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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】鳥害防止具
(51)【国際特許分類】
   H02G 7/00 20060101AFI20220107BHJP
   A01M 29/32 20110101ALI20220107BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
H02G7/00
A01M29/32
H02G1/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018035775
(22)【出願日】2018-02-28
(65)【公開番号】P2019154100
(43)【公開日】2019-09-12
【審査請求日】2020-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000115382
【氏名又は名称】ヨツギ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】久留須 寛之
(72)【発明者】
【氏名】卯月 保
(72)【発明者】
【氏名】穴原 義也
(72)【発明者】
【氏名】谷 孝志
(72)【発明者】
【氏名】井本 祐介
(72)【発明者】
【氏名】増渕 裕次郎
(72)【発明者】
【氏名】西口 昌利
(72)【発明者】
【氏名】冨永 孝弘
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-060426(JP,U)
【文献】特開2013-048587(JP,A)
【文献】特開2017-038488(JP,A)
【文献】特開2009-039055(JP,A)
【文献】登録実用新案第3046473(JP,U)
【文献】実開平06-003091(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 7/00
A01M 29/32
H02G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱の上部に形成されたアームに取り付けるための取付部と、
前記取付部よりも上方に伸び、鳥害防止を図るためのラインを取り付けるためのライン保持部と、
連結部と、を有する鳥害防止具であって、
前記連結部は、同一形状の他の鳥害防止具に形成された連結部と着脱可能に形成されている
鳥害防止具。
【請求項2】
間接工法の器具で把持して、鳥害防止具を保持することが可能とする把持部を有する
請求項1に記載の鳥害防止具。
【請求項3】
基板部を有し、
前記取付部は前記基板部よりも下方向に伸びる第1板部を少なくとも有し、
ライン保持部は、
前記基板部よりも上方向に延びる第1ライン保持部と、
前記基板部よりも上方向に延びる第2ライン保持部と、を有し、
前記第1ライン保持部と前記第2ライン保持部との距離は、アームの幅よりも広く形成されている
請求項1又は2に記載の鳥害防止具。
【請求項4】
前記第1板部と平行位置に第2板部を有し、
前記第1板部の下方端部付近、
前記第2板部の下方端部付近、
の少なくともいずれか1つに、アームに対して鳥害防止具を固定するための線形状の固定部材を連結するための板部連結部が形成されている
請求項3に記載の鳥害防止具。
【請求項5】
前記第1板部の下方端部付近、
前記第2板部の下方端部付近、
の少なくともいずれか1つに、前記固定部材を、所定の方向に一時的に固定するための固定部材固定部が形成されている
請求項4に記載の鳥害防止具。
【請求項6】
前記第1板部の下方端部付近、
前記第2板部の下方端部付近、
の少なくともいずれか1つに、長手方向外側に突出した突出部が形成されている
請求項4又は5に記載の鳥害防止具。
【請求項7】
前記基板部に、アームに対して鳥害防止具を固定するための線形状の固定部材を連結するための基板部連結部が形成されている
請求項3~6いずれか1項に記載の鳥害防止具。
【請求項8】
前記連結部は、
雄形状となる第1連結部と、
他の鳥害防止具に形成された雄形状の前記第1連結部と連結可能である雌形状の第2連結部と、を有している
請求項1~7のいずれか1項に記載の鳥害防止具。
【請求項9】
前記ライン保持部は、それぞれ、少なくとも2本のラインを保持可能に形成されている
