(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】相乗的な配合された難燃性材料を含むプリプレグ、コア及び複合体物品
(51)【国際特許分類】
C08J 5/04 20060101AFI20220107BHJP
C08J 9/33 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
C08J5/04 CES
C08J9/33
(21)【出願番号】P 2018535046
(86)(22)【出願日】2017-01-04
(86)【国際出願番号】 US2017012101
(87)【国際公開番号】W WO2017120171
(87)【国際公開日】2017-07-13
【審査請求日】2020-01-06
(32)【優先日】2016-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514102858
【氏名又は名称】ハンファ アズデル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ジニウ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ルオミアオ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ヤンカイ
(72)【発明者】
【氏名】メイソン,マーク・オゥ
【審査官】増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-049869(JP,A)
【文献】特開平11-060837(JP,A)
【文献】特開昭63-176114(JP,A)
【文献】特開2007-313893(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0284910(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/04
C08J 9/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性複合体物品であって、
複数の強化
ガラス繊維、
第1ポリプロピレン材料、及び配合された難燃性材料を含む多孔質コア層を含み、
前記配合された難燃性材料は、水酸化物難燃性材料または膨張性グラファイト材料と配合された第2ポリプロピレン材料を含み、
前記多孔質コア層は、前記配合された難燃性材料中に存在する前記第1ポリプロピレン材料および前記第2ポリプロピレン材料によって一緒に保持された前記強化ガラス繊維を含む連続気泡構造のウェブを含み、
前記多孔質コア層の多孔度は、前記多孔質コア層の総体積を基準として0%より高く、最大95体積%であり、
前記配合された難燃性材料は、前記熱可塑性複合体物品が2009年のASTM E84によって試験されるクラスA基準に適合するのに有効な量で存在し、
前記多孔質コア層はハロゲンを含まない、熱可塑性複合体物品。
【請求項2】
前記配合された難燃性材料は、
前記第2ポリプロピレン材料と配合された水酸化
マグネシウム材料を含む、請求項1に記載の熱可塑性複合体物品。
【請求項3】
前記水酸化マグネシウム材料:前記第2ポリプロピレン材料の比は、2:1、3:1、3:2、5:2、7:2、4:3、5:3、7:3、8:3、5:4、7:4、9:4、11:4、6:5、7:5、8:5、9:5、11:5、または13:5である、請求項
2に記載の熱可塑性複合体物品。
【請求項4】
前記多孔質コア層中に難燃剤を更に含み、前記難燃剤は、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、またはTeのうちの少なくとも1種を含む、請求項
1に記載の熱可塑性複合体物品。
【請求項5】
前記多孔質コア層中にロフト剤を更に含む、請求項1に記載の熱可塑性複合体物品。
【請求項6】
前記多孔質コア層上に配置されたスキン層をさらに含む、請求項1に記載の熱可塑性複合体物品。
【請求項7】
前記配合された難燃性材料は、前記第2ポリプロピレン材料と配合された水酸化マグネシウム材料を含む、請求項
6に記載の熱可塑性複合体物品。
【請求項8】
前記配合された難燃性材料の前記第2
ポリプロピレン材料は、前記
第1ポリプロピレン材料と同じ
ポリプロピレン材料を含
み、前記水酸化マグネシウム材料:前記第2ポリプロピレン材料の比は、2:1、3:1、3:2、5:2、7:2、4:3、5:3、7:3、8:3、5:4、7:4、9:4、11:4、6:5、7:5、8:5、9:5、11:5、または13:5である、請求項
7に記載の熱可塑性複合体物品。
【請求項9】
N、P、As、Sb、Bi、S、Se、またはTeのうちの少なくとも1種を含む追加の難燃剤を更に含む、請求項
1に記載の熱可塑性複合体物品。
【請求項10】
前記多孔質コア層中にロフト剤を更に含む、請求項
1に記載の熱可塑性複合体物品。
【請求項11】
前記水酸化物難燃性材料は水酸化マグネシウムであり、前記水酸化マグネシウムは前記多孔質コア層の第1の表面から前記多孔質コア層の第2の表面まで実質的に均一な分布を有する、請求項1に記載の熱可塑性複合体物品。
【請求項12】
前記水酸化物難燃性材料の平均粒子サイズは、前記第2ポリプロピレン材料の平均粒子サイズと実質的に同じである、請求項1に記載の熱可塑性複合体物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先出願
本出願は、2016年1月5日に出願された米国仮出願第62/275,044の優先権及び利益を主張するものであり、その開示全体が本明細書によって参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本出願は、1種以上の難燃剤、例えば、1種以上の配合された難燃性材料または難燃性材料の混合物を含む複合体物品に関する。所定の構成では、第1の熱可塑性材料、複数の強化繊維及び配合された難燃性材料からの第2の熱可塑性材料を含む熱可塑性コアを含む複合体物品が記載されている。
【背景技術】
【0003】
自動車及び建物の材料の用途のための物品は典型的には、数多くの競合する厳しい性能仕様に適合するように設計される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書に記載のプリプレグ、コア及び複合体物品の所定の構成は、難燃性、物品を任意の色に着色または染色する能力、向上した加工性及び向上した有用性を含むが、これらに限定されない望ましい特質を提供する。
【0005】
第1の態様では、熱可塑性複合体物品は、複数の強化繊維、熱可塑性材料、及び配合された難燃性材料を含む多孔質コア層を含む。
【0006】
所定の実施形態では、配合された難燃性材料は、熱可塑性材料と配合された水酸化物材料を含む。いくつかの場合では、水酸化物材料は、II族金属水酸化物を含み、配合された難燃性材料は、物品が2009年のASTM E84によって試験されるクラスA基準に適合するのに有効な量で存在する。他の実施形態では、配合された難燃性材料の熱可塑性材料は、多孔質コア層中に存在するものと共通の熱可塑性材料を含む。いくつかの構成では、多孔質コア層及び配合された難燃剤の各々の熱可塑性材料は、独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(1,4フェニレン)化合物、シリコーン及びそれらの混合物からなる群から選択される。所定の場合では、配合された難燃性材料の熱可塑性材料は、その熱可塑性材料とは異なる熱可塑性材料を含む。いくつかの例では、多孔質コア層及び配合された難燃剤の各々の熱可塑性材料は、独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(1,4フェニレン)化合物、シリコーン及びそれらの混合物からなる群から選択され、コア層の熱可塑性材料のために選択された熱可塑性材料は、配合された難燃性材料に存在する熱可塑性材料とは異なる。他の例では、多孔質コア層は難燃性を提供し、ハロゲンを含まない。更なる例では、物品は多孔質コア層中に難燃剤を含み、その難燃剤は、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、またはTeのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの実施形態では、物品は、多孔質コア層中にロフト剤を含む。
【0007】
別の態様では、熱可塑性複合体物品は、第1の熱可塑性材料と、第2の熱可塑性材料及び難燃性材料を含む配合された難燃性材料からの第2の熱可塑性材料とによって一緒に保持された強化繊維のランダム交差を含む連続気泡構造のウェブを含む多孔質コア層を含む。
【0008】
所定の実施形態では、配合された難燃性材料は、第2の熱可塑性材料と配合された水酸化物材料を含む。他の実施形態では、水酸化物材料は、II族金属水酸化物を含み、配合された難燃性材料は、物品が2009年のASTM E84によって試験されるクラスA基準に適合するのに有効な量で存在する。所定の例では、配合された難燃性材料の第2の熱可塑性材料は、第1の熱可塑性材料と同じ熱可塑性材料を含む。更なる実施形態では、第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料は、独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(1,4フェニレン)化合物、シリコーン及びそれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む。他の例では、第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料は、異なる熱可塑性材料を含む。いくつかの例では、複数の強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含む。所定の例では、多孔質コア層は難燃性を提供し、ハロゲンを含まない。いくつかの実施形態では、物品は、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、またはTeのうちの少なくとも1種を含む追加の難燃剤を含む。いくつかの例では、物品は、多孔質コア層中にロフト剤を含む。
【0009】
追加的な態様では、熱可塑性複合体シートは、複数の強化繊維、第1の熱可塑性材料、及び第2の熱可塑性材料を含む配合された難燃剤を含む多孔質コア層、及び多孔質コア層の少なくとも1つの表面上に配置されたスキンを含む。
【0010】
所定の実施形態では、シートは、多孔質コア層とスキンとの間に配置された追加の多孔質コア層を含む。他の実施形態では、追加の多孔質コア層は、複数の強化繊維、第1の熱可塑性材料、及び第2の熱可塑性材料を含む配合された難燃剤を含む。いくつかの例では、多孔質コア層及び追加の多孔質コア層中の配合された難燃剤は同じである。他の実施形態では、多孔質コア層及び追加の多孔質コア層中の配合された難燃剤は異なる。所定の例では、多孔質コア層は難燃性を提供し、ハロゲンを含まない。いくつかの構成では、シートは、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、またはTeのうちの少なくとも1種を含む追加の難燃剤を含む。他の例では、配合された難燃剤は、II族金属水酸化物を含み、配合された難燃性材料は、シートがASTM E84によって試験されるクラスA基準に適合するのに有効な量で存在する。所定の実施形態では、シートは、多孔質コア層中にロフト剤を含む。他の実施形態では、スキンは、配合された難燃性材料を含む。
【0011】
別の態様では、熱可塑性複合体シートは、第1の熱可塑性材料と、第2の熱可塑性材料及び難燃性材料を含む配合された難燃性材料からの第2の熱可塑性材料とによって一緒に保持された強化繊維のランダム交差を含む連続気泡構造のウェブを含む多孔質コア層、及び多孔質コア層の少なくとも1つの表面に配置されたスキンを含む。
【0012】
所定の構成では、シートは、多孔質コア層とスキンとの間に配置された追加の多孔質コア層を含む。他の構成では、追加の多孔質コア層は、複数の強化繊維、第1の熱可塑性材料、及び第2の熱可塑性材料を含む配合された難燃剤を含む。いくつかの実施形態では、多孔質コア層及び追加の多孔質コア層中の配合された難燃剤は同じである。所定の例では、多孔質コア層及び追加の多孔質コア層中の配合された難燃剤は異なる。他の例では、多孔質コア層は難燃性を提供し、ハロゲンを含まない。いくつかの場合では、シートは、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、またはTeのうちの少なくとも1種を含む追加の難燃剤を含む。他の場合では、配合された難燃剤は、II族金属水酸化物を含み、配合された難燃性材料は、シートがASTM E84によって試験されるクラスA基準に適合するのに有効な量で存在する。いくつかの例では、シートは、多孔質コア層中にロフト剤を含む。他の例では、スキンは、配合された難燃性材料を含む。
【0013】
追加的な態様では、第1の熱可塑性材料と、配合された難燃性材料からの第2の熱可塑性材料とによって一緒に保持された強化繊維のランダム交差を含む連続気泡構造のウェブを含む多孔質コア層であって、その配合された難燃性材料が、II族金属水酸化物を更に含む、多孔質コア層、及び多孔質コア層の少なくとも1つの表面上に配置されたスキンを含む熱可塑性複合体シートであって、II族金属水酸化物がシート中に有効量で存在することで、シートがASTM E84によって試験されるクラスA基準に適合する、熱可塑性複合体シートが提供される。
【0014】
所定の実施形態では、シートは、多孔質コア層とスキンとの間に配置された追加の多孔質コア層を含む。他の実施形態では、追加の多孔質コア層は、複数の強化繊維、第1の熱可塑性材料、及び第2の熱可塑性材料を含む配合された難燃剤を含む。いくつかの例では、多孔質コア層及び追加の多孔質コア層中の配合された難燃剤は、それぞれ同じ二価水酸化物難燃性材料である。いくつかの実施形態では、追加の多孔質コア層中の配合された難燃剤は、その二価水酸化物難燃性材料とは異なる。所定の例では、多孔質コア層は難燃性を提供し、ハロゲンを含まない。いくつかの例では、シートは、多孔質コア層中に追加の難燃剤を含み、追加の難燃剤は、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、またはTeのうちの少なくとも1種を含む。他の例では、配合された難燃剤のII族金属水酸化物は、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの場合では、シートは、多孔質コア層中にロフト剤を含む。他の場合では、スキンは、配合された難燃性材料を含む。
【0015】
別の態様では、方法は、第1の熱可塑性材料、強化繊維ならびに難燃性材料及び第2の熱可塑性材料を含む配合された難燃性材料を組み合わせて、撹拌された水性フォームを形成すること、撹拌された水性フォームをワイヤ支持体上に配置すること、水を排出してウェブを形成すること、ウェブを第1の熱可塑性材料の溶融温度以上の第1の温度に加熱すること、及びウェブに圧力を加えて熱可塑性複合体シートを提供することを含む。
【0016】
いくつかの場合では、組み合わせる工程は、第1の熱可塑性材料、強化繊維及び配合された難燃性材料を、均質な撹拌された水性フォームが形成されるまで混合することを含む。所定の構成では、その方法は、ウェブを、配合された難燃性材料の第2の熱可塑性材料の溶融温度以上の、第1の温度よりも高い第2の温度に加熱することを含む。他の例では、その方法は、対流加熱を使用してウェブを加熱することを含む。所定の場合では、その方法は、加熱された熱可塑性複合体シートに圧力を加えることを含む。いくつかの例では、その方法は、放射加熱を使用して熱可塑性複合体シートを加熱することを含む。他の実施形態では、その方法は、熱可塑性複合体シートの表面上に追加の配合難燃性材料を配置することを含む。いくつかの場合では、その方法は、配合された難燃性材料を二価金属水酸化物を含むように構成することを含む。所定の実施形態では、その方法は、熱可塑性複合体シートをスキンに結合させることを含む。他の場合では、その方法は、複合体シートにASTM E84によって試験されるクラスA基準を提供するように、配合された難燃性材料からの難燃性材料の量を構成することを含む。
【0017】
別の態様では、方法は、第1の熱可塑性材料及び強化繊維を組み合わせて、撹拌された水性フォームを形成すること、撹拌された水性フォームをワイヤ支持体上に配置すること、水を排出してウェブを形成すること、ウェブを第1の熱可塑性材料の溶融温度以上の第1の温度に加熱すること、配合された難燃性材料を加熱されたウェブに添加して複合体ウェブを提供することであって、その配合された難燃性材料が、難燃性材料及び第2の熱可塑性材料を含む、提供すること、及び複合体ウェブに圧力を加えて熱可塑性複合体シートを提供することを含む。
【0018】
所定の実施形態では、その方法は、配合された難燃性材料をII族金属水酸化物を含むように構成することを含む。他の実施形態では、その方法は、第2の熱可塑性材料を第1の熱可塑性材料と同じとなるように構成することで、配合された難燃剤が加熱されたウェブに添加されるときに第2の熱可塑性材料が溶融することを含む。いくつかの例では、その方法は、複合体ウェブを、配合された難燃性材料の第2の熱可塑性材料の溶融温度以上の、第1の温度よりも高い第2の温度に加熱することを含む。所定の場合では、その方法は、対流加熱を使用してウェブを加熱することを含む。更なる例では、その方法は、放射加熱を使用して熱可塑性複合体シートを加熱することを含む。いくつかの場合では、その方法は、熱可塑性複合体シートの表面上に追加の配合難燃性材料を配置することを含む。他の例では、その方法は、撹拌された水性フォームにロフト剤を添加することを含む。いくつかの例では、その方法は、熱可塑性複合体シートをスキンに結合させることを含む。所定の構成では、その方法は、複合体シートにASTM E84によって試験されるクラスA基準を提供するように、配合された難燃性材料からの難燃性材料の量を構成することを含む。
【0019】
追加的な態様では、方法は、第1の熱可塑性材料及び強化繊維を組み合わせて、撹拌された水性フォームを形成すること、撹拌された水性フォームをワイヤ支持体上に配置すること、水を排出してウェブを形成すること、配合された難燃性材料をウェブに添加することであって、その配合された難燃性材料が、難燃性材料及び第2の熱可塑性材料を含む、添加すること、ウェブを第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料の溶融温度以上の第1の温度に加熱すること、及び複合体ウェブに圧力を加えて熱可塑性複合体シートを提供することを含む。
【0020】
