(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】切削加工システム
(51)【国際特許分類】
A61C 5/77 20170101AFI20220107BHJP
G05B 19/409 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A61C5/77
G05B19/409 C
(21)【出願番号】P 2018004100
(22)【出願日】2018-01-15
【審査請求日】2020-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】317009525
【氏名又は名称】DGSHAPE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【氏名又は名称】古市 昭博
(72)【発明者】
【氏名】朝比奈 由光
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 章弘
(72)【発明者】
【氏名】秋元 大輔
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-142029(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0291585(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106756258(CN,A)
【文献】独国実用新案第202009002974(DE,U1)
【文献】国際公開第2015/056319(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 5/77
G05B 19/409
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を加工して歯冠補綴物を作製する第1切削加工機と、
被加工物を加工して歯冠補綴物を作製する第2切削加工機と、
前記第1切削加工機の第1機種情報および前記第2切削加工機の第2機種情報を表示する表示装置と、
前記第1切削加工機および前記第2切削加工機に接続され、前記第1切削加工機および前記第2切削加工機に前記歯冠補綴物のジョブデータを送信する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記第1機種情報と前記第2機種情報との間で共通する共通項目の一部を示す第1画面が表示される共通領域と、前記第1機種情報と前記第2機種情報との間で共通する前記共通項目の他の一部、あるいは、前記共通項目の前記他の一部および前記第1機種情報と前記第2機種情報とのいずれか一方に含まれる特定項目を示す第2画面が表示される特定領域と、を有する基本画面を表示装置に表示する第1表示部と、
前記共通領域に前記第1画面を表示する第2表示部と、
前記基本画面における前記第1機種情報の表示と前記第2機種情報との表示とを切り替える切替部と、
前記第1機種情報の表示に切り替えられたとき、前記特定領域に前記第1切削加工機に関連付けられた前記第2画面を表示し、かつ、前記第2機種情報の表示に切り替えられたとき、前記特定領域に前記第2切削加工機に関連付けられた前記第2画面を表示する第3表示部と、を備えている、切削加工システム。
【請求項2】
前記第1切削加工機および前記第2切削加工機は、前記被加工物を加工する複数の加工ツールと、複数の前記加工ツールを収容するツールマガジンと、を備え、
前記第2画面に示される前記共通項目は、複数の前記加工ツールのツール情報である、請求項1に記載の切削加工システム。
【請求項3】
前記ツールマガジンには、前記加工ツールが挿入される複数の挿入孔が形成され、
前記ツール情報には、前記ツールマガジンの前記挿入孔の位置と、前記挿入孔に配置された前記加工ツールの情報とが含まれる、請求項2に記載の切削加工システム。
【請求項4】
前記第1切削加工機は、複数の前記被加工物が収容されるストッカーと、前記被加工物を前記ストッカーに対して着脱可能に構成され、前記被加工物を搬送する搬送機構と、を備え、
前記第2画面に示される前記特定項目は、複数の前記被加工物の被加工物情報である、請求項1から3のいずれか一項に記載の切削加工システム。
【請求項5】
前記被加工物情報には、前記被加工物の加工が完了したことを示す第1アイコンと、前記被加工物の加工が進行中であることを示す第2アイコンと、前記被加工物の加工が開始前であることを示す第3アイコンとが含まれる、請求項4に記載の切削加工システム。
【請求項6】
前記第1切削加工機は、前記ストッカーを備え、
前記第2切削加工機は、前記ストッカーを備えず、
前記第2切削加工機に関連付けられた前記第2画面には、前記被加工物情報がさらに示され、
前記第3表示部は、前記第2機種情報の表示に切り替えられたとき、前記被加工物情報をグレイアウトして表示させる、請求項4または5に記載の切削加工システム。
【請求項7】
前記第1画面に示される前記共通項目は、前記第1切削加工機および前記第2切削加工機における加工開始からの経過時間である、請求項1から6のいずれか一項に記載の切削加工システム。
【請求項8】
被加工物を加工して歯冠補綴物を作製する第1切削加工機と、被加工物を加工して歯冠補綴物を作製する第2切削加工機と、前記第1切削加工機の第1機種情報および前記第2切削加工機の第2機種情報を表示する表示装置と、前記第1切削加工機および前記第2切削加工機に接続され、前記第1切削加工機および前記第2切削加工機に前記歯冠補綴物のジョブデータを送信する制御装置と、を備えた切削加工システム用のコンピュータプログラムであって、
前記制御装置を、
前記第1機種情報と前記第2機種情報との間で共通する共通項目の一部を示す第1画面が表示される共通領域と、前記第1機種情報と前記第2機種情報との間で共通する前記共通項目の他の一部、あるいは、前記共通項目の前記他の一部および前記第1機種情報と前記第2機種情報とのいずれか一方に含まれる特定項目を示す第2画面が表示される特定領域と、を有する基本画面を表示装置に表示する第1表示手段、
前記共通領域に前記第1画面を表示する第2表示手段、
前記基本画面における前記第1機種情報の表示と前記第2機種情報との表示とを切り替える切替手段、および、
前記第1機種情報の表示に切り替えられたとき、前記特定領域に前記第1切削加工機に関連付けられた前記第2画面を表示し、かつ、前記第2機種情報の表示に切り替えられたとき、前記特定領域に前記第2切削加工機に関連付けられた前記第2画面を表示する第3表示手段、
