(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-02-04
(54)【発明の名称】スペーサ及びその製造方法、表示パネル、表示装置
(51)【国際特許分類】
H05B 33/02 20060101AFI20220128BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220128BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220128BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20220128BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220128BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220128BHJP
G02F 1/1339 20060101ALI20220128BHJP
【FI】
H05B33/02
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/10
G09F9/30 320
G09F9/30 365
G09F9/30 336
G09F9/30 308Z
G09F9/00 366A
G09F9/00 338
G02F1/1339 500
(21)【出願番号】P 2018536754
(86)(22)【出願日】2017-12-11
(86)【国際出願番号】 CN2017115439
(87)【国際公開番号】W WO2018218925
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2020-11-11
(31)【優先権主張番号】201710395936.2
(32)【優先日】2017-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 必玉
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 光均
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 昌
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0102292(US,A1)
【文献】特開2004-094117(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106292080(CN,A)
【文献】特開2013-140190(JP,A)
【文献】特開平08-153586(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106707629(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/02
H01L 27/32
H01L 51/50
H05B 33/10
G09F 9/30
G09F 9/00
G02F 1/1339
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルに用いられるスペーサであって、
この順に積層される第一層、第二層及び第三層を含み、
前記第二層は、前記第一層に嵌り込む下部と、少なくとも一部が前記第三層に嵌り込む上部とを含み、
前記第二層の材料硬度は前記第一層及び前記第三層の材料硬度よりも
高く、
前記上部は平板型サブパートと前記平板型サブパート上の前記下部から離れた側の凸起サブパートとを含み、
前記第二層は、前記平板型サブパートの上面に対して垂直な方向で十字形の構成になるように、前記下部の上、下表面の面積はいずれも前記平板型サブパートの上表面の面積及び下表面の面積のうちの少なくとも一方よりも小さく、前記凸起サブパートの上、下表面の面積はいずれも前記平板型サブパートの上表面の面積及び下表面の面積のうちの少なくとも一方よりも小さくなっているとともに、
前記上部の少なくとも前記凸起サブパートが前記第三層に嵌り込む、スペーサ。
【請求項2】
前記上部の平板型サブパートと凸起サブパートはいずれも前記第三層に嵌り込む、
請求項1に記載のスペーサ。
【請求項3】
前記第三層の側面は前記第一層の側面を覆う、
請求項1または2に記載のスペーサ。
【請求項4】