所定の場合では、その方法は、配合された難燃性材料をII族金属水酸化物を含むように構成することを含む。他の例では、その方法は、第2の熱可塑性材料を第1の熱可塑性材料と同じとなるように構成することを含む。いくつかの実施形態では、その方法は、II族金属水酸化物を水酸化マグネシウムを含むように構成すること、及び第2の熱可塑性材料をポリプロピレンを含むように構成することを含む。所定の例では、その方法は、対流加熱を使用してウェブを加熱することを含む。他の実施形態では、その方法は、放射加熱を使用して熱可塑性複合体シートを加熱することを含む。所定の構成では、その方法は、熱可塑性複合体シートの表面上に追加の配合難燃性材料を配置することを含む。いくつかの実施形態では、その方法は、撹拌された水性フォームにロフト剤を添加することを含む。所定の場合では、その方法は、熱可塑性複合体シートをスキンに結合させることを含む。いくつかの例では、その方法は、複合体シートにASTM E84によって試験されるクラスA基準を提供するように、配合された難燃性材料からの難燃性材料の量を構成することを含む。
【0021】
別の態様では、第1の熱可塑性材料と、配合された難燃性材料からの第2の熱可塑性材料とによって一緒に保持された複数の強化繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含むプリプレグが記載されている。所定の場合では、配合された難燃性材料は、II族金属水酸化物を含む。他の場合では、第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料の各々は、独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(1,4フェニレン)化合物、シリコーン及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0022】
追加的な態様では、熱可塑性物品は、第1の熱可塑性材料と、難燃剤及び第2の熱可塑性材料を含む配合された難燃性材料からの第2の熱可塑性材料とによって一緒に保持された複数の強化繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含む多孔質コア層を含み、その難燃性材料は、ASTM E84によって試験されるクラスA基準を提供するのに有効な量で存在する。所定の構成では、配合された難燃性材料は、II族金属水酸化物を含む。他の構成では、第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料の各々は、独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(1,4フェニレン)化合物、シリコーン及びそれらの混合物からなる群から選択される。追加的な構成では、II族金属水酸化物は、物品中に40重量%以上で存在する水酸化マグネシウムである。
【0023】
別の態様では、熱可塑性物品は、第1の熱可塑性材料と、配合された難燃性材料からの第2の熱可塑性材料とによって一緒に保持された複数の強化繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含む多孔質コア層、及び多孔質コア層の少なくとも1つの表面上に配置されたスキンを含み、その難燃性材料は、物品がASTM E84のクラスA基準に適合することを可能にするのに有効な量で存在する。所定の場合では、配合された難燃性材料は、II族金属水酸化物を含む。他の場合では、第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料の各々は、独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(1,4フェニレン)化合物、シリコーン及びそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、II族金属水酸化物は、物品中に40重量%以上で存在する水酸化マグネシウムである。
【0024】
追加的な態様では、複数の強化繊維、熱可塑性材料、及び第2の熱可塑性材料と配合された難燃性材料を含む配合された難燃性材料を含む熱可塑性複合体物品を、強化繊維、熱可塑性材料及び配合された難燃性材料の混合物を第1及び第2の熱可塑性材料の融点を超える第1の温度に加熱することによって製造する方法が記載されている。所定の場合では、その方法は、第1及び第2の熱可塑性材料を同じ熱可塑性材料となるように選択することを含む。他の場合では、その方法は、難燃性材料を、II族金属水酸化物となるように選択することを含む。いくつかの構成では、その方法は、加熱された混合物に圧力を加えて熱可塑性複合体物品を形成することを含む。
【0025】
別の態様では、複数の強化繊維及び熱可塑性材料を含む熱可塑性複合体物品を、強化繊維及び熱可塑性材料の混合物を第1の熱可塑性材料の融点を超える第1の温度に加熱し、固体の配合された難燃性材料を溶融した第1の熱可塑性材料及び加熱された強化繊維に添加することによって製造する方法であって、配合された難燃性材料が、第2の熱可塑性材料と配合された難燃性材料を含む、方法が提供される。所定の場合では、その方法は、熱可塑性材料、強化繊維及び添加された配合された難燃性材料を第2の熱可塑性材料の溶融温度を超える温度に加熱することを含む。他の構成では、その方法は、加熱された混合物に圧力を加えて熱可塑性複合体物品を形成することを含む。
【0026】
追加的な態様では、熱可塑性複合体物品は、複数の強化繊維、熱可塑性材料、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を含む多孔質コア層を含む。
【0027】
いくつかの例では、II族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物は、熱可塑性材料と配合される。他の例では、多孔質コア層及び配合された難燃剤の各々の熱可塑性材料は、独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(1,4フェニレン)化合物、シリコーン及びそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、配合された難燃性材料の熱可塑性材料は、その熱可塑性材料とは異なる熱可塑性材料を含む。所定の例では、多孔質コア層及び配合された難燃剤の各々の熱可塑性材料は、独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(1,4フェニレン)化合物、シリコーン及びそれらの混合物からなる群から選択され、コア層の熱可塑性材料のために選択された熱可塑性材料は、配合された難燃性材料に存在する熱可塑性材料とは異なる。他の例では、膨張性グラファイト材料は、5重量パーセント未満で存在し、II族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物は、物品が、SAE J369法(REV.Nov.2007)を使用して測定される非油浸漬及び油浸漬SAE自己消火試験の両方に適合することを可能にするのに有効な量で存在する。いくつかの例では、II族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物は、9重量パーセント以上で存在する。所定の実施形態では、多孔質コア層は、難燃性を提供し、ハロゲンを含まない。いくつかの場合では、物品は、多孔質コア層中に難燃剤を含み、その難燃剤は、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、またはTeのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの例では、物品は、多孔質コア層中にロフト剤を含む。
【0028】
別の態様では、熱可塑性複合体物品は、第1の熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のランダム交差を含む連続気泡構造のウェブを含む多孔質コア層を含み、多孔質コア層は、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を更に含み、熱可塑性複合体物品は、SAE J369法(REV.Nov.2007)を使用して測定される非油浸漬及び油浸漬SAE自己消火試験に適合する。
【0029】
所定の例では、物品は、第2の熱可塑性材料と配合された水酸化物材料を含む配合された難燃性材料を含む。いくつかの実施形態では、配合された難燃性材料の第2の熱可塑性材料は、第1の熱可塑性材料と同じ熱可塑性材料を含む。いくつかの場合では、第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料は、独立して、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(1,4フェニレン)化合物、シリコーン及びそれらの混合物のうちの少なくとも1種を含む。いくつかの例では、第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料は、異なる熱可塑性材料を含む。所定の例では、II族金属水酸化物は水酸化マグネシウムを含む。いくつかの例では、複数の強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含む。所定の実施形態では、多孔質コア層は、難燃性を提供し、ハロゲンを含まない。いくつかの例では、物品は、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、またはTeのうちの少なくとも1種を含む追加の難燃剤を含む。いくつかの例では、物品は、多孔質コア層中にロフト剤を含む。
【0030】
別の態様では、熱可塑性複合体シートは、複数の強化繊維、第1の熱可塑性材料、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を含む多孔質コア層、及び多孔質コア層の少なくとも1つの表面上に配置されたスキンを含む。
【0031】
所定の例では、シートは、多孔質コア層とスキンとの間に配置された追加の多孔質コア層を含む。いくつかの例では、追加の多孔質コア層は、複数の強化繊維、第2の熱可塑性材料、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を含む。所定の場合では、第1及び第2の熱可塑性材料は同じである。いくつかの実施形態では、第1及び第2の熱可塑性材料は異なる。他の実施形態では、多孔質コア層は、難燃性を提供し、ハロゲンを含まない。いくつかの例では、シートは、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、またはTeのうちの少なくとも1種を含む追加の難燃剤を含む。いくつかの例では、シートは、追加の熱可塑性材料と配合されたII族金属水酸化物を含む配合された難燃剤を含む。他の例では、シートは、多孔質コア層中にロフト剤を含む。いくつかの実施形態では、スキンは、配合された難燃性材料を含む。
【0032】
追加的な態様では、熱可塑性複合体シートは、第1の熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のランダム交差を含む連続気泡構造のウェブを含む多孔質コア層であって、そのコア層が、ウェブの連続気泡構造中に膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を含む、多孔質コア層、及び多孔質コア層の少なくとも1つの表面上に配置されたスキンを含む。
【0033】
いくつかの例では、シートは、多孔質コア層とスキンとの間に配置された追加の多孔質コア層を含む。所定の例では、追加の多孔質コア層は、複数の強化繊維、第2の熱可塑性材料、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2の熱可塑性材料は同じである。他の実施形態では、第1及び第2の熱可塑性材料は異なる。いくつかの実施形態では、多孔質コア層は、難燃性を提供し、ハロゲンを含まない。他の例では、シートは、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、またはTeのうちの少なくとも1種を含む追加の難燃剤を含む。いくつかの例では、シートは、II族金属水酸化物を含む配合された難燃剤を含む。他の例では、シートは、多孔質コア層中にロフト剤を含む。いくつかの例では、スキンは、配合された難燃性材料を含む。
【0034】
別の態様では、熱可塑性複合体シートは、第1の熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維のランダム交差を含む連続気泡構造のウェブを含む多孔質コア層であって、そのコア層が、ウェブの連続気泡構造中に膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を更に含む、多孔質コア層、及び多孔質コア層の少なくとも1つの表面上に配置されたスキンを含み、コア層が、5重量パーセント以下の膨張性グラファイト材料及び有効量のII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を含むことで、シートは、SAE J369法(REV.Nov.2007)を使用して測定される非油浸漬及び油浸漬SAE自己消火試験に適合する。
【0035】
所定の例では、シートは、多孔質コア層とスキンとの間に配置された追加の多孔質コア層を含む。他の例では、追加の多孔質コア層は、複数の強化繊維、第1の熱可塑性材料、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を含む。いくつかの実施形態では、コア層のII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物及び追加の多孔質コア層のII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物はそれぞれ、同じ二価水酸化物難燃性材料である。所定の例では、コア層のII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物及び追加の多孔質コア層のII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物は、異なる水酸化物材料である。いくつかの実施形態では、多孔質コア層は、難燃性を提供し、ハロゲンを含まない。他の実施形態では、シートは、多孔質コア層中に追加の難燃剤を含み、追加の難燃剤は、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、またはTeのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの例では、難燃剤のII族金属水酸化物は、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムのうちの少なくとも1種を含む。いくつかの場合では、シートは、多孔質コア層中にロフト剤を含む。他の場合では、スキンは、配合された難燃性材料を含む。
【0036】
追加の態様では、方法は、第1の熱可塑性材料、強化繊維、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を組み合わせて、撹拌された水性フォームを形成すること、撹拌された水性フォームをワイヤ支持体上に配置すること、水を排出してウェブを形成すること、ウェブを第1の熱可塑性材料の溶融温度以上の第1の温度に加熱すること、及びウェブに圧力を加えて熱可塑性複合体シートを提供することを含む。
【0037】
所定の例では、組み合わせる工程は、第1の熱可塑性材料、強化繊維、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を、均質な撹拌された水性フォームが形成されるまで混合することを含む。他の例では、その方法は、ウェブを第1の温度よりも高い第2の温度に加熱して膨張性グラファイト材料をロフトすることを含む。いくつかの場合では、その方法は、対流加熱を使用してウェブを加熱することを含む。他の例では、その方法は、加熱された熱可塑性複合体シートに圧力を加えることを含む。いくつかの例では、その方法は、放射加熱を使用して熱可塑性複合体シートを加熱することを含む。所定の例では、その方法は、熱可塑性複合体シートの表面上に追加の難燃性材料を配置することを含む。いくつかの例では、その方法は、追加の難燃性材料を二価金属水酸化物を含むように構成することを含む。所定の例では、その方法は、熱可塑性複合体シートをスキンに結合させることを含む。他の例では、その方法は、シートが、SAE J369法(REV.Nov.2007)を使用して測定して非油浸漬及び油浸漬SAE自己消火試験の両方に適合するように、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物の量を構成することを含む。
【0038】
別の態様では、方法は、第1の熱可塑性材料及び強化繊維を組み合わせて、撹拌された水性フォームを形成すること、撹拌された水性フォームをワイヤ支持体上に配置すること、水を排出してウェブを形成すること、ウェブを第1の熱可塑性材料の溶融温度以上の第1の温度に加熱すること、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を加熱されたウェブに添加して、複合体ウェブを提供すること、及び複合体ウェブに圧力を加えて熱可塑性複合体シートを提供することを含む。
【0039】
所定の例では、その方法は、II族金属水酸化物を、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムを含むように構成することを含む。他の例では、その方法は、II族金属水酸化物を、ポリオレフィンと配合された水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムを含むように構成することを含む。いくつかの例では、その方法は、ウェブを第1の温度よりも高い第2の温度に加熱して膨張性グラファイト材料をロフトすることを含む。他の例では、その方法は、対流加熱を使用してウェブを加熱することを含む。いくつか場合では、その方法は、放射加熱を使用して熱可塑性複合体シートを加熱することを含む。更なる例では、その方法は、熱可塑性複合体シートの表面上に追加の難燃性材料を配置することを含む。いくつかの実施形態では、その方法は、撹拌された水性フォームにロフト剤を添加することを含む。所定の例では、その方法は、熱可塑性複合体シートをスキンに結合させることを含む。いくつかの例では、その方法は、シートが、SAE J369法(REV.Nov.2007)を使用して測定して非油浸漬及び油浸漬SAE自己消火試験の両方に適合するように、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物の量を構成することを含む。
【0040】
追加の態様では、方法は、第1の熱可塑性材料、強化繊維、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を組み合わせて、撹拌された水性フォームを形成すること、撹拌された水性フォームをワイヤ支持体上に配置すること、水を排出してウェブを形成すること、ウェブを第1の熱可塑性材料の溶融温度以上でかつ膨張性グラファイト材料のロフト温度未満の第1の温度に加熱すること、及びウェブに圧力を加えて熱可塑性複合体シートを提供することを含む。
【0041】
所定の例では、その方法は、II族金属水酸化物を、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムを含むように構成することを含む。他の例では、その方法は、II族金属水酸化物を、ポリオレフィンと配合された水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムを含むように構成することを含む。いくつかの例では、その方法は、複合体ウェブを第1の温度よりも高い第2の温度に加熱して膨張性グラファイト材料をロフトすることを含む。所定の実施形態では、その方法は、対流加熱を使用してウェブを加熱することを含む。他の実施形態では、その方法は、放射加熱を使用して熱可塑性複合体シートを加熱することを含む。いくつかの例では、その方法は、熱可塑性複合体シートの表面上に追加の難燃性材料を配置することを含む。所定の構成では、その方法は、撹拌された水性フォームにロフト剤を添加することを含む。いくつかの実施形態では、その方法は、熱可塑性複合体シートをスキンに結合させることを含む。他の場合では、その方法は、シートが、SAE J369法(REV.Nov.2007)を使用して測定して非油浸漬及び油浸漬SAE自己消火試験の両方に適合するように、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物の量を構成することを含む。
【0042】
別の態様では、プリプレグは、第1の熱可塑性材料によって一緒に保持された複数の強化繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含み、そのプリプレグは、ウェブの連続気泡構造中に膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を更に含む。所定の場合では、II族金属水酸化物は、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムを含む。他の場合では、第1の熱可塑性材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(1,4フェニレン)化合物、シリコーン及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0043】
追加的な態様では、熱可塑性物品は、第1の熱可塑性材料によって一緒に保持された複数の強化繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含む多孔質コア層を含み、コア層は、ウェブの連続気泡構造中に膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を更に含み、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物の量は、物品が、SAE J369法(REV.Nov.2007)を使用して測定して非油浸漬及び油浸漬SAE自己消火試験の両方に適合するように選択される。いくつかの構成では、II族金属水酸化物は、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムを含む。他の場合では、第1の熱可塑性材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(1,4フェニレン)化合物、シリコーン及びそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの例では、II族金属水酸化物は、物品中に9重量パーセント以上で存在する水酸化マグネシウムであり、膨張性グラファイト材料は、物品中に5重量パーセント以下で存在する。
【0044】
別の態様では、熱可塑性物品は、第1の熱可塑性材料によって一緒に保持された複数の強化繊維によって形成された連続気泡構造のウェブを含む多孔質コア層であって、そのコア層が、ウェブの連続気泡構造中に膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を更に含む、多孔質コア層、及び多孔質コア層の少なくとも1つの表面上に配置されたスキンを含む。いくつかの例では、II族金属水酸化物は、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムを含む。他の例では、第1の熱可塑性材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリエステル、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(1,4フェニレン)化合物、シリコーン及びそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの場合では、II族金属水酸化物は、物品中に9重量パーセント以上で存在する水酸化マグネシウムであり、膨張性グラファイト材料は、物品中に5重量パーセント以下で存在する。
【0045】
別の態様では、複数の強化繊維、熱可塑性材料、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物を含む熱可塑性複合体物品を、強化繊維、熱可塑性材料、膨張性グラファイト材料及びII族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物の混合物を熱可塑性材料の融点を超える第1の温度に加熱することによって製造する方法が記載されている。いくつかの例では、その方法は、II族金属水酸化物を、水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウムを含むように選択することを含む。他の例では、その方法は、加熱された混合物に圧力を加えて熱可塑性複合体物品を形成することを含む。
【0046】
追加的な特徴、態様、例、構成及び実施形態を以下でより詳細に説明する。
所定の実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】所定の例による、配合された難燃性材料または2種以上の異なる難燃性材料を含むプリプレグの図である。
【
図2A】所定の例による、異なる装填量の配合された難燃性材料または2種以上の異なる難燃性材料を含む2つのプリプレグの図である。
【
図2B】所定の構成による、一緒に溶融した後の
図2Aの2つのプリプレグを示す図である。
【
図2C】所定の実施形態による、スキンに結合された配合された難燃性材料(または2種以上の異なる難燃性材料)を含むプリプレグを示す図である。
【
図3】所定の例による、スキンに結合された配合された難燃性材料(または2種以上の異なる難燃性材料)を含むプリプレグまたはコアを示す図である。
【
図4】所定の例による、スキンに結合された配合された難燃性材料(または2種以上の異なる難燃性材料)を含むプリプレグまたはコアを示す図である。
【
図5】所定の例による、スキンに結合された配合された難燃性材料(または2種以上の異なる難燃性材料)を含むプリプレグまたはコアを示す別の図である。
【
図6】所定の例による、スキン層を介して互いに結合された配合された難燃性材料(または2種以上の異なる難燃性材料)を含む2つのプリプレグまたはコアを示す別の図である。
【
図7】所定の実施形態による、コア層の1つの上に配置されたスキン層を有する互いに結合された配合された難燃性材料(または2種以上の異なる難燃性材料)を含む2つのプリプレグまたはコアを示す別の図である。
【
図8】所定の実施形態による、コア層の各々の上に配置されたスキン層を有する互いに結合された配合された難燃性材料(または2種以上の異なる難燃性材料)を含む2つのプリプレグまたはコアを示す別の図である。
【
図9】所定の例による、スキン層の1つの上に配置された別のスキン層を含む、スキン層を介して互いに結合された配合された難燃性材料(または2種以上の異なる難燃性材料)を含む2つのプリプレグまたはコアを示す別の図である。
【
図10】所定の実施形態による、コア層上に配置された材料ストリップを示す図である。
【
図11】所定の例による、配合された難燃性材料(または2種以上の異なる難燃性材料)を含むプリプレグまたはコアを製造するためのプロセスのブロック図である。
【
図12】所定の例による、配合された難燃性材料(または2種以上の異なる難燃性材料)を含むプリプレグまたはコアを製造するための別のプロセスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本開示の利益を考慮すると、図面中の所定の寸法または特徴は、図面のよりユーザフレンドリなバージョンを提供するために、別の非従来のまたは非比例の手法で拡大され、歪ませられ、または示されている場合があることが当業者に認識される。図における描写によって特定の厚さ、幅または長さは意図されておらず、図の部材の相対的なサイズは、図中の部材のいずれかのサイズを限定することは意図されていない。以下の記載において寸法または値が特定されている場合、寸法または値は例示の目的のためにのみ提供される。また、図面の所定の部分の陰影によって特定の材料または配置が必要とされることは意図されておらず、図中の異なる部材が区別の目的のために陰影を含み得る場合であっても、所望の場合には異なる部材が同一または類似の材料を含み得る。いくつかの場合では、配合された難燃性材料(または2種以上の異なる難燃性材料)を含むコア層は、例示の目的のために、スタッブルまたはドットを含むものとして示されている。スタッブル及びドットの配置は、その特定の図を説明する文脈で他に規定されていない限り、任意の特定の分布を意味することは意図されていない。
【0049】
本明細書に開示される技術のよりユーザフレンドリな説明を提供するために、単数形及び複数形の用語を参照して以下に所定の実施形態を記載する。これらの用語は、便宜上の目的のためにのみ使用され、本明細書に記載された特定の実施形態に存在するかまたはそれから除かれるものとして別段述べられない限り、所定の特徴を含むまたは除くものとしてプリプレグ、コア、物品、複合体及び他の主題を限定することは意図されない。
【0050】
所定の場合では、熱可塑性複合体物品はしばしば、様々な形状に成形または加工されて、最終形成部品または物品を提供する。形成される正確な最終物品は、特定の使用用途に依存し得る。例えば、いくつかの場合では、本明細書に記載のプリプレグ及びコアは、後に所望の形状または構造に成形され、トリミングされまたは形作られ得るシート形態で提供され得る。所定の場合では、シートは、キュービクル、壁カバー材、例えば、壁の間柱に取り付けられ得る壁カバー材もしくはカバーが存在する乾式壁もしくは壁の間柱に取り付けられた他の材料、シートバック、シートフレーム、屋根パネル、天井パネル、床材またはオフィスもしくは建築用途に使用され得る他の物品を含むがこれらに限定されないオフィス家具または屋内建築製品に加工され得る。他の場合では、複合体物品は、アンダーボディシールド、スキッドプレートなどを含む外部自動車用途に使用され得る。以下でより詳細に述べるように、複合体物品は、多くの異なる方法で製造され得るが、ほとんどの場合、複合体物品は、多孔質のプリプレグまたはコア層を提供するために非押出複合体物品である。
【0051】
本明細書に記載のいくつかの構成では、熱可塑性プリプレグまたは熱可塑性コアにおける配合された難燃性材料の存在は、プリプレグまたはコアが難燃性を少なくともある程度まで提供することを可能にする。例えば、プリプレグまたはコアは、2009年の「Standard Test Method for Surface Burning Characteristics of Building Materials」と題されたASTM E84試験のクラスA基準に適合し得る。例えば、コア層に使用するために選択された特定の配合された難燃性材料は、ASTM E84のクラスAまたはクラスBの要件に適合する物品を、例えば、成形することなく製造されたままの物品で、または所望の場合には成形された物品で提供し得る。クラスA物品が約0~25の火炎拡散指数を有する一方で、クラスB物品は約26~75の火炎拡散指数を有する点でクラスA物品はクラスB物品とは異なる。いくつかの場合では、十分な配合された難燃性材料が最終プリプレグまたはコア中に存在するので、プリプレグまたはコアは、2009年のASTM E84試験下でクラスA基準に適合する。
【0052】
本明細書に記載の他の構成では、複合体物品は、複合体物品がSAE J369法(REV.Nov.2007)に適合するように、1種以上の他の難燃性材料と組み合わされたEG材料を含み得る。この試験法は、明細書及び特許請求の範囲における所定の場合では、SAE燃焼性試験またはSAE自己消火試験と称される。いくつかの例では、10重量パーセント未満のEG材料、9重量パーセント未満のEG材料、8重量パーセント未満のEG材料、7重量パーセント未満のEG材料、6重量パーセント未満のEG材料、または更に5重量パーセント未満EG材料がプリプレグまたはコア層中に存在し得、十分な他の難燃性材料がプリプレグまたはコア層中に存在することで、複合体物品は、非油浸漬または油浸漬SAE燃焼性試験に適合または合格する。
【0053】
いくつかの実施形態では、配合された難燃性材料として使用される正確な材料は、プリプレグまたはコアの所望の全体の特性及び/またはプリプレグまたはコアを製造するために使用される方法に応じて変わり得る。配合された難燃性材料は典型的には、別の材料と配合された難燃性薬剤または材料を含む。例えば、配合された難燃性材料は、1種以上の熱可塑性または熱硬化性材料と配合された難燃剤を含み得る。プリプレグまたはコアが強化繊維と組み合わされて熱可塑性材料を含む場合、配合された難燃性材料中に存在する1種の材料も熱可塑性材料であり得る。プリプレグまたはコア中の未使用の熱可塑性材料は、配合された難燃剤中に存在する熱可塑性材料と同じでも異なっていてもよい。配合された難燃性材料中に熱可塑性材料が存在するいくつかの場合では、配合された難燃性材料の熱可塑性材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、及びポリ塩化ビニル(可塑化または非可塑化の両方)、及びこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドのうちの1種以上を含み得る。配合された難燃性材料に使用される他の好適な熱可塑性材料には、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、及びシリコーン、ならびにこれらの材料の互いのまたは他のポリマー材料とのアロイ及びブレンドが含まれるがこれらに限定されない。難燃性材料と配合された熱可塑性材料を含む配合された難燃性材料は、所定の場合では、配合された難燃性熱可塑性材料と称される。
【0054】
所定の実施形態では、配合された難燃性材料に使用される難燃剤は、有機及び無機難燃性材料を含む多くの異なる材料を含み得る。所定の構成では、配合された難燃性材料の難燃剤は、無機材料または無機塩を含み得る。例えば、有害物質(RoHS)に対する制限は、いかなるハライドも実質的に含まない(または含まない)無機塩として難燃性材料を選択することを所望にする場合がある。いくつかの実施形態では、難燃性材料は、1種以上のアニオンと組み合わせてII族金属またはIII族金属を含み得る。例えば、配合された難燃性材料の難燃性材料は、ベリリウム、カルシウム、マグネシウムまたは他のII族金属塩を含み得る。いくつかの実施形態では、配合された難燃性材料のII族金属は、水酸化物材料として存在し得る。例えば、難燃性材料は、水酸化ベリリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムまたは他のII族金属水酸化物として存在し得る。他の場合では、配合された難燃性材料の難燃性材料は、アルミニウム、ガリウム、インジウムまたは他のIII族金属塩を含み得る。いくつかの実施形態では、配合された難燃性材料のIII族金属塩は、水酸化物材料として存在し得る。例えば、難燃性材料は、水酸化アルミニウムもしくは水酸化ガリウムまたは他のIII族金属水酸化物として存在し得る。
【0055】
他の構成では、配合された難燃性材料として存在する無機材料は、難燃性材料として機能し得る1種以上の遷移金属塩を含み得る。例えば、溶液中で二価カチオンを形成し得る遷移金属は、1種以上のアニオンと組み合わされ、難燃剤として使用され得る。いくつかの場合では、プリプレグまたはコアが燃焼を受ける場合、毒性ガスのガス放出を避けるために、遷移金属塩は、非ハロゲン化物の形態で存在してもよく、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物またはヨウ化物塩として存在しなくてもよい。所定の構成では、遷移金属塩は、例えば、水酸化物として存在し得る。
【0056】
プリプレグ及びコアに使用される配合された難燃性材料の正確な量は、どの他の材料が存在するかに応じて変わり得るが、配合された難燃性材料は、典型的には、プリプレグまたはコアの主要量よりも少ない重量百分率で存在し、例えば、配合された難燃性材料は、典型的には、プリプレグまたはコアの重量を基準として50重量パーセント以下で存在する。所定の場合では、配合された難燃性材料は、プリプレグまたはコアに難燃性を提供するために補助量を超えて存在する。例えば、配合された難燃性材料は、プリプレグまたはコアの重量を基準として30重量パーセント以上、35重量パーセント以上、40重量パーセント以上または更に45重量パーセント以上で存在し得る。例示的な配合された難燃性材料は、Washington Penn Plastic Co.(Washington,PA)から商業的に利用可能であるか、または好適な難燃性材料を好適な熱可塑性材料または他の材料と混合することによって製造され得る。例えば、難燃性材料、例えば、II族水酸化物は、押出プロセスを使用して別の材料、例えば、熱可塑性材料と混合され得る。いくつかの場合では、熱可塑性材料を押出機に添加して溶融させる。溶融したポリマーは、バレル内に押し込まれまたは推進され、次いでそこで難燃性材料が添加される。得られた混合物は前方に推進され、難燃性材料を溶融した熱可塑性材料に混合するように作用する。次いで、得られた混合物を冷却して、粒子またはペレットなどの固体材料を形成し得る。熱可塑性材料に対する難燃性材料の特定の比は変わり得る。例えば、難燃性材料:他の材料の比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、1:5、1:4、1:3または1:2で変わり得る。配合された難燃性材料が熱可塑性材料と組み合わせて無機難燃性塩を含む場合では、無機塩は、典型的には、配合された難燃性材料中に、より多くの量で存在する。例えば、無機塩:熱可塑性材料の比は、約2:1、3:1、3:2、5:2、7:2、4:3、5:3、7:3、8:3、5:4、7:4、9:4、11:4、6:5、7:5、8:5、9:5、11:5、13:5または他の比であり得る。しかしながら、所望の場合、熱可塑性材料は、配合された難燃性材料中に等量重量で存在してもよく、または難燃性材料よりも高い重量で配合された難燃性材料中に存在しさえする場合がある。