請求項1~8いずれか1項に記載の鳥害防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線等を保持する柱に設けられる各種のアーム等の部材に対して鳥がとまることを防止する鳥害防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、鳥害防止具に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017―175833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、より高性能な鳥害防止具を提供することである。高性能の一例としては、取付者(以下、「作業者」という。)の作業負担が少ないことなどである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点における鳥害防止具は、柱の上部に形成されたアームに取り付けるための取付部と、前記取付部よりも上方に伸び、鳥害防止を図るためのラインを取り付けるためのライン保持部と、連結部と、を有する鳥害防止具であって、前記連結部は、同一形状の他の鳥害防止具に形成された連結部と着脱可能に形成されている。
【0006】
好適には、間接工法の器具で把持して、鳥害防止具を保持することが可能とする把持部を有する。
【0007】
好適には、基板部を有し、前記取付部は前記基板部よりも下方向に伸びる第1板部を少なくとも有し、ライン保持部は、前記基板部よりも上方向に延びる第1ライン保持部と、前記基板部よりも上方向に延びる第2ライン保持部と、を有し、前記第1ライン保持部と前記第2ライン保持部との距離は、アームの幅よりも広く形成されている。
【0008】
好適には、前記第1板部と平行位置に第2板部を有し、前記第1板部の下方端部付近、前記第2板部の下方端部付近、の少なくともいずれか1つに、アームに対して鳥害防止具を固定するための線形状の固定部材を連結するための板部連結部が形成されている。
【0009】
好適には、前記第1板部の下方端部付近、前記第2板部の下方端部付近、の少なくともいずれか1つに、前記固定部材を、所定の方向に一時的に固定するための固定部材固定部が形成されている。
【0010】
好適には、前記第1板部の下方端部付近、前記第2板部の下方端部付近、の少なくともいずれか1つに、長手方向外側に突出した突出部が形成されている。
【0011】
好適には、前記基板部に、アームに対して鳥害防止具を固定するための線形状の固定部材を連結するための基板部連結部が形成されている。
【0012】
好適には、前記連結部は、雄形状となる第1連結部と、他の鳥害防止具に形成された雄形状の前記第1連結部と連結可能である雌形状の第2連結部と、を有している。
【0013】
好適には、前記ライン保持部は、それぞれ、少なくとも2本のラインを保持可能に形成されている。
【0014】
本発明の第2の観点における鳥害防止具は、柱の上部に形成されたアームに取り付けるための取付部と、前記取付部よりも上方に伸び、鳥害防止を図るためのラインを取り付けるためのライン保持部と、を有する鳥害防止具であって、前記ライン保持部は、少なくとも、前記取付部よりも上方向に延びる第1ライン保持部と、前記第1ライン保持部と並行位置に形成された第2ライン保持部と、を有している。
【発明の効果】
【0015】
本発明における鳥害防止具によって、より高性能な鳥害防止具を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施形態に係る鳥害防止具を示す説明図である。
図2】鳥害防止具が設置されて使用されている状態の説明図である。
図3】鳥害防止具の正面の説明図である。
図4】鳥害防止具の側面の説明図である。より具体的には、図4(a)は左側面の説明図であり、図4(b)は右側面の説明図である。
図5】鳥害防止具の上下面の説明図である。より具体的には、図5(a)は上面の説明図であり、図5(b)は下面の説明図である。
図6】鳥害防止具と同一形状の他鳥害防止具とを組み合わせを説明する連結部の説明図である。
図7】鳥害防止具と同一形状の他鳥害防止具とを組み合わせた際の状態を説明する連結部の説明図である。
図8】間接活線工法等を行う器具での保持の状態の説明図である。
図9】鳥害防止具を、第1板部係止部及び第2板部係止部の係止構造以外でより強固に固定する方法の第1の例の説明図である。
図10】鳥害防止具を、第1板部係止部及び第2板部係止部の係止構造以外でより強固に固定する方法の第2の例の説明図である。
図11】鳥害防止具を、第1板部係止部及び第2板部係止部の係止構造以外でより強固に固定する方法の第3の例の説明図である。
図12】より詳細な斜視図である。
図13】より詳細な正面図である。
図14】より詳細な背面図である。
図15】より詳細な平面図である。
図16】より詳細な底面図である。
図17】より詳細な右側面図である。
図18】より詳細な左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る鳥害防止具を示す説明図である。