前記第一層と前記第三層は樹脂層である、請求項1に記載のスペーサ。
【請求項5】
前記第二層は金属層又は金属酸化物層である、請求項1に記載のスペーサ。
【請求項6】
前記第二層の最大厚さは1000~4000Åである、請求項1に記載のスペーサ。
【請求項7】
前記第一層及び前記第三層のうちの少なくとも一方がフォトレジストを含む、
請求項1または4に記載のスペーサ。
【請求項8】
基板と、
前記基板上に設けられるスペーサとを含み、
前記スペーサは
請求項1~7のいずれかに記載のスペーサである、表示パネル。
【請求項9】
圧力タッチ構造をさらに含み、
前記圧力タッチ構造は第一電極層と第二電極層とを含み、前記第一電極層と前記第二電極層は前記スペーサの両側に設けられ、
前記第一電極層は互いに絶縁する複数の第一電極を含み、前記第二電極層は面状の第二電極を含む、
請求項8に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記表示パネルはOLED表示パネルであり、
前記第二電極は前記OLED表示パネルの陰極にも用いられる、
請求項9に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記表示パネルは液晶表示パネルであり、
前記第二電極は前記液晶表示パネルの共通電極にも用いられる、
請求項9に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記表示パネルはフレキシブルな表示パネルである、
請求項8~11のいずれかに記載の表示パネル。
【請求項13】
表示パネルに用いられるスペーサの製造方法であって、
上面に凹溝を有する第一層を形成することと、
上部と、前記第一層の凹溝中に嵌り込む下部とを含む第二層を形成することと、
前記上部の少なくとも一部が嵌り込む第三層を形成することとを含み、
前記第二層の材料硬度は前記第一層及び前記第三層の材料硬度よりも
高く、
前記上部は平板型サブパートと前記平板型サブパート上の前記下部から離れた側の凸起サブパートとを含み、
前記第二層は、前記平板型サブパートの上面に対して垂直な方向で十字形の構成になるように、前記下部の上、下表面の面積はいずれも前記平板型サブパートの上表面の面積及び下表面の面積のうちの少なくとも一方よりも小さく、前記凸起サブパートの上、下表面の面積はいずれも前記平板型サブパートの上表面の面積及び下表面の面積のうちの少なくとも一方よりも小さくなっているとともに、
前記上部の少なくとも前記凸起サブパートが前記第三層に嵌り込む、スペーサの製造方法。
【請求項14】
請求項8~11のいずれかに記載の表示パネルを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月27日に提出された、発明名称が「基板及びその製造方法、表示パネル」である中国第201710395936.2号の発明出願の優先権を要求し、この出願の公開は援用によって全てここに組合わせられる。
【0002】
本開示は表示技術分野に関し、特に、スペーサ及びその製造方法、表示パネル、表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在の表示パネルには、セル厚さを保つために一般的にスペーサが設けられる。スペーサが硬い材料のみで製造された場合、表示パネルが押圧されるとき、硬いスペーサは、変形しないことによる基板傷と、弾性を欠くために変形後に元の位置に戻しにくいことによる表示不良の発生との2種類のリスクを引き起こす可能性がある。硬度が低い材料のみを用いる場合、このようなスペーサは支持強度が悪く、表示パネルが押圧されるとき、スペーサは変位しやすく、表示不良の発生を招来する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第一形態は、スペーサを提供し、前記スペーサはこの順に積層される第一層、第二層及び第三層を含み、前記第二層は、前記第一層に嵌り込む下部と、少なくとも一部が前記第三層に嵌り込む上部とを含み、前記第二層の材料硬度は前記第一層及び前記第三層の材料硬度よりも高い。
【0005】
選択的には、前記第二層は平板型を呈する。
【0006】
選択的には、前記下部の上、下表面の面積はいずれも前記上部の前記下部に近い下表面の面積よりも小さい。
【0007】
さらに選択的には、前記上部は平板型サブパートと前記平板型サブパート上の前記下部から離れた側の凸起サブパートとを含み、前記凸起サブパートの上、下表面の面積はいずれも前記平板型サブパートの上表面の面積及び下表面の面積のうちの少なくとも一方よりも小さく、前記上部の少なくとも前記凸起サブパートが前記第三層に嵌り込む。
