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特許6997102スマートな特徴部を有する移動装置および移動装置用の充電マウント
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  • 特許-スマートな特徴部を有する移動装置および移動装置用の充電マウント 図1
  • 特許-スマートな特徴部を有する移動装置および移動装置用の充電マウント 図2
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  • 特許-スマートな特徴部を有する移動装置および移動装置用の充電マウント 図4a
  • 特許-スマートな特徴部を有する移動装置および移動装置用の充電マウント 図4b
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  • 特許-スマートな特徴部を有する移動装置および移動装置用の充電マウント 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】スマートな特徴部を有する移動装置および移動装置用の充電マウント
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20220107BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20220107BHJP
   A45B 3/00 20060101ALI20220107BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B25/10 B
A45B3/00 B
A45B3/00 Z
G08B25/04 K
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018555668
(86)(22)【出願日】2017-04-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-30
(86)【国際出願番号】 US2017028463
(87)【国際公開番号】W WO2017184787
(87)【国際公開日】2017-10-26
【審査請求日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】62/324,853
(32)【優先日】2016-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518369914
【氏名又は名称】カン モビリティーズ インク
【氏名又は名称原語表記】CAN MOBILITIES, INC.
【住所又は居所原語表記】119 Independence Drive, Davy Tree Building, Menlo Park, CA 94025, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アーマド アルサイド エム. アルガジ
(72)【発明者】
【氏名】ガドリン ヒッグズ
(72)【発明者】
【氏名】オスマン ショーカット
(72)【発明者】
【氏名】ムハマド アレンズィー
(72)【発明者】
【氏名】クリス タックリンド
(72)【発明者】
【氏名】アブドゥラー ヘジャズィ
【審査官】白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/148578(WO,A2)
【文献】特開2006-014990(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104537805(CN,A)
【文献】特開2014-180311(JP,A)
【文献】特開平10-337336(JP,A)
【文献】特開2007-229492(JP,A)
【文献】特開2012-035076(JP,A)
【文献】米国特許第05331990(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B1/00-27/02
A61H1/00-5/00
99/00
G08B19/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具であって、
移動装置の位置を感知するように構成された位置センサと、
前記移動装置に結合されたストラップと、
前記ストラップの内側に配置された複数のタッチセンサと、
前記複数のタッチセンサと前記位置センサとに結合されたプロセッサ
を備え、
前記プロセッサは、
前記移動装置の転倒を示す位置信号を前記位置センサから受信し、
前記複数のタッチセンサから受信したタッチ信号が、前記移動装置の転倒後、前記移動装置のユーザが前記ストラップに触れていることを示す場合、転倒を示す前記位置信号に応答してアラームを発し、
前記複数のタッチセンサから受信した前記タッチ信号が、前記転倒後、前記移動装置の前記ユーザが前記ストラップに触れていないことを示す場合、前記転倒を示す前記位置信号に応答してアラームを発することを控える、
ように構成される、
器具。
【請求項2】
前記ストラップは、前記移動装置から外れるように構成され、前記複数のタッチセンサから受信した前記タッチ信号は、前記ストラップが前記移動装置から外されているとき、前記移動装置の前記ユーザが前記ストラップに触れていないことを示す、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記ストラップは、着脱不能に前記移動装置に取り付けられ、前記複数のタッチセンサから受信した前記タッチ信号は、前記ユーザが前記ストラップから自分の体の一部を離している場合、前記移動装置の前記ユーザが前記ストラップに触れていないことを示す、請求項1に記載の器具。
【請求項4】
前記移動装置は、杖を含み、前記プロセッサおよび前記位置センサは、前記杖の持ち手に一体化される、請求項1から3のいずれかに記載の器具。
【請求項5】
前記アラームは、別のシステムとの通信を含み、前記別のシステムは、前記移動装置から離れている、請求項1から3のいずれかに記載の器具。
【請求項6】
前記アラームは、前記ユーザとの双方向通信を含む、請求項1から3のいずれかに記載の器具。
【請求項7】
前記位置センサは、加速度計を含む、請求項1から3のいずれかに記載の器具。
【請求項8】
前記器具は、グリップをさらに備え、
前記グリップは、外側グリップと、内側グリップと、前記内側グリップに結合された複数のセンサと、を有し、
前記プロセッサは、ユーザが前記グリップを握ると、前記グリップの前記複数のセンサから受信した信号に応答して移動装置をオンにするようにさらに構成される、
請求項1から3のいずれかに記載の器具。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記ユーザが前記グリップを離すと、前記グリップの前記複数のセンサから受信した信号に応答して前記移動装置をオフにするように構成される、請求項8に記載の器具。