として機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯冠形の歯冠補綴物を作製する切削加工機を備えた切削加工システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、歯科用セラミック材料や歯科用樹脂材料などの被加工物を所望の形状に加工して、歯冠補綴物(人工歯、人工歯冠等ともいう。)を作製する切削加工機が知られている。切削加工機は加工ツールを備えており、加工ツールによって被加工物に対して切削および研磨等の加工が施されることにより、歯冠補綴物が作製される。
【0003】
この種の切削加工機として、例えば特許文献1には、一回の作業で多様な加工を自動かつ連続的に実施するために、切削部の形状が異なる複数の加工ツールを自動で交換できる自動刃物交換機能(オートツールチェンジャー,Auto Tool Changer:ATC)を備えた切削加工機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、加工対象となる被加工物を自動で交換して、歯冠補綴物を連続的に作製する機能を備えた切削加工機の開発が進んでいる。このような切削加工機では、複数の加工ツールと複数の被加工物とを用いて、複数の歯冠補綴物を連続的に作製する。
【0006】
ここで、例えば、被加工物を自動で交換する機能を備えた第1の切削加工機と、被加工物を自動で交換する機能を備えていない第2の切削加工機と、を用いて被加工物を加工する場合、従来は、第1の切削加工機用の第1のソフトウェアと、第2の切削加工機用の第2のソフトウェアとを用いていた。このように、機種ごとにソフトウェアを立ち上げる必要があり表示装置の表示スペースが煩雑になりがちであった。また、各ソフトウェアの表示画面が相互に類似している場合もあり、操作対象の機種とは異なる機種を誤って操作してしまう虞があった。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業者が異なる切削加工機を容易かつより確実に操作することができる切削加工システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る切削加工システムは、被加工物を加工して歯冠補綴物を作製する第1切削加工機と、被加工物を加工して歯冠補綴物を作製する第2切削加工機と、前記第1切削加工機の第1機種情報および前記第2切削加工機の第2機種情報を表示する表示装置と、前記第1切削加工機および前記第2切削加工機に接続され、前記第1切削加工機および前記第2切削加工機に前記歯冠補綴物のジョブデータを送信する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記第1機種情報と前記第2機種情報との間で共通する共通項目の一部を示す第1画面が表示される共通領域と、前記第1機種情報と前記第2機種情報との間で共通する前記共通項目の他の一部、あるいは、前記共通項目の前記他の一部および前記第1機種情報と前記第2機種情報とのいずれか一方に含まれる特定項目を示す第2画面が表示される特定領域と、を有する基本画面を表示装置に表示する第1表示部と、前記共通領域に前記第1画面を表示する第2表示部と、前記基本画面における前記第1機種情報の表示と前記第2機種情報との表示とを切り替える切替部と、前記第1機種情報の表示に切り替えられたとき、前記特定領域に前記第1切削加工機に関連付けられた前記第2画面を表示し、かつ、前記第2機種情報の表示に切り替えられたとき、前記特定領域に前記第2切削加工機に関連付けられた前記第2画面を表示する第3表示部と、を備えている。
【0009】
本発明の切削加工システムによれば、切替部は、表示装置に表示された基本画面における第1機種情報の表示と第2機種情報の表示とを切り替える。このように、複数の機種情報の表示を切り替えて表示することができるため、それぞれの機種情報をまとめて表示する場合と比較して、表示装置の表示スペースが煩雑になることが抑制される。また、切削加工機ごとの情報が基本画面に表示されるため、誤って異なる切削加工機を操作することが抑制される。さらに、第2表示部は、第1切削加工機の第1機種情報および第2切削加工機の第2機種情報のうち共通する共通項目の一部を示す第1画面を、表示装置に表示された基本画面の共通領域に表示する。このように、複数の切削加工機間で共通する情報が同じ共通領域に表示されるため、作業者の管理負担が軽減する。さらにまた、第3表示部は、第1切削加工機に関連付けられた第2画面、または、第2切削加工機に関連付けられた第2画面を、表示装置に表示された基本画面の特定領域に表示する。このように、複数の切削加工機ごとに関連付けられた第2画面が特定領域に表示されるため、作業者は特定領域に表示された第2画面を確認することによって、当該切削加工機がどのような特徴を備えているかを容易に確認することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、作業者が異なる切削加工機を容易かつより確実に操作することができる切削加工システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係る切削加工システムの構成例を示す概要図である。
【
図2】一実施形態に係る第1切削加工機の斜視図である。
【
図3】一実施形態に係るアダプタが取り付けられた被加工物の平面図である。
【
図4】一実施形態に係る第1切削加工機の斜視図であり、搬送装置の扉部が開いている状態を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る搬送部の平面図であり、搬送部に被加工物が把持されている状態を示す図である。
【
図7】一実施形態に係るツールマガジンの斜視図である。
【
図8】一実施形態に係る回転支持部材およびクランプの斜視図である。
【
図9】一実施形態に係る操作端末のブロック図である。
【
図10】一実施形態に係る表示装置に表示された基本画面の一例であり、第1切削加工機の第1機種情報が表示された状態を示す図である。
【
図11】一実施形態に係る表示装置に表示された基本画面の一例であり、第2切削加工機の第2機種情報が表示された状態を示す図である。
【
図12】一実施形態に係る表示装置に表示された基本画面の一部の一例であり、制御対象の切削加工機がリスト表示された状態を示す図である。
【
図13】他の一実施形態に係る表示装置に表示された基本画面の一例であり、第1切削加工機の第1機種情報が表示された状態を示す図である。
【
図14】他の一実施形態に係る表示装置に表示された基本画面の一例であり、第2切削加工機の第2機種情報が表示された状態を示す図である。
【
図15】他の一実施形態に係る設定画面の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る切削加工システムを説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0013】