【0008】
さらに、前記上部の平板型サブパートと凸起サブパートはいずれも前記第三層に嵌り込む。
【0009】
前記下部の上、下底面の面積が前記上部の前記下部に近い下底面の面積より小さい場合、選択的には、前記上部は平板型を呈する。
【0010】
上記に基づき、前記第三層の側面は前記第一層の側面を覆う。
【0011】
選択的には、前記第一層と前記第三層は樹脂層である。
【0012】
選択的には、前記第二層は金属層又は金属酸化物層である。
【0013】
選択的には、前記第二層の最大厚さは1000~4000Åである。
【0014】
選択的には、前記第一層及び前記第三層のうちの少なくとも一方がフォトレジストを含む。
【0015】
本開示の第二形態は、基板と、前記基板上に設けられるスペーサとを含み、前記スペーサは第一形態によるスペーサである、表示パネルを提供する。
【0016】
選択的には、前記表示パネルは圧力タッチ構造をさらに含み、前記圧力タッチ構造は第一電極層と第二電極層とを含み、前記第一電極層と前記第二電極層は前記スペーサの両側に設けられ、前記第一電極層は互いに絶縁する複数の第一電極を含み、前記第二電極層は面状の第二電極を含む。
【0017】
さらに選択的には、前記表示パネルはOLED表示パネルであり、前記第二電極は前記OLED表示パネルの陰極にも用いられる。
【0018】
選択的には、前記表示パネルは液晶表示パネルであり、前記第二電極は前記液晶表示パネルの共通電極にも用いられる。
【0019】
上記に基づき、選択的には、フレキシブルな表示パネルである。
【0020】
本開示の第三形態は、スペーサの製造方法を提供し、上面に凹溝を有する第一層を形成することと、上部と前記第一層の凹溝中に嵌り込む下部とを含む第二層を形成することと、前記上部の少なくとも一部が嵌り込む第三層を形成することとを含み、前記第二層の材料硬度は前記第一層及び前記第三層の材料硬度よりも高い。
【0021】
本開示の第四形態は、上記の表示パネルを含む表示装置を提供する。
【0022】
本開示の実施例又は関連技術における技術案をより明瞭に説明するために、実施例又は関連技術の説明に用いられる図面を簡単に紹介する。明らかに、下記記載における図面は本開示の実施例の一部に過ぎない。当業者にとって、進歩性に値する労働を払わずに、これら図面から他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は本開示の少なくとも1つの実施例による
スペーサの構造模式図である。
【
図2】
図2は本開示の少なくとも1つの実施例による
スペーサの構造模式図である。
【
図3】
図3は本開示の少なくとも1つの実施例による
スペーサの構造模式図である。
【
図4】
図4は本開示の少なくとも1つの実施例による
スペーサの構造模式図である。
【
図5】
図5は本開示の少なくとも1つの実施例による
スペーサの構造模式図である。
【
図6】
図6は本開示の少なくとも1つの実施例による
スペーサの構造模式図である。
【
図7】
図7は本開示の少なくとも1つの実施例による表示パネルの構造模式図である。
【
図8】
図8は本開示の少なくとも1つの実施例によるスペーサの製造のフローチャートである。
【
図9a】
図9aは本開示の少なくとも1つの実施例によるスペーサにおける第一層の
模式図である。
【
図9b】
図9bは本開示の少なくとも1つの実施例によるスペーサにおける第一層の
模式図である。
【
図9c】
図9cは本開示の少なくとも1つの実施例によるスペーサにおける第一層の
模式図である。
【
図10a】
図10aは本開示の少なくとも1つの実施例によるスペーサにおける第二層の
模式図である。
【
図10b】
図10bは本開示の少なくとも1つの実施例によるスペーサにおける第二層の
模式図である。
【
図11a】
図11aは本開示の少なくとも1つの実施例によるスペーサにおける第三層の
模式図である。
【
図11b】
図11bは本開示の少なくとも1つの実施例によるスペーサにおける第三層の
模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示における各実施例中の図面を結合しながら本開示における各実施例中の技術案を明瞭、完全に説明する。明らかに、記載している実施例は本開示の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が本開示における各実施例に基づき、進歩性に値する労働を払わずに得られる全てのほかの実施例は、本開示の保護の範囲に属する。