【0057】
プリプレグまたはコアを製造するために使用される特定のプロセスに応じて、配合された難燃性材料は、プリプレグまたはコアの他の材料に添加する前に、粉砕、濾過、サイズ調整あるいは加工され得る。熱可塑性粒子がプリプレグまたはコアに使用されるいくつかの場合では、配合された難燃性材料の平均粒子サイズは、熱可塑性材料の平均粒子サイズとほぼ同じであり得る。他の構成では、配合された難燃性材料の平均粒子サイズは、プリプレグまたはコアに使用される熱可塑性材料の平均粒子サイズよりも小さくても大きくてもよい。
【0058】
いくつかの場合では、2種以上の異なる難燃剤が、熱可塑性材料及び強化繊維と組み合わせて使用され得る。所望の場合、難燃剤の1つは、本明細書に記載の配合された難燃剤であり得る。例えば、いくつかの場合では、難燃剤の1つは、膨張性グラファイト(EG)材料を含み得、他の難燃剤は、II族またはIII族金属塩を含み得る。例えば、EG材料は、ベリリウム、カルシウム、マグネシウムまたは他のII族金属塩と組み合わせて、またはアルミニウム、ガリウム、インジウムまたは他のIII族金属塩と組み合わせて使用され得る。他の例では、EG材料は、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わせて使用され得る。例えば、EG材料は、水酸化ベリリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムまたは他のII族金属水酸化物と組み合わせて、または水酸化アルミニウムもしくは水酸化ガリウムまたは他のIII族金属水酸化物と組み合わせて使用され得る。非EG難燃性材料は、所望により配合形態または非配合形態で存在し得る。例えば、EG材料は、PPと配合されたMDHまたはPPと配合された水酸化アルミニウム(ATH)と組み合わせて使用され得る。他の構成では、EG材料は天然のMDHまたは天然のATHと共に使用され得る。任意の特定の理論によって縛られることを望まないが、EG難燃剤と組み合わせて非EG難燃剤を使用することによって、所望の難燃性を依然として提供しつつ、EG材料の全体の量を減少させ得る。プリプレグに使用される膨張性グラファイト材料の正確な種類は、例えば、所望のレベルの難燃性を含む数多くの要因に依存し得る。例示的な商業的に利用可能な膨張性グラファイト材料は、Nyacol Nano Technologies,Inc.(Ashland,MA)から入手可能であり、例えば、グレード35、200、249、250、251、KP251及び351の膨張性グラファイト材料を含む。追加の膨張性グラファイト材料は、Graftech International(Lakewood,OH)から商業的に購入し得る。膨張性グラファイト材料は、一般にグラファイト鉱石を酸性化することによって製造され得る。酸性化は、例えば、硫酸がインターカレーターとして作用するインターカレーションプロセスをもたらす。次いで、溶液を中和して、六角形炭素-炭素結合材料のシートの一連の層を提供し得る。層は、一般に平坦であり、追加の六角形炭素-炭素層と相互作用して層状シート構造を提供する。層状シート構造は、シート間の共有結合または静電的相互作用(またはその両方)によって一緒に保持され得る。所望の場合、膨張性グラファイト材料は、好適な酸化剤を使用して酸化されて、酸化グラフェンを形成し得る。本明細書で述べるように、膨張性グラファイト材料は、フレーク形態、粒子形態または他の形態を含む多くの形態で存在し得る。いくつかの場合では、膨張性グラファイト材料は粒子形態で存在し、例えば、少なくとも300ミクロンの平均粒子サイズを含み得る。いくつかの構成では、EG材料の形態は、非EG難燃剤の形態と同じになるように選択され、例えば、両方がフレーク形態で使用され得る。
【0059】
所定の構成では、本明細書に記載の物品は、プリプレグまたはコア層を含み得る。任意の特定の理論によって縛られることを望まないが、プリプレグは、一般に、完全に形成または加工されたバージョンのコアではない。例えば、熱可塑性材料、複数の繊維及び配合された難燃性材料(または異なる難燃性材料と組み合わされたEG材料)を含む部分的に形成された層は、一般にプリプレグと称される一方で、熱可塑性材料、複数の繊維及び配合された難燃性材料(または異なる難燃性材料と組み合わされたEG材料)を含む完全に形成された層は、一般にコアまたはコア層と称される。本明細書で述べるように、コアが形成または硬化されたと見なされ得る場合であっても、コアは依然として、コア層を含む複合体物品の全体の特性を変えるために1つ以上のスキン層に結合され得る。以下の記載は、プリプレグ及びコアの両方に言及し、プリプレグに関連して使用される材料(及びそれらの量及び特性)はまた、所望の場合にコアに使用され得る。
【0060】
いくつかの場合では、本明細書に記載のプリプレグ、コア及び物品は、連続気泡構造、例えば、空隙を含む多孔質または浸透性材料である。熱可塑性材料から形成されるそのような連続気泡構造の存在は、プリプレグ、コア及び物品が難燃性基準に適合することをより困難にする。熱可塑性材料及び繊維と組み合わせて配合された難燃性材料を含むことにより、プリプレグ、コア及び物品は難燃性であり、ASTM E84試験のクラスA要件に適合し得る。例えば、複数の強化繊維、熱可塑性材料、及び有効量の配合された難燃性材料を含む多孔質コア層を含む物品は、ASTM E84によって試験される25以下の火炎拡散指数を有し得る。いくつかの例では、異なる難燃剤(別の材料と配合してもしなくてもよい)と組み合わせてEG材料を使用することにより、プリプレグまたはコアは、非油浸漬および油浸漬サンプルについてのSAE燃焼性試験に適合し得る。所望の場合、難燃性材料または配合された難燃性材料は、多孔質コア層の空隙スペース内に均質に分散され得るか、または多くの難燃性材料がコア層の1つ以上の領域または1つ以上の表面の近くに存在する差異分布で存在し得る。以下に述べるように、所望の場合にはスキンまたは他の材料も多孔質コア層上に配置され得、難燃性を更に向上させるように選択され得る。いくつかの場合では、コア層中の配合された難燃性材料及び配合された難燃性材料の量は、最終的な製造物品、例えば、スキンを有するものがASTM E84のクラスA要件に適合するように選択され得る。他の場合では、コア層中の難燃性材料及び難燃性材料の量は、最終的な製造物品、例えば、スキンを有するものがSAE燃焼性試験に適合するように選択され得る。本明細書で述べるように、E84のクラスA要件またはSAE燃焼性試験のうちの1つ以上に適合する物品は、例えば、レクリエーション車両パネル、オフィスキュービクル壁、乾式壁または同様の材料を置き換え得る建築パネル、屋根パネル、構造パネル、床材として、自動車用途、例えば、内部パネル、アンダーボディシールド、エンジンカバーなどに、航空宇宙用途において、内部航空機パネル、航空機床パネルとして、または他の建築、自動車もしくは航空宇宙用途としてを含む多くの異なる用途で使用され得る。
【0061】
所定の構成では、連続気泡構造、例えば、空隙スペースを一緒に提供する1種以上の熱可塑性材料及び複数の繊維を含む多孔質プリプレグが製造され得る。いくつかの構成では、難燃性材料、例えば、EG材料、II族金属塩、III族金属塩、配合された難燃性材料などは、熱可塑性材料によって適所に保持され得る繊維の交差によって形成される空隙スペース内に難燃性材料が(少なくとも部分的に)存在する手法で、空隙スペース内に装填され得る。いくつかの場合では、熱可塑性材料及び/または繊維は、それらが難燃性材料に対して一般に不活性または非反応性であるように選択され得る。いくつかの例では、難燃性材料は、熱可塑性材料及び/または繊維に共有結合しない場合があるが、任意の充填された難燃性材料と多孔質プリプレグの熱可塑性材料との間に関係性が存在し得る。例えば、ファンデルワールス相互作用または静電相互作用などの弱い相互作用が、難燃性材料とプリプレグまたはコアの他の成分との間で生じ得る。
【0062】
所定の例では、
図1を参照すると、熱可塑性材料及び複数の繊維を含むプリプレグ100が示されている。プリプレグ100はまた、プリプレグ100を通して分散した1種以上の難燃性材料(ドット105として例示の目的で示されている)を含む。いくつかの例では、難燃性材料105は、配合された難燃性材料、II族塩またはIII族塩と組み合わされたEG材料、水酸化マグネシウムと組み合わされたEG材料、水酸化アルミニウムと組み合わされたEG材料などである。いくつかの場合では、難燃性材料分散体は、プリプレグ100の第1の表面102から第2の表面104まで実質的に均質または実質的に均一であり得る。本明細書でより詳細に説明するように、プリプレグ100中の難燃性材料(複数可)のそのような実質的に均質または実質的に均一な分布を達成するために、プリプレグ100の成分を一緒に混合して分散体を形成し得る。混合は、分散体が、分散体中に難燃性材料(複数可)、熱可塑性材料及び繊維の実質的に均質または実質的に均一な混合物を含むまで実施され得る。次いで、プリプレグ100は、本明細書に記載のように、例えば、好適な敷設プロセスを使用してワイヤスクリーン上に分散体を配置することによって形成され得る。他の構成では、表面102、104の一方に向かって他方の表面より多くの難燃性材料(複数可)が存在するように表面102から表面104への難燃性材料(複数可)の勾配分布を提供することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、難燃性材料の実質的に均一な分布がプリプレグ100中に存在し、次いで勾配分布を提供するためにプリプレグ100の一方の側に追加の難燃性材料(同一または異なり得る)が添加される。そのような追加の難燃性材料は、例えば、粉末の難燃性材料を噴霧するか、または難燃性材料を含む溶液をコーティングすることによって、プリプレグ100に直接添加され得るか、またはスキン、追加のプリプレグまたは難燃性材料を含む他の部材をプリプレグ100に結合させることによって添加され得る。例えば、
図2Aを参照すると、第1のプリプレグ210及び第1のプリプレグ210上に配置された第2のプリプレグ220が示されている。第1のプリプレグ210及び第2のプリプレグ220の各々は、難燃性材料の実質的に均一な分布を含むが、プリプレグ210、220中の難燃性材料の重量は異なる。しかしながら、所望の場合、プリプレグ210、220の一方のみが難燃性材料を含んでもよく、他方のプリプレグは難燃性材料を含まなくてもよく、または異なる難燃性材料を含んでもよい。プリプレグ210、220の熱可塑性材料は、溶融及び/または圧縮されて、単一のプリプレグ250(
図2B)を提供し得る。プリプレグ210、220を共に溶融することの結果は、プリプレグ250中の難燃性材料の勾配分布であり、表面254に隣接して存在する量と比較して、表面252に隣接する難燃性材料の量が増加している。プリプレグ250の正確な全体の厚さは、使用される条件に依存して変わり得、特定の厚さが
図2Bで示唆されることは意図されていない。示されていないが、プリプレグ210と同様の第3のプリプレグをプリプレグ220の反対側の表面に結合して、3層のプリプレグを提供し得、これを溶融させて、複合体プリプレグの表面の各々に隣接してより多い量で難燃性材料を提供し得る。任意の特定の理論によって縛られることを望まないが、プリプレグの異なる深さで難燃性材料の量及び/または種類を変えることにより、プリプレグの表面、プリプレグの内部またはその両方において向上した難燃性が提供され得る。
【0063】
他の構成では、プリプレグ中の難燃性材料の分布は、難燃性材料を含むスキンまたは他の材料をプリプレグに結合させることによって提供され得る。
図2Cを参照すると、難燃性材料を含むスキン270は、熱可塑性材料、強化繊維及び難燃性材料を含むプリプレグ260上に配置されているものとして示されている。必要ではないが、スキン270は、典型的にはプリプレグ260の厚さよりはるかに薄い厚さで存在する。また、識別可能な界面が、典型的にはスキン270と界面260との間に存在するのに対し、
図2Bに関連して説明されるように、2つのプリプレグの互いの結合は、一般に、最終的に結合したプリプレグ250における識別可能な界面をもたらさない。他の場合では、スキン270をプリプレグ260内に溶融させて、スキン270とプリプレグ260とを結合させて、実質的な界面を有しない結合したスキン/プリプレグ複合体材料を残し得る。所望の場合、以下でより詳細に説明するように、難燃性材料を含んでいても含んでいなくてもよい追加のスキンを、スキン270とは反対側でプリプレグに結合させることもできる。スキン270の正確な組成は変わり得るが、いくつかの場合では、スキン270自体がいくらかの難燃性をプリプレグ全体に付与し得る。スキン270は、連続構造のスキンであり得、例えば、連続気泡構造を含み得るか、または閉鎖構造のスキンであり得る。例えば、スキン270は、プリプレグ260に炎が入ることを可能にする連続構造を含み得、そこでそれが難燃性材料と接触し得る。
【0064】
所定の構成では、プリプレグの熱可塑性材料は、繊維形態、粒子形態、樹脂形態または他の好適な形態で存在し得る。いくつかの場合では、プリプレグに使用される熱可塑性材料は、粒子形態で存在し得、難燃性材料の平均粒子サイズと実質的に同じ平均粒子サイズを有し得る。任意の特定の科学的理論によって縛られることを望まないが、熱可塑性材料及び難燃性材料の粒子サイズを一致させることにより、例えば、プリプレグ中の難燃性材料の装填量の増加を含むプリプレグの加工の向上が達成され得る。いくつかの場合では、難燃性材料の平均粒子サイズ及び熱可塑性材料の平均粒子サイズは、約5%~約10%変わり得、依然として加工の向上が達成され得る。所定の構成では、プリプレグ中の熱可塑性材料及び難燃性材料の各々の平均粒子サイズは、約50ミクロン~約100ミクロン異なり得る。いくつかの構成では、難燃性材料の平均粒子サイズは、加工の向上を提供するために、熱可塑性材料の粒子の平均粒子サイズの少なくとも50%である。他の場合では、熱可塑性材料の平均粒子サイズとほぼ同じ平均粒子サイズを有する難燃性材料は、熱可塑性材料の平均粒子サイズとは異なる平均粒子サイズの難燃性材料と共に存在し得る。難燃性材料の平均粒子サイズが異なる場合があったとしても、難燃性材料の化学的組成は同じでもよく異なっていてもよい。更に他の構成では、異なる平均粒子サイズを有する2種以上の熱可塑性材料が存在し得る。所望の場合、熱可塑性材料の平均粒子サイズと実質的に同じ平均粒子サイズを有する2種の難燃性材料が存在し得る。2種の難燃性材料は、化学的に同じであり得るか、または化学的に区別し得る。同様に、熱可塑性材料は、化学的に同じであり得る(しかし、異なる平均粒子サイズを有する)か、または化学的に区別し得る。所定の場合では、プリプレグを製造するために使用される未使用または天然の熱可塑性材料は、配合された難燃性材料中に存在するものと同じ熱可塑性材料であり得る。他の場合では、配合された難燃性材料は、熱可塑性材料の1つがプリプレグを製造するために使用される未使用の熱可塑性材料と同じである2種以上の熱可塑性材料を含み得る。
【0065】
所定の実施形態では、プリプレグ100は、一般に、空隙スペースがプリプレグ中に存在するように実質的な量の連続気泡構造を含む。例えば、プリプレグは、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95%、70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%またはこれらの例示的範囲内の任意の例示値の空隙含有量または多孔度を含み得る。いくつかの場合では、プリプレグは、0%より高い、例えば、完全には固化しておらず、最大で約95%の多孔度または空隙含有量を含む。他に記述されていない限り、所定の空隙含有量または多孔度を含むプリプレグに対する言及は、プリプレグの総体積を基準とし、必ずしもプリプレグとプリプレグに結合した任意の他の材料または層との総体積を基準とするものではない。
【0066】
所定の実施形態では、プリプレグ中に存在する高い多孔度は、プリプレグの細孔内での難燃性材料の閉じ込み及び/または熱可塑性材料上のコーティングとしての難燃性材料の捕捉を可能にする。例えば、難燃性材料は、非共有結合様式で空隙スペース内に存在し得る。空隙スペース内における難燃性材料の存在は、難燃性の向上を提供し得る。難燃性材料はまた、プリプレグの表面上にコーティングされて、難燃性の向上を提供し得る。
【0067】
所定の実施形態では、本明細書に記載のプリプレグの熱可塑性材料は、少なくとも部分的に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、及びポリ塩化ビニル(可塑化または非可塑化の両方)、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドのうちの1種以上を含み得る。他の好適な熱可塑性物質には、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、及びシリコーン、ならびにこれらの材料の互いのまたは他のポリマー材料とのアロイ及びブレンドが含まれるがこれらに限定されない。配合された難燃性材料が難燃性材料と配合された熱可塑性材料も含む場合、配合された難燃性材料の熱可塑性材料は、プリプレグの未使用の熱可塑性材料として使用するために選択されたものと同じ材料であり得る。プリプレグを形成するために使用される未使用の熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、繊維形態または他の好適な形態で使用され得る。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が本明細書に記載されており、例えば、米国公開第20130244528号及びUS20120065283にも記載されている。プリプレグ中に存在する熱可塑性材料の正確な量は変わり得、例示的な量は約20重量%~約80重量%の範囲である。
【0068】
所定の例では、本明細書に記載のプリプレグの繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、特に高弾性有機繊維、例えば、パラ-及びメタ-アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、もしくは繊維として使用するのに好適な本明細書に記載の高メルトフローインデックスの樹脂のいずれか、天然繊維、例えば、麻、サイザル、ジュート、亜麻、コイア、ケナフ及びセルロース繊維、鉱物繊維、例えば、玄武岩、鉱物ウール(例えば、岩またはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカなど、もしくはそれらの混合物、金属繊維、金属化天然及び/または合成繊維、セラミック繊維、ヤーン繊維、またはそれらの混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、上述の繊維のいずれかを使用前に化学的に処理して、所望の官能基を提供するか、または他の物理的特性を繊維に付与することができ、例えば、それらが熱可塑性材料、配合された難燃性材料またはその両方と反応し得るように化学的に処理され得る。あるいは、難燃性材料をプリプレグの熱可塑性材料と反応させて、誘導体化された熱可塑性材料を提供し、次いでそれを繊維と混合する。プリプレグ中の繊維含有量は、プリプレグの約20重量%~約90重量%、より詳細にはプリプレグの約30重量%~約70重量%であり得る。典型的には、プリプレグを含む複合体物品の繊維含有量は、複合体の約20重量%~約90重量%、より詳細には約30重量%~約80重量%、例えば、約40重量%~約70重量%の間で変わる。使用される繊維の特定のサイズ及び/または配向は、使用されるポリマー材料及び/または得られるプリプレグの所望の特性に少なくとも部分的に依存し得る。繊維の好適な追加的な種類、繊維のサイズ及び量は、本開示の利益を考慮して、当業者によって容易に選択される。1つの非限定的な例では、プリプレグを提供するために熱可塑性材料内に分散された繊維は、一般に、約5ミクロンより大きい、より詳細には約5ミクロン~約22ミクロンの直径、及び約5mm~約200mmの長さを有する;より詳細には、繊維の直径は、約ミクロン~約22ミクロンであり得、繊維の長さは、約5mm~約75mmであり得る。いくつかの構成では、難燃性材料は繊維形態で存在し得る。例えば、プリプレグ、コアまたは複合体は、熱可塑性材料、強化繊維及び配合された難燃性材料を含む繊維またはEG材料を含む繊維を含み得る。難燃性繊維は、本明細書に記載の難燃性材料のいずれか1種以上、例えば、後に好適なダイまたは他の装置を使用して押し出されて繊維に切断される水酸化物材料と配合されたポリプロピレン繊維、または後に好適なダイまたは他の装置を使用して押し出されて繊維に切断される水酸化物材料と配合されたポリプロピレン繊維と混合されたEG材料を含み得る。
【0069】
いくつかの構成では、プリプレグは、所定の用途のための有害物質要件に対する制限に適合するために、実質的にハロゲンを含まないまたはハロゲンを含まないプリプレグであり得る。他の場合では、プリプレグは、例えば、F、Cl、Br、I、及びAtのうちの1種以上を含むハロゲン化難燃剤、またはそのようなハロゲンを含む化合物、例えば、テトラブロモビスフェノール-Aポリカーボネートまたはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-またはテトラハロ-ポリカーボネートなどのハロゲン化難燃剤(難燃性材料中に存在し得るか、または難燃性材料に加えて添加され得る)を含み得る。いくつかの場合では、プリプレグ及びコアに使用される熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加することなく、いくらかの難燃性を付与するために1種以上のハロゲンを含み得る。例えば、配合された難燃性材料の熱可塑性材料は、難燃性材料と配合されることに加えてハロゲン化されてもよく、または未使用の熱可塑性材料がハロゲン化されてもよい。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は望ましくは難燃剤の量で存在し、これは存在する他の成分に応じて変わり得る。例えば、配合された難燃性材料に加えて存在するハロゲン化難燃剤は、(プリプレグの重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より詳細には約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、約5重量パーセント~約13重量パーセントで存在し得る。所望の場合、2種の異なるハロゲン化難燃剤がプリプレグに添加され得る。他の場合では、例えば、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、及びTeのうちの1種以上を含む難燃剤などの非ハロゲン化難燃剤が添加され得る。いくつかの実施形態では、非ハロゲン化難燃剤は、リン含有材料を含み得るため、プリプレグはより環境に優しい場合がある。非ハロゲン化または実質的にハロゲンを含まない難燃剤が存在する場合、難燃剤は望ましくは難燃剤の量で存在し、これは存在する他の成分に応じて変わり得る。例えば、実質的にハロゲンを含まない難燃剤は、(プリプレグの重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より詳細には約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、プリプレグの重量を基準として約5重量パーセント~約13重量パーセントで存在し得る。所望の場合、2種の異なる実質的にハロゲンを含まない難燃剤がプリプレグに添加され得る。所定の場合、本明細書に記載のプリプレグは、1種以上の実質的にハロゲンを含まない難燃剤と組み合わせて1種以上のハロゲン化難燃剤を含み得る。2種の難燃剤が存在する場合、2種の難燃剤の組み合わせは難燃剤の量で存在し得、これは存在する他の成分に応じて変わり得る。例えば、存在する難燃剤の総重量(任意の配合された難燃性材料を除く)は、(プリプレグの重量を基準として)約0.1重量パーセント~約20重量パーセント、より詳細には約1重量パーセント~約15重量パーセント、例えば、プリプレグの重量を基準として約2重量パーセント~約14重量パーセントであり得る。本明細書に記載のプリプレグに使用される難燃剤は、熱可塑性材料及び繊維を含む混合物に(ワイヤスクリーンまたは他の加工部材上に混合物を配置する前に)添加され得るか、またはプリプレグが形成された後に添加され得る。
【0070】
所定の構成では、本明細書に記載の物品は、多孔質コアを含み得る。所定の例では、多孔質コアは、1種以上の熱可塑性材料と、ウェブまたはネットワーク構造において形成された熱可塑性材料によって適所に保持され得る複数の繊維とを含むことで、コア中に複数の連続気泡、空隙スペースまたはウェブを提供する。いくつかの例では、難燃性材料は、コアの空隙スペース内、例えば、熱可塑性材料によって一緒に保持された強化繊維から形成されたウェブの連続気泡内に存在し得、またはコアの繊維上またはその両方に存在し得る。所定の構成では、
図1のプリプレグと同様のコアが製造され得る。コアは、一般にコア全体を通して分散された難燃性材料を含む。いくつかの場合では、難燃性材料分散体は、コアの第1の表面から第2の表面まで実質的に均質または実質的に均一であり得る。本明細書でより詳細に説明するように、コア中の難燃性材料のそのような実質的に均質または実質的に均一な分布を達成するために、コアを形成する前にコアの成分を一緒に混合して分散体を形成し得る。混合は、分散体が、分散体中に難燃性材料(複数可)、熱可塑性材料及び繊維の実質的に均質または実質的に均一な混合物を含むまで実施され得る。次いで、コアは、本明細書に記載されているように、例えば、好適な敷設プロセスを使用してワイヤスクリーン上に分散体を配置し、続いてコアの熱可塑性材料を圧縮及び/または硬化することによって形成され得る。他の構成では、コアの一方の表面からコアの他方の表面への難燃性材料(複数可)の勾配分布を提供することが望ましい場合がある。いくつかの構成では、難燃性材料の実質的に均一な分布がコア中に存在し、次いで勾配分布を提供するためにコアの一方の側に追加の難燃性材料が添加される。そのような追加の難燃性材料は、例えば、難燃性材料を含む溶液を噴霧もしくはコーティングするか、または使用することによってコアに直接添加され得るか、またはスキン、追加のプリプレグもしくはコアまたは難燃性材料を含む他の部材をコアに結合させることによって添加され得る。例えば、第1のコア及び第1のコア上に配置された第2のコアは、複合体物品を提供し得る。コアの各々は、難燃性材料の実質的に均一な分布を含み得るが、2つのコア中の難燃性材料の量及び/または種類は異なってもよく、例えば、装填率が異なり得るか、または難燃性材料それら自体が異なり得る。しかしながら、所望の場合、コアのうちの一方のみが難燃性材料を含んでもよく、他方のコアは、熱可塑性材料及び強化繊維以外の材料を含まなくてもよい。コアの熱可塑性材料を溶融させて、2つのコアからの材料を含む単一の組み合わされたコアを提供し得る。コアの溶融の結果は、難燃性材料の勾配分布を有する複合体コアである。他の構成では、コア中の難燃性材料の分布は、難燃性材料を含むスキンまたは他の材料をコアに結合させることによって提供され得る。他の場合では、スキンをコア内に溶融させて、スキンとコアとを結合させて、実質的な界面を有しない結合したスキン/コア複合体材料を残し得る。所望の場合、以下でより詳細に説明するように、難燃性材料を含んでいても含んでいなくてもよい追加のスキンを、第1のスキンとは反対側でコアに結合させることもできる。
【0071】
所定の構成では、コアの熱可塑性材料は、繊維形態、粒子形態、樹脂形態または他の好適な形態でコアに使用され得る。いくつかの例では、コアに使用される熱可塑性材料は、粒子形態で存在し得、難燃性材料の平均粒子サイズと実質的に同じ平均粒子サイズを有し得る。熱可塑性材料及び難燃性材料の粒子サイズを一致させることにより、例えば、コアの難燃性材料を増加させる作用をし得る、コア中の難燃性材料の保持量の増加を含むコアの加工が向上する。いくつかの場合では、難燃性材料の平均粒子サイズ及び熱可塑性材料の平均粒子サイズは、約5%~約10%変わり得、依然として加工の向上が達成され得る。所定の構成では、コア中の熱可塑性材料及び難燃性材料の各々の平均粒子サイズは、約50ミクロン~約900ミクロンの範囲であり得る。他の場合では、熱可塑性材料の平均粒子サイズとほぼ同じ平均粒子サイズを有する難燃性材料は、熱可塑性材料の平均粒子サイズとは異なる平均粒子サイズの難燃性材料と共に存在し得る。難燃性材料の平均粒子サイズが異なる場合があったとしても、難燃性材料の化学的組成は同じでもよく異なっていてもよい。更に他の構成では、異なる平均粒子サイズを有する2種以上の熱可塑性材料が存在し得る。所望の場合、2種の熱可塑性材料の平均粒子サイズと実質的に同じ平均粒子サイズを有する2種の難燃性材料がコア中に存在し得る。2種の難燃性材料は、化学的に同じであり得るか、または化学的に区別し得る。同様に、熱可塑性材料は、化学的に同じであり得る(しかし、異なる平均粒子サイズを有する)か、または化学的に区別し得る。
【0072】
所定の実施形態では、コアは一般に、空隙スペースがコア中に存在するように実質的な量の連続気泡構造を含む。例えば、コア層は、0~30%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、60~90%、0~40%、0~50%、0~60%、0~70%、0~80%、0~90%、5~30%、5~40%、5~50%、5~60%、5~70%、5~80%、5~90%、5~95%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%、10~90%、10~95%、20~60%、20~70%、20~80%、20~90%、20~95%、30~70%、30~80%、30~90%、30~95%、40~80%、40~90%、40~95%、50~90%、50~95%、60~95%、70~80%、70~90%、70~95%、80~90%、80~95%またはこれらの例示的範囲の任意の例示値の空隙含有量または多孔度を含み得る。いくつかの場合では、コアは、0%より大きい、例えば、完全には固化しておらず、最大で約95%の多孔度または空隙含有量を含む。他に記述されていない限り、所定の空隙含有量または多孔度を含むコアに対する言及は、コアの総体積を基準とし、必ずしもコアとコアに結合した任意の他の材料または層との総体積を基準とするものではない。プリプレグと比較して、コアの多孔度は同じであり得るか、または異なり得る。例えば、多くの場合では、プリプレグをローラーのセットを介して通すことによって、またはプリプレグの一方の表面をプレスすることによってプリプレグがコアに形成される。そのような場合では、コアの多孔度は、プリプレグの多孔度と異なる場合があり、例えば、より低い場合がある。いくつかの場合では、コアの多孔度は、最終成形物品または製品へのコアの増加したロフト能力を提供するために同等のプリプレグよりも低くなるように意図的に選択される。
【0073】
所定の実施形態では、コアに存在する高い多孔度は、コアの細孔内での難燃剤の閉じ込みを可能にする。例えば、配合された難燃性材料からの難燃性材料は、非共有結合様式で空隙スペース内に存在し得る。他の場合では、難燃性材料は、コア中に存在する強化繊維上にコーティングされ得る。
【0074】
所定の実施形態では、本明細書に記載のコアの熱可塑性材料は、少なくとも部分的に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン、ブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンテトラクロレート、及びポリ塩化ビニル(可塑化または非可塑化の両方)、ならびにこれらの材料の互いとのまたは他のポリマー材料とのブレンドのうちの1種以上を含み得る。他の好適な熱可塑性物質には、ポリアリーレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、熱可塑性ポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブチルアクリレート-スチレンポリマー、非晶質ナイロン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルスルホン、液晶ポリマー、PARMAX(登録商標)として商業的に知られているポリ(1,4フェニレン)化合物、BayerのAPEC(登録商標)PCなどの高熱ポリカーボネート、高温ナイロン、及びシリコーン、ならびにこれらの材料の互いのまたは他のポリマー材料とのアロイ及びブレンドが含まれるがこれらに限定されない。コアを形成するために使用される熱可塑性材料は、粉末形態、樹脂形態、ロジン形態、繊維形態または他の好適な形態で使用され得る。様々な形態の例示的な熱可塑性材料が本明細書に記載されており、例えば、米国公開第20130244528号及びUS20120065283にも記載されている。コア中に存在する熱可塑性材料の正確な量は変わり得、例示的な量は約20重量%~約80重量%の範囲である。プリプレグに関連して述べたように、コアを製造するために使用される熱可塑性材料は、配合された難燃性材料中に存在するものと共通するまたは同じ熱可塑性材料を含み得る。
【0075】
所定の例では、本明細書に記載のコアの繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、合成有機繊維、特に高弾性有機繊維、例えば、パラ-及びメタ-アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、もしくは繊維として使用するのに好適な本明細書に記載の高メルトフローインデックスの樹脂のいずれか、天然繊維、例えば、麻、サイザル、ジュート、亜麻、コイア、ケナフ及びセルロース繊維、鉱物繊維、例えば、玄武岩、鉱物ウール(例えば、岩またはスラグウール)、珪灰石、アルミナシリカなど、もしくはそれらの混合物、金属繊維、金属化天然及び/または合成繊維、セラミック繊維、ヤーン繊維、またはそれらの混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、上述の繊維のいずれかを使用前に化学的に処理して、所望の官能基を提供し得るか、または他の物理的特性を繊維に付与し得、例えば、それらが熱可塑性材料、難燃性材料、配合された難燃性材料またはその両方と反応し得るように化学的に処理され得る。コア中の繊維含有量は、コアの約20重量%~約90重量%、より詳細にはコアの約30重量%~約70重量%であり得る。使用される繊維の特定のサイズ及び/または配向は、使用されるポリマー材料及び/または得られるコアの所望の特性に少なくとも部分的に依存し得る。繊維の好適な追加的な種類、繊維のサイズ及び量は、本開示の利益を考慮して、当業者によって容易に選択される。1つの非限定的な例では、コアを提供するために熱可塑性材料内に分散された繊維は、一般に、約5ミクロンより大きい、より詳細には約5ミクロン~約22ミクロンの直径、及び約5mm~約200mmの長さを有する;より詳細には、繊維の直径は、約ミクロン~約22ミクロンであり得、繊維の長さは、約5mm~約75mmであり得る。
【0076】
いくつかの場合では、コアは、所定の用途のための有害物質要件に対する制限に適合するために、実質的にハロゲンを含まないまたはハロゲンを含まないコアであり得る。他の場合では、コアは、例えば、F、Cl、Br、I、及びAtのうちの1種以上を含むハロゲン化難燃剤、またはそのようなハロゲンを含む化合物、例えば、テトラブロモビスフェノール-Aポリカーボネートまたはモノハロ-、ジハロ-、トリハロ-またはテトラハロ-ポリカーボネートなどのハロゲン化難燃剤を含み得る。所望の場合、ハロゲン基は、配合されたハロゲン化難燃性材料を含めることによって存在し得るか、または熱可塑性材料に存在し得るか、またはコアを製造するために使用される他の材料とは別に加えられ得る。いくつかの場合では、コアに使用される未使用の熱可塑性材料は、別の難燃剤を添加することなく、いくらかの難燃性を付与するために1種以上のハロゲンを含み得る。ハロゲン化難燃剤が存在する場合、難燃剤は望ましくは難燃剤の量で存在し、これは存在する他の成分に応じて変わり得る。別の難燃性材料と組み合わされたEG材料の存在または配合された難燃性材料の存在は、他の難燃性材料からの難燃性材料と相乗的に作用し得る少量のハロゲン化難燃剤の使用を可能にし得る。例えば、ハロゲン化難燃剤は、(コアの重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より詳細には約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、約5重量パーセント~約13重量パーセントで存在し得る。所望の場合、2種の異なるハロゲン化難燃剤がコアに添加され得る。他の場合では、例えば、N、P、As、Sb、Bi、S、Se、及びTeのうちの1種以上を含む難燃剤などの非ハロゲン化難燃剤が添加され得る。いくつかの実施形態では、非ハロゲン化難燃剤は、リン含有材料を含み得るため、コアはより環境に優しい場合がある。非ハロゲン化または実質的にハロゲンを含まない難燃剤が存在する場合、難燃剤は望ましくは難燃剤の量で存在し、これは存在する他の成分に応じて変わり得る。例えば、実質的にハロゲンを含まない難燃剤は、(コアの重量を基準として)約0.1重量パーセント~約15重量パーセント、より詳細には約1重量パーセント~約13重量パーセント、例えば、コアの重量を基準として約5重量パーセント~約13重量パーセントで存在し得る。所望の場合、2種の異なる実質的にハロゲンを含まない難燃剤がコアに添加され得る。所定の場合、本明細書に記載のコアは、1種以上の実質的にハロゲンを含まない難燃剤と組み合わせて1種以上のハロゲン化難燃剤を含み得る。2種の難燃剤が存在する場合、2種の難燃剤の組み合わせは難燃剤の量で存在し得、これは存在する他の成分に応じて変わり得る。例えば、存在する難燃剤の総重量(配合された難燃性材料から存在する重量を除く)は、(コアの重量を基準として)約0.1重量パーセント~約20重量パーセント、より詳細には約1重量パーセント~約15重量パーセント、例えば、コアの重量を基準として約2重量パーセント~約14重量パーセントであり得る。本明細書に記載のコアに使用される難燃剤は、熱可塑性材料及び繊維を含む混合物に(ワイヤスクリーンまたは他の加工部品上に混合物を配置する前に)添加され得るか、またはコアが硬化した後に、例えば、コアを難燃剤に浸漬するかまたは難燃剤をコアに噴霧することによって添加され得る。