図1に示すように、切削加工システム10(以下、適宜に「システム10」と称する場合がある。)は、第1切削加工機20A、20Bと、第2切削加工機20C、20Dと、操作端末50と、を備えている。以下、適宜に第1切削加工機20A、20Bおよび第2切削加工機20C、20Dを、切削加工機20A~20Dと称する場合がある。切削加工機20A~20Dと操作端末50とは、それぞれ有線通信が可能にラインLにより接続されている。なお、切削加工機20A~20Dと操作端末50とは、それぞれ無線による通信も可能である。本実施形態では、1つの操作端末50に4つの切削加工機20A~20Dが接続されているが、1つの操作端末50に2つ、3つまたは、5つ以上の切削加工機が接続されていてもよい。
【0014】
以下、切削加工機20A~20Dの詳細な構成について説明する。なお、第1切削加工機20A、20Bと第2切削加工機20C、20Dとは、後述する加工装置30を備える点で共通する。また、第1切削加工機20A、20Bは、後述する搬送装置40を備えている。第2切削加工機20C、20Dは、搬送装置40を備えていない。以下では、第1切削加工機20Aについて説明し、第1切削加工機20B、第2切削加工機20C、20Dについては、第1切削加工機20Aと同様の説明は省略する。
図2は、第1切削加工機20Aの斜視図である。以下の説明では、第1切削加工機20Aを正面から見たときに、第1切削加工機20Aから遠ざかる方を前方、第1切削加工機20Aに近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、第1切削加工機20Aを正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。本実施形態では、第1切削加工機20Aは、相互に直交する軸を、X軸、Y軸およびZ軸としたとき、X軸とY軸とで構成される平面に配置されている。ここでは、X軸は前後方向に延びた軸である。Y軸は左右方向に延びた軸である。Z軸は上下方向に延びた軸である。また、符号θ
X、θ
Y、θ
Zは、それぞれX軸回り、Y軸回り、Z軸回りの回転方向を示している。ただし、上述した方向は、説明の便宜上定めた方向に過ぎず、第1切削加工機20Aの設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものではない。
【0015】
第1切削加工機20A、20Bは、複数の被加工物5(
図3参照)を収容し、収容された複数の被加工物5の中から1つの被加工物5を選択し、選択された被加工物5に対して切削加工する装置である。第2切削加工機20C、20Dは、収容された1つの被加工物5に対して切削加工する装置である。例えば、切削加工機20A~20Dは、被加工物5を加工して歯冠補綴物を作製する。被加工物5の形状は、例えば、円板状である。被加工物5は、ジルコニア、ワックス、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ハイブリッドレジン、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)、石膏などの各種の材料によって形成されている。被加工物5の材料としてジルコニアを用いるときには、例えば、半焼結したジルコニアが用いられる。ただし、被加工物5の形状および材料は特に限定されない。
【0016】
図3に示すように、本実施形態では、被加工物5にはアダプタ8(ホルダーともいう)が取り付けられている。アダプタ8が取り付けられた状態で、被加工物5は、切削加工機20A~20Dに収容され、かつ、加工される。ここでは、アダプタ8の中央部分には、挿入孔8aが形成されている。この挿入孔8aに被加工物5が挿入されることで、アダプタ8に被加工物5が取り付けられる。以下の説明において、被加工物5とは、アダプタ8が取り付けられた被加工物5のことをいう。被加工物5には、被加工物5の他に、被加工物5に取り付けられたアダプタ8が含まれる。
【0017】
図2に示すように、第1切削加工機20Aは、加工装置30と、搬送装置40とを備えている。
図4に示すように、搬送装置40には、複数の被加工物5が収容されている。搬送装置40は、収容された複数の被加工物5から1つの被加工物5を選択し、選択した被加工物5を、加工装置30に搬送する装置である。搬送装置40は、箱状に形成されている。ここでは、搬送装置40は、ケース本体41と、扉42と、ストッカー43と、搬送部44(
図5参照)と、を備えている。
【0018】
図4に示すように、ケース本体41は、箱状に形成されており、内部に空間を有している。ケース本体41の内部の空間は、複数の被加工物5が収容されるストッカー43が収容される空間である。ケース本体11の前部には、開口47が形成されている。
【0019】
扉42は、ケース本体41に開閉自在に設けられている。扉42は、右端を軸に回転可能にケース本体41に支持されている。
図2に示すように、扉42には、右部から右方に延びた支持突起42aが設けられており、この支持突起42aがケース本体41に支持されている。ここでは、扉42は、支持突起42aを軸にして回転することで、
図4に示すように、ケース本体41の開口47を開閉する。扉42によって開口47が開放されているとき、ケース本体41の内部の空間は、外部と連通した状態となる。
【0020】
ストッカー43には、複数の被加工物5が収容される。本実施形態では、ストッカー43は、扉42に設けられている。本実施形態では、ストッカー43は、ストッカー本体43aと、複数の収容部43bとを備えている。ストッカー本体43aは、上下方向に延びた箱状のものであり、内部に空間を有している。
【0021】
図4に示すように、複数の収容部43bには、それぞれアダプタ8(
図3参照)が取り付けられた被加工物5が収容される。複数の収容部43bは、ストッカー本体43aの内部の空間に配置されている。複数の収容部43bは、上下方向に並ぶように配置されている。ここでは、収容部43bは、内部に空間を有した部材であり、この内部の空間に、アダプタ8が取り付けられた被加工物5が収容される。例えば、収容部43bの空間を形成する内周面の形状は、アダプタ8に対応した形状をしている。1つの収容部43bに対して1つの被加工物5が収容される。本実施形態では、9つの収容部43bが配置され、9つの被加工物5をストッカー43に収容することが可能である。しかしながら、収容部43bの数は特に限定されない。また、収容部43bの配置位置は特に限定されず、例えば、収容部43bの一部は、左右方向に並んで配置されていてもよい。
【0022】
図5に示すように、搬送部44は、ストッカー43の収容部43bに収容された被加工物5をストッカー43から取り出すものである。搬送部44は、取り出した被加工物5を加工装置30に搬送するものである。より詳細には、搬送部44は、ストッカー43の収容部43bから取り出した被加工物5を後述するクランプ36(
