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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】車載装置、サーバ、情報システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20220107BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20220107BHJP
   G08G 1/01 20060101ALI20220107BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220107BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20220107BHJP
   B60W 40/02 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/13
G08G1/01 A
G08G1/09 F
B60W50/14
B60W40/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018032419
(22)【出願日】2018-02-26
(65)【公開番号】P2019148920
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2020-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 新
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/151749(WO,A1)
【文献】特開2017-032422(JP,A)
【文献】特開2017-207967(JP,A)
【文献】特開2017-198585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30、30/00-50/16
G01C 21/00-21/36、23/00-25/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転可能な車両に搭載される車載装置であって、
前記車両で自動運転に用いられる自動運転要素の種類を表す自動運転要素情報をサーバに送信し、前記自動運転要素に応じた道路ごとの自動運転割合を表す自動運転割合情報を前記サーバから受信する通信制御部と、
前記通信制御部が受信した前記自動運転割合情報に基づいて前記車両の自動運転計画を表示させる制御を行う表示制御部と、を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置において、
前記自動運転要素は、前記車両の周囲環境を検出する周囲環境検出装置と、前記車両が走行する道路の地図データとを含み、
前記自動運転要素情報は、前記周囲環境検出装置の種類を表す情報と、前記地図データの種類を表す情報とを含むことを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車載装置において、
前記車両の目的地までの走行経路を設定する経路設定部を備え、
前記通信制御部は、前記経路設定部が設定した前記走行経路に含まれる各道路について前記自動運転割合情報を前記サーバから受信することを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車載装置において、
前記表示制御部は、前記車両が自動運転で走行できる可能性を道路ごとに示した前記自動運転計画を表示させる制御を行うことを特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車載装置において、
前記車両が自動運転または手動運転で走行した道路の履歴を表す走行履歴を記録する走行履歴記録部を備え、
前記通信制御部は、前記走行履歴記録部が記録した前記走行履歴を前記サーバに送信することを特徴とする車載装置。
【請求項6】
自動運転可能な複数の車両にそれぞれ搭載された複数の車載装置と接続可能なサーバであって、
前記複数の車両がそれぞれ自動運転または手動運転で走行した道路の履歴を表す走行履歴を前記複数の車載装置からそれぞれ収集する走行履歴収集部と、
前記複数の車両でそれぞれ自動運転に用いられる自動運転要素の種類と、前記走行履歴収集部が収集した前記複数の車両の走行履歴とに基づいて、前記複数の車両の道路ごとの自動運転履歴を記録する自動運転履歴記録部と、
前記複数の車両のいずれかを対象車両とし、前記自動運転履歴記録部が記録した前記自動運転履歴を用いて、前記対象車両に対応する自動運転割合を道路ごとに決定する自動運転割合決定部と、
前記自動運転割合決定部が決定した道路ごとの自動運転割合を表す自動運転割合情報を前記対象車両の車載装置に送信する通信制御部と、を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項7】
請求項6に記載のサーバにおいて、
前記自動運転割合決定部は、前記対象車両の前記自動運転要素と同等以下の機能および/または性能を有する前記自動運転要素を備えた車両の前記走行履歴に基づいて記録された前記自動運転履歴を用いて、前記対象車両に対応する自動運転割合を決定することを特徴とするサーバ。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のサーバにおいて、
前記自動運転履歴記録部は、前記走行履歴収集部が前記走行履歴を収集した道路を前記複数の車両がそれぞれ走行した時の自動運転の作動条件ごとに前記自動運転履歴を記録し、
前記自動運転割合決定部は、前記対象車両が前記道路を走行する時の自動運転の作動条件に対応して記録された前記自動運転履歴を用いて、前記対象車両に対応する自動運転割合を決定することを特徴とするサーバ。
【請求項9】
請求項8に記載のサーバにおいて、
前記作動条件は、時間帯、天候、路面状況の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とするサーバ。
【請求項10】
請求項6から請求項9のいずれか一項に記載のサーバにおいて、
前記自動運転要素は、前記車両の周囲環境を検出する周囲環境検出装置と、前記車両が走行する道路の地図データとを含むことを特徴とするサーバ。
【請求項11】
請求項6から請求項10のいずれか一項に記載のサーバにおいて、
前記通信制御部は、前記対象車両の目的地までの走行経路に含まれる各道路について前記自動運転割合情報を前記対象車両の車載装置に送信することを特徴とするサーバ。
【請求項12】
自動運転可能な複数の車両にそれぞれ搭載される複数の車載装置と、
前記複数の車載装置と接続可能なサーバと、を有し、
前記複数の車載装置の各々は、
前記車両で自動運転に用いられる自動運転要素の種類を表す自動運転要素情報と、前記車両が自動運転または手動運転で走行した道路の履歴を表す走行履歴と、を前記サーバに送信し、前記自動運転要素に応じた道路ごとの自動運転割合を表す自動運転割合情報を前記サーバから受信する車載通信制御部と、
前記車載通信制御部が受信した前記自動運転割合情報に基づいて前記車両の自動運転計画を表示させる制御を行う表示制御部と、を備え、
前記サーバは、
前記複数の車載装置からそれぞれ送信された前記自動運転要素情報および前記走行履歴に基づいて、前記複数の車両の道路ごとの自動運転履歴を記録する自動運転履歴記録部と、
前記複数の車両のいずれかを対象車両とし、前記自動運転履歴記録部が記録した前記自動運転履歴を用いて、前記対象車両に対応する前記自動運転割合を道路ごとに決定する自動運転割合決定部と、
前記自動運転割合決定部が決定した道路ごとの前記自動運転割合を表す前記自動運転割合情報を前記対象車両の車載装置に送信するサーバ通信制御部と、を備えることを特徴とする情報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置、サーバおよび情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動運転を行う車両において、車両が走行を開始する際に、どの道路で自動運転が可能かを運転者に示すことで自動運転の計画を通知する装置が知られている。下記の特許文献1には、運転支援センサ(11)と、駆動、制動および操舵を実現するアクチュエータ(12)と、前記運転支援センサの検出結果に基づいて前記アクチュエータを制御することで自動運転を行う運転支援装置(13)とが搭載された車両に用いられる自動運転計画表示装置であって、前記運転支援装置による前記自動運転が可能な条件を示す使用条件データを取得する使用条件データ取得手段(120)と、道路上の状況の情報である概要環境データを取得する概要環境データ取得手段(130)と、目的地までの走行コースを計算する走行コース計算手段(150)と、前記概要環境データのうち、前記走行コースに含まれる道路上の状況の情報を、前記使用条件データに当てはめることで、前記走行コースに含まれる複数の道路区間の各々における前記自動運転の可能、不可能を、前記走行コースにおける自動運転の開始前に、ドライバーに報知する報知手段(160、170、180)と、を備えた自動運転計画表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-206655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された自動運転計画表示装置では、道路の天候情報、昼夜情報、渋滞情報、工事情報などを概要環境データとして取得し、自動運転が可能か否かを判断している。しかしながら、自動運転の可否に影響を及ぼす要因は他にも多数存在するため、自動運転が可能と判断された道路であっても、実際には自動運転が可能ではない場合がある。また、車両に搭載されるセンサ等の構成や性能によっても自動運転の可否が変化する。したがって、自動運転の計画をユーザに正確に通知するのは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による車載装置は、自動運転可能な車両に搭載されるものであって、前記車両で自動運転に用いられる自動運転要素の種類を表す自動運転要素情報をサーバに送信し、前記自動運転要素に応じた道路ごとの自動運転割合を表す自動運転割合情報を前記サーバから受信する通信制御部と、前記通信制御部が受信した前記自動運転割合情報に基づいて前記車両の自動運転計画を表示させる制御を行う表示制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によるサーバは、自動運転可能な複数の車両にそれぞれ搭載された複数の車載装置と接続可能なものであって、前記複数の車両がそれぞれ自動運転または手動運転で走行した道路の履歴を表す走行履歴を前記複数の車載装置からそれぞれ収集する走行履歴収集部と、前記複数の車両でそれぞれ自動運転に用いられる自動運転要素の種類と、前記走行履歴収集部が収集した前記複数の車両の走行履歴とに基づいて、前記複数の車両の道路ごとの自動運転履歴を記録する自動運転履歴記録部と、前記複数の車両のいずれかを対象車両とし、前記自動運転履歴記録部が記録した前記自動運転履歴を用いて、前記対象車両に対応する自動運転割合を道路ごとに決定する自動運転割合決定部と、前記自動運転割合決定部が決定した道路ごとの自動運転割合を表す自動運転割合情報を前記対象車両の車載装置に送信する通信制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明による情報システムは、自動運転可能な複数の車両にそれぞれ搭載される複数の車載装置と、前記複数の車載装置と接続可能なサーバと、を有し、前記複数の車載装置の各々は、前記車両で自動運転に用いられる自動運転要素の種類を表す自動運転要素情報と、前記車両が自動運転または手動運転で走行した道路の履歴を表す走行履歴と、を前記サーバに送信し、前記自動運転要素に応じた道路ごとの自動運転割合を表す自動運転割合情報を前記サーバから受信する車載通信制御部と、前記車載通信制御部が受信した前記自動運転割合情報に基づいて前記車両の自動運転計画を表示させる制御を行う表示制御部と、を備え、前記サーバは、前記複数の車載装置からそれぞれ送信された前記自動運転要素情報および前記走行履歴に基づいて、前記複数の車両の道路ごとの自動運転履歴を記録する自動運転履歴記録部と、前記複数の車両のいずれかを対象車両とし、前記自動運転履歴記録部が記録した前記自動運転履歴を用いて、前記対象車両に対応する前記自動運転割合を道路ごとに決定する自動運転割合決定部と、前記自動運転割合決定部が決定した道路ごとの前記自動運転割合を表す前記自動運転割合情報を前記対象車両の車載装置に送信するサーバ通信制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、自動運転の計画をユーザに正確に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る情報システムの構成図
図2】本発明の一実施形態に係る車載装置、サーバおよびHMI装置の構成図
図3】走行履歴DBにおけるデータ構造例を示す図
図4】自動運転履歴DBにおけるデータ構造例を示す図
図5】本発明の一実施形態に係る情報システムにおける走行履歴記録時の車載装置の動作を示すフローチャート
図6】本発明の一実施形態に係る情報システムにおける走行履歴収集時のサーバの動作を示すフローチャート
図7】本発明の一実施形態に係る情報システムにおける自動運転計画表示時の車載装置の動作を示すフローチャート
図8】本発明の一実施形態に係る情報システムにおける自動運転割合情報提供時のサーバの動作を示すフローチャート
図9】自動運転計画の表示画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る情報システムの構成図である。図1に示す情報システムは、車両100に搭乗しているユーザに対して、車両100の自動運転計画に関する情報提供を行うものであり、車両100に搭載されている車載装置1および通信端末2と、通信回線網3と、サーバ4とによって構成される。なお、車載装置1と通信端末2は、有線あるいは無線接続によって接続されている。
【0009】
車載装置1には、車両100の周囲環境を検出する装置である周囲環境検出装置5と、車載装置1とユーザ間のインタフェースを提供するHMI装置6と、車両100の走行に関する様々な処理や制御を行う車両制御装置7とが、車両100内に設けられた車載通信ネットワーク8を介して接続されている。車載通信ネットワーク8は、たとえばCAN(Controller Area Network)である。車両制御装置7は、周囲環境検出装置5による周囲環境の検出結果と、車載装置1が有する地図データとを、車載通信ネットワーク8を介して取得し、これらを用いて車両100の走行制御を行うことで、ユーザが行う運転操作の一部または全部を代替し、車両100を自動運転させることができる。すなわち、車載装置1、周囲環境検出装置5および車両制御装置7により、自動運転可能な車両100が実現される。
【0010】
周囲環境検出装置5は、たとえば車両100の前方、後方、左右の両側方などに設置されて車両100の周囲を撮影するカメラや、車両100の周囲に電波、赤外線、音波等を送信してその反射波を受信することで車両100の周囲環境を検出するレーダやLiDAR(Light Detection and Ranging)、ソナーなどにより実現される。なお、以下では赤外線等の光を用いたLiDARや音波を用いたソナーもレーダの一種として説明する。車両制御装置7は、たとえばECU(Electronic Control Unit)であり、その機能や制御対象に応じて様々な種類のものが車両100に搭載されている。
【0011】
車両制御装置7は、車載通信ネットワーク8を介して、周囲環境検出装置5から周囲環境情報を取得すると共に、車載装置1から車両100の現在位置付近の地図情報を取得する。周囲環境情報とは、周囲環境検出装置5が検出した車両100の周囲環境を表す情報であり、その内容は周囲環境検出装置5の種類によって異なる。車両100の周囲に障害物が存在する場合、車両制御装置7は、その障害物の位置や大きさ、動き等に関する情報を周囲環境情報として周囲環境検出装置5から取得することができる。一方、車載装置1から取得する車両100の現在位置付近の地図情報には、車両100が走行している道路の形状、幅、車線数等を表す情報が含まれる。車両制御装置7は、これらの情報に基づいて車両100の走行状態を制御することで、車両100の自動運転を行う。なお、車両制御装置7が自動運転に使用する地図情報は、車載装置1以外の装置から取得してもよい。また、他の装置から地図情報を取得せずに、車両制御装置7自身が有する地図情報を用いて車両100の自動運転を行ってもよい。