【0077】
所定の実施形態では、プリプレグ及びコアの強化繊維及び未使用の熱可塑性材料は、ASTM E84試験下でクラスA基準に適合するプリプレグまたはコアを提供するために、配合された熱可塑性難燃性材料と組み合わされ得る。配合された熱可塑性難燃性材料からの熱可塑性材料は、未使用の熱可塑性材料と同じ材料または異なる熱可塑性材料を含み得る。配合された熱可塑性難燃性材料は、難燃性材料として1種以上の2価または3価の金属塩を含み得る。例えば、配合された熱可塑性難燃性材料は、ポリオレフィンなどの熱可塑性材料または本明細書に記載の他の好適な熱可塑性材料と配合されたII族金属水酸化物材料を含み得る。他の場合では、配合された熱可塑性難燃性材料は、ポリオレフィンなどの熱可塑性材料または本明細書に記載の他の好適な熱可塑性材料と配合されたIII族金属水酸化物材料を含み得る。
【0078】
所定の場合では、ロフトを可能にするために、プリプレグまたはコアに1種以上のロフト剤が添加され得る。例えば、プリプレグまたはコアの全体の厚さの調節を可能にするために、マイクロスフィアまたは膨張性グラファイト材料などのロフト剤がプリプレグまたはコアに添加され得る。任意の特定の理論によって縛られることを望まないが、プリプレグまたはコアが加熱されると、ロフト剤は、プリプレグまたはコアの全体の厚さを増加させるように機能し得る。所望の場合、ロフト剤を有するプリプレグまたはコアは、最終使用者が熱を加えてプリプレグまたはコアの厚さを所望の量まで膨張させることが可能となるように圧縮され得る。プリプレグまたはコアの最終用途に応じて、異なる種類の物品について異なる全体の厚さを有することが望ましい場合がある。EG材料の量は、所望のロフト能力及び/または所望の難燃効果を提供するように選択され得る。例えば、EG材料のレベルは、所望のロフト能力を提供するために約1重量パーセント~約5重量パーセントであり得、別の難燃性材料と組み合わせて使用され得るため、EG材料及び難燃性材料は一緒に、非油浸漬SAE及び油浸漬SAE自己消火試験に適合する。
【0079】
所定の実施形態では、本明細書に記載のプリプレグまたはコアは、物品を提供するため、プリプレグまたはコアの表面上に配置された1つ以上のスキンを含み得る。
図3を参照すると、物品300は、熱可塑性材料、複数の繊維及び配合された難燃性材料または2種以上の異なる難燃性材料、例えば、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料を含むプリプレグまたはコア310を含む。物品300は、プリプレグまたはコア310上に配置された第1のスキン320を含む。スキン320は、連続気泡構造または独立気泡構造を含み得る。所定の構成では、スキン320は、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、ホイル、織布、不織布を含み得るか、またはプリプレグまたはコア310上に配置された無機コーティング、有機コーティング、または熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の場合では、スキン320は、1996年のISO4589に従って測定される、約22を超える限界酸素指数を含み得る。熱可塑性フィルムがスキン320として(またはその一部として)存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含み得る。繊維ベースのスクリムがスキン320として(またはその一部として)存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含み得る。熱硬化性コーティングがスキン320として(またはその一部として)存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂及びエポキシのうちの少なくとも1種を含み得る。無機コーティングがスキン320として(またはその一部として)存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti及びAlから選択されるカチオンを含有する鉱物を含み得るか、または石膏、炭酸カルシウム及びモルタルのうちの少なくとも1種を含み得る。不織布がスキン320として(またはその一部として)存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維及び金属化合成繊維を含み得る。プリプレグまたはコア310は、プリプレグ及びコアに関連して本明細書で記載された材料のいずれか、例えば、熱可塑性材料、強化繊維及び配合された難燃性材料または2種以上の異なる難燃性材料、例えば、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料を含み得る。所望の場合、スキン320も同様に、配合された難燃性材料を含み得る。
【0080】
所定の構成では、本明細書に記載のプリプレグ及びコアを使用して、プリプレグまたはコアの各々の面上にスキンを含む物品を提供し得る。
図4を参照すると、プリプレグまたはコア410、プリプレグまたはコア410の第1の表面上に配置された第1のスキン420、及びプリプレグまたはコア410上に配置された第2のスキン430を含む物品400が示されている。プリプレグまたはコア410は、プリプレグ及びコアに関連して本明細書で記載された材料のいずれか、例えば、熱可塑性材料、強化繊維及び配合された難燃性材料または2種以上の異なる難燃性材料、例えば、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料を含み得る。第1のスキン420及び第2のスキン430の各々は、独立して、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、ホイル、織布、不織布から選択され得るか、またはプリプレグまたはコア410上に配置された無機コーティング、有機コーティング、または熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の場合では、スキン420またはスキン430(またはその両方)は、1996年のISO4589に従って測定される、約22を超える限界酸素指数を含み得る。熱可塑性フィルムがスキン420またはスキン430(またはその両方)として(またはその一部として)存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含み得る。繊維ベースのスクリムがスキン420またはスキン430(またはその両方)として(またはその一部として)存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含み得る。熱硬化性コーティングがスキン420またはスキン430(またはその両方)として(またはその一部として)存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂及びエポキシのうちの少なくとも1種を含み得る。無機コーティングがスキン420またはスキン430(またはその両方)として(またはその一部として)存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti及びAlから選択されるカチオンを含有する鉱物を含み得るか、または石膏、炭酸カルシウム及びモルタルのうちの少なくとも1種を含み得る。不織布がスキン420またはスキン430(またはその両方)として(またはその一部として)存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維及び金属化合成繊維を含み得る。所望の場合、スキン420、430の一方または両方は、配合された難燃性材料または2種以上の異なる難燃性材料、例えば、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料を含み得る。本明細書で述べるように、スキン420、430の一方または両方は、連続気泡構造または独立気泡構造を含み得る。
【0081】
所定の場合では、物品は、プリプレグまたはコア、プリプレグまたはコア上に配置された少なくとも1つのスキン、及びスキン上に配置された装飾またはカバー層を含み得る。
図5を参照すると、プリプレグまたはコア510、プリプレグまたはコア510の第1の表面上に配置されたスキン520、及びスキン520上に配置された装飾層530を含む物品500が示されている。プリプレグまたはコア510は、プリプレグ及びコアに関連して本明細書で記載された材料のいずれか、例えば、熱可塑性材料、強化繊維及び配合された難燃性材料または2種以上の異なる難燃性材料、例えば、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料を含み得る。スキン520は、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、ホイル、織布、不織布を含み得るか、またはプリプレグまたはコア510上に配置された無機コーティング、有機コーティング、または熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の場合では、スキン520は、1996年のISO4589に従って測定される、約22を超える限界酸素指数を含み得る。熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含み得る。繊維ベースのスクリムが存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含み得る。熱硬化性コーティングが存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂及びエポキシのうちの少なくとも1種を含み得る。無機コーティングが存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti及びAlから選択されるカチオンを含有する鉱物を含み得るか、または石膏、炭酸カルシウム及びモルタルのうちの少なくとも1種を含み得る。不織布が存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維及び金属化合成繊維を含み得る。装飾層530は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性フィルムから形成され得る。装飾層530はまた、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから形成されるフォームコアを含む多層構造であり得る。天然及び合成繊維から作製された織布、ニードルパンチなどの後の有機繊維不織布、起毛布、編物、植毛布、または他のそのような材料などの布がフォームコアに結合され得る。布はまた、感圧接着剤及びホットメルト接着剤、例えば、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン及びポリオレフィンを含む熱可塑性接着剤でフォームコアに結合され得る。装飾層530はまた、スパンボンド、熱接着、スパンレース、メルトブローン、湿式敷設、及び/または乾式敷設プロセスを使用して製造され得る。いくつかの構成では、スキン520は、連続気泡構造または独立気泡構造を含み得る。
【0082】
所定の構成では、2つ以上のプリプレグまたはコアは、例えばスキンなどの介在または中間層を介して互いに結合され得る。
図6を参照すると、中間層620を介してプリプレグまたはコア630に結合されたプリプレグまたはコア610を含む物品600が示されている。プリプレグまたはコア610、630の各々は同じであり得るか、または異なり得る。いくつかの場合では、プリプレグまたはコア610、630の熱可塑性材料及び繊維は同じであるが、プリプレグまたはコア610、630に存在する難燃性材料の難燃性材料装填量または種類は異なる。他の場合では、プリプレグまたはコア610、630中の難燃性材料の種類及び/または量は同じであってもよく、熱可塑性材料及び/または繊維の一方または両方は異なっていてもよく、例えば、化学的に異なっていてもよく、異なる量で存在してもよい。所望の場合、1種以上の好適な追加の難燃剤、例えば、ハロゲン化または非ハロゲン化難燃剤、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料、配合された難燃性材料などがコア610、630の一方または両方に存在し得る。プリプレグまたはコア610、630の厚さは、
図6ではほぼ同じものとして示されているが、プリプレグまたはコア610、630の厚さは変わり得る。「厚い」コアを含む物品が望ましい場合、2つの「薄い」コア層をスキン層620を介して互いに結合させることが望ましい場合がある。いくつかの構成では、プリプレグまたはコア610、630の一方は、ロフト剤、例えば、マイクロスフィアを含み得る。中間層620は、本明細書に記載されるようなスキンの形態をとり得る。スキン620は望ましくは、連続気泡構造または独立気泡構造を含み得る。例えば、中間層620は、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、ホイル、織布、不織布を含み得るか、またはプリプレグまたはコア610上に配置された無機コーティング、有機コーティング、または熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の場合では、層620は、1996年のISO4589に従って測定される、約22を超える限界酸素指数を含み得る。熱可塑性フィルムが存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含み得る。繊維ベースのスクリムが層620としてまたはその中に存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含み得る。熱硬化性コーティングが層620としてまたはその中に存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂及びエポキシのうちの少なくとも1種を含み得る。無機コーティングが層620としてまたはその中に存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti及びAlから選択されるカチオンを含有する鉱物を含み得るか、または石膏、炭酸カルシウム及びモルタルのうちの少なくとも1種を含み得る。不織布が層620としてまたはその中に存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維及び金属化合成繊維を含み得る。示されていないが、装飾層はプリプレグまたはコア610、630のいずれか(または両方)に結合され得る。本明細書で述べるように、装飾層は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性フィルムから形成され得る。装飾層はまた、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから形成されるフォームコアを含む多層構造であり得る。天然及び合成繊維から作製された織布、ニードルパンチなどの後の有機繊維不織布、起毛布、編物、植毛布、または他のそのような材料などの布がフォームコアに結合され得る。布はまた、感圧接着剤及びホットメルト接着剤、例えば、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン及びポリオレフィンを含む熱可塑性接着剤でフォームコアに結合され得る。装飾層はまた、スパンボンド、熱接着、スパンレース、メルトブロー、湿式敷設、及び/または乾式敷設プロセスを使用して製造され得る。所望の場合、装飾層は、独立気泡構造または連続気泡構造を含み得る。
【0083】
所定の実施形態では、2つ以上のプリプレグまたはコアが互いに結合され得、次いでプリプレグまたはコアの一方の表面上にスキンが配置され得る。
図7を参照すると、プリプレグまたはコア730に結合されたプリプレグまたはコア710、及びコア730上に配置されたスキン720を含む物品700が示されている。プリプレグまたはコア710、720の各々は同じであり得るか、または異なり得る。いくつかの場合では、コア710、730の熱可塑性材料及び繊維は同じであるが、コア710、730に存在する難燃性材料の難燃性材料装填量または種類は異なる。他の場合では、コア710、730中の難燃性材料の種類及び/または量は同じであってもよく、熱可塑性材料及び/または繊維の一方または両方は異なっていてもよく、例えば、化学的に異なっていてもよく、異なる量で存在してもよい。所望の場合、1種以上の好適な追加の難燃剤、例えば、ハロゲン化または非ハロゲン化難燃剤、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料、配合された難燃性材料などがプリプレグまたはコア710、730の一方または両方に存在し得る。プリプレグまたはコア710、730の厚さは、
図7ではほぼ同じものとして示されているが、プリプレグまたはコア710、730の厚さは変わり得る。連続した薄いコア層を使用して複合体物品を構築して所望の全体のコア厚さを提供することが望ましい場合がある。いくつかの構成では、プリプレグまたはコア710、730の一方は、例えば、膨張性グラファイト材料もしくはマイクロスフィアまたは他の材料などのロフト剤を含み得る。スキン720は、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、ホイル、織布、不織布を含み得るか、またはプリプレグまたはコア730上に配置された無機コーティング、有機コーティング、または熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の場合では、スキン720は、1996年のISO4589に従って測定される、約22を超える限界酸素指数を含み得る。熱可塑性フィルムがスキン720としてまたはその中に存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含み得る。繊維ベースのスクリムがスキン720としてまたはその中に存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含み得る。熱硬化性コーティングがスキン720としてまたはその中に存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂及びエポキシのうちの少なくとも1種を含み得る。無機コーティングがスキン720としてまたはその中に存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti及びAlから選択されるカチオンを含有する鉱物を含み得るか、または石膏、炭酸カルシウム及びモルタルのうちの少なくとも1種を含み得る。不織布がスキン720としてまたはその中に存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維及び金属化合成繊維を含み得る。物品700の最終的な構成に応じて、スキン720は、音エネルギーがスキンを通過することを可能にする連続気泡スキンであり得るか、またはコア710、730に音エネルギーを反射させて戻す独立気泡スキンであり得る。示されていないが、装飾層は、スキン720に、またはプリプレグもしくはコア710の表面に結合され得る。本明細書で述べるように、装飾層は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性フィルムから形成され得る。装飾層はまた、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから形成されるフォームコアを含む多層構造であり得る。天然及び合成繊維から作製された織布、ニードルパンチなどの後の有機繊維不織布、起毛布、編物、植毛布、または他のそのような材料などの布がフォームコアに結合され得る。布はまた、感圧接着剤及びホットメルト接着剤、例えば、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン及びポリオレフィンを含む熱可塑性接着剤でフォームコアに結合され得る。装飾層はまた、スパンボンド、熱接着、スパンレース、メルトブロー、湿式敷設、及び/または乾式敷設プロセスを使用して製造され得る。