【0018】
ケーブル、電線等では上下方向に延びる柱の最頂部又はその途中で、水平方向に延びるアーム100が設けられる。
このアーム100に、ケーブル、電線、その他の設備等が設置されることになる。
しかしながら、このアーム100は水平である程度の幅があるため、鳥にとっては格好の止まり木として機能してしまう。
そのため、これを防ぐ目的で、鳥害防止具1がこのアーム100上に設置される。
鳥害防止具1には、図1の物とは異なり、剣山状の形状の物も存在するが、剣山状であるとアーム上の全ての部分に設置しなければならず、材料自体が多くなるため費用がかかるおそれがある。
また、設置の為に作業者に多くの工程を必要とするため、同じく費用がかかる。
【0019】
本実施形態の鳥害防止具1は、アーム100の上方にライン102a(ワイヤー等の少なくとも紐形状部分を持つ物の総称として使用する。図2も参照のこと)を張ることによって、鳥がとまることを防止するものである。
そのため、鳥害防止具1は図1の様な形状を有している。
具体的には、鳥害防止具1は、基板部3、ライン保持部5、取付部9及び連結部7を有している。
基板部3から上方にライン保持部5が伸びており、下方に取付部9が伸びている。
取付部9は、アーム100に対して、鳥害防止具1を固定するための部材である。
ライン保持部5は、紐形状のライン102aを保持する機能を有している。
また、連結部7は、他の鳥害防止具1と連結するためのものである。
なお、連結部7で連結される鳥害防止具1はそれぞれ同一形状であることが通常であるが、異なる形状であっても良い。
更に、場合によっては、連結部7で連結される物は鳥害防止具1以外であっても良い。
【0020】
図2は、鳥害防止具1が設置されて使用されている状態の説明図である。
【0021】
アーム100の両端位置に、鳥害防止具1と同一形状の他鳥害防止具1Aとが設置されている。
なお、本実施形態では、アーム100上に2つであるが、場合によっては、3個以上設置される場合も例外的にはあり得る。
鳥害防止具1は、第1ライン保持部51と第2ライン保持部52の2つのライン保持部5を有している。
基板部3の長手方向の両端部に、上方に向かった第1ライン保持部51と第2ライン保持部52とが形成されている。
この第1ライン保持部51と第2ライン保持部52とは、形状が同一(面対称)なので、第1ライン保持部51のみを説明して、第2ライン保持部52の説明を省略する。以下、形状が同一(対象)なものは、一方のみを説明して他方の説明は省略する。
【0022】
第1ライン保持部51は、板形状の第1ライン保持部本体512から形成されている。
この第1ライン保持部本体512には、短手方向の一方側の端部に長手方向に延びる溝が4本形成されている(図4も参照のこと)。
この4本の溝は、上方から順に、第1ライン保持部第1溝511a、第1ライン保持部第3溝511c、第1ライン保持部第5溝511e及び第1ライン保持部第7溝511gが順に形成されている。
同様に、短手方向の反対側の端部には、第1ライン保持部第2溝511b、第1ライン保持部第4溝511d、第1ライン保持部第6溝511f及び第1ライン保持部第8溝511hが順に形成されている。
【0023】
ライン102aは、第1ライン保持部第2溝511b、第1ライン保持部第1溝511a、第1ライン保持部第4溝511d及び第1ライン保持部第3溝511cを順にかけまわして、ライン102aが第1ライン保持部51に結わえ付けられる。
このライン102aの反対側が、他鳥害防止具1Aの他第1ライン保持部51Aに結わえ付けられる。
同様にして、第2ライン保持部52側にもライン102aを結わえ付けることができる。
このように、2本のライン102aを平行に結わえ付けて鳥害を防止することができる。
【0024】
また、第1ライン保持部51は、この最上部に短手方向に屋根形状の屋根部513が形成されている。この屋根部513が存在することから、鳥が第1ライン保持部51にとまることを防止することができる。
【0025】
図2及び上記説明では、2本のライン102aは、平行に張られているが、交差させるように張ることも可能である。
上記の様に、第1ライン保持部第1溝511a、第1ライン保持部第2溝511b、第1ライン保持部第3溝511c及び第1ライン保持部第4溝511d部分にライン102aを張っていた。
それのみならず、第1ライン保持部第5溝511e、第1ライン保持部第6溝511f、第1ライン保持部第7溝511g及び第1ライン保持部第8溝511h部分にも同様にライン102aを張ることが可能である。
このようにして、第1ライン保持部51には、2つのライン102aを保持させることが可能である。なお、かけ回しの方法によっては、4本またはそれ以上のライン102aを保持させることが可能である。なお、第2ライン保持部52についても同様である。