【0012】
ただし、周囲環境検出装置5による車両100の周囲環境の検出精度が不十分である場合や、地図情報の精度が不十分である場合などには、車両制御装置7は自動運転の危険性が高いと判断し、手動運転への切り替えを要求する。車両制御装置7が自動運転から手動運転への切り替えを要求すると、HMI装置6は、ユーザへの警告を行い、車両100の自動運転を停止して手動運転に切り替えるようにユーザに要求する。この要求に応じてユーザがHMI装置6を用いて所定の切り替え操作を行うと、車両制御装置7が自動運転を停止することで、車両100はユーザの手動運転により走行する。なお、この場合でも周囲環境検出装置5から取得した周囲環境情報を用いて、たとえば車両100の周囲に存在する障害物をユーザに報知するなど、ユーザへの運転補助を行ってもよい。
【0013】
通信端末2は、車載装置1の制御により、必要に応じて通信回線網3と無線接続を行う。通信回線網3には、サーバ4が接続されている。すなわち車載装置1は、通信端末2と通信回線網3を介してサーバ4に接続することで、サーバ4と通信可能である。通信端末2と通信回線網3が無線接続する際には、通信回線網3が有する不図示の無線基地局が用いられる。この無線基地局は、周囲の所定の通信エリア内にある通信端末2と無線通信することが可能であり、様々な場所に設置されている。なお、通信端末2は、たとえば携帯電話などである。また、通信回線網3は、たとえば携帯電話回線網やインターネットなどにより構築される。
【0014】
サーバ4には、車両100を含めた多数の車両の自動運転履歴が格納されている。車載装置1は、車両100が自動運転または手動運転で走行した道路の履歴を表す走行履歴をサーバ4に送信する。サーバ4は、車載装置1から送信された走行履歴を受信することで、これに基づいて車両100の自動運転履歴を記録することができる。
【0015】
なお、図1では一台の車両100に搭載された一つの車載装置1がサーバ4に接続されている例を示したが、実際には、多数の車両にそれぞれ搭載された車載装置がサーバ4に接続されており、各車載装置がそれぞれのユーザに対して情報提供を行う。本実施形態では、そのうち一つの車載装置1を代表例としてその動作を説明するが、他の車載装置でも同様である。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態に係る車載装置1、サーバ4およびHMI装置6の構成図である。図2に示すように、車載装置1は、制御部10、記憶部20および現在位置検出部30を備える。サーバ4は、制御部110および記憶部120を備える。HMI装置6は、表示部61および操作入力部62を備える。
【0017】
車載装置1の制御部10は、不図示のCPU、ROM、RAM等により構成されており、車載装置1を動作させるための様々な処理や演算を行う。制御部10は、その機能として、通信制御部11、自動運転要素情報取得部12、現在位置取得部13、表示制御部14、車内通信インタフェース部15、作動条件特定部16、経路設定部17および走行履歴記録部18の各機能ブロックを有する。制御部10は、たとえばROMに記憶されているプログラムをRAMに展開してCPUが実行することで、これらの機能ブロックを実現することができる。なお、制御部10が有するこれらの機能ブロックの詳細については、後で説明する。
【0018】
記憶部20は、不揮発性の記憶媒体であり、たとえばHDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)、メモリカード等を用いて構成される。記憶部20は、地図に関する様々な情報、たとえば道路の位置、接続、形状、幅、車線数等の情報や、地形、都市名、地域名、地図上の様々な施設(POI:Point of Interest)等の情報をデータベース化した地図DB21を有する。すなわち、車載装置1が行う地図画面の表示や、車両制御装置7が行う車両100の自動運転に用いられる地図データは、記憶部20に地図DB21として記憶されている。さらに記憶部20は、車両100が自動運転または手動運転で走行した道路の履歴を表す走行履歴をデータベース化して記録した走行履歴DB22と、車両100で自動運転に用いられる自動運転要素の種類や動作状態を表す自動運転要素情報23とを有する。ここで、自動運転要素情報23が表す自動運転要素の種類とは、たとえば車載装置1に接続されて車両100の自動運転に用いられる周囲環境検出装置5の種類や動作状態、地図DB21の種類などである。なお、制御部10においてCPUが実行するプログラムの一部または全部を記憶部20に格納してもよい。
【0019】
現在位置検出部30は、車両100の現在位置、すなわち車両100に搭乗しているユーザの現在位置を検出し、その検出結果を制御部10に出力する。現在位置検出部30は、たとえばGPSセンサ等を用いて構成される。なお、現在位置検出部30としてGPSセンサを用いる場合、GPS信号に基づく現在位置の計算を制御部10において行ってもよい。以下では、現在位置検出部30により検出された車両100の現在位置(ユーザの現在位置)を単に「現在位置」と称する。
【0020】
HMI装置6において、表示部61は、車載装置1が有する表示制御部14の制御に応じて様々な画像や映像を表示する。表示部61は、たとえば液晶ディスプレイを用いて構成される。操作入力部62は、ユーザからの操作入力を受けつけてその操作内容に応じた操作情報を車載装置1に出力する。操作入力部62は、たとえば表示部61と一体化されたタッチパネルや各種スイッチ類により構成される。
【0021】
サーバ4の制御部110は、不図示のCPU、ROM、RAM等により構成されており、サーバ4を動作させるための様々な処理や演算を行う。制御部110は、その機能として、通信制御部111、走行履歴収集部112、作動条件情報収集部113、自動運転履歴記録部114および自動運転割合決定部115の各機能ブロックを有する。制御部110は、たとえばROMに記憶されているプログラムをRAMに展開してCPUが実行することで、これらの機能ブロックを実現することができる。なお、制御部110が有するこれらの機能ブロックの詳細については、後で説明する。
【0022】
記憶部120は、不揮発性の記憶媒体であり、たとえばHDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)、メモリカード等を用いて構成される。記憶部120は、サーバ4と接続される車両100を含む多数の車両の自動運転履歴をデータベース化した自動運転履歴DB121と、各車両での自動運転の作動条件に関する作動条件情報をデータベース化した作動条件情報DB122とを有する。なお、制御部110においてCPUが実行するプログラムの一部または全部を記憶部120に格納してもよい。
【0023】
次に、車載装置1の制御部10およびサーバ4の制御部110の各機能ブロックについて説明する。
【0024】
通信制御部11は、車載装置1が通信端末2および通信回線網3を介してサーバ4との間で通信を行う際に、通信端末2の制御を実施する。車載装置1は、通信制御部11を用いて通信端末2を制御することにより、サーバ4との間で情報の送受信を行うことができる。
【0025】
自動運転要素情報取得部12は、周囲環境検出装置5や地図DB21から自動運転要素情報23を取得し、記憶部20に格納する。具体的には前述のように、周囲環境検出装置5からは、その種類や動作状態を示す情報を取得し、地図DB21からは、車両制御装置7が行う自動運転において利用される地図情報の種類を示す情報を取得する。そして、これらの情報を組み合わせ、自動運転要素情報23として記憶部20に記憶させる。
【0026】
現在位置取得部13は、現在位置検出部30から現在位置の検出結果を取得し、地図DB21を参照して、車両100が走行している道路に対応するリンクを特定する。そして、たとえば車両100が交差点を通過したりすることでリンクが変化すると、その旨を走行履歴記録部18に通知する。
【0027】