【0084】
所定の実施形態では、2つ以上のプリプレグまたはコアが互いに結合され得、次いでプリプレグまたはコアの各表面上にスキンが配置され得る。
図8を参照すると、プリプレグまたはコア830に結合されたプリプレグまたはコア810、コア830上に配置された第1のスキン820、及びコア810上に配置された第2のスキン840を含む物品800が示されている。プリプレグまたはコア810、830の各々は同じであり得るか、または異なり得る。いくつかの場合では、プリプレグまたはコア810、830の熱可塑性材料及び繊維は同じであるが、プリプレグまたはコア810、830に存在する難燃性材料装填量または難燃性材料の種類は異なる。他の場合では、プリプレグまたはコア810、830中の難燃性材料の種類及び/または量は同じであってもよく、熱可塑性材料及び/または繊維の一方または両方は異なっていてもよく、例えば、化学的に異なっていてもよく、異なる量で存在してもよい。所望の場合、1種以上の好適な難燃剤、例えば、ハロゲン化または非ハロゲン化難燃剤、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料、配合された難燃性材料などがプリプレグまたはコア810、830の一方または両方に存在し得る。プリプレグまたはコア810、830の厚さは、
図8ではほぼ同じものとして示されているが、プリプレグまたはコア810、830の厚さは変わり得る。本明細書で述べるように、増大した厚さの単一のコア層ではなく、互いに結合された2つ以上のコア層を使用することが望ましい場合がある。いくつかの構成では、プリプレグまたはコア810、830の一方は、膨張性グラファイト材料もしくはマイクロスフィアまたは他の材料などのロフト剤を含み得る。スキン820、840の各々は、独立して、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、ホイル、織布、不織布を含み得るか、またはプリプレグまたはコア830上に配置された無機コーティング、有機コーティング、または熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の場合では、スキン820、840は、独立して、1996年のISO4589に従って測定される、約22を超える限界酸素指数を含み得る。熱可塑性フィルムがスキン820またはスキン840(またはその両方)としてまたはその中に存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含み得る。繊維ベースのスクリムがスキン820またはスキン840(またはその両方)としてまたはその中に存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含み得る。熱硬化性コーティングがスキン820またはスキン840(またはその両方)としてまたはその中に存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂及びエポキシのうちの少なくとも1種を含み得る。無機コーティングがスキン820またはスキン840(またはその両方)としてまたはその中に存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti及びAlから選択されるカチオンを含有する鉱物を含み得るか、または石膏、炭酸カルシウム及びモルタルのうちの少なくとも1種を含み得る。不織布がスキン820またはスキン840(またはその両方)としてまたはその中に存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維及び金属化合成繊維を含み得る。所望の場合、スキン820、40の一方は、独立して、連続気泡構造または独立気泡構造を含み得る。示されていないが、装飾層は、スキン820またはスキン840(またはその両方)に結合され得る。本明細書で述べるように、装飾層は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性フィルムから形成され得る。装飾層はまた、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから形成されるフォームコアを含む多層構造であり得る。天然及び合成繊維から作製された織布、ニードルパンチなどの後の有機繊維不織布、起毛布、編物、植毛布、または他のそのような材料などの布がフォームコアに結合され得る。布はまた、感圧接着剤及びホットメルト接着剤、例えば、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン及びポリオレフィンを含む熱可塑性接着剤でフォームコアに結合され得る。装飾層はまた、スパンボンド、熱接着、スパンレース、メルトブロー、湿式敷設、及び/または乾式敷設プロセスを使用して製造され得る。
【0085】
所定の実施形態では、2つ以上のプリプレグまたはコアが、1つ以上のスキン層を介して互いに結合され得る。
図9を参照すると、中間層920を介してプリプレグまたはコア930に結合されたプリプレグまたはコア910、及びプリプレグまたはコア910上に配置されたスキン940を含む物品900が示されている。所望の場合、スキン940は代わりにプリプレグまたはコア930上に配置され得るか、または別のスキン(示さず)がプリプレグまたはコア920上に配置され得る。プリプレグまたはコア910、930の各々は同じであり得るか、または異なり得る。いくつかの場合では、プリプレグまたはコア910、930の熱可塑性材料及び繊維は同じであるが、プリプレグまたはコア910、930に存在する難燃性材料装填量または難燃性材料の種類は異なる。他の場合では、プリプレグまたはコア910、930中の難燃性材料の種類及び/または量は同じであってもよく、熱可塑性材料及び/または繊維の一方または両方は異なっていてもよく、例えば、化学的に異なっていてもよく、異なる量で存在してもよい。所定の場合では、1種以上の好適な難燃剤、例えば、ハロゲン化または非ハロゲン化難燃剤、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料、配合された難燃性材料などがプリプレグまたはコア910、930の一方または両方に存在し得る。プリプレグまたはコア910、930の厚さは、
図9ではほぼ同じものとして示されているが、プリプレグまたはコア910、930の厚さは変わり得る。例えば、比較的厚い単一のコア層を使用する代わりに、2つの薄いコア層が互いに結合され得る。いくつかの構成では、プリプレグまたはコア910、930の一方または両方は、膨張性グラファイト材料もしくはマイクロスフィアまたは他の材料などのロフト剤を含み得る。いくつかの構成では、層920及びスキン940は、独立して、例えば、フィルム(例えば、熱可塑性フィルムまたはエラストマーフィルム)、フリム、スクリム(例えば、繊維ベースのスクリム)、ホイル、織布、不織布を含み得るか、またはプリプレグまたはコア830上に配置された無機コーティング、有機コーティング、または熱硬化性コーティングとして存在し得る。他の場合では、スキン920及びスキン940は、独立して、1996年のISO4589に従って測定される、約22を超える限界酸素指数を含み得る。熱可塑性フィルムがスキン920またはスキン940(またはその両方)としてまたはその中に存在する場合、熱可塑性フィルムは、ポリ(エーテルイミド)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテル-エーテルケトン)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリ(アリーレンスルホン)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(アミド-イミド)、ポリ(1,4-フェニレン)、ポリカーボネート、ナイロン、及びシリコーンのうちの少なくとも1種を含み得る。繊維ベースのスクリムがスキン920またはスキン940(またはその両方)としてまたはその中に存在する場合、繊維ベースのスクリムは、ガラス繊維、アラミド繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、無機鉱物繊維、金属繊維、金属化合成繊維、及び金属化無機繊維のうちの少なくとも1種を含み得る。熱硬化性コーティングが層920またはスキン940(またはその両方)としてまたはその中に存在する場合、コーティングは、不飽和ポリウレタン、ビニルエステル、フェノール樹脂及びエポキシのうちの少なくとも1種を含み得る。無機コーティングが層920またはスキン940(またはその両方)としてまたはその中に存在する場合、無機コーティングは、Ca、Mg、Ba、Si、Zn、Ti及びAlから選択されるカチオンを含有する鉱物を含み得るか、または石膏、炭酸カルシウム及びモルタルのうちの少なくとも1種を含み得る。不織布が層920またはスキン940(またはその両方)としてまたはその中に存在する場合、不織布は、熱可塑性材料、熱硬化性バインダー、無機繊維、金属繊維、金属化無機繊維及び金属化合成繊維を含み得る。いくつかの場合では、スキン920または層940は、それぞれ独立して、連続気泡構造または独立気泡構造を含み得る。示されていないが、装飾層は、スキン940またはプリプレグもしくはコア930(またはその両方)に結合され得る。本明細書で述べるように、装飾層は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性フィルムから形成され得る。装飾層はまた、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどから形成されるフォームコアを含む多層構造であり得る。天然及び合成繊維から作製された織布、ニードルパンチなどの後の有機繊維不織布、起毛布、編物、植毛布、または他のそのような材料などの布がフォームコアに結合され得る。布はまた、感圧接着剤及びホットメルト接着剤、例えば、ポリアミド、変性ポリオレフィン、ウレタン及びポリオレフィンを含む熱可塑性接着剤でフォームコアに結合され得る。装飾層はまた、スパンボンド、熱接着、スパンレース、メルトブロー、湿式敷設、及び/または乾式敷設プロセスを使用して製造され得る。
【0086】
所定の実施形態では、材料のストリップがプリプレグまたはコア層上に配置され得る。
図10を参照すると、プリプレグまたはコア1010の異なる領域上に配置されたストリップ1020、1030を有するプリプレグまたはコア1010を含む物品が示されている。所望の場合、そのようなストリップは、
図1~9に示される例示的な実施形態のいずれかに存在し得る。ストリップ1020、1030は同じであり得るか、または異なり得る。いくつかの場合では、ストリップ1020、1030は、本明細書で述べるように、配合された難燃性材料、EG材料、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料などを含み得る。例えば、ストリップは、ストリップをプリプレグまたはコア1010に結合させるために溶融され得る熱可塑性材料を含む配合された難燃性材料を含み得る。他の場合では、ストリップは、MDHまたはATH(またはその両方)と組み合わされたEG材料を含み得る。いくつかの場合では、ストリップ1020、1030は、独立して、本明細書に記載されるようなプリプレグまたはコアの形態をとり得る。他の構成では、ストリップは、本明細書に記載されるようなスキンまたは層の形態をとり得る。所定の場合では、ストリップは、例えば、異なる厚さが望まれる物品1000の領域上に配置され得る。他の構成では、配合された難燃性材料を含むストリップが、増大または向上した難燃性が望まれる領域に配置され得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、プリプレグ及びコアは、所望の物理的または化学的特性を付与するための追加の材料または添加剤を含み得る。非着色または着色物品が製造され得ることは、本明細書に記載の難燃性材料を使用する実質的な特質である。非着色物品が製造される場合、物品は次いで着色または染色されて、所望の色、質感、パターンなどを提供し得る。例えば、1種以上の染料、粘着防止剤、着色剤、粘度調整剤、煙抑制剤、相乗的材料、ロフト剤、粒子、粉末、殺生物剤、フォームまたは他の材料がプリプレグまたはコアと混合されるかまたはそれに添加されて、所望の色、質感または特性を付与し得る。いくつかの場合では、プリプレグまたはコアは、約0.2重量パーセント~約10重量パーセントの量の1種以上の煙抑制剤組成物を含み得る。例示的な煙抑制剤組成物には、スズ酸塩、ホウ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、モリブデン酸カルシウム亜鉛、ケイ酸カルシウム、水酸化カルシウム、及びそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。所望の場合、相乗剤材料が、プリプレグまたはコアの物理的特性を向上させるために存在し得る。例えば、難燃性を向上させる相乗剤が存在し得る。
【0088】
他の場合では、本明細書に記載のプリプレグまたはコアは、コアに所望の特性を付与するために、所望の量、例えば、プリプレグまたはコアの総重量を基準として約50重量パーセント未満の補助量で熱硬化性材料を含み得る。熱硬化性材料は、熱可塑性材料と混合され得るか、またはプリプレグまたはコアの1つ以上の表面上にコーティングとして添加され得る。
【0089】
所定の実施形態では、本明細書に記載のプリプレグまたはコアは、ガラスマット熱可塑性複合体(GMT)または軽量強化熱可塑性物質(LWRT)として構成され得る。1つのそのようなLWRTは、HANWHA AZDEL,Inc.によって調製され、商標SUPERLITE(登録商標)材料で販売されている。難燃性材料が装填されたSUPERLITE(登録商標)マットは、例えば、難燃性及び向上した加工能力を含む望ましい特質を提供し得る。そのようなGMTまたはLWRTの面密度は、GMTまたはLWRTの平方メートル当たり約300グラム(gsm)~約4000gsmの範囲であり得るが、面密度は、特定の用途の必要性に応じて400gsm未満または4000gsm超であり得る。いくつかの実施形態では、上限の密度は約4000gsm未満であり得る。所定の場合では、GMTまたはLWRTは、多孔質GMTまたはLWRTの空隙スペース内にまたはGMTもしくはLWRTの繊維上に配置されたまたは存在する難燃性材料、例えば、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料、配合された難燃性材料などを含み得る。GMTまたはLWRTプリプレグまたはコアが難燃性材料と組み合わせて使用される場合、GMTまたはLWRTの坪量は、例えば、好適な難燃特性を依然として提供しつつ、800gsm、600gsmまたは400gsm未満に低減され得る。いくつかの例では、GMTまたはLWRTの全体の厚さは、ロフト後で約25mm以下、ロフト後で20mm以下、ロフト前で3mm超またはロフト前で6mm超であり得る。いくつかの場合では、ロフト前の厚さは約3mm~約7mmであり得、ロフト後の厚さは約10mm~約25mmであり得る。
【0090】
本明細書に記載のプリプレグ及びコアを製造する際、湿式敷設プロセスを使用することが望ましい場合がある。プロセスの工程を示すブロック図が
図11にある。例えば、分散された材料、例えば、熱可塑性材料1120、繊維1110及び難燃性材料1130、例えば、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料、配合された難燃性材料などを、任意に本明細書に記載の任意の1種以上の添加剤(例えば、他の難燃剤)と共に含む液体または流体媒体1140を気体、例えば、空気または他の気体の存在下で掻き混ぜ得るか、または撹拌し得る。次いで、分散体を、支持体、例えば、ワイヤスクリーンまたは他の支持体材料上に敷設して、敷設された材料1150中の難燃性材料(複数可)の実質的に均一な分布を提供し得る。難燃性材料の分散及び/または均一性を増大させるために、掻き混ぜられた分散体は、例えば、アニオン性、カチオン性、または非イオン性の1種以上の活性剤、例えば、Industrial Soaps Ltd.によってACE液の名前で販売されているもの、Glover Chemicals Ltd.によってTEXOFOR(登録商標)FN15材料として販売されているもの、及びFloat-Ore Ltd.によってAMINE Fb19材料として販売されているものなどを含み得る。これらの薬剤は、液体分散体中の空気の分散を補助し得る。成分は、分散体を提供するために空気の存在下で混合タンク、浮選セルまたは他の好適な装置に添加され得る。水性分散体が望ましくは使用されるが、分散を補助するか、流体の粘度を変更するか、あるいは所望の物理的または化学的特性を分散体またはプリプレグ、コアもしくは物品に付与するために、1種以上の非水性流体も存在し得る。
【0091】
所定の場合では、分散体が十分な期間混合された後、懸濁材料を有する流体をスクリーン、移動ワイヤまたは他の好適な支持体構造上に配置して、敷設された材料1150のウェブを提供し得る。敷設された材料から任意の液体を除去して熱可塑性材料、難燃性材料(複数可)及び存在する任意の他の材料、例えば、繊維、添加剤などを残すために、吸引または減圧がウェブに提供され得る。得られたウェブ1160は、所望のプリプレグまたはコア1170を提供するために、完全にそれを形成する前に、乾燥され、任意に固化され得るかまたは所望の厚さにプレスされ得る。熱可塑性材料、難燃性材料及び存在する他の材料の性質に応じて、湿式敷設プロセスが使用され得る一方で、代わりに空気敷設プロセス、乾燥ブレンドプロセス、カーディング及びニードルプロセス、または不織製品を作製するために採用される他の既知のプロセスを使用することが望ましい場合がある。いくつかの場合では、難燃性材料をプリプレグまたはコアの表面に約90度の角度で噴霧するように構成された複数のコーティングジェットの下にボードを通過させることによって、プリプレグまたはコアがある程度まで硬化した後にプリプレグまたはコアの表面上に追加の難燃性材料が噴霧され得る。また、1つ以上のスキン1165をコア1170に加えて、物品1180を提供し得る。