図8参照)に取り付ける。また、搬送部44は、クランプ36から被加工物5を取り外して、搬送装置40に搬送するものである。搬送部44は、ストッカー43の収容部43bに取り外した被加工物5を収容するものである。搬送部44は、被加工物5をストッカー43の収容部43bに着脱可能に構成されている。搬送部44は、搬送機構の一例である。図示は省略するが、搬送部44は、ケース本体41の内部の空間に配置されている。搬送部44は、図示しないモータによって制御され、ケース本体41内および加工装置30の後述するケース本体31内を移動可能に構成されている。搬送部44は、搬送部本体44aと、第1フック44bと、第2フック44cと、第1バネ44dと、第2バネ44eとを備えている。
【0023】
搬送部本体44aは、板状の部材である。第1フック44bおよび第2フック44cは、アダプタ8を挟み込む部材である。第1フック44bと第2フック44cとは、前後方向に対向するように配置されている。第1フック44bは、搬送部本体44aに設けられた第1軸44gを軸にして回転可能に支持されている。第1フック44bの先端部は、アダプタ8の第1係合突起8bと係合する。第2フック44cは、搬送部本体44aに設けられた第2軸44hを軸にして回転可能に支持されている。第2フック44cの先端部は、アダプタ8の第2係合突起8cと係合する。
【0024】
第1バネ44dは、第1フック44bに対して弾性力を付与する。第1バネ44dは、第1フック44bの先端部が第2フック44c側に移動するような向きに弾性力を付与する。第2バネ44eは、第2フック44cに対して弾性力を付与する。第2バネ44eは、第2フック44cの先端部が第1フック44b側に移動するような向きに弾性力を付与する。
【0025】
次に、加工装置30について説明する。第1切削加工機20A、20Bの加工装置30は、搬送装置40から搬送された被加工物5を加工して歯冠補綴物を作製するものである。例えば、第1切削加工機20A、20Bの加工装置30は、箱状に形成されており、一部が搬送装置40と連通している。第2切削加工機20C、20Dの加工装置30は、作業者によって配置された被加工物5を加工して歯冠補綴物を作製するものである。例えば、第2切削加工機20C、20Dの加工装置30は、箱状に形成されている。
図6に示すように、加工装置30は、ケース本体31と、カバー32とを備えている。ケース本体31は、箱状に形成されており、内部に空間を有している。ケース本体31の前部は開口している。カバー32は、ケース本体31の開口を開閉自在に、ケース本体31に支持されている。
【0026】
図6に示すように、加工装置30は、スピンドル33と、ツールマガジン34(
図7も参照)と、回転支持部材35(
図8も参照)と、クランプ36(
図8参照)とを備えている。なお、
図6では、カバー32が開いた状態が示されている。
【0027】
スピンドル33は、加工ツール6(ミリングバーともいう)を回転させることによって被加工物5を加工する。スピンドル33は、把持部33aと、回転部33bと、本体部33cとを備えている。本体部33cは、円柱状に形成されている。本体部33cの下端には、回転部33bが設けられている。回転部33bは、本体部33cに対して相対的に回転する。回転部33bの下端には、把持部33aが設けられている。把持部33aは、回転部33bと共に回転する。把持部33aは、加工ツール6の上端部を把持する。加工ツール6には、被加工物5を切削するツールや被加工物5を研磨するツールが含まれる。
【0028】
回転部33bは、把持部33aに把持された加工ツール6を回転させるものである。ここでは、回転部33bには、図示しないモータが接続されている。このモータが駆動することで、回転部33bは、Z軸回りθZに回転可能に構成されている。回転部33bの回転に伴い、把持部33aに把持された加工ツール6はZ軸回りθZ回転する。また、回転部33bは、第1駆動部材(図示せず)によって左右方向および上下方向に移動するように構成されている。
【0029】
図7に示すように、ツールマガジン34は、複数の加工ツール6を収容することが可能なものである。ツールマガジン34は、箱状に形成されている。ツールマガジン34の上面には、加工ツール6を収容する複数の孔部34aが形成されている。孔部34aは、加工ツール6が挿入される挿入孔の一例である。本実施形態のツールマガジン34には、15の孔部34aが形成されているが、孔部34aの数はこれに限定されない。加工ツール6は、その上部が露出された状態で孔部34aに挿入されている。加工ツール6を交換する際には、把持部33aによって把持されている加工ツール6を孔部34aに戻す。そして、次に使用する加工ツール6の上方の位置までスピンドル33を移動させ、把持部33aの下方に位置する加工ツール6の上端を把持部33aが把持する。
【0030】
図6に示すように、ツールマガジン34には、回転支持部材35を回転可能に支持する回転軸37が設けられている。回転軸37は左右方向に延びており、回転支持部材35に連結している。ツールマガジン34には、第2駆動部材(図示せず)が設けられている。回転軸37は、この第2駆動部材によって、Y軸回りθ
Yに回転可能に構成されている。回転軸37がY軸回りθ
Yに回転することによって、回転支持部材35はY軸回りθ
Yに回転する。
【0031】
図8に示すように、回転支持部材35は、クランプ36を回転可能に支持している。回転支持部材35は、平面視で、略U字形状に形成されている。回転支持部材35は、回転軸37と連結され、前後方向に延びた第1部分35aと、第1部分35aの後端から左方に延びる第2部分35bと、第1部分35aの前端から左方に延びる第3部分35cとを備えている。クランプ36は、第2部分35bおよび第3部分35cに回転可能に支持されている。第3部分35cには、クランプ36をX軸回りθ
Xに回転させるモータ38が設けられている。
【0032】
クランプ36は、アダプタ8を保持する部材である。クランプ36は、平面視において、略U字形状に形成されている。クランプ36は、搬送装置40の搬送部44によって搬送されたアダプタ8または作業者によって取り付けられたアダプタ8を保持する。本実施形態では、クランプ36によって保持された被加工物5に対して、加工が行われる。
【0033】
第1切削加工機20A、20Bは、歯冠補綴物のジョブデータに基づいて、第1駆動部材、第2駆動部材、スピンドル33および搬送部44を制御し、歯冠補綴物を作製する。第1切削加工機20A、20Bは、加工ツール6を自動で交換する機能および被加工物5を自動で交換する機能を備えている。第2切削加工機20C、20Dは、歯冠補綴物のジョブデータに基づいて、第1駆動部材、第2駆動部材、スピンドル33を制御し、歯冠補綴物を作製する。第2切削加工機20C、20Dは、加工ツール6を自動で交換する機能を備えているが、被加工物5を自動で交換する機能は備えていない。