表示制御部14は、記憶部20に記憶されている地図DB21を用いて地図画面をHMI装置6の表示部61に表示させる制御を行う。この地図画面には、現在位置から車両100がこれから向かう予定の目的地までの走行経路が示されると共に、走行経路に対する車両100の自動運転計画が表示される。なお、表示制御部14により表示部61に表示される自動運転計画の具体例については、後で説明する。また、表示制御部14は、周囲環境検出装置5としてカメラが搭載されている場合に、そのカメラから取得した撮影画像に基づいて生成された車両100の周囲環境を示す画像などを、表示部61に表示させてユーザに提供することもできる。
【0028】
車内通信インタフェース部15は、車載装置1が車載通信ネットワーク8を介して他の装置と情報を送受信する際のインタフェース処理を行う。なお、制御部10とは別のハードウェア構成を用いて車内通信インタフェース部15を実現してもよい。たとえば、車載通信ネットワーク8がCANである場合、CANコントローラを車内通信インタフェース部15として利用することも可能である。
【0029】
作動条件特定部16は、車両100が各道路を自動運転または手動運転で走行した際の自動運転の作動条件を特定する。自動運転の作動条件とは、車両100における自動運転の作動に影響を及ぼす条件、すなわち周囲環境検出装置5による車両100の周囲環境の検出精度に影響を及ぼす条件のことであり、具体的には時間帯、天候、路面状況等である。作動条件特定部16は、たとえば周囲環境検出装置5に含まれるカメラの撮影画像や、車両100のワイパーの作動状況などに基づき、自動運転の作動条件を特定することができる。なお、車両100での自動運転の作動に影響を及ぼすものであれば、これ以外の条件を自動運転の作動条件として特定してもよい。作動条件特定部16が特定した自動運転の作動条件は、道路ごとの車両100の走行履歴と対応付けて、走行履歴DB22に記録される。
【0030】
経路設定部17は、HMI装置6の操作入力部62を介してユーザが入力した目的地の情報に基づき、地図DB21を用いて車両100の目的地を設定する。なお、HMI装置6以外の他の装置から目的地の設定情報を取得してもよい。そして、現在位置取得部13が取得した現在位置から設定した目的地までの経路を計算し、求められた経路を車両100の走行経路に設定する。なお、車両100の走行履歴等に基づいて、目的地の推定や目的地までの経路計算を行ってもよい。また、経路計算を車載装置1以外の装置、たとえばサーバ4で行うようにしてもよい。
【0031】
走行履歴記録部18は、現在位置取得部13が特定した車両100の走行リンクに基づいて、車両100の走行履歴をリンク単位で走行履歴DB22に記録する。走行履歴DB22には、車両100の走行履歴として、車両100が自動運転と手動運転のどちらで走行したかを表す情報がリンクごとに記録される。走行履歴DB22に記録された車両100の走行履歴は、通信制御部11により所定のタイミングで車載装置1からサーバ4に送信され、サーバ4の走行履歴収集部112において収集される。なお、走行履歴DB22の詳細については、後で図3を参照して説明する。
【0032】
通信制御部111は、サーバ4が通信端末2および通信回線網3を介して車載装置1との間で通信を行う際に必要な通信制御を実施する。通信制御部111は、たとえば、サーバ4と通信回線網3との間のインタフェース処理などを通信制御において実施する。
【0033】
走行履歴収集部112は、車載装置1から所定のタイミングで送信されて通信制御部111により受信される車両100の走行履歴を収集する。なお、走行履歴収集部112は、車両100に搭載された車載装置1以外に、サーバ4に接続された多数の車両にそれぞれ搭載された車載装置からも、各車両の走行履歴を同様に収集する。走行履歴収集部112が収集した車両100を含む各車両の走行履歴は、記憶部120において一時的に記憶され、自動運転履歴記録部114が行う処理に利用される。
【0034】
作動条件情報収集部113は、車両100を含む各車両が道路を走行する際の自動運転の作動条件に関する作動条件情報を収集し、作動条件情報DB122に蓄積する。作動条件情報収集部113は、たとえば不図示の外部サーバと接続し、外部サーバから各地の天候や路面状況などの情報を作動条件情報として収集する。なお、自動運転の作動条件に関するもの、すなわち各車両での自動運転の作動に影響を及ぼすものであれば、これ以外の情報を作動条件情報として収集してもよい。
【0035】
自動運転履歴記録部114は、走行履歴収集部112が収集した各車両の走行履歴に基づいて、サーバ4に接続されている車両の道路ごとの自動運転履歴を自動運転履歴DB121に記録する。このとき自動運転履歴記録部114は、各車両でそれぞれ自動運転に用いられる自動運転要素の種類と、各車両が自動運転または手動運転で道路を走行したときの自動運転の作動条件とを用いて、各車両の走行履歴を分類する。そして、分類ごとの車両の走行履歴から自動運転で走行した車両の割合をリンク単位で求め、その結果を自動運転履歴DB121に記録する。なお、走行履歴の分類方法や、自動運転履歴DB121の詳細については、後で図4を参照して説明する。
【0036】
自動運転割合決定部115は、車載装置1からの要求に応じて、自動運転履歴DB121を用いて車両100に対応する自動運転割合を道路のリンクごとに決定する。このとき自動運転割合決定部115は、車載装置1から送信されて通信制御部111により受信される自動運転要素情報23に基づいて、車両100で自動運転に用いられる自動運転要素の種類を特定し、これに応じた自動運転履歴を自動運転履歴DB121から取得する。そして、取得した自動運転履歴を用いて、車両100に対応する自動運転割合をリンク単位で算出する。自動運転割合決定部115が決定した道路のリンクごとの自動運転割合を表す情報は、自動運転割合情報として通信制御部111によりサーバ4から車載装置1に送信され、表示制御部14が行う車両100の自動運転計画の表示制御において利用される。なお、リンクをさらに細かく分割し、自動運転割合を算出するようにしてもよい。また、自動運転割合決定部115による自動運転割合の決定方法の詳細については、後で図8のフローチャートを参照して説明する。
【0037】
なお、車両100以外の車両に搭載された車載装置から自動運転割合情報の要求があった場合にも、自動運転割合決定部115において同様の処理が行われるが、本実施形態では、車両100に搭載された車載装置1から自動運転割合情報の要求が行われたものとして説明している。
【0038】
次に、走行履歴DB22の詳細について説明する。図3は、走行履歴DB22におけるデータ構造例を示す図である。走行履歴DB22には、たとえば図3のようなデータ構造で、車両100の走行履歴が記録される。図3のデータ構造において、走行履歴DB22は、複数のレコードにより構成されており、車両ID201、メッシュID202、リンクID203、自動運転要素204、作動条件205、自動運転206の各フィールドを有する。
【0039】
車両ID201には、車両100に固有のID番号が各レコードで共通に格納される。走行履歴DB22に記録された車両100の走行履歴が車載装置1からサーバ4に送信されると、サーバ4は、その走行履歴に含まれる車両ID201の値を参照することで、どの車両から送信された走行履歴であるかを識別することができる。
【0040】
メッシュID202とリンクID203には、当該レコードに対応する地図メッシュとリンクのID番号がそれぞれ格納される。図3の例では、地図メッシュ「M1」に属するリンク「L1」、「L2」を車両100が走行済みであり、これらのリンクの走行履歴が走行履歴DB22において記録されていることを示している。すなわち、走行履歴DB22の各レコードは、車両100が走行した各リンクに対応している。他のリンクについても、同様のデータ構造による情報が走行履歴DB22において記録されている。
【0041】
自動運転要素204には、当該レコードに対応するリンクを車両100が走行した際の自動運転要素の種類や機能、性能、動作状態等に関する情報が格納される。図3の例では、車両100に搭載されている周囲環境検出装置5におけるカメラやレーダの種類と、これらのハードウェアやソフトウェアの種類を表す情報、および、車両100に搭載されている車載装置1が有する地図データの種類(バージョン)を表す情報が、自動運転要素204に格納されている。なお、自動運転要素204に格納される情報は図3の例に限らない。車両100が有する自動運転要素を適切に分類できるものであれば、任意の情報を自動運転要素204に格納することができる。