【請求項10】
前記外側グリップは、非導電性材料を含む、請求項8に記載の器具。
【請求項11】
前記器具は、前記プロセッサに結合されたボタンをさらに備え、
前記プロセッサは、前記ボタンが起動されたという指示に応答して、転倒が示されなかった場合、第1の動作を実行し、転倒が示された場合、第2の動作を実行するようにさらに構成される、
請求項1から3のいずれかに記載の器具。
【請求項12】
前記第1の動作は、緊急でない番号に電話をかけること、緊急でない文章または電子メールを送信すること、または、その両方であり、および/または、
前記第2の動作は、緊急の番号に電話をかけること、緊急の文章または電子メールを送信すること、または、その両方である、
請求項11に記載の器具。
【請求項13】
移動装置であって、前記移動装置は、
細い管状部分と、
幅広の管状部分と、
持ち手と、
前記持ち手に一体化された位置センサと、
ーザが、前記移動装置のストラップに接触および/または近接しているか否かを検出するように構成されるタッチセンサと、
前記位置センサおよび前記タッチセンサと通信するプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、前記位置センサが転倒を示し、かつ、前記タッチセンサが、前記ユーザが前記移動装置に触れていることを示す場合、警報を生成する、
移動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条の下、2016年4月19日に出願された米国仮特許出願第62/324,853号の先行出願日の利益を主張する。前述の仮特許出願は、その全体がすべての目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
参照による援用
個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個別に参照により組み入れられると示されているかのように、本明細書で言及されたすべての刊行物および特許出願は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0003】
技術分野
本明細書に記載された例は、そのような装置、壁取り付け型充電器および先端ロック機構を使用して転倒を検出することができるプロセスを含む、性能が向上した移動補助装置に関する。
【背景技術】
【0004】
移動装置は、高齢者および/または移動が困難な人々における使用の増加を見出している。さらに、移動装置のユーザが支援を必要としているとき(例えば、ユーザが転倒したとき)を正確に検出することは困難であることが判明している。
【0005】
本開示の上記および他の特徴は、添付の図面と併せて読まれる場合、以下の記載および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。これらの図面は、本開示によるいくつかの例のみを描写し、したがってその範囲を限定するものとみなされるべきではないことを理解した上で、本開示は添付の図面の使用を通じてさらに具体的かつ詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】アラームとストラップとに結合されたプロセッサを含むシステム実施形態を示す。
図2】受信信号に応答するアラームが提供された実例のシステムフローを示すフローチャートである。
図3】多機能スマート移動補助装置のロック機構の実施形態を示す。
図4a】壁マウントの実施形態を示す。
図4b】壁マウントの斜視図を示す。
図5】ストラップの実施形態を示す。
図6】多機能スマート移動補助装置の実施形態を示す。
図7】グリップ機構の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な記載において、本明細書の一部を形成する添付の図面を参照する。図面中、同様の符号は、文脈が別途指示しない限り、典型的には同様の構成要素を特定する。詳細な記載、図面および特許請求の範囲に記載された説明に役立つ実例は、限定を意味するものではない。本明細書に提示される主題の趣旨からも範囲からも逸脱することなく、他の例を利用してもよく、他の変更を行ってもよい。本明細書に全体的に記載され、図に示されている本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、分離および設計することができ、そのすべてが本明細書で暗黙的に考慮されることは容易に理解されるであろう。
【0008】
本明細書に記載される移動装置の実例は、幅広い機能の配列を提供することができる。一般に、多機能でスマートかつ接続された移動支援装置の多数の実施形態が、本明細書に記載され、ここで装置は本明細書に記載される特徴の任意の組み合わせを有してもよい。そのような装置は、ユーザがより独立的になることを支援し得る。本明細書に記載されたスマート移動支援装置は、活動追跡、バイオメトリクスおよび安全および緊急特徴を含むがこれらに限定されないデータを収集、監視、分析および/または表すセンサを有することができる。活動追跡は、歩数、距離(例えば、マイル)および/または活動速度、スマートな杖または他の移動装置にユーザによって加えられる圧力、活動タイプおよび/または分析を追跡することを含むことができる。バイオメトリクスデータは、血液の働き(blood work)、血圧、血糖値、心拍数、酸素レベル/率、ECG、EMG、筋肉ひずみ、湿度、UVおよび/または体温を含み得るがそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、安全および緊急特徴は、緊急ボタン、転倒検出および警告および/またはユーザ活動パターンの収集および活動パターンの変化の分析を含むことができる。いくつかの実施形態では、移動装置に接続されたストラップ上にセンサを配置して、データを自動的に収集および監視することができる。また、ユーザ投薬スケジュールを思い出させ、監視する投薬管理システムを含むスマート移動支援実施形態も存在する。移動装置データは、ビジュアル、音/声および/または振動の形態で表されてもよい。移動装置は、例えば、Bluetooth、Wi-Fiおよび/またはSIMカードを使用して他のデバイスおよび/またはインターネットに接続することができる。さらに、移動装置は、ユーザが装置を使用してどのように歩くかを分析し、例えば歩行パターンを改善するようにユーザにアドバイスすることができる。
【0009】