さらになお、第1ライン保持部51及び第2ライン保持部52が保持できるライン102aは、構造を変化(溝の数を増やす等)することによって、増やすことができる。また、ライン102aの貼り方も、いかようにも変化させることができる。
【0026】
つまり、本実施形態から抽出される発明概念の1つは、2つのライン保持部5を有することから、交差、平行、更にはより複雑な張り方ができ大きな鳥、小さな鳥などのそれぞれに対して有効なライン102の張り方が可能となるということである。また、2つのライン保持部が有ることから2本のラインを張る場合(例えば平行)にも、アーム100の幅方向上に大きく張り出して張ることも可能であるし、逆に、幅方向に狭くして小さな鳥に対応することも可能となる。
なお、ライン保持部5は2本にとどまらず、3本以上であっても、効果が発揮されることも言うまでもなく、本発明に含まれる。
また、1つのライン保持部5単体に着目した場合、1つのライン保持部5が1本のライン102を保持できるのにとどまらず、2本以上のライン102を保持できる。これによっても、縦方向にもきめ細かいライン102網を作成できる。これによっても、大きな鳥、小さな鳥などのそれぞれに対して有効なライン102の張り方が可能となる。平行だけではなく、1つのライン保持部5とそれに対向するもう一つの対抗する他鳥害防止具1Aの1つのライン保持部との間で、交差を作ることも、更には、平行と交差を同時に作り出すことも可能である。なお、この効果は、鳥害防止具1に1つだけのライン保持部5が形成されていても発揮される。そのため、この構成も本実施形態から導かれる概念に含まれる。
更に、上記2つの構成(2つ以上のライン保持部を有する、1つのライン保持部5は2本以上のラインを保持できる)を同時に実現できる本実施形は、更に、複雑なラインの張り方が可能となる。縦、横、斜め、に平行、交差を複数個同時に作り出すことも可能である。それによって、鳥の種類に関係なく有効なライン102を形成して鳥害を有効に防止することができる。
そして、本実施形態では、その様な複雑なライン102の張り方を、間接活線工法実施時ではなく、鳥害防止具1をアーム100等に取付る前の、作業者の手元で直接手を使ってラインを張ってから、鳥害防止具1を取り付けることができる(図8も参照)。逆に言うと、本発明の様に、取付部9が無い場合には、これがほぼ不可能である。
【0027】
基板部3の下方に設けられる取付部9は、第1板部91と第2板部92を有する
そして、基板部3の下方側の面と、第1板部91の第2板部92側の面と、第2板部92の第1板部91側の面とで、アーム100に跨るように形成されて、アーム100に取り付けられる。
【0028】
図3は、鳥害防止具1の正面の説明図である。
図4は、鳥害防止具1の側面の説明図である。より具体的には、図4(a)は左側面の説明図であり、図4(b)は右側面の説明図である。
図5は、鳥害防止具1の上下面の説明図である。より具体的には、図5(a)は上面の説明図であり、図5(b)は下面の説明図である。
【0029】
以下、図3及び図4を参照して、鳥害防止具1を説明する。
基板部3は、基板本体部39、第1補強部31、第2補強部32、第1リブ33、 第2リブ35、第1抜止部36、第2抜止部37、基板部連結部38を有している。
基板本体部39は、長手方向に延在しており、その長手方向の一方端部に第1ライン保持部51が形成されており、他方端部に第2ライン保持部52が形成されている。
基板本体部39の一方端部近傍から第1ライン保持部51との間に、45度の角度で第1補強部31が形成されており、第1ライン保持部51の強度を保持している。第2補強部32も第2ライン保持部52に対して同様に形成されている。
第1リブ33及び第2リブ35は、それぞれ第1補強部31及び第2補強部32から基板本体部39の中央側に伸びている(以下、図5(a)も参照のこと)。
そして第1リブ33及び第2リブ35から、それぞれ第1抜止部36及び第2抜止部37が、上方向にせり出している。
第1抜止部36及び第2抜止部37の間には、間隙が形成されている。
また、第1抜止部36及び第2抜止部37には、前記間隙から続く空間である基板部連結部38が形成されている。
そして、基板部連結部38は、針金等の固定部材107(図10も参照のこと)が挿入等されてこの固定部材107が鳥害防止具1に対して保持される。
【0030】
基板部3一端側の第1ライン保持部51には第1連結部72が形成されている。(以下、図4及び、図5図6図7も参照のこと)
同様に、基板部3他端側の第2ライン保持部52には第2連結部71が形成されている。
第1ライン保持部51と第2ライン保持部の短手方向の長さは、基板部3の短手方向の長さと同じである。
