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特許6997110ケーブルタイのための保持装置、固定システム、及び当該ケーブルタイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】ケーブルタイのための保持装置、固定システム、及び当該ケーブルタイ
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/30 20060101AFI20220107BHJP
   B65D 63/12 20060101ALI20220107BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20220107BHJP
   F16L 3/137 20060101ALI20220107BHJP
   F16L 3/233 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
H02G3/30
B65D63/12 A
F16B2/08 S
F16L3/137
F16L3/233
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018561482
(86)(22)【出願日】2017-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 EP2017062299
(87)【国際公開番号】W WO2017202783
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-05-12
(31)【優先権主張番号】202016102746.2
(32)【優先日】2016-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】592051372
【氏名又は名称】ヘラーマンタイトン・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】HellermannTyton GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100092967
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 修
(72)【発明者】
【氏名】マッツ,オーレ
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-43706(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0236030(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/30
B65D 63/12
F16B 2/08
F16L 3/137
F16L 3/233
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯付きのケーブルタイストリップ(17)を有し、さらに前記歯付きのケーブルタイストリップ(17)への戻り止め係合のための戻り止めデバイスを備えるケーブルタイヘッド(16)を有するケーブルタイ(13)のための保持装置(1)であって、該保持装置(1)は
a)前記保持装置(1)をコンポーネントに固定するための固定用脚部(2)と、
b)前記固定用脚部(2)上に配置されており、前記保持装置(1)を通るように前記ケーブルタイストリップ(17)を押すためのおよび前記保持装置(1)上で前記ケーブルタイ(13)を保持するための通過領域(4)を有する固定用ヘッド(3)と
を有し、
前記通過領域(4)が、正確な外形を有する状態で前記ケーブルタイ(13)を受けるために、少なくとも一対の反対側に方向付けられる支持表面(5a、5b、6a、6b)をいずれの場合も備える少なくとも2つの異なる形で方向付けられる第1のガイドスロット(5)および第2のガイドスロット(6)を有し、
前記支持表面(5a、5b、6a、6b)が、前記ケーブルタイヘッド(16)および/または前記ケーブルタイストリップ(17)の関連付けられる表面領域を案内するように構成されており、その結果、前記ケーブルタイ(13)が、結束される材料(39)に完全に組み付けられたときに、前記ケーブルタイヘッド(16)および/または前記ケーブルタイストリップ(17)がいずれの場合も前記第1のガイドスロット(5)および前記第2のガイドスロット(6)の前記支持表面(5a、5b、6a、6b)の各対の間に少なくとも部分的に配置されるようになる、該保持装置(1)において
少なくとも1つの第1の対の支持表面(5a、5b)を備える前記第1のガイドスロット(5)が、前記ケーブルタイヘッド(16)の縁部側(23、23’)のところで表面領域に当接するように構成され、
前記固定用ヘッド(3)が前記通過領域(4)内に2つのアーム(7、8)を有し、前記2つのアーム(7、8)が、
- 前記固定用脚部(2)の方を向くそれぞれの脚部領域(7a、8a)、および前記固定用脚部(2)からそれる側を向くそれぞれの端部領域(7c、8c)と、
- 脚部領域(7a、8a)と端部領域(7c、8c)との間に位置しており、内側に位置するそれぞれの支持表面(5a、5b)を有するそれぞれの中央領域(7b、8b)とを有し、前記内側に位置する支持表面(5a、5b)が、前記第1の対の支持表面(5a、5b)を備える前記第1のガイドスロット(5)の一部分であることを特徴とする保持装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の保持装置(1)において、
前記第1のガイドスロット(5)および前記第2のガイドスロット(6)が互いに対して開いており、その結果、前記ケーブルタイストリップ(17)および/または前記ケーブルタイヘッド(16)が、前記第2のガイドスロット(6)の中に挿入されるときに、もう一方の前記第1のガイドスロット(5)の方へ向かうように案内可能である
ことを特徴とする保持装置(1)。
【請求項3】
請求項1または2に記載の保持装置(1)において、
前記第1のガイドスロット(5)および前記第2のガイドスロット(6)がいずれの場合も、互いに対して75度から105度の間の角度で配置されている
ことを特徴とする保持装置(1)。
【請求項4】
請求項3に記載の保持装置(1)において、
前記第1のガイドスロット(5)および前記第2のガイドスロット(6)がいずれの場合も、互いに対して85度から95度の間の角度で配置されている
ことを特徴とする保持装置(1)。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の保持装置(1)において、
前記通過領域(4)が、第3のガイドスロット(24)を有しており、
前記第3のガイドスロット(24)は、前記第1のガイドスロット(5)および前記第2のガイドスロット(6)に対して異なる形で方向付けられており、
また、前記第3のガイドスロット(24)は、いずれの場合も反対側に位置する少なくとも1つの第3の対の支持表面(24a、24b)を有しており、前記第3の対の支持表面(24a、24b)は、前記ケーブルタイヘッド(16)および/または前記ケーブルタイストリップ(17)の関連付けられる表面領域に当接するように構成されており、その結果、ケーブルタイ(13)が結束される材料(39)に完全に組み付けられている場合において、前記ケーブルタイヘッド(16)および/または前記ケーブルタイストリップ(17)が、前記支持表面(24a、24b)の間に少なくとも部分的に配置されるようになる
ことを特徴とする保持装置(1)。
【請求項6】
請求項5に記載の保持装置(1)において、
前記第2のガイドスロット(6)が、完全な組み立て状態において、その一方の支持表面(6a)を前記ケーブルタイストリップ(17)の外側(21)の表面領域に当接させる状態となるように、および、そのもう一方の支持表面(6b)を、前記ケーブルタイストリップ(17)の方を向く前記ケーブルタイヘッド(16)の前方側(25)の表面領域に当接させる状態となるように、前記通過領域(4)の垂直方向における前記ケーブルタイ(13)の動きを防止するように、構成されている
ことを特徴とする保持装置(1)。
【請求項7】
請求項5または6に記載の保持装置(1)において、
前記第3のガイドスロット(24)が、完全な組み立て状態において、その一方の支持表面(24a)を前記ケーブルタイヘッド(16)の内側(22)の表面領域に当接させる状態となるように、さらに、そのもう一方の支持表面(24b)を前記ケーブルタイヘッド(16)の外側(21)のおよび/または前記ケーブルタイヘッド(16)に隣接する前記ケーブルタイストリップ(17)の外側(21)の表面領域に当接させる状態となるように、前記通過領域(4)の深さ方向における前記ケーブルタイ(13)の動きを制限するように、構成されている
ことを特徴とする保持装置(1)。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか1項に記載の保持装置(1)において、
前記第1のガイドスロット(5)の反対側の支持表面(5a、5b)が、特には前記通過領域(4)の垂直方向および/または深さ方向において互いのところでくさび状に収束し、前記ケーブルタイヘッド(16)の前記縁部側(23、23’)のそれぞれの表面領域に当接するように構成されている
ことを特徴とする保持装置(1)。
【請求項9】
請求項5乃至8のいずれか1項に記載の保持装置(1)において、
前記保持装置(1)が少なくとも1つの追加の案内要素(28)を有し、前記少なくとも1つの追加の案内要素(28)が、前記第1のガイドスロット(5)に隣接し、前記少なくとも1つの追加の案内要素(28)により、前記ケーブルタイ(13)の押し込み動作が、実質的に単一の方向での押し込み動作へと限定される
ことを特徴とする保持装置(1)。
【請求項10】
請求項9に記載の保持装置(1)において、
前記少なくとも1つの追加の案内要素(28)が、前記第3のガイドスロットの一部分である
ことを特徴とする保持装置(1)。
【請求項11】
固定システムであって、該固定システムは
a)少なくとも1つのケーブルタイ(13)を有し、前記少なくとも1つのケーブルタイ(13)が
i)歯付きのケーブルタイストリップ(17)、および
ii)前記歯付きのケーブルタイストリップ(17)への戻り止め係合のための戻り止めデバイスを備えるケーブルタイヘッド(16)を有し、
前記固定システムは、また
b)前記固定システムをコンポーネントに固定するための、前記ケーブルタイ(13)から離間される請求項1乃至10のいずれか1項に記載の少なくとも1つの保持装置(1)
を有する固定システム。
【請求項12】
請求項11に記載の固定システムにおいて、
前記保持装置(1)の前記通過領域(4)および前記ケーブルタイ(13)が、前記保持装置(1)を前記ケーブルタイ(13)に対して当接させるためのそれらの幾何形状に関して互いに対して適合される
ことを特徴とする固定システム。
【請求項13】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の保持装置(1)のためのまたは請求項11または12に記載の固定システムのためのケーブルタイ(13)であって、該ケーブルタイ(13)は
a)歯付きのケーブルタイストリップ(17)と、
b)前記歯付きのケーブルタイストリップ(17)への戻り止め係合のための戻り止めデバイスを備えるケールタイヘッド(16)と
を有し、
前記ケーブルタイストリップ(17)が硬質部品(20)を有し、さらに前記硬質部品(20)に対して柔らかい軟質部品(14)を有し、
前記ケーブルタイストリップ(17)の外側(21)および縁部側(23、23’)が少なくとも局所的に前記硬質部品(20)によって形成されており、
前記軟質部品(14)が、内側で、少なくとも1つのストリップの形態で、前記ケーブルタイストリップ(17)の大部分にわたって前記硬質部品(20)に沿って前記ケーブルタイストリップ(17)の長手方向に延在している、該ケーブルタイ(13)において、
前記ケーブルタイヘッド(16)の比較的近くに位置している前記ケーブルタイストリップ(17)の第1の端部領域(30)内において、前記軟質部品(14)の厚さ(dWK)が前記ケーブルタイストリップ(17)の端部に向かって傾斜するように増大する
ことを特徴とするケーブルタイ(13)。
【請求項14】
請求項13に記載のケーブルタイ(13)において、
前記ケーブルタイストリップ(17)の内側(22)が、前記縁部側(23、23’)に隣接する前記ケーブルタイストリップ(17)の境界領域(12、12’)内において少なくとも局所的に前記硬質部品(20)によって形成されている
ことを特徴とするケーブルタイ(13)。
【請求項15】
請求項13乃至14のいずれか1項に記載のケーブルタイ(13)において、
前記軟質部品(14)が、増大した厚さ(dWK)を有する前記第1の端部領域(30)内において、前記ケーブルタイストリップ(17)の内側(22)にリップ(44)を有し、前記リップが前記硬質部品(20)から離間されており、厚さ(dWK)の増大した前記第1の端部領域(30)から前記ケーブルタイヘッド(16)の方向に延在している
ことを特徴とするケーブルタイ(13)。
【請求項16】
歯付きのケーブルタイストリップ(17)を有し、さらに前記歯付きのケーブルタイストリップ(17)への戻り止め係合のための戻り止めデバイスを備えるケーブルタイヘッド(16)を有するケーブルタイ(13)のための保持装置(1)であって、
該保持装置が前記ケーブルタイ(13)から分離しており、
該保持装置(1)は、
a)前記保持装置(1)をコンポーネントに固定するための固定用脚部(2)と、
b)前記固定用脚部(2)上に配置されており、前記保持装置(1)を通るように前記ケーブルタイストリップ(17)を押すためのおよび前記保持装置(1)上で前記ケーブルタイ(13)を保持するための通過領域(4)を有する固定用ヘッド(3)と
を有し、
前記通過領域(4)が2つの異なる形で方向付けられる第1のガイドスロット(5)および第2のガイドスロット(6)を有し、前記第1のガイドスロット(5)および前記第2のガイドスロット6)がそれぞれ一対の反対側に方向付けられる支持表面(5a、5b、6a、6b)を備え、
前記支持表面(5a、5b、6a、6b)が、前記ケーブルタイヘッド(16)および前記ケーブルタイストリップ(17)の関連付けられる表面領域を案内するように構成されており、その結果、前記ケーブルタイ(13)が、結束される材料(39)に完全に組み付けられたときに、前記ケーブルタイヘッド(16)および前記ケーブルタイストリップ(17)のうち少なくとも一方が前記第1のガイドスロット(5)および前記第2のガイドスロット(6)の前記支持表面(5a、5b、6a、6b)の各対の間に少なくとも部分的に配置されるようになり、前記対の支持表面(5a、5b、6a、6b)が第1の対の支持表面(5a、5b)および第2の対の支持表面(6a、6b)からなり、該保持装置(1)において
前記第1の対の支持表面(5a、5b)を備える前記第1のガイドスロット(5)が、前記ケーブルタイヘッド(16)の縁部側(23、23’)のところで表面領域に当接するように構成されており、
前記固定用ヘッド(3)が前記通過領域(4)内に2つのアーム(7、8)を有し、前記2つのアーム(7、8)が、
- 前記固定用脚部(2)を向くそれぞれの脚部領域(7a、8a)、および前記固定用脚部(2)からそれる側を向くそれぞれの端部領域(7c、8c)と、
- 前記脚部領域(7a、8a)と前記端部領域(7c、8c)との間に位置しており、内側に位置するそれぞれの支持表面(5a、5b)を有するそれぞれの中央領域(7b、8b)とを有し、前記内側に位置する支持表面(5a、5b)が、前記第1の対の支持表面(5a、5b)を備える前記第1のガイドスロット(5)の一部分であり、
- 前記2つのアーム(7、8)が前記端部領域(7c、8c)内でブリッジにより接続され、
- 完全な組み立て状態において、前記ケーブルタイ(13)は、その保持形態において、前記ケーブルタイ(13)で保持されている前記結束される材料(39)が前記保持装置(1)に接触しないようにおよび前記保持装置から離間されるように前記結束される材料(39)を位置決めして保持するように構成されていることを特徴とする保持装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項のプリアンブルに記載のケーブルタイのための保持装置、ならびにケーブルタイおよび固定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
別のコンポーネントの上でまたは別のコンポーネントに対して結束される材料を束ねるまたは固定するために、多数のケーブルタイ、およびそのような別のコンポーネントに対してケーブルタイを固定する対応する手段が知られている。
【0003】
ここでのケーブルタイは、閉じたループを形成するためにそれ自体の中に挿入され得、一定の可逆的な形で変形可能である保持手段を意味するものとして理解されるべきである。したがって、ループはそれ自体の中に挿入されているケーブルタイによって形成される。ケーブルタイの完全な組み立て状態では、結束される材料がループを通って延在する。この事例のケーブルタイは、通常、ケーブルタイヘッドを有し、ケーブルタイヘッドの上に細長いケーブルタイストリップが配置されている。ケーブルタイヘッドおよびケーブルタイストリップは例えばプラスチックから単一部片として形成されてよい。ここでのケーブルタイストリップは歯を装備し、上記ループを形成するためにケーブルタイヘッドを通る通過領域を通して挿入され得る。ここでは、ケーブルタイヘッドが、歯付きのケーブルタイストリップに戻り止め係合(detent engagement)される戻り止めデバイスを有する。ここでは、戻り止めデバイスが、例えばドライバーまたはニードル(needle)などの、適切なツールにより解除可能となるように設計され得る。
【0004】
より良好に理解することができるように、本発明を理解するのに重要である特定の表現を以下で定義する。ケーブルタイの外側は、周りで完全に組み立てられた状態において、結束される材料の反対側を向くように方向付けられるケーブルタイヘッドおよびケーブルタイストリップの側のことである。したがって、外側はケーブルタイの非組み立て状態であっても一意的に定義される。ケーブルタイの内側は、結束される材料の周りで完全に組み立てられた状態において、結束される材料の方を向くように方向付けられるケーブルタイヘッドおよびケーブルタイストリップの側のことである。それぞれの縁部表面が内側および外側の間のケーブルタイストリップの縁部のところまたはケーブルタイヘッドの内側および外側の間の表面のところに位置する。ケーブルタイストリップの反対側を向くケーブルタイヘッドの側がケーブルタイヘッドの後方側であり、ケーブルタイストリップの方を向いてその上にケーブルタイストリップを配置するケーブルタイヘッドの側がケーブルタイヘッドの前方側である。この事例では、別法として、ケーブルタイがケーブルタイストリップの内側および外側の両方において歯付きであってよい。この場合、それに対応して、ケーブルタイが外側に歯を付けられるケーブルタイまたは内側に歯を付けられるケーブルタイと称される。
【0005】
例えば、DE202012006840U1が、ケーブルタイヘッドと、上記ケーブルタイヘッドから離れるように延在するケーブルタイストリップとを備えるHellermannTytonという会社からの上記の種類のケーブルタイを開示しており、ここでは、結束される材料に対するケーブルタイストリップの当接表面が、示される状況において、アンチスリップ構造を有する。米国特許第9387611(B2)号が緩衝部分(damper)を備えるケーブルタイを開示している。
【0006】
通常、シングルケーブル、シンブルパイプ、またさらにはパイプまたはケーブルの束を備えることができる結束される材料が保持要素によりケーブルタイのループの中で結束され、それにより、結束される材料に対して保持要素が接続される。ここでは、保持要素は例えば固定用の台座(fastening plinth)として設計され得、別のコンポーネントに対してねじ式に留められ得るか、接着剤によって結合され得るか、または何らかの他の手法で固定され得る。このような保持要素は例えばWO2016/020027A1で開示されている。また、米国特許第5820083(A)号が、ケーブルタイのループの中で結束される材料と共に一体に結束される保持装置を開示している。
【0007】
さらに、他のコンポーネントに対してやはり固定可能であるいわゆるPクランプであるクランプが例えばEP2541113A1およびEP2816691A1から知られており、これらのクランプはケーブルタイを使用して締められ得、それにより、結束される材料を多様な所定の直径の束の形態で別のコンポーネントに対して固定する。これらのクランプはそのスティフネスのために狭い範囲の直径のみでしか結束される材料のために利用され得ないことから、ここでは通常は異なる直径を有する一連の異なる実施形態が使用されることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は結束される材料のための改善された保持装置を提供することであり、この保持装置が、特には、多様な直径を有する結束される材料に適し、例えば100℃を超えるまた好適には150℃を超える高温でも、安価な方式で、無理な力を加えることなく、高い信頼性の正確さで、結束される材料を別のコンポーネントに対して所定の位置で保持する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的が独立請求項の主題によって達成される。有利な実施形態は、従属請求項、明細書、および図面から明らかとなる。
【0010】
a)保持装置
本発明は、第一に、歯付きのケーブルタイストリップを有し、さらに歯付きのケーブルタイストリップへの戻り止め係合のための戻り止めデバイスを備えるケーブルタイヘッドを有するケーブルタイのための保持装置に関連する。ケーブルタイがプラスチックから製造され得る。ここでは、保持装置がプラスチックで構成され得、具体的にはプラスチックから単一部片で作られ得る。ここでは、保持装置が、保持装置を外部コンポーネントに固定するための固定用脚部と、固定用脚部上に配置されている固定用ヘッドとを有する。固定用ヘッドまたは固定用脚部もプラスチックで構成されてよい。具体的には、固定用脚部が、プラスチックで、およびプラスチックによって封入されている金属部品で構成され得る
ここでは、固定用ヘッドが、保持装置を通るようにケーブルタイストリップを押すかまたは挿入するためのおよび保持装置上でケーブルタイを保持するための通過領域を有する。ここで重要なことは、通過領域が、正確な外形を有する形でケーブルタイを受けるために、各事例において少なくとも一対の反対に方向付けられ、具体的には反対側に位置する支持表面を備える、少なくとも2つの異なる形で方向付けられるガイドスロットを有する。したがって、通過領域が、保持装置上でケーブルタイを組み立てるときに、そのガイドスロットを用いて通過領域を通るようにケーブルタイを一定の形で案内するように機能する。さらに、完全な組み立て状態では、通過領域がケーブルタイを保持するように機能する。
【0011】
ここでは、それぞれのガイドスロットの支持表面の向きがそれらのそれぞれの法線ベクトルから決定され、反対に方向付けられる支持表面の事例では、これらの法線ベクトルが反対に方向付けられ、つまり反対方向を指す。「実質的に」という表現は、30度未満、15度未満、10度未満、5度未満、またはさらに好適には2度未満での、それぞれの方向のずれを包含するものとして理解され得る。ガイドスロットの向きは、ここでは、2つの支持表面の状況から決定される。したがって、ガイドスロットの向きは、例えば法線ベクトルに対して垂直な平面を通る、ガイドスロットの2つの支持表面の法線ベクトルの減算によって画定され得る。したがって、平行な支持表面の事例では、この平面はそれぞれのガイドスロットの支持表面に平行にも延びる。ここでは、この向きはさらに、法線ベクトルに対して垂直な付随の支持表面の主延在方向によって画定され得る。したがって、まとめると、この向きは、意図される使用中にガイドスロットを通るようにケーブルタイが押されるかまたは引かれるときの方向によって予め決定され得る。
【0012】
支持表面は反対側に位置する支持表面であってよい。一方の表面の少なくとも1つのそれぞれの法線ベクトルがもう一方の表面を通って延びる場合、2つの表面が反対側に位置する。また、別法として、支持表面は互いに対してオフセットされている支持表面であってもよい。一方の表面の法線ベクトルがもう一方の表面を通って延びず、正確には、一方の表面のすべての法線ベクトルがもう一方の表面の平面においてはもう一方の表面の継ぎ足し部分(elongation)のみを通って延びる場合、2つの表面が互いに対してオフセットされている。具体的には、互いに対してオフセットされている支持表面は以下のようになるように配置され得る:上記方向においてもう一方の支持表面が大きいために、一方の支持表面の法線ベクトルがもう一方の支持表面の平面に交差するところのポイントが、もう一方の表面からそれ以上離れない距離のところで、もう一方の支持表面の平面に当たる。したがって、支持表面の間の「隙間」は、この事例では、上記方向での支持表面の延在量を超えない。
【0013】
ここでは、指示表面はケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップの関連付けられる表面領域を案内するように設計される。ここでは、ケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップの表面領域が各々の事例において好適には互いに反対側に位置する。したがって、ケーブルタイが保持装置上で完全に組み立てられた場合、ケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップが各々の事例においてそれぞれのガイドスロットの支持表面の各対の間に少なくとも部分的に配置されている。したがって、支持表面は、ケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップの関連付けられる表面領域に当接するように、具体的にはケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップの関連付けられる表面領域に対してポジティブロック当接する(positively locking abutment)ように、設計される。したがって、最終的な組み立てプロセスの後、ケーブルタイの複数の領域が各々の事例において反対側に位置する支持表面の間に配置されている。
【0014】
ここでは、少なくとも1つの第1の対の支持表面を備える第1のガイドスロットが、ケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップの縁部側で表面領域に当接するように設計される。したがって、支持表面の間隔が、縁部側から縁部側までのケーブルタイの横方向においてケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップの幅に対して適合され得る。これには以下のような効果がある:最終的な組み立てプロセスの後、第1のガイドスロットの支持表面により、ケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップの縁部側が各々の事例において方向付けられている横方向において、保持装置に対してケーブルタイが動くことが防止される。この横方向は、ケーブルタイの主延在方向を構成するケーブルタイの長手方向に対して垂直に延びる。
【0015】
さらに、ケーブルタイヘッドのおよび/またはケーブルタイストリップの少なくとも1つのそれぞれの外側および/または内側のそれぞれの表面領域に当接することにより、第2のガイドスロットの支持表面が、さらに、ケーブルタイの横方向とは異なる第2の方向での動きを防止する。上記第2の方向は、この事例では、好適には、横方向に対して実質的に垂直に延びる。したがって、第1のガイドスロットにより、ケーブルタイが長手方向に移動可能となるように案内され、横方向においては保持されている。
【0016】
したがって、保持装置が、ケーブルタイをその中に挿入して(可能性として、結束される材料と共に)その中で予め固定するところのケージ幾何形状を有する。上記保持装置は以下のことを特徴とする:ケーブルタイが縁部側のところで、さらには、ヘッドの近くの、ケーブルタイの壁幾何形状の少なくとも1つの外側のところで、また好適には2つの外側表面のところで、また最大限でもケーブルタイストリップの内側表面の2つの境界領域のところで、側方においてのみ保持装置によって触れられているかまたは接触されている。2つの境界領域はこの事例では中央領域によって分離されている。ケーブルタイの完全な組み立て状態では、境界領域がケーブルタイヘッドに接近した状態となり得したがってケーブルタイヘッドに隣接した状態となり得る。
【0017】
ケーブルタイを閉じることつまりそれ自体を通るようにケーブルタイを挿入することにより、つまりケーブルタイヘッドを通るようにケーブルタイストリップを挿入することにより、結束される材料が最終的に留められるかまたは最終的に固定される。ケーブルタイが保持装置に接触することにより、この接触はケーブルタイの縁部側およびケーブルタイの外側表面にのみに限定されるかまたは最大でもケーブルタイの内側表面の境界領域のみに限定されわけであるが、保持装置が結束される材料から一定の距離を維持することになり、つまり(少なくとも、後で説明される適切なケーブルタイを選択することにより)結束される材料から離間された状態を維持する。したがって、保持装置が結束される材料に機械的なダメージを与え得ない。また、逆に、結束される材料の上昇した温度が保持装置に直接に伝達される可能性もなく、それにより保持装置の考えられる材料に関して有利となる。したがって、製造コストを低減することも可能である。というのは、ダメージ受けることなくケーブルタイのみが高温に耐えなければならず、対して保持装置は間隔のおかげで比較的低い温度にしか晒されないからである。
【0018】
ツールを使用してケーブルタイストリップを結束される材料の既存の直径にまで短くするという、ケーブルタイのこのテクノロジを使用することにより、従来のクランプの使用に対して、多様な結束される材料のために必要となるコンポーネントの数が低減される。したがって、異なる長さを有する、1つまたは2つのケーブルタイまたは1つまたは2つの種類のケーブルタイを使用することにより、多数の異なる直径を有する結束される材料を固定することが可能となる。したがって、例えば、5ミリメートルから50ミリメートルの範囲内の直径を有する結束される材料を固定することが可能である。したがって、この保持構成の融通性は非常に高い。したがって、この保持装置を使用することにより、比較的低コストの拡張可能なコンポーネントの群を実現することも可能となる。
【0019】
ここでは、第1のガイドスロットが多様な変形形態で実現され得る。したがって、第1のガイドスロットが、例えば、ケーブルタイストリップの第1の縁部側の第1の表面領域に当接するための第1の支持表面と、ケーブルタイストリップの反対の縁部側の第2の表面領域に当接するための第2の支持表面とを有することができる。上記第1のガイドスロットが、ケーブルタイヘッドの縁部側の第1の表面領域に当接するための第1の支持表面と、ケーブルタイヘッドの第2の縁部側の第2の表面領域に当接するための第2の支持表面とをさらに有することができる。
【0020】
第1のガイドスロットが分割されている支持表面をさらに有することができ、これらの分割されている支持表面が、各々の事例において、ケーブルタイの相互に離間されている異なる領域(つまり、非ゼロの間隔によって分離されている領域)においてケーブルタイストリップおよび/またはケーブルタイヘッドの縁部側を支持する。したがって、分割されている支持領域は、少なくとも局所的に、つまり局所的にまたは全体として、互いに平行に延びて異なる領域でケーブルタイを支持する部分的な支持表面を有する。したがって、例えば、意図される使用中、ヘッドに近い、ケーブルタイストリップの端部領域を、その縁部側のところで、第1のガイドスロットの部分的な支持表面の対により支持すること、および/あるいはケーブルタイヘッドを通るように挿入されて完全な組み立て領域においてケーブルタイヘッドに隣接する(または、ケーブルタイヘッドに接近する)ケーブルタイストリップの第2の領域を、その縁部側のところで、第1のガイドスロットのさらなる別の部分的な支持表面の対により支持することが可能である。したがって、保持装置と結束される材料との間の間隔がさらに拡大され得、さらに、保持装置内の材料が節約され得る。
【0021】
ここではさらに、特には、一対の部分的な支持表面を固定用脚部の上に、具体的には移動可能なクランプ要素の上に配置することが可能である。ここでは、1つには、クランプ要素がケーブルタイにより意図される位置で特に正確に保持され、またさらに、ケーブルタイがより正確に案内されて全体の安定性が向上するようになる。
【0022】
有利な一実施形態では、ガイドスロットを互いに対して開いているようにすることが実現される。したがって、ケーブルタイストリップおよび/またはケーブルタイヘッドが、一方のガイドスロットの中に挿入されるとき、また特には第2のガイドスロットの中に挿入されるとき、もう一方のガイドスロットの方に、具体的には第1のガイドスロットの方に向かうように案内され得る。
【0023】
したがって、第1のケーブルタイセクションが、もう一方の例えば第1のガイドスロットの中に挿入された後で、第2のケーブルタイセクション、つまり例えばケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップあるいはケーブルタイヘッドまたはケーブルタイストリップの少なくともそれぞれの一部分が、一方の例えば第2のガイドスロットの中に挿入されるとき、第1のガイドスロットの方に向かうように案内され得る。これは逆でも適用され得る。この場合、これはガイドスロットのうちの少なくとも2つのガイドスロットで適用されるが、特には、より多数のガイドスロットの事例ではガイドスロットのうちの3つのまたはすべてのガイドスロットに相応に適用される。後でさらに明記されるように、第1および第2のならびに/あるいは第1および第3のガイドスロットが互いに対して開いていることが特に有利である。ここでは、第2のガイドスロットが第1のガイドスロットの第1の対の支持表面に対して開いていてよく、第3のガイドスロットが第1のガイドスロットの第2の対の支持表面に対して開いていてよい。具体的には、この場合ではケーブルタイストリップに属する第2のケーブルタイセクション、および第1のガイドスロットの中に挿入されている例えばケーブルタイヘッドである第1のケーブルタイセクションが互いの方へ案内され得、具体的には戻り止めの作用により互いの方に向かうように案内され得る。
【0024】
したがって、互いに対して開いているガイドスロットが、特に正確でかつ安定する形で保持装置の上でケーブルタイを保持することを可能にする。さらに、操作性が向上し、その結果、例えばガイドスロットの中へのねじ込みプロセスがより容易になる。また、これを目的として、少なくとも1つのガイドスロットでの、つまり例えば第1およびまたは第2、および/または第3のガイドスロットでの各々の事例において、ガイドスロットのそれぞれの支持表面、具体的には反対側に位置する支持表面が、少なくとも局所的に、つまり局所的にまたは全体として、互いのところで円錐状に収束してよい。
【0025】
別の有利は実施形態では、各々の事例において、互いに対して、75から105度の間、具体的には85度から95度の間の角度でガイドスロットが配置されることが実現される。これはガイドスロットのうちの少なくとも2つのガイドスロットで適用され、特には2つの対のガイドスロットまたはすべてのガイドスロットで適用される。それぞれの配置を画定するときの基になるガイドスロットの向きは、この事例では、例えば、支持表面の向きにより、つまり具体的には支持表面の平均の向きにより、画定され得る。平均の向きを決定するために、例えば、支持表面の対のそれぞれの法線ベクトルを互いから減算することが可能であり、さらには異なるガイドスロットのそれぞれの合成ベクトルの向きを比較することが可能である。この言及する配置は、ケーブルタイの自由度がガイドスロットにより物理的に最適な形で制限されるために、ガイドスロットによりケーブルタイを三次元空間内で特に安定する形で保持することが達成されるという利点を有する。
【0026】
別の有利な実施形態では、固定用ヘッドが、固定用脚部に付随するそれぞれの脚部領域と固定用脚部の反対側を向くそれぞれの端部領域とを有する少なくとも2つのアーム、ならびに脚部領域と端部領域との間に位置するそれぞれの中央領域を通過領域内に有することが実現される。中央領域が、具体的には各々の事例においてもう一方のアームの方を向くそれぞれのアームの内側に、各々の事例において内側に位置する少なくとも1つの支持表面を有する。ここでは、内側に位置する支持表面が、第1の対の支持表面を備える第1のガイドスロットの一部分である。したがって、これらのアームは、具体的には、内側に位置するそれぞれの支持表面を備える領域内の、ケーブルタイストリップの縁部側の一領域内でケーブルタイストリップを支持するように、およびケーブルタイストリップの横方向の動きを防止するように、設計される。ここでは、完全な組み立て状態では、第1のガイドスロットの内側に位置する支持表面の各々が、好適には、少なくとも局所的に、つまり局所的にまたは全体として、ケーブルタイストリップ上に配置されている。これには、内側に位置する支持表面が、実現されている完全な組み立て状態とは無関係にケーブルタイの横方向の案内を既に達成している、という利点がある。これは従来技術とは対照的であり、従来技術の事例では、このような横方向の案内が知られておらず、むしろ、保持構成の、ケーブルタイの内側表面上のおよび結束される材料と共に結束されるウェブ上の摩擦力により横方向の滑りが実現されるが、これは、ケーブルタイを締めること、および完全な組み立て状態において初めて引張力下で戻り止め係合がなされることにより、初めて実現される。したがって、本発明により案内の正確さを向上させることが達成される。
【0027】
第2のガイドスロットの第2の案内表面では、各々の事例においてアームの端部領域内で、後でさらに説明される対応する凹部の中に係合されるために設けられる突出ラグが提供され得る。したがって、ケーブルタイの案内を改善することおよびケーブルタイをより安定して保持することが実現される。
【0028】
別の実施形態では、上述したように、第2のガイドスロットの第1の支持表面に対して一定のずれを有するように第2のガイドスロットの第2の支持表面を反対側に方向付けること、つまり互いに対して傾斜するように設計すること、が実現され得る。ここでは、すれは0度から30度の間であってよい。好適にはずれは15度であり、つまり第2の支持表面が第1の支持表面に対して好適には15度だけ傾斜する。この事例では押し込み方向に対して垂直な平面内で、つまり、ケーブルタイを備える保持装置の意図される使用中においてケーブルタイの長手方向に対して垂直な平面内で対応する角度が測定され得る。ここでは、例えば後でより詳細に説明される第2のガイドスロットの第1の支持表面の湾曲部により、ケーブルタイが押し通されるときに同様に湾曲してしたがって押し込み方向が変化するため、押し込み方向が局所的に変化する押し込み方向であってよいことに留意されたい。これにより保持装置内の曲げ荷重が低減され、さらには保持装置と結束される材料との間の間隔を大きくすることが可能となる。
【0029】
別の実施形態では、第2のガイドスロットがそれぞれのアームの脚部領域内に第1の支持表面を有することおよびそれぞれのアームの端部領域内にさらなる別の支持表面を有することが実現され、これらの支持表面が、第2のガイドスロットの第2の対の、具体的には上記の第2の対の、反対側の支持表面を形成する。したがって、第1の支持表面は第2のガイドスロットの第2の対の反対側の支持表面の一部分であり、具体的には、ケーブルタイの、また特にはケーブルタイストリップの外側に当接するように設計される。さらなる別の支持表面も同様に、上記第2の対の反対側の支持表面の一部分であり、具体的には、ケーブルタイの、また特にはケーブルタイストリップの内側に当接するために提供される。具体的には、さらなる別の支持表面が、この事例では、ケーブルタイまたはケーブルタイストリップの内側の2つの境界領域のうちの少なくとも一方に、具体的には積極的に押止する形で、当接するように設計される。この事例では、境界領域がケーブルタイのそれぞれの縁部側に隣接してよい。ここでは、一方の境界領域が、中央領域により、第2のガイドスロットの第2の対の支持表面のうちの第1のすなわちさらなる別の支持表面に当接しない方であるもう一方の縁部側に付随する境界領域から分離されている。第2のガイドスロットに付随するさらなる別の支持表面は、具体的には、アームのそれぞれの端部領域上の端部表面として設計され得、それにより、完全な組み立て状態において、各々の事例のケーブルタイストリップの内側のところで各々の事例のケーブルタイストリップの境界領域のうちの一方の境界領域に当接するように配置されることになる。ここでは、端部表面の反対側の、具体的には反対側に位置する第1の支持表面が、少なくとも局所的に、つまり局所的にまたは全体として、ケーブルタイストリップの外側に当接するように配置されるように設計され得る。これには、ケーブルタイが、保持装置により、横方向および垂直方向の両方において、正確性および融通性を有するように、正確に嵌合される形で固定され得る、という利点がある。ここでは、保持構成がケーブルの長さとは無関係であり、したがって、ケーブルタイは、通過用開口部を通るケーブルタイの押し込み方向において所望される通りに調整され得、それにより最終的な組み立てプロセスが容易になる。
【0030】
ここでは、第1および第2のガイドスロットの支持表面が、押し込み方向に対して垂直な断面において、それらの脚部が互いの方を向く形で方向を定められる反対側に位置する2つのU形の形状をとることができる。この事例では、第1のガイドスロットの支持表面が各々の事例のU字の基部側の脚部上に配置され得る。第2のガイドスロットの支持表面がU字の側方側の脚部の内側に配置され得る。また、固定用脚部の方を向くU字の側方側の脚部は互いの方へと移行していてもよい。後者の場合、2つのガイドスロットを通る押し込み方向に対して垂直な断面において全体としてC形のスロットが形成される。これには、押し通すときに、および完全な組み立て状態時に、ケーブルタイが複数の領域においてU字の脚部の周りに係合され、特に正確におよび特に高い信頼性で案内されて保持される、という利点がある。
【0031】
「C形」は、具体的には、押し込み方向に対して垂直な断面において、ケーブルタイを用いての意図される使用中に、その中にケーブルタイを押し込むところの押し込み領域の周りを取り囲むような形で中断部分を有する幾何形状を意味するものとして理解されてよい。「C形」は、好適には、角部を有さない外形を有する幾何形状を意味するものとして理解されてよい。「C」の開いている向きはこの事例では重要ではない。ケーブルタイを用いての意図される使用中、ここでは、「C」の端部セクションが各々の事例のケーブルタイストリップの内側境界領域に当接することになる。したがって、ケーブルタイストリップの境界領域がケーブルタイストリップの中央領域により互いから分離されており、中央領域は保持装置に当接しない。ここでは、「C」の円弧に沿う端部セクションの間に位置する「C」の中央領域がケーブルタイストリップの外側に当接し、中央領域と端部セクションとの間の「C」のそれぞれの中間領域がケーブルタイストリップのそれぞれの縁部側に接触する。したがって、まとめると、ケーブルタイおよび結束される材料を用いての保持装置の意図される使用中、ケーブルタイストリップが中央領域において(具体的には、中央領域のみにおいて)結束される材料に触れ、また同時に、外側および縁部側においてならびに境界領域内で、保持装置の対応する支持表面に当接して保持装置によって保持される。これは、好適には、保持装置が結束される材料に触れない形で実現される。
【0032】
有利な一実施形態では、ここでは、第2のガイドスロットの第1の支持表面を押し込み方向において弓形にすることが実現される。したがって、押し通すときにケーブルタイストリップがその内側に向かって湾曲し、その結果、複数の領域において、結束される材料の周りでケーブルタイストリップが曲げられることが回避される。弓形部分は、第1の支持表面の法線ベクトルを有する平面内で所定の半径を有することができる。具体的には、第1の支持表面が、各々の事例の正のおよび負の押し込み方向において支持表面の湾曲しない端部領域に隣接する湾曲する中央領域を有することができる。ケーブルタイストリップは、この事例では、押し通すとき、最初に1つの湾曲しない端部領域に沿って押され、次いで湾曲する中央領域に沿って押され、最後にさらなる別の湾曲しない端部領域に沿って押される。2つの端部領域は、この事例では、互いに対して105度から165度の間の角度、また好適には互いに対して115度から140度の間に角度にあってよい。したがって、保持装置にケーブルタイを組み付けることおよびその後で結束される材料を固定することが容易になる。
【0033】
ここでは、第1の支持表面がさらなる別の支持表面に対してオフセットされて配置され得、例えば、アパーチャが、さらなる別の支持表面の反対側に位置する第1の支持表面のそれぞれの空間領域内に設けられ得る。これにより製造に関しての利点が得られる。というのは、こうすることにより、切込み部分が必要なくなるからである。
【0034】
第1の支持表面は、押し込み方向において、さらなる別の支持表面よりもアームの脚部領域においてより大きい延在量を有することができる。具体的には、押し込み方向における第1の支持表面の延在量は、押し込み方向におけるさらなる別の支持表面の延在量の2倍または3倍を超える大きさであってよい。これにより、ケーブルタイストリップの特に良好な案内が実現される。
【0035】
別の有利な実施形態では、保持装置が、ケーブルタイの押し込み方向に対して実質的に垂直に方向付けられる少なくとも1つの当接表面を有することが実現され、ここでは、ケーブルタイが通路およびガイドスロットを通るように押され得、当接表面が、ケーブルタイストリップの方を向くケーブルタイヘッドの前方側に対して少なくとも1つの表面領域を具体的にはポジティブロック当接させる形で当接させるように機能する。上記当接表面は押し込み方向に対して傾斜する変位用傾斜部分(displacement ramp)の形態で構成され得、それにより張力が存在してケーブルタイが押し込み方向に動くときに、ガイドスロットのうちの一方のガイドスロットの、具体的には第2のガイドスロットの、支持表面のうちの一方の支持表面に対してケーブルタイを押圧する。やはり、組み立てが単純であり、正確であるという利点が得られる。というのは、こうすることにより、案内の正確さが向上し、また同時に、なされ得る当接により組み立ての容易さも向上するからである。こうすることにより、保持装置によって所定のロケーションで保持されるケーブルタイヘッドの中へのねじ込みプロセスがやはり容易になる。
【0036】
別の実施形態では、ブリッジによりアームをそれらの端部領域内で接続することおよびひいては通過領域内に孔状の通路を形成することが実現される。上記通路は、ブリッジと、端部表面の反対側に位置する第2のガイドスロットのアームおよび支持表面とによって境界を画定されている。ここでは、具体的には、押し込み方向に対して実質的に垂直な通路の高さがケーブルタイストリップの最大高さより小さいおよび/またはそれに等しい。ケーブルタイストリップの高さは外側と内側との間隔から決定され得る。これには、具体的にはケーブルタイのまたはケーブルタイストリップの押し込み方向に対して非垂直に方向付けられる当接表面を用いることにより、通過領域内でケーブルタイストリップを追加的に押し込むかまたは戻り止め係合させることが実現され得る、という利点がある。具体的には、通路の高さがケーブルタイストリップの最大高さの高さより小さい場合、例えばケーブルタイストリップの内側に軟質部品を有するといったように、後で説明されるような軟質部品および硬質部品を有するケーブルタイが使用される場合に洗練された形で戻り止め係合を可能にすることが実現される。この事例では、具体的には、押し込み動作中、好適にはケーブルタイストリップの内側の、軟質部品から形成される要素を変形させて戻り止め係合の位置に配置することが可能である。したがって、例示の別の実施形態に基づいて後で考察されるように、保持装置上でケーブルタイが予め組み立てられ得る。
【0037】
別の実施形態では、具体的には、押し込み方向におけるつまり完全な組み立て状態でのケーブルガイドの長手方向におけるブリッジの厚さを、ケーブルタイストリップの方を向くケーブルタイヘッドの前方側(具体的には、上で言及した当接表面)の間の間隔、またはケーブルタイストリップから離れる方に方向付けられるケーブルタイヘッドの案内表面の間隔に対応させることが可能であり、ケーブルタイヘッドを通してのケーブルタイストリップの挿入中に、一方でケーブルタイストリップの外側がこの案内表面上で案内され、他方でケーブルタイストリップの戻り止め突出部がケーブルタイストリップの内側で案内される。したがって、この場合、ブリッジが、完全な組み立て状態において、戻り止め突出部とケーブルタイヘッドの前方側との間におよび/または戻り止め突出部とケーブルタイストリップの内側との間に配置され得る。ここでは、ケーブルタイストリップのこの内側が、特には、ケーブルタイヘッドを通して挿入されるケーブルタイストリップの領域に隣接する。
【0038】
したがって、ブリッジの厚さが上記間隔と等しくてよいか、または例えば2パーセント、5パーセント、または10パーセントといったように、わずかに大きくてもよい。これには、ブリッジが保持装置上のケーブルタイヘッドのための戻り止め装置として機能するという利点がある。ブリッジの厚さが、ケーブルタイストリップの内側の間隔に対して、ケーブルタイヘッドの方を向くケーブルタイストリップの端部の、ケーブルタイストリップの内側に配置されている、ケーブルタイストリップの戻り止め突出部に対して適合されている場合、ケーブルタイヘッドを通してケーブルタイストリップが挿入されている状態である完全な組み立て状態において、ケーブルタイストリップがケーブルタイのブリッジにより所定の位置で最終的に固定され、ケーブルタイを解除しない限り変位され得ないようになる。したがって、結束される材料を高い正確性で特に確実に保持することが実現される。
【0039】
別の実施形態では、通過領域が第3のガイドスロットを有することが実現され、この第3のガイドスロットが、第1のガイドスロットおよび第2のガイドスロットとは異なる形で方向付けられるかまたは配置されており、各々の事例の少なくとも1つの第3の対の反対側に位置する支持表面を有する。これらの支持表面は、具体的にはポジティブロック当接する形で、ケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップの付随の各々の事例の反対側に位置する表面領域に当接するように設計され、その結果、結束される材料を用いて完全に組み立てられたケーブルタイの場合、ケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップが、少なくとも部分的に、つまり部分的にまたは全体として、支持表面の間に配置されることになる。したがって、ケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップの上記表面領域が、具体的には、ケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップの内側および/または外側に配置され得る。具体的には、ここでは、第1の対および第2の対の支持表面を方向付けているところの空間的方向から数学的に独立するそれぞれの空間的方向に第3の対の支持表面を方向付けることが可能である。これにより、ケーブルタイの支持が最大限に安定するという利点が得られる。さらに、こうすることにより、ケーブルタイヘッドの位置が特に正確に予め決定され得るようになり、例示の実施形態で後でさらに考察されるように、多様な角度からの組み立ても可能となる。したがって、組み立てを可能な限り容易にすることおよび保持装置の融通性を得ることが達成される。
【0040】
ここでは、通路がやはり孔状の通路であってよい。通路は少なくとも3つの対の支持表面によって境界を画定され得る。この事例では、異なるガイドスロットの、具体的には第1および第2のならびに/あるいは第1および第3のガイドスロットの、1つまたは複数の支持表面が角部領域または接続領域のところで互いの方へと移行していてよい。
【0041】
ここでは、支持表面に対して垂直に見る場合、第1のガイドスロットの支持表面がL形のデザインであってよい。第1のガイドスロットの支持表面が、第1の脚部のそれぞれの端部領域において、各々の事例における第2のガイドスロットの支持表面の方へ移行していてよい。別法としてまたは加えて、支持表面が、第2の脚部のそれぞれの端部領域において、各々の事例における第3のガイドスロットの支持表面の方に移行していてよい。これらの3つまたは4つの支持表面は、この事例では、好適には、互いに対して少なくとも実質的に垂直に配置されている。ここでは、通過領域が、有利には、L字の角部内に形成される。完全に組み立てられたケーブルタイの場合、ケーブルタイが、ケーブルタイヘッドを通してケーブルタイストリップを挿入することによって形成されるその交差領域を、第1の支持表面によって形成される2つのL形の表面のそれぞれの角部の間に有するように、構成されている。この事例では、ケーブルタイのループが側面図で見てL字の脚部の間の領域内に配置されており、ケーブルタイヘッドがL字の鋭く曲がる角部の領域に配置されている。したがって、保持装置により、交差領域においてそれ自体を通るケーブルタイのリードスルー部分(leadthrough)により得られる対角線上に反対側に位置する2つの角部または角部領域において、ケーブルタイが、ケーブルタイの内側のところで結束される材料を固定する場合において、通過領域のところで保持装置に対してクランプされている。これにより、正確で、融通性があり、安価である形で、結束される材料を高い信頼性で固定することが実現される。
【0042】
この実施形態では各々の事例における第1のガイドスロットの支持表面のL字の2つの脚部の反対側の2つの端部領域を接続する少なくとも1つのブリッジ、つまりブリッジまたはウェブのうちの1つまたはすべてブリッジまたはウェブが、この事例では、例えばL字の脚部の外側にところでL字の脚部に隣接してよい。ここでは、外側が、例えば、各々の事例において、それぞれのL字のもう一方の脚部の反対側を向きおよび/または上記もう一方の脚部の方に方向付けられないL字の脚部の側である。この場合、内側が、これに対応して、L字の2つの脚部によって形成される角部に隣接するL字の側である。したがって、ブリッジが、L字の脚部と共に、それぞれのL字の脚部に対して垂直な断面においてU形の形態をとることができる。ここでは、第1のガイドスロットの支持表面が、互いの方に方向付けられるかまたは互いの方を向く、U字の側方側の脚部の内側に配置されており、各々の事例における第2または第3のガイドスロットの1つの支持表面がそれぞれのU字の基部側の脚部上に配置されている。
【0043】
これには、通過領域において、ケージ状の案内・保持構造体が形成され、この事例では、ケーブルタイが押し込み方向に押し通されるときに、U形のデザインの支持表面によって三次元で支持されている、という利点がある。これは、各々の事例におけるL字の脚部の向きによって画定されている2つの方向のブリッジによって可能となる。このようにして、ケーブルタイを保持するのに必要である場合などのように、通過領域を2回通るように押し通すことが実施される事例では、案内すること、および完全な組み立て状態において保持することの各々が改善される。
【0044】
別の有利な実施形態では、完全な組み立て状態において、その1つの支持表面をケーブルタイストリップの外側の表面領域に対して当接させる状態となるように、具体的にはポジティブロック当接させる状態となるように、およびそのもう一方の支持表面をケーブルタイストリップの方を向くケーブルタイヘッドの前方側の表面領域に対して当接させる状態となるように、構成されるように第2のガイドスロットを設計することが実現される。したがって、具体的には、第2のガイドスロットが、通過領域の垂直方向におけるケーブルタイの動きを防止するように設計されており、これが、実際的な例示の実施形態では、ケーブルタイの押し込み方向に対応するか、または押し込み方向に対して実質的に垂直であるかのいずれであってもよい。
【0045】
ここでは、ケーブルタイの外側の表面領域が、具体的には、ケーブルタイヘッドに、ならびに/あるいはケーブルタイヘッドの前方側および/または後方側の一領域に隣接しない。ここの局所的な呼称は、ケーブルタイが非設置状態に、つまり互いの中に挿入されていない状態にあることを意味することに留意されたい。したがって、挿入されて一体になった状態では、非設置状態においてケーブルタイヘッドに隣接しないケーブルタイの表面領域が押し込み動作の結果として上記ケーブルタイヘッドの近傍まで動くことが可能となる。具体的にはケーブルタイヘッドの戻り止めデバイスの近傍で保持装置の支持表面によりケーブルタイを支持することにより、使用されるケーブルタイに対しての設置および融通性における高い正確さが得られる。また、ケーブルタイヘッドの領域でケーブルタイが保持されることの結果として、ケーブルタイヘッドが安定し、それにより戻り止めデバイスの信頼性が向上する。
【0046】
別の実施形態では、完全な組み立て状態において、その第1のまたは1つの支持表面をケーブルタイヘッドの内側の表面領域に対して当接させる状態となるように、ならびに完全な組み立て状態において、そのもう一方のまたはさらなる別の支持表面をケーブルタイヘッドの外側のおよび/またはケーブルタイヘッドに隣接するケーブルタイストリップの外側の表面領域に対して当接させる状態となるように、構成されるように第3のガイドスロットを設計することが実現される。したがって、具体的には、第3のガイドスロットが、通過領域または通路の深さ方向におけるケーブルタイの動きを制限するように設計されている。深さ方向は、この事例では、通過領域の垂直方向に対して実質的に垂直である。深さ方向は、ケーブルタイヘッドを通してのケーブルタイストリップの挿入中における通路を通る通過方向に対応していてよく、この事例では同時に、例えば最終的な組み立て時に、ケーブルタイストリップが2回目として通路を通るように押されることが含まれる。この事例でも、ケーブルタイヘッドの領域でケーブルタイが保持されることによりケーブルタイヘッドがやはり安定し、それにより戻り止めデバイスの信頼性がさらに向上する。
【0047】
別の有利な実施形態では、第1のガイドスロットの反対側の支持表面が、特には通路の垂直方向および/または深さ方向において少なくとも局所的に互いのところでくさび状に収束することが実現される。ここでは、上記支持表面が、ケーブルタイヘッドの縁部側においてそれぞれの関連付けられる表面領域に対して少なくとも局所的に当接するよう、具体的にはポジティブロック当接するように配置されるように設計されている。
【0048】
互いのところで収束するくさび状の支持表面は以下のような利点をもたらす:結束される材料を結束することを目的としてケーブルタイに生じる引張力が、当接を改善するのに、具体的にはポジティブロック当接するのを改善するのにも並行して使用され、それにより、ケーブルタイの、具体的には保持装置内のケーブルタイヘッドの遊びの大きさが最小になる。これにより保持装置上でケーブルタイが一定の形で正確に固定されるようになり、この事例では、具体的には、完全には適さない可能性があるケーブルタイのいくらかの大きさの遊びが、ケーブルタイおよび/または保持装置がわずかに変形することにより補償され得る。
【0049】
したがって、保持装置は以下のように設計され得る:具体的にはケーブルタイヘッドが少なくとも局所的に、つまり局所的にまたは全体として、完全な組み立て状態のために設けられる端部位置にくるようになるまで、ケーブルタイが通路の垂直方向および深さ方向の両方において通路を通るように押され得る。ここでは、押し込み方向は第2の押し込み動作の方向としてみなされる。
【0050】
これには高い融通性を有する設置機能を実現するという利点があり、この事例では、通過領域を通るケーブルタイストリップの第1の押し込み動作の押し込み方向が通過領域を通るケーブルタイストリップの第2の押し込み動作の押し込み方向に一致し、この事例では、ケーブルタイストリップが同時にケーブルタイヘッドを通して挿入されるかまたは押される。したがって、構造的空間が制限されるようなおよび保持装置が例えば大きい平らな表面の近くに既に取り付けられているような平らな状況では、ケーブルタイがそのヘッドを例えば上記表面にまたは一般的には別のコンポーネントに近づけた状態で保持され得、それでも問題なくそこで組み立てられ得る。
【0051】
別の特に有利な実施形態では、保持装置が少なくとも1つの追加の案内要素を有することが実現され、この少なくとも1つの追加の案内要素が具体的には第1のガイドスロットに隣接し、この少なくとも1つの追加の案内要素により、ケーブルタイヘッドを少なくとも局所的につまり局所的にまたは全体として完全な組み立て状態のために設けられる位置に位置させるようになるまでのケーブルタイの押し込み動作が、実質的に単一の方向での押し込み動作へと限定されることになる。追加の案内要素は具体的には第3のガイドスロットの一部分であってよい。これには、組み立てプロセスの初期において、保持装置内のケーブルタイが1つの並進自由度(translational degree of freedom)のみを既に有しており、その結果、組み立てプロセスにおいて滑ることなどが実質的に阻止され、それにより取り扱いが非常に単純なものとなる、という利点がある。
【0052】
別の特に有利は実施形態では、ここでは、保持装置が少なくとも1つの追加の戻り止め要素を有することが実現され得、この少なくとも1つの追加の戻り止め要素により、ケーブルタイヘッドが、完全に組み立てられた状態のために設けられる端部位置において、固定用ヘッド内での戻り止め動作に関与させられ得る。ここでは、戻り止め要素が具体的には第2または第3のガイドスロットの支持表面上に配置されている。これには、ケーブルタイが高い信頼性で予め組み立てられ得、保持装置内での組み立て中に意図されず外部コンポーネント上で摺動して保持装置から外れることがない、という利点がある。また、したがって、ケーブルタイストリップがケーブルタイヘッドの戻り止めデバイスに戻り止め係合されている間、ケーブルタイストリップが保持装置内で滑ることなく、したがって可能性として悪条件下でケーブルタイを締めることまたは押し通すことをより困難なものまたは不可能なものとすることがない。
【0053】
b)固定システム
本発明はまた、少なくとも1つのケーブルタイと、システムの外部のコンポーネントに対してシステムを固定するための、ケーブルタイから分離する保持装置(具体的には、プラスチックで構成されている)とを有する、具体的にはモジュール式である、固定システムまたはモジュール式固定装置を含む。ケーブルタイが、この事例では、歯付きのケーブルタイストリップと、歯付きのケーブルタイストリップへの戻り止め係合のための戻り止めデバイスを備えるケーブルタイヘッドとを有する。ケーブルタイは具体的には、やはり、後でさらに説明されるケーブルタイのうちの1つのケーブルタイであってよい。この事例では、後でさらに考察される特有の利点が達成される。
【0054】
ここでは、完全な組み立て状態において、ケーブルタイが、結束される材料を保持するための保持形態であるケーブルタイのセットとして配置されており、ここでは、ケーブルタイによって保持される結束される材料がケーブルタイのみに触れる、ということが重要である。したがって、結束される材料は、保持装置に接触しないようにおよび/または保持装置から離間されるように配置されている。ここでは、ケーブルタイが、破壊されない形で解除可能となるように、つまり例えばツールによって解除可能となるように、保持装置に取り付け可能となり得る。これには、例えば電気ケーブルなどの温度を上げるような結束される材料から保持装置への熱伝達が最小となる、という利点がある。さらに、間隔により、保持装置による結束される材料の機械的荷重が排除され得るかまたは低減され得る。上記の両方により、保持装置のための材料の選択の融通性が向上し、したがって、コスト効率および信頼性にも寄与し得る。
【0055】
有利な実施形態では、固定システムが、単独の保持装置として、上述のデザインの変形形態のうちの少なくとも1つによる少なくとも1つの保持装置を備える。
【0056】
本発明はまた、歯付きのケーブルタイストリップと、歯付きのケーブルタイストリップへの戻り止め係合のための戻り止めデバイスを備えるケーブルタイヘッドとをやはり有する少なくとも1つのケーブルタイを有し、さらには上でより深く説明される実施形態のうちの少なくとも1つによる保持装置(具体的には、プラスチックで構成されている)を有する具体的にはモジュール式である固定システムを含む。このモジュール式固定システムが、後で説明される実施形態のうちの1つによるケーブルタイをさらに備えることができる。
【0057】
ここでは、保持装置の通過領域およびケーブルタイが、各々の事例において、保持装置をケーブルタイに対して当接させるためのそれらの幾何形状に関して互いに対して適合されることが重要である。具体的には、ここでは、各々の事例における保持装置の相補的な内側輪郭およびケーブルタイの外側輪郭が互いに対して適合される。具体的には、ケーブルタイおよび保持装置がさらに、ケーブルタイ上で保持装置に対して積極的に押止するかまたはポジティブロック当接するためのそれらの幾何形状に関して互いに対して適合され得る。これには、ガイドスロットによる案内が特に正確となり、また可能性として保持装置からの結束される材料の間隔が正確に設定され得る、という利点がある。ここでは、システムが、容易で、融通性があり、安価である形で、多数の異なる使用に対して適合され得る。
【0058】
好適な実施形態では、固定システムが多数の所定の異なるケーブルタイを有し、これらのケーブルタイの各々が、それらの幾何形状に関して、保持装置の通過領域をケーブルタイに当接させること、具体的にはポジティブロック当接させることを目的として通過領域の幾何形状に対して適合される。これにより以下のような利点が得られる:所与の保持装置の事例において、本発明の意図される使用に従う各々の事例において、適切なケーブルタイを選択すること、具体的には、結束される材料の直径に対しての適切な長さを有するか、結束される材料の重量に対しての適切な機械的安定性を有するか、または結束される材料によって加えられる予期される温度負荷に対しての適切な熱的安定性を有するケーブルタイを選択することが可能である。したがって、特定の意図される使用に対して適合されるような通常は比較的高価である特別な部品であるケーブルタイと共に、保持装置の同一の安価なコンポーネントを利用することが可能となる。また、この事例では、保持構成の融通性および信頼性を安価な形で得ることができる。
【0059】
固定システムの別の特に有利な実施形態では、上記固定システムが多数の所定の異なる保持装置を有し、保持装置の通過領域が各々の事例において、それらの幾何形状に関して、保持装置の通過領域をケーブルタイに当接させること、具体的にはポジティブロック当接させることを目的としてケーブルタイの、具体的にはケーブルタイヘッドの幾何形状に対して適合される。これにより、外部コンポーネントに対して保持装置を固定するための異なる固定用脚部および固定機能を用いる多数の異なる状況において、安価に製造可能である保持装置を交換することにより、特定のケーブルタイに適する結束される材料が問題なく使用され得る、という利点が得られる。また、この事例では、コストを節約することも実現される。したがって、上のパラグラフの実施形態を用いる場合、特に、モジュール式システムが実現され、このモジュール式システムにより、結束される材料を別のコンポーネントに固定するための組み立てを容易にする解決策が、融通性があり安価である形で、達成される。
【0060】
c)ケーブルタイ
本発明はまた、歯付きのケーブルタイストリップと、歯付きのケーブルタイストリップへの戻り止め係合のための戻り止めデバイスを備えるケーブルタイヘッドとを有するケーブルタイに関連する。この事例では、上記ケーブルタイが具体的にはプラスチックから例えば単一部片で製造され得る。具体的には、ケーブルタイが、例えば外側輪郭に関して、上でより深く説明した保持装置または固定システムに適し得るかまたはそれらのために構成されているか、あるいはそれらに対して幾何学的に適合される。
【0061】
ここでは、ケーブルタイストリップがケーブルタイヘッドの前方側に隣接し、ここでは、上記ケーブルタイストリップの主延在方向がケーブルタイの長手方向を画定する。
【0062】
また、ケーブルタイストリップが幅方向に一定の幅を有し、ケーブルタイの垂直方向に一定の厚さを有する。ここでは、ケーブルタイストリップがケーブルタイヘッドを通して挿入されることによりループを形成してケーブルタイヘッドとの戻り止め動作に関与する完全な組み立て状態において、幅が、ループの半径と共に、結束される材料の方を向くケーブルタイストリップの内側の領域のサイズ、および結束される材料の反対側を向くケーブルタイストリップの外側の表面のサイズを決定する。垂直方向におけるケーブルタイストリップの厚さがケーブルタイストリップの安定性およびその融通性を実質的に決定し、ここでは結束される材料の方を向く表面のサイズおよび結束される材料の反対側を向く表面のサイズに影響しない。ここでは、厚さが増すと、歯もより目立つような形態となってよく、その結果さらに、歯の中に係合される例えば戻り止め凸部または戻り止め用の爪の形態の戻り止めデバイスがより大きい力に耐えるようになる。さらに、厚さが、ケーブルタイストリップの縁部側のところに位置する表面領域のサイズも決定し、したがってひいては、縁部側と相互作用するガイドスロットの案内の安定性に対しての影響を決定することができる。
【0063】
好適な実施形態では、ケーブルタイヘッドから離れてケーブルタイヘッドの外側にあるおよび/またはケーブルタイヘッドの少なくとも一方の縁部側にあるケーブルタイストリップの端部領域内に個別のマーキングを形成することが実現され、ここでは、これらのマーキングを互いに位置合わせするときにケーブルタイにより最大半径を有するループが形成されていることになるように、マーキングが配置されている。ここでは、最大半径は、ケーブルタイストリップがケーブルタイヘッドとの戻り止め動作に依然として関与し得る場合の上限の半径である。したがって、ケーブルタイを組み立てることなくおよび/またはケーブルタイを戻り止め動作に関与させることなく、選択されたケーブルタイが結束される現行の材料に対して適するかどうかが容易に確認され得るようになることが達成される。
【0064】
ここでは、ケーブルタイストリップが硬質部品を有し、さらに硬質部品に対して柔らかい軟質部品を有する。ケーブルタイストリップの外側および縁部側が、少なくとも局所的に、つまり局所的にまたは全体として、硬質部品によって形成されている。軟質部品が、内側で、ケーブルタイストリップの長さの大部分にわたって、つまりその50パーセントを超えて、また好適には90または95パーセントを超えて、硬質部品に沿ってケーブルタイストリップの長手方向に少なくとも1つのストリップの形態で延在する。ここでは、ストリップが、複数の領域で不連続であってよい。この事例では、ストリップが、例えば、互いに隣接して配置されている軟質部品の一連のポイントまたはストリップから形成され得る。したがって、軟質部品が少なくとも局所的にケーブルタイストリップの内側を形成する。したがって、軟質部品が、ケーブルタイストリップの内側に、結束される材料のための当接表面を形成する。上記当接表面は、この事例では、硬質部品によって形成されている内側の領域に対して高くなっている(垂直方向において)。
【0065】
軟質部品は、この事例では、シリコーンおよび/または熱可塑性エラストマ(TPE:thermoplastic elastomer)を含むことができる。例えば熱塑性変形(TPU:thermoplastic deformation)の軟質部品としてケーブルタイの射出成形プロセスの直後で、あるいは例えば液体シリコーンをケーブルタイに適用するかまたは接着性パッドをケーブルタイに取り付ける形態の別個の接合プロセスの直後で、軟質部品がケーブルタイのための製造方法に適用され得る。
【0066】
これにより、結束される材料が、振動および衝撃荷重の発生時にケーブルタイの硬質部品に接触することの結果としての摩耗から保護されている、という利点が得られる。これは、ケーブルタイが、結束される材料を、硬質部品から、具体的には内側において硬質部品によって形成されている表面から、離間して保持または固定することによる。したがって、保持装置により、結束される材料が触れない形のつまり非接触の保持構成が実現される。同時に、間隔があることの結果として、結束される材料または束の高い温度から保持構成が保護されることが実現され、その結果、硬質部品のみに接触することになる保持構成が低耐熱性の安価な材料から製造され得るようになる。さらに、軟質部品により、結束される材料がケーブルタイのループに対して軸方向に動くことが防止される。その理由は、軟質部品が硬質部品より高い静止摩擦を示すからである。
【0067】
さらに、軟質部品が可撓性のケーブルタイに取り付けられることにより、軟質部品自体では、製造に関して非常に単純な手法によりプロフィールまたは構造が形成されるという利点が得られる。製造プロセス中にはケーブルタイストリップがケーブルタイヘッドの中に挿入されないことから、この時点では直線の形態であるため、ケーブルタイストリップの内側が軟質部品を圧断または形成するためのツールにより容易にアクセスされ得るようになる。また、ここでは、ツールが成型構造または成型プロフィール(cast profile)から問題なく再び取り外され得る。したがって、ケーブルタイまたはその内側は個別の要求条件に対して高い融通性を有するように適合され得る。ケーブルタイのテクノロジで知られている手法では、ここで述べられる利点は、少数のコンポーネントを有する束ねるためのまたは結束される材料の直径の大きい変化量に対して有効であり、その結果、具体的には対応する保持装置または対応する固定システムを用いるケーブルタイの、高い融通性を有し、コストを節約する使用が実現される。
【0068】
軟質部品のストリップは、長手方向に対して垂直な断面において、つまりケーブルタイの縁部側の方を向く境界領域において、中央領域に対して高くなっていてよく、つまりストリップの垂直の方向において増大する厚さを有することができる。これにより、完全な組み立て状態において、軟質部品のストリップに対して垂直な静止摩擦が増大するという利点が得られ、つまり結束される材料がケーブルタイの中で軸方向に動くのを防止することが改善されるという利点が得られる。したがって、さらに、境界領域の高台部分の間の空気クッションにより断熱を改善することが可能となり、ここではこの空気クッションは中央領域内に形成されている。軟質部品のストリップの境界領域に対して減少する厚さを有する中央領域は、この事例では、例えば溝として設計されていてよい。
【0069】
ケーブルタイヘッドは、全体としてまたは部分的に、具体的には大部分において、硬質部品によって形成されていてよい。例えばケーブルタイヘッドが金属の凸部を備える戻り止めデバイスを有するかまたは他の形で硬質部品によって構成されている場合、ケーブルタイヘッドは大部分が硬質部品から形成されている。また、ケーブルタイヘッドは、この事例では、内側および/または外側においてあるいは一方または両方の縁部側において、ケーブルタイストリップの方向においてケーブルタイストリップのところでくさび状に収束してよい。これにより、積極的に押止する形でケーブルタイヘッドを受けるように上述の保持装置が特に容易に形成され得るという利点が得られ、それにより保持装置または固定システム内でのケーブルタイの案内を改善することおよびその安定性を向上させることが達成される。ここでは、「互いのところで円錐状に収束する」とは、具体的には平坦な表面が互いのところで収束することを意味するものとして理解されてよい。
【0070】
有利な一実施形態では、縁部側に隣接するところのケーブルタイストリップの境界領域内において、内側が少なくとも局所的につまり局所的にまたは全体として硬質部品によって形成されることが実現される。この事例では、境界領域が、ケーブルタイストリップの大部分にわたって、つまりその50パーセント以上で、また好適には90または95パーセント以上で、ケーブルタイストリップの長手方向に延在してよい。したがって、この事例では、軟質部品がケーブルタイストリップの内側に高くなっている中央領域を形成し、この高くなっている中央領域が、縁部側の方向において、硬質部品によって形成されている境界領域によって境界を画定されている。したがって、ケーブルタイストリップの長手方向に対して垂直な方向における縁部側から縁部側までのケーブルタイストリップの幅は、軟質部品の少なくとも1つのストリップの幅よりも大きい。したがって、ケーブルタイストリップの長手方向に対して垂直な方向において軟質部品のストリップを越えて突出する硬質部品の領域によりガイドレールが形成されている。
【0071】
これにより、一つには、より繊細である軟質部品が硬質部品の突出する境界部分によるダメージから機械的に保護されるという利点、またさらには、保持装置と結束される材料との間に境界部分が位置する場合において、硬質部品の突出する境界領域が、別のコンポーネント上でケーブルタイを保持するためのケーブルタイの付随の保持装置の防熱手段をさらに形成するという利点が得られる。これは例えば、保持装置に関連する上述の実施形態に当てはまる。特に重要なことは、境界部分、つまりガイドレールが、保持装置により、また例えば、上述するように対応するガイドスロットを備えるような、保持装置のアームの周りに局所的に係合される硬質部品によって形成されている境界領域により、ケーブルタイを案内および保持するのに利用され得る、ことである。具体的には、ここでは、案内および保持の正確さが向上するため、硬質部品によって形成されている領域上でケーブルタイを案内および保持することが有利である。
【0072】
ここでは、ケーブルタイストリップの境界領域に隣接するストリップのそれぞれの縁部領域(limit region)内におけるストリップに加えて、軟質部品が各々事例において1つの翼部分を形成することが実現され、この翼部分が、ケーブルタイストリップの幅方向の断面において、ケーブルタイストリップから離れる方向におよび/または軟質部品のストリップから離れる幅方向に、軟質部品のストリップから始まってケーブルタイストリップの対応する境界領域から離間するように延在する。
【0073】
これには、提案される保持装置のうちの1つと共に使用されるケーブルタイの事例において、結束される材料と保持装置との間の接触、およびそれに対応する結束される材料の摩耗がより効率的に防止される、という利点がある。
【0074】
別の実施形態では、硬質部品が境界領域の間に中央部分を有することが実現され、この中央部分が境界領域に対して垂直方向に高くなっており、軟質部品がこの中央部分の上に配置されている。これには、保持装置と結束される材料との間の間隔が具体的には中央部分の垂直方向の厚さの分だけ増大し、したがって軟質部品がこの目的のためにより厚くなるように設計されている必要がない、という利点がある。これはケーブルタイの安定性にとって有利である。
【0075】
別法としてまたは加えて、ケーブルタイストリップが、ケーブルタイストリップに沿って延びるアパーチャまたは溝を外側に有することが実現され得る。アパーチャは、この事例では、軟質部品と同様にケーブルタイストリップの大部分にわたって延びていてよいが、好適にはケーブルタイストリップの全体にわたって延びていてよい。これには、それでも、上のパラグラフで考察される利点と共に、材料を節約しながらケーブルタイストリップの厚さを増大することが達成される、という利点がある。さらに、押し込み動作中にアパーチャの中に係合されるような、対応する保持装置の第2のガイドスロットの第1の支持表面内の対応する突出部により、ケーブルタイおよびひいては結束される材料が荷重下であっても意図される位置で高い信頼性で保持される。
【0076】
別法としてまたは加えて、ケーブルタイストリップの境界領域の各々が、ケーブルタイストリップに沿って延びる凹部を有することが実現され得る。したがって、凹部はケーブルタイストリップの内側で延びている。これにより、凹部の中に係合される、第2のガイドスロットの第2の案内表面内にある対応するラグにより、ケーブルタイストリップの荷重由来の変形の発生時にケーブルタイストリップが幅方向に滑ることが妨げられ得、つまり防止され得る。これは、具体的には上のパラグラフで言及されるアパーチャとの組み合わせで、具体的には保持装置内の対応する突出部と共に、ケーブルタイおよび結束される材料を特に高い信頼性で案内および保持するという働きをする。
【0077】
別の実施形態では、関連付けられる縁部側の方を向く境界領域内でケーブルタイストリップの厚さを減少させることが実現される。具体的には、厚さは少なくとも局所的に線形的に減少し、その結果、ケーブルタイストリップの内側が、幅方向の断面において、境界領域内においてケーブルタイストリップの外側に対して少なくとも局所的に傾斜することになる。ここでは、境界領域において内側が15度で、または所定の許容誤差を有して約15度で傾斜することが好ましい。許容誤差は、例えば、2度、5度、10度、または15度であってよい。これには、硬質部品と結束される材料との間の間隔が境界領域内において増大するという利点がある。さらに、内側のこの傾斜プロフィールにより、ケーブルタイストリップの安定性も向上する。最後に、それに対応して、この手法では、第2のガイドスロットの第2の支持表面を、第2のガイドスロットの第1の支持表面に対して傾斜させるように、また例えば言及したように15度だけ傾斜させるように、設計することが可能となる。これにより保持装置内の曲げ荷重が低減され、さらには保持装置と結束される材料との間の間隔を増大することが可能となる。
【0078】
代替的実施形態では、本発明が、上述した高くなっている中央領域を備えるケーブルタイをさらに包含することができ、この事例では、高くなっている中央部分が軟質部品ではなく硬質部品から形成されている。この事例では、硬質部品で構成されている一部片デザインのケーブルタイが有利である。ここでは、例えばケーブルタイおよびケーブルタイに付随する保持装置にかかる熱負荷が比較的小さいことが予期される場合に好都合であるようなコスト面での利点が得られる。したがって、軟質部品に関してここでおよび後で説明される利点および有利な実施形態は、幾何学的形態およびコンポーネントが軟質部品によって実現されるのではなく幾何学的形態およびコンポーネントが硬質部品によって実現される実施形態にも適用され得る。
【0079】
したがって、ケーブルタイヘッドの比較的近くに位置するケーブルタイストリップの第1の端部領域において、軟質部品の厚さが、ケーブルタイヘッドの方を向くケーブルタイストリップの端部に向かってつまりケーブルタイヘッドに向かって傾斜するように増大することが実現される。ここでは、この傾斜部分の領域の軟質部品の厚さが1.5倍から3.5倍の間でまたは好適には2.5倍で増大してよい。これには、一つには、完全な組み立て状態において通常はケーブルタイヘッドの近傍に生じる曲げ荷重が、結束される材料に対して押圧されているケーブルタイヘッドにより少なくとも部分的に補償され得る、という利点がある。しかし、具体的には、上記傾斜部分により、ケーブルタイヘッドの領域内の結合剤と保持装置との間隔を保証することが可能である。したがって、例えば、上で深く言及した保持装置を、全体としてあるいは1つまたは複数の側の領域において、ケーブルタイヘッドの周りに堅固に係合させることが可能であり、また、保持装置に例えば高温である結束される材料に接近する危険性を有させることなく、対応するガイドスロットにより正確な案内を保証することが可能である。さらに、ケーブルタイヘッドの方を向く傾斜部分の端部が、保持装置のための当接表面としても設計され得、例えば保持装置のブリッジとの戻り止め表面としても設計され得る。この場合、この目的のために、具体的には、傾斜部分の当接表面とケーブルタイヘッドの前方側またはケーブルタイストリップのためのケーブルタイヘッド内の案内表面との間の間隔をブリッジの幾何学的寸法に対して適合させることが必要となる。
【0080】
したがって、ここでは、具体的には、増大した厚さを有する傾斜部分の端部領域の軟質部品がケーブルタイストリップの内側にリップを有することが実現され得、このリップが硬質部品から離間されており、つまり非ゼロの間隔を有し、厚さの増大した端部領域からつまり傾斜部分からケーブルタイヘッドの方向に延在する。この事例では、リップは好適にはケーブルタイストリップから離れる方向に延在してもよい。したがって、リップは具体的にはケーブルタイヘッドの方向における傾斜部分の延長部分として理解されてよく、これは好適にはケーブルタイヘッドの方に向かうにつれてつまりケーブルタイヘッドの後方側に向かうにつれてケーブルタイストリップから漸進的にさらに離れるように移行していく。したがって、軟質部品は、具体的には第1の端部領域において、正方向に離型された幾何形状(positively demolded geometry)を有する。
【0081】
リップは、ケーブルタイストリップの長手方向において片持ち式である翼部分と称されてもよい。具体的には、リップは、ケーブルタイヘッドに近い方のケーブルタイの端部の内側に、またはケーブルタイヘッドに垂直に付けられる突出部内で、ケーブルタイヘッドの案内表面に接近するかまたは上記案内表面のところまで延在する。ここでは、案内表面がケーブルタイヘッド内でケーブルタイストリップの内側を案内するように機能する。リップが案内表面のところまで延在する場合、リップが、ケーブルタイヘッドを通るように押されるケーブルタイストリップの内側に触れることができるか、または結束される材料を少なくとも結束したときに上記内側に触れることができる。
【0082】
これには、傾斜部分とケーブルタイヘッド内の戻りデバイスの内側との間の間隔が低減され、ひいてはケーブルタイヘッドがケーブルタイストリップに戻り止め係合されているときのケーブルタイヘッドの領域内の軟質部品の異なる領域の間の隙間がその大きさを低減される、という利点がある。したがって、結束される材料が保持デバイスに接触することになる危険性も軽減される。提案される保持装置のうちの1つの保持装置を用いずに、つまりリップを有さない傾斜部分との関連でケーブルタイが使用される場合、結束される対応する材料を用いてより円に近い(rounder)ループを得ることが可能であり、これがケーブルタイの使用の融通性を向上させる。
【0083】
別の好適な実施形態では、ケーブルタイヘッドからさらに離れるケーブルタイストリップの第2の端部領域において、ケーブルタイヘッドの反対側を向くケーブルタイストリップの端部に向かって、軟質部品が隆起部を有することが実現される。この隆起部は、ケーブルタイヘッドの反対側を向く端部の方向において最初に増大してその後で0まで減少するつまり漸進的に減少するような、第2の端部領域内の軟質部品の厚さによって形成されている。したがって、ここでは、軟性部品が傾斜する隆起部を備える。傾斜する隆起部の領域におけるケーブルタイストリップの全体の厚さは、ケーブルタイヘッド内でのケーブルタイストリップの挿入および戻り止め係合のための開口部の開口サイズを超えていてよい。このことは、ケーブルタイヘッドの中へのまたはそこを通してのケーブルタイストリップの挿入中に第2の端部領域においてケーブルタイストリップが変形することができるため、問題とはならない。加えて、ケーブルタイストリップが第2の端部領域内に歯を有さないことから、ケーブルタイストリップの第2の端部領域をケーブルタイヘッドの中に挿入することで、ケーブルタイヘッドがケーブルタイストリップに戻り止め係合されることがない。
【0084】
これには、歯付きのケーブルタイストリップをケーブルタイヘッドの戻り止めデバイスとの戻り止め動作(これはしばしば、困難さを伴ってしか解除され得ないかまたはツールを使用してしか解除され得ない)に関与させることなく、ケーブルタイが最初に第2の端部領域のところでケーブルタイヘッドの中へとまたはそこを通るように挿入され得る、という利点がある。しかし、これに加えて、軟質部品により、または軟質部品によって形成されている傾斜する隆起部により、ケーブルタイヘッドを通るように隆起部が挿入された後でケーブルタイストリップが意図されずにケーブルタイヘッドからひとりでに再び解除されることがないことが保証される。しかし、それにもかかわらず、このようにして予め組み立てられるケーブルタイはツールを用いずに再び解除され得、それにより組み立てプロセスの融通性が向上する。
【0085】
別の実施形態では、第2の端部領域内の外側で、具体的には対応する端部に隣接するところで、硬質部品が高くなっている摺動用突出部を有することが実現される。上記摺動用突出部が好適には中央に配置されている。具体的には、摺動用突出部が球状セグメント形状の形態である。摺動用突出部は保持装置を通るようにケーブルタイを押すのをより容易にし、また特には保持装置の第2のガイドスロットが弓形の第1の支持表面を有する事例において有利である。その理由は、摺動用突出部により、ケーブルタイが第2のガイドスロットの中で引っ掛かることが防止されるからである。
【0086】
別の有利な実施形態では、ケーブルタイストリップ内の第2の端部領域と歯との間におよび/または端部領域と軟質部品とに間に戻り止めばね要素を設けることが実現される。これには、歯付きのケーブルタイストリップをケーブルタイヘッドの戻り止めデバイスとの戻り止め動作(これはしばしば、困難さを伴ってしか解除され得ないかまたはツールを使用してしか解除され得ない)に関与させることなく、ケーブルタイが最初に第2の端部領域のところでケーブルタイヘッドの中へとまたはそこを通るように挿入され得る、という利点がある。これに加えて、戻り止めばね要素により、ケーブルタイヘッドを通るように隆起部が挿入された後でケーブルタイストリップが意図されずにケーブルタイヘッドからひとりでに再び解除されることがないことが保証される。しかし、それにもかかわらず、このようにして予め組み立てられるケーブルタイはツールを用いずに再び解除され得、それにより組み立てプロセスの融通性が向上する。この事例では、上述の傾斜する隆起部が、ケーブルタイストリップがケーブルタイヘッドを通るように意図されずにさらに押されるのを、およびケーブルタイヘッド内の歯との戻り止め動作に関与するのを防止することができる。
【0087】
別の有利な実施形態では、内側で軟質部品が溝を有することが実現され、この溝が軟質部品のストリップの大部分にわたって軟質部品のストリップに沿って延在する。ここでは、ケーブルタイヘッドが、ケーブルタイヘッドを通るようにケーブルタイストリップを押すための開口部内において、その開口部の内側に、突出部を有し、開口部を通るようにケーブルタイストリップが押されるときにこの突出部が溝の中へと突出する。これには、ケーブルタイヘッドの安定性が向上し、またケーブルタイヘッドによるケーブルタイストリップの案内を改善することが実現される、という利点がある。ここで特に有利であるのは、上のパラグラフで説明される軟質部品の傾斜する隆起部と組み合わされることであり、傾斜する隆起部は、例えば、溝の端部のところに配置され得、したがってこの事例では、突出部が上のパラグラフで述べた利点を達成するために傾斜する隆起部と相互作用する。
【0088】
また、突出部は溝とは無関係に提供されてもよい。溝が存在する場合および溝が存在しない場合のいずれでも、突出部は上記のような程度で突出するように設計されていてよく、それに対応してケーブルタイストリップが以下のように設計されている:ケーブルタイストリップがケーブルタイヘッドを通るように押されたときに硬質部品と突出部との間の間隔が軟質部品の厚さより小さくなり、つまり軟質部品が突出部によって変形させられる。硬質部品に対して突出部が相対的に接近していることにより、ケーブルタイストリップの支持が改善されることで引張荷重の作用下でのケーブルタイストリップの変形が低減され、したがってケーブルタイの信頼性が向上する。軟質部品により、この変形は従来のケーブルタイの場合よりも顕著なものとなる。
【0089】
別の実施形態では、戻り止め凸部をケーブルタイストリップの歯の中に係合させるための戻り止め用縁部を幅方向において湾曲させることが実現される。したがって、ケーブルタイストリップの荷重由来の変形の発生時に戻り止め用縁部の全幅にわたって戻り止め凸部が歯に係合された状態を維持することが達成される。これによりケーブルタイの信頼性が向上し、このことは、特に、軟質部品があることで荷重下の変形を制御することがより困難となるため、重要なことである。
【0090】
別の実施形態では、ケーブルタイヘッドに対してケーブルタイストリップが戻り止め係合されるときに歯に接触しない戻り止め凸部の領域よりