(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】汚染ガスを焼却するための放射バーナー
(51)【国際特許分類】
F23G 7/06 20060101AFI20220107BHJP
F23D 14/58 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
F23G7/06 101C
F23G7/06 D ZAB
F23D14/58 Z
(21)【出願番号】P 2017551044
(86)(22)【出願日】2016-03-23
(86)【国際出願番号】 GB2016050826
(87)【国際公開番号】W WO2016156811
(87)【国際公開日】2016-10-06
【審査請求日】2019-03-05
【審判番号】
【審判請求日】2020-12-02
(32)【優先日】2015-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】シーリー アンドリュー ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】プライス ダンカン マイケル
【合議体】
【審判長】林 茂樹
【審判官】平城 俊雅
【審判官】松下 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-148309(JP,A)
【文献】特開平8-105618(JP,A)
【文献】特開2001-355822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造工程ツールからの流出ガスストリームを処理するための放射バーナーであって、
各処理チャンバが、前記流出ガスストリー
ムをその内部で処理するためにその処理チャンバに供給するための流出ストリーム入口を有する複数の処理チャンバと、
1対の隣接する処理チャンバを分離し、処理チャンバの各隣接する対
を定める分離構造と、を備え、
前記分離構造は、処理材料が処理チャンバの前記隣接する対の両方の中
に導入
されるために通過する1対の小孔壁を含み、各小孔壁が、処理チャンバの該隣接する対のうちの一方を少なくとも部分的に定め、
前記分離構造は
、前記小孔壁の対を接続する小孔接続部分を備え、
前記接続部分は、湾曲している、
ことを特徴とする放射バーナー。
【請求項2】
前記複数の処理チャンバは、処理チャンバの横列として配置され、各分離構造が、該横列内の処理チャンバの各隣接する対の間に配置されている、
請求項1に記載の放射バーナー。
【請求項3】
前記複数の処理チャンバは、処理チャンバの複数の横列を含むマトリックスとして配置され、各分離構造が、各横列内の処理チャンバの各隣接する対の間に配置されている、
請求項1又は2に記載の放射バーナー。
【請求項4】
前記分離構造は、前記流出ストリー
ムの流れの向きに先細である、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の放射バーナー。
【請求項5】
前記分離構造は、該分離構造によって定められた空隙内に前記処理材料を供給するための処理材料入口を含む、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の放射バーナー。
【請求項6】
末端処理チャンバ
を定める末端構造を備え、
前記末端構造は、処理材料が前記末端処理チャンバ内
に導入
されるために通過する小孔壁と、無孔壁とを含み、該小孔壁は、該末端処理チャンバを少なくとも部分的に定める、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の放射バーナー。
【請求項7】
前記末端構造は、該末端構造によって定められた空隙内に前記処理材料を供給するための処理材料入口を備えている、
請求項6に記載の放射バーナー。
【請求項8】
前記処理材料は、空気及び燃料のうちの少なくとも一方を含んでいる、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の放射バーナー。
【請求項9】
各処理チャンバが、前記流出ガスストリー
ムをその処理チャンバに供給するための前記流出ストリーム入口を定める天井を備えている、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の放射バーナー。
【請求項10】
各処理チャンバが、前記処理された流出ガスストリームがそれを通して排出される開口面を備えている、
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の放射バーナー。
【請求項11】
前記複数の処理チャンバの各々が、前記処理された流出ストリームを共通冷却チャンバに排出する、
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の放射バーナー。
【請求項12】
各分離構造を受け入れるように構成され、各処理チャンバ
を定めるハウジングを備えている、
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の放射バーナー。
【請求項13】
前記ハウジングは、各末端構造を受け入れるように構成されている、
請求項12に記載の放射バーナー。
【請求項14】
各処理チャンバ
を定める前記ハウジングの部分が、パージガスストリームをその処理チャンバに供給するための小孔を有する、
請求項12又は13に記載の放射バーナー。
【請求項15】
前記ハウジングは、該ハウジングの前記部分に前記パージガスストリームを供給するプレナムを定める、
請求項12ないし14のいずれか1項に記載の放射バーナー。
【請求項16】
各処理チャンバ
を定める前記ハウジングの前記部分は、該処理チャンバの中
に延びるように切子面にされる、
請求項14又は15に記載の放射バーナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射バーナー及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
放射バーナーは公知であり、かつ典型的に例えば半導体又はフラットパネルディスプレイ製造産業に使用される製造工程ツールからの流出ガスストリームを処理するために使用される。そのような製造中には、残留ペルフルオロ化合物(PFC)及び他の化合物が、工程ツールからポンピングされた流出ガスストリームに存在する。PFCは、流出ガスから除去することが困難であり、それらの環境内への放出は、それらが比較的高い温室効果活性を有することが公知であるので望ましくない。
【0003】
公知の放射バーナーは、EP 0,694,735に説明されたもののように、燃焼を使用してPFC及び他の化合物を流出ガスストリームから除去する。典型的には、流出ガスストリームは、PFCと他の化合物とを含有する窒素ストリームである。燃料ガスが、流出ガスストリームと混合され、そのガスストリーム混合物は、小孔ガスバーナーの出口面によって横方向に取り囲まれた燃焼チャンバ内に搬送される。燃料ガス及び空気は、同時に小孔バーナーに供給されて出口面での無炎燃焼に影響を与え、小孔バーナーを通過する空気の量は、バーナーへの燃料ガス供給のみならず、燃焼チャンバ内に注入されたガスストリーム混合物内の全ての可燃物も消費するのに十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
流出ガスストリームを処理するための技術は存在するが、それらの各々は、それ自体の欠点を有する。従って、流出ガスストリームを処理するための改善された技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様により、各処理チャンバが流出ガスストリームのそれぞれの部分をその処理チャンバにその内部で処理するために供給するための流出ストリーム入口を有する複数の処理チャンバを含む、製造工程ツールからの流出ガスストリームを処理するための放射バーナーを提供する。第1の態様は、既存の放射バーナー構成に伴う問題が、それらが異なる流出ストリーム速度を処理するのに拡張が容易でないことであることを認識したものである。すなわち、各放射バーナー構成は、典型的には、特定の流出ストリーム流量に対処するように設計され、その設計は、次に試験によって検証される。仮に異なる流出ストリーム流量を処理する必要がある場合に、新しい設計が典型的には要求され、これは、次に検証されなければならない。一部の標準部品は、再利用することができるが、各放射バーナー設計は、従って、本質的に独特であり、既存の配置の基本的アーキテクチャは、拡張性限界を有する。
【0007】
従って、バーナーを提供する。バーナーは、製造工程ツールから来ると考えられる流出ガスストリームを処理することができる。バーナーは、複数の処理チャンバを有することができる。それらの処理チャンバの各々は、その処理チャンバ内で処理される割合又は量の流出ストリームを受け入れる入口を有することができる。このようにして、各々が流出ストリームの一部を処理する複数の処理チャンバを提供することができる。従って、処理チャンバの数は、いずれの特定の工程ツールからの流出ガスストリームの流量にも適合するように選択することができる。これは、あらゆる流出ガスストリーム流量の必要性に適するように確実に拡張可能であるアーキテクチャを提供する。
【0008】
一実施形態では、複数の処理チャンバの各々は、複数の処理チャンバの別のものに隣接している。従って、処理チャンバは、コンパクトな配置を与えるために互いの隣に又は近接して配置することができる。互いに隣接してチャンバを配置することはまた、隣接チャンバが共通構造を共有することができるので、部品数を低減することができる。これに加えて、互いに隣接して処理チャンバを配置することは、1つのチャンバ内の燃焼が隣接するチャンバに伝播されることを可能にし、それによって単一点火源からの全てのチャンバ内の確実な燃焼を提供する。
【0009】
一実施形態では、複数の処理チャンバは、処理チャンバの横列及びアレイのうちの一方として配置される。従って、処理チャンバは、放射バーナーの寸法を制約する物理的要件に応じて単一の横列として与えられるか、又は処理チャンバの横列及び縦列のマトリックスとして与えることができる。
【0010】
一実施形態では、バーナーは、1対の隣接処理チャンバを分離する分離構造を含み、分離構造は、少なくとも部分的に処理チャンバの各隣接する対を定める。従って、分離又は分割構造は、隣接処理チャンバを分離するように位置決めすることができる。このようにして、隣接処理チャンバは、分離構造を共有することができ、それによってアーキテクチャの簡易化の改善と部品数の低減とを提供する。分離構造は、各々が流出ガスストリームのそれらの部分を別々に処理することができる別々又は個別の隣接処理チャンバを提供するのを助けることができることがわかる。
【0011】
一実施形態では、複数の処理チャンバは、処理チャンバの横列として配置され、各分離構造は、横列内の処理チャンバの各隣接する対の間に配置される。従って、処理チャンバが横列として形成される場合に、分離構造は、その横列内の隣接処理チャンバの間に設けることができる。
【0012】
一実施形態では、横列は、周方向に配置される。従って、横列は、必ずしも直線横列である必要はなく、むしろ非線形に、例えば、周方向に配置することができる。周方向に配置された時に、処理チャンバの横列は、完全又は部分環を与えることができる。
【0013】
一実施形態では、複数の処理チャンバは、処理チャンバの複数の横列を含むマトリックスとして配置され、各分離構造は、各横列内の処理チャンバの各隣接する対の間に配置される。従って、処理チャンバは、アレイとして与えることができる。分離構造はまた、そのアレイの各横列内の隣接処理チャンバの間に配置することができる。
【0014】
一実施形態では、複数の処理チャンバは、処理チャンバの複数の横列を含むマトリックスとして配置され、分離構造は、各横列内の処理チャンバの各隣接する対の間及び異なる横列内の処理チャンバの各隣接する対の間の両方に配置される。従って、処理チャンバは、横列及び縦列のアレイとして与えることができ、分離構造は、各横列内の隣接処理チャンバの間及び同じく各縦列内の隣接処理チャンバの間に配置することができる。
【0015】
一実施形態では、各横列内の分離構造及び各横列間の分離構造は、直交方向に向けられる。従って、縦列間の分離構造は、横列間の分離構造に対して直交方向に位置決めすることができる。
【0016】
一実施形態では、分離構造は、処理チャンバの隣接対の両方の中への導入のために処理材料が通過する1対の小孔壁を含み、各小孔壁は、少なくとも部分的に処理チャンバの隣接対のうちの一方を定める。従って、分離構造は、処理材料が両方の処理チャンバ内に導入されることを可能にするように多孔質とすることができる。
【0017】
一実施形態では、小孔壁の対は、対向する小孔壁の対を含む。従って、壁の一方は、処理チャンバのうちの1つの一部を定めることができ、一方、他方の壁は、隣接する処理チャンバの一部を定めることができる。
【0018】
一実施形態では、小孔壁の対は、相補的に成形される。従って、壁の対は、合わせ形状のものとすることができる。
【0019】
一実施形態では、小孔壁の対は、平面的である。
【0020】
一実施形態では、小孔壁の対は、四角形の形状である。
【0021】
一実施形態では、小孔壁の対は、互いに対して平行成分を有するように向けられる。従って、対の壁の向きの少なくとも1つの成分は、平行である場合がある。
【0022】
一実施形態では、分離構造は、流出ストリームの上述の部分の流れの方向に先細である。分離構造を先細にすることにより、先細が、処理チャンバ内で加熱される時に膨張する流出ガスストリームの力を低減するので、分離構造上の残留堆積物を最小にすることができる。
【0023】
一実施形態では、小孔壁の対は、小孔壁の対の各々によって定められる平面が交差するように向けられる。従って、小孔壁の対は、壁が、収束するように向けられるので、先細の分離構造を定めることができる。
【0024】
一実施形態では、分離構造は、縁部に沿って小孔壁の対を接続する小孔接続部分を含む。流出ストリーム入口から離れて配置することができる縁部に沿って小孔接続部分を設けることは、その領域をパージすることによって残留堆積物を低減するのを助ける。
【0025】
一実施形態では、接続部分は湾曲している。湾曲部分を設けることは、不連続部を欠いてその上で処理チャンバ間の点火が伝播することができる面を提供するのを助ける。
【0026】
一実施形態では、分離構造は、分離構造によって定められた空隙内に処理材料を供給するための処理材料入口を含む。従って、処理材料は、小孔壁を通って流れるように分離構造内の空隙内にポンピングすることができる。
【0027】
一実施形態では、分離構造は、この分離構造によって定められた空隙内に処理材料を供給するための複数の処理材料入口を含む。
【0028】
一実施形態では、各処理材料入口は、円形、細長、四角形、及び長円形状のうちの少なくとも1つである。
【0029】
一実施形態では、バーナーは、少なくとも部分的に末端処理チャンバを定める末端構造を含み、この末端構造は、末端処理チャンバ内への導入のために処理材料が通過する小孔壁と、無孔壁とを含み、この小孔壁は、少なくとも部分的に末端処理チャンバを定める。従って、単一小孔壁を有するだけの末端構造を与えることができる。そのような末端構造は、その末端構造に隣接する他の処理チャンバがないところに配置することができる。これは、処理材料が末端処理チャンバ内にのみ与えられることを保証する。
【0030】
一実施形態では、末端構造は、その末端処理チャンバの各分離構造の反対側に配置される。
【0031】
一実施形態では、小孔壁及び無孔壁は、対向する壁の対を含む。
【0032】
一実施形態では、対向する壁の対は、相補的に成形される。
【0033】
一実施形態では、対向する対の壁は、平面的である。
【0034】
一実施形態では、対向する壁の対は、四角形の形状である。
【0035】
一実施形態では、対向する対の壁は、互いに対する平行成分を有するように向けられる。
【0036】
一実施形態では、末端構造は、流出ストリームの上述の部分の流れの向きに先細である。
【0037】
一実施形態では、対向する壁の対は、対抗する対の壁の各々によって定められる平面が交差するように向けられる。
【0038】
一実施形態では、分離構造は、対向する壁の対を縁部に沿って接続する小孔接続部分を含む。
【0039】
一実施形態では、接続部分は、湾曲している。
【0040】
一実施形態では、末端構造は、末端構造によって定められた空隙内に処理材料を供給するための処理材料入口を含む。
【0041】
一実施形態では、末端構造は、末端構造によって定められた空隙内に処理材料を供給するための複数の処理材料入口を含む。
【0042】
一実施形態では、各処理材料入口は、円形、細長、四角形、及び長円形状のうちの少なくとも1つである。
【0043】
一実施形態では、処理材料は、空気及び燃料のうちの少なくとも一方を含む。
【0044】
一実施形態では、各処理チャンバは、流出ガスストリームのそれぞれの部分をその処理チャンバに供給するための流出ストリーム入口を定める天井を含む。従って、処理チャンバの上側部分には、入口を定めるか又は流出ストリームをその処理チャンバに供給するために入口がそれを通して設けられた天井が備えられる。
【0045】
一実施形態では、天井は、流出ガスストリームのそれぞれの部分をその処理チャンバに供給するための複数の流出ストリーム入口を定める。
【0046】
一実施形態では、各流出ストリーム入口は、円形、細長、四角形、及び長円形状のうちの少なくとも1つである。
【0047】
一実施形態では、各処理チャンバは、処理された流出ガスストリームがそれを通して排出される開口面を含む。従って、処理チャンバは、一方の面上で開くことができ、それによって処理された流出ストリームガスは、そこから排出することができる。
【0048】
一実施形態では、複数の処理チャンバの各々は、処理された流出ストリームを共通冷却チャンバに排出する。従って、処理チャンバの各々は、処理された流出ストリームの全てを冷却する単一共通冷却チャンバに処理された流出ストリームを提供する。従って、単一冷却チャンバは、複数の処理チャンバからの流出ストリームを冷却する。
【0049】
一実施形態では、バーナーは、各分離構造を受け入れるように構成されたハウジングを含み、このハウジングは、少なくとも部分的に各処理チャンバを定める。従って、ハウジングはまた、各処理チャンバの一部を提供することができる。
【0050】
一実施形態では、ハウジングは、各末端構造を受け入れるように構成される。
【0051】
一実施形態では、少なくとも部分的に各処理チャンバを定めるハウジングの部分は、パージガスストリームをその処理チャンバに供給するための小孔を有する。従って、ハウジングの部品それ自体も小孔を有することができる。これらの部品は、各処理チャンバを定め、従って、それに近接しているものとすることができる。ハウジングによって定められた各処理チャンバの部品をパージして処理チャンバのその部品上の残留堆積物を低減するために、ハウジングを通してパージガスストリームを提供することができる。
【0052】
一実施形態では、ハウジングは、プレナムを定めてパージガスストリームをハウジングの上述の部分に供給する。プレナムの具備は、パージガスをハウジングの多くの部分に提供する便利な方法である。
【0053】
一実施形態では、パージガスは、処理材料を含む。
【0054】
一実施形態では、少なくとも部分的に各処理チャンバを定めるハウジングの上述の部分は、処理チャンバ内に延びるように切子面にされる。ハウジングの各部分の切子面又は傾斜は、ここでもまた、それらの部分の残留堆積物を低減するのを助ける。
【0055】
一実施形態では、ハウジングは、6面体及び円筒のうちの一方を定める。従って、処理チャンバが直線横列に又はマトリックスとして配置される時に、ハウジングは、典型的に6面体とすることができる。処理チャンバの横列が周方向に配置される時に、ハウジングは、典型的に円筒形とすることができる。
【0056】
一実施形態では、複数の処理チャンバは、処理された流出ストリームをハウジングの開口面を通して共通冷却チャンバに排出する。従って、ハウジングは、処理チャンバからの処理された流出ストリームがそれを通して排出されて共通冷却チャンバに提供される開口面を有することができる。
【0057】
一実施形態では、バーナーは、各分離構造及び/又は末端構造に結合されて処理材料をそれらが分離構造及び/又は末端構造を通過して処理チャンバに入る時に加熱する分離構造及び/又は末端構造を加熱する電気エネルギを提供するように作動可能な電気エネルギデバイスを含む。このようにして、燃焼ではなく電気エネルギを使用して、流出ガスストリームを処理するために処理チャンバ内の温度を上昇させることができる。これは、燃料ガスが存在しないか又は燃料ガスの具備が望ましくないと考えられる環境においてバーナーを使用することができるので、そのようなバーナーの使用により大きい柔軟性を与える。同じく、処理チャンバを加熱するのに放射熱を単に使用するのではなく、処理材料をそれらが分離構造及び/又は末端構造を通過する時に加熱することは、通過する時に処理材料の中に有意に多くのエネルギが付与されることを可能にする。
【0058】
一実施形態では、分離構造及び/又は末端構造は、80%と90%の間の孔隙率を有する。
【0059】
一実施形態では、分離構造及び/又は末端構造は、200μmと800μmの間の孔隙サイズを有する。
【0060】
一実施形態では、分離構造及び/又は末端構造は、導電材料、セラミック材料、及び誘電材料のうちの少なくとも1つを含む。分離構造及び/又は末端構造に使用する材料は、分離構造及び/又は末端構造を加熱するのに使用する機構に依存して異なる場合がある。
【0061】
一実施形態では、分離構造及び/又は末端構造は、焼結金属を含む。
【0062】
一実施形態では、焼結金属は、繊維、粉末、顆粒のうちの少なくとも1つを含む。
【0063】
一実施形態では、分離構造及び/又は末端構造は、織り金属布を含む。
【0064】
一実施形態では、電気エネルギデバイスは、無線周波数電源、電気電源、及びマイクロ波発生器のうちの少なくとも1つを含む。従って、電気エネルギデバイスは、分離構造及び/又は末端構造に対して選択された材料を加熱するのに使用する機構に依存して異なる場合がある。
【0065】
一実施形態では、電気エネルギデバイスは、分離構造及び/又は末端構造に結合されて無線周波数導体、電気導体、及び導波管のうちの少なくとも1つを含むカプリングを含む。従って、電気エネルギデバイスを分離構造及び/又は末端構造に結合するカプリングは、電気エネルギデバイスから分離構造及び/又は末端構造に伝達されるエネルギのタイプに依存して異なる場合がある。
【0066】
一実施形態では、無線周波数導体、電気導体、及び導波管のうちの少なくとも1つは、処理材料が通過して分離構造及び/又は末端構造内に提供される空隙内に配置される。従って、カプリングは、分離構造及び/又は末端構造内にあって処理材料がそこから提供される空隙内に配置することができる。これは、既存の空隙を好都合に再利用して分離構造及び/又は末端構造に隣接してカプリングを配置し、それによってその分離構造及び/又は末端構造へのエネルギ伝達を最大にする。
【0067】
一実施形態では、無線周波数導体、電気導体、及び導波管のうちの少なくとも1つは、分離構造及び/又は末端構造の上を延びてその区域にわたって加熱する。従って、カプリングは、分離構造及び/又は末端構造の上を覆うか又は広がってその区域の全体又は望ましい部分を加熱することができる。
【0068】
一実施形態では、無線周波数電源は、無線周波数導体を使用して無線周波数電気エネルギを提供し、導電材料を誘導的に加熱する。従って、分離構造及び/又は末端構造は、誘導加熱を使用して加熱することができる。
【0069】
一実施形態では、無線周波数電気エネルギは、500Hzと500KHzの間、20KHzと50KHzの間、及び30KHz付近のうちの1つの周波数を有する。
【0070】
一実施形態では、無線周波数導体は、導電材料に近接して配置される。従って、導体は、誘導加熱を容易にするために導電材料に隣接して配置することができる。
【0071】
一実施形態では、無線周波数導体は、冷却流体を受け入れて無線周波数導体を冷却するために中空である。中空導体を利用することは、その導体内に冷却流体を受け入れることを可能にし、それによってその温度を制御し、従って損失を低減し、これは、誘導加熱の効率を改善する。
【0072】
一実施形態では、冷却流体は、100μSよりも大きくない導電率を有する。
【0073】
一実施形態では、バーナーは、処理材料として加湿空気を提供するように作動可能な加湿器を含み、冷却流体は、加湿器に与えられる水を加熱するように加湿器を通じて循環される。従って、加湿器のエネルギ消費を低減するために、冷却流体によって抽出される熱を再利用して加湿器に与えられる水を加熱することができる。
【0074】
一実施形態では、加湿器に与えられる水は、冷却流体の少なくとも一部を含む。水として冷却流体を再利用することは、加熱効率を更に改善し、加湿器の電力消費を低減する。
【0075】
一実施形態では、冷却流体は、周囲温度よりも高く維持される。冷却流体を周囲温度よりも高く維持することは、空隙内の凝縮の可能性を最小にするのを助ける。
【0076】
一実施形態では、電気電源は、電気導体を使用して電気エネルギを提供してセラミック材料を加熱する。従って、分離構造及び/又は末端構造は、抵抗加熱を使用して加熱することができる。
【0077】
一実施形態では、マイクロ波発生器は、導波管を使用してマイクロ波エネルギを提供して誘電材料を加熱する。従って、分離構造及び/又は末端構造は、マイクロ波エネルギを使用して加熱することができる。
【0078】
一実施形態では、誘電材料は、炭化ケイ素を含む。
【0079】
一実施形態では、マイクロ波エネルギは、915MHzと2.45GHzのうちの一方の周波数を有する。約2.45GHzで作動することにより、より小さい配置を提供するが、これは、915MHzで作動するよりもエネルギ効率が低い。
【0080】
一実施形態では、分離構造は、処理材料が通過して多孔質スリーブと電気エネルギデバイスの間の空隙に提供される多孔質断熱材を含む。断熱材の具備は、分離構造及び/又は末端構造を絶縁するのを助け、これは、分離空隙内の周囲温度を低下させ、カプリングを保護するのを補助して処理チャンバ内の温度を上昇させる。
【0081】
第2の態様により、各処理チャンバが、流出ガスストリームのそれぞれの部分をその内部で処理するためにその処理チャンバに供給するための流出ストリーム入口を有する複数の処理チャンバを与える段階を含む製造工程ツールからの流出ガスストリームを処理するための放射バーナー方法を提供する。
【0082】
一実施形態では、本方法は、複数の処理チャンバの各々を複数の処理チャンバの別のものに隣接して配置する段階を含む。
【0083】
一実施形態では、本方法は、処理チャンバの横列及びアレイのうちの一方として複数の処理チャンバを配置する段階を含む。
【0084】
一実施形態では、本方法は、分離構造を用いて1対の隣接処理チャンバを分離する段階を含み、この分離構造は、少なくとも部分的に処理チャンバの各隣接する対を定める。
【0085】
一実施形態では、本方法は、処理チャンバの横列として複数の処理チャンバを配置する段階と、横列内の処理チャンバの各隣接する対の間に各分離構造を配置する段階とを含む。
【0086】
一実施形態では、本方法は、横列を周方向に配置する段階を含む。
【0087】
一実施形態では、本方法は、処理チャンバの複数の横列を含むマトリックスとして複数の処理チャンバを配置する段階と、各横列内の処理チャンバの各隣接する対の間に各分離構造を配置する段階とを含む。
【0088】
一実施形態では、本方法は、処理チャンバの複数の横列を含むマトリックスとして複数の処理チャンバを配置する段階と、各横列内の処理チャンバの各隣接する対の間及び異なる横列内の処理チャンバの各隣接する対の間の両方に分離構造を配置する段階とを含む。
【0089】
一実施形態では、本方法は、各横列内の分離構造及び各横列の間の分離構造を互いに対して直交方向に向ける段階を含む。
【0090】
一実施形態では、分離構造は、処理材料が処理チャンバの隣接対の両方の中への導入のために通過する1対の小孔壁を含み、各小孔壁は、少なくとも部分的に処理チャンバの隣接対のうちの一方を定める。
【0091】
一実施形態では、小孔壁の対は、対向する小孔壁の対を含む。
【0092】
一実施形態では、小孔壁の対は、相補的に成形される。
【0093】
一実施形態では、小孔壁の対は、平面的である。
【0094】
一実施形態では、小孔壁の対は、四角形に成形される。
【0095】
一実施形態では、本方法は、互いに対して平行成分を有するように小孔壁の対を向ける段階を含む。
【0096】
一実施形態では、分離構造は、流出ストリームの上述の部分の流れの方向に先細である。
【0097】
一実施形態では、本方法は、小孔壁の対の各々によって定められる平面が交差するように小孔壁の対を向ける段階を含む。
【0098】
一実施形態では、分離構造は、縁部に沿って小孔壁の対を接続する小孔接続部分を含む。
【0099】
一実施形態では、接続部分は湾曲している。
【0100】
一実施形態では、分離構造は、処理材料を分離構造によって定められた空隙内に供給するための処理材料入口を含む。
【0101】
一実施形態では、分離構造は、処理材料を分離構造によって定められた空隙内に供給するための複数の処理材料入口を含む。
【0102】
一実施形態では、各処理材料入口は、円形、細長、四角形、及び長円形状のうちの少なくとも1つである。
【0103】
一実施形態では、本方法は、少なくとも部分的に末端処理チャンバを定める末端構造を与える段階を含み、この末端構造は、末端処理チャンバ内への導入のために処理材料が通過する小孔壁と、無孔壁とを含み、この小孔壁は、少なくとも部分的に末端処理チャンバを定める。
【0104】
一実施形態では、本方法は、末端構造をその末端処理チャンバの各分離構造の反対側に配置する段階を含む。
【0105】
一実施形態では、小孔壁及び無孔壁は、対向する壁の対を含む。
【0106】
一実施形態では、対向する壁の対は、相補的に成形される。
【0107】
一実施形態では、対向する壁の対は、平面的である。
【0108】
一実施形態では、対向する壁の対は、四角形に成形される。
【0109】
一実施形態では、本方法は、対向する壁の対を互いに対して平行成分を有するように向ける段階を含む。
【0110】
一実施形態では、末端構造は、流出ストリームの上述の部分の流れの向きに先細である。
【0111】
一実施形態では、本方法は、対向する壁の対の各々によって定められる平面が交差するように対向する壁の対を向ける段階を含む。
【0112】
一実施形態では、分離構造は、縁部に沿って対向する壁の対を接続する小孔接続部分を含む。
【0113】
一実施形態では、接続部分は湾曲している。
【0114】
一実施形態では、末端構造は、処理材料を末端構造によって定められた空隙内に供給するための処理材料入口を含む。
【0115】
一実施形態では、末端構造は、処理材料を末端構造によって定められた空隙内に供給するための複数の処理材料入口を含む。
【0116】
一実施形態では、各処理材料入口は、円形、細長、四角形、及び長円形状のうちの1つである。
【0117】
一実施形態では、処理材料は、空気及び燃料のうちの少なくとも一方を含む。
【0118】
一実施形態では、各処理チャンバは、流出ガスストリームのそれぞれの部分をその処理チャンバに供給するための流出ストリーム入口を定める天井を含む。
【0119】
一実施形態では、天井は、流出ガスストリームのそれぞれの部分をその処理チャンバに供給するための複数の流出ストリーム入口を定める。
【0120】
一実施形態では、各流出ストリーム入口は、円形、細長、四角形、及び長円形状のうちの少なくとも1つである。
【0121】
一実施形態では、各処理チャンバは、処理された流出ガスストリームが排出される開口面を含む。
【0122】
一実施形態では、複数の処理チャンバの各々は、処理された流出ストリームを共通冷却チャンバに排出する。
【0123】
一実施形態では、本方法は、各分離構造を受け入れるように構成されて少なくとも部分的に各処理チャンバを定めるハウジングを与える段階を含む。
【0124】
一実施形態では、ハウジングは、各末端構造を受け入れるように構成される。
【0125】
一実施形態では、少なくとも部分的に各処理チャンバを定めるハウジングの部分は、パージガスストリームをその処理チャンバに供給するための小孔を有する。
【0126】
一実施形態では、ハウジングは、パージガスストリームをハウジングの上述の部分に供給するプレナムを定める。
【0127】
一実施形態では、パージガスは処理材料を含む。
【0128】
一実施形態では、少なくとも部分的に各処理チャンバを定めるハウジングの上述の部分は、処理チャンバの中に延びるように切子面にされる。
【0129】
一実施形態では、ハウジングは、6面体及び円筒のうちの一方を定める。
【0130】
一実施形態では、複数の処理チャンバは、処理された流出ストリームをハウジングの開口面を通して共通冷却チャンバ内に排出する。
【0131】
一実施形態では、流出ガスストリームは、流量「R」を有し、各処理チャンバは、流出ガスストリームの定義された流量「N」を処理するように作動可能であり、上述の与える段階は、少なくとも「R」/「N」処理チャンバを与える段階を含む。
【0132】
一実施形態では、本方法は、分離構造又は末端構造に結合された電気エネルギデバイスからの電気エネルギを使用して多孔質スリーブを加熱することにより、処理材料をそれらが分離構造及び/又は末端構造を通過して処理チャンバ内に入る時に加熱する段階を含む。
【0133】
一実施形態では、分離構造及び/又は末端構造は、80%と90%の間の孔隙率及び200μmと800μmの間の孔隙サイズのうちの少なくとも一方を有する。
【0134】
一実施形態では、分離構造及び/又は末端構造は、円筒形処理チャンバを内部に定める環状スリーブを含む。
【0135】
一実施形態では、分離構造及び/又は末端構造は、導電材料、セラミック材料、及び誘電材料のうちの少なくとも1つを含む。
【0136】
一実施形態では、分離構造及び/又は末端構造は、焼結金属を含む。
【0137】
一実施形態では、焼結金属は、繊維、粉末、顆粒のうちの少なくとも1つを含む。
【0138】
一実施形態では、分離構造及び/又は末端構造は、織り金属布を含む。
【0139】
一実施形態では、電気エネルギデバイスは、無線周波数電源、電気電源、及びマイクロ波発生器のうちの少なくとも1つを含む。
【0140】
一実施形態では、本方法は、無線周波数導体、電気導体、及び導波管のうちの少なくとも1つを使用して分離構造及び/又は末端構造と電気エネルギデバイスを結合する段階を含む。
【0141】
一実施形態では、本方法は、処理材料が通過して分離構造及び/又は末端構造内に与えられた空隙内に無線周波数導体、電気導体、及び導波管のうちの少なくとも1つを配置する段階を含む。
【0142】
一実施形態では、無線周波数導体、電気導体、及び導波管のうちの少なくとも1つは、分離構造及び/又は末端構造の上を延びてその区域にわたって加熱する。
【0143】
一実施形態では、加熱する段階は、無線周波数導体を使用して無線周波数電源から無線周波数電気エネルギを与えて導電材料を誘導的に加熱する段階を含む。
【0144】
一実施形態では、無線周波数電気エネルギは、500Hzと500KHzの間、20KHzと50KHzの間、及び30KHz付近のうちの1つの周波数を有する。
【0145】
一実施形態では、本方法は、導電材料に近接して無線周波数導体を配置する段階を含む。
【0146】
一実施形態では、無線周波数導体は中空であり、本方法は、無線周波数導体内に冷却流体を受け入れて無線周波数導体を冷却する段階を含む。
【0147】
一実施形態では、冷却流体は、100μSよりも大きくない導電率を有する。
【0148】
一実施形態では、本方法は、加湿器から処理材料として加湿空気を与える段階と、加湿器を通して冷却流体を循環させて加湿器に与えられる水を加熱する段階とを含む。
【0149】
一実施形態では、本方法は、冷却流体の少なくとも一部を水として加湿器に与える段階を含む。
【0150】
一実施形態では、本方法は、周囲温度よりも高く冷却流体を維持する段階を含む。
【0151】
一実施形態では、加熱する段階は、電気導体を使用して電気電源から電気エネルギを与えてセラミック材料を加熱する段階を含む。
【0152】
一実施形態では、加熱する段階は、導波管を使用してマイクロ波発生器からマイクロ波エネルギを与えて誘電材料を加熱する段階を含む。
【0153】
一実施形態では、誘電材料は炭化ケイ素を含む。
【0154】
一実施形態では、マイクロ波エネルギは、915MHzと2.45GHzのうちの一方の周波数を有する。
【0155】
一実施形態では、本方法は、多孔質断熱材に処理材料を通す段階を含み、多孔質断熱材は、分離構造及び/又は末端構造と電気エネルギデバイスの間の空隙に与えられる。
【0156】
更に別の特定かつ好ましい態様は、添付の独立クレーム及び従属クレームに列挙されている。従属クレームの特徴は、適切な場合にかつクレームに明確に列挙されているもの以外の組合せで独立クレームの特徴と組み合わせることができる。
【0157】
装置特徴が機能を提供するように作動可能であると説明される場合に、これは、その機能を提供するか又はその機能を提供するように適応又は構成された装置特徴を含むことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0158】
【
図1A】一実施形態による放射バーナーを示す図である。
【
図1B】一実施形態による放射バーナーを示す図である。
【
図2A】一実施形態による放射バーナーを示す図である。
【
図2B】一実施形態による放射バーナーを示す図である。
【
図3】修正分離構造50B’を通した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0159】
ここで、添付図面を参照して本発明の実施形態を以下に更に説明する。
【0160】
更に詳細に実施形態を議論する前に、最初に概観を提供する。実施形態は、複数の分離処理チャンバを有するバーナー配置を提供し、そのうちの各1つには、処理すべき流出ガスストリームの一部分が供給される。これは、個々の処理チャンバの作動性能を決定することができるので拡張可能なアーキテクチャを提供し、ここから、その流量に対して必要なそれらの処理チャンバの数を提供することによってあらゆる特定の流出ガスストリーム流量に対して必要な処理チャンバの数を決定することができる。各処理チャンバを別のものに隣接して位置決めしてコンパクトな配置を提供することができ、その結果、これらは、部品数を低減するために共通構造を共有することができるようになる。典型的には、処理チャンバは、空間制約に応じて処理チャンバの横列又はアレイとして配置することができる。処理チャンバ間の分離構造は、それらの処理チャンバ内への導入のための処理材料を与えることができる。
【0161】
実施形態はまた、電動放射バーナーを提供し、これは、処理チャンバの温度を上昇させるために燃料ガスを提供することが望ましくなく又は全く不可能である状況下で流出ガスストリームを処理することを可能にする。必要な電力密度を得ることができない従来の放射加熱器とは異なり、電力密度及び処理チャンバ内の達成可能な温度をかなり上昇させる多孔質スリーブを加熱することにより、処理材料をそれらが多孔質スリーブを通過して処理チャンバ内に入る時に加熱する電気エネルギが与えられる。
【0162】
単一横列配置
図1A及び1Bは、一実施形態による全体的に10の放射バーナーを示している。明確化を改善するために、側壁及び端壁は省略されている。放射バーナー10は、ハウジングの上側部分20を含む。上側部分20は、処理すべき流出ストリームを受け入れるための複数の流出ストリーム入口30を含む。上側部分20はまた、分離構造又は末端構造のいずれかを受け入れるような形状にされた複数の開口40を含む。この例では、上側部分20は、2つの末端構造50Aと1つの分離構造50Bを受け入れる。上側部分20に同様に設けられるのは、パイロット火炎を提供して放射バーナー10内で点火を開始するパイロット開口60である。放射バーナー10は、1対の端壁80(ここでもまた、単一端壁80のみが
図1A及び1Bに示されている)と共に1対の対向する側壁70(そのうちの1つのみが
図1A及び1Bに示されている)を含む。
【0163】
側壁70及び端壁80と共に上側部分20は、分離構造50B及び末端構造50Aが延びる開口面を有する箱形ハウジングを生成する。分離構造50B及び末端構造50Aは、ハウジング内に空間を分割して個々の処理チャンバ90を定める。この実施形態では、各処理チャンバ90は、従って、分離構造50B及び末端構造50Aにより、並びに側壁70の一部75及び上側部分20の一部25によって境界付けられる。構成を簡単にするために、分離構造50B及び末端構造50Aは同じ寸法構成を有する。
【0164】
この実施形態では、分離構造50Bは、3つの等間隔で離間した処理材料入口開口110Bを備えた矩形上面100Bを有する。上面100Bは、中心開口40内に受け入れられる。小孔材料のシート130Bは、上面100Bの主要側面と結合されてハウジングの中に延びる。シート130Bは、面100Bから最も遠い位置で湾曲している。1対の対向する端板120Bは、分離構造50B内の空間を封入するためにシート130Bの対向する縁部に対して近位に配置され、その中に処理材料は処理材料入口110Bを通過する。この実施形態では、処理材料は燃料及び空気であり、分離構造50B内の空隙内にポンピングされ、これらは、次に、それを点火してその上で無炎燃焼を生じるシート130Bを通過する。
【0165】
末端構造50Aは、分離構造50Bと実質的に同じ構成のものであるが、小孔材料のシート130Aは、曲げ部の後で終端し、無孔めくら板150が、対向する端壁80に隣接して備えられる。これは、処理材料入口開口110Aを通して提供される処理材料が、処理チャンバ90の近くだけに提供されること、及び末端構造50Aと端壁80の間で燃焼が起こらないことを保証する。
【0166】
処理すべき流出ガスストリームは、個々の流れに分けられ、1つが、個別の処理チャンバ90の各々において処理される。この実施形態では、流出ガスストリームは2つの流れに分けられ、1つが、流出ストリーム入口30を通して2つの異なる処理チャンバ90の各々において処理される。処理材料は、処理材料入口開口110A、110Bに提供される。処理材料の点火は、パイロット開口60から延びる火炎を通して達成される。無炎燃焼は、シート130A、130Bの面にわたって起こり、流出ガスストリームの減少が処理チャンバ90内で起こる。
【0167】
図1A及び1Bで認められるように、末端構造50A及び分離構造50Bは、各処理チャンバ90内で均一な条件を与えるために互いにほぼ平行になるように配置される。末端構造50A及び分離構造50Bは、各処理チャンバ内で加熱する時の流出ストリームの膨張を受け入れるように流出ストリーム流れAの方向に内向きに先細である。これは、シート130A、130B上のあらゆる残留物の影響を低減するのを助ける。
【0168】
シート130A、130Bの湾曲部分の具備は、その領域において残留堆積物を防止し、高い熱損失を受ける処理チャンバ90の領域に追加の加熱を提供するのを助ける。同じく、シート130A、130Bの先細及び湾曲部分の具備は、単一点火源60からの点火が確実に各末端構造50A及び分離構造50Bに伝播することができるようにあらゆる不連続性を防止するのを助ける。これは、燃焼視野窓又は温度プローブに対する必要性を回避する。
【0169】
側壁70の各部分75は、処理チャンバ90の中に先細又は切子面にされ、それによってそれらの面から燃焼副産物を離れるように押しやり、その上の残留堆積物を低減する。すなわち、各燃焼チャンバ90は、均一な燃焼空間を提供してその内部で流出ストリームの一部分が処理されることを見ることができる。
【0170】
この実施形態では、2つの処理チャンバ90を提供するが、処理チャンバ90の数は、分離構造50Bの数を変更することによって容易に変更することができる。これは、流出ガスストリームのあらゆる流量を処理することができる完全に拡張可能なアーキテクチャを提供する。例えば、流出ガスストリームの速度の倍を処理する必要があるとしても、3つの分離構造50B及び2つの末端構造50Aの提供により、2つの処理チャンバ90の代わりに4つを提供することができる。各個々の処理チャンバ90の性能が検証されているので、より多数のそれらの処理チャンバの性能も保証することができる。
【0171】
アレイ配置
図2A及び2Bは、
図1A及び1Bに示す配置によって処理したものと比較して2倍の流出ガスストリームの流量を処理するための代替配置を示している。この実施形態では、
図1及び1Aの配置が、仕切り壁160(ここでもまた、側壁70及び端壁80は明確化を改善するために省略されている)によって分離される2つの横列の処理チャンバ90を提供するために複製されている。
【0172】
従って、流出ガスストリームの新しい流量に対して放射バーナーを拡張するために、構成要素部品の多くを簡単に再利用することができることを見ることができる。例えば、1つの処理チャンバ90が、流出ガスストリームの100標準リットルを処理するように構成され、流出ガスストリームの400標準リットルを処理する必要がある場合に、4つの処理チャンバ90を有する
図2A及び2Bに示すような配置を利用することができ、その各々は、流出ガスストリームの1分当たり100標準リットルを処理することができ、合計で1分間当たり400標準リットルになる。
【0173】
別の実施形態では、分離構造160を有するのではなく、むしろ分離構造50Bと類似の構造を提供し、これらは一方の処理チャンバ90を別のものから分離する。換言すると、分離構造50Bは、壁160の代わりに提供され、かつ
図2A及び2Bに示す分離構造50Bに対して直交方向に向けられる。これは、各処理チャンバ90の2よりも多い側面上で燃焼を提供する。そのような配置の利点は、点火が処理チャンバ90の横列の間を伝播することができるので、単一パイロット開口60のみが必要であることである。
【0174】
どの配置を使用しても、各処理チャンバ90からの処理された流出ストリームは、ハウジングの開口面を通じて下流冷却チャンバ(図示せず)の中に排出又は通気される。
【0175】
電気加熱
一実施形態では、燃料及び空気の燃焼ではなく、むしろ処理チャンバ90の電気加熱が、修正分離構造50B’の断面図である
図3に示すように、修正分離構造50B’を使用して行われる。末端構造50Aを同様に修正して電気加熱を容易にする。この実施形態では、シート130Bは、選択された加熱モードに適切な材料で作られる。この実施形態では、誘導加熱を使用し、従って、シート130Bは、多孔質金属、例えば、Fecralloy(登録商標)のような耐熱合金の焼結金属繊維を含む。
【0176】
シート130Bの内面は、絶縁シート200で裏打ちされる。絶縁シートは、多孔質セラミック、例えば、網状ポリウレタン発泡体を被覆するのに使用されているアルミナスリップを焼結することによって形成することができるアルミナシートである。これに代えて、絶縁シート200は、セラミック繊維のブランケットとすることができる。絶縁スリーブシート200は、熱損失を低減することによって処理チャンバ90内の温度を上昇させるのを助け、同じく分離構造50B内の空隙210内の温度を低下させるのを助け、これは、次に、誘導加熱に使用する構成要素の温度を低下させてそれらの効率を改善する。
【0177】
絶縁シート200及びシート130Bは、典型的には、200μmと800μmの間の孔隙サイズを有して、80%から90%の孔隙率である。
【0178】
この実施形態では、処理ガスは、空気、又は空気と水蒸気、CO2のような他の種との配合物である場合がある。この例では、加湿空気が導入され、加湿空気は、絶縁シート200の入口面23からシート130Bの出口面21まで通過する。
【0179】
この実施形態では、誘導加熱機構を使用し、従って、空隙210はまた、RF誘導によってシート130Bを加熱するために無線周波数(RF)電源(図示せず)に接続された作動コイル50(これは、空隙210内の蛇行又は他の曲がりくねった経路を辿る)を含有する。作動コイル50は、典型的には、例えば、<100μSの低導電性を有する冷却流体、例えば、水の循環によって冷却されるコイル状銅中空チューブである。供給される空気が水蒸気で富化される場合に、作動コイル50の凝縮を回避するように、高温で冷却流体を作動させるのが有益であると考えられる。これは、閉ループ回路の使用により好都合に達成することができる。上述のように、絶縁シート200は、断熱材として機能を果たして作動コイル50を保護する。
【0180】
シート130Bに供給される電気エネルギは、シート130Bを加熱する。次に、これは、加湿空気をそれが絶縁シート10の入口面23からシート130Bの出口面21まで通過する時に加熱する。更に、シート130Bによって発生される熱は、処理チャンバ90内の温度を上昇させる。シート130Bに供給される電気エネルギの量は、処理すべき流出ガスストリームに対して適切なものであるものに処理チャンバ90内の公称温度を変えるように変化する。例えば、シート130Bは、800℃と1200℃の間まで加熱され、加湿空気は、同様にこの温度まで加熱される。これは、シート130Bに印加される典型的に約10kWと20kWの間のレベルで電気エネルギを供給することによって達成される。これは、約70kWm-2と140kWm-2の間の等価電力密度を提供する。印加される電力は、シート130Bを通る空気の流量に関連している。当業者は、電力、空気流れ、及び温度の他の条件が可能であることがわかる。典型的には、無線周波数電気エネルギは、500Hzと500KHzの間、好ましくは、20KHzと50KHzの間、より好ましくは、30KHz付近の周波数を有する。処理すべき有害物質を含有する流出ガスストリームは、処理チャンバ90で公知の方式でこの高温ガスと混合させられる。処理チャンバ90の排出口が開かれ、燃焼生成物を放射バーナーから出力して公知の技術により典型的には水堰(図示せず)によって受け入れることを可能にする。
【0181】
従って、流出ガスは、シート130Bによって加熱された処理チャンバ90内で処理されることを見ることができる。加湿空気は、酸素富化が起こるか否か及び空気の湿度に応じて、酸素(典型的に7.5%と10.5%の公称範囲を有する)、並びに水(典型的に10%と14%、好ましくは12%の公称範囲を有する)のような生成物を処理チャンバ90に提供する。処理チャンバ90内で熱が流出ガスストリームを分解し、及び/又は生成物が流出ガスストリームと反応して流出ガスストリームを清浄にする。例えば、処理チャンバ90内でO2と反応してSiO2、N2、H2O、NOxを発生するSiH4及びNH3を流出ガスストリーム内に提供することができる。同様に、処理チャンバ90内でO2と反応してCO2、HF、H2Oを発生するN2、CH4、C2F6を流出ガスストリーム内に提供することができる。同じく、処理チャンバ90内でH2Oと反応してHF、H2Oを発生するF2を流出ガスストリーム内に提供することができる。
【0182】
従って、実施形態は、RF誘導加熱式多孔質壁燃焼チャンバを利用して半導体などの工程から廃ガスを燃焼的に破壊する方法及び装置を提供する。
【0183】
高電力間接加熱は、誘導加熱によって可能である。多孔質金属シートのようなサセプタの具備は、ガスを通過させて高温に加熱することによって放射バーナー燃焼システムを模倣する可能性を考慮するものである。これは、電気システムによってバーナー様性能を与える道を開くものである。シートは、未焼結セラミック繊維又は有益には焼結金属繊維とすることができる。
【0184】
実施形態では、マイクロ波又は抵抗加熱を使用してシート130A、130Bを加熱する。マイクロ波加熱の場合に、誘電材料で形成されたシート130Bにマイクロ波エネルギを伝達する空隙210に配置された導波管と結合するマイクロ波発生器が与えられる。抵抗加熱の場合に、セラミック材料で形成されたシート130Bに電気エネルギを伝達する空隙210に配置された導体と結合する電源が与えられる。
【0185】
従って、実施形態は、ハウジング内に収容された複数の放射バーナー要素を含むバーナーアセンブリを提供する。要素は、少なくとも2つの面上の放射バーナーの出口面によって境界付けられた燃焼空間を与えるように配置される。これらの燃焼空間の中に放出する入口ノズルが、上部面に設けられる。バーナー要素は、バーナー要素が隣接する燃焼空間の間に配置されるか否かに応じて片面又は両面式とすることができる。従って、実施形態は、両面バーナー要素によって分離され、各端部で片面バーナー要素によって終端する複数の燃焼空間を含むバーナーアセンブリを提供する。ハウジングは、未焼結セラミック断熱材料を用いてその短辺の各々上でスロット状燃焼空間を境界付けることができる。これは、その面から離れてかつ処理すべき処理ガスに向けて燃焼副産物を押しやるような輪郭にすることができる。ハウジングは、更に、放射バーナー要素の端部を収容するさねはぎを含むことができる。バーナー要素を点火するためのパイロットバーナーは、燃焼空間から離れたポケットに配置することができ、火炎伝播は、バーナー要素からバーナー要素まで起こる。バーナーアセンブリの水平断面は、正方形又は矩形とすることができる。燃焼空間は、処理された流出ストリームがバーナーアセンブリからそれを通して排出される開口のものに適合する入口断面を有する下流堰の共通入口の中に集合的に排出することができる。
【0186】
添付図面を参照して本発明の例示的実施形態を本明細書に詳細に開示したが、本発明は実施形態の通りには限定されないこと、及び添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定めるような本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正を当業者によってそこに達成することができることは理解される。
【符号の説明】
【0187】
放射バーナー 10
上側部分 20
出口面 21
入口面 23
部分 25
流出ストリーム入口 30
開口 40
末端構造 50A
分離構造 50B
修正分離構造 50B’
イロット開口 60
側壁 70
部分 75
端壁 80
処理チャンバ 90
上面 100B
処理材料入口開口 110A
処理材料入口開口 110B
端板 120B
シート 130A
シート 130B
めくら板 150
仕切り壁 160
絶縁シート 200
流出ストリーム流れ A