(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】搬送器および搬送装置
(51)【国際特許分類】
B26D 7/20 20060101AFI20220127BHJP
B65G 21/00 20060101ALI20220127BHJP
B65G 17/42 20060101ALI20220127BHJP
B65B 35/50 20060101ALI20220127BHJP
B26D 7/06 20060101ALI20220127BHJP
B65B 25/18 20060101ALN20220127BHJP
A23L 35/00 20160101ALN20220127BHJP
【FI】
B26D7/20
B65G21/00 A
B65G17/42 B
B65B35/50
B26D7/06 Z
B65B25/18
A23L35/00
(21)【出願番号】P 2017246824
(22)【出願日】2017-12-22
【審査請求日】2020-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】和泉 誠
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-196396(JP,A)
【文献】実開昭61-083882(JP,U)
【文献】特開昭62-193792(JP,A)
【文献】特開2014-162529(JP,A)
【文献】特開2014-161975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/20
B65G 21/00
B65G 17/42
B65B 35/50
B26D 7/06
B65B 25/18
A23L 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を載せて搬送方向に移動する搬送器において、
前記食品を載せる載置部と
、前記載置部に対して凹んだ状態で外側に向けて形成された凹部と
を有するパレットを備え、
前記パレットは矩形状に形成され、
前記載置部は前記パレットの対角線上に延びている、
ことを特徴とする搬送器。
【請求項2】
前記凹部は、外側に向けて下り勾配に形成された傾斜面を有する、
請求項1に記載の搬送器。
【請求項3】
前記凹部は、前記食品を持ち上げる部材の進入を案内する側壁を有する、
請求項1または請求項2に記載の搬送器。
【請求項4】
前記載置部は前記食品を切断する切断刃が当接する当接部
を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の搬送器。
【請求項5】
前記載置部には、前記食品を切断する切断刃を進入可能な逃げ溝が形成されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の搬送器。
【請求項6】
前記載置部は樹脂材により形成される
請求項4または請求項5に記載の搬送器。
【請求項7】
前記凹部は、
前記食品を持ち上げる部材の進入を許容する持上部材進入領域と、
前記食品を切断する切断刃の進入を許容する切断刃進入領域と、が交わる形状に形成される、
請求項1または請求項2に記載の搬送器。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の搬送器が複数備えられ、前記複数の搬送器の被支持部が、食品の搬送方向に移動する支持体に着脱自在に支持されることを特徴とする搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送器および搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、搬送装置として、コンベアにより搬送される食品を上下の把持体(以下、持上具という)で把持し、把持した食品をコンベアから持ち上げる装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、搬送装置として、肉切断用のまな板プレート(以下、搬送器のパレットという)に食品を載置し、載置した食品をパレットとともに搬送するコンベアが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-198571号公報
【文献】特開2016-119899号公報
【文献】特公昭59-26265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの搬送装置によれば、コンベアにより搬送される食品を持上具により把持する際に、持上具が食品とコンベアとの隙間に押し込まれる。このため、持上具により食品およびコンベアベルトの少なくとも一方に傷をつけるおそれが生じていた。また、持上具により食品を掴む際に、食品が横滑りや回転をしてしまうことが考えられる。このため、持上具が食品に接触する位置の安定性である繰り返し位置精度のばらつきが大きくなるおそれが生じていた。
【0005】
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、コンベア上を流れる食品を持上具により持ち上げる際、食品の把持精度を高い精度で安定的に確保できる搬送器および搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために本発明の一態様にかかる搬送器は、食品を載せて搬送方向に移動する搬送器において、前記食品を載せる載置部と、前記載置部に対して凹んだ状態で外側に向けて形成された凹部とを有するパレットを備え、前記パレットは矩形状に形成され、前記載置部は前記パレットの対角線上に延びている、ことを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、搬送器に載置部を備え、載置部に食品を載せるようにし、凹部を載置部に対して凹ませた。よって、載置部に食品を載せた状態において、凹部の底面と食品の下面との間に隙間を確保できる。これにより、持上具(すなわち、「食品を持ち上げる部材」)で食品を把持して持ち上げる際に、食品に傷をつけることを抑制できる。また、食品を移動させることなく安定させた状態で、食品を持上具で把持できる。これにより、コンベア上を流れる食品を持上具により持ち上げる際、その把持精度を高い精度で安定的に確保することができる。