【0034】
次に、操作端末50の詳細な構成について説明する。操作端末50は、コンピュータを内蔵している。
図9に示すように、操作端末50は、情報を記憶する記憶装置52と、プログラムに従って所定の処理を実行する制御装置54とを備えている。制御装置54は、第1切削加工機20A、20Bおよび第2切削加工機20C、20Dに接続されている。制御装置54は、第1切削加工機20A、20Bおよび第2切削加工機20C、20Dに歯冠補綴物のジョブデータを送信する。制御装置54には、第1切削加工機20A、20Bから第1切削加工機20A、20Bの第1機種情報および第2切削加工機20C、20Dから第2切削加工機20C、20Dの第2機種情報が送信される。操作端末50は、ディスプレイ等からなる表示装置70(
図1参照)と、キーボードやタッチパネル、マウス等からなる入力装置71とを備えている。表示装置70は、第1切削加工機20A、20Bの第1機種情報および第2切削加工機20C、20Dの第2機種情報を表示することができる。
【0035】
図9に示すように、制御装置54は、第1表示部56と、第2表示部58と、第3表示部60と、切替部62と、計数部64と、算出部66と、を備えている。これら各部は、ソフトウェアによって構成されていてもよい。すなわち、上記各部は、コンピュータプログラムが制御装置(コンピュータ)54に読み込まれることにより、当該制御装置54によって実現されるようになっていてもよい。当該コンピュータプログラムは、CDやDVD等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に含まれ得る。当該コンピュータプログラムは、インターネットを通じてダウンロードされるものであってもよい。また、上記各部は、制御装置54に構成されたプロセッサおよび/または回路によって実現されるものであってもよい。なお、上述した各部の具体的な制御などについては後述する。
【0036】
図10に示すように、システム10では、第1切削加工機20A、20Bの第1機種情報を操作端末50の表示装置70に表示することができる。
図11に示すように、システム10では、第2切削加工機20C、20Dの第2機種情報を操作端末50の表示装置70に表示することができる。表示装置70は、画面72を備えている。画面72には、所定のアプリケーションを実行することによって、基本画面72Xが表示される。第1表示部56は、基本画面72Xを表示装置70に表示する。
【0037】
図10に示すように、基本画面72Xは、共通領域74と、特定領域90とを有する。共通領域74は、基本画面72Xの上段72Aの左側および基本画面72Xの下段72Bに位置する。特定領域90は、基本画面72Xの上段72Aの右側に位置する。共通領域74には、第1画面75が表示される。第1画面75は、第1切削加工機20A、20Bの第1機種情報と第2切削加工機20C、20Dの第2機種情報との間で共通する共通項目の一部を示す。第2表示部58は、共通領域74に第1画面75を表示する。特定領域90には、第2画面91が表示される。第2画面91は、第1機種情報と第2機種情報との間で共通する共通項目の他の一部、あるいは、共通項目の他の一部および第1機種情報と第2機種情報とのいずれか一方に含まれる特定項目を示す。第3表示部60は、特定領域90に第2画面91を表示する。
図10に示す例では、第2画面91は、共通項目の他の一部および第1機種情報に含まれる特定項目を示す。
図11に示す例では、第2画面は、共通項目の他の一部を示す。本実施形態では、第1機種情報と第2機種情報との間で共通する共通項目の一部とは、後述するイメージ画像77や機種名等である。第1機種情報と第2機種情報との間で共通する共通項目の他の一部とは、加工ツール6のツール情報である。また、第1機種情報に含まれる特定項目とは、複数の被加工物5の被加工物情報である。
【0038】
図10に示すように、共通領域74のうち基本画面72Xの上段72Aの左側には、第1画面75の第1部分75Aが表示される。第1部分75Aの中央部分には、切削加工機20A~20Dのイメージ画像77が表示される。
図10に示す例では、加工装置および搬送装置を備えた切削加工機の第1イメージ画像77Aが表示されている。
図11に示す例では、加工装置を備えた切削加工機の第2イメージ画像77Bが表示されている。
【0039】
第1部分75Aのうちイメージ画像77の上部には、切削加工機20A~20Dの機種名が表示される欄78Aが設けられている。
図10に示す例では、欄78Aには、第1切削加工機20Aの機種名が表示されている。
図11に示す例では、欄78Aには、第2切削加工機20Cの機種名が表示されている。
【0040】
欄78Aの上部には、4つのアイコン79A~79Dが横に並んで配置されている。アイコン79Aには、第1切削加工機20Aの第1機種情報を基本画面72Xに表示するための操作ボタンが組み込まれている。アイコン79Bには、第1切削加工機20Bの第1機種情報を基本画面72Xに表示するための操作ボタンが組み込まれている。アイコン79Cには、第2切削加工機20Cの第2機種情報を基本画面72Xに表示するための操作ボタンが組み込まれている。アイコン79Dには、第2切削加工機20Dの第2機種情報を基本画面72Xに表示するための操作ボタンが組み込まれている。切削加工機20A~20Dのうち基本画面72Xに現在表示されている切削加工機に対応するアイコンは四角で囲われる。
図10に示す例では、第1切削加工機20Aが基本画面72Xに表示されているため、第1切削加工機20Aに対応するアイコン79Aが四角79Xで囲われている。アイコン79A~79Dは、切替部62として機能し得る。切替部62は、基本画面72Xにおける第1機種情報の表示と第2機種情報との表示とを切り替える。
【0041】
アイコン79A~79Dは、各切削加工機20A~20Dの稼働状況に応じて異なる色で表示される。例えば、灰色の場合には、切削加工機の割り当てがない状態であることを示す。黒色の場合には、切削加工機の電源がオフの状態であることを示す。緑色の場合には、切削加工機がジョブデータを受信可能な状態であることを示す。白色の場合には、切削加工機が動作中であることを示す。赤色の場合には、切削加工機にエラーが発生している状態であることを示す。オレンジ色の場合には、切削加工機が一時停止の状態であることを示す。黄色の場合には、切削加工機のカバー32が開いている状態であることを示す。青色の場合には、切削加工機における加工が完了した状態であることを示す。なお、上記稼働状況と色との関係は一例に過ぎず、これに限定されない。
【0042】
