(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】適応位置ブランド化
(51)【国際特許分類】
H04M 1/72457 20210101AFI20220107BHJP
H04W 4/021 20180101ALI20220107BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20220107BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
H04M1/72457
H04W4/021
H04W64/00 171
H04M11/00 302
(21)【出願番号】P 2018545576
(86)(22)【出願日】2016-11-22
(86)【国際出願番号】 US2016063247
(87)【国際公開番号】W WO2017091539
(87)【国際公開日】2017-06-01
【審査請求日】2019-09-08
(32)【優先日】2015-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518180489
【氏名又は名称】カレッジネット・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェフ・マイケル・ボルトン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムス・エイチ・ウルフストン
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-511521(JP,A)
【文献】特開2001-175554(JP,A)
【文献】特開2014-048053(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0189070(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0137881(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0105150(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0257792(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
H04B7/24-7/26
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型通信装置上の位置認知アプリケーションの表示および/または機能を、検出された位置に基づいて変化させる方法であって、
第三者サービス提供者によって運営されているウェブ・ベースのサービスによって提供される前記位置認知アプリケーションを実行するステップと、
位置決定装置からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出するステップと、
ユーザに提供する第1の大学に関する第1の情報について、前記第三者サービス提供者によって運営されている前記ウェブ・ベースのサービスに問い合わせるステップであり、前記第1の情報が、検出された前記第1の位置に位置する前記第1の大学に対応し、前記第1の情報が、前記第1の大学によって前記第三者サービス提供者に提供されたデータが入力された前記第三者サービス提供者のデータベースからのものである、ステップと、
前記携帯型通信装置によって、前記第1の大学に関する前記ユーザに提供する前記第1の情報を、前記第三者サービス提供者によって運営されている前記ウェブ・ベースのサービスから受信するステップと、
前記第三者サービス提供者によって運営されている前記ウェブ・ベースのサービスから受信した前記第1の情報を用いて、前記携帯型通信装置の前記位置認知アプリケーションのユーザ・インタフェースを、前記位置認知アプリケーションの前記ユーザ・インタフェースが前記
第1の大学に関連づけられたブランディング情報を含むような態様で変更するステップと、
位置決定装置からの第2の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第2の位置を検出するステップと、
前記ユーザに提供する第2の大学に関する第2の情報について、前記第三者サービス提供者によって運営されている前記ウェブ・ベースのサービスに問い合わせるステップであり、前記第2の情報が、検出された前記第2の位置に位置する前記第2の大学に対応し、前記第2の情報が、前記第2の大学によって前記第三者サービス提供者に提供されたデータが入力された前記第三者サービス提供者のデータベースからのものである、ステップと、
前記携帯型通信装置によって、前記第2の大学に関する前記ユーザに提供する前記第2の情報を、前記第三者サービス提供者によって運営されている前記ウェブ・ベースのサービスから受信するステップと、
前記第三者サービス提供者によって運営されている前記ウェブ・ベースのサービスから受信した前記第2の情報を用いて、前記携帯型通信装置の前記位置認知アプリケーションの前記ユーザ・インタフェースを、前記位置認知アプリケーションの前記ユーザ・インタフェースが前記
第2の大学に関連づけられたブランディング情報を含むような態様で変更するステップと、を含み、
前記位置認知アプリケーションによって表示される内容と表示が前記第三者サービス提供者によって調整され、前記位置認知アプリケーションの前記ユーザ・インタフェースが前記
第1または第2の大学に関連づけられたブランディング情報を含むような態様であり、前記ユーザが前記位置認知アプリケーションを前記第三者サービス提供者からダウンロードできるような態様で
あって、前記第三者サービス提供者を介して前記ユーザの前記携帯型通信装置に表示される前記ユーザ・インタフェースの表示を前記第1または第2の大学が指定でき、前記ユーザがダウンロードを要する位置認知アプリケーションを前記第1または第2の大学が独自に提供する必要がない、方法。
【請求項2】
前記位置決定装置が多数のGPS衛星を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記位置決定装置
からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することがWi-Fi
(登録商標)ローカル・ネットワーク
を用いた位置送信装置からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記位置決定装置
からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することが近距離通信(NFC)装置
からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記位置決定装置
からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することがiBeacon
(登録商標)を用いた位置送信装置からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記位置決定装置
からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することが、位置ビーコンを用いたジオフェンシング
を用いた位置送信装置からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記位置決定装置
からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することがブルートゥース
(登録商標)装置
からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記位置決定装置
からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することが無線周波数識別(RFID)装置
からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記位置決定装置
からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することが、モバイル・セルラ・ネットワーク装置
からの第1の位置信号を受信することによって前記携帯型通信装置の第1の位置を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザに提供する前記第1の情報または第2の情報が位置固有通知を含み、前記ユーザに表示する前記第1の情報または第2の情報が前記位置固有通知を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザに提供する前記第1の情報または第2の情報が予定作成のオプションを含み、前記ユーザに表示する前記第1の情報または第2の情報が前記予定作成のオプションを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記位置決定装置から検出された前記位置に変化があった場合に、前記問合せるステップ、前記受信するステップおよび前記表示するステップが繰り返される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記携帯型通信装置の前記位置について問い合わせされる最初の位置決定装置が前記GPS衛星である、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザ・インタフェースが、スクール・カラー、スクール・ロゴなどの前記携帯型通信装置上の画面表示の特性に対する変更を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記位置固有通知が、検出された前記位置に対して予定されている近く行われる行事に関する情報を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記予定作成のオプションが、検出された前記位置に対する講義の割当てを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
携帯型通信装置であって、
バスに接続されたコンピュータ処理装置と、
前記バスに接続された受信器であり、位置決定装置からの位置信号を受信するように適合された受信器と、
前記バスに接続された表示画面であり、前記携帯型通信装置のユーザに対して情報を表示するように適合された表示画面と、
前記バスに接続された非一時的コンピュータ可読媒体であり、コンピュータ実行可能命令のコードが書き込まれた非一時的コンピュータ可読媒体と
を備え、前記コンピュータ実行可能命令が、前記コンピュータ処理装置によって実行されたときに、請求項1に記載の方法を前記装置に実行させる、
携帯型通信装置。
【請求項18】