【0008】
上記態様において、前記凹部は、外側に向けて下り勾配に形成された傾斜面を有していてもよい。
【0009】
この構成によれば、凹部に傾斜面を有し、傾斜面を外側に向けて下り勾配に形成した。よって、傾斜面と食品の下面との間の隙間を一層大きく確保できる。これにより、持上具(すなわち、「食品を持ち上げる部材」)を傾斜面に沿って移動させることにより、食品に傷をつけることを一層良好に抑制できる。
【0010】
上記態様において、前記凹部は、前記食品を持ち上げる部材の進入を案内する側壁を有していてもよい。
この構成によれば、凹部に側壁を形成し、食品を持ち上げる部材の進入を側壁で案内するようにした。よって、食品を持ち上げる部材を食品に対して精度よく位置決めできる。これにより、食品を持上具により持ち上げる際、持上具の把持精度を高い精度で安定的に確保することができる。
【0011】
上記態様において、前記載置部は前記食品を切断する切断刃が当接する当接部を有してもよい。
ここで、例えば食品を切断する際に、コンベア上で切断刃を下降させて切断することも考えられる。この場合、切断刃が過度に下降するとコンベアを切断してしまうおそれが生じる。一方、切断刃の下降が不足していると食品の下面側が未切断の状態となるおそれが生じる。このように、食品を所望量切断するためには、切断刃の下降量の調整が困難であり、コンベアの損傷などにつながることが考えられる。
これに対して、この構成によれば、載置部は食品を切断する切断刃が当接する当接部に用いることも可能である。よって、食品を切断刃で切断する際に、切断刃を載置部(当接部)まで移動させて当接部に当接することにより食品を切断することができる。これにより、切断刃の下降量の調整を容易にできる。
【0012】
上記態様において、前記載置部には、前記食品を切断する切断刃を進入可能な逃げ溝が形成されていてもよい。
この構成によれば、載置部に逃げ溝を形成し、逃げ溝に切断刃を進入可能とした。よって、切断刃を食品より下方に移動することができる。これにより、食品を切断刃で一層良好に切断することができる。
また、切断刃を逃げ溝まで進入させることにより、切断刃の下降量の許容範囲を比較的広くできる。これにより、食品を切断する際において、切断刃の下降量の調整が一層容易になる。
【0013】
上記態様において、前記載置部は樹脂材により形成されてもよい。
この構成によれば、切断刃の損傷を抑制することができるので、食品の切断を長期にわたり安定して行うことができる。
【0014】
上記態様において、凹部は、前記食品を持ち上げる部材の進入を許容する持上部材進入領域と、前記食品を切断する切断刃の進入を許容する切断刃進入領域と、が交わる形状に形成されていてもよい。
【0015】
この構成によれば、持上部材進入領域と切断刃進入領域とを交わるようにした。よって、切断刃進入領域を超えて持上部材進入領域を延ばすことできる。これにより、食品を持ち上げる部材を食品の切断箇所を超えて進入させることができる。したがって、切断された食品を、食品を持ち上げる部材で良好に持ち上げることができる。
【0016】
上記の課題を解決するために本発明の一態様にかかる搬送装置は、前記搬送器が複数備えられ、前記複数の搬送器の被支持部が、食品の搬送方向に移動する支持体に着脱自在に支持されることを特徴とする。
この構成によれば、支持部に対して被支持部を着脱可能とすることにより、被支持部を取り外して保守、点検を容易にできる。また、被支持部の交換を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
この発明の一態様の搬送器および搬送装置によれば、搬送器に載置部と、凹部とを備えた。載置部に食品が載せられ、凹部を載置部に対して凹んだ状態に形成した。これにより、コンベア上を流れる食品を持上具により持ち上げる際、その把持精度を高い精度で安定的に確保でき、さらに、食品を切断刃により切断できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る第1実施形態の搬送装置を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係る第1実施形態の搬送装置の要部を拡大した状態で示す斜視図である。
【
図3】本発明に係る第1実施形態の搬送体を示す斜視図である。
【
図4】本発明に係る第1実施形態のパレットを示す斜視図である。
【
図5】本発明に係る第1実施形態の切断刃で加工前サンドイッチを切断する状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明に係る第1実施形態の受取り装置でパレットに載置された食品を把持した状態を示す斜視図である。
【
図7】本発明に係る第1実施形態の受取り装置を持上位置に配置した状態を示す斜視図である。
【
図8】本発明に係る第1実施形態の受取り装置を持上位置に配置した状態を示す平面図である。
【
図9】本発明に係る第2実施形態のパレットを示す斜視図である。
【
図10】本発明に係る第3実施形態のパレットと切断刃との関係を示す斜視図である。
【
図11】本発明に係る第3実施形態のパレットと第2持上ハンドとの関係を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、搬送体18の送り方向を下流側、送り方向の反対側を上流側、食品が載置される側を上方として説明する。また、搬送体18の送り方向(搬送方向)を矢印A方向、送り方向に直交する幅方向を矢印B方向で示す。
【0020】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の搬送装置10を示す斜視図である。
図2は、第1実施形態の搬送装置10の要部を拡大した状態で示す斜視図である。
図1、
図2に示すように、搬送装置10は、本体12と、搬送支持体(支持体)14と、駆動部16と、複数の搬送体(搬送器)18とを備えている。
【0021】
本体12は、第1本体側壁21と、第2本体側壁22とを備えている。第1本体側壁21および第2本体側壁22は、搬送体18の送り方向(すなわち、矢印A方向)に沿って延びている。また、第1本体側壁21および第2本体側壁22は、送り方向に対して直交する幅方向(すなわち、矢印B方向)に所定間隔をおいて配置されている。
第1本体側壁21と第2本体側壁22との間において、第1本体側壁21および第2本体側壁22に搬送支持体14が取り付けられている。搬送支持体14は、第1支持バー25、第2支持バー26、第1駆動プーリ27と、複数の第1従動プーリ28と、第2駆動プーリ29と、複数の第2従動プーリ31と、第1搬送部材32と、第2搬送部材33とを備えている。
【0022】
第1支持バー25は、第1本体側壁21の上部から内側に突出した複数のボルト(図示せず)により第1本体側壁21に沿って上流側から下流側に延びるように設けられている。第1支持バー25は、第1本体側壁21に対して所定間隔をおいて配置され、上辺25aが第1本体側壁21の上部に沿って延びている。
【0023】
第2支持バー26は、第2本体側壁22の上部から内側に突出した複数のボルト(図示せず)により第2本体側壁22に沿って上流側から下流側に延びるように設けられている。第2支持バー26は、第2本体側壁22に対して所定間隔をおいて配置され、上辺26aが第2本体側壁22の上部に沿って延びている。
【0024】
第1本体側壁21のうち第1支持バー25の下流側の部位に、第1駆動プーリ27が回転自在に支持されている。第1駆動プーリ27は、駆動部16に連結されている。駆動部16として、例えばステッピングモータなどの電動機が挙げられる。
また、第1駆動プーリ27はギアユニット35を介して第2駆動プーリ29に連結されている。
よって、駆動部16が駆動することにより第1駆動プーリ27が回転する。第1駆動プーリ27の回転がギアユニット35を経て第2駆動プーリ29に伝達され、第2駆動プーリ29が回転する。
【0025】
また、第1本体側壁21の下流側下部、第1本体側壁21の上流側上部、および第1本体側壁21の上流側下部に、第1従動プーリ28(上流側下部の第1従動プーリ28は図示せず)がそれぞれ回転自在に設けられている。第1駆動プーリ27、複数の第1従動プーリ28に、第1搬送部材32が張設された状態で巻回されている。
以下、第1搬送部材32を「第1タイミングベルト32」として説明する。
【0026】
第2本体側壁22の下流側下部、第2本体側壁22の上流側上部、および第2本体側壁22の上流側下部に、第2従動プーリ31(上流側上部の第2従動プーリ31のみを図示する)がそれぞれ回転自在に設けられている。第2駆動プーリ29、複数の第2従動プーリ31に、第2搬送部材33が張設された状態で巻回されている。
以下、第2搬送部材33を「第2タイミングベルト33」として説明する。
駆動部16が駆動することにより、第1駆動プーリ27で第1タイミングベルト32が回転し、かつ、第2駆動プーリ29で第2タイミングベルト33が回転する。
【0027】
第1タイミングベルト32は、無端状に形成され、ベルト表面32aに設けられた複数の第1ベルト支持部37を有する。複数の第1ベルト支持部37は、ベルト表面32aから外向きに突出され、ベルト表面32aの長手方向に一定間隔をおいて配置されている。第1ベルト支持部37は、側面視矩形状に形成され、矢印B方向に貫通する第1支持孔38(
図3参照)を有する。第1支持孔38は、第1開口部39を介して外部に連通されている。第1開口部39は第1ベルト支持部37の上面37aに開口されている。
【0028】
第2タイミングベルト33は、第1タイミングベルト32と同様の部材である。すなわち、第2タイミングベルト33は、無端状に形成され、ベルト表面33aに設けられた複数の第2ベルト支持部42を有する。複数の第2ベルト支持部42は、ベルト表面32aから外向きに突出され、ベルト表面32aの長手方向に一定間隔をおいて配置されている。第2ベルト支持部42は、側面視矩形状に形成され、矢印B方向に貫通する第2支持孔44(
図3参照)を有する。第2支持孔44は、第2開口部45を介して外部に連通されている。第2開口部45は、第2ベルト支持部42の上面42aに開口されている。
【0029】
第1支持バー25、第1駆動プーリ27、複数の第1従動プーリ28、および第1タイミングベルト32で、搬送支持体14のうち第1本体側壁21側の構成が形成されている。第2支持バー26、第2駆動プーリ29、複数の第2従動プーリ31、および第2タイミングベルト33で、搬送支持体14のうち第2本体側壁22側の構成が形成されている。すなわち、搬送支持体14は、本体12に備えられている。搬送支持体14により搬送体18が矢印A方向に搬送される。
【0030】
図3は、第1実施形態の搬送体18を示す斜視図である。
図2、