【0042】
作動条件205には、当該レコードに対応するリンクを車両100が走行した際の自動運転の作動条件に関する情報が格納される。図3の例では、時間帯を表す情報である「早朝」と、天候を表す情報である「晴」と、路面状況を表す情報である「良好」とが、作動条件205に格納されている。なお、作動条件205に格納される情報は図3の例に限らない。自動運転の作動条件を適切に分類できるものであれば、任意の情報を作動条件205に格納することができる。
【0043】
自動運転206には、当該レコードに対応するリンクを車両100が自動運転と手動運転のどちらで走行したかを表す情報が格納される。図3の例では、自動運転で走行したことを示す「〇」が自動運転206に格納されている。
【0044】
走行履歴DB22には、車両100について上記のようなデータ構造による走行履歴が道路ごとに記録され、サーバ4に送信される。なお、図3に示した走行履歴DB22のデータ構造はあくまで一例であり、車両100が各道路を自動運転と手動運転のどちらで走行したかを表す走行履歴が適切に記録できるものであれば、任意のデータ構造とすることが可能である。たとえば、メッシュID202やリンクID203の代わりに、各道路の位置を示す緯度経度などを記録してもよい。このようにすれば、サーバ4に走行履歴を送信する複数の車載装置が異なる地図データ構造を有していた場合でも、各車載装置から送信される走行履歴をサーバ4において適切に管理することが可能となる。
【0045】
次に、自動運転履歴DB121の詳細について説明する。図4は、自動運転履歴DB121におけるデータ構造例を示す図である。自動運転履歴DB121には、たとえば図4のようなデータ構造で、車両100を含む複数の車両の自動運転履歴が記録される。図4のデータ構造において、自動運転履歴DB121は、複数のレコードにより構成されており、メッシュID301、リンクID302、自動運転要素303、作動条件304、自動運転履歴305の各フィールドを有する。
【0046】
メッシュID301とリンクID302には、図3のメッシュID202およびリンクID203と同様に、当該レコードに対応する地図メッシュとリンクのID番号がそれぞれ格納される。図4の例では、地図メッシュ「M1」に属するリンク「L1」について、自動運転履歴DB121に記録されている情報の一部を示している。他のリンクについても、同様のデータ構造による情報が自動運転履歴DB121において記録されている。
【0047】
自動運転要素303には、図3の自動運転要素204と同様に、当該レコードに対応する自動運転要素の種類や機能、性能等に関する情報が格納される。図4の例では、各車両に搭載されているカメラやレーダの種類と、これらのハードウェアやソフトウェアの種類を表す情報、および、各車両に搭載されている車載装置が有する地図データの種類(バージョン)を表す情報が、自動運転要素303として格納されている。なお、自動運転要素303に格納される情報は図4の例に限らない。各車両が有する自動運転要素を適切に分類できるものであれば、任意の情報を自動運転要素303に格納することができる。
【0048】
作動条件304には、図3の作動条件205と同様に、当該レコードに対応する自動運転の作動条件を表す情報が格納される。図4の例では、「早朝」、「昼」、「夕方」、「夜」等の時間帯を表す情報と、「晴」、「曇り」、「雨」、「大雨」、「雪」、「大雪」等の天候を表す情報と、「良好」、「水溜り」、「積雪」等の路面状況を表す情報とが、作動条件304として格納されている。なお、作動条件304に格納される情報は図3の例に限らない。自動運転の作動条件を適切に分類できるものであれば、任意の情報を作動条件304に格納することができる。
【0049】
自動運転履歴305には、当該レコードに対応する自動運転履歴を表す情報として、車両の走行台数の合計値と、自動運転で走行した車両の台数とが格納される。たとえば一番目のレコードでは、自動運転履歴305に「10/10」と記録されている。これは、メッシュID301およびリンクID302で特定されるリンクを、自動運転要素303に合致する車両が作動条件304に合致する状況でこれまでに10台走行しており、そのうち10台全ての車両が自動運転で走行したことを表している。他のレコードについても同様の形式で、車両の走行台数の合計値と、自動運転で走行した車両の台数とが、自動運転履歴305に記録されている。
【0050】
自動運転履歴DB121には、車両100を含む複数の車両について、上記のようなデータ構造による自動運転履歴が道路ごとに記録される。なお、図4に示した自動運転履歴DB121のデータ構造はあくまで一例であり、各車両の自動運転履歴が適切に記録できるものであれば、任意のデータ構造とすることが可能である。
【0051】
次に、ユーザへの情報提供を行う際の車載装置1およびサーバ4の動作内容について説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る情報システムにおける走行履歴記録時の車載装置1の動作を示すフローチャートである。本実施形態において、車載装置1の制御部10は、たとえばユーザがHMI装置6の操作入力部62を用いて車両100の目的地を設定すると、図5に示す処理フローを開始する。
【0052】
ステップS101において、制御部10は、車両100の走行経路を設定する。このとき制御部10は、現在位置取得部13により、現在位置検出部30から現在位置を取得する。そして、経路設定部17により、地図DB21を用いて現在位置から目的地までの経路を計算し、その算出結果を車両100の走行経路に設定する。あるいは前述のように、他の装置やサーバ4から取得した情報を用いて走行経路を設定したり、他の装置やサーバ4から設定済みの走行経路の情報を取得したりしてもよい。
【0053】
ステップS102において、制御部10は、現在位置取得部13により現在位置検出部30から現在位置を取得し、地図DB21を用いて、車両100が現在走行しているリンクを走行リンクとして特定する。
【0054】
ステップS103において、制御部10は、車両100の自動運転状態を取得する。ここでは、車内通信インタフェース部15を用いて車両制御装置7の送信情報を取得し、その情報に基づいて、車両制御装置7の制御により車両100を自動運転しているか否かを判断し、その判断結果を車両100の自動運転状態として取得する。
【0055】
ステップS104において、制御部10は、自動運転要素情報23を取得する。ここでは、自動運転要素情報取得部12により、周囲環境検出装置5や地図DB21から前述のような情報を取得し、ステップS102で特定した車両100の走行リンクにおける自動運転要素情報23として、記憶部20に記録する。
【0056】
ステップS105において、制御部10は、自動運転の作動条件を特定する。ここでは、作動条件特定部16により、前述のような方法で、ステップS102で特定した車両100の走行リンクにおける時間帯、天候、路面状況等の作動条件を特定する。
【0057】
ステップS106において、制御部10は、走行履歴記録部18により、ステップS102で特定した走行リンクと、ステップS103、S104でそれぞれ取得した自動運転状態および自動運転要素情報23と、ステップS105で特定した自動運転の作動条件とに基づいて、車両100の走行履歴を走行履歴DB22に記録する。ここでは、図3に例示したようなデータ構造により、走行リンクを表す情報と、走行リンクにおいて車両100が自動運転と手動運転のどちらで走行していたかを表す情報とを組み合わせて、走行履歴DB22に記録する。この処理を走行リンクごとに繰り返すことで、車両100が自動運転または手動運転で走行した道路の履歴を表す走行履歴が車載装置1において走行履歴DB22に記録される。
【0058】
ステップS107において、制御部10は、サーバ4への走行履歴の送信に対する所定の送信条件が満たされたか否かを判定する。たとえば、ステップS101で車両100の走行経路を設定してから、または前回ステップS108で走行履歴をサーバ4に送信してから、一定の距離を車両100が走行したか否かを判定する。その結果、走行経路の設定または前回の走行経路の送信から一定の距離、たとえば10kmを車両100が走行した場合は、送信条件を満たしたと判断してステップS108に進み、そうでない場合はステップS109に進む。なお、これ以外の送信条件に従ってステップS107の判定を行ってもよい。たとえば、車両100が通過したリンクの数や、自動運転と手動運転の切り替えが行われたことなどを送信条件として、ステップS107の判定を行うことも可能である。