コンピュータ実行可能命令のコードが書き込まれた非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令が、携帯型通信装置のコンピュータ処理装置によって実行されたときに、請求項1に記載の方法を前記携帯型通信装置に実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯型通信装置に関し、詳細には、図形表示を有するアプリケーションを実行する携帯型無線通信装置(例えば「スマートホン」など)に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション用のGPSシステムの使用は受け入れられており、一般的に使用されている。このようなGPSシステムの使用は現在、ほぼ欠くべからざるものとなっており、新しい都市、大学キャンパスなどのよく知らない場所を移動している人にとっては特にそうである。最近、特定のレストランまたは近くのガソリン・スタンドなどがどこにあるのかをユーザに知らせるアプリケーション(「アプリ」)などの追加機能も出現した。これらの検索の結果として供給される情報は、それらの検索サービスの供給者が管理しまたはデータを入力したデータベースから提供されるものではない。その代わりに、この第三者情報(例えばガソリン価格、レストラン・メニュー項目、キャンパス行事)は、Google(登録商標)などの第三者検索提供者が管理するデータベースから制御、編集および提供される。
【0003】
この情報が最新のものであり、完全かつ信頼できる情報であることを保証するために、この情報が、サービス提供者(すなわちレストラン、映画館、大学など)が管理するデータベースから代わりに提供されることが、サービス提供者とエンドユーザの両方にとって好ましいことがある。また、第三者検索が、検出された位置に基づいて表示および特徴を変化させることはない。すなわち、Google検索の結果が、携帯型通信装置上の表示を変化させて、スタンフォード大学の色およびロゴを示すことはなく、スタンフォード大学キャンパスを訪れた人に大学が提供したい情報の詳細を提供することもない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、携帯型通信装置上の位置認知アプリを、検出された位置に基づいてその表示および特徴を変化させるように構成することは望ましいであろう。
【0005】
GPS、Wi-Fi、モバイル・ネットワーク、ブルートゥース(登録商標)、NFC、ビーコンを用いたジオフェンシングなどの公知の手段によって位置を検出することができるとさらに望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、検出された位置に基づいてその表示および特徴を変化させる位置認知アプリケーションを対象としている。最初に、ユーザが、自分の携帯型通信装置上にアプリケーションをインストールし、次いで、そのアプリケーションが、検出された位置に基づいて異なる表示を提示する。限定はされないが、この位置は、GPS、Wi-Fi、モバイル・ネットワーク、ブルートゥース、NFC、iBeacon、位置ビーコンを用いたジオフェンシングなどの公知の手段によって検出することができる。位置が検出された後、位置固有情報が、携帯型通信装置の表示画面上にこの情報を表示するアプリケーションを介してユーザに対して表示される。この情報は、ローカル・サービスの提供者が制御するデータベースから供給される。
【0007】
このアプリケーションの例示的ないくつかの用途が示されるが、本発明の範囲内において他の多くの用途が可能であり、それらの用途は、本明細書に提供された実施形態の説明から明らかになる。
【0008】
以上では、以下の本発明の詳細な説明をより十分に理解できるように、本発明の特徴および技術上の利点をかなりおおまかに概説した。以下では、本発明の追加の特徴および追加の利点を説明する。開示される着想および特定の実施形態を、本発明の同じ目的を達成するために他の構造を変更または設計するためのベースとして容易に利用することができることを当業者は理解すべきである。さらに、このような等価の構造は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱しないことを当業者は理解すべきである。
【0009】
次に、本発明および本発明の利点のより完全な理解のため、添付図面に関して書かれた以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】いくつかの大学環境内における、本発明の実施形態を含む携帯型通信装置の動作の略図である。
【
図2】講義室の位置を決定する状況における、本発明の実施形態を含む携帯型通信装置の動作の略図である。
【
図3】さまざまな可能な機能を示す、本発明の実施形態を含む携帯型通信装置の動作の流れ図である。
【
図4】本発明の実施形態に基づくコンピュータ・プログラム製品を記憶および/または実行するのに適した携帯型通信装置400のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態は、位置固有情報をユーザに提供する改良された方法を提供する。この情報は、このサービスの提供者が管理するデータベースから提供される。好ましい実施形態では、第三者サービス提供者(例えばCollegeNET)によってアプリケーションが開発および提供され、第三者サービス提供者は、アプリケーションのさまざまなプログラム・オプション/APIを、第三者サービス提供者の顧客(例えばさまざまな大学)が利用および選択できるようにする。このようにすると、それらのさまざまな大学が、それらの大学に関連した固有のユーザ体験を提供するために、それらの大学自体の固有のアプリケーションを開発する必要(およびアプリケーションをダウンロードするようユーザに促す必要)がなくなり、ユーザが、訪れたそれぞれの学校のアプリケーションをダウンロードする必要がなくなる。
【0012】