図3に示すように、搬送体18は、搬送プレート51と、第1移動部52と、第2移動部53と、パレット54とを備えている。
搬送プレート51は、プレート部56と、一対の第1突片57と、一対の第2突片58とを備えている。プレート部56は、平面視矩形状に形成されている。プレート部56には、第1本体側壁21側の端部に一対の第1突片57が形成されている。一対の第1突片57は、端部の矢印A方向の両端から下方へ向けて突出されている。
また、プレート部56には、第2本体側壁22側の端部に一対の第2突片58が形成されている。一対の第2突片58は、端部の矢印A方向の両端から下方へ向けて突出されている。
【0031】
一対の第1突片57に第1移動部52が設けられている。第1移動部52は、一対の第1取付軸61と、一対の第1ローラ62と、第1支持軸(被支持部)63とを備えている。
一対の第1取付軸61は、一対の第1突片57から矢印B方向に突出されている。一対の第1ローラ62は、一対の第1支持軸63に回転自在に支持されている。第1支持軸63は、一対の第1取付軸61のうち下流側の第1取付軸61から矢印B方向に突出されている。第1支持軸63は、第1ベルト支持部37の第1開口部39から第1支持孔38に収容されている。
なお、第1支持軸63を上方に持ち上げることにより、第1支持軸63を第1支持孔38から第1開口部39を経て外側に着脱自在に取り外すことができる。
【0032】
一対の第2突片58に第2移動部53が設けられている。第2移動部53は、第1移動部52と矢印B方向において対称に形成されている。すなわち、第2移動部53は、一対の第2取付軸65と、一対の第2ローラ66と、第2支持軸(被支持部)67とを備えている。
一対の第2取付軸65は、一対の第2突片58から矢印B方向に突出されている。一対の第2ローラ66は、一対の第2取付軸65に回転自在に支持されている。第2支持軸67は、一対の第2取付軸65のうち下流側の第2取付軸65から矢印B方向に突出されている。第2支持軸67は、第2ベルト支持部42の第2開口部45から第2支持孔44に収容されている。
なお、第2支持軸67を上方に持ち上げることにより、第2支持軸67を第1支持孔38から第1開口部39を経て外側に着脱自在に取り外すことができる。
【0033】
第1支持軸63が第1支持孔38に収容され、第2支持軸67が第2支持孔44に収容される。よって、第1移動部52が第1タイミングベルト32に連結され、第2移動部53が第2タイミングベルト33連結される。これにより、搬送体18が第1タイミングベルト32と第2タイミングベルト33とに連結される。
この状態において、駆動部16(
図1参照)を駆動することにより、第1タイミングベルト32と第2タイミングベルト33とで搬送体18を第1搬送動作で矢印Aの如く下流側に搬送することができる。第1搬送動作は、例えば、間欠的に動作する間欠動作である。
【0034】
また、第1支持軸63が第1支持孔38に収容され、第2支持軸67が第2支持孔44に収容された状態において、一対の第1ローラ62が第1支持バー25の上辺25aに載置され、一対の第2ローラ66が第2支持バー26の上辺26aに載置される。
よって、搬送体18は、第1支持バー25の上辺25aと、第2支持バー26の上辺26aとに支持される。すなわち、搬送体18の自重や、搬送体18に載置された食品の荷重を第1支持バー25の上辺25aと、第2支持バー26の上辺26aとで支えることができる。よって、第1タイミングベルト32や第2タイミングベルト33に搬送体18による負荷が作用することを抑えることができる。
【0035】
さらに、搬送支持体14に複数の搬送体18が支持された状態において、第1支持軸63および第2支持軸67は、矢印B方向において同軸上に配置されている。また、複数の搬送体18の第1支持軸63および第2支持軸67は、搬送支持体14の送り方向に互いに間隔をあけて支持されている。
【0036】
また、搬送体18のパレット54には、例えば、食品として加工前のサンドイッチ71(
図5参照)が載置される。以下、加工前のサンドイッチ71を「加工前サンドイッチ71」として説明する。加工前サンドイッチ71は軽量である。よって、加工前サンドイッチ71をパレット54に載置した状態において、搬送体18に作用する荷重を小さく抑えることができる。
そこで、第1支持軸63および第2支持軸67を、搬送支持体14の送り方向に比較的大きな間隔をあけて支持することが可能になる。
【0037】
図1に戻って、搬送体18を間欠動作(すなわち、ピッチ送り)で搬送することにより、搬送体18の停止時に、例えば、加工前サンドイッチ71の受取り工程、切断工程、検査工程、取出し工程を実施できる。
受取り工程において、受取り装置75から加工前サンドイッチ71(
図5参照)を上流側のパレット54で受け取る。加工前サンドイッチ71がパレット54に載置される。切断工程において、切断装置76の切断刃77(
図5参照)でパレット54の加工前サンドイッチ71が三角形のサンドイッチ72に切断される。以下、三角形のサンドイッチ72を「サンドイッチ72」として説明する。
検査工程において、検査装置78の検査器具で切断したサンドイッチ72の厚さ寸法が検査される。取出し工程において、取出し装置80の持上具109(
図5参照)で、検査が完了したサンドイッチ72が下流側のパレット54から取り出される。
【0038】
ここで、複数の搬送体18は、第1支持軸63および第2支持軸67(
図3参照)が、搬送支持体14の送り方向に比較的大きな間隔をあけて支持されている。これにより、例えば、受取り工程、切断工程、検査工程、および取出し工程などの各工程において、作業を実施する際に、搬送体18の第1支持軸63および第2支持軸67が邪魔になることを防止できる。