第1部分75Aのうちイメージ画像77の左部および右部には、それぞれボタン80Aおよびボタン80Bが設けられている。ボタン80Aは、切削加工機20A~20Dのうち基本画面72Xに現在表示されている切削加工機の一つ前の切削加工機を基本画面72Xに表示する機能を有する。
図10に示す例では、基本画面72Xに第1切削加工機20Aが表示されているため、ボタン80Aを押すことによって基本画面72Xには第2切削加工機20Dが表示される。ボタン80Bは、切削加工機20A~20Dのうち基本画面72Xに現在表示されている切削加工機の一つ後の切削加工機を基本画面72Xに表示する機能を有する。
図10に示す例では、基本画面72Xに第1切削加工機20Aが表示されているため、ボタン80Bを押すことによって基本画面72Xには第1切削加工機20Bが表示される。ボタン80Aおよびボタン80Bは、切替部62として機能し得る。
【0043】
第1部分75Aのうちイメージ画像77の下部には、各切削加工機20A~20Dの稼働状況が表示される欄78Xが設けられている。「BUSY」と欄78Xに表示された場合には、切削加工機が動作中であることを示す。「OFFLINE」と欄78Xに表示された場合には、切削加工機の電源がオフの状態であることを示す。「READY」と欄78Xに表示された場合には、切削加工機がジョブデータを受信可能な状態であることを示す。「ERROR」と欄78Xに表示された場合には、切削加工機にエラーが発生している状態であることを示す。「PAUSE」と欄78Xに表示された場合には、切削加工機が一時停止の状態であることを示す。「COVER」と欄78Xに表示された場合には、切削加工機のカバー32が開いている状態であることを示す。「FINISH」と欄78Xに表示された場合には、切削加工機における加工が完了した状態であることを示す。なお、上記稼働状況と文字表示との関係は一例に過ぎず、これに限定されない。
【0044】
第1部分75Aのうち欄78Xの下部には、プログレスバー81が表示される。プログレスバー81は、加工の進捗状況を示す。
【0045】
第1部分75Aのうちプログレスバー81の下部の左側には、加工開始からの経過時間が表示される欄78Bが設けられている。
図10に示す例では、切削加工機20Aにおいて加工開始から20分が経過している。第1部分75Aのうちプログレスバー81の下部の右側には、加工を開始してから終了するまでの予想加工時間が表示される欄78Cが設けられている。
図10に示す例では、切削加工機20Aにおいて予想加工時間は1時間である。計数部64は、各切削加工機20A~20Dの加工開始からの経過時間を計数する。算出部66は、ジョブデータに基づいて、予想加工時間を算出する。
【0046】
第1部分75Aの上部右側には、アイコン76Aが配置されている。アイコン76Aには、制御対象となる切削加工機20A~20Dを第1部分75Aにリスト表示するための操作ボタンが組み込まれている。アイコン76Aを入力装置71によって選択することによって、第1部分75Aの表示が
図12に示すような表示に切り替わる。
【0047】
図12に示す例では、第1部分75Aの上部右側には、アイコン76Bが配置されている。アイコン76Bには、リストから選択された切削加工機20A~20Dのいずれか一つを第1部分75Aに表示するための操作ボタンが組み込まれている。アイコン76Bを入力装置71によって選択することによって、第1部分75Aの表示が
図10に示すような表示に切り替わる。
図12に示すように、第1部分75Aの第1表示欄75AAには、第1切削加工機20Aの簡略化された稼働状況が表示される。第1部分75Aの第2表示欄75ABには、第2切削加工機20Bの簡略化された稼働状況が表示される。第1部分75Aの第3表示欄75ACには、第3切削加工機20Cの簡略化された稼働状況が表示される。第1部分75Aの第4表示欄75ADには、第4切削加工機20Dの簡略化された稼働状況が表示される。第1部分75Aの第1表示欄75AAを入力装置71によって選択すると、第1切削加工機20Aの第1機種情報が基本画面72Xに表示されるように構成されている。第1部分75Aの第2表示欄75ABを入力装置71によって選択すると、第1切削加工機20Bの第1機種情報が基本画面72Xに表示されるように構成されている。第1部分75Aの第3表示欄75ACを入力装置71によって選択すると、第2切削加工機20Cの第2機種情報が基本画面72Xに表示されるように構成されている。第1部分75Aの第4表示欄75ADを入力装置71によって選択すると、第2切削加工機20Dの第1機種情報が基本画面72Xに表示されるように構成されている。第1表示欄75AA~第4表示欄75ADは、切替部62として機能し得る。
【0048】
第1部分75Aの第1表示欄75AA~第4表示欄75ADの左側には、各切削加工機20A~20Dの稼働状況が表示される欄78Xが設けられている。
【0049】
第1部分75Aの第1表示欄75AA~第4表示欄75ADの中央上部には、切削加工機20A~20Dの機種名が表示される欄78Aが設けられている。第1部分75Aの第1表示欄75AA~第4表示欄75ADの中央下部の左側には、加工開始からの経過時間が表示される欄78Bが設けられている。第1部分75Aの第1表示欄75AA~第4表示欄75ADの中央下部の右側には、加工を開始してから終了するまでの予想加工時間が表示される欄78Cが設けられている。
【0050】
第1部分75Aの第1表示欄75AA~第4表示欄75ADの右側には、切削加工機20A~20Dのイメージ画像77が表示される。
図12に示す例では、第1表示欄75AAおよび第2表示欄75ABには、加工装置および搬送装置を備えた切削加工機の第1イメージ画像77Aが表示されている。第3表示欄75ACおよび第4表示欄75ADには、加工装置を備えた切削加工機の第2イメージ画像77Bが表示されている。
【0051】
図10に示すように、共通領域74のうち基本画面72Xの下段72Bの左側には、第1画面75の第2部分75Bが表示される。第2部分75Bには、切削加工機20A~20Dの稼働状況を表示する欄78Dと、スピンドル33の回転数を表示する欄78Eと、現在使用している加工ツール6の情報を表示する欄78Fと、クランプ36に取り付けられたアダプタ8および被加工物5の情報を表示する欄78Gとが設けられている。
【0052】
図10に示すように、共通領域74のうち基本画面72Xの下段72Bの右側上部には、第1画面75の第3部分75Cが表示される。第3部分75Cには、制御装置54から受信したジョブデータが一覧表示される欄78Hが設けられている。ジョブデータに基づいて被加工物5の加工が完了した場合には、欄78Hに表示されるジョブデータは例えば灰色で表示され、ジョブデータに基づいて被加工物5の加工途中の場合には、欄78Hに表示されるジョブデータは例えば青色で表示され、ジョブデータに基づいて被加工物5の加工を開始する前の場合には、欄78Hに表示されるジョブデータは例えば黒色で表示される。
