(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】荷役物運搬機の吊下げ支持部
(51)【国際特許分類】
B66F 19/00 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
B66F19/00 H
(21)【出願番号】P 2017162913
(22)【出願日】2017-08-28
【審査請求日】2020-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000100735
【氏名又は名称】アイコクアルファ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】下村 和樹
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-001870(JP,A)
【文献】米国特許第05865426(US,A)
【文献】国際公開第2010/117065(WO,A1)
【文献】特開2003-339801(JP,A)
【文献】米国特許第05915673(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊下げ支持部は連結具を介して荷役物運搬機の昇降部に吊られており、前記吊下げ支持部を作業者に装着させ、作業者は両手で荷役物を把持し、前記吊下げ支持部は力センサを備え、前記力センサが内蔵された指サックを
いずれかの指に装着し、前記力センサが受ける力に応じて前記荷役物を昇降さ
せ、前腕を覆う腕装着部と前記力センサが内蔵された前記指サックを備え、前記腕装着部は作業者の前記前腕に装着する荷役物運搬機の吊下げ支持部において、
前記吊下げ支持部は引掛け部を有し、前記引掛け部は前記腕装着部の略中央に位置し、前記連結具の先端にフックを備え、前記フックに前記引掛けが係合されていることを特徴とする荷役物運搬機の吊下げ支持部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手で荷役物を把持し、力センサーを備えた手付近に装着した吊下げ支持部を吊上げ、作業者の手に装着された力センサーの電気信号の増減に応じて荷役物を昇降させる荷役物運搬機の吊下げ支持部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術を説明する。従来は、手にハンド部を装着していたので、「ハンド部」と記載していた。本発明では、ハンド部は手に装着していないので、「吊下げ支持部」としているが、昇降部から吊下げている点では、ハンド部は吊下げ支持部の一種である。
【0003】
引用文献1は、ハンド部を手に装着しており、例えば、荷役物を把持し、段ボールに、段ボールサイズに近い荷役物を入れようとすると、ハンド部の環部(右手用及び左手用)が段ボールの入り口に引っ掛かり、作業しづらいという不具合点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、荷役物を把持し、荷役物を容器に入れる際、容器のサイズと荷役物のサイズが近いと、吊下げ支持部(ハンド部)が引っ掛かり、作業しづらい点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、指サックを除く吊下げ支持部を手に装着せず、前腕に装着する腕装着部を備えたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の荷役物運搬機の吊下げ支持部は、腕装着部を有し、腕装着部を前腕に装着することで、容器に荷役物を入れる際、容器と荷役物のサイズが近くとも、荷役物を把持した手が容器に入りやすいという利点がある。補足すると、指サックは指に装着するが、指サックは比較的小さいので、容器に引っ掛かりにくい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施例の荷役物運搬機の総体図ある。(実施例1)
【
図2】
図2は、吊下げ支持部と作業者と連結具の図である。(実施例1)
【
図3】
図3は、吊下げ支持部の斜視図である。(実施例1)
【
図4】
図4は、吊下げ支持部の側面図である。(実施例1)
【
図5】
図5は、吊下げ支持部の側面図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0009】
吊下げ支持部の腕装着部を前腕に装着することにより、容器に荷役物を入れる際、容器と荷役物のサイズが近くとも、荷役物を把持した手が容器に入れやすい作業を実現した。
【実施例1】
【0010】