【0059】
ステップS108において、制御部10は、ステップS106で走行履歴記録部18により走行履歴DB22に記録された車両100の走行履歴のうち、未送信の走行履歴を読み出し、通信制御部11によりサーバ4に送信する。これにより、車両100が一定距離を走行するごとに、車両100が自動運転または手動運転で走行した道路の履歴が車載装置1からサーバ4に送信される。
【0060】
ステップS109において、制御部10は、車両100がステップS101で設定した走行経路の目的地に到着したか否かを判定する。目的地に到着していなければステップS102に戻り、ステップS102以降の処理を繰り返して走行履歴の記録を継続する。一方、目的地に到着した場合は、処理をステップS110に進める。
【0061】
ステップS110において、制御部10は、通信制御部11により、車両100が目的地に到着したことをサーバ4に通知する。なお、このとき未送信の走行履歴が残っている場合は、目的地への到着通知と合わせてサーバ4に送信することが好ましい。ステップS110を実行したら、制御部10は図5に示す処理フローを終了する。
【0062】
図6は、本発明の一実施形態に係る情報システムにおける走行履歴収集時のサーバ4の動作を示すフローチャートである。本実施形態において、サーバ4の制御部110は、車両100の走行が開始されると、図6に示す処理フローを開始する。
【0063】
ステップS201において、制御部110は、車載装置1から走行履歴を受信したか否かを判定する。図5のステップS108で車載装置1から車両100の走行履歴が送信され、これを通信制御部111により受信した場合は、受信した走行履歴を走行履歴収集部112により収集し、処理をステップS202に進める。一方、走行履歴を受信していない場合は、処理をステップS204に進める。
【0064】
ステップS202において、制御部110は、自動運転履歴記録部114により、ステップS201で受信した走行履歴に対応するメッシュとリンクを特定する。ここでは、受信した走行履歴に含まれる走行リンクの情報に基づいて、収集した走行履歴がどのメッシュに属するどのリンクに対応するものであるかを判別する。なお、複数のリンクについて走行履歴を収集した場合は、複数のリンクのそれぞれに対してメッシュとリンクを特定する。
【0065】
ステップS203において、制御部110は、自動運転履歴記録部114により、ステップS201で受信した走行履歴に基づいて、自動運転履歴DB121を更新する。ここでは、ステップS202で特定したメッシュおよびリンクと、受信した走行履歴に含まれる自動運転要素や自動運転の作動条件を表す情報とを用いて、受信した走行履歴が自動運転履歴DB121のうちどのレコードに対応するかを特定する。そして、受信した走行履歴が表す車両100の自動運転履歴、すなわち車両100が当該リンクを自動運転と手動運転のどちらで走行したかに応じて、特定したレコードの自動運転履歴305の値を更新する。これにより、車載装置1から収集した車両100の走行履歴に基づいて、道路ごとの自動運転履歴を適切に分類して自動運転履歴305に記録することができる。
【0066】
ステップS204において、制御部110は、車両100が目的地に到着したか否かを判定する。図5のステップS110で車載装置1から送信された目的地への到着通知を受信した場合は、車両100が目的地に到着したと判断し、図6に示す処理フローを終了する。一方、目的地への到着通知を受信していない場合は、ステップS201に戻って前述の処理を繰り返すことにより、走行履歴の収集および自動運転履歴DB121の更新を継続する。
【0067】
図7は、本発明の一実施形態に係る情報システムにおける自動運転計画表示時の車載装置1の動作を示すフローチャートである。本実施形態において、車載装置1の制御部10は、たとえばユーザがHMI装置6の操作入力部62を用いて車両100の目的地を設定すると、図7に示す処理フローを開始する。
【0068】
ステップS301において、制御部10は、図5のステップS101と同様に、車両100の走行経路を設定する。
【0069】
ステップS302において、制御部10は、自動運転要素情報23を記憶部20から読み出し、ステップS301で設定した走行経路を表す走行経路情報と共に、通信制御部11によりサーバ4に送信する。これにより、車載装置1からサーバ4に自動運転割合情報の要求が行われる。
【0070】
ステップS303において、制御部10は、通信制御部11により、ステップS302で送信した走行経路情報および自動運転要素情報23に応じて送信される自動運転割合情報をサーバ4から受信する。この自動運転割合情報は、車両100がこれから走行する予定の走行経路上に存在する各道路の自動運転割合を表したものである。具体的には、車両100に搭載されている自動運転要素と同等か、またはそれ以下の機能や性能を有する自動運転要素を備えた各車両が、過去に車両100の走行時と同じ作動条件において当該道路を自動運転で走行した割合をリンク単位で表したものである。なお、自動運転割合情報の詳細については、後で図8のフローチャートを参照して説明する。
【0071】
ステップS304において、制御部10は、表示制御部14により、ステップS301で設定した走行経路上の各道路に対して、ステップS303で受信した自動運転割合情報に応じた表示形態を設定する。ここでは、たとえば自動運転割合情報が表す自動運転割合の大きさに応じて各道路を所定数のグループに分類し、グループごとに異なる表示形態を設定する。これ以外にも、走行経路上の各道路の自動運転割合を識別できれば、任意の表示形態を設定することが可能である。
【0072】
ステップS305において、制御部10は、表示制御部14により、ステップS301で設定した走行経路を、ステップS304で設定した表示形態で地図上に表示させる制御を行う。ここでは、ステップS304で設定した表示形態に従って、現在位置から目的地までの走行経路を、HMI装置6の表示部61に表示された地図上に示す。これにより、走行経路に対して車両100の自動運転計画を表示し、車両100が走行経路を走行する時にはどの道路で自動運転の可能性が高いかをユーザに提示することができる。ステップS305を実行したら、制御部10は図7に示す処理フローを終了する。
【0073】
図8は、本発明の一実施形態に係る情報システムにおける自動運転割合情報提供時のサーバ4の動作を示すフローチャートである。本実施形態において、サーバ4の制御部110は、図7のステップS302で車載装置1から走行経路情報および自動運転要素情報23が送信されることで自動運転割合情報の要求が行われると、車載装置1が搭載された車両100を対象車両として、図8に示す処理フローを開始する。
【0074】
ステップS401において、制御部110は、通信制御部111により、車載装置1から送信された走行経路情報および自動運転要素情報23を受信する。受信した走行経路情報および自動運転要素情報23は、サーバ4において記憶部120に一時的に記憶され、ステップS402以降の処理で利用される。
【0075】
ステップS402において、制御部110は、自動運転割合決定部115が自動運転割合の決定を行うメッシュとリンクを選択する。ここでは、ステップS202で受信した走行経路情報に基づいて、走行経路に含まれるリンクのいずれかと、そのリンクが属するメッシュとを選択する。これにより、走行経路情報が表す走行経路の各リンクと、当該リンクが属するメッシュとが、所定の順序で、たとえば現在位置から目的地の順に一つずつ選択される。
【0076】
ステップS403において、制御部110は、自動運転割合決定部115により、ステップS402で選択したメッシュとリンクに対応する自動運転の作動条件を特定する。ここでは、対象車両である車両100が当該リンクを走行する日時を推定し、その日時に対応する時間帯、天候、路面状況等の作動条件を作動条件情報DB122から検索して取得する。あるいは、ステップS402で選択したメッシュとリンクに対応する自動運転履歴を自動運転履歴DB121において特定し、その自動運転履歴が直近に更新されたときの作動条件を判別することにより、車両100が当該リンクをこれから走行するときの自動運転の作動条件を特定してもよい。さらに、自動運転履歴DB121を統計的に分析することで、車両100が当該リンクをこれから走行するときの自動運転の作動条件を推定することもできる。たとえば、昨日や現在の天候に基づき、大雪後には路面が凍結しているという推定結果を自動運転の作動条件として得ることが可能である。自動運転割合決定部115では、これらのうち任意の方法により、車両100が当該リンクを走行する時の自動運転の作動条件を特定することができる。