【0092】
いくつかの構成では、本明細書に記載のプリプレグ及びコアは、水性溶液またはフォーム中で界面活性剤の存在下で、熱可塑性材料、繊維、難燃性材料(複数可)、例えば、II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料、配合された難燃性材料などを組み合わせることによって製造され得る。組み合わされた成分は、十分な時間混合または撹拌されて、様々な材料を分散させ、材料の実質的に均質な水性混合物を提供し得る。次いで、分散された混合物は、任意の好適な支持体構造、例えば、ワイヤメッシュもしくは他のメッシュまたは所望の多孔度を有する支持体上に敷設される。次いで、ウェブを形成するワイヤメッシュを介して水が排出され得る。ウェブは乾燥され、熱可塑性粉末の軟化温度を超えて加熱される。次いで、ウェブは冷却され、既定の厚さにプレスされて、約1パーセント~約95パーセントの空隙含有量を有する複合体シートを製造する。代替的な実施形態では、水性フォームはまたバインダー材料を含む。
【0093】
物品を製造する他のプロセスでは、難燃性材料は、ウェブの形成の後にプリプレグ上にコーティングまたは噴霧され得る。熱可塑性材料と配合された難燃性材料を含む配合された難燃性材料が使用される場合、配合された難燃性材料の熱プリプレグ上への噴霧またはコーティングは、配合された難燃性材料の熱可塑性材料の溶融及び難燃性材料のプリプレグへの装填をもたらし得る。II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料が使用される場合、加熱されたプリプレグ上への混合物の噴霧またはコーティングは、表面層の形成及び/またはプリプレグの空隙スペース内への混合物の吸収をもたらし得る。
図12を参照すると、分散材料、例えば、熱可塑性材料1120及び繊維1110を任意に本明細書に記載の任意の1種以上の添加剤と共に含む液体または流体媒体1240が、気体、例えば、空気または他の気体の存在下で掻き混ぜられ得るか、または撹拌され得るプロセスが示されている。次いで、分散体1240を、支持体、例えば、ワイヤスクリーンまたは他の支持体材料上に敷設して、敷設された材料1250を提供し得る。均一性を増大させるために、掻き混ぜられた分散体は、例えば、アニオン性、カチオン性、または非イオン性の1種以上の活性剤、例えば、Industrial Soaps Ltd.によってACE液の名前で販売されているもの、Glover Chemicals Ltd.によってTEXOFOR(登録商標)FN15材料として販売されているもの、及びFloat-Ore Ltd.によってAMINE Fb19材料として販売されているものなどを含み得る。これらの薬剤は、液体分散体中の空気の分散を補助し得る。成分は、分散体を提供するために空気の存在下で混合タンク、浮選セルまたは他の好適な装置に添加され得る。水性分散体が望ましくは使用されるが、分散を補助するか、流体の粘度を変更するか、あるいは所望の物理的または化学的特性を分散体またはプリプレグ、コアもしくは物品に付与するために、1種以上の非水性流体も存在し得る。所定の場合では、分散体が十分な期間混合された後、懸濁材料を有する流体をスクリーン、移動ワイヤまたは他の好適な支持体構造上に配置して、敷設された材料1250のウェブを提供し得る。材料を敷設した後、難燃性材料1230は、その材料を敷設された材料1250上に噴霧またはコーティングすることによって加えられて、組み合わされた敷設された材料を提供し得る。噴霧された配合された難燃性材料を有する敷設された材料1250が加熱された場合、配合された難燃性材料の熱可塑性材料及び熱可塑性材料1220が溶融し、配合された難燃性材料の難燃性材料を敷設材料に装填し得る。II族またはIII族金属水酸化物と組み合わされたEG材料が使用された場合、熱可塑性材料1220の溶融により、材料が、敷設された材料の内部部分を占有する及び/または敷設された材料の表面上に存在したままとすることが可能となり得る。あるいは、難燃性材料は、ウェブ1260が形成された後に添加され得る。敷設された材料から任意の液体を除去して熱可塑性材料、難燃性材料及び存在する任意の他の材料、例えば、繊維、添加剤などを残すために、吸引または減圧がウェブ1260に提供され得る。得られたウェブ1260は、所望のプリプレグまたはコア1270を提供するために、完全にそれを形成する前に、乾燥され、任意に固化され得るかまたは所望の厚さにプレスされ得る。熱可塑性材料、難燃性材料(複数可)及び存在する他の材料の性質に応じて、湿式敷設プロセスが使用され得る一方で、代わりに空気敷設プロセス、乾燥ブレンドプロセス、カーディング及びニードルプロセス、または不織製品を作製するために採用される他の既知のプロセスを使用することが望ましい場合がある。いくつかの場合では、配合された難燃性材料をプリプレグまたはコアの表面に約90度の角度で熱可塑性材料に噴霧するように構成された複数のコーティングジェットの下にボードを通過させることによって、プリプレグまたはコアがある程度まで硬化した後にプリプレグまたはコアの表面上に追加の難燃性材料が噴霧され得る。また、1つ以上のスキン1265をコア1270に加えて、物品1280を提供し得る。
【0094】
所定の例では、多孔質GMTの形態のプリプレグまたはコアが製造され得る。所定の場合では、GMTは、一般に、切断されたガラス繊維、熱可塑性材料、配合された難燃性材料及び任意の熱可塑性ポリマーフィルム(複数可)及び/またはガラス繊維または熱可塑性樹脂繊維(例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、PC/PBTのブレンド、またはPC/PETのブレンドなど)で作製された織布または不織布を使用して調製され得る。いくつかの実施形態では、PP、PBT、PET、PC/PETブレンドまたはPC/PBTブレンドが熱可塑性材料として使用され得る。ガラスマットを製造するために、熱可塑性材料、強化材料、難燃性材料(複数可)及び/または他の添加剤は、インペラが装着されたオープントップ混合タンクに含まれる分散フォームに添加または計量導入され得る。任意の特定の理論によって縛られることを望まないが、フォームの閉じ込められた空気のポケットの存在は、ガラス繊維、熱可塑性材料及び難燃性材料の分散を補助し得る。いくつかの例では、ガラスと樹脂との分散混合物は、分配マニホルドを介して抄紙機のワイヤ区分の上に位置するヘッドボックスに圧送され得る。分散混合物が真空を使用して移動ワイヤスクリーンに提供されると、次いで、ガラス繊維、難燃性材料または熱可塑性物質ではなく、フォームが除去され、均一な繊維状湿潤ウェブを連続的に製造し得る。湿潤ウェブは、乾燥機を適温で通過し、水分を排除して熱可塑性材料を溶融または軟化させる。高温ウェブが乾燥機を出るとき、例えば、フィルムなどの表面層は、ガラス繊維のウェブ、難燃性材料、熱可塑性材料及びフィルムを加熱されたローラーのセットのニップに通過させることによってウェブ上に積層され得る。所望の場合、例えば、不織布及び/または織布層などの追加の層もフィルムと共にウェブの一方の側または両側に取り付けて、ガラス繊維強化マットの取り扱いの容易性を促進し得る。次いで、複合体をテンションロールに通過させ、後に最終製品物品に成形するための所望のサイズに連続的に切断(裁断)し得る。そのような複合体を形成するのに使用される好適な材料及び処理条件を含む、そのようなGMT複合体の調製に関する更なる情報は、例えば、米国特許番号6,923,494、4,978,489、4,944,843、4,964,935、4,734,321、5,053,449、4,925,615、5,609,966、及び米国特許出願公開番号US2005/0082881、US2005/0228108、US2005/0217932、US2005/0215698、US2005/0164023、及びUS2005/0161865に記載されている。
【0095】
所定の場合では、複合体物品を製造する方法は、熱可塑性材料、強化繊維及び配合された難燃性材料を混合物中で組み合わせて、撹拌された水性フォームを形成することを含む。フォームをワイヤ支持体上に配置し、水を排出して、熱可塑性材料、繊維及び配合された難燃性材料を含むウェブまたは連続気泡構造を形成する。いくつかの場合では、次いでウェブを熱可塑性材料の溶融温度を超える第1の温度に加熱する。配合された難燃性材料が難燃性材料と配合された熱可塑性材料を含む場合、溶融温度は、両方の熱可塑性材料が溶融するように選択され得る。所望の場合、コアを完全に形成する前に圧縮して、配合された難燃性シートをコア層内で互いにより近くに配置し得る。いくつかの場合では、次いで、例えば、ニップローラーまたは他の装置を使用してウェブに圧力が加えられて、ウェブ中に分散された配合された難燃性材料からの難燃性材料を含む熱可塑性複合体シートを提供し得る。
【0096】
所定の場合では、複合体物品を製造する方法は、熱可塑性材料、強化繊維及びEG材料とII族またはIII族金属水酸化物(MDHまたはATHなど)との混合物を混合物中で組み合わせて、撹拌された水性フォームを形成することを含む。フォームをワイヤ支持体上に配置し、水を排出して、熱可塑性材料、繊維及びEG材料/II族またはIII族金属水酸化物材料を含むウェブまたは連続気泡構造を形成する。いくつかの場合では、次いでウェブを熱可塑性材料の溶融温度を超える第1の温度に加熱する。所望の場合、コアを完全に形成する前に圧縮して、EG材料/II族またはIII族金属水酸化物材料をコア層内で互いにより近くに配置し得る。いくつかの場合では、次いで、例えば、ニップローラーまたは他の装置を使用してウェブに圧力が加えられて、ウェブ中に分散されたEG材料/II族金属水酸化物またはIII族金属水酸化物からの難燃性材料を含む熱可塑性複合体シートを提供し得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、熱可塑性繊維強化多孔質コア層、及び多孔質コア層の少なくとも1つの表面上に配置されたスキンを含む複合体物品であって、多孔質コア層が、複数の強化繊維、配合された難燃性材料及び熱可塑性材料から形成されたウェブを含み、2009年のASTM E84によって試験されるクラスA要件に適合するのに有効な量の配合された難燃性材料を含む、複合体物品は、オフィスの家具、座席などの器具(setting)に使用され得る。いくつかの場合では、熱可塑性材料はポリオレフィンを含み、強化繊維はガラス繊維を含み、配合された難燃性材料はポリオレフィンと配合されたII族金属水酸化物を含む。他の例では、ガラス繊維は約30~60重量パーセント存在し、配合された難燃性材料は約30重量パーセント~約50重量パーセント存在し、コア層の残りは熱可塑性材料を含む。所望の場合、スキン層は、スクリム、連続気泡フィルムまたは独立気泡フィルムのうちの1つ以上であり得る。いくつかの場合では、コア層とスキン層との間に接着層が存在し得る。所定の実施形態では、物品は、コア層の反対側の表面上に配置された第2のスキン層を含み得る。いくつかの構成では、コア層は、添加される難燃剤を含まず、例えば、配合された難燃剤は、難燃剤として機能するが、ハロゲン化難燃剤などの追加の難燃剤は存在しない。所定の例では、物品は、コア層とスキン層との間に第1の接着層及びコア層と第2のスキン層との間に第2の接着層を含み得る。他の例では、物品は、スキン層上に配置された装飾層を含み得る。例えば、オフィス用途では、より審美的に魅力的な物品を提供するために、布またはカバー材を物品にステープル留め、接着あるいは取り付けることが望ましい場合がある。
【0098】
所定の例では、非成形複合体物品は、熱可塑性繊維強化多孔質コア層、及び多孔質コア層の少なくとも1つの表面上に配置されたスキンを含み、多孔質コア層は、配合された難燃性材料と、熱可塑性材料によって一緒に保持された複数の強化繊維とから形成された圧縮ウェブを含み、複合体物品は、複合体物品を成形することなく、2009年のASTM E84によって試験されるクラスA要件に適合するのに有効な量の配合された難燃性材料を含む。所定の場合では、コア層は、添加される難燃性材料を含まず、例えば、配合された難燃剤は、難燃剤として機能するが、ハロゲン化難燃剤などの他の難燃剤はコア層中に存在しない。他の例では、物品は、ロフト剤、例えば、マイクロスフィアを含み得る。所定の場合では、スキンは、連続気泡スクリムまたは独立気泡スクリムとして構成される。所定の例では、物品は、コア層の反対側の表面上に配置された追加のスキンを含み得る。他の実施形態では、追加のスキンは、独立気泡スクリムまたは連続気泡スクリムとして構成される。
【0099】
所定の実施形態では、強化繊維、熱可塑性材料及び配合された難燃性材料を熱可塑性材料の融点を超える(または配合された難燃性材料が、難燃性材料と配合された熱可塑性材料を含む配合された難燃性材料の熱可塑性材料の融点を超える)第1の温度に加熱して、熱可塑性材料、配合された難燃性材料及び強化繊維を含むウェブを形成することによって複数の強化繊維、熱可塑性材料及び配合された難燃性材料を含む多孔質コア層を含む熱可塑性複合体物品を製造する方法であって、熱可塑性複合体物品が、2009年のASTM E84によって試験されるクラスA要件に適合するのに有効な量の配合された難燃性材料を含む、方法が記載されている。所定の実施形態では、その方法は、熱可塑性複合体物品を成形することなく、建築パネルとして熱可塑性複合体物品を使用することを含む。いくつかの場合では、その方法は、コア層の形成前に、熱可塑性物品のコア層を圧縮することを含む。いくつかの例では、その方法は、熱可塑性複合体物品の1つの表面上にスクリムを有する熱可塑性複合体物品を構成することを含む。他の実施形態では、その方法は、熱可塑性複合体物品の反対側の表面上に追加のスクリムを有する熱可塑性複合体物品を構成することを含み、スクリム及び追加のスクリムの少なくとも一方が連続気泡構造を含む。更なる例では、その方法は、強化繊維として約35~55重量パーセントのガラス繊維及び少なくとも30重量パーセントの配合された難燃性材料を有し、多孔質コア層の残りが熱可塑性材料を含む、多孔質コア層を構成することを含む。
【0100】
所定の例では、方法は、第1の熱可塑性材料、強化繊維ならびに第2の熱可塑性材料と配合されたII族金属水酸化物を含む配合された難燃性材料を混合物中で組み合わせて、撹拌された水性フォームを形成すること、撹拌された水性フォームをワイヤ支持体上に配置すること、水を排出してウェブを形成すること、ウェブを第1の熱可塑性材料及び第2の熱可塑性材料の溶融温度以上の第1の温度に加熱すること、及びウェブを選択された厚さに圧縮することを含み、熱可塑性複合体物品は、2009年のASTM E84によって試験されるクラスA要件に適合するのに有効な量の配合された難燃性材料を含む。いくつかの例では、圧縮工程は、加熱されたウェブを一連のローラーに通すことを含む。いくつかの例では、その方法は、配合された難燃性材料が撹拌された水性フォーム中に均質に分散されるまで、撹拌された水性フォームを混合することを含み得る。他の場合では、その方法は、物品を圧縮する前に、熱可塑性複合体物品の少なくとも1つの表面にスクリムを適用することを含み得る。いくつかの場合では、その方法は、物品を圧縮した後に、熱可塑性複合体物品の少なくとも1つの表面にスクリムを適用することを含み得る。いくつかの場合では、その方法は、熱可塑性物品を、熱可塑性物品と実質的に同じ組成及び異なる厚さを含む第2の熱可塑性物品に結合させることを含み得る。
【0101】
所定の例を以下に記載して、本明細書に記載の新規な態様及び構成のいくつかをより良好に説明する。
【実施例】
【0102】
実施例1
未使用のポリプロピレン(PP)、ガラス繊維及びポリプロピレンが配合された水酸化マグネシウム(MDH)(7:3のMDH:PP比)を使用して分散体を調製した。分散は、60重量パーセントのガラス繊維及び40重量パーセントのPPを含む混合物に約40重量パーセントのMDH:PPを添加することを含んでいた。混合物を混合タンクを使用して掻き混ぜ、ワイヤスクリーン上に敷設した。液体を除去して3つの成分を残すために吸引を適用した。ウェブを加熱してPP材料を溶融させた。加熱後、ウェブを冷却し、白色ボードを形成させた。2009年のASTM E84に規定されたプロトコルに従ってボードを試験した。ボードは、ASTM E84試験下のクラスA基準に適合していた。
【0103】
実施例2
未使用のポリプロピレン(PP)、ガラス繊維、水酸化マグネシウム(MDH)及び膨張性グラファイト材料(Asbury3335EG)を使用して分散体を調製した。分散体は、約3重量パーセントのEG、様々な量のMDH(以下の表1参照)、約38~44重量パーセントのガラス繊維を含み、残りの重量パーセント(45~55重量パーセント)は、存在する難燃性材料の正確な量に応じてPPであった。各混合物を混合タンクを使用して掻き混ぜ、ワイヤスクリーン上に敷設した。4つの成分を残して液体を除去するために吸引を適用した。ウェブを加熱してPPを溶融させた。加熱後、ウェブを冷却し、ボードを形成させた。異なる量のMDHを有する各ボードを約6mmの厚さに成形した。ボードの全体の坪量は約1200gsmであった。
【0104】
以下の表1は、SAE自己消火(SE)難燃性試験の結果を示している(SAE J369 REV.No.2007を使用して測定)。
【0105】
【0106】
結果は、EGレベルの低減を可能とするMDHの存在と整合している一方で、非油及び油浸漬サンプルの両方についてSAEJ369試験に依然として合格する。例えば、3重量パーセントのEGと組み合わせて使用される場合、約9重量パーセントのMDHは、ボードがSAE F369燃焼性試験に適合することを可能にする。対照的に、非油浸漬サンプルの場合、SAEJ369試験に合格するためには、3重量パーセントよりもかなり高いEGレベル、例えば、10重量パーセント以上が必要とされ、EG材料のより高いレベルが使用される場合に全体のコスト及び製造の複雑性を増大させる。
【0107】
本明細書に開示された例の要素を導入する場合、冠詞「a」、「an」、「the」及び「said」は、その要素の1つ以上が存在することを意味することが意図される。「含む(comprising)」、「含む(including)」及び「有する」という用語は、オープンエンドであること及び列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味することが意図される。本開示の利益を考慮すると、例の様々な成分は、他の例において様々な成分と交換または置換され得ることは当業者に認識される。
【0108】
所定の態様、例及び実施形態が上述されているが、本開示の利益を考慮すると、開示された例示的態様、例及び実施形態の追加、置換、改変、及び変更が可能であることは当業者に認識される。