【0025】
図1~6に示すように、本開示の少なくとも1つの実施例は
基板30上に形成されるスペーサ10を提供し、スペーサ10は積層して設けられる第一層11、第二層12及び第三層13を含み、第二層12は、第一層11に嵌り込む下部121と、少なくとも一部が第三層13に嵌り込む上部122とを含み、第二層12の材料硬度は第一層11及び第三層13の材料硬度よりも高い。
【0026】
そのうち、スペーサ10の形状は角錐台、角柱、円台等であってもよい。
【0027】
なお、説明を容易にするために、本開示は第二層12を上部122と下部121に区画しているが、実質的には、上部122と下部121との接触面は明らかな境界を有しなくてもよく、第二層12は一体的構造であってもよい。
【0028】
そのうち、上部122、下部121のうちの「上」、「下」は相対的な位置であり、本開示において、第二層12の第一層11に嵌り込む部分を下部121と称し、第二層12の残りの部分を上部122と称する。
【0029】
第一層11、第二層12及び第三層13は積層して設けられ、即ち、基板30に垂直に、第一層11、第二層12及び第三層13は積層して設けられる。
【0030】
そのうち、第一層11を基板30に近接して設け、第三層13を基板30から離れて設けてもよい。即ち、第一層11を形成してから第二層12を形成し、その後に第三層13を形成する。
【0031】
第一層11と第三層13の材料は同じであっても異なっていてもよい。基板を表示パネルに応用し、表示パネルが圧力を受けたとき、スペーサ10と接触する膜層又はガラス基板を傷つけないように、第三層13の材料を選択する。
【0032】
第二層12の下部121が第一層11に嵌り込むように、第一層11を製造して形成するとき、第一層11の第二層12に近接する表面に凹溝を形成してもよく、このように、第二層12を形成するとき、第二層12の下部121は凹溝中に充填することができ、構造的には第一層11に嵌り込む。
【0033】
これに基づき、第二層12の具体的な構造により、第二層12上に第三層13を形成するとき、構造的には、第二層12の上部122の少なくとも一部が第三層13中に嵌まり込めばよい。
【0034】
下部121が第一層11に嵌り込むことを例とすると、下部121が第一層11に完全に取り囲まれることに限らず、例えば1つの側面がスペーサ10表面に露出してもよく、2つの対向する側面がスペーサ10表面に露出してもよい。
【0035】
同様に、上部122が第三層13に嵌り込むことは、上部122が第三層13に完全に取り囲まれることに限らず、例えば1つの側面がスペーサ10表面に露出してもよく、2つの対向する側面がスペーサ10表面に露出してもよい。
【0036】
本開示の少なくとも1つの実施例はスペーサ10を提供し、スペーサ10がこの順に積層される第一層11、第二層12及び第三層13を含み、かつ第二層12の硬度を第一層11及び第三層13の硬度より高くすることにより、少なくともスペーサ10表面の低硬度を保証するとともにスペーサ10の支持強度を著しく向上させることができ、かつ第二層12の厚さを合理的に設置することにより、スペーサ10の弾性を保証することができるため、少なくとも圧力解消後にスペーサ10が元の位置に戻れない問題を避けることができる。これに基づき、第二層12の下部121が第一層11中に嵌り込み、第二層12の上部122の少なくとも一部が第三層13中に嵌り込むようにすることにより、スペーサ10を設けた基板を表示パネルに応用し、表示パネルが圧力を受けたとき、硬度が低い第一層11及び第三層13の変位を防止することができるため、少なくともスペーサ10の変位を避けることができる。
【0037】
選択的には、
図1及び
図2に示すように、第二層12は平板型を呈する。
即ち、第二層12は基板に垂直である方向において断面が矩形を呈する。
【0038】
この場合、第二層12の下部121と上部122の厚さ合計は第二層12の厚さである。
【0039】
第二層12が平板型を呈するとき、通常のマスクプレートを採用すれば第二層12を形成できるので、プロセスが比較的に簡単であり、コストが低い。
【0040】
選択的には、
図3~6に示すように、下部121の上、下底面の面積は上部122の下部121に近い底面の面積よりも小さい。
【0041】
即ち、下部121は上部122上に設けられる小さい突起である。