【0077】
ステップS404において、制御部110は、自動運転割合決定部115により、自動運転割合の決定に用いる自動運転要素の構成を特定する。ここでは、ステップS401で受信した自動運転要素情報23に基づいて、対象車両である車両100が有する自動運転要素の構成を判別する。そして、判別した車両100の自動運転要素と同等か、またはそれ以下の機能や性能を有する自動運転要素の構成を、自動運転割合の決定に用いる自動運転要素の構成として特定する。たとえば、車両100が周囲環境検出装置5としてカメラとレーダを有しており、地図DB21のバージョンが所定のバージョンであったとする。この場合、車両100と同様のカメラとレーダの組み合わせか、またはカメラとレーダの一方のみを有しており、かつ、地図DB21と同じかそれよりも古いバージョンの地図データで構成される自動運転要素を、自動運転割合の決定に用いる自動運転要素の構成として特定する。なお、このときレーダのハードウェアやソフトウェアの種類を考慮して、自動運転要素の機能や性能を判断することが好ましい。サーバ4には、たとえば様々な自動運転要素の組み合わせについて、その機能や性能を表す情報が予め設定されている。自動運転割合決定部115は、この情報を用いることで、自動運転要素情報23から自動運転割合の決定に用いる自動運転要素の構成を特定することができる。
【0078】
ステップS405において、制御部110は、自動運転割合決定部115により、ステップS402、S403、S404の各処理結果を用いて、車両100に対応する自動運転履歴を自動運転履歴DB121から取得する。具体的には、メッシュID301およびリンクID302の値がステップS402で選択したメッシュおよびリンクとそれぞれ対応し、自動運転要素303の値がステップS404で特定した自動運転要素の構成に対応し、作動条件304の値がステップS403で特定した作動条件に対応する各レコードを、自動運転履歴DB121において特定する。そして、特定した各レコードの自動運転履歴305の値を取得することで、対象車両である車両100に対応する自動運転履歴を自動運転履歴DB121から取得することができる。
【0079】
ステップS406において、制御部110は、自動運転割合決定部115により、ステップS402で選択したリンクに対する自動運転割合を算出する。ここでは、ステップS405で取得した各レコードの自動運転履歴305の値を用いて、当該リンクの自動運転割合を算出する。具体的には、たとえば同じリンクに対応する3つのレコードから、自動運転履歴305の値として「5/10」、「10/15」、「3/11」をそれぞれ取得したとする。この場合、当該リンクの自動運転割合は、走行台数の合計値と自動運転で走行した車両の台数とをそれぞれ合計して、以下のように算出される。
(5+10+3)/(10+15+11)=18/36=50%
【0080】
以上説明したステップS402~S406の処理により、対象車両である車両100について、自動運転履歴DB121に記録された自動運転履歴を用いて、車両100に対応する自動運転割合を道路ごとに決定することができる。なお、このとき現在から所定時間以内、たとえば1時間以内に自動運転履歴DB121に記録された自動運転履歴のみを用いて自動運転割合を決定してもよい。このようにすれば、リアルタイム性の高い自動運転割合を求めることが可能である。
【0081】
ステップS407において、制御部110は、走行経路に対応する全てのメッシュとリンクを選択済みであるか否かを判定する。ステップS401で受信した走行経路情報が表す走行経路の中に、ステップS402で未選択のメッシュおよびリンクが存在する場合は、ステップS402に戻って新たなメッシュとリンクを選択した後、ステップS403以降の処理を繰り返す。これにより、走行経路に含まれる全てのリンクについて、自動運転割合を算出することができる。一方、全てのメッシュとリンクを選択済みであるとステップS407で判定した場合、ステップS408に進む。
【0082】
ステップS408において、制御部110は、ステップS406で算出した各リンクの自動運転割合を表す自動運転割合情報を作成し、作成した自動運転割合情報を通信制御部111により車載装置1に送信する。これにより、車載装置1からの要求に応じて、車両100の走行経路に対応する各道路の自動運転割合を表す自動運転割合情報がサーバ4から車載装置1に送信され、図7のステップS303で車載装置1により受信される。ステップS408を実行したら、制御部110は図8に示す処理フローを終了する。
【0083】
図9は、車載装置1において表示される自動運転計画の表示画面の例を示す図である。車載装置1では、図7のステップS305において、たとえば図9のような地図画面がHMI装置6の表示部61に表示されることにより、車両100の走行経路に対する自動運転計画がユーザに提示される。
【0084】
図9の地図画面400では、現在位置411から目的地412までの走行経路上の各道路が、符号421~423で示すように色分け表示されている。表示色421は、最も自動運転割合が高い道路、たとえば80%以上の自動運転割合を示す道路を表している。表示色422は、二番目に自動運転割合が高い道路、たとえば50%以上80%未満の自動運転割合を示す道路を表している。表示色423は、最も自動運転割合が低い道路、たとえば50%未満の自動運転割合を示す道路を表している。なお、サーバ4において前述のように現在から所定時間以内の自動運転履歴を用いてリアルタイム性の高い自動運転割合を決定した場合には、通常時と異なる表示形態としてもよい。さらに、通常の自動運転割合とリアルタイム性の高い自動運転割合とを比較し、その差分が大きい場合にはユーザへの通知を行ってもよい。
【0085】
また、図9の地図画面400では、表示切替ボタン413が表示されている。ユーザがHMI装置6において表示切替ボタン413を選択する操作を行うと、表示部61の表示が地図画面400から通常の地図画面、すなわち各道路の自動運転割合が示されていない地図画面に切り替えられる。さらに、切り替え後の通常の地図画面でも表示切替ボタン413を表示することで、ユーザの操作に応じて地図画面400に戻ることができるようにしてもよい。このようにすれば、ユーザの好みに応じた地図表示を行うことが可能となる。さらにこのとき、車両100が自動運転中であれば地図画面400の表示を優先し、車両100が手動運転中であれば通常の地図画面の表示を優先してもよい。このようにすれば、車両100の運転状態に応じて、ユーザにとって有益な情報提供が可能となる。
【0086】
以上説明した本発明の一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0087】
(1)自動運転可能な車両100に搭載される車載装置1は、通信制御部11と、表示制御部14とを備える。通信制御部11は、車両100で自動運転に用いられる自動運転要素の種類を表す自動運転要素情報23をサーバ4に送信し(図7のステップS302)、自動運転要素に応じた道路ごとの自動運転割合を表す自動運転割合情報をサーバ4から受信する(図7のステップS303)。表示制御部14は、通信制御部11が受信した自動運転割合情報に基づいて車両100の自動運転計画をHMI装置6の表示部61に表示させる制御を行う(図7のステップS304、S305)。このようにしたので、車両100がこれから通る予定の道路について、自動運転の計画をユーザに正確に通知することができる。
【0088】
(2)自動運転要素は、車両100の周囲環境を検出する周囲環境検出装置5と、車両100が走行する道路の地図データである地図DB21とを含む。自動運転要素情報23は、周囲環境検出装置5の種類を表す情報と、地図DB21の種類を表す情報とを含む。このようにしたので、自動運転要素情報23を用いて、車両100に搭載されている自動運転要素を正確にサーバ4に通知することができる。
