は、保有資格、会計業務の経験年数、及び会計ソフトウエアの使用期間等であってよい。また、担当者22の属性情報は、生成した仕訳データを修正された修正回数等を含んでもよい。
【0019】
仕訳データを生成した主体が個人事業者である場合、主体の属性情報は、事業の業種、規模、設立年数、会計ソフトウエアの使用期間、個人事業者32の保有資格、及び会計業務の経験年数等であってよい。仕訳データを生成した主体が会計事務所40である場合、主体の属性情報は、規模、設立年数、及び会計ソフトウエアの使用期間等であってよい。担当者42の属性情報は、保有資格、会計業務の経験年数、会計ソフトウエアの使用期間等であってよい。
【0020】
仕訳ルール生成装置100は、データ管理装置200から取引データ及び仕訳データを受信してよい。また、仕訳ルール生成装置100は、データ管理装置200から、仕訳データを生成した主体の属性情報を受信してよい。仕訳ルール生成装置100は、仕訳データを生成した主体の属性情報を自らが収集してもよい。
【0021】
仕訳ルール生成装置100、データ管理装置200、通信端末24、通信端末34、及び通信端末44の間の通信は、ネットワーク10を介して行われてよい。ネットワーク10は、例えば、インターネット、専用網、及び電話網などを含んでよい。仕訳ルール生成装置100は、1又は複数の装置によって構成されてよい。データ管理装置200は、1又は複数の装置によって構成されてよい。仕訳ルール生成装置100は、データ管理装置200としても機能してもよい。すなわち、仕訳ルール生成装置100とデータ管理装置200とは一体であってもよい。
【0022】
図2は、取引データ310の項目の一例を概略的に示す。図2では、各項目の値の一例もともに示す。取引データ310は、IDを含む。取引データ310は、取引の日付を含む。取引データ310は、取引の金額を含む。取引データ310は、取引の内容を含む。取引データ310は、これら以外の項目を含んでもよい。
【0023】
図3は、仕訳データ320の項目の一例を概略的に示す。図3では、各項目の値の一例もともに示す。仕訳データ320は、IDを含む。仕訳データ320は、借方勘定科目を含む。仕訳データ320は、借方金額を含む。仕訳データ320は、貸方勘定科目を含む。仕訳データ320は、貸方金額を含む。仕訳データ320は、摘要を含む。なお、仕訳データ320は、これら以外の項目を含んでもよい。
【0024】
図4は、仕訳属性情報330の項目の一例を概略的に示す。仕訳属性情報330は、仕訳データ320の生成に関する情報であってよい。図4では、各項目の値の一例もともに示す。仕訳属性情報330は、IDを含む。仕訳属性情報330は、仕訳データの生成日時を含む。仕訳属性情報330は、仕訳データの生成者を含む。仕訳属性情報330は、仕訳データの前回の保存日時を含む。仕訳属性情報330は、仕訳データの前回の保存者を含む。仕訳属性情報330は、仕訳データが監査されているか否かを示す監査状況を含む。仕訳属性情報330は、仕訳データの修正回数を含む。修正回数は、例えば、仕訳データの生成者によって生成された後、生成者以外の者に修正された回数であってよい。生成者及び保存者等は、会計ソフトウエアに対するログインアカウント等によって識別されてよい。
【0025】
図5は、主体が会社20である場合の会社属性情報340の項目の一例を概略的に示す。図5では、各項目の値の一例もともに示す。会社属性情報340はIDを含む。会社属性情報340は、会社20の名称を含む。会社属性情報340は、業種を含む。会社属性情報340は、規模を含む。会社属性情報340は、設立年数を含む。会社属性情報340は、使用されている会計ソフトウエアの種類を含む。会計ソフトウエアの種類は、例えば、一般用及び会計事務所用等の種類を含む。会社属性情報340は、会計ソフトウエアの使用期間を含む。
【0026】
図6は、主体が担当者22、個人事業者32及び担当者42等の個人である場合の者担当者属性情報350の項目の一例を概略的に示す。図6では、各項目の値の一例もともに示す。担当者属性情報350は、IDを含む。担当者属性情報350は、名前を含む。担当者属性情報350は、保有資格を含む。担当者属性情報350は、会計業務の経験年数を含む。担当者属性情報350は、使用されている会計ソフトウエアの種類を含む。担当者属性情報350は、会計ソフトウエアの使用期間を含む。担当者属性情報350は、修正回数を含む。修正回数は、主体が生成した仕訳データが、他者によって修正された回数であってよい。