第1連結部72は、第2ライン保持部52の中心側を向いたコ字形状(特に、図5(a)を参照のこと)をした、第1コ字部72a、第2コ字部72b、第3コ字部72c、第4コ字部72dを有している。
【0031】
基板部3の他端側の第2ライン保持部52には第2連結部71が形成されている。
第2連結部71は、中央に長手方向及び上下方向に張り出し、短手方向が厚さ方向になる板状の第2連結部中央板部71aを有している。
第2連結部中央板部71aの、長手方向の基板部3側とは反対側の端部側には、短手方向及び上下方向に張り出す第2連結部側面板部71bが形成されている。
また、第2連結部中央板部71aの下方向の端部にも、長手方向及び短手方向に張り出す第2連結部下面板部71cが形成されている。
【0032】
基板部3の下方には、第1板部91と第2板部92が形成されている。
第1板部91及び第2板部92の短手方向の長さは、基板部3の短手方向の長さと同じである。
【0033】
第1板部91は、第1板部本体97a、第1板部補強部98、第1板部把持部93、第1板部係止部95を有している(図4も参照のこと)。
第1板部補強部98は、基板部3と第1板部本体97aとを連結して強度を補強している。
第1板部本体97aの短手方向の中央に、長手方向外側位置に上下方向及び長手方向に延びる第1板部把持部93が形成されている。
第1板部把持部93には、滑り止めの各種の凹凸が形成されている。この第1板部把持部93を把持して、作業者が鳥害防止具1を持ち上げたり位置決めしたりの操作をする。
【0034】
第1板部係止部95は、第1板部返し部95a、第1板部傾斜部95b、第1板部板部連結部95c、第1板部固定部材固定部95d及び第1板部突出部95eを有している。
同様に、第2板部係止部96は、第2板部返し部96a、第2板部傾斜部96b、第2板部板部連結部96c及び第2板部突出部96eを有している。
【0035】
第1板部傾斜部95bは、第2板部92に形成された第2板部傾斜部96bとの間に、アーム100(図1参照)が挿入される際に、第1板部91と第2板部92とを比較的弱い力で離間させて、スペースS内にアーム100が容易に挿入されるのを補助する。
このため、第1板部傾斜部95bの傾斜は、長手方向の中央に行くにしたがって、基板部3側に向かうように傾斜している。なお、第1板部傾斜部95bも、面対称に同様の形状である。
また、第1板部返し部95aは、第1板部傾斜部95bの長手方向の中央側の端部と連続して形成されている。また、第1板部返し部95aは、基板部3と並行して形成されている。なお、第2板部返し部96aも、面対称に同様の形状である。
この第1板部返し部95a及び第2板部返し部96aが存在することから、一度挿入されたアーム100が容易に抜けるのを防止している。
なお、スペースSの長手方向の長さは、アーム100の断面の長さとほぼ同一の長さを有している。
【0036】
第1板部板部連結部95cは、丸形状の貫通孔である。
この第1板部板部連結部95cに、針金等の固定部材107が挿入される。
さらに、第1板部板部連結部95cの外側方向位置に、長手方向に向かって形成される溝形状の第1板部固定部材固定部95dが形成されている(図4の第1板部固定部材固定部95d部分参照のこと)
なお、第2板部板部連結部96c及び第1板部固定部材固定部95dも面対称に同様の形状である。
【0037】
また、第1板部係止部95は、第1板部本体97aから長手方向の外側に向かって伸びる第1板部突出部95eを有している。
この第1板部突出部95eは、第2板部板部連結部96cに通される針金等の固定部材107を、かけまわして固定等するために設けられている(図11も参照のこと)。
【0038】
また、図3のように、ライン保持部5間の距離L2(第1ライン保持部51と第2ライン保持部52との間の距離)と取付部9間の距離L1(第1板部91と第2板部92との間に距離)とでは、L2の方が長く形成されている。
それによって、アーム100の情報側に十分な広さについてライン張ることができる。
そして、それによって、鳥をより効果的に排除することが可能となる。
【0039】
図6は、鳥害防止具1と同一形状の他鳥害防止具1Aとを組み合わせを説明する連結部7の説明図である。
図7は、鳥害防止具1と同一形状の他鳥害防止具1Aとを組み合わせた際の状態を説明する連結部7の説明図である。
【0040】
第1連結部72と第2連結部71の細かい構造は、図3図5を参照されたい。
鳥害防止具1と同一形状の他鳥害防止具1Aとを組合を組み合わせる場合には、図6の様に第1連結部72を第2連結部71の上方向から挿入する。
そうすると、図7のように、鳥害防止具1と他鳥害防止具1Aが組み合わされる。
その結果、鳥害防止具1のみを保持すれば、他鳥害防止具1Aも保持することが可能となる。