【0039】
また、第1支持軸63および第2支持軸67が間隔をあけて支持されることにより、搬送体18を搬送支持体14から個別に取り外すことができる。これにより、例えば、搬送装置10の保守、点検を行う際に、搬送体18を容易に着脱することができる。すなわち、搬送体18を搬送支持体14から取り外して保守、点検を容易にできる。
また、搬送体18を搬送支持体14から容易に取り外すことができるので、搬送体18の交換を容易に行うことができる。
さらに、第1支持軸63および第2支持軸67が間隔をあけて支持されることにより、第1支持軸63および第2支持軸67(すなわち、搬送体18)のピッチを変えることが可能になる。これにより、加工前サンドイッチ71などの食品の搬送形態を変えることができる。
【0040】
図3に示すように、搬送体18は、第1移動部52の第1支持軸63が第1支持孔38から取り外され、第2移動部53の第2支持軸67が第2支持孔44から取り外されることにより、搬送支持体14から取り外される。すなわち、搬送体18の第1移動部52および第2移動部53は、搬送支持体14に着脱可能に支持されている。換言すれば、搬送体18は、本体12に着脱可能に設けられている。
ここで、搬送プレート51(具体的には、プレート部56)の表面にパレット54が取り付けられている。
【0041】
図4は第1実施形態のパレット54を示す斜視図である。
図4に示すように、パレット54は、第1短辺81、第1長辺82、第2短辺83、および第2長辺84で、平面視において矩形状に形成されている。また、パレット54は、第1角部85、第2角部86、第3角部87、および第4角部88を有する。パレット54は、上面に載置部91と、凹部92とを有する。
【0042】
載置部91は、凹部92に対して上方に隆起され、上面が平坦な受面91aに形成されている。載置部91は、第1載置部93と、第2載置部94と、第3載置部95と、第4載置部96と、第5載置部97とを有する。第1載置部93は、第1角部85と第3角部87とを結ぶように対角線上に延びている。第1載置部93の第3角部87寄りの部位から、第2載置部94が第1短辺81に向けて延びている。第1載置部93の第1角部85寄りの部位から、第3載置部95が第1短辺81に向けて延びている。
第1載置部93の第1角部85寄りの部位から、第4載置部96が第2短辺83に向けて延びている。第1載置部93の第3角部87寄りの部位から、第5載置部97が第2短辺83に向けて延びている。
載置部91の受面91aに、加工前サンドイッチ71(
図5参照)、サンドイッチ72(
図6参照)が載置される。
【0043】
載置部91の受面91aに対して凹部92が凹んだ状態で外側に向けて形成されている。凹部92は、上方に解放(開口)され、矢印Aと矢印Bとを含む面において外側に向けて開放(開口)されるように形成される。載置部91の受面91aにサンドイッチ72が載置された状態において、サンドイッチ72の下面と凹部92の底面92aとの間に隙間を確保できる。
凹部92は、第1凹部101と、第2凹部102とを有する。第1凹部101は、第1短辺81、第2長辺84および第4角部88側に形成されている。換言すれば、第1凹部101は、第1短辺81、第2長辺84および第4角部88まで外側に向けて凹んだ状態に形成されている。
【0044】
第1凹部101は、側壁として第1側壁94aと、第2側壁94bと、第3側壁95aと、第4側壁95bとを有する。第1側壁94a~第4側壁95bは、持上具109の第2持上ハンド112(
図7参照)の進入を案内する側壁である。第1側壁94a~第4側壁95bにより、第1持上部材進入領域(持上部材進入領域)98が形成されている。第1持上部材進入領域98は、第2持上ハンド112の進入を許容する領域である。
【0045】
第2凹部102は、第1長辺82、第2短辺83および第2角部86側に形成されている。換言すれば、第2凹部102は、第1長辺82、第2短辺83および第2角部86まで外側に向けて凹んだ状態に形成されている。
第2凹部102は、側壁として第5側壁96aと、第6側壁96bと、第7側壁97aと、第8側壁97bとを有する。第5側壁96a~第8側壁97bは、第2持上ハンド112の反対側の第2持上ハンド(図示せず)の進入を案内する側壁である。反対側の第2持上ハンドは、第2持上ハンド112と対称に形成された部材である。第5側壁96a~第8側壁97bにより、第2持上部材進入領域(持上部材進入領域)99が形成されている。第2持上部材進入領域99は、反対側の第2持上ハンドの進入を許容する領域である。
【0046】
なお、パレット54の少なくとも載置部91は、樹脂材により形成されている。例えば高密度ポリエチレンを採用することができる。これにより、パレットが金属プレート製である場合に比べて、切断刃の損傷を少なくすることができ、切断刃の長寿命化が得られる。また、切断刃の損傷が抑えられるので、食品の切断精度を長期にわたり安定して確保することができる。
【0047】
図5は、第1実施形態の切断装置76の切断刃77で加工前サンドイッチ71を切断する状態を示す斜視図である。
図4、
図5に示すように、パレット54は、載置部91の受面91aに、例えば、加工前サンドイッチ71が載置される。この状態において、加工前サンドイッチ71が搬送支持体14で切断工程まで矢印Aの如く下流側に搬送される。
加工前サンドイッチ71は、平面視において矩形状に形成されている。切断工程に搬送された加工前サンドイッチ71の上面71aが一対の押付け片(図示せず)で押さえ付けられる。一対の押付け片(図示せず)は、加工前サンドイッチ71の切断線105(想像線で示す)を避けた状態で、加工前サンドイッチ71の上面71aを抑える。この状態において、切断装置76の切断刃77で加工前サンドイッチ71を切断する。