【0027】
図7は、仕訳ルール生成装置100の機能構成の一例を概略的に示す。仕訳ルール生成装置100は、取引データ格納部102、仕訳データ格納部104、属性情報格納部106、取引データ取得部108、仕訳データ取得部110、属性情報取得部112、信頼度判定部114、仕訳ルール生成部116、及び仕訳ルール送信部118を備える。
【0028】
取引データ格納部102は、複数の取引データを格納する。取引データ格納部102は、データ管理装置200から受信した取引データを格納してよい。また、仕訳ルール生成装置100が複数の取引データを管理している場合、取引データ格納部102は、管理下の取引データを格納する。
【0029】
仕訳データ格納部104は、複数の仕訳データを格納する。仕訳データ格納部104は、データ管理装置200から受信した仕訳データを格納してよい。また、仕訳ルール生成装置100が複数の仕訳データを管理している場合、仕訳データ格納部104は、管理下の仕訳データを格納する。
【0030】
属性情報格納部106は、複数の属性情報を格納する。属性情報格納部106は、データ管理装置200から受信した属性情報を格納してよい。また、属性情報格納部106は、仕訳ルール生成装置100が収集した属性情報を格納してもよい。
【0031】
取引データ取得部108は、取引データを取得する。取引データ取得部108は、取引データ格納部102から、仕訳ルールを生成する元となる複数の取引データを取得する。
【0032】
仕訳データ取得部110は、仕訳データを取得する。仕訳データ取得部110は、取引データ取得部108が取得した複数の取引データのそれぞれに対して生成された複数の仕訳データを、仕訳データ格納部104から取得する。
【0033】
属性情報取得部112は、属性情報を取得する。属性情報取得部112は、属性情報として仕訳属性情報330を取得してよい。属性情報取得部112は、属性情報として会社属性情報340を取得してよい。属性情報取得部112は、属性情報として担当者属性情報350を取得してよい。属性情報取得部112は、仕訳データ取得部110が取得した複数の仕訳データのそれぞれについて、生成した主体の属性情報を、属性情報格納部106から取得する。
【0034】
信頼度判定部114は、属性情報取得部112が取得した、仕訳データを生成した主体の属性情報に基づいて、当該仕訳データの信頼度を判定する。例えば、信頼度判定部114は、属性情報に会計ソフトウエアの使用期間が含まれる場合、使用期間に応じた信頼度を判定する。例えば、信頼度判定部114は、使用期間が長いほど高い信頼度を判定する。
【0035】
信頼度判定部114は、属性情報に会計ソフトウエアの種類が含まれる場合、会計ソフトウエアの種類に応じた信頼度を判定してよい。例えば、信頼度判定部114は、会計ソフトウエアの種類が会計事務所用である場合、一般用である場合に比べて高い信頼度を判定してよい。
【0036】
信頼度判定部114は、属性情報に保有資格が含まれる場合、保有資格に応じた信頼度を判定してよい。例えば、信頼度判定部114は、保有資格が公認会計士又は税理士である場合、これらの資格を保有しない場合に比べて高い信頼度を判定する。
【0037】
信頼度判定部114は、属性情報に会計事務の経験年数が含まれる場合、経験年数に応じた信頼度を判定してよい。例えば、信頼度判定部114は、経験年数が長いほど高い信頼度を判定する。
【0038】
信頼度判定部114は、属性情報に業種が含まれる場合、業種に応じた信頼度を判定してよい。例えば、信頼度判定部114は、業種が会計事務所である場合、業種が会計事務所でない場合に比べて高い信頼度を判定する。
【0039】
信頼度判定部114は、担当者属性情報に修正回数が含まれる場合、修正回数に応じた信頼度を判定してよい。例えば、信頼度判定部114は、修正回数が少ないほど高い信頼度を判定する。
【0040】
信頼度判定部114は、会社属性情報に規模が含まれる場合、規模に応じた信頼度を判定してよい。例えば、信頼度判定部114は、規模が大きいほど高い信頼度を判定する。
【0041】
信頼度判定部114は、会社属性情報に設立年数が含まれる場合、設立年数に応じた信頼度を判定してよい。例えば、信頼度判定部114は、設立年数が古いほど高い信頼度を判定する。
【0042】