【0053】
図10に示すように、共通領域74のうち基本画面72Xの下段72Bの右側下部には、第1画面75の第4部分75Dが表示される。第4部分75Dには、5つのアイコン82A~82Eが横に並んで配置されている。アイコン82Aには、ジョブデータに基づいて被加工物5の加工を開始するための操作ボタンが組み込まれている。アイコン82Bには、被加工物5の加工を中断するための操作ボタンが組み込まれている。アイコン82Cには、加工ツール6の登録や選択等の設定を行う画面(図示せず)を基本画面72Xとは別に表示するための操作ボタンが組み込まれている。アイコン82Dには、各切削加工機20A~20Dの各種設定を行う画面を基本画面72Xとは別に表示するための操作ボタンが組み込まれている。アイコン82Eには、切削加工機20A~20Dの製造元のホームページへのリンクが挿入されている。このように、第1画面75に示された上述した各種項目は、第1機種情報と第2機種情報との間で共通する共通項目の一部に相当する。
【0054】
図10に示すように、第3表示部60は、切替部62によって第1機種情報の表示に切り替えられたとき、特定領域90に第1切削加工機20Aに関連付けられた第2画面91を表示する。より詳細には、第1切削加工機20Aを表示する基本画面72Xにおいて、特定領域90の左側には、第1機種情報に含まれる特定項目を示す第2画面91の一部が表示される。ここでは、特定項目としてのストッカー43に収容された被加工物5の被加工物情報が一覧表示される欄92Aが第2画面91に設けられている。欄92Aには、収容部43bの番号(被加工物情報の一例)を表示する第1領域92AAと、アダプタ8のID(被加工物情報の一例)を表示する第2領域92ABと、被加工物5の状態(被加工物情報の一例)を表示する第3領域92ACとが設けられている。
図10に示す例では、1番目の収容部43bに収容された被加工物5は加工が完了しているため、第3領域92ACには加工が完了したことを意味するアイコン93A(例えばチェックマークのアイコン)が表示されている。2番目の収容部43bに収容された被加工物5の加工が進行中であるため、第3領域92ACには加工が進行中であることを意味するアイコン93B(例えば加工ツールのアイコン)が表示されている。3番目および4番目の収容部43bに収容された被加工物5は、加工開始前であるため、第3領域92ACには、加工が開示前であることを示すアイコン93C(例えば加工前の被加工物のアイコン)が表示されている。5番目および6番目の収容部43bには、被加工物が収容されていないため全体がグレイアウトした表示となっている。
【0055】
図10に示すように、第3表示部60は、切替部62によって第1機種情報の表示に切り替えられたとき、特定領域90に第1切削加工機20Aに関連付けられた第2画面91を表示する。より詳細には、第1切削加工機20Aを表示する基本画面72Xにおいて、特定領域90の右側には、第1機種情報と第2機種情報との間で共通する共通項目の他の一部を示す第2画面91の一部が表示される。ここでは、ツールマガジン34の孔部34aに収容された加工ツール6のツール情報が一覧表示される欄92Bが第2画面91に設けられている。ツール情報には、ツールマガジン34の孔部34aの位置と、孔部34aに配置(挿入)された加工ツール6の情報(例えばツール番号)とが含まれる。欄92Bは、作業者がツールマガジン34を前方から見たときの、孔部34aの位置および孔部34aに挿入されている加工ツール6と対応するように表示されている。例えば、
図7の孔部34aaは、
図10の領域92BAに対応し、また、
図7の孔部34abは、
図10の領域92BBに対応する。
図10に示すように、欄92Bには、ツールマガジン34の各孔部34aに何番の加工ツール6が配置されているかが表示される。孔部34abに加工ツール6が収容されていない場合には、欄92Bにおける該孔部34aに対応する領域はグレイアウトした表示となる。本実施形態では、第1切削加工機20A、20Bに関連づけられた第2画面91とは、被加工物情報が一覧表示される欄92Aと、ツールマガジン34の孔部34aに収容された加工ツール6のツール情報が一覧表示される欄92Bとが設けられた画面である。
【0056】
図11に示すように、第3表示部60は、切替部62によって第2機種情報の表示に切り替えられたとき、特定領域90に第2切削加工機20Cに関連付けられた第2画面91を表示する。より詳細には、第2切削加工機20Cを表示する基本画面72Xにおいて、特定領域90には、第1機種情報と第2機種情報との間で共通する共通項目の他の一部を示す第2画面91が表示される。第2切削加工機20Cは、搬送装置40を備えていない、即ち複数の被加工物5を収容しないため、第2画面91には第1機種情報に含まれる特定項目(即ち被加工物情報)が表示されない。即ち、第2画面91は、上記欄92Bのみが設けられている。本実施形態では、第2切削加工機20C、20Dに関連付けられた第2画面91とは、ツールマガジン34の孔部34aに収容された加工ツール6のツール情報が一覧表示される欄92Bが設けられた画面である。このように、切替部62によって第1機種情報の表示または2機種情報の表示に切り替えられたとき、特定領域90に表示される項目は変更されるが、共通領域74に表示される項目は同じである。
【0057】
以上のように、本実施形態の切削加工システム10によれば、切替部62は、表示装置70に表示された基本画面72Xにおける第1機種情報の表示と第2機種情報の表示とを切り替える。このように、複数の切削加工機20A~20Dの機種情報の表示を切り替えて表示することができるため、それぞれの機種情報をまとめて表示する場合と比較して、表示装置70の表示スペースが煩雑になることが抑制される。また、切削加工機20A~20Dごとの情報が基本画面72Xに表示されるため、誤って異なる切削加工機を操作することが抑制される。さらに、第2表示部58は、第1切削加工機20A、20Bの第1機種情報および第2切削加工機20C、20Dの第2機種情報のうち共通する共通項目の一部を示す第1画面75を、表示装置70に表示された基本画面72Xの共通領域74に表示する。このように、複数の切削加工機20A~20D間で共通する情報が同じ共通領域74に表示されるため、作業者の管理負担が軽減する。さらにまた、第3表示部60は、第1切削加工機20A、20Bに関連付けられた第2画面91、または、第2切削加工機20C、20Dに関連付けられた第2画面91を、表示装置70に表示された基本画面72Xの特定領域90に表示する。このように、複数の切削加工機20A~20Dごとに関連付けられた第2画面91が特定領域90に表示されるため、作業者は特定領域90に表示された第2画面91を確認することによって、当該切削加工機がどのような特徴を備えているかを容易に確認することができる。
【0058】
本実施形態の切削加工システム10によれば、第2画面91に示される共通項目は、複数の加工ツール6のツール情報である。加工ツール6のツール情報は、歯冠補綴物の作製に関して比較的重要な情報である。加工ツール6のツール情報を作業者の注意が向きやすい特定領域90に表示することによって、作業者は随時加工ツール6のツール情報を確認することができる。
【0059】
本実施形態の切削加工システム10によれば、ツール情報には、ツールマガジン34の孔部34aの位置と、孔部34aに配置された加工ツール6の情報とが含まれる。これにより、作業者は、ツールマガジン34のどの孔部34aにどの加工ツール6が配置されているかを容易に確認することができる。
【0060】
本実施形態の切削加工システム10によれば、第1切削加工機20A、20Bに関する第2画面91に示される特定項目は、被加工物5の被加工物情報である。このように、特定領域90に複数の被加工物5の被加工物情報を表示することによって、作業者は該切削加工機が複数の被加工物5を備えるという特徴および各被加工物5の加工状況等を容易に確認することができる。
【0061】
本実施形態の切削加工システム10によれば、被加工物情報には、被加工物5の加工が完了したことを示す第1アイコン93Aと、被加工物5の加工が進行中であることを示す第2アイコン93Bと、被加工物5の加工が開始前であることを示す第3アイコン93Cとが含まれる。これにより、作業者は、各被加工物5の現在の加工状況を容易に確認することができる。
【0062】
本実施形態の切削加工システム10によれば、第1画面75に示される共通項目は、第1切削加工機20A、20Bおよび第2切削加工機20C、20Dにおける加工開始からの経過時間である。これにより、作業者は、第1切削加工機20A、20Bおよび第2切削加工機20C、20Dの加工時間を容易に確認することができる。
【0063】
図13は、第2実施形態に係る表示装置70に表示された基本画面72Xの一例であり、第1切削加工機20Aの第1機種情報が表示された状態を示す図である。
図14は、第2実施形態に係る表示装置70に表示された基本画面72Xの一例であり、第2切削加工機20Cの第2機種情報が表示された状態を示す図である。
図13および
図14に示すように、共通領域74は、基本画面72Xの上段72Aの中央部分および基本画面72Xの下段72Bに位置する。特定領域90は、基本画面72Xの上段72Aの右側に位置する第1特定領域90Aと、基本画面72Xの上段72Aの左側に位置する第2特定領域90Bとを有する。
【0064】
図13に示すように、共通領域74のうち基本画面72Xの上段72Aの中央部分には、
図10に示す第1画面75の第1部分75Aが表示される。共通領域74のうち基本画面72Xの下段72Bの左側には、
図10に示す第1画面75の第3部分75Cが表示される。共通領域74のうち基本画面72Xの下段72Bの中央部分には、
図10に示す第1画面75の第2部分75Bが表示される。共通領域74のうち基本画面72Xの下段72Bの右側には、
図10に示す第1画面75の第4部分75Dが表示される。
【0065】
図13に示すように、第1切削加工機20Aを表示する基本画面72Xにおいて、特定領域90Aには、第1機種情報と第2機種情報との間で共通する共通項目の他の一部を示す第2画面91の一部が表示される。ここでは、ツールマガジン34の孔部34aに収容された加工ツール6のツール情報が一覧表示される欄92Bが第2画面91に設けられている。
【0066】
図13に示すように、第1切削加工機20Aを表示する基本画面72Xにおいて、特定領域90Bには、第1機種情報に含まれる特定項目を示す第2画面91の一部が表示される。ここでは、特定項目としてのストッカー43に収容された被加工物5の被加工物情報が一覧表示される欄92Aが第2画面91に設けられている。
【0067】
図14に示すように、第2切削加工機20Cは、搬送装置40を備えていないが、第2画面91には第1機種情報に含まれる特定項目(即ち被加工物情報)が一覧表示される欄92Aが設けられている。ここで、第3表示部60は、第2機種情報の表示に切り替えられたとき、即ち、
図13に示す基本画面72Xから
図14に示す基本画面72Xに切り替えられたとき、被加工物情報(特定項目)をグレイアウトして表示させる。
【0068】
なお、アイコン82Dを入力装置71によって選択することによって、
図15に示すような設定画面95が画面72上に表示される。設定画面95に設けられたタブ95Aを選択すると、基本画面72Xのレイアウトを選択することがラジオボタン96A、96Bが表示される。ラジオボタン96Aを選択すると
図10に示すような基本画面72Xが表示され、ラジオボタン96Bを選択すると
図13に示すような基本画面72Xが表示される。
【0069】
本実施形態の切削加工システム10によれば、第3表示部60は、第2機種情報の表示に切り替えられたとき、被加工物情報をグレイアウトして表示させる。第1切削加工機20A、20Bがストッカー43を備え、第2切削加工機20C、20Dがストッカー43を備えないとき、特定領域90に表示された第2画面91を異なる切削加工機20A~20D間で共通化することによって、基本画面72Xの構成がより簡略化される。ここで、第2切削加工機20C、20Dはストッカー43を備えていないので、被加工物情報がグレイアウトして表示されることによって、作業者は、第2切削加工機20C、20Dはストッカー43を備えていないという特徴を有することを確認することができる。
【0070】
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
【0071】
上述した実施形態では、基本画面72Xは2つのレイアウト表示を備えていたが、これに限定されない。また、共通領域74および特定領域90の配置および大きさは特に限定されない。
【0072】
上述した実施形態では、第1切削加工機20A、20Bと第2切削加工機20C、20Dとの間において表示の一部を共通化していたがこれに限定されない。第1切削加工機20A、20Bおよび第2切削加工機20C、20Dとは異なる1種類以上の切削加工機と、切削加工機20A~20Dとの間において表示の一部を共通化してもよい。
【符号の説明】
【0073】
5 被加工物
10 切削加工システム(システム)
20A~20D 切削加工機
50 操作端末
54 制御装置
56 第1表示部
58 第2表示部
60 第3表示部
62 切替部
70 表示装置(ディスプレイ)
72X 基本画面
74 共通領域
75 第1画面
90 特定領域
91 第2画面