車椅子、杖、歩行器、松葉杖、スクータ、靴、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない、さまざまな移動装置のいずれかを、本明細書に記載の移動装置を実践するために使用することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、移動装置に結合され得るストラップが提供され得る。複数のタッチセンサがストラップ上に(例えば、ストラップの内側に)配置されてもよく、これら複数のタッチセンサはさらにプロセッサに結合されてもよい。プロセッサは、移動装置と一体化されてもよい(例えば、移動装置の一部に、例えば、持ち手、座席および/または移動装置の他の部材に取り付けられるおよび/または配置される)。プロセッサは、複数のタッチセンサおよび位置センサに結合されてもよい(例えば、それらと電子的に通信してもよい)。位置センサは、例えば、1つまたは複数のジャイロスコープ、加速度計、GPS装置、またはそれらの組み合わせを使用して実践することができる。プロセッサは、移動装置の転倒を示す信号を位置センサから受信することができる。転倒を示す位置信号に応答してアラームを発することができる。しかしながら、いくつかの例では、ユーザが移動装置と一緒に転倒したか否かを識別することによって転倒検出を改善することが有利であり得る。例えば、移動装置の位置センサが転倒を示す場合、いくつかの例では、移動装置が単に転倒し、次いでユーザが実際に転倒したまたはしないということがあり得る。したがって、いくつかの例では、移動装置がユーザに依然として付けられている(ユーザが移動装置に依然として触れている)という指示が存在する場合にのみ、転倒アラームを発することができる。
【0011】
いくつかの例では、本明細書に記載される移動装置は、移動装置の先端、例えば、杖の先端を交換するための固定機構を含むことができる。さまざまな状況に対してさまざまな先端を使用できる-例えば、シングルチップ、デュアルチップ、トリプルチップ、クワッドチップ。本明細書に記載された固定機構は、1つまたは複数のガイド溝と1つまたは複数の凸状ガイド部分とを有することができる。先端は、1つまたは複数の固定用フックに結合された1つまたは複数のボタンと、1つまたは複数の嵌合ガイド溝を有する延長シャフトとを有することができる。
【0012】
いくつかの実施例では、移動装置用の壁マウントが提供されてもよい。壁マウントは、垂直部材に結合された水平部材を含むことができる。水平部材は、装置が使用されていないときに移動装置を安定させるために移動装置の一部を受け入れるように構成された成形端部を有することができる。水平部材に結合された凸部を有するホルダは、充電ケーブルを受け取り、水平部材の成形端部は、移動装置が充電されている間、移動装置に安定性を提供することができる。
【0013】
図1は、本開示によるアラーム112とストラップ110とに結合されたプロセッサ102を含むシステム100を示す。プロセッサ102は、位置センサ104、タッチセンサ106および加速度計108から信号を受信することができる。プロセッサ102、アラーム112、位置センサ104、タッチセンサ106および加速度計108は、移動装置(例えば、杖、歩行器、車椅子、松葉杖、靴、その他)に取り付けられる、その上に配置される、かつ/または、それに一体化することができる。位置センサ104は、移動装置の位置を感知することができる。加速度計108は、例えば、位置センサ104を全体的または部分的に実行するために使用されてもよい。加速度計108は、例えば、転倒しているときに、移動装置の速度または加速度を測定することができる。ストラップ110を使用して、ユーザの移動装置に対する近接性を判定することができる。例えば、ストラップ110は、ユーザの存在および/または近接性を判定することができる1つまたは複数のタッチセンサまたは他のセンサを含むことができる。ストラップ110は、タッチセンサ106を使用してプロセッサ102に信号を送信することができる。プロセッサ102は、転倒が検出され、移動装置がユーザに依然として付けられている場合(例えば、タッチセンサが、ユーザがストラップ110に接触および/または近接していることを示す場合)、信号をアラーム112へ送信することができる。プロセッサ102、位置センサ104および加速度計108は、いくつかの例では、移動装置の持ち手に一体化されてもよい。図1には示されていないが、システム100は、実行可能命令で符号化されたコンピュータ可読媒体(例えば、メモリ、ストレージ)を含むことができる。コンピュータ可読媒体は、プロセッサ102と電子通信することができ、プロセッサ102によって実行されると、実行可能命令は、システム100および/またはプロセッサ102に本明細書に記載の機能を実行させることができる。したがって、いくつかの例では、移動装置は、ソフトウェアを含み、本明細書に記載の機能を実行するようにプログラムされてもよい。プロセッサ102について考察したが、いくつかの例では、任意の数の処理ユニットを使用してもよく、カスタム回路をプロセッサ102の代わりにまたはそれに加えて使用してもよいことを理解されたい。
【0014】
ストラップ110はさまざまな例において着脱可能または不可能な方法で移動装置に物理的に取り付けられてもよい。ストラップ110は、いくつかの例では、十分な力が加えられたとき(例えば、移動装置がユーザから離れて倒れるとき、ユーザが移動装置から離れるとき、またはそれらの組み合わせのとき)、移動装置から外れることができる。タッチセンサ106は、ストラップ110上に(例えば、ストラップ110の内部に)配置されてもよい。タッチセンサ106は、定期的にタッチ信号を102に送信することができる。プロセッサ102は、移動装置がユーザに付けられていないことを示す信号をタッチセンサ106が送信する場合(例えばいくつかの例ではタッチセンサ106からの信号がない場合)、ユーザがストラップに触れておらずストラップが移動装置から離れていると判断することができる。
【0015】
アラーム112は、別のシステム(図示せず)と通信することができる。別のシステムは、移動装置から遠隔に位置するシステムを含むことができる。例えば、アラーム112は、介添人、緊急連絡先、移動装置ユーザ、または他の何らかの実在物との通信を開始することができる。アラーム112は、例えば、電子通信、インターネット通信、電子メール、電話、文字、聴覚、視覚および/または他の信号を使用して通信を開始することができる。
【0016】
いくつかの例では、移動装置のユーザは、無線コネクタ(図示せず)、例えばペンダントまたは受信機ユニットを携帯することができる。無線コネクタからの無線信号は、例えばいくつかの例ではシステム100に含まれ得る受信機を介して、プロセッサ102に供給されてもよい。受信機は、移動装置に取り付けられてもよく、および/または、移動装置と一体化されてもよい。無線コネクタからの無線信号は、ユーザに関する近接情報を提供することができる。いくつかの例では、近接情報は、ストラップ110と移動装置との間の無線信号、例えばWi-FiおよびBluetoothを介して推測されてもよい。ストラップ110および無線コネクタは、ユーザおよび/または移動装置の動きおよび向きを評価し、この情報をプロセッサ102に伝えることができる。システムは、エネルギーを蓄え、記載されたいくつかまたはすべての構成要素に動力を供給するバッテリまたは他の動力源(図示せず)を含むことができる。バッテリまたは他の動力源は、移動装置に取り付けられてもよく、および/または、移動装置と一体化されてもよい。動力獲得回路が、いくつかの例では、動力源のすべてまたは一部を実行するために使用されてもよく、例えば、太陽光、風、熱、振動または環境から獲得する他の動力が使用されてもよい。