【0089】
(3)車載装置1は、車両100の目的地までの走行経路を設定する経路設定部17を備える。通信制御部11は、ステップS303において、経路設定部17が設定した走行経路に含まれる各道路について自動運転割合情報をサーバ4から受信する。このようにしたので、車両100がこれから走行する道路の自動運転割合の情報を、自動運転割合情報として確実にサーバ4から受信することができる。
【0090】
(4)表示制御部14は、ステップS304、S305において、図9の地図画面400のような表示画面により、車両100が自動運転で走行できる可能性を道路ごとに示した自動運転計画を表示させる制御を行う。このようにしたので、車両100がこれから通る予定の道路に対する自動運転の計画を、ユーザに分かりやすく通知することができる。
【0091】
(5)車載装置1は、車両100が自動運転または手動運転で走行した道路の履歴を表す走行履歴を走行履歴DB22に記録する(図5のステップS106)走行履歴記録部18を備える。通信制御部11は、走行履歴記録部18が記録した走行履歴をサーバ4に送信する(図5のステップS108)。このようにしたので、サーバ4が自動運転割合情報を生成するのに必要な情報をサーバ4に提供して、自動運転割合情報の精度を向上させることができる。
【0092】
(6)サーバ4は、車両100に搭載された車載装置1に加えて、自動運転可能な複数の車両にそれぞれ搭載された複数の車載装置と接続可能である。サーバ4は、走行履歴収集部112と、自動運転履歴記録部114と、自動運転割合決定部115と、通信制御部111とを備える。走行履歴収集部112は、複数の車両がそれぞれ自動運転または手動運転で走行した道路の履歴を表す走行履歴を複数の車載装置からそれぞれ収集する(図6のステップS201)。自動運転履歴記録部114は、複数の車両でそれぞれ自動運転に用いられる自動運転要素の種類と、走行履歴収集部112が収集した複数の車両の走行履歴とに基づいて、複数の車両の道路ごとの自動運転履歴を自動運転履歴DB121に記録する(図6のステップS203)。自動運転割合決定部115は、複数の車両のいずれか、たとえば車両100を対象車両とし、自動運転履歴記録部114が記録した自動運転履歴DB121の自動運転履歴を用いて、車両100に対応する自動運転割合を道路ごとに決定する(図8のステップS405、S406)。通信制御部111は、自動運転割合決定部115が決定した道路ごとの自動運転割合を表す自動運転割合情報を車両100の車載装置1に送信する(図8のステップS408)。このようにしたので、車両100がこれから通る予定の道路について、自動運転の計画をユーザに正確に通知するための情報をサーバ4から車載装置1に提供することができる。
【0093】
(7)自動運転割合決定部115は、車両100の自動運転要素と同等以下の機能および/または性能を有する自動運転要素を特定し(図8のステップS404)、この自動運転要素を備えた車両の走行履歴に基づいて記録された自動運転履歴を自動運転履歴DB121から取得する(図8のステップS405)。ステップS406では、こうして取得した自動運転履歴を用いて、車両100に対応する自動運転割合を決定する。このようにしたので、車両100に搭載された自動運転要素の機能や性能を考慮して、自動運転割合を正確に決定することができる。
【0094】
(8)自動運転履歴記録部114は、走行履歴収集部112が走行履歴を収集した道路を複数の車両がそれぞれ走行した時の自動運転の作動条件ごとに、ステップS203において自動運転履歴を記録する。自動運転割合決定部115は、車両100が道路を走行する時の自動運転の作動条件を特定し(図8のステップS403)、この作動条件に対応して記録された自動運転履歴を用いて、車両100に対応する自動運転割合をステップS405において決定する。このようにしたので、車両100の走行時における自動運転の作動条件を考慮して、自動運転割合を正確に決定することができる。
【0095】
(9)自動運転の作動条件は、時間帯、天候、路面状況の少なくともいずれか一つを含むことが好ましい。このようにすれば、自動運転の作動に影響を及ぼす事象を適切に表現することができる。
【0096】
(10)車両100の自動運転要素は、車両100の周囲環境を検出する周囲環境検出装置5と、車両100が走行する道路の地図データを表す地図DB21とを含むことが好ましい。このようにすれば、自動運転の実現に必要な要素を自動運転要素として適切に表現することができる。
【0097】
(11)サーバ4の通信制御部111は、図8のステップS408において、車両100の目的地までの走行経路に含まれる各道路について自動運転割合情報を車両100の車載装置1に送信する。このようにしたので、車両100が目的地に向かって走行する際に有用な自動運転の計画を表す情報をサーバ4から車載装置1に提供することができる。
【0098】
なお、以上説明した実施形態では、目的地までの走行経路を自動運転割合に応じて色分け表示することで、走行経路に含まれる各道路の自動運転割合を識別可能とした例を説明したが、色分け表示の代わりに、たとえば色の濃淡や明るさ、線の太さや種類、点滅速度などを自動運転割合に応じて変化させることで、各道路の自動運転割合を識別できるようにしてもよい。あるいは、文字やアイコンを利用して、走行経路に含まれる各道路の自動運転割合をユーザに通知してもよい。
【0099】
また、以上説明した実施形態では、車載装置1において車両100の走行経路が設定されたときに、走行経路に含まれる各道路の自動運転割合をユーザに通知する例を説明したが、これ以外のタイミングで自動運転割合をユーザに通知してもよい。たとえば車両100が目的地に向かって走行しているときに、HMI装置60の表示部61の画面内の所定の通知エリアにおいて、車両100が現在走行している道路の自動運転割合を文字やアイコン等でユーザに通知してもよい。あるいは、音声等を用いて自動運転割合を通知してもよい。さらに、自動運転割合が大きく変化したときには、自動運転から手動運転に、または反対に手動運転から自動運転に切り替わる可能性が高いと判断し、ユーザに通知してもよい。
【0100】
また、以上説明した実施形態では、現在位置から目的地までの一つの走行経路について自動運転割合を表示する例を説明したが、走行経路の数はこれに限定されない。たとえば、目的地までの距離や時間に応じて複数の走行経路を計算し、複数の走行経路のそれぞれについて自動運転割合を表示してもよい。あるいは、目的地までの距離に応じて走行経路の数を変化させてもよいし、ユーザが走行経路の数を選択できるようにしてもよい。
【0101】
以上説明した実施形態では、HMI装置60が備える表示部61において、表示色421~423を用いて走行経路を自動運転割合に応じて色分けした地図画面400を表示する例を説明したが、車載装置1に接続された外部表示装置において、自動運転割合に応じて色分けした走行経路を表示してもよい。外部表示装置としては、たとえばHUD(Head-Up Display)、路面へのプロジェクションマッピング、メガネ型ディスプレイ等のウェアラブル表示装置、空中結像ディスプレイなどを用いることができる。また、スマートフォンやタブレットPC、ノートPC等のディスプレイを外部表示装置として用いることも可能である。
【0102】
以上説明した実施形態や変形例はあくまで一例である。本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
1:車載装置、2:通信端末、3:通信回線網、4:サーバ、5:周囲環境検出装置、6:HMI装置、7:車両制御装置、10:制御部、11:通信制御部、12:自動運転要素情報取得部、13:現在位置取得部、14:表示制御部、15:車内通信インタフェース部、16:作動条件特定部、17:経路設定部、18:走行履歴記録部、20:記憶部、21:地図DB、22:走行履歴DB、23:自動運転要素情報、30:現在位置検出部、61:表示部、62:操作入力部、100:車両、110:制御部、111:通信制御部、112:走行履歴収集部、113:作動条件情報収集部、114:自動運転履歴記録部、115:自動運転割合決定部、120:記憶部、121:自動運転履歴DB、122:作動条件情報DB
図1
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