(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】高ビークルピッチ状態に基づく、ビークルの空調制御のためのACカットサイクル
(51)【国際特許分類】
B60H 1/22 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
B60H1/22 651C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017193500
(22)【出願日】2017-10-03
【審査請求日】2020-08-12
(32)【優先日】2016-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ダブリュ.コスグローブ
(72)【発明者】
【氏名】平林 秀一
【審査官】奈須 リサ
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-203253(JP,A)
【文献】特開平05-050862(JP,A)
【文献】特開2010-105466(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0034767(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0204490(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0055176(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00-3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムを作動させる方法であって、前記HVACシステムは、オン状態とオフ状態との間で作動可能なコンプレッサを含んでおり、前記方法は、
エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することと、
前記エンジン水温が前記強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、前記エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別することと、
ビークルピッチがビークルピッチしきい値を満たすかを判別することと、
前記エンジン水温が前記高水温しきい値を満たしかつ前記ビークルピッチが前記ビークルピッチしきい値を満たさないと判別したことに応答して、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられているあらかじめ定められた期間を含むACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記ACカットサイクルが第1のACカットサイクルであり、前記あらかじめ定められた期間が第1のあらかじめ定められた期間であり、前記方法は更に、
前記ビークルピッチが前記ビークルピッチしきい値を満たすと判別したことに応答して、第2のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させる段階であって、前記第2のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第2のあらかじめ定められた期間を含み、前記第2のあらかじめ定められた期間は前記第1のあらかじめ定められた期間よりも長い、段階、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビークルピッチしきい値が第1のビークルピッチしきい値であり、前記方法は更に、
前記ビークルピッチが第2のビークルピッチしきい値を満たすかを判別する段階と、
前記ビークルピッチが前記第2のビークルピッチしきい値を満たすと判別したことに応答して、第3のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させる段階であって、前記第3のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第3のあらかじめ定められた期間を含み、前記第3のあらかじめ定められた期間は前記第2のあらかじめ定められた期間よりも長い、段階と、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1、第2、及び、第3のACカットサイクルのそれぞれは、時間の関数としてコンプレッサ状態を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オン状態と前記オフ状態との間で切り換えられる交互の期間を含み、前記コンプレッサが前記オフ状態にある前記期間はそれぞれ、前記第1のあらかじめ定められた期間
に等しい、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記強制HVAC再循環吸入しきい値は固定された温度値であり、前記高水温しきい値は固定された温度値であり、前記強制HVAC再循環吸入しきい値は前記高水温しきい値よりも低い、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムであって、
エンジン水温を測定するように作動可能な水温センサと、
ビークルピッチを測定するように作動可能なビークルピッチセンサと、
オン状態とオフ状態との間で作動可能なコンプレッサと、
前記水温センサと、前記ビークルピッチセンサと、前記コンプレッサとに作動可能に接続されたコントローラであって、前記コントローラは、
エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することと、
前記エンジン水温が前記強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、前記エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別することと、
ビークルピッチがビークルピッチしきい値を満たすかを判別することと、
前記エンジン水温が前記高水温しきい値を満たしかつ前記ビークルピッチが前記ビークルピッチしきい値を満たさないと判別したことに応答して、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられているあらかじめ定められた期間を含むACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させることと、
を実行するようにプログラムされたコントローラと、
を備える、システム。
【請求項8】
前記ACカットサイクルが第1のACカットサイクルであり、前記あらかじめ定められた期間が第1のあらかじめ定められた期間であり、前記コントローラは更に、
前記ビークルピッチが前記ビークルピッチしきい値を満たすと判別したことに応答して、第2のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させること、
を実行するようにプログラムされており、前記第2のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第2のあらかじめ定められた期間を含み、前記第2のあらかじめ定められた期間は前記第1のあらかじめ定められた期間よりも長い、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ビークルピッチしきい値が第1のビークルピッチしきい値であり、前記コントローラは更に、
前記ビークルピッチが第2のビークルピッチしきい値を満たすかを判別することと、
前記ビークルピッチが前記第2のビークルピッチしきい値を満たすと判別したことに応答して、第3のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させることと、
を実行するようにプログラムされており、前記第3のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第3のあらかじめ定められた期間を含み、前記第3のあらかじめ定められた期間は前記第2のあらかじめ定められた期間よりも長い、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1、第2、及び、第3のACカットサイクルのそれぞれは、時間の関数としてコンプレッサ状態を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オン状態と前記オフ状態との間で切り換えられる交互の期間を含み、前記コンプレッサが前記オフ状態にある前記期間はそれぞれ、前記第1のあらかじめ定められた期間
に等しい、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記強制HVAC再循環吸入しきい値は固定された温度値であり、前記高水温しきい値は固定された温度値であり、前記強制HVAC再循環吸入しきい値は前記高水温しきい値よりも低い、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムを作動させる方法であって、前記HVACシステムは、オン状態とオフ状態との間で作動可能なコンプレッサを含んでおり、前記方法は、
エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することを含み、
前記エンジン水温が前記強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、前記エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別することを含み、
前記エンジン水温が前記高水温しきい値を満たすと判別したことに応答して、
ビークルピッチが第1のビークルピッチしきい値を満たすかを判別することと、
ビークルピッチが第2のビークルピッチしきい値を満たすかを判別することと、
を含み、
前記ビークルピッチが前記第1及び前記第2のビークルピッチしきい値を満たさないと判別したことに応答して、第1のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させることを含み、前記第1のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第1のあらかじめ定められた期間を含み、
前記ビークルピッチが前記第1のビークルピッチしきい値を満たしかつ前記第2のビークルピッチしきい値を満たさないと判別したことに応答して、第2のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させることを含み、前記第2のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第2のあらかじめ定められた期間を含み、前記第2のあらかじめ定められた期間は前記第1のあらかじめ定められた期間よりも長く、