【0017】
タッチセンサ付きストラップ110は、さまざまな機能を提供するために使用されてもよい。例えば、タッチセンサからの信号を使用して、移動装置のさまざまな機能(例えば、表示画面、音声コマンド機能、その他)をオンおよび/またはオフにする時を決定することができる。それというのも、タッチセンサは、ユーザが装置を使用している、および/または、装置の近くにいることを示し得るからである。
【0018】
図2は、本開示による受信信号に応答してアラームが発せられる実例の方法を示すフローチャートである。ブロック202において、転倒を示す1つまたは複数の位置信号が位置センサ104から受信される。例えば、転倒を示し得る加速度計、ジャイロスコープおよび/またはGPS信号が、位置センサ104から受信され得る。プロセッサ102は、信号を分析し、転倒を特定することができる(例えば、移動装置および/または移動装置と通信しているシステムにおいてプログラムされた転倒検出アルゴリズムを利用する)。ブロック204において、プロセッサは、例えば、ストラップ上のタッチセンサから受信した信号(例えば、信号の有無)を分析することによって、ユーザが転倒後にまだストラップに触れているか否かを評価することができる。ブロック204でユーザが転倒後にストラップにまだ触れていると判定された場合、ブロック206でアラームが発せられる。アラームは、例えば、緊急オペレータ、登録された家族または登録された介護者に送信されてもよい。ブロック204において、転落後にユーザがストラップに触れていないと判定された場合、ブロック208に示すようにアラームは発せられない。
【0019】
図3は、本開示による移動装置の固定機構300の実施形態を示す。固定機構300は、延長シャフト302、ガイド溝304、306、固定用フック308、310、ボタン312、314およびベース316を含むことができる。ベース316は、上部ベース318および下部ベース320を含むことができる。延長シャフト302は、ガイド溝304および306を収容する。移動装置は、ガイド溝304および306と嵌合するように構成された嵌合ガイド溝(図示せず)を収容する。延長シャフト302は、ベース316に取り付けられる。ベース316は、ボタン312および314を収容する。ボタン312および314は固定用フック308および310を作動させることができる。ボタン312および314は、ベース316の外部に配置される。固定用フック308および310は、移動装置の相手方受け入れ部分(例えば、杖シャフトの内部)に引っ掛かることができ、その結果、延長シャフト302が嵌合溝に沿って移動装置に挿入されると、移動装置はベース316に固定される。
【0020】
ベース316は、時計回りまたは反時計回りに回転することができる。ベース316は、移動装置、例えば杖に取り付けることができる。固定機構300は、さまざまな移動装置のいずれかに概ね取り付けることができ、および/または、容易な固定・解除機構を必要とする装置または製品、例えばカメラ三脚に取り付けることもできる。機構は、例えば歩行器のベース部分を交換するために(例えば、テニス/野球のベース部分に/から変更するために)使用されてもよい。固定機構300は、移動装置に着脱可能である。ベース31は、2つ以上の固定用フックおよびボタンを収容して、追加の安全機能を提供することができる。
【0021】
このようにして、実例の移動装置本体の底端部は、移動装置ベースの容易な交換プロセスを可能にするように設計されてもよい。ベース先端は、ユーザの好み、例えばユーザの状態および/またはそれが使用される環境に基づいて置き換えることができる。基本的なベース、移動装置を自立させるための三脚ベース、可撓性材料、アイスチップ、その他を含む、さまざまな先端のいずれかを使用することができる。
【0022】
図4aは、本開示による壁マウント400の一実施形態を示し、これは、移動装置を支持および/または充電するために使用され得る。壁マウント400は、垂直部材402と、水平部材404と、凸部406と、ホルダ410と、を含むことができる。垂直部材402は、水平部材404に結合されてもよい。水平部材404は、成形された端部部分408を有してもよく、成形された端部部分408は、装置が使用されていないときに移動装置を安定させるために移動装置の一部を受け入れることができる。ホルダ410は、水平部材404に結合することができ、充電ケーブル(図示せず)をさらに受け入れることができる。成形された端部部分408は、移動装置の充電ポートが凸部406と整列して充電ケーブルを接続することができるように、移動装置を安定させる。
【0023】
垂直部材402は、1つまたは複数の釘、ねじ、接着剤および/またはVelcro(登録商標)を使用するなどして、表面に取り付けることができる。表面は、例えば壁であってもよい。垂直部材402は、移動装置のための支持をさらに提供するために凹部(図示せず)を有してもよい(例えばそこに杖の持ち手の一部が置かれてもよい)。
【0024】
図4bは、本開示による、移動装置、例えば杖を受け入れている成形された端部部分408を有する壁マウント400の斜視図を示す。成形された端部部分408は、杖の細い部分を受け入れており、垂直部材402上のくぼみ(図示せず)は、移動装置のための支持をさらに提供することができる。いくつかの実施形態では、ホルダ410は、凸部406および充電ケーブルが移動装置の充電ポートと整列するように、充電ケーブルに結合される。
【0025】
図5は、本開示によるストラップ500の一実施形態を示す。ストラップ500は、複数のセンサ502および取り付け部分504を含むことができる。取り付け部分504は、一端(例えば、杖または歩行器の持ち手)で移動装置に取り付けることができる。複数のセンサ502は、ユーザの身体、例えば、手首、足首、首および/または手に接続し、ユーザデータを収集することができる。ストラップ500を使用して、ストラップ500がユーザに接続されているか、またはユーザに接続されていないか(またはユーザに近接しているか、または近接していないか)否かを判断することができる。ストラップ500は、十分な力が加えられると、移動装置から自ら離れることができる。移動装置のプロセッサがユーザタッチまたは近接ユーザを示す信号をもはや受信しないとき、プロセッサは、ユーザがもはや移動装置に物理的につながっていないと判断することができる。
【0026】