以下の説明では、本明細書で使用される用語「位置決定装置」が、全地球測位システム(GPS)、IEEE802.11(Wi-Fi)などのローカル・エリア無線コンピュータ・ネットワーク、モバイル・セルラ・ネットワーク装置、ブルートゥース装置、近距離通信(NFC)装置、Apple Computer,Inc.のiBeacon(登録商標)、無線周波数識別(RFID)装置、位置ビーコンを用いたジオフェンシングなどのタイプの位置送信電子装置のうちの1つまたは複数の電子装置を指す。本明細書で使用される用語「ブランド」または「ブランディング情報」は、商品またはサービスの供給元、由来、提携先または後援者を示すことができる任意の情報を指し、この情報には、限定はされないが、商標、役務標章、ロゴ、標語、色、マスコットやバナー、紋章や印章、エンブレム、サウンド、祝歌、応援歌、校歌などが含まれる。本明細書で使用される用語「携帯型通信装置」は、少なくとも無線手段によってデータを伝達するように適合され、またユーザが携帯できるように適合された、信号処理装置、データ処理システムまたはコンピュータ・システムを指す。これには、限定はされないが、携帯電話、スマートホン、タブレット装置、ラップトップ・コンピュータ、パーソナル・ディジタル・アシスタントなどが含まれる。
【0013】
以下の項は、本発明の実施形態の用途の説明的な例を示す。しかしながら、当業者には理解されることだが、他の用途も本発明の範囲に含まれる。
【0014】
本発明の実施形態の可能な用途の第1の例では、ユーザが、ハーヴァード大学のキャンパスを訪れ、このことが、ハーヴァード大学のコードが書き込まれた位置決定装置への接近によって検出され、アプリケーションの表示(すなわち画面表示またはグラフィック・ユーザ・インタフェース)が、ハーヴァード大学のブランド(スクール・カラー、シンボル、マスコット、標語、商標、背景画像など)に変化し、ユーザが利用できるようにしたいとハーヴァード大学が考えるオプションの第1のセットがユーザに提示される。これらのオプションは、ユーザの身分(来客、教員、職員、学生、入学志望者、親、寄付者など)に基づいて決定することができ、この身分は、アプリケーションに対するサインオン認証情報によって決定することができる。そのユーザが続いて、エール大学のキャンパスを訪れたとすると、このことが、エール大学のコードが書き込まれた位置決定装置への接近によって検出され、同じアプリケーションの表示がエール大学のブランドに変化し、ユーザが利用できるようにしたいとエール大学が考えるオプションの第2のセットがユーザに提示される。エール大学によって提供されるこのオプションの第2のセットは、ハーヴァード大学によって提供されるオプションの第1のセットとは異なることがあることに留意されたい。
【0015】
本発明の実施形態の可能な用途の第2の例は、多くの展示会が行われているコンベンション・ホールをユーザが訪れることである。第1の販売会社の展示場の近くにいること(このことは、Ikeaのコードが書き込まれた第1の位置決定装置への接近によって検出することができる)に応答して、アプリケーションの表示がその販売会社のブランドに変化し、ユーザが利用できるようにしたいとその販売会社が考えるオプションおよび/または販売促進情報がユーザに提示される。例えば、Ikeaの展示場では、このアプリケーションが、Ikeaのロゴをコーナに有する青と黄色の強調表示に変化する。Coca Colaの展示場などの第2の展示場に近づいたことが、Coca Colaのコードが書き込まれた第2の位置決定装置への接近によって検出されると、このアプリケーションは、Coca Colaのロゴをコーナに有する赤と白の強調表示に変化する。このアプリケーションの機能は、販売会社の選択(例えば販売促進ビデオ、値引き商品の提示、オンライン注文書式、ダウンロード可能な製品パンフレット/仕様書など)に基づいて変化しうる。これらのオプションは、ユーザの身分(従業員、入場者、顧客、好ましい顧客など)に基づいて決定することができ、この身分は、サインオン認証情報によって決定することができる。ユーザが次いで、第3の販売会社の展示場に近づいたとすると、このことが、第3の位置決定装置への接近によって検出され、同じアプリケーションの表示がその販売会社のブランドに変化し、ユーザが利用できるようにしたいとその新たな販売会社が考えるオプションがユーザに提示される。同様の利用法を、博物館、動物園、自然保護区、美術品展示場、史跡または歴史的展示物、産業展示会など、任意の展示会場または環境に対して適用することができる。
【0016】
他の例示的な用途では、ミーティング・スペースの予定の作成に本発明の実施形態が使用される。一例として、多数の教室があるキャンパス内の建物をユーザが訪れているとする。このアプリケーションは、位置決定装置からの信号を検出することによってそのユーザがその建物に接近したことを検出し、その建物のさまざまな教室のスケジュールをユーザに提示する。より細かなレベルでは、このアプリケーションが、(例えば教室の入口の近くにある局所的な位置決定装置を感知することによって)特定の教室への接近を検出し、その特定の教室のスケジュールを表示する。予定作成のオプションは、ユーザの身分(来客、教員、職員、学生)に基づいて決定することができ、この身分は、サインオン認証情報によって決定することができる。例えば、教員は、その教室の予定時間を書き込む「書込み」特権を有することができ、学生は、予定されている講義/行事を見る「読取り」特権だけを有することができる。同じ使用法を、多数の会議室/ミーティング・ルームを有するオフィスビルに適用することができる。
【0017】
図1は、いくつかの大学環境内で動作している本発明の実施形態に基づく携帯型通信装置102内の本発明の実施形態に基づくアプリケーションの動作の略