信頼度判定部114は、仕訳属性情報に監査状況が含まれる場合、監査状況に応じた信頼度を判定してよい。例えば、信頼度判定部114は、監査されている場合、監査されていない場合に比べて高い信頼度を判定する。
【0043】
信頼度判定部114は、複数種類の属性情報を任意に組み合わせて信頼度を判定してもよい。例えば、信頼度判定部114は、担当者属性情報、会社属性情報、及び仕訳属性情報を任意に組み合わせて信頼度を判定する。信頼度判定部114は、例えば、仕訳データを生成した主体が会社20である場合、会社20の業種、規模、設立年数及び会計ソフトウエアの使用期間等、担当者22の保有資格、会計業務の経験年数、会計ソフトウエアの使用期間及び修正回数等、並びに監査状況のうちの2つ以上を用いて信頼度を判定してよい。また、信頼度判定部114は、例えば、仕訳データを生成した主体が個人事業者32である場合、個人事業者32の事業の業種、規模、設立年数、会計ソフトウエアの使用期間、保有資格及び会計業務の経験年数等、並びに監査状況のうちの2つ以上を用いて信頼度を判定してよい。また、信頼度判定部114は、例えば、仕訳データを生成した主体が会計事務所40である場合、会計事務所40の規模、設立年数及び会計ソフトウエアの使用期間等、担当者42の保有資格、会計業務の経験年数及び会計ソフトウエアの使用期間等、並びに監査状況のうちの2つ以上を用いて信頼度を判定してよい。
【0044】
仕訳ルール生成部116は、取引データ取得部108が取得した取引データ、仕訳データ取得部110が取得した仕訳データ、及び信頼度判定部114が判定した信頼度に基づいて、取引データを自動仕訳するための仕訳ルールを生成する。仕訳ルール生成部116は、取引データ及び仕訳データから仕訳ルールを生成するアルゴリズムとしては、任意のアルゴリズムを用いてよい。
【0045】
例えば、仕訳ルール生成部116は、取引データの取引の内容を形態素解析して、各形態素と、当該取引データに対して生成された仕訳データの勘定科目とを対応付けた対応付けデータを生成する。仕訳ルール生成部116は、複数の対応付けデータを用いて、形態素毎の勘定科目の出願頻度を決定する。各形態素の勘定科目の出現頻度は、例えば、合計が1.0となるように正規化される。例えば、「プロバイダ」という形態素に対して、「通信費:0.7」、「福利厚生費:0.2」、「宣伝広告費:0.1」という出現頻度が対応付けられる。そして、仕訳ルール生成部116は、仕訳対象の取引データの取引の内容を形態素解析して、各形態素に対応する勘定科目の出願頻度を加算して、最も値が高い勘定科目を第1候補とする仕訳ルールを生成する。
【0046】
仕訳ルール生成部116は、複数の取引データ及び仕訳データを用いる場合に、取引データ取得部108が判定した信頼度に基づく重み付けをしてよい。仕訳ルール生成部116は、信頼度が高い程、重みが重くなるように、取引データ及び仕訳データに重み付けをしてよい。
【0047】
仕訳ルール生成部116は、例えば、取引データの取引の内容を形態素解析して、各形態素と、当該取引データに対して生成された仕訳データの勘定科目とを対応付けた対応付けデータを生成する場合に、当該対応付けデータに、当該取引データ及び当該仕訳データに対応する重み付けを行う。例えば、仕訳ルール生成部116は、複数の対応付けデータを用いて、形態素毎の勘定科目の出現頻度を決定する場合に、重みに応じた出現回数として出現頻度を決定する。具体例として、仕訳ルール生成部116は、重みが1.0の場合は出現回数を1回とし、重みが0.5の場合は出現回数を0.5として、出現頻度を決定する。
【0048】
仕訳ルール送信部118は、仕訳ルール生成部116によって生成された仕訳ルールを送信する。仕訳ルール送信部118は、例えば、データ管理装置200に仕訳ルールを送信する。仕訳ルール送信部118は、クラウド型会計ソフトウエアを提供する提供主体に対して仕訳ルールを送信してよい。仕訳ルール送信部118はインストール型会計ソフトウエアがインストールされている通信端末に仕訳ルールを送信してよい。
【0049】
図8は、仕訳ルール生成装置100として機能するコンピュータ1000の一例を概略的に示す。本実施形態に係るコンピュータ1000は、ホストコントローラ1092により相互に接続されるCPU1010、RAM1030、及びグラフィックコントローラ1085を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1094によりホストコントローラ1092に接続されるROM1020、通信I/F1040、ハードディスクドライブ1050、DVDドライブ1070及び入出力チップ1080を有する入出力部を備える。