加工前サンドイッチ71の切断線105は、第1載置部93の受面91aの上方に位置する。
【0048】
具体的には、切断装置76の切断刃77で加工前サンドイッチ71の切断線105上を切断する。これにより、加工前サンドイッチ71が三角形のサンドイッチ72に加工される。加工前サンドイッチ71を切断工程において切断刃77で加工(切断)する際に、切断刃77を第1載置部93の受面91aに当節するまで移動することができる。すなわち、第1載置部93の受面91aは、加工前サンドイッチ71を切断する切断刃77が当接する当接部として用いられる。
加工前サンドイッチ71を切断刃77で切断する際に、切断刃77を第1載置部93の受面91aまで移動させて載置部に当接することにより、切断刃77の下降量の調整が容易になる。これにより、加工前サンドイッチ71を切断刃77で良好に切断することができる。
【0049】
図6は、第1実施形態の取出し装置80でパレット54に載置された食品を把持した状態を示す斜視図である。
図7は、第1実施形態の取出し装置80を持上位置に配置した状態を示す斜視図である。
図8は、第1実施形態の取出し装置80を持上位置に配置した状態を示す平面図である。
【0050】
図6~
図8に示すように、取出し装置80は、切断工程において、三角形に切断されたサンドイッチ72を持上具109でパレット54から受け取る。取出し装置80は、移動部106と、昇降駆動部107と、昇降部108と、持上具109とを備えている。
移動部106は、水平駆動部(図示せず)に取り付けられている。移動部106には昇降駆動部107が取り付けられている。昇降駆動部107には昇降部108が取り付けられている。昇降部108および移動部106には持上具109が取り付けられている。
【0051】
持上具109は、第1持上ハンド113と、第2持上ハンド112とを備えている。第2持上ハンド112は、移動部106に取り付けられ、第1持上ハンド113の下方に配置されている。第2持上ハンド112は、下取付部115と、ハンド基部116と、第1ハンド突出部117と、第2ハンド突出部118と、第3ハンド突出部119とを有する。下取付部115は、移動部106に取り付けられている。
【0052】
第1ハンド突出部117は、第1凹部101の第1側壁94aに沿って第1持上部材進入領域98(
図4参照)に進入可能に形成されている。第2ハンド突出部118は、第1凹部101の第2側壁94bおよび第3側壁95aに沿って第1持上部材進入領域98に進入可能に形成されている。第3ハンド突出部119は、第1凹部101の第4側壁95bに沿って第1持上部材進入領域98に進入可能に形成されている。
すなわち、第2持上ハンド112は、第1持上部材進入領域98に進入して、パレット54の載置部91に載置された食品を持ち上げる部材である。
【0053】
第1持上ハンド113は、昇降部108に取り付けられ、第2持上ハンド112の上方に配置されている。第1持上ハンド113は、上取付部122と、ハンド押付部123とを有する。上取付部122は、昇降部108に取り付けられている。昇降駆動部107で昇降部108を昇降させることにより第1持上ハンド113が昇降する。
【0054】
取出し装置80でサンドイッチ72をパレット54から受け取る際には、移動部106を水平駆動部(図示せず)でパレット54に向けて移動する。第2持上ハンド112および第1持上ハンド113がパレット54に向けて移送する。第2持上ハンド112がパレット54に向けて移送することにより、第1ハンド突出部117が第1凹部101の第1本体側壁21に沿って第1持上部材進入領域98に矢印Bの如く第1載置部93に向けて進入する。
また、パレット54の第2ハンド突出部118が第1凹部101の第2側壁94bおよび第3側壁95aに沿って第1持上部材進入領域98に矢印Bの如く第1載置部93に向けて進入する。パレット54の第3ハンド突出部119が第1凹部101の第4側壁95bに沿って第1持上部材進入領域98に矢印Bの如く第1載置部93に向けて進入する。これにより、第2持上ハンド112がサンドイッチ72の下方に位置する。
【0055】
ここで、第1ハンド突出部117を第1側壁94aで案内できる。第2ハンド突出部118を第2側壁94bおよび第3側壁95aで案内できる。第3ハンド突出部119を第4側壁95bで案内できる。よって、第2持上ハンド112(具体的には、持上具109)をサンドイッチ72に対して精度よく位置決めできる。これにより、搬送装置(コンベア)10(
図1参照)上を流れるサンドイッチ72を持上具109により持ち上げる際、持上具109の把持精度を高い精度で安定的に確保することができる。
【0056】
また、パレット54の凹部92は載置部91に対して下方へ凹んでいる。よって、載置部91にサンドイッチ72を載せた状態において、凹部92の底面92aとサンドイッチ72の下面との間に隙間が確保されている。
これにより、第2持上ハンド112の第1~第3のハンド突出部117~119を第1持上部材進入領域98に進入する際に、サンドイッチ72に傷をつけることを抑制できる。さらに、第2持上ハンド112の第1~第3のハンド突出部117~119を、サンドイッチ72を移動させることなく安定させた状態で、第1持上部材進入領域98に進入させることができる。
【0057】
一方、第1持上ハンド113がパレット54に向けて移動することにより、サンドイッチ72の上方に位置する。昇降駆動部107で昇降部108を下降させることにより、第1持上ハンド113がサンドイッチ72の上面72aに接触する。この状態において、移動部106を上昇させて第2持上ハンド112でサンドイッチ72をパレット54から持ち上げる。これにより、持上具109でサンドイッチ72を把持して持ち上げる際に、サンドイッチ72に傷をつけることを抑制できる。
【0058】
また、第2持上ハンド112の第1~第3のハンド突出部117~119を、サンドイッチ72を移動させることなく第1持上部材進入領域98に進入させることができる。よって、サンドイッチ72を移動させることなく安定させた状態において持上具109で把持できる。これにより、サンドイッチ72を持上具109により持ち上げる際に、その把持精度を高い精度で安定的に確保できる。
パレット54から受け取ったサンドイッチ72を取出し装置80で、サンドイッチ72の後工程の領域まで搬送する。
【0059】
つぎに、第2実施形態、第3実施形態のパレット54を
図9、
図10に基づいて説明する。なお、第2実施形態、第3実施形態において第1実施形態のパレット54と同一、類似の構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0060】
[第2実施形態]
図9は第2実施形態のパレット130を示す斜視図である。
図9に示すように、パレット130は、第1実施形態のパレット54に逃げ溝132を形成したもので、その他の形状は第1実施形態のパレット54と同様である。
逃げ溝132は、第1載置部93の受面91aにおいて、第1角部85と第3角部87とを結ぶ直線上に凹状に形成されている。逃げ溝132は、受面91aに開口されている。よって、切断装置76の切断刃77で加工前サンドイッチ71(
図5参照)を切断する際に、加工前サンドイッチ71を切断した切断刃77の刃先77aを逃げ溝132まで進入させることができる。すなわち、逃げ溝132は、切断刃77の進入を許容する切断刃進入領域となる。
【0061】
よって、切断刃77の刃先77aを逃げ溝132まで進入させることにより、切断刃77の刃先77aを加工前サンドイッチ71の下面より下方に移動することができる。これにより、加工前サンドイッチ71を切断刃77(
図5参照)で一層良好に切断することができる。
また、切断刃77の刃先77aを逃げ溝132まで進入させることにより、切断刃77の下降量の許容範囲を比較的広くできる。これにより、加工前サンドイッチ71を切断する際において、切断刃77の下降量の調整が一層容易になる。
【0062】
[第3実施形態]
図10は第3実施形態のパレット140と切断刃77との関係を示す斜視図である。
図11は第3実施形態のパレット140と第2持上ハンド160との関係を示す斜視図である。第2持上ハンド160は、第1実施形態の第2持上ハンド112と類似部品である。
図10に示すように、パレット140は、上面に載置部141と、凹部142とを有する。凹部142は、平坦面144と、第1傾斜面(傾斜面)145と、第2傾斜面(傾斜面)146と、逃げ溝147とを有する。平坦面144は、第1傾斜面145と第2傾斜面146との間に形成されている。
【0063】
第1傾斜面145は、第1短辺側部位81aから第1短辺81まで下り勾配に形成されている。第1短辺側部位81aは、第1短辺81から距離L1をおいて、第1短辺81に沿って平行に延びる部位である。
第2傾斜面146は、第2短辺側部位83aから第2短辺83まで下り勾配に形成されている。第2短辺側部位83aは、第2短辺83から距離L1をおいて、第2短辺83に沿って平行に延びる部位である。
載置部141の受面141aに加工前サンドイッチ71(
図5参照)を載置した状態において、加工前サンドイッチ71の下面と第1傾斜面145との隙間を大きく確保できる。また、加工前サンドイッチ71の下面と第2傾斜面146との隙間を大きく確保できる。
【0064】
逃げ溝147は、平坦面144において、第1角部85と第3角部87とを結ぶ直線上に凹状に形成されている。逃げ溝147は、平坦面144に開口されている。よって、切断装置76の切断刃77で加工前サンドイッチ71(
図5参照)を切断する際に、加工前サンドイッチ71を切断した切断刃77の刃先77aを逃げ溝147まで進入させることができる。逃げ溝147は、切断刃77の進入を許容する切断刃進入領域となる。
【0065】
よって、切断刃77の刃先77aを逃げ溝147まで進入させることにより、切断刃77の刃先77aを加工前サンドイッチ71の下面より下方に移動することができる。これにより、加工前サンドイッチ71を切断刃77(
図5参照)で一層良好に切断することができる。
また、切断刃77の刃先77aを逃げ溝147まで進入させることにより、切断刃77の下降量の許容範囲を比較的広くできる。これにより、加工前サンドイッチ71を切断する際において、切断刃77の下降量の調整が一層容易になる。
【0066】
図11に示すように、平坦面144には載置部141が形成されている。載置部141は、第1載置部151と、第2載置部152と、第3載置部153と、第4載置部154とを有する。
第1載置部151および第2載置部152は、平坦面144のうち、第1短辺81、第2長辺84、および第4角部88側の部位に形成されている。
【0067】
第1載置部151および第2載置部152は、矢印A方向に間隔をおいて形成されている。第1載置部151および第2載置部152により、平坦面144に側壁が形成されている。具体的には、平坦面144には、側壁として第1側壁151aと、第2側壁151bと、第3側壁152aと、第4側壁152bとが形成されている。
第1側壁151a~第4側壁152bは、第2持上ハンド160の進入を案内する側壁である。第1側壁151a~第4側壁152bにより、第1持上部材進入領域(持上部材進入領域)156が形成されている。第1持上部材進入領域156は、第2持上ハンド160の進入を許容する領域である。
【0068】
第3載置部153および第4載置部154は、平坦面144のうち、第2短辺83、第1長辺82、および第2角部86側の部位に形成されている。
第3載置部153および第4載置部154は、矢印A方向に間隔をおいて形成されている。第3載置部153および第4載置部154により、平坦面144に側壁が形成されている。具体的には、平坦面144には、側壁として第5側壁153aと、第6側壁153bと、第7側壁154aと、第8側壁154bが形成されている。
第5側壁153a~第8側壁154bは、第2持上ハンド160の反対側の第2持上ハンド(図示せず)の進入を案内する側壁である。
第5側壁153a~第8側壁154bにより、第2持上部材進入領域(持上部材進入領域)157が形成されている。第2持上部材進入領域157は、反対側の第2持上ハンドの進入を許容する領域である。
【0069】
ここで、パレット140は、第1持上部材進入領域156に進入した第2持上ハンド160の第1~第3のハンド突出部161~163が、逃げ溝147を超えて第2持上部材進入領域157側まで進入するように形成されている。
すなわち、第1持上部材進入領域156および第2持上部材進入領域157で形成される持上部材進入領域と、逃げ溝147とが交わる形状に形成されている。よって、第2持上ハンド160の第1~第3のハンド突出部161~163をサンドイッチ72(
図6参照)の切断箇所を超えて進入させることができる。
これにより、第2持上ハンド160でサンドイッチ72を持ち上げる際に、第2持上ハンド160の第1~第3のハンド突出部161~163を、サンドイッチ72の下面の広い領域に接触させることができる。
この結果、サンドイッチ72を第2持上ハンド160で一層安定させた状態で持ち上げることができる。
【0070】
また、第3実施形態のパレット140によれば、第2持上ハンド160の第1~第3のハンド突出部161~163が第1傾斜面145に沿ってサンドイッチ72の下方に位置するように矢印B方向に移動する。ここで、加工前サンドイッチ71の下面と第1傾斜面145との隙間が大きく確保されている。
これにより、第1~第3のハンド突出部161~163が第1傾斜面145に沿って移動することにより、サンドイッチ72に傷をつけることを一層良好に抑制でき、また、当該ハンドは、サンドイッチ72への干渉を低減しつつ移動されるので、サンドイッチ72を持上げる際のサンドイッチ72との相対位置の精度(繰り返し精度)が高い精度で確保される。
第1傾斜面145を経た第1~第3のハンド突出部161~163は、第1側壁151a~第4側壁152bに沿って第1持上部材進入領域156に矢印Bの如く逃げ溝147に向けて進入する。これにより、第2持上ハンド160がサンドイッチ72の下方に位置する。
【0071】
ここで、第1~第3のハンド突出部161~163を第1側壁151a~第4側壁152bで案内できる。よって、第2持上ハンド160をサンドイッチ72(
図6参照)に対して精度よく位置決めできる。これにより、サンドイッチ72を第2持上ハンド160により持ち上げる際、第2持上ハンド160の把持精度を高い精度で安定的に確保することができる。
【0072】
また、パレット140の凹部142は載置部141に対して下方へ凹んでいる。よって、載置部141にサンドイッチ72を載せた状態において、平坦面144とサンドイッチ72の下面との間に隙間が確保されている。
これにより、第2持上ハンド160の第1~第3のハンド突出部161~163を第1持上部材進入領域156に進入する際に、サンドイッチ72に傷をつけることを抑制できる。さらに、サンドイッチ72を移動させることなく安定させた状態で、第2持上ハンド160の第1~第3のハンド突出部161~163を、第1持上部材進入領域156を超えて第2持上部材進入領域157まで進入させることができる。
【0073】
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記第1実施形態~第3実施形態では、パレット54,130,140を搬送支持体14で搬送する例について説明したが、これに限らない。その他の例として、例えば、パレット54,130,140は、平ベルトコンベア上に置かれた状態で搬送されてもよく、固定レールの上を移動させられてもよい。
【0074】
また、前記第1実施形態~第3実施形態では、第2持上ハンド112,160で持ち上げる食品として切断前サンドイッチ71やサンドイッチ72を例示したが、これに限らない。その他の食品を第2持上ハンド112,160で持ち上げることも可能である。
【0075】
さらに、前記第1実施形態~第3実施形態では、搬送装置10における工程として、例えば、受取り工程、切断工程、検査工程、および取出し工程などの各工程について説明したが、これに限らない。その他の例として、例えば、受取り工程、待機工程、切断工程、待機工程、および取出し工程などの各工程を実施することも可能である。
【符号の説明】
【0076】
10 搬送装置
14 搬送支持体(支持体)
18 搬送体(搬送器)
54,130,140 パレット
63,67 第1、第2の支持軸(被支持部)
71 加工前サンドイッチ(食品)
72 サンドイッチ(食品)
76 切断装置
77 切断刃
77a 刃先
91,141 載置部
92,142 凹部
93 第1載置部(当接部)
94a,94b~97a,97b, 第1~第8の側壁(側壁)
98,99,156,157 第1、第2の持上部材進入領域(持上部材進入領域)
109 持上具
112,160 第2持上ハンド(食品を持ち上げる部材)
132,147 逃げ溝(切断刃進入領域)
145,146 第1、第2の傾斜面(傾斜面)
151a,151b~154a,154b 第1~第8の側壁(側壁)