図1は、荷役物運搬機の総体図である。荷役物運搬機1は、台座2に旋回台3が取り付けられ、旋回台3には昇降機構4が取り付けられ、昇降機構4には平行リンク式アーム5が取り付けられている。昇降機構4は、昇降駆動源(図示せず)により昇降駆動され、平行リンク式アーム5の先端の昇降部6が上下する。昇降部6に連結具8が取付けられている。吊下げ支持部7は、連結具8を介して荷役物運搬機1の昇降部6に吊られている。連結具8の点線で示してある箇所は、ロープやスリングベルトである。吊下げ支持部7を作業者(図示せず)の前腕(図示せず)に装着させて、荷役物9を手(図示せず)で把持して3次元に移載できる。荷役物9は、箱である。台10に容器11が置かれ、作業者(図示せず)が荷役物9を横方向から把持し、容器11の中に荷役物9を入れる作業である。容器11の中の点線は、荷役物9が容器に入った時である。容器11の内側サイズと荷役物9の外側サイズは大差は無いが、作業者(図示せず)の手(図示せず)と指サック(図示せず)は入るスペースはある。昇降駆動源(図示せず)は、電気モータ、エアシリンダ、油圧シリンダーなど、何を用いても良い。
【0011】
図2は、吊下げ支持部と作業者と連結具の図である。吊下げ支持部7は連結具8に吊られている。吊下げ支持部7を作業者12の前腕13に装着させている。作業者12は吊下げ支持部7を前腕13に装着して荷役物9を把持する。力センサ(図示せず)は指サック(図示せず)に内蔵され、指サック(図示せず)はいづれかの指に装着する。力センサ(図示せず)を荷役物9に押し付ける力に応じて昇降駆動源(図示せず)が稼動し、荷役物9を手14で把持し昇降させ3次元に軽々と移載できる。
【0012】
図3は、吊下げ支持部の斜視図である。図に向って左が右腕用であり、向って右が左腕用である。右手用の吊下げ支持部7は、腕装着部20、指サック21で構成している。腕装着部20は、面ファスナー22と引掛け部23を配設している。指サック21には、力センサ(図示せず)が内蔵されている。指サック21は、帯部24を有し、帯部24の端部に面ファスナー(図示せず)を配設し、面ファスナー(図示せず)で腕装着部20に取付けられ、指サック21は着脱可能である。右手用は、面ファスナー22で固定され、前腕(図示せず)に装着している状態である。左手用の吊下げ支持部7は、右手用の指サックが無い状態で、腕装着部20で構成している。腕装着部20は、面ファスナー22と引掛け部23を配設している。左手用は、面ファスナー22での固定前である。腕装着部20を前腕(図示せず)に装着する時は、作業者の前腕の太さに応じて面ファスナー22を固定する。腕装着部20、引掛け部23、面ファスナー22、帯部24は、それぞれ柔軟性がある素材である。
【0013】
図4は、吊下げ支持部の側面図である。右手用の吊下げ支持部7で示している。腕装着部20、指サック21で構成している。腕装着部20は、面ファスナー22と引掛け部23を配設している。指サック21には、力センサ(図示せず)が内蔵されている。指サック21は帯部24を有し、帯部24の端部に面ファスナー25を配設し、面ファスナー25で腕装着部20に取付けられ、指サック21は腕装着部20から着脱可能である。連結具8の端部はフック26であり、フック26に引掛け部23が係合されている。引掛け部23は連結具8から着脱可能である。腕27と手14は点線で示し、前腕13に腕装着部20を装着している。指サック21は、人差し指28に装着している。指サック21は、人差し指28以外の指に装着しても良い。
【0014】
図1~4より作用を説明する。荷役物9を作業者12が手14で把持して荷役物9を持ち上げて、容器11に荷役物9を入れる。人差し指28に装着した指サック21は、邪魔になる大きさではないので、作業がスムースにできる。
図1~
図4は、制御の配線は省略している。
【実施例2】
【0015】
図5は、吊下げ支持部の側面図である。右手用の吊下げ支持部7で示している。腕装着部20、手首リング30、指サック21で構成している。腕装着部20は、面ファスナー22と引掛け部23を配設している。腕装着部20と指サック21の間に手首リング30を配設している。指サック21には、力センサ(図示せず)が内蔵されている。指サック21は、帯部24を有し、帯部24の端部に面ファスナー25を配設し、面ファスナー25で手首リング30に取付けられ、指サック21は手首リング30から着脱可能である。連結具8の端部はフック26であり、フック26に引掛け部23が係合されている。引掛け部23は連結具8から着脱可能である。腕27と手14は点線で示し、前腕13に腕装着部20を装着している。指サック21は、人差し指28に装着している。指サック21は、人差し指28以外の指に装着しても良い。
図5は、制御の配線は省略している。
【符号の説明】
【0016】
1 荷役物運搬機
2 台座
3 旋回台
4 昇降機構
5 平行リンク式アーム
6 昇降部
7 吊下げ支持部
8 連結具
9 荷役物
10 台
11 容器
12 作業者
13 前腕
14 手
20 腕装着部
21 指サック
22 面ファスナー
23 引掛け部
24 帯部
25 面ファスナー
26 フック
27 腕
28 人差し指
30 手首リング