図100を示す。これらの環境は、上で簡単に説明した第1の用途の環境と同様の環境である。携帯型通信装置102内で動作している本発明の実施形態に基づくアプリケーションが、GPS、Wi-Fi、モバイル・ネットワーク、ブルートゥース、NFC、iBeacon、位置ビーコンを用いたジオフェンシングなどの例示的な位置決定装置120からの位置信号を検出する(118)。位置決定装置120が提供する位置情報によってデバイス102のおおよその位置を決定し、および/またはGPSシステム114から位置情報を得た116の後、このアプリケーションは、クラウド内でサービスとしてのソフトウェアモードで動作しているウェブ・サービスに問い合わせて、管理機関(すなわち位置決定装置上の位置データを提供およびプログラムした組織)による所定の選択に従ってユーザに提供および表示する情報を取得する。
【0018】
例112では、携帯型通信装置102がスタンフォード大学のキャンパスにあることを、携帯型通信装置102がGPS信号から感知した場合、このアプリケーションは、携帯型通信装置102上の表示のさまざまな属性、例えば色(スタンフォード大学のカラーである緋色に)、ロゴ、表示オプションなどを変化させる(122)。同様に、携帯型通信装置102が、オレゴン大学(U of O)のコードが書き込まれた位置決定装置を検出した場合、アプリケーション110は、携帯型通信装置がU of Oのキャンパスにあると判定し、携帯型通信装置102上の表示のさまざまな属性、例えば色(U of Oのカラーである緑と黄色に)、ロゴ、表示オプションなどを変化させる(124)。最後に、カンザス大学(KU)のコードが書き込まれた位置決定装置とGPS信号の両方が、携帯型通信装置102がKUのキャンパスにあることを示している第3のケースでは、このアプリケーションが、携帯型通信装置102上の表示のさまざまな属性、例えば色(KUのカラーである深紅色と青に)、ロゴ、表示オプションなどを変化させる(126)。上記の第1の例示的な用途で説明したとおり、具体的な変更は、携帯型通信装置のユーザの予め決められた身分によって、例えば携帯型通信装置のユーザが、来客、教員、職員、学生、入学志望者、親、寄付者などのいずれであるのかによって異なることがある。
【0019】
図2は、講義室220の位置を決定する状況における、携帯型通信装置206内の本発明の実施形態に基づくアプリケーションの動作の略
図200を示す。この状況は、上で簡単に説明した第3の用途の状況と同様の状況である。携帯型通信装置206内で動作している本発明の実施形態に基づくアプリケーションが、この図に示されているiBeaconなどの例示的な位置決定装置204からの位置信号を検出する(208)。この特定の例では、位置情報が、(101番講義室(220)を示す)値「1000」を有する主座標、および(101番講義室の特定の扉を示す)値「0233」を有する副座標を含む。カーテンまたは可動分割壁などによって101番講義室が細分されている場合には、101番講義室の副座標が、講義室101内のより小さな特定のミーティング・スペースを示していることがある。図示されているように、それぞれのミーティング・スペースには別々の扉を通って入る。装置206のおおよその位置を決定した後、アプリケーションは、API214のリンク216を介して、25Live210のサービスとしてのソフトウェア(SaaS)に問い合わせる(212)。25Liveシステムは次いで、講義室101の空間データを装置206に送信することによって、これに応答する(218)。この空間データは、講義室の最新の割当てを含むことができる(この講義室には扉0233を通って入る。講義室101が個々の空間に細分されている場合には、それぞれの空間に別々の扉を通って入る)。例えば、iBeacon202に問い合わせた場合、25Liveシステムは、101番講義室の空間データも提供するが、細分された空間に対する別々の割当てを有する(あり得る)室の細分に関する差異が生じる可能性がある。131番講義室が細分されていない場合には、主座標1000/副座標0233に対して提供される空間データと主座標1000/副座標0234に対して提供される空間データが同じであることがある。
【0020】
図3は、本発明の実施形態に基づくアプリケーションの動作の流れ
図300を示す。最初に、ブロック302で、ユーザが、
図1の102、
図2の206などのユーザの携帯型通信装置上のアプリケーション(「アプリ」)を開く。このアプリは最初に、携帯型通信装置のGPS位置を見つけることができたかどうかを判定する(306)。見つけることができた場合、位置決定装置(「センサ」)が近くにあるかどうかを判定する必要はなく、アプリは、GPS/センサ・ルックアップ・サービスの問合せ(312)の方へすぐに分岐する。GPS/センサ・ルックアップ・サービスは、例えば大学キャンパスの座標(通常は広い面積を占めるキャンパスの多数の境界線座標)、キャンパス内の個々の建物の座標、またはキャンパス内の個々の位置決定装置の位置情報(これは、建物の内部空間ではGPSが使用できない可能性があるためである)など、このアプリに適用可能なさまざまな場所の予め決められた位置情報を有する。GPS位置を見つけることができない場合には(通常は多数のGPS衛星からの信号の受信による混信が原因である)、ローカル・センサ(位置決定装置)からの信号を見つける(308)ことを試みる。そのような信号も見つけることができない場合には、おそらくは携帯型通信装置の画面上に表示された予め決められたあり得る位置のリストの中から、ユーザが位置を選択する(310)。
【0021】