【0050】
CPU1010は、ROM1020及びRAM1030に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィックコントローラ1085は、CPU1010などがRAM1030内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、ディスプレイ1090上に表示させる。これに代えて、グラフィックコントローラ1085は、CPU1010などが生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0051】
通信I/F1040は、有線又は無線によりネットワークを介して他の装置と通信する。また、通信I/F1040は、通信を行うハードウエアとして機能する。ハードディスクドライブ1050は、CPU1010が使用するプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1070は、DVD-ROM1072からプログラム又はデータを読み取り、RAM1030を介してハードディスクドライブ1050に提供する。
【0052】
ROM1020は、コンピュータ1000が起動時に実行するブート・プログラム及びコンピュータ1000のハードウエアに依存するプログラムなどを格納する。入出力チップ1080は、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポートなどを介して各種の入出力装置を入出力コントローラ1094へと接続する。
【0053】
RAM1030を介してハードディスクドライブ1050に提供されるプログラムは、DVD-ROM1072、又はICカードなどの記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM1030を介してハードディスクドライブ1050にインストールされ、CPU1010において実行される。
【0054】
コンピュータ1000にインストールされ、コンピュータ1000を仕訳ルール生成装置100として機能させるプログラムは、CPU1010などに働きかけて、コンピュータ1000を、仕訳ルール生成装置100の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である取引データ格納部102、仕訳データ格納部104、属性情報格納部106、取引データ取得部108、仕訳データ取得部110、属性情報取得部112、信頼度判定部114、及び仕訳ルール生成部116として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の仕訳ルール生成装置100が構築される。
【0055】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0056】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0057】
10 ネットワーク、20 会社、22 担当者、24 通信端末、32 個人事業者、34 通信端末、40 会計事務所、42 担当者、44 通信端末、100 仕訳ルール生成装置、102 取引データ格納部、104 仕訳データ格納部、106 属性情報格納部、108 取引データ取得部、110 仕訳データ取得部、112 属性情報取得部、114 信頼度判定部、116 仕訳ルール生成部、118 仕訳ルール送信部、200 データ管理装置、310 取引データ、320 仕訳データ、330 仕訳属性情報、340 会社属性情報、350 担当者属性情報、1000 コンピュータ、1010 CPU、1020 ROM、1030 RAM、1040 通信I/F、1050 ハードディスクドライブ、1070 DVDドライブ、1072 DVD-ROM、1080 入出力チップ、1085 グラフィックコントローラ、1090 ディスプレイ、1092 ホストコントローラ、1094 入出力コントローラ
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