ストラップ500は、無線コネクタ(図示せず)などの非物理的接続を使用して移動装置に取り付けることができる。ユーザの移動装置への近接性は、いくつかの例では(例えば、ストラップ上の送信機および移動装置上の受信機を使用して)無線信号を介してストラップ500から移動装置に伝達されてもよい。ストラップ500は、エネルギーを貯蔵するためのバッテリおよび/または他の動力源(図示せず)を含むことができる。移動装置からのストラップ500の分離、またはストラップ500と無線ユニットとの間の分離が検出されると、ストラップ500は、音声コマンド機能を作動させるか、または双方向音声通信を開始することができる。ストラップ500は、ユーザの動きを検出し、例えば、ユーザが転倒した可能性が高いことを確認するために使用することができる。
【0027】
図6は、本開示による移動装置、例えば、杖600の一実施形態を示す。杖600は、持ち手602と、細い管状部分606と、幅広の管状部分608と、を有することができる。水平部材404の成形された端部部分408は、幅広い管状部分608を受け入れることができる。持ち手602は、充電ケーブルが接続されてもよい充電ポート(図示せず)を有してもよい。充電ポートは、移動装置のバッテリまたは他の動力源に結合されてもよい。充電ポートは、充電ケーブルが適所に嵌ることができるように、磁気ヘッドをさらに含んでもよい。持ち手602は、複数の健康監視センサ(図示せず)を含むがこれに限定されないさまざまなスマート構成要素を含むこともできる。複数の健康監視センサは、多機能スマート移動補助装置の通常の使用中にユーザの健康パラメータを監視できるように持ち手602に配置される。複数のセンサは、血液の働き、血圧、血糖、心拍数、酸素レベル/率、ECG、EMG、筋肉ひずみ、湿度、UVおよび/または体温を含むがこれらに限定されないバイオメトリクスを検出するように構成されてもよい。複数のセンサは、把持センサ、光センサ、指紋センサおよび/またはGPSセンサを含むことができるが、これらに限定されない。持ち手602は、例えば光(例えば、LED)、音、振動および/または視覚(例えば、表示)によって実践されてもよい状態インジケータを含むことができる。
【0028】
移動装置は、ジャイロスコープ、MEMS磁力計、気圧センサ、温度センサ、マイクロコントローラ、フラッシュメモリ、センサ融合管理のためのデジタルモーションプロセッサ、モーション処理ライブラリおよび/またはBluetooth(登録商標)低エネルギー無線をさらに含んでもよい。移動装置は、歩数、距離(例えば、マイル数)、活動の種類、燃焼カロリーをカウントするために使用されてもよく、ユーザの体重に基づいて、カロリーの燃焼量を提供してもよい。ユーザの体重は、杖にかかるユーザの圧力によって、または杖の画面に入力することによって、または電話、スマートウォッチ、スマートガラスおよび/またはタブレットなどのスマートデバイスを使用することによって決定することができる。移動装置は、ユーザに彼らのパフォーマンスに関する生のフィードバックを与えることができ、いくつかの例では目標を達成するためのモチベーションを与えることができる。移動装置は、いくつかの例では目標に基づくユーザ向けのゲームを作成することができ、および/または、移動装置は、他の人との競合においてユーザ結果を比較することによっておよび/またはユーザを支援することによってソーシャルゲームを促進することができる。移動装置は、いくつかの例では正しい方法で歩くようにユーザを訓練し、不健康な方法で歩いている場合助言するように使用されてもよい。
【0029】
図7は、グリップ700の一実施形態を示す。グリップ700は、外側グリップ702、内側グリップ704およびセンサ706、708を有することができる。外側グリップ702は、ゴム、皮革、発泡体または一般にいずれかの非導電性材料などの材料から作製することができる。内側グリップ704は、プラスチック、金属などの構造要素を使用して作製することができる。内側グリップ704は、中実または管状であってもよい。センサ706および708は、銅フォイル、銅シート、ワイヤなどの導電性材料を使用して実装することができる。センサ706および708は、センサ706および708間のキャパシタンスを測定することができるタッチセンサなどに接続することができる。センサ706および708はいくつかの例では接地されてもよい、または他の基準電圧に接続されてもよい。
【0030】
センサ706および708は、例えば、ユーザが外側グリップ702に触れ、外側グリップ702を放すことを感知することによって、グリップ700をオンまたはオフにすることができる。グリップ700のオンまたはオフ状態は、例えば、光、振動等によって示すことができる。いくつかの例では、グリップ700は、グリップ700がオンにされたことをユーザに示すことなくオンにされてもよい。グリップ700は、いくつかの例では遅れてオフにすることができる。グリップ700は、杖または歩行器、あるいはドアノブ、レバー、自転車、器具などの把持可能な他の装置を含むがこれらに限定されない移動装置に取り付けることができる。センサ706および708は、限定はしないがモーションセンサおよび傾斜センサを含む別のセンサに情報を伝達してもよい。いくつかの例では、装置の向きの変化の検出と併せた外側グリップ702の解放を使用して、重大な事象、例えば転倒を検出することができる。グリップ700は、限定しないがスイッチまたはタッチセンサなどの他のセンサを含むこともできる。いくつかの例では、センサ706および708は、握りを接触から区別可能であり得る。センサ706および708は、限定はしないが銅フォイル、銅シート、または導電性ワイヤを含む導電性材料を使用して実装することができる。導電性材料は、いくつかの例では非導電層で覆われていてもよい。センサ706および708は、経時的なデータの連続読み取りに基づいてそれらの感度を調整することができる。
【0031】
本明細書に記載の移動装置は、例えば、歩行器、松葉杖、スクータおよび/または車椅子を使用して実施することができる。移動補助装置は、動作およびジェスチャをさらに検出することができる。そのような動きおよびジェスチャは、限定しないが、歩数、タップ、活動検出器、振れ(n、方向)、方向(x、y、z)、回転(度、方向)、グリフ検出および/またはスワイプ(方向)を含むことができる。移動装置は、線形加速、方位、高度、温度、角速度、角度位置を含むがそれらの限定されないパラメータを検出することもできる。
【0032】
いくつかの例では、本明細書に記載する移動装置は、いくつかの例においてユーザの独立性を促進し得る1つまたは複数の特徴を含むことができる。例えば、センサ能力を利用して、移動装置は、ユーザの毎日の活動パターンを作成することができる。パターンに予期しない変化がある場合、移動装置は別のシステム(例えば、介護者)に通知することができる。
【0033】
移動装置は、ユーザの活動に関する情報を収集し、特定のユーザまたはユーザのグループの活動における1つまたは複数のパターンを決定することができる。移動装置は、特定されたパターンに変化が生じた場合(例えば、日常パターンの変化)、別のシステム(例えば、介護者)に通知することができる。
【0034】
いくつかの例では、移動装置は、ユーザが他のシステム(例えば、1人または複数人の介護者および/または911をダイヤルするなどして救急隊員)と通信するために押すための緊急ボタンを含むことができる。通信は、電話、アプリプッシュ通知、第三者および/またはウェブサイト更新を含むがそれらに限定されないさまざまな形態のいずれかであり得る。
【0035】
いくつかの例では、本明細書に記載する移動装置は、地震、津波および/または強風などの自然災害をユーザに警告することができる。例えば、移動装置の受信機は、気象サービスまたは緊急放送サービスなどの1つまたは複数のサービスから、例えばWi-Fi接続を使用して、1つまたは複数のアラートを受信することができ、その結果、災害に関する情報を移動装置で受信し、アラームが起動されることができる。
【0036】
いくつかの例では、本明細書に記載される移動装置は、圧力センサおよび/または動きセンサを含んでもよい。圧力センサは、例えば、移動装置にかかるユーザ圧力を監視するために使用されてもよい。感知された圧力は、例えば、ユーザおよび/または他のデータ査読者が、移動装置にかかる圧力に基づいてユーザの脚の強度を監視するのを助けるために使用され得る。いくつかの例では、異なる測定基準を組み合わせることにより、移動装置は、リハビリ状況、歩行方法およびその改善方法に関するアドバイスをユーザへ提供することができ、および/または、歩行器のような異なる移動補助を代わりに使用することを示唆することができる。動きセンサは、いくつかの例において、睡眠中などそれらを使用していなくてもユーザ活動を追跡し、そのデータを用いて活動パターンを作成および/または特定することができる。
【0037】
他の特徴がいくつかの例において本明細書に記載された移動装置に含まれてもよい。例えば、移動装置は、物体および/または障害物が近づいていることをユーザに警告するために使用され得る1つまたは複数の距離センサ(例えば、超音波センサ)を含んでもよい。例えば、いくつかの例では、警告は、階段、段差および/または段階が近くにあるときに出すことができる。
【0038】
いくつかの例では、移動装置は、音、振動および/または動きなどの過去の活動を保存するメモリまたは他の記憶装置を含むことができる。メモリは、いくつかの例では、耐火性および耐爆発性であってもよい。
【0039】
いくつかの例では、移動装置は、モバイル支払いシステムと一体化されてもよく、これにより、ユーザは、現金またはクレジット以外の支払い方法として移動装置を使用することが可能になり得る。
【0040】
いくつかの例では、移動装置は薬物管理を支援するために使用することができる。例えば、移動装置は、ユーザに、その投薬スケジュールについて警告、通知および/または思い出させることができる。リマインダは、音声リマインダ、振動および/または画面上に表示されるデータなど視覚的および/または聴覚的であり得る。ユーザが薬物を摂取すると、移動装置は介護者または他の第三者に通知するために使用され得る。いくつかの例では、ユーザまたは第三者、介護者および/または医師は、投薬スケジュールを入力、管理、更新および/または追跡することができる。いくつかの例では、移動装置は、通常のおよび/またはスマートな薬物容器に情報を伝達し接続することができる。
【0041】
本明細書に記載されるセンサおよび構成要素は、いくつかの例では、移動装置の本体に分配されてもよい。
【0042】
いくつかの例では、移動装置は、低出力の照明部分または暗闇で光ることができる光る色またはかすかな照明を有することができる。そのような照明は、ユーザが暗い場所または薄暗い場所で移動装置を見つけるのを有利に助け、いくつかの例ではユーザが移動装置を掴むのに役立ち得る。
【0043】
移動装置は、暗いおよび/または薄暗い場所で(例えば光センサを使用して)およびユーザが持ち手を握っている場合に、自動的にオンにされ得るライトを有することができる。
【0044】
いくつかの例では、移動装置は、それらのサイズを縮小するために折り畳まれてもよい。移動装置は、展開ボタンを押すとそれが自動的に展開することを許容するバネを含むことができる。いくつかの例では、展開動作を円滑にするためのダンパを含めることができる。
【0045】
移動装置は、いくつかの例では、折り畳み/展開機構を備えた小型軽量モータを使用して、自動的に折り畳まれる/展開され得る。折り畳み/展開機構は、小型モータ、ばねを備えたロープ機構を含むことができる。折り畳みおよび/または展開は、ユーザが移動装置を保持すると手動または自動的に実行されてもよい。
【0046】
実例移動装置は、ユーザがその場所を特定することを可能にする音を生成することができる。加えてまたは代わりに、実例移動装置は、例えば携帯電話を使用するGPSシステムを使用してその場所を探すことができる。
【0047】
いくつかの例では、収集された情報およびデータは、例えば内蔵スクリーン/タッチスクリーンを用いて、および/または、音声および/または振動によって、および/または、スマートフォン、スマートウォッチまたはスマートメガネを含むがこれに限定されない異なる電子デバイスを使用してユーザに提示され伝達されてもよい。
【0048】
いくつかの例では、介護者または医師などの第三者は、移動装置によって収集された情報および/または移動装置によって格納された情報にライブでアクセスすることができる。これにより、第三者が行動を取る、助言を与える、助けるおよび/またはユーザと対話することが可能になり得る。
【0049】
実例移動装置は、第三者(例えば、介護者、医者、または誰かが話をしてユーザに話すようなメディカルストアサービスへのアクセス)との双方向通信を可能にするために、マイクロフォンおよびスピーカを有することができる。
【0050】
データは、視覚、聴覚および/または振動を含むがこれらに限定されない異なる形態で伝達されてもよい。
【0051】
いくつかの例では、本明細書に記載される移動装置によって収集されおよび/または格納されるデータは、Bluetoothおよび/またはWi-Fi技術などの低電力通信を使用して、同期、転送、更新および/または伝達することができる。実例移動装置は、それを屋外で接続し続けるために、SIMカードまたは他の記憶装置を含むことができる。いくつかの例では、移動装置は、移動装置自体にSIMカードを必要とせずに、ユーザのスマートフォンまたは他の電子デバイスに直接接続することができる。
【0052】
実例移動装置(例えば杖)は、異なる装置に接続されてもよい。ユーザは2つ以上の装置で測定基準を有してもよい。例えば、1つの移動装置(例えば杖)は、1つまたは複数の他の移動装置(例えば歩行器、松葉杖、靴)と通信することができる。
【0053】
いくつかの例では、本明細書に記載のセンサから得られたデータは、移動装置自体で、別の電子装置でおよび/またはクラウド上で分析されてもよい。分析は、ユーザ、介護者または他の第三者に向けた推奨事項をもたらし得る予測分析を含む場合がある。いくつかの例では、パターン可視化および第三者とのデータ統合が提供され得る。データ表現および分析に基づいて、ユーザ、介護者および/または医師は、ユーザを監視し、行動しおよび/またはユーザと通信することができる。
【0054】
本明細書に記載される移動装置の例は、1つまたは複数の動力源を有することができる。動力源の例には、軽量の充電式リチウムバッテリまたは充電を必要としない1回限りの長寿命バッテリが含まれる。充電式バッテリを有する実例では、ユーザは、充電するために充電器(例えば、充電パッド)に特定の姿勢(例えば上向き姿勢)で杖を置くだけでよい。移動装置は、いくつかの例では、無線式にまたは自己閉塞型磁気プラグによって充電されてもよい。いくつかの例では、本明細書に記載される移動装置は、移動によって発電される自己充電機構を有することができる。いくつかの例では、移動装置は、リチウムイオンポリマーバッテリ充電器およびMicro-USBまたは通常のUSB接続を介した運用を含むことができる。
【0055】
いくつかの例では、アプリケーションストアが、本明細書に記載される移動装置のために提供されてもよい。アプリケーションストアは、当事者がユーザ向けに提供するアプリケーションやサービスを開発できるソフトウェアプラットフォームであり得る。例えば、開発者が本明細書に記載の移動装置向けの追加の特徴を含むためのオープンAPIが存在してもよい。
【0056】
いくつかの例では、本明細書に記載される移動装置は、音声コマンドに応答的であってもよい。移動装置は、音声コマンドを受信しそれに応答することができる受信機を収容することができる。いくつかの例では、音声コマンド機能は、バッテリ節約のために、デフォルトでは休眠状態に保たれてもよい。しかしながら、それはさまざまな状況で起動されてもよい。内蔵のセンサとアルゴリズムを使用することにより、受信機は、それまたはユーザが転倒したときを検出することができる。転倒が引き起こされると、音声コマンド特徴は起動され得る。
【0057】
いくつかの例では、音声コマンド特徴は、本明細書に記載される移動装置が所定の予めプログラムされたコマンドおよび予めプログラムされていないコマンドを検出することを可能にし得る。これらには、「助けて」「怪我をした」「立ち上がれない」「娘に電話を」「911を呼んで」「医者が必要です」その他などの緊急指示と、「緊急」以外の指示、「大丈夫です」、「明かりを付けて」その他が含まれ得る。
【0058】
緊急事態が発生した場合、受信機は、予め指定された連絡先、例えば家族、隣人、介護者、ヘルプライン、緊急サービスとの双方向音声通信を自動的に開始することができる。受信機はまた、連絡先にその地理的位置を提供するために位置情報を送信することができる。
【0059】
いくつかの例では、本明細書に記載される移動装置は、転倒(装置および/またはユーザ)が発生したときを検出し、転倒に至る事象のシーケンスを分析し得る。本明細書に記載される移動装置は、ユーザの不均衡を検出し得るし、転倒シーケンスが引き起こされたときさえ検出し得る。さらに、移動装置は、転倒が回避されたかもしれないとき、すなわち転倒が起こりそうになったが起こらなかったときを決定し得る。この情報は収集され、ユーザの転倒リスク査定に含まれる。転倒が回避される回数が増えることは、その人が不安定さを増してきて、ダイエット、薬物療法、身体活動、または移動補助装置を修正する必要があるかもしれないことを示唆し得る。
【0060】
転倒が引き起こされて発生した時または引き起こされて回避されたときを検出するために、本明細書に記載の移動装置は、負荷/力、グリップ、慣性、動き、位置、スリップおよび/または向きセンサを含むセンサの組み合わせを利用することができる。
【0061】
いくつかの例では、本明細書に記載される移動装置は、インジケータライトシステムを含む。1つまたは複数のインジケータライトは、ユーザの身体活動および/または目標についての質的および/または量的フィードバックを提供することができる。いくつかの例では、このライトシステムは、ユーザの個人的または予めプログラムされた目標に向かう進行に基づいて色を変えることができる。目標は、例えば、全体の活動期間または移動距離であり得る。
【0062】
インジケータライトシステムは、単一のLED、または他のタイプのライト、または一連のライトを含むことができる。システムは、単一の色を発光することができる、または複数の色を発光することができる。ユーザが目標に向かって軌道に乗っているとき、システムは照明強度、色、または頻度を介してフィードバックを提供し得る。
【0063】
このシステムは、他の量的フィードバックシステムと同時にまたは独立して使用され得る。照明システムは、ユーザの活動および/または目標を補償するために定期的に調整し得る。
【0064】
いくつかの例では、移動装置は、部品を同様のまたは異なる部分と交換することができるモジュール設計を有することができる。例えば、杖の場合、先端が交換可能であり得る(例えば、モノチップ、トリチップ、クワッドチップ)。交換可能な部品は、本明細書に記載されている他の構成要素と通信することができるので、装置は接続された構成要素を認識することができる。例えば、先端は、先端のタイプおよび/または機能の識別情報を、例えば先端のメモリに格納することができる。移動装置に接続されると、先端は移動装置の1つまたは複数のプロセッサに識別情報を提供することができる、および/または、移動装置は識別情報を決定するために先端のメモリに問い合わせることができる。
【0065】
スマートボックスは、使用すべき部品についてユーザに推奨することができる。これに影響を及ぼす要因には、環境条件(例えば、雨、雪、氷その他)などの外因性要因ならびにユーザの歩容およびバランスなどの内因性因子が含まれる。この推奨事項は、ユーザがセキュリティ、安定性および移動の最適なバランスを維持するのに役立ち得る。
【0066】
本明細書に記載される実例移動装置は、移動装置がユーザの近くの環境を観察することを可能にし得る画像センサおよび/またはカメラを含むことができる。撮像構成要素は、障害物を検出し、警告をユーザに提供可能であり得る。潜在的な危険性、例えば、段差、高さの変化、亀裂または穴、敷物の縁、ドアのスリップ、転倒などの危険性を増加させるユーザが直面し得る共通の領域の警告が提供され得る。
【0067】
撮像技術は、可視光範囲(例えば従来型カメラ)または赤外線スペクトル(例えばサーモグラフィカメラ)で動作し得る。
【0068】
実例近接検出器は、ソナー、赤外線および/または別のタイプの距離システムを使用し得る。近接検出器は、距離ならびにまた温度および/または密度などの他の特性を検出可能であり得る。
【0069】
本明細書に記載される実例移動装置は、拡張/向上した現実投影システムも含むことができる。移動装置は、拡張/向上した現実システム上の潜在的な危険を直接的に強調するために照明を利用することができる。拡張/向上した現実システムは、ユーザに1つまたは複数の危険を警告するために、音声および触覚フィードバックを提供することもできる。
【0070】
本明細書に記載されるカメラの実例は、ユーザの周囲の環境を見るために第三者によってアクセスされてもよく、監視する能力および/またはユーザに指示、説明、および/または、必要な場合、例えば装置ユーザが盲人である場合、(例えば、音声および/または振動による)どこで曲がるかのナビゲーションを与える能力を有してもよい。
【0071】
いくつかの例では、本明細書に記載される移動装置はバッテリ作動式であってもよく、したがって電力を節約するために時には非作動状態であってもよいセンサおよびシステムを有してもよい。しかしながら、充電すると、これらのシステムは完全に起動することができる。これにより、移動装置は、ユーザからの音声コマンドに応答することが可能になり得、また、火災、一酸化炭素、盗難その他を含む一般的な安全アラームを検出することが可能になり得る。実例のモーション/近接センサは、充電中にアクティブであり得、例えば、移動装置のライトをオンにして、ユーザがその場所を特定する一助となることができる。
【0072】
本明細書に記載される移動装置の実例は、さまざまなセンサ、プロセッサ、バッテリおよび/または他の電子デバイスをホストする電子ボードを含むことができる。この電子ボードは、いくつかの例ではユーザの体重、またはユーザの体重の一部を支持するのに十分な強度であり得る。ボードはシェルに接続することができ、これは外観美のためおよびまた保護のためのケーシングとして機能する。ボードはまた、ボード内のファイバーの方向性とアラインメントに基づいて強度を最大にする向きに配置され得る。
【0073】
本明細書に記載される実例移動装置は、ユーザから(例えば、ユーザの指から)バイオメトリクスを直接読み取ることができる1つまたは複数のスマートボタンを含むことができる。バイオメトリクス/バイタルは、ユーザの皮膚接触(例えば、指)を通じて非侵襲的に読み取られ得る。集めることができるバイオメトリクスには、心拍数、血圧、体温、呼吸数、グルコースおよび/または発汗が含まれるが、これらに限定されない。この情報は、ユーザに直接表示されてもよく、および/または、ユーザおよび/または第三者(例えば介護者)によるアクセスのためにクラウドまたはその他の遠隔システムにアップロードされてもよい。スマートボタンは、移動装置、スマートフォン、時計および/またはラップトップを含むがこれらに限定されない任意のデバイスで使用することができる。
【0074】
いくつかの例では、本明細書に記載される移動装置は、さまざまな身元検出方法を通じてユーザを確認可能であり得る。移動装置は、指紋リーダ、顔認識、音声認識その他などのユーザ認識技術を含むことができる。これらのシステムは、指紋および/または音声パターンを区別することができる。指紋認識システムおよび/または音声認識システムは、いくつかの例では、それぞれスマートボタンおよび/または音声コマンドシステムに埋め込まれてもよい。
【0075】
いくつかの例では、本明細書に記載する移動装置は、移動装置または任意の電子デバイスで見ることができるスマートクロックを含むことができる。クロックは、例えばユーザの移動時に、位置に基づいて、または、一年の任意の特定の時間に、例えば米国におけるタイムセービング時に、自動的に更新することができる。クロックは、電子デバイスに動力を供給するために使用される動力源、RTCバッテリを含むがこれらに限定されない独立したバッテリ、太陽電池および/または身体的な動き、例えば、杖、歩行器または靴で歩くことによって生成される動力から動力を供給されてもよい。クロックは、異なるフォーマットで、数字、点、形状または音声で示すことができる。いくつかの例では、時計は、ユーザが移動装置を保持している間、時間を見ることができるように、または装置が保持されている間、隠されることができるように配置されてもよい。
【0076】
本明細書に記載される実例移動装置は、転倒後にボタンを押しているか否かを区別することができる。実例移動装置は、装置の向き、装置の衝撃、装置の加速、装置の回転その他を含むがこれらに限定されない1つまたは複数の測定基準を用いて転倒を判定してもよい。それを特定する方法の1つは、装置の落下(転倒)か否かを最初に特定することによる。装置が、自身が落下したことを検出した場合、ユーザは同じ姿勢またはわずかに異なる姿勢でいる間にボタンを押し、救助要請または通知は転倒として扱われる。それは、電話をかけること、911に電話すること、テスティング、データ、電子メール、オーバデータコールメッセージまたは通知を送信すること、アラームをオンにすること、その他を開始することができる。ユーザがボタンを押し、装置が落下しなかった場合(例えば、転倒が検出されなかった場合)、ボタンは、例えば、緊急ではない電話を家族にかける、緊急ではない文章、電子メールを送信する、または制御信号を別の装置に送信する(例えばライトをオン/オフする、テレビをオン/オフする)ことを開始することができる。このようにして、ボタンは、転倒事象後、1つの動作を引き起こし(例えば緊急警報を発する)、転倒が検出されない場合、別の動作を引き起こす(例えば、緊急でない通信または他の装置の制御)。この方法は、任意の移動装置、例えば杖、歩行器、時計、靴、車椅子またはいずれかの他の装置で実践することができる。この方法は、物理的なボタンを押すこと、コードを引っ張ること、ウェービング、声、言葉を例えば助けてと言うこと、周囲の光、騒音または温度の変化、または他の入力を含むがそれらに限定されないいずれかの種類のトリガを用いて実践することができる。
【0077】
いくつかの例では、本明細書に記載された移動装置は調整可能であってもよい。移動装置は、高さ調整機構を使用して手動で調整するか、モータを使用して自動調整することができる。移動装置、例えば杖は、ユーザの身長を測定し、それを最適な高さに変更することによって、ユーザの身長に基づいてユーザの身長に自動的に調整することができる。移動装置は、レーダ、レーザその他などの1つまたは複数のセンサを使用して、身長などのユーザ測定基準を測定し、ユーザに適合するように高さを変更することができる。調節可能性は、機械的に、例えばボタンリリース機構によって実行することができる。1つまたは複数のボタンを、杖の持ち手の上、シャフト上、または先端上に配置することができる。ユーザは、いくつかの例では、シャフトの圧力要素を解放する1つまたは複数のボタンを押すことによって、杖の高さを変更することができる。ボタンは、高さ調節機構のロックまたはロック解除を達成するために、圧力をかけるまたは解放するために小型モータを作動させることができる。
【0078】
いくつかの例では、本明細書に記載の移動装置は、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)Wi-Fiその他などの異なるワイヤレス技術および/または無線技術を使用して1つまたは複数の所定の位置に配置された1つまたは複数のビーコン(例えばトランシーバ)に情報を伝達することによってなど、正確に屋内に配置してもよい。このようにして、移動装置は、ユーザが特定の部屋、特定のテーブル、または特定の椅子にいるか否かを識別することができる。これは、モール、空港、病院、住宅、またはシニアコミュニティ内で有利に使用され得る。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7