このように、1)GPS信号からの設定、2)ローカル・センサからの設定、または3)ユーザによる直接(手動)設定の3つのうちの1つの手法で、アプリケーションに対してこの位置を設定することができる(314)。位置を設定した後、ブロック314で設定された位置に基づいて、ブロック316~322がさまざまな機能を実行する。ブロック316は、画面表示(「ビュー」)を、設定された位置に対応するように、例えば、
図1の場合のように、スタンフォード大学の配色およびロゴに変化させる。次に、ブロック318が、さまざまな位置固有通知、例えばフットボールのスタンフォード大学の次のホーム・ゲームの時刻を表示する。この受信情報は次いでブロック320でユーザに対して表示される。教室の位置または展示会場の位置の場合には、ブロック322が、その空間で予定されている次のいくつかの活動ならびにそれらの活動の時刻および利用可能性(例えば今から2時間後に始まるスタンフォード大学の映画館の次の上演作品のチケットが売り切れているかどうかなど)を表示する。
【0022】
ブロック316~322での位置に基づく動作の実行に続いて、ブロック324が、位置が変化したかどうかを感知する(例えば、教室棟の廊下をユーザが歩いているとすると、ブロック308が、それぞれの教室の扉のセンサから位置情報を繰り返し読み取る)。ブロック324で位置の変化が感知されると、結合ブロック304が、ブロック306および場合によってはブロック308を開始して、新たなGPS座標と、場合によっては新たなセンサ位置を捜し、このサイクルが繰り返される。
【0023】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体にコードが書き込まれたコンピュータ・プログラム製品を対象としている。このコンピュータ・プログラム製品は、コンピュータ実行可能命令を含み、このコンピュータ実行可能命令は、実行されたときに、1つまたは複数のコンピュータ・システムに、限定はされないが
図3に示された方法などの本発明の実施形態を実行させる。次に
図4を参照すると、本発明の実施形態に基づくコンピュータ・プログラム製品を記憶および/または実行するのに適した携帯型通信装置400のブロック図が示されている。携帯型通信装置400は、携帯型通信装置102および206として使用するのに適している。携帯型通信装置400は、少なくとも1つのマイクロプロセッサを有する中央演算処理装置402を含む。システム・バス412を介して、中央演算処理装置402をメモリ素子に直接にまたは間接的に結合することができる。メモリ素子は、コンピュータ実行可能命令を記憶することができる非一時的コンピュータ可読媒体を含む。メモリ素子は、プログラム・コードの実際の実行中に使用されるランダム・アクセス・メモリ406と、データおよび命令をより長期に記憶する不揮発性メモリ410とを含むことができる。1つまたは複数の入力装置416および出力装置418をシステム・バス412に直接に、または介在するI/Oコントローラ414を介して結合することができる。入力装置416の例は、マウスもしくはトラックパッドなどのポインティング・デバイスまたはキーボードを含む。ただしこれらに限定されるわけではない。出力装置418の例は、表示画面またはプリンタを含む。ただしこれらに限定されるわけではない。好ましい実施形態では、入力装置416と出力装置418が結合されて単一の装置を形成している。この単一の装置は、(ユーザから入力を受け取る)接触感応性の面を有する(携帯型通信装置400のユーザに対して情報を表示する)表示画面を備えるタッチスクリーンを構成する。介在する専用網または公衆網424を介して遠隔コンピュータ・システム426または遠隔プリンタもしくは記憶装置にこのシステムを結合することを可能にするため、ネットワーク・アダプタ422を携帯型通信装置400に結合することもできる。モデム、ケーブル・モデム、イーサネット(登録商標)・カードおよび無線ネットワーク・アダプタは、現在使用可能なタイプのネットワーク・アダプタの少数の例である。好ましい実施形態では、携帯型通信装置400が1つまたは複数の受信器430を含む。受信器430は、アンテナ432によって無線信号を受信する。受信器430は、位置決定装置120またはGPSシステム114から位置信号を受信するように適合されている。受信器430は、無線信号の送信と受信の両方が可能なトランシーバを備えることができる。例示の目的上、
図4には、携帯型通信装置400のさまざまな構成装置が別個の装置として示されているが、さまざまな構成装置が、システム・オン・チップ(SoC)装置などのように、当技術分野で公知の単一の装置に統合されていてもよい。
【0024】
本発明および本発明の利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に、さまざまな変更、置換および改変を加えることができることを理解すべきである。さらに、本出願の範囲が、本明細書に記載されたプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されることは意図されていない。当業者なら本発明の開示から容易に理解することだが、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行し、または実質的に同じ結果を達成する既存のまたは今後開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを、本発明に従って利用することができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内に、このようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法またはステップを含むことが意図されている。