前記ビークルピッチが前記第1及び第2のビークルピッチしきい値を満たすと判別したことに応答して、第3のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させることを含み、前記第3のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第3のあらかじめ定められた期間を含み、前記第3のあらかじめ定められた期間は前記第2のあらかじめ定められた期間よりも長い、
方法。
【請求項14】
前記第1のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オン状態と前記オフ状態との間で切り換えられる交互の期間を含み、前記コンプレッサが前記オフ状態にある前記期間はそれぞれ、前記第1のあらかじめ定められた期間
に等しい、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オン状態と前記オフ状態との間で切り換えられる交互の期間を含み、前記コンプレッサが前記オフ状態にある前記期間はそれぞれ、前記第2のあらかじめ定められた期間
に等しい、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オン状態と前記オフ状態との間で切り換えられる交互の期間を含み、前記コンプレッサが前記オフ状態にある前記期間はそれぞれ、前記第2のあらかじめ定められた期間
に等しい、請求項5に記載の方法。
【請求項17】
前記第3のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記第3のACカットサイクルにより作動されている全継続期間にわたり、前記コンプレッサを前記オフ状態に切り換えることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オン状態と前記オフ状態との間で切り換えられる交互の期間を含み、前記コンプレッサが前記オフ状態にある前記期間はそれぞれ、前記第2のあらかじめ定められた期間
に等しい、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記第3のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記第3のACカットサイクルにより作動されている全継続期間にわたり、前記コンプレッサを前記オフ状態に切り換えることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第3のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記第3のACカットサイクルにより作動されている全継続期間にわたり、前記コンプレッサを前記オフ状態に切り換えることを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示で説明される主題は、概して、ビークルの空調システムに関し、より具体的には、ビークルピッチに基づくコンプレッサカットサイクルによるビークルの空調システムの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ビークルは、内部乗員室を冷却又は冷房する空調システムを含むことができる。このような空調システムは、冷媒流体を、冷却サイクル内を循環させることができる。例えば、コンプレッサは、ビークルのパワートレインによりパワー供給されることができ、冷媒蒸気をより高い圧力まで圧縮するのに用いられることができる。圧縮された冷媒は、コンデンサを通って送られることができ、コンデンサにおいて冷媒は冷却されることができる。冷却された冷媒は、エバポレータに送られることができ、エバポレータにおいて液体冷媒は、冷媒がブロワによって送られた空気から熱を受け取ると、蒸発して蒸気状態に戻る。空調システムを使用すると、コンデンサの作動を含めて、結果的に、ビークルエンジンの負荷が増大するおそれがある。
【発明の概要】
【0003】
一観点では、本開示は、ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムを作動させる方法であって、HVACシステムは、オン状態とオフ状態との間で作動可能なコンプレッサを含んでいる、方法を対象とする。方法は、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することを含む。エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、方法は、エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別することを含む。エンジン水温が高水温しきい値を満たすと判別したことに応答して、方法は、ビークルピッチがビークルピッチしきい値を満たすかを判別することを含む。ビークルピッチがビークルピッチしきい値を満たさないと判別したことに応答して、方法は、ACカットサイクルに基づきコンプレッサを作動させることを含む。ACカットサイクルは、コンプレッサがオフ状態に切り換えられているあらかじめ定められた期間を含む。
【0004】
別の観点では、本開示は、ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムを対象とする。システムは、エンジン水温を測定するように作動可能な水温センサと、ビークルピッチを測定するように作動可能なビークルピッチセンサと、を含む。システムは、オン状態とオフ状態との間で作動可能なコンプレッサを含む。システムは更に、水温センサと、ビークルピッチセンサと、コンプレッサとに作動可能に接続されたコントローラを含む。コントローラは、実行可能な動作を開始するようにプログラムされることができる。動作は、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することを含む。動作は更に、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別することを含む。動作は、エンジン水温が高水温しきい値を満たすと判別したことに応答して、ビークルピッチがビークルピッチしきい値を満たすかを判別することを含む。動作は、ビークルピッチが第1のビークルピッチしきい値を満たすと判別したことに応答して、ACカットサイクルに基づきコンプレッサを作動させることを含む。ACカットサイクルは、コンプレッサがオフ状態に切り換えられているあらかじめ定められた期間を含む。
【0005】
更に別の観点では、本開示は、ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムを作動させる方法であって、HVACシステムは、オン状態とオフ状態との間で作動可能なコンプレッサを含んでいる、方法を対象とする。方法は、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することを含む。エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、方法は、エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別することを含む。エンジン水温が高水温しきい値を満たすと判別したことに応答して、方法は更に、ビークルピッチが第1のビークルピッチしきい値を満たすかを判別することと、ビークルピッチが第2のビークルピッチしきい値を満たすかを判別することと、を含む。ビークルピッチが第1又は第2のビークルピッチしきい値を満たさないと判別したことに応答して、方法は、第1のACカットサイクルに基づきコンプレッサを作動させることを含む。第1のACカットサイクルは、コンプレッサがオフ状態に切り換えられている第1のあらかじめ定められた期間を含む。ビークルピッチが第1のビークルピッチしきい値を満たしかつ第2のビークルピッチしきい値を満たさないと判別したことに応答して、方法は、第2のACカットサイクルに基づきコンプレッサを作動させることを含む。第2のACカットサイクルは、コンプレッサがオフ状態に切り換えられている第2のあらかじめ定められた期間を含み、第2のあらかじめ定められた期間は第1のあらかじめ定められた期間よりも長い。ビークルピッチが第1及び第2のビークルピッチしきい値を満たすと判別したことに応答して、方法は、第3のACカットサイクルに基づきコンプレッサを作動させることを含む。第3のACカットサイクルは、コンプレッサがオフ状態に切り換えられている第3のあらかじめ定められた期間を含み、第3のあらかじめ定められた期間は第2のあらかじめ定められた期間よりも長い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】暖房換気空調システムを有するビークルの一例を示す図である。
【
図2】暖房換気空調システムの一例を示す図である。
【
図3】
図2の暖房換気空調システムを作動させる方法の第1の例を示す図である。
【
図4】
図2の暖房換気空調システムを作動させる方法の第2の例を示す図である。
【
図5】第1のACカットサイクルを示すグラフの例を示す図である。
【
図6】第2のACカットサイクルを示すグラフの例を示す図である。
【
図7】第3のACカットサイクルを示すグラフの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
この詳細な説明は、或る状態の間、ビークルのパワートレインに印加される負荷を低減する、ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムの作動に関する。HVACシステムは、オフ(停止)状態とオン(作動)状態との間で作動可能なコンプレッサを含むことができる。システム及び方法は、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することができる。エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別することができる。エンジン水温が高水温しきい値を満たすと判別したことに応答して、ビークルピッチが1つ又はそれ以上のあらかじめ定められたしきい値を満たすかを判別することができる。ビークルピッチがビークルピッチしきい値を満たす又は満たさないと判別したことに応答して、コンプレッサは、コンプレッサが一定時間にわたり強制的にオフ状態にされるACカットサイクルに従って作動されることができる。少なくともいくつかの例において、このようなシステム及び方法は、HVACシステムのコンプレッサの作動中、ビークルのパワートレインに印加される負荷を低減することができる。
【0008】
本開示には詳細な実施態様が記載される。しかしながら、理解されるべきは、開示された実施態様は例示のみを意図している、ということである。したがって、本開示で詳細に開示される特定の構造及び機能は、限定として解釈されるべきではなく、しかしながら、単に、特許請求の範囲のための基礎として、及び、事実上、任意の適切な詳細な構造において本開示の観点を様々に採用することを当業者に教示するための代表的基礎として、解釈されるべきである。更に、本開示で使用される用語及び句は、限定を意図するものではなく、むしろ、可能な実施の理解可能な説明を提供しようとするものである。種々の実施態様が
図1から
図7に示されるけれども、これらの実施態様は図示された構造又は応用に限定されるものではない。
【0009】
例示の簡易化及び明瞭化のために、適当であれば、異なる図面において、対応する又は類似の要素を示すために参照符号が繰り返されることが理解されるであろう。また、本開示に記載される実施態様の完全な理解を提供するために、多数の特定の細部が記載される。しかしながら、本開示に記載の実施態様がこれらの特定の細部なしで実施可能であることが、当業者には理解されるであろう。
【0010】
図1を参照すると、ビークルの一例100が示される。本開示で使用されるように、「ビークル」は任意の形態の動力化された輸送機関である。1又はそれよりも多くの実施形態では、ビークル100は自動車であることができる。本開示では自動車に関して構成が説明されるけれども、実施態様が自動車に限定されないことが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、ビークル100は、船舶、飛行機、又は任意の他の形態の動力化された輸送機関であってよい。
【0011】
ビークル100の可能な要素のいくつかが
図1に示されており、これから説明される。
図1に示され又は本開示で説明された要素のすべてをビークル100が有する必要はない、ということが理解されるであろう。ビークル100は
図1に示される種々の要素の任意の組み合わせを有することができる。更に、ビークル100は、
図1に示される要素に対し追加の要素を有することができる。いくつかの構成では、ビークル100は、
図1の要素のうちの1又はそれよりも多くを含まないかもしれない。更に、
図1では種々の要素がビークル100内に位置するものとして図示されているけれども、これらの要素のうちの1又はそれよりも多くがビークル100の外部に位置することができる、ことが理解されるであろう。更に、図示される要素は、大きな距離をもって物理的に離間していてもよい。
【0012】
ビークル100は、パワーを発生するパワートレイン102を含むことができる。本開示で使用されるように、「パワートレイン」は、走行のためにビークル100により使用されるパワーを発生及び/又は移送する、ビークル100の任意のコンポーネント又はコンポーネントのグループを含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、パワートレイン102は、パワーを発生するエンジンおよびエネルギ源を含むことができる。エンジンは、任意の適切なタイプのエンジン又はモータであって、現在知られているか又は後に開発されたものであることができる。例えば、エンジンは、いくつかを単に例示すると、内燃エンジン、電気モータ、蒸気エンジン、及び/又は、スターリングエンジンであることができる。いくつかの実施態様では、エンジンは、複数のエンジンタイプを含むことができる。例えば、ガス-電気ハイブリッドビークルはガソリンエンジン及び電気モータを含むことができる。
【0013】
エネルギ源は、少なくとも部分的にエンジンにパワー供給するのに使用可能な、任意の適切なエネルギ源であることができる。エンジンは、エネルギ源からのエネルギを機械エネルギに変換することができる。エネルギ源の例には、ガソリン、ディーゼル、プロパン、水素、他の圧縮された気体ベースの燃料、エタノール、ソーラパネル、バッテリ、及び/又は他の電力源が含まれる。代替的又は追加的には、エネルギ源は、燃料タンク、バッテリ、キャパシタ、及び/又は、フライホイールを含むことができる。いくつかの実施態様では、エネルギ源を、ビークル100の他のシステムのためのエネルギを提供するのに用いることができる。
【0014】
ビークル100は、ビークル100の電気エネルギを蓄えるバッテリ104を含むことができる。バッテリ104は、種々のビークルシステムにパワー供給するために電気エネルギを提供することができる。例えば、バッテリ104は、ビークル点火システム、ライト、オンボードエレクトロニクス、及び、ビークル100内に接続された任意の他の電子デバイスにパワー供給することができる。1又はそれよりも多くの構成では、バッテリ104は、6つの2.1ボルトセルを含んで、名目上12ボルトバッテリシステムを提供する、鉛酸バッテリであることができる。バッテリ104は、パワートレイン102のエンジンにより再充電されるように構成されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、バッテリ104はパワートレイン102のためのエネルギ源を提供することができる。
【0015】
ビークル100は、暖房換気空調(HVAC)システム200を含むことができる。HVACシステム200は、ビークル100の内部コンパートメントの環境又は雰囲気を変更することができる。HVACシステム200の可能な要素のいくつかが
図1に示されており、これから説明される。
図1に示され又は本開示で説明された要素のすべてをHVACシステム200が有する必要はない、ということが理解されるであろう。HVACシステム200は
図1に示される種々の要素の任意の組み合わせを有することができる。更に、HVACシステム200は、
図1に示される要素に対し追加の要素を有することができる。
【0016】
HVACシステム200は空調(AC)システム210を含むことができる。ACシステムは、ビークル100の少なくとも一部のための冷房及び/又は湿度調節を可能にする任意の構成を有することができる。1又はそれよりも多くの構成では、ACシステム210は、冷媒(図示しない)、コンプレッサ212、コンデンサ214、エバポレータ216、及び/又は、膨張弁218を含むことができる。更に、ACシステム210は、
図1に示される要素に対し追加の要素を有することができる。いくつかの構成では、ACシステム210は、
図1に示される要素のうちの1又はそれよりも多くを含まないかもしれない。ACシステム210の種々の要素は、任意の適切な仕方で配置されることができ、かつ/又は、任意の適切な仕方で互いに作動可能に接続されることができる。
【0017】
コンプレッサ212は、ACシステム210を通る冷媒の動きを指向させること又は容易にすることができる。1又はそれよりも多くの構成では、コンプレッサ212は、冷媒蒸気の圧力を増加させることができる(例えば、蒸気の体積を低減することにより)。
【0018】
コンプレッサ212は、ACシステム210のための任意の適切な構成を有することができる。非限定的な例として、コンプレッサ212は、ロータリコンプレッサ、レシプロコンプレッサ、遠心コンプレッサ、及び/又は、軸流コンプレッサを含むことができる。コンプレッサ212は、ビークル100内の任意の適切なパワー源によりパワー供給されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、コンプレッサ212は、パワートレイン102によりパワー供給されることができる。例えば、エンジンからコンプレッサ212に回転エネルギを移送するのにベルトを用いることができる。代替的又は追加的には、バッテリ104によりパワー供給された電気モータにより、コンプレッサ212にパワー供給することができる。
【0019】
1又はそれよりも多くの構成では、コンプレッサ212は、固定コンプレッサであることができる。本開示で使用されるように、「固定コンプレッサ」又は「固定容積コンプレッサ」は、一定の吐出能力を有する任意のコンプレッサを含むことができる。固定コンプレッサ212は、アクティブ化された又は「オン」状態と、非アクティブ化された又は「オフ」状態との間で切り換えられることができる。
【0020】
コンデンサ214は、冷媒を冷却して液体状態に凝縮することができる。コンデンサ214は、ACシステム210のための任意の適切な構成を有することができる。1又はそれよりも多くの構成では、コンデンサ214は、任意の形態の熱交換器であることができる。例えば、コンデンサ214は、コイル状のチューブを含むことができる。いくつかの構成では、冷媒と接触する材料の表面積を増加させるために、チューブにフィンを接続することができる。1又はそれよりも多くの構成では、コンデンサ214は、流体(空気のような)がコンデンサ214を通って流れるのを可能にすることができる。例えば、コイル及び/又はフィンを横切って空気を流すために、コンデンサの近くでファンを作動させることができる。
【0021】
エバポレータ216は、液体状態から気体状態への冷媒の移行を可能にし、かつ/又は、引き起こすことができる。エバポレータ216は、冷媒とエバポレータ216を囲む空気との間の熱伝達を可能にすることができる。1又はそれよりも多くの構成では、エバポレータ216は、冷媒が内部に送られるコイル状のチューブを含むことができる。より熱い空気がエバポレータ216を横切って流れることができる。1又はそれよりも多くの構成では、エバポレータ216を横切って動く空気は、冷媒をより温かい温度に加熱し、最終的に冷媒を液体状態から気体状態に蒸発させる。エバポレータ216を横切って流れている空気を冷却してビークル100の乗員室内に送るようにすることができる。
【0022】
膨張弁218は、冷媒の圧力が容易に変化するようにすることができる。例えば、膨張弁218は、コンデンサ214とエバポレータ216との間に配置されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、膨張弁218は、冷媒がコンデンサ214からエバポレータ216に移動するときに液体冷媒の圧力が急激に低下し温度が低下するのを可能にすることができる。
【0023】
HVACシステム200は、HVACシステム200の1又はそれよりも多くの要素に機械的又は電気的パワーを提供する1又はそれよりも多くのパワー源220を含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、パワー源(1又は複数)220はバッテリ104を含むことができる。代替的又は追加的には、パワー源(1又は複数)220は他のパワー源を含むことができる。例えば、パワー源(1又は複数)220は、追加のバッテリ及び/又は発電機を含むことができる。
【0024】
HVACシステム200は、空気又は流体/ガスの移動を指向させかつ/又は引き起こす1又はそれよりも多くのブロワ230を含むことができる。本開示で使用されるように、「空気」は任意のガス状流体を含むことができる。例えば、空気は、ビークル100内の及び/又は周りの環境ガスを含むことができる。ブロワ(1又は複数)230は、ビークル100の乗員室内への空気の動きを指向させかつ/又は引き起こすことができる。1又はそれよりも多くの構成では、ブロワ(1又は複数)230は、ACシステム210が作動されているときに、エバポレータ216を横切るように空気を動かすことができる。1又はそれよりも多くの構成では、ブロワ(1又は複数)230は、一定量の空気を、エバポレータ216を通過しエアダクトを通ってビークル100の乗員室内に入るように動かす、ブロワモータ及び1又はそれよりも多くのファンを含むことができる。例えば、ブロワ(1又は複数)230は、エバポレータ216を通って流れる冷媒が空気から熱を除去するのを可能にするように、空気をエバポレータ216のチューブ及び/又はコイル上に指向させることができる。1又はそれよりも多くの構成では、ブロワ(1又は複数)230は、パワートレイン102、バッテリ104、及び/又は、パワー源(1又は複数)220によりパワー供給されることができる。
【0025】
HVACシステム200は、HVACシステム200及び/又はビークル100に導入されている空気の源を制御する、1又はそれよりも多くの吸入モードスイッチ240を含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、吸入モードスイッチ(1又は複数)240は、ブロワ(1又は複数)230に導入されている空気の源の選択を可能にすることができる。例えば、空気の源は、「フレッシュモード空気源」と称される、乗員室の外部及び/又はビークル100の外部であることができる。また、空気の源は、「再循環モード空気源」と称される、乗員室内であることができる。1又はそれよりも多くの構成では、吸入モードスイッチ(1又は複数)240は、フレッシュモード空気源、再循環モード空気源、及び/又は、両モードの組み合わせの間で空気源選択を変更するのに操作されることができる。
【0026】
HVACシステム200は、1又はそれよりも多くのコントローラ250を含むことができる。「コントローラ」は、本開示に記載されたプロセスのいずれかを実行するように構成された任意のコンポーネントもしくはコンポーネントのグループ、又は、このようなプロセスを実行するもしくはこのようなプロセスを実行させる任意の形態の命令、を意味する。コントローラ(1又は複数)250は、1もしくはそれよりも多くの汎用プロセッサ及び/又は1もしくはそれよりも多くの専用プロセッサで実施されてもよい。適切なプロセッサの例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、及び、ソフトウェアを実行可能な他の回路を含む。適切なプロセッサの更なる例は、中央処理ユニット(CPU)、アレイプロセッサ、ベクトルプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジック回路、及び、プロセッサを含み、しかしながらこれらに限定されない。コントローラ(1又は複数)250は、プログラムコードの形で含まれる命令を実行するように構成された少なくとも1つのハードウェア回路(例えば、集積回路)を含むことができる。複数のコントローラ250がある構成では、このようなコントローラは互いに他から独立して作動することができ、又は、1もしくはそれよりも多くのコントローラは他と組み合わさって作動することができる。
【0027】
コントローラ250は、HVACシステム200の1又はそれよりも多くの要素を、直接的に又は間接的に、アクティブ化又は非アクティブ化させることができる。本開示で使用されるように、「引き起こすないしさせる」は、直接的もしくは間接的な仕方で、イベントもしくは動作が生ずるようにし又はこれらが生ずるように強制し、強要し、管理し、命令し、指示し、かつ/もしくは、可能にすること、又は、直接的もしくは間接的な仕方で、このようなイベントもしくは動作が生じうる状態に少なくともなるようにし又はこの状態に少なくともなるように強制し、強要し、管理し、命令し、指示し、かつ/もしくは、可能にすること、を意味する。1又はそれよりも多くの構成では、コントローラ(1又は複数)250は、HVAC電子制御ユニット(ECU)であることができる。1又はそれよりも多くの構成では、コントローラ250は、コンプレッサ212のデューティ又は押し退け量を、直接的又は間接的に、変化させることができる。
【0028】
HVACシステム200は、1又はそれよりも多くのタイプのデータを記憶するための1又はそれよりも多くのデータ記憶部260を含むことができる。データ記憶部260は、揮発性及び/又は不揮発性メモリを含むことができる。適切なデータ記憶部260の例には、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(リードオンリメモリ)、PROM(プログラマブルリードオンリメモリ)、EPROM(消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ)、EEPROM(電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、もしくは、任意の他の適切な記憶媒体、又は、これらの組み合わせが含まれる。データ記憶部260は、コントローラ(1又は複数)250のコンポーネントであることができ、又は、データ記憶部260は、コントローラ(1又は複数)250による使用のためにコントローラ(1又は複数)250に作動可能に接続されることができる。本記載全体を通じて使用されるように、用語「作動可能に接続される」は、直接的又は間接的な接続(直接的な物理的接触なしでの接続を含む)を含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、データ記憶部(1又は複数)260は、コントローラ250がHVACシステム200の1又はそれよりも多くの要素を作動させるのを可能にする命令を含むことができる。
【0029】
HVACシステム200は、1又はそれよりも多くのユーザインタフェース270を含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、ユーザインタフェース(1又は複数)270は、入力システム及び/又は出力システムを含むことができる。「入力システム」には、情報/データが機械内に入るのを可能にする、任意のデバイス、コンポーネント、システム、要素、もしくは構成、又は、これらのグループが含まれる。入力システムは、ビークルの乗員(例えば、ドライバ又は乗客)から入力を受け取ることができる。例えば、キーパッド、ディスプレイ、タッチスクリーン、マルチタッチスクリーン、ボタン、ジョイスティック、マウス、トラックボール、マイク、及び/又はこれらの組み合わせを含む、任意の適切な入力システムを用いることができる。「出力システム」には、ビークルの乗員(例えば、人、ビークルの乗員、など)に情報/データを提示するのを可能にする、任意のデバイス、コンポーネント、システム、要素、もしくは構成、又は、これらのグループが含まれる。出力システムは、ビークルの乗員に情報/データを提示することができる。出力システムは、ディスプレイを含むことができる。代替的又は追加的には、出力システムは、マイク、イヤフォン、及び/又は、スピーカを含んでもよい。ビークル100のいくつかのコンポーネントは、入力システムのコンポーネントと出力システムのコンポーネントとの両方として機能してもよい。1又はそれよりも多くの構成では、ユーザインタフェース(1又は複数)270はビークルヘッドユニットを含むことができる。
【0030】
ビークル100は、1又はそれよりも多くのアクチュエータ280を含むことができる。アクチュエータ280は、コントローラ(1又は複数)250からの信号又は他の入力を受信したことに応答して、HVACシステム200及び/又はビークル100の1又はそれよりも多くのコンポーネントを修正し、調節し、かつ/又は、変更するように作動可能な任意の要素又は要素の組み合わせであることができる。任意の適切なアクチュエータを用いることができる。例えば、1又はそれよりも多くのアクチュエータ280は、いくつかを単に例示すると、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、リレー、ソレノイド、及び/又は、圧電アクチュエータを含むことができる。
【0031】
HVACシステム200は、1又はそれよりも多くのセンサ290を含むことができる。「センサ」は、何らかを検出し、判別し、評価し、監視し、測定し、定量化し、かつ/又は、感知することができる、任意のデバイス、コンポーネント、及び/又は、システムを意味する。1又はそれよりも多くのセンサは、リアルタイムで検出し、判別し、評価し、監視し、測定し、定量化し、かつ/又は、感知することができる。本開示で使用されるように、用語「リアルタイム」は、なされるべき特定のプロセス又は決定に対しユーザ又はシステムが十分即座に感知する処理応答性のレベル、又は、プロセッサがいくつかの外部プロセスに遅れないようにするのを可能にする処理応答性のレベルを意味する。
【0032】
複数のセンサ290がある構成では、センサ290は、互いに独立して作動することができる。代替的には、2又はそれよりも多くのセンサが互いに組み合わさって作動することができる。このような場合、2又はそれよりも多くのはセンサネットワークを形成することができる。センサ290は、コントローラ(1又は複数)250、データ記憶部(1又は複数)260、及び/又は、HVACシステム200の他の要素(
図1に示される要素のいずれかを含む)に作動可能に接続されることができる。センサ290は、任意の適切なタイプのセンサを含むことができる。本開示には、異なるタイプのセンサの種々の例が記載される。しかしながら、実施態様は、記載された特定のセンサに限定されないことが理解されるであろう。
【0033】
センサ290は、1又はそれよりも多くの水温センサ292を含むことができる。水温センサ(1又は複数)292は、ロングライフクーラント(LLC)としても知られているエンジン冷却水の温度を検知することができる。本開示で使用されるように、「エンジン水」又は「エンジン冷却水」には、ビークル100のエンジンの1又はそれよりも多くのコンポーネントの冷却に用いられる任意の流体が含まれる。例えば、エンジン水は、水、不凍液、防食流体、グリコール、及び/又は、これらの混合物を含むことができる。水温センサ(1又は複数)292は、任意の適切なセンサであることができる。例えば、水温センサ(1又は複数)292は、機械的温度計、バイメタルセンサ、サーミスタ、熱電対、抵抗温度計、及び/又は、シリコンバンドギャップセンサを含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、水温センサ(1又は複数)292は、ビークルエンジンの内部、上、又は、近くに、少なくとも部分的に配置されることができる。
【0034】
センサ290は、1又はそれよりも多くのビークルピッチセンサ294を含むことができる。ビークルピッチセンサ(1又は複数)294は、ビークル100のピッチを感知するように構成されることができる。本開示で使用されるように、「ビークルピッチ」は、ビークル100の任意の傾き又は傾斜を含む。ビークルピッチは、任意の適切なフォーマットで表されることができる。いくつかの構成では、ビークルピッチは水平に対する傾斜の角度として測定されることができる。例えば、ビークルピッチは、水平基準平面に対するビークルのピッチの量によって感知されることができる。代替的又は追加的には、ビークルピッチはパーセンテージ又は割合として表されることができる。例えば、ビークルピッチは、上昇分を走行分で割り算したパーセンテージ、又は、特定の水平距離に対しビークルのピッチが鉛直方向に増大するパーセンテージ、として算出されることができる。
【0035】
ビークルピッチセンサ(1又は複数)294は、ビークルピッチを感知可能な任意の適切なセンサであることができる。例えば、ビークルピッチセンサ(1又は複数)294は、機械的傾角計、デジタル傾角計、傾斜計、加速度計、又は、任意の他の傾斜センサを含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、ビークルピッチセンサ(1又は複数)294は、ビークル100に、ビークル100上に、又は、ビークル100の近くに、少なくとも部分的に配置されることができる。いくつかの構成では、ビークルピッチセンサ(1又は複数)294は、ビークル100から分離されることができる。例えば、ビークル100は、車道のグレードを表す信号をビークル100の外部から受け取ることができる。いくつかの例では、ビークルは、遠隔のサーバ又はアプリケーションソフトウェアから、ビークルピッチ情報を受信することができる。
【0036】
ピッチセンサ294(1又は複数)は、特定の瞬間(時間)においてビークル100のピッチを測定するように構成されることができる。感知は、連続的、周期的、又は、ランダムとされることができる。いくつかの構成では、ピッチセンサ294(1又は複数)は、将来時間におけるビークル100のピッチを予測するように構成されることができる。例えば、ピッチセンサ294(1又は複数)は、ビークル100の周りの環境に関する情報(進行する車道のグレードのような)を獲得することができる。
【0037】
さて、
図2を参照すると、HVACシステム200の一部が示されうる。1又はそれよりも多くの構成では、吸入モードスイッチ240は、再循環空気及び/又は新気がシステムに入るのを許容するように動くことができる。例えば、吸入モードスイッチ240は、新気のみがブロワ230に入るのを許容する第1の位置と、再循環空気のみがブロワ230に入るのを許容する第2の位置との間を移動可能なドアを含むことができる。1又はそれよりも多くの構成では、ブロワ230は、エバポレータ216に向けてかつエバポレータ216を通るように空気を動かすようアクティブ化されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、HVACシステム200は、ビークル100の内部に移動する空気を加熱するヒータコア232を含むことができる。空気をヒータコア232に向かわせる又はヒータコア232から遠ざける空気混合ドア234がHVACシステム200に含まれることができる。
【0038】
1又はそれよりも多くの構成では、或る高エンジン負荷状態において、ビークルのパワートレイン102における負荷を低減するために、コンプレッサ212は系統的に、オフ状態に切り換えられることができる。例えば、以下に説明されかつ
図3から
図7に示されるように、高グレード状態により生ずる、高エンジン水温及び高ビークルピッチの間、コンプレッサは、オフ状態に切り換えられることができる。
【0039】
1又はそれよりも多くの構成では、HVACシステム200は、或るビークル状態の間、1又はそれよりも多くのACカットサイクルに基づいて作動されることができる。「ACカットサイクル」は、コンプレッサがオン状態にアクティブ化されるべきとき及びオフ状態に非アクティブ化されるべきときの情報を含むことができる。以下に説明されかつ
図5から
図7に示されるように、ACカットサイクルは、コンプレッサの状態(オン/オフ)を時間の関数として提供することができる。非アクティブ化期間及びアクティブ化期間でもってコンプレッサ212を作動することにより、コンプレッサ212の継続アクティブ化とは対照的に、パワートレイン102に印加される負荷を低減することができる。1又はそれよりも多くの構成では、コントローラ(1又は複数)250は、コンプレッサ212の作動を制御することができる。例えば、コントローラ(1又は複数)250は、1又はそれよりも多くのACカットサイクルと、水温センサ(1又は複数)292及び/又はビークルピッチセンサ29
4から受け取った任意の情報と、に基づいて、コンプレッサ212を制御することができる。
【0040】
これまでビークル100の種々の潜在的なシステム、デバイス、要素、及び/又は、コンポーネントを説明してきたが、HVACシステムを作動させる種々の方法を次に説明する。
図3を参照すると、HVACシステムを作動させる方法の第1の例が示される。さて、方法300の種々の可能なステップを説明する。
図3に示される方法300は
図1及び
図2に関して上述された実施態様に適用可能でありうるけれども、方法300は他の適切なシステム及び構成でもって実行可能であることが理解される。更に、方法300は、本開示に示されない他のステップを含んでもよく、実際、方法300は、
図3に示されるすべてのステップを含むものに限定されない。方法300の部分として本開示に示されたステップは、この特定の時間的順序に限定されない。実際、いくつかのステップは、示されているものと異なる順序で実施されてもよく、かつ/又は、示されたステップのうちの少なくともいくつかは同時に生じることができる。1又はそれよりも多くの構成では、方法300の1又はそれよりも多くのステップは、コントローラ(1又は複数)250によって実行されることができる。
【0041】
ブロック302では、方法300は、HVACシステム200のパワー状態がアクティブ状態にあるかを判別する。本開示で使用されるように、「アクティブ状態」は、HVACシステム200の1又はそれよりも多くのコンポーネントがビークル100内の状態を変化させるよう作動可能である任意の状態を含むことができる。例えば、アクティブ状態は、コンプレッサ212がアクティブである状態を含むことができる。代替的又は追加的には、コントローラ(1又は複数)250に作動可能に接続された1又はそれよりも多くのセンサ290が、HVACシステム200がアクティブ状態にあるかを判別することができる。いくつかの構成では、この判別は、コントローラ(1又は複数)250によって行われることができる。HVACシステムのパワー状態がアクティブ状態にないと判別されると、方法300は次いで終了することができる。代替的に、方法300はブロック302に戻ることができる。HVACシステム200がアクティブ状態にあると判別されると、方法300はブロック304に続くことができる。
【0042】
ブロック304では、方法300は、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別する。この判別は、例えば、エンジン水温があらかじめ定められた値にほぼ等しいかつ/又はこれよりも高いかを判別することを含むことができる。いくつかの構成では、この判別は、コントローラ(1又は複数)250によって行われることができる。更に、この判別は、水温センサ(1又は複数)292により受信された情報に基づくことができる。強制HVAC再循環吸入しきい値は、固定値又は範囲の値であることができる。代替的又は追加的には、強制HVAC再循環吸入しきい値は、時間に対して変化することができる。例えば、強制HVAC再循環吸入しきい値は、1又はそれよりも多くの環境又はビークル状態(いくつかを単に例示すると、周囲温度、周囲湿度、周囲圧力、ビークル速度、及び/又は、ビークル位置、のような)に基づいて変化することができる。
【0043】
強制HVAC再循環吸入しきい値が満たされていないと判別されると、ブロック306において、HVACシステム200はACカットサイクルなしに作動されることができる。したがって、コンプレッサ212は、強制的な非アクティブ化期間なしに作動されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、コンプレッサ212は、オン状態であり続けるように作動されることができる。代替的には、コンプレッサ212は、任意の他の要因に基づいて、オン状態とオフ状態との間で切り換えられることができる。例えば、コンプレッサ212は、ユーザインタフェース(1又は複数)270、客室温度、及び/又は、エバポレータ温度のうちの1又はそれよりも多くに基づいて、オン及びオフに切り換えられることができる。方法300は、次いで終了することができる。代替的に、方法300はブロック302に戻ることができる。
【0044】
強制HVAC再循環吸入しきい値が満たされていると判別されると、方法300は、ブロック308において、エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別すること含むことができる。いくつかの構成では、高水温しきい値は、データ記憶部(1又は複数)260に記憶されることができる。高水温しきい値は、固定値又は範囲の値であることができる。代替的又は追加的には、高水温しきい値は、時間に対して変化することができる。コントローラ(1又は複数)250は、センサ290から受信した情報をデータ記憶部(1又は複数)260に記憶されている高水温しきい値と比較して、エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別するようにすることができる。例えば、水温センサ(1又は複数)292によって感知された温度は、高水温しきい値と比較されることができる。いくつかの構成では、水温が高水温しきい値よりも高いかつ/又はこれに等しければ、高水温しきい値が満たされることができる。高水温しきい値は、強制HVAC再循環吸入しきい値よりも高くされることができる。
【0045】
エンジン水温が高水温しきい値よりも高くないと判別されると、HVACシステム200は、ブロック310においてACカットサイクルなしに作動されることができる。方法300は、次いで終了することができる。代替的に、方法300はブロック302に戻ることができる。
【0046】
エンジン水温が高水温しきい値を満たすと判別されると、方法300は、ブロック312に続くことができる。ビークルピッチがビークルピッチしきい値を満たすかが判別されることができる。いくつかの構成では、ビークルピッチしきい値は、データ記憶部(1又は複数)260に記憶されることができる。ビークルピッチしきい値は、固定値又は範囲の値であることができる。代替的又は追加的には、ビークルピッチしきい値は、時間に対して変化することができる。ビークルピッチしきい値は、任意の適切な形態をとることができる。例えば、ビークルピッチしきい値は、水平に対する角度であることができる(例えば、10,15)。代替的又は追加的には、ビークルピッチしきい値は、パーセンテージであることができる(例えば、10%,15%)。コントローラ(1又は複数)250は、センサ290から受信した情報をデータ記憶部(1又は複数)260に記憶されているビークルピッチしきい値と比較して、ビークルピッチがビークルピッチ値を満たすかを判別するようにすることができる。例えば、ビークルピッチセンサ(1又は複数)294によって感知されたビークルピッチは、ビークルピッチしきい値と比較されることができる。いくつかの構成では、ビークルピッチがビークルピッチしきい値よりも大きいかつ/又はこれに等しければ、ビークルピッチしきい値が満たされることができる。
【0047】
ビークルピッチがビークルピッチしきい値を満たさないと判別されると、ブロック314において、コンプレッサ212は、第1のACカットサイクルにより作動されることができる。いくつかの構成では、第1のACカットサイクルは、コンプレッサ212がオフ状態に切り換えられている期間を含むことができる。例えば、第1のACカットサイクルは
図5に示されることができる。方法300は、次いで終了することができる。代替的に、方法300はブロック302に戻ることができる。
【0048】
ビークルピッチがビークルピッチしきい値を満たすと判別されると、ブロック31
6において、コンプレッサ212は、第2のACカットサイクルにより作動されることができる。いくつかの構成では、第2のACカットサイクルは、第1のACカットサイクルと比べて、コンプレッサ212がオフ状態にされるべき期間をより長くすることができる。例えば、第2のACカットサイクルは
図6に示されることができる。方法300は、次いで終了することができる。代替的に、方法300はブロック302に戻ることができる。
【0049】
さて、
図4を参照して、HVACシステムを作動させる方法の別の非限定的な例400を説明する。
図4に示される方法400は
図1から
図3に関して上述された実施態様に適用可能でありうるけれども、方法400は他の適切なシステム及び構成でもって実行可能であることが理解される。更に、方法400は、本開示に示されない他のステップを含んでもよく、実際、方法400は、
図4に示されるすべてのステップを含むものに限定されない。方法400の部分として本開示に示されたステップは、この特定の時間的順序に限定されない。実際、いくつかのステップは、示されているものと異なる順序で実施されてもよく、かつ/又は、示されたステップのうちの少なくともいくつかは同時に生じることができる。
【0050】
ブロック402では、方法400は、HVACシステム200のパワー状態がアクティブ状態にあるかを判別する。本開示で使用されるように、「アクティブ状態」は、HVACシステム200の1又はそれよりも多くのコンポーネントがビークル100内の状態を変化させるよう作動可能である任意の状態を含むことができる。例えば、アクティブ状態は、コンプレッサ212がアクティブである状態を含むことができる。代替的又は追加的には、コントローラ(1又は複数)250に作動可能に接続された1又はそれよりも多くのセンサ290が、HVACシステム200がアクティブ状態にあるかを判別することができる。いくつかの構成では、この判別は、コントローラ(1又は複数)250によって行われることができる。HVACシステムのパワー状態がアクティブ状態にないと判別されると、方法400は次いで終了することができる。代替的に、方法400はブロック402に戻ることができる。HVACシステム200がアクティブ状態にあると判別されると、方法400はブロック404に続くことができる。
【0051】
ブロック404では、方法400は、エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別する。この判別は、例えば、エンジン水温があらかじめ定められた値にほぼ等しいかつ/又はこれよりも高いかを判別することを含むことができる。いくつかの構成では、この判別は、コントローラ(1又は複数)250によって行われることができる。更に、この判別は、水温センサ(1又は複数)292により受信された情報に基づくことができる。強制HVAC再循環吸入しきい値は、固定値又は範囲の値であることができる。代替的又は追加的には、強制HVAC再循環吸入しきい値は、時間に対して変化することができる。例えば、強制HVAC再循環吸入しきい値は、1又はそれよりも多くの環境又はビークル状態(いくつかを単に例示すると、周囲温度、周囲湿度、周囲圧力、ビークル速度、及び/又は、ビークル位置、のような)に基づいて変化することができる。
【0052】
強制HVAC再循環吸入しきい値が満たされていないと判別されると、ブロック406において、HVACシステム200はACカットサイクルなしに作動されることができる。したがって、コンプレッサ212は、強制的な非アクティブ化期間なしに作動されることができる。1又はそれよりも多くの構成では、コンプレッサ212は、オン状態であり続けるように作動されることができる。代替的には、コンプレッサ212は、任意の他の要因に基づいて、オン状態とオフ状態との間で切り換えられることができる。例えば、コンプレッサ212は、ユーザインタフェース(1又は複数)270、客室温度、及び/又は、エバポレータ温度のうちの1又はそれよりも多くに基づいて、オン及びオフに切り換えられることができる。方法400は、次いで終了することができる。代替的に、方法400はブロック402に戻ることができる。
【0053】
強制HVAC再循環吸入しきい値が満たされていると判別されると、方法400は、ブロック408において、エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別すること含むことができる。いくつかの構成では、高水温しきい値は、データ記憶部(1又は複数)260に記憶されることができる。高水温しきい値は、固定値又は範囲の値であることができる。代替的又は追加的には、高水温しきい値は、時間に対して変化することができる。コントローラ(1又は複数)250は、センサ290から受信した情報をデータ記憶部(1又は複数)260に記憶されている高水温しきい値と比較して、エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別するようにすることができる。例えば、水温センサ(1又は複数)292によって感知された温度は、高水温しきい値と比較されることができる。いくつかの構成では、水温が高水温しきい値よりも高いかつ/又はこれに等しければ、高水温しきい値が満たされることができる。高水温しきい値は、強制HVAC再循環吸入しきい値よりも高くされることができる。
【0054】
エンジン水温が高水温しきい値よりも高くないと判別されると、HVACシステム200は、ブロック410においてACカットサイクルなしに作動されることができる。方法400は、次いで終了することができる。代替的に、方法400はブロック402に戻ることができる。
【0055】
エンジン水温が高水温しきい値を満たすと判別されると、方法400は、ブロック412に続くことができる。ビークルピッチが第1のビークルピッチしきい値を満たすかが判別されることができる。いくつかの構成では、第1のビークルピッチしきい値は、データ記憶部(1又は複数)260に記憶されることができる。第1のビークルピッチしきい値は、固定値又は範囲の値であることができる。代替的又は追加的には、第1のビークルピッチしきい値は、時間に対して変化することができる。第1のビークルピッチしきい値は、任意の適切な形態をとることができる。例えば、第1のビークルピッチしきい値は、水平に対する角度であることができる(例えば、10,15)。代替的又は追加的には、第1のビークルピッチしきい値は、パーセンテージであることができる(例えば、10%,15%)。コントローラ(1又は複数)250は、センサ290から受信した情報をデータ記憶部(1又は複数)260に記憶されている第1のビークルピッチしきい値と比較して、ビークルピッチが第1のビークルピッチ値を満たすかを判別するようにすることができる。例えば、ビークルピッチセンサ(1又は複数)294によって感知されたビークルピッチは、第1のビークルピッチしきい値と比較されることができる。いくつかの構成では、ビークルピッチが第1のビークルピッチしきい値よりも大きいかつ/又はこれに等しければ、第1のビークルピッチしきい値が満たされることができる。
【0056】
ビークルピッチが第1のビークルピッチしきい値を満たさないと判別されると、ブロック414において、コンプレッサ212は、第1のACカットサイクルにより作動されることができる。いくつかの構成では、第1のACカットサイクルは、コンプレッサ212がオフ状態に切り換えられている期間を含むことができる。例えば、第1のACカットサイクルは
図5に示されることができる。方法400は、次いで終了することができる。代替的に、方法400はブロック402に戻ることができる。
【0057】
ビークルピッチが第1のビークルピッチしきい値を満たすと判別されると、ブロック416において、ビークルピッチが第2のビークルピッチしきい値を満たすかが判別されることができる。いくつかの構成では、第2のビークルピッチしきい値は、データ記憶部(1又は複数)260に記憶されることができる。第2のビークルピッチしきい値は、固定値又は範囲の値であることができる。代替的又は追加的には、第2のビークルピッチしきい値は、時間に対して変化することができる。第2のビークルピッチしきい値は、任意の適切な形態をとることができる。例えば、第2のビークルピッチしきい値は、水平に対する角度であることができる(例えば、10,15)。代替的又は追加的には、第2のビークルピッチしきい値は、パーセンテージであることができる(例えば、10%,15%)。コントローラ(1又は複数)250は、センサ290から受信した情報をデータ記憶部(1又は複数)260に記憶されている第2のビークルピッチしきい値と比較して、ビークルピッチが第2のビークルピッチ値を満たすかを判別するようにすることができる。例えば、ビークルピッチセンサ(1又は複数)294によって感知されたビークルピッチは、第2のビークルピッチしきい値と比較されることができる。いくつかの構成では、ビークルピッチが第2のビークルピッチしきい値よりも大きいかつ/又はこれに等しければ、第2のビークルピッチしきい値が満たされることができる。第2のビークルピッチしきい値は、第1のビークルピッチしきい値よりも大きくされることができる。例えば、第2のビークルピッチしきい値は、第1のビークルピッチしきい値のビークルピッチ値よりも大きいビークルピッチ値を含むことができる。
【0058】
ビークルピッチが第2のビークルピッチしきい値を満たさず、しかしながら第1のビークルピッチしきい値を満たすときには、ブロック418において、コンプレッサ212は第2のACカットサイクルにより作動されることができる。いくつかの構成では、第2のACカットサイクルは、第1のACカットサイクルと比べて、コンプレッサ212がオフ状態にされるべき期間をより長くすることができる。例えば、第2のACカットサイクルは
図6に示されることができる。方法400は、次いで終了することができる。代替的に、方法400はブロック402に戻ることができる。
【0059】
ビークルピッチが第2のビークルピッチしきい値を満たすと判別されると、ブロック420において、コンプレッサ212は、第3のACカットサイクルにより作動されることができる。いくつかの構成では、第3のACカットサイクルは、第1及び第2のACカットサイクルと比べて、コンプレッサ212がオフ状態にされるべき期間をより長くすることができる。例えば、第2のACカットサイクルは
図7に示されることができる。方法400は、次いで終了することができる。代替的に、方法400はブロック402に戻ることができる。
【0060】
図5は、第1のACカットサイクル510を含むチャート500の一例を示している。第1のACカットサイクルは、時間530の関数としてプロットされたコンプレッサ状態520を含むことができる。第1のACカットサイクル510は、コンプレッサ212がオフ状態に切り換えられている、1又はそれよりも多くのあらかじめ定められた期間を含むことができる。いくつかの構成では、第1のACカットサイクル510は、交互にアクティブ化及び非アクティブ化されたコンプレッサ状態を含むことができる。例えば、コンプレッサ212は、コンプレッサ212がアクティブ化されている期間同士の間において、あらかじめ定められた期間t1にわたり、オフ状態に非アクティブ化されることができる。
図5に示されるように、コンプレッサ212がオフに切り換えられている期間t1は、長さが互いにほぼ等しくされることができる。代替的に、期間t1は時間に対して変化することができる。更に、コンプレッサ212がオンに切り換えられている期間は、長さが互いにほぼ等しくされることができ、又は、時間に対して変化することができる。
【0061】
図6は、第2のACカットサイクル610を含むチャート600の一例を示している。第2のACカットサイクルは、時間630の関数としてプロットされたコンプレッサ状態620を含むことができる。第2のACカットサイクル610は、コンプレッサ212がオフ状態に切り換えられている、1又はそれよりも多くのあらかじめ定められた期間を含むことができる。いくつかの構成では、第2のACカットサイクル610は、交互にアクティブ化及び非アクティブ化されたコンプレッサ状態を含むことができる。例えば、コンプレッサ212は、コンプレッサ212がアクティブ化されている期間同士の間において、あらかじめ定められた期間t2にわたり、オフ状態に非アクティブ化されることができる。いくつかの構成では、第2のACカットサイクル610の期間t2は、第1のACカットサイクル510の期間t1よりも長くされることができる。したがって、コンプレッサ212は、第2のACカットサイクル610において、より長い期間にわたり、非アクティブ化されることができる。
図6に示されるように、コンプレッサ212がオフに切り換えられている期間t2は、長さが互いにほぼ等しくされることができる。代替的に、期間t2は時間に対して変化することができる。更に、コンプレッサ212がオンに切り換えられている期間は、長さが互いにほぼ等しくされることができ、又は、時間に対して変化することができる。
【0062】
図7は、第3のACカットサイクル710を含むチャート700の一例を示している。第3のACカットサイクルは、時間730の関数としてプロットされたコンプレッサ状態720を含むことができる。第3のACカットサイクル710は、コンプレッサ212がオフ状態に切り換えられている、1又はそれよりも多くのあらかじめ定められた期間を含むことができる。例えば、コンプレッサ212は、
図7の例に示されるように、第3のACカットサイクルの全継続期間にわたり、オフ状態に非アクティブ化されることができる。
【0063】
2つ又は3つのACカットサイクルを備えた構成が説明されたけれども、コンプレッサ212を作動させるのに任意の数のACカットサイクルを使用可能であることが理解されるべきである。例えば、コンプレッサ212がオフ状態に切り換えられている期間が互いに異なる、より多くのACカットサイクルを用いることができる。更に、1又はそれよりも多くのACカットサイクルを適用するために、任意の数のビークルピッチしきい値を用いることができる。例えば、より多数のACカットサイクルを提供するにあたり、より多数のビークルピッチしきい値を用いることができる。
【0064】
本開示に記載された構成が多くの利点(本開示で述べられた利点のうちの1又はそれよりも多くを含む)を提供できることが理解されるであろう。本開示に記載された構成は、ビークルHVACシステムのための要求エンジントルクを低減することができる。例えば、或る状態の間、コンプレッサは、エンジンの負荷を低下させるACカットサイクルにより作動されることができる。ACカットサイクルは、コンプレッサがオフ状態に切り換えられている、1又はそれよりも多くの期間を含むことができる。構成は、要求されるエンジントルク、エンジン水温、及び、排気ガス温度を低下することができる。このことは、排出コンポーネントを取り囲む部品に対する熱損傷の低減、より低いエンジン温度による増大されたけん引能力、及び、燃料消費の減少をもたらすことができる。このような構成は、ターボチャージャ付きエンジンに対し特に有用であることができる。というのも、ターボチャージャ付きエンジンは、高エンジン負荷において増大された熱負荷を有するとともに追加の冷却能力を必要とするからである。本開示に記載の構成は、追加の冷却熱交換を除去又は低減することができ、このことは、パッケージ及び安全(小さなオーバラップ及び歩行者衝突状態におけるような)を改善することができる。
【0065】
図面におけるローチャート及びブロック線図は、種々の実施態様に係るシステム、方法、及び、コンピュータプログラム製品の可能な実施の、アーキテクチャ、機能性、及び、作用を示している。これに関し、フローチャート又はブロック線図における各ブロックは、特定の論理機能(1又は複数)を実施するための1又はそれよりも多くの実行可能な命令を備える、モジュール、セグメント、又はコードの部分を代表してもよい。また、記載されるべきは、いくつかの代替的実施態様では、ブロック内に記載された機能が図面に記載された順序とは異なって生じてもよい、ことである。例えば、関連する機能性に依存して、連続して示される2つのブロックが、実際、ほぼ同時に実行されてもよく、又は、これらブロックが時々逆の順で実行されることができる。
【0066】
上述のシステム、コンポーネント、及び/又は、プロセスは、ハードウェア、又は、ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現可能であるとともに、1つの処理システムにおける集中化した仕方で、又は、異なる要素がいくつかの相互接続された処理システムにわたり分散されている、分散された仕方で、実現可能である。本開示に記載された方法を実行するのに適した、任意の種類の処理システム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、コンピュータ使用可能プログラムコードであって、読み込まれ実行されると、処理システムが本開示に記載の方法を実行するように処理システムを制御するプログラムコードを備えた処理システムであることができる。また、システム、コンポーネント、及び/又は、プロセスは、機械であって、本開示に記載の方法及びプロセスを実行するために機械により実行可能な命令のプログラムを実体的に具現化する機械によって読み取り可能な、コンピュータ可読記憶部(コンピュータプログラム製品又は他のデータプログラム記憶デバイスのような)に組み込まれることができる。また、これらの要素は、本開示に記載の方法が実行されるのを可能にするすべての特徴を備えるアプリケーション製品であって、処理システムに読み込まれるとこれらの方法を実行可能なアプリケーション製品に組み込まれることができる。
【0067】
更に、本開示に記載の構成は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された又は組み入れた(例えば、記憶された)1又はそれよりも多くのコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。1又はそれよりも多くのコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってよい。句「コンピュータ可読記憶媒体」は、非一時的な記憶媒体意味する。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外、もしくは、半導体の、システム、装置、もしくは、デバイス、又は、これらの任意の適切な組み合わせであってよく、しかしながらこれらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1又はそれよりも多くのワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は、これらの任意の適切な組み合わせを含むであろう。この書面の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令を実行するシステム、装置、もしくはデバイスによって使用されるためのプログラム、又は、命令を実行するシステム、装置、もしくはデバイスと組み合わされるプログラムを含む又は記憶することが可能な任意の実体的媒体であってよい。
【0068】
本開示で使用されるように、用語「1」ないし「1つ」は、1又はそれよりも多いとして定義される。本開示で使用されるように、用語「複数」は、2又はそれよりも多いとして定義される。本開示で使用されるように、用語「別の」ないし「他の」は、少なくとも2番目又はそれ以降として定義される。本開示で使用されるように、用語「含む」及び/又は「有する」は、備えること(非限定的な語法)として定義される。本開示で使用されるように、用語「少なくとも1つの…及び…」は、関連する列記されたアイテムのうちの1又はそれよりも多くの、任意のかつすべての可能な組み合わせを参照して包含する。一例として、句「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」には、Aのみ、Bのみ、Cのみ、又は、これらの任意の組み合わせ(例えば、AB、AC、BC、ABC)が含まれる。
【0069】
本開示の観点を、その精神又は本質的属性から逸脱することなく、他の形態でもって具現化することができる。したがって、本発明の範囲を示すものとして、上述の明細書よりも、以下の特許請求の範囲が参照されるべきである。
【0070】
[例1]
ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムを作動させる方法であって、前記HVACシステムは、オン状態とオフ状態との間で作動可能なコンプレッサを含んでおり、前記方法は、
エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することと、
前記エンジン水温が前記強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、前記エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別することと、
ビークルピッチがビークルピッチしきい値を満たすかを判別することと、
前記エンジン水温が前記高水温しきい値を満たしかつ前記ビークルピッチが前記ビークルピッチしきい値を満たさないと判別したことに応答して、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられているあらかじめ定められた期間を含むACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させることと、
を含む方法。
[例2]
前記ACカットサイクルが第1のACカットサイクルであり、前記あらかじめ定められた期間が第1のあらかじめ定められた期間であり、前記方法は更に、
前記ビークルピッチが前記ビークルピッチしきい値を満たすと判別したことに応答して、第2のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させる段階であって、前記第2のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第2のあらかじめ定められた期間を含み、前記第2のあらかじめ定められた期間は前記第1のあらかじめ定められた期間よりも長い、段階、
を含む、例1に記載の方法。
[例3]
前記ビークルピッチしきい値が第1のビークルピッチしきい値であり、前記方法は更に、
前記ビークルピッチが第2のビークルピッチしきい値を満たすかを判別する段階と、
前記ビークルピッチが前記第2のビークルピッチしきい値を満たすと判別したことに応答して、第3のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させる段階であって、前記第3のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第3のあらかじめ定められた期間を含み、前記第3のあらかじめ定められた期間は前記第2のあらかじめ定められた期間よりも長い、段階と、
を含む、例2に記載の方法。
[例4]
前記第1、第2、及び、第3のACカットサイクルのそれぞれは、時間の関数としてコンプレッサ状態を含む、例3に記載の方法。
[例5]
前記第1のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オン状態と前記オフ状態との間で切り換えられる交互の期間を含み、前記コンプレッサが前記オフ状態にある前記期間はそれぞれ、前記第1のあらかじめ定められた期間にほぼ等しい、例4に記載の方法。
[例6]
前記第2のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オン状態と前記オフ状態との間で切り換えられる交互の期間を含み、前記コンプレッサが前記オフ状態にある前記期間はそれぞれ、前記第2のあらかじめ定められた期間にほぼ等しい、例5に記載の方法。
[例7]
前記第3のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記第3のACカットサイクルにより作動されている全継続期間にわたり、前記コンプレッサを前記オフ状態に切り換えることを含む、例6に記載の方法。
[例8]
前記強制HVAC再循環吸入しきい値は固定された温度値であり、前記高水温しきい値は固定された温度値であり、前記強制HVAC再循環吸入しきい値は前記高水温しきい値よりも低い、例1に記載の方法。
[例9]
ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムであって、
エンジン水温を測定するように作動可能な水温センサと、
ビークルピッチを測定するように作動可能なビークルピッチセンサと、
オン状態とオフ状態との間で作動可能なコンプレッサと、
前記水温センサ、前記ビークルピッチセンサ、及び前記コンプレッサに作動可能に接続されたコントローラであって、前記コントローラは、
エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することと、
前記エンジン水温が前記強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、前記エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別することと、
ビークルピッチがビークルピッチしきい値を満たすかを判別することと、
前記エンジン水温が前記高水温しきい値を満たしかつ前記ビークルピッチが前記ビークルピッチしきい値を満たさないと判別したことに応答して、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられているあらかじめ定められた期間を含むACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させることと、
を実行するようにプログラムされたコントローラと、
を備える、システム。
[例10]
前記ACカットサイクルが第1のACカットサイクルであり、前記あらかじめ定められた期間が第1のあらかじめ定められた期間であり、前記コントローラは更に、
前記ビークルピッチが前記ビークルピッチしきい値を満たすと判別したことに応答して、第2のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させること、
を実行するようにプログラムされており、前記第2のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第2のあらかじめ定められた期間を含み、前記第2のあらかじめ定められた期間は前記第1のあらかじめ定められた期間よりも長い、
例9に記載のシステム。
[例11]
前記ビークルピッチしきい値が第1のビークルピッチしきい値であり、前記コントローラは更に、
前記ビークルピッチが第2のビークルピッチしきい値を満たすかを判別することと、
前記ビークルピッチが前記第2のビークルピッチしきい値を満たすと判別したことに応答して、第3のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させることと、
を実行するようにプログラムされており、前記第3のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第3のあらかじめ定められた期間を含み、前記第3のあらかじめ定められた期間は前記第2のあらかじめ定められた期間よりも長い、
例10に記載のシステム。
[例12]
前記第1、第2、及び、第3のACカットサイクルのそれぞれは、時間の関数としてコンプレッサ状態を含む、例11に記載のシステム。
[例13]
前記第1のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オン状態と前記オフ状態との間で切り換えられる交互の期間を含み、前記コンプレッサが前記オフ状態にある前記期間はそれぞれ、前記第1のあらかじめ定められた期間にほぼ等しい、例12に記載のシステム。
[例14]
前記第2のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オン状態と前記オフ状態との間で切り換えられる交互の期間を含み、前記コンプレッサが前記オフ状態にある前記期間はそれぞれ、前記第2のあらかじめ定められた期間にほぼ等しい、例13に記載のシステム。
[例15]
前記第3のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記第3のACカットサイクルにより作動されている全継続期間にわたり、前記コンプレッサを前記オフ状態に切り換えることを含む、例14に記載のシステム。
[例16]
前記強制HVAC再循環吸入しきい値は固定された温度値であり、前記高水温しきい値は固定された温度値であり、前記強制HVAC再循環吸入しきい値は前記高水温しきい値よりも低い、例9に記載のシステム。
[例17]
ビークルの暖房換気空調(HVAC)システムを作動させる方法であって、前記HVACシステムは、オン状態とオフ状態との間で作動可能なコンプレッサを含んでおり、前記方法は、
エンジン水温が強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすかを判別することを含み、
前記エンジン水温が前記強制HVAC再循環吸入しきい値を満たすと判別したことに応答して、前記エンジン水温が高水温しきい値を満たすかを判別することを含み、
前記エンジン水温が前記高水温しきい値を満たすと判別したことに応答して、
ビークルピッチが第1のビークルピッチしきい値を満たすかを判別することと、
ビークルピッチが第2のビークルピッチしきい値を満たすかを判別することと、
を含み、
前記ビークルピッチが前記第1又は前記第2のビークルピッチしきい値を満たさないと判別したことに応答して、第1のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させることを含み、前記第1のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第1のあらかじめ定められた期間を含み、
前記ビークルピッチが前記第1のビークルピッチしきい値を満たしかつ前記第2のビークルピッチしきい値を満たさないと判別したことに応答して、第2のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させることを含み、前記第2のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第2のあらかじめ定められた期間を含み、前記第2のあらかじめ定められた期間は前記第1のあらかじめ定められた期間よりも長く、
前記エンジン水温が前記第1及び第2のビークルピッチしきい値を満たすと判別したことに応答して、第3のACカットサイクルに基づき前記コンプレッサを作動させることを含み、前記第3のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オフ状態に切り換えられている第3のあらかじめ定められた期間を含み、前記第3のあらかじめ定められた期間は前記第2のあらかじめ定められた期間よりも長い、
方法。
[例18]
前記第1のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オン状態と前記オフ状態との間で切り換えられる交互の期間を含み、前記コンプレッサが前記オフ状態にある前記期間はそれぞれ、前記第1のあらかじめ定められた期間にほぼ等しい、例17に記載の方法。
[例19]
前記第2のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記オン状態と前記オフ状態との間で切り換えられる交互の期間を含み、前記コンプレッサが前記オフ状態にある前記期間はそれぞれ、前記第2のあらかじめ定められた期間にほぼ等しい、例18に記載の方法。
[例20]
前記第3のACカットサイクルは、前記コンプレッサが前記第3のACカットサイクルにより作動されている全継続期間にわたり、前記コンプレッサを前記オフ状態に切り換えることを含む、例19に記載の方法。