【0041】
図8は、間接活線工法等を行う器具110での保持の状態の説明図である。
【0042】
作業者は、以下の方法によって、複数の鳥害防止具1をアーム100に取り付ける。
まず、図7及び図6の方法によって、鳥害防止具1と他鳥害防止具1Aが組み合わす。なお、このときにライン102等はすでに鳥害防止具1と他鳥害防止具1Aとの間に架橋しておく。
そして、鳥害防止具1の第2板部把持部94を保持することによって、他鳥害防止具1Aも同時に持ち上げることができる。
なお、この保持は、作業者が器具110を介して行う。
そして、鳥害防止具1を、アーム100に対して固定する。なお固定の方法は、第1板部係止部95及び第2板部係止部96の係止構造のみならず、図9図11の方法等も同時に使用することが可能である。
鳥害防止具1をアーム100に固定したのち、他鳥害防止具1Aの他第2板部把持部94Aを器具110で把持して、他鳥害防止具1Aを上方にスライドさせる(図6及び図7での説明の逆方向に移動させる。)。
これによって、他鳥害防止具1Aを鳥害防止具1から分離させることができる。
そして、作業者は、他鳥害防止具1Aのみを把持して、アーム100の長手方向等の他の部分に他鳥害防止具1Aを移動させることができる(図2参照のこと。)。
そうして、所定の部分に他鳥害防止具1Aを鳥害防止具1と同様に方法によって、固定することが可能となる。
【0043】
図9は、鳥害防止具1を、第1板部係止部95及び第2板部係止部96の係止構造以外でより強固に固定する方法の第1の例の説明図である。
【0044】
第1板部係止部95及び第2板部係止部96の係止構造は、単に、アーム100に跨るようにかぶせるだけで固定することが可能であることから、作業が容易である。
しかしながら、抜け止めの機能が主であるにすぎないことから、アームと100と鳥害防止具1とを固定する方法としては、強度に不安がある。
そこで、針金等の第1固定部材107aでテンションをかけて固定することが求められることがある。
その際には、図9での点線の図の様に、貫通孔形状の第1板部板部連結部95c及び第2板部板部連結部96cに、針金等の第1固定部材107aをそれぞれ1本ずつ通して、これらを使って固定する。
具体的には、第1板部板部連結部95cの外側に向かって形成されている溝状の第1板部固定部材固定部95d(図4も参照のこと)の溝内部に第1固定部材107aの一部がはまる。
これによって、固定部材107が、外側に向かって伸びる状態で、仮の固定が可能になる。
逆側の、第2固定部材107bも同様に、第1固定部材107aとは反対側に伸びた状態で、仮の固定が可能となる。
それによって、作業者が、最初にスペースS内部にアーム100が入る状態となるようにはめ込む際に、第1固定部材107aと第2固定部材107bとが邪魔にならないようにすることが可能となる。
そして、スペースS内部にアーム100が入った後に、第1固定部材107aを第1板部固定部材固定部95dから解放して、第1固定部材107aの第1板部板部連結部95c側とは反対側端部をスペースSの下側に移動させる。
第2固定部材107bも同様に、第2固定部材107bの第2板部板部連結部96c側とは反対側端部をスペースSの下側に移動させる。
そして、第1固定部材107aの端部と第2固定部材107bの端部とを、互いに捩じることによって、鳥害防止具1を第1固定部材107aと端部と第2固定部材107bとで、確実に強固に固定することが可能となる。
また逆に、取り外す際もこのねじりを元に戻せば、比較的容易に取り外すことも可能となる。
【0045】
図10は、鳥害防止具1を、第1板部係止部95及び第2板部係止部96の係止構造以外でより強固に固定する方法の第2の例の説明図である。
【0046】
図9の例では、第1固定部材107aと端部と第2固定部材107bの2本を使用していたが、図10の例では、第2板部板部連結部96cに通した第2固定部材107bの1本のみによる固定の例を説明する。
アーム100に鳥害防止具1を仮固定するまでは、第2固定部材107bを、第2板部固定部材固定部96dに溝部分によって、外側位置に第2固定部材107bを仮に位置決めする。
そして、アーム100に鳥害防止具1を仮固定した後、第1板部91の第1板部突出部95eの上側に第2固定部材107bを移動させる。
そして、第2固定部材107bをねじることによって、簡単に固定することができる。
つまり、第1板部突出部95eは、このような簡単な固定を実現するために形成されている。
【0047】
図11は、鳥害防止具1を、第1板部係止部95及び第2板部係止部96の係止構造以外でより強固に固定する方法の第3の例の説明図である。
【0048】