【0042】
そのうち、下部121が第一層11の第二層12側に近い中間位置に嵌り込んでもよい。この場合、下部121は第一層11に完全に取り囲まれる。
【0043】
本開示の少なくとも1つの実施例は、第二層12における下部121の上、下底面の面積を小さくすることにより、下部121の大きい厚さがスペーサ10の弾性を大きく影響することを避けることができ、下部121の厚さを大きくすることにより、基板を表示パネルに応用し、表示パネルが圧力を受けたとき、硬度が低い第一層11の変位を防止することができる。
【0044】
さらに選択的には、
図3と
図4に示すように、上部122は平板型を呈する。
即ち、上部122は基板に垂直である方向において断面が矩形を呈する。
【0045】
又は、選択的には、
図5と
図6に示すように、上部122は平板型サブパート1221と、平板型サブパート1221の下部121から離れた側に設けられた凸起サブパート1222とを含み、凸起サブパート1222の上、下底面の面積は平板型サブパート1221の上底面又は下底面の面積よりも小さく、少なくとも凸起サブパート1222は第三層13中に嵌り込む。
図5と図6に示すように、第二層12は下部121、平板型サブパート1221及び凸起サブパート1222を含み、このように、第二層12は基板に垂直である方向において断面が「十」字形を呈する。
【0046】
そのうち、凸起サブパート1222のみが第三層13に嵌り込むとき、
図5に示すように、平板型サブパート1221の側面はスペーサ10の表面に露出する。選択的には、凸起サブパート1222は第三層13の第二層12に近い側の中間位置に嵌り込む。この場合、凸起サブパート1222は第三層13に完全に取り囲まれる。
【0047】
上部122の凸起サブパート1222のみが第三層13に嵌り込むとき、凸起サブパート1222の上、下底面の面積を小さくすることにより、凸起サブパート1222の大きい厚さがスペーサ10の弾性を大きく影響することを避けることができ、凸起サブパート1222の厚さを大きくすることにより、基板を表示パネルに応用し、表示パネルが圧力を受けたとき、硬度が低い第三層13の変位を防止することができる。
【0048】
上部122が平板型サブパート1221と凸起サブパート1222とを含む場合、
図6に示すように、選択的には、平板型サブパート1221と凸起サブパート1222はいずれも第三層13中に嵌り込み、即ち上部122は第三層13中に嵌り込む。このように、基板を表示パネルに応用し、表示パネルが圧力を受けたとき、硬度が低い第三層13の変位をさらに防止することができる。
【0049】
上記に基づき、選択的には、
図2、
図4、
図6に示すように、第三層13の側面は第一層11の側面を覆う。即ち、第三層13は第一層11と第二層12とを取り囲む。
【0050】
なお、凸起サブパート1222のみが第三層13中に嵌り込むとき、平板型サブパート1221の側面はスペーサ10の表面に露出する(
図5に示す)。したがって、この場合、第三層13の側面は第一層11の側面を覆うことができない。
【0051】
本開示の少なくとも1つの実施例は第三層13が第一層11及び第二層12を取り囲むようにすることにより、硬度が低い第一層11及び第三層13の変位をさらに防止することができる。
【0052】
上記に基づき、選択的には、第一層11及び第三層13は樹脂層である。そのうち、樹脂層の材料はエポキシ樹脂、アクリル樹脂等を含んでもよい。
【0053】
第一層11と第三層13の材料は異なってもよい。第一層11と第三層13の材料は同じであってもよい。
【0054】
さらに選択的には、第一層11と第三層13のうちの少なくとも一層はフォトレジストを含んでもよい。
【0055】
樹脂材料の硬度が低いため、第一層11及び第三層13を樹脂層に設置することにより、スペーサ10によい弾性を持たせることができ、かつこの基板を表示パネルに応用し、表示パネルが圧力を受けたとき、スペーサ10と接触する膜層又はガラス基板を傷つけることはない。また、フォトレジストを第一層11及び/又は第三層13の材料とするとき、第一層11及び/又は第三層13を形成するプロセスステップを簡略化させることができる。
【0056】
選択的には、第二層12は金属層又は金属酸化物層である。
【0057】
そのうち、金属層の材料は単一金属、合金等を含んでもよい。例えば、金属層の材料はMo(モリブデン)、Al(アルミニウム)、モリブデンアルミニウム合金等を含んでもよい。
【0058】
金属酸化物層の材料は、例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)、IZO(インジウム亜鉛酸化物)等の金属酸化物を含む。
【0059】
金属材料、金属酸化物材料の硬度が高いため、第二層12を金属層又は金属酸化物層にすることにより、スペーサ10の支持強度を保証することができる。
【0060】
選択的には、第二層12の最大厚さは1000~4000Åである。このように、スペーサ10の支持強度を保証する上、スペーサ10の弾性に大きな影響を与えない。
【0061】
本開示の少なくとも1つの実施例は、基板と、基板上に設けられるスペーサとを含み、スペーサが上記いずれかのスペーサである表示パネルを提供する。
【0062】
そのうち、表示パネルは液晶表示パネルであってもよく、これに基づき、前記基板はアレイ基板であってもよく、アレイ基板に合わせる合わせ基板であってもよい。
【0063】
あるいは、表示パネルはOLED(Organic Light Emitting Diode,有機エレクトロルミネッセンスダイオード)表示パネルであってもよく、これに基づき、前記基板はアレイ基板である。これに基づき、OLED表示パネルはパッケージ薄膜又はパッケージ基板を含んでもよい。そのうち、パッケージ薄膜又はパッケージ基板はスペーサ10に接触する。
【0064】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示パネルを提供し、表示パネル中のスペーサ10がこの順に積層される第一層11、第二層12及び第三層13を含み、かつ第二層12の硬度を第一層11及び第三層13の硬度より高くすることにより、少なくともスペーサ10表面の低硬度を保証するとともにスペーサ10の支持強度を著しく向上させることができ、かつ第二層12の厚さを合理的に設置することにより、スペーサ10の弾性を保証することができるため、少なくとも表示パネルが受ける圧力の解消後にスペーサ10が元の位置に戻れない問題を避けることができる。これに基づき、第二層12の下部121が第一層11中に嵌り込み、第二層12の上部122の少なくとも一部が第三層13中に嵌り込むようにすることにより、表示パネルが圧力を受けたとき、硬度が低い第一層11及び第三層13の変位を防止することができるため、少なくともスペーサ10の変位を避けることができる。上述の通り、表示パネルが圧力を受けた後の変形効果を向上させ、表示パネルが圧力を受けた後、スペーサ10による表示不良の状況を改善することができる。
【0065】
選択的には、
図7に示すように、表示パネルは圧力タッチ構造20をさらに含み、圧力タッチ構造20は第一電極層と第二電極層とを含み、第一電極層と第二電極層はスペーサ10の両側に設けられる。そのうち、第一電極層は互いに絶縁する複数の第一電極21を含んでもよく、第二電極層は1つの面状の第二電極22を含んでもよい。
【0066】
ここでは、複数の第一電極21は例えばアレイ配列を呈する。
【0067】
これに基づき、平行平板容量の式である
【0068】
【0069】
から分かるとおり、第一電極21と第二電極22との間には容量(C)が発生する。これに基づき、表示パネルが圧力を受けていないとき、第一電極層と第二電極層との間に発生する容量が一定であり、表示パネルが圧力を受けたとき、スペーサ10が圧力を受けたため、表示パネルは変形して加圧箇所における第一電極21と第二電極22との距離を変化させ、第一電極21と第二電極22との間に発生する容量を変化させ、相応な換算により圧力値を得ることができる。
【0070】
これに基づき、前記圧力値と予め記憶された基準圧力範囲とを比較することができ、圧力値が1つの基準圧力範囲内にある場合、例えば、タッチ箇所における情報を拡大したり、メインページに戻ったり、画面をロックしたりするというこの範囲に対応する機能をオープンする。
【0071】
そのうち、1つの基準圧力範囲は表示装置の1つの機能に対応することができるので、具体的な機能項目に応じて複数の基準圧力範囲を設けることができ、かつこの対応関係を予め設定しておいてもよい。
【0072】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示パネル上に圧力タッチ構造20を設け、かつ圧力タッチ構造20の第一電極層21と第二電極層22をスペーサ10の両側に設けることにより、表示パネルが圧力を受けたとき、スペーサ10の変形に基づき、圧力タッチ構造で圧力値を識別し、ユーザ体験を向上させることができる。また、スペーサ10の特別な設計により、表示パネルが圧力を受けた後の変形効果を向上させることができるため、圧力識別精度を向上させることができる。
【0073】
さらに選択的には、表示パネルがOLED表示パネルである場合、第二電極は陰極と共用してもよい。
【0074】
表示パネルが液晶表示パネルである場合、第二電極は共通電極と共用してもよい。
【0075】
このように、表示パネルの製造プロセスを簡略化させることができる。
【0076】
選択的には、前記表示パネルはフレキシブルな表示パネルであってもよい。
【0077】
フレキシブルな表示パネルが曲げやすいため、表示パネルはよく変形する。したがって、前記スペーサ10の設計をフレキシブルな表示パネルに応用することにより、フレキシブルな表示パネルの性能を向上させることができる。
【0078】
本開示の少なくとも1つの実施例は、
スペーサ10の製造方法をさらに提供する。そのうち、
図8に示すように、スペーサ10を
製造することは以下のステップを
含んでもよい。
【0079】
S10.上面に凹溝110を有する第一層11を形成する。
【0080】
例示的には、第一層11の形状は四角錐台であってもよい。
図9aに示すように、凹溝110は第一層11上面の中間位置に設けられてもよい。
図9bに示すように、凹溝110は第一層11の一側面を貫通してもよい。
図9cに示すように、凹溝110の両側面は第一層11の外面に露出してもよい。
【0081】
そのうち、成膜、露光、現像、エッチングなどのプロセスによって第一層11を形成してもよい。
【0082】
S11.上部122と第一層11の凹溝110中に嵌り込む下部121とを含む第二層12を形成する。
【0083】
例示的には、
図9aについて、
図10aに示す第二層12を形成してもよく、
図9b及び
図9cについて、
図10bに示す第二層12を形成してもよい。
【0084】
そのうち、成膜、露光、現像、エッチングなどのプロセスによって第二層12を形成してもよい。
【0085】
S12.上部122の少なくとも一部が嵌り込む第三層13を形成する。そのうち、第二層12の材料硬度は第一層11及び第三層13の材料硬度よりも高い。
【0086】
例示的には、第三層13の外面の形状は四角錐台であってもよい。
図10aについて、
図11aに示す第三層13を形成してもよく、
図10bについて、
図11bに示す第三層13を形成してもよい。
【0087】
そのうち、成膜、露光、現像、エッチングなどのプロセスによって第三層13を形成してもよい。
【0088】
本開示の少なくとも1つの実施例はスペーサ10の製造方法を提供し、スペーサ10がこの順に積層される第一層11、第二層12及び第三層13を含み、かつ第二層12の硬度を第一層11及び第三層13の硬度より高くすることにより、少なくともスペーサ10表面の低硬度を保証するとともにスペーサ10の支持強度を著しく向上させることができ、かつ第二層12の厚さを合理的に設置することにより、スペーサ10の弾性を保証することができるため、少なくとも圧力の解消後にスペーサ10が元の位置に戻れない問題を避けることができる。これに基づき、第二層12の下部121が第一層11中に嵌り込み、第二層12の上部122の少なくとも一部が第三層13中に嵌り込むようにすることにより、スペーサ10を設けた基板を表示パネルに応用し、表示パネルが圧力を受けたとき、硬度が低い第一層11及び第三層13の変位を防止することができるため、少なくともスペーサ10の変位を避けることができる。
【0089】
本開示の少なくとも1つの実施例は、上記表示パネルを含む表示装置を提供する。表示装置は、液晶パネル、電子ペーパ、OLEDパネル、携帯電話、タブレットパソコン、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータなどのいずれの表示機能を有する製品又は部品であってもよい。
【0090】
上記内容は本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲はこれに限定されない。当業者が本開示に開示された技術範囲に基づいて容易に想到し得る変更や切替も、本開示の保護範囲内に含まれる。したがって、本開示の保護範囲は特許請求の範囲に準ずる。
【符号の説明】
【0091】
10 スペーサ
11 第一層
110 凹溝
12 第二層
121 下部
122 上部
1221 平板型サブパート
1222 凸起サブパート
13 第三層
20 圧力タッチ構造
21 第一電極
22 第二電極