第1抜止部36、第2抜止部37の間に存在している基板部連結部38に固定部材107を挿入しておき、この固定部材107の両端部を、鳥害防止具1をアーム100に仮固定するまで、フリー状態にしておく。
そして、鳥害防止具1をアーム100に仮固定した後、固定部材107の両端部を結合させて、捩じりを加える。
それによって、このような簡易な方法によっても、鳥害防止具1をアーム100に強固に固定することができる。
【0049】
連結部7は、本実施形態の様に、雌雄形状で、一方が他方に挿入して一方を保持すれば他方も保持できて、容易に連結を解除できるものであればどのようなものであってもよい。
さらに、連結部7は、雌雄の別形状である必要もなく、同一形状であってもよい。
加えて、連結部7は、例えば磁石、面ファスナー、両面テープ等であってもよい。
以上の様に、一方を保持すれば他方も保持できて、比較的容易に連結を解除することができるものであれば、どのようなものであってもよい。
【0050】
図12図18は、鳥害防止具1のより詳細な図面である。
また、この鳥害防止具1の物品は、下記の様に言い換えることも可能である。
電柱その他の地面より高い位置で、水平又は所定の角度をもって張り出すアームの上に2個以上配置するものである。このアームとの接続は、下方に延びる2本の取付部が当該アームを挟み込むことによって、位置決めを行っている。また、より強固な固定をする場合には、針金等を、本意匠の物品とアームとの間でかけてアームに強固に固定する。そして、1つの本意匠製品の上側に張り出している2本のライン保持部の一方と、他の1つの本意匠製品の上側に張り出している2本のライン保持部の一方とに、ひも状のラインを掛け渡して保持させる。このラインがアーム上に存在することによって、鳥が当該アーム上に取り付くことを防止して、鳥害を防ぐものである。
【0051】
<実施形態の構成及び効果>
鳥害防止具1は、柱の上部に形成されたアーム100に取り付けるための取付部9と、前記取付部よりも上方に伸び、鳥害防止を図るためのラインを取り付けるためのライン保持部5と、連結部7と、を有する鳥害防止具であって、前記連結部7は、同一形状の他の鳥害防止具に形成された連結部7と着脱可能に形成されている。
このような構成を有することから、より高性能な鳥害防止具1を提供できる。
より具体的には、作業者は容易にアームに2個(場合によっては3個以上)の鳥害防止具1を取り付けることが可能となる。
これによって、複数の鳥害防止具1をこの連結部7によって連結して、連結した状態で、一度に、それらを持ち上げて、作業することができる。
それによって、作業の効率が増す。
【0052】
間接工法の器具110で把持して、鳥害防止具1を保持することが可能とする把持部(第1板部把持部93、第2板部把持部94)を有する。
このような構成を有することから、作業者は、この把持部を把持することによって、より容易に作業をすることが可能となる。
【0053】
基板部3を有し、取付部9は基板部3よりも下方向に伸びる第1板部91を少なくとも有し、ライン保持部5は、基板部3よりも上方向に延びる第1ライン保持部51と、基板部3よりも上方向に延びる第2ライン保持部52と、を有し、第1ライン保持部51と第2ライン保持部52との距離(L2)は、アーム100の幅よりも広く形成されている。
このような構成を有することから、アーム100上に広くラインを張ることができ、鳥がアーム100上にとまることをより効率的に防止することができる。
【0054】
第1板部91と平行位置に第2板部92を有し、第1板部91の下方端部付近、第2板部92の下方端部付近、の少なくともいずれか1つに、アーム100に対して鳥害防止具1を固定するための線形状の固定部材107を連結するための板部連結部(第1板部板部連結部95c、第2板部板部連結部96c)が形成されている。
このような構成を有することから、アーム100と鳥害防止具1との結合をより強固にするための固定部材107を保持することが可能となる。
【0055】
好適には、第1板部91の下方端部付近、第2板部92の下方端部付近、の少なくともいずれか1つに、固定部材107を、所定の方向に一時的に固定するための固定部材固定部(第1板部固定部材固定部95d、第2板部固定部材固定部96d)が形成されている。
このような構成を有することから、鳥害防止具1をアーム100に最初に取り付ける際等に固定部材107が邪魔になることがない。
つまり、固定部材107が、アーム100と鳥害防止具1との間に入り込むと、作業にとって極めて邪魔になるが、これを防止することが可能となる。
【0056】
第1板部91の下方端部付近、第2板部92の下方端部付近、の少なくともいずれか1つに、長手方向外側に突出した突出部が形成されている。
このような構成を有することから、第1板部突出部95e及び第2板部突出部96eに、反対側からの固定部材107を容易に固定することができ、アーム100と鳥害防止具1を容易に固定できる。
【0057】
基板部3に、アーム100に対して鳥害防止具1を固定するための線形状の固定部材107を連結するための基板部連結部38が形成されている。
このような構成を有することから、基板部連結部38から伸びる固定部材107をアームに掛けまわして固定することができる。そして、アーム100と鳥害防止具1を容易に固定できる。
【0058】
連結部7は、雄形状となる第2連結部71と、他の鳥害防止具1に形成された雄形状の前記第1連結部と連結可能である雌形状の第1連結部72と、を有している。
このような構成を有することから、単に上下方向に他方の鳥害防止具1を移動させるだけで、連結と解除をすることが可能となる。
そして、それによって作業者は容易に器具110を使用して連続的な作業することができる。
その結果、作業者は複数の鳥害防止具1を取り付けることが可能となる。
【0059】
ライン保持部5は、それぞれ、少なくとも2本のラインを保持可能に形成されている。
このような構成を有することから、平行と交差による張り方を同時にライン102で実現することができる。そのためより効果的に鳥がとまることを防止することができる。
【0060】
鳥害防止具1は、柱の上部に形成されたアーム100に取り付けるための取付部9と、取付部9よりも上方に伸び、鳥害防止を図るためのライン102を取り付けるためのライン保持部5と、を有する鳥害防止具1であって、ライン保持部5は、少なくとも、取付部9よりも上方向に延びる第1ライン保持部51と、第1ライン保持部51と並行位置に形成された第2ライン保持部52と、を有している。
このような構成を有することから、アーム100の上方に、2本のライン102を張ることができる。
そのため、より効果的に、鳥がとまることを防止することができる。
【0061】
本発明の、構造、材料、各部材の連結、などは、本発明の要旨を変更しない範囲で、様々に変更可能である。
材質も、金属、プラスチック、FRP、木材、コンクリート等を自由に選択することが可能である。
例えば、2つ以上の部材を1つにすることも可能であるし、逆に、1つの部材を2つ以上の別の部材から構成して接続することも可能である。
また、上記実施形態は、あくまでも、現在のところの最良の形態の1つにすぎない。
【0062】
<定義等>
なお、本発明の固定部材107(第1固定部材107a、第2固定部材107b)の一例は、針金であるが、その他固定できるものであればどのようなものであっても良い。
本発明の連結部7の一例が第1連結部72及び第2連結部71であり、一方を保持すれば他方も同時に保持できるものであればどのようなものであってもよい。なお、2つの連結だけでなく、3個以上の連結であってもよい。
本発明のライン102の一例が、鳥害防止用の紐状の線である。他に、線上の物質であればどのようなものであってもよい。もちろん、単なる線である必要はなく、とげが存在していてもよく、さらに、螺旋をまくようなものその他であってもよい。
本発明のアーム100は、電線のみならず柱状の形状の中間又は最頂部等に水平又は多少の角度をもって、張り出すものをいう。
本発明の取付部9は、アーム100に取り付けられるものであればどのようなものであってもよい。例えば、アーム100に取り付けられるのであれば、接着、吸着、係止、ボルト止めであってよく、さらに、その他の機構を有するものであってもよい。
本発明の固定部材固定部の一例が第1板部固定部材固定部95d、第2板部固定部材固定部96dである。固定部材固定部は、一時的に固定部材107を垂れ下がらずに固定できる程度のものであればどのような形状のものであってもよい。
本発明の突出部の一例が、第1板部突出部95e及び第2板部突出部96eである。吐出部は、反対側からの固定部材107を引っ掛けることができるものであればどのような物であっても良い。
【符号の説明】
【0063】
1 :鳥害防止具
3 :基板部
5 :ライン保持部
7 :連結部
9 :取付部
38 :基板部連結部
39 :基板本体部
51 :第1ライン保持部
52 :第2ライン保持部
71 :第2連結部
72 :第1連結部
91 :第1板部
92 :第2板部
93 :第1板部把持部
94 :第2板部把持部
95 :第1板部係止部
95a :第1板部返し部
95b :第1板部傾斜部
95c :第1板部板部連結部
95d :第1板部固定部材固定部
95e :第1板部突出部
96 :第2板部係止部
100 :アーム
102 :ライン
107 :固定部材
S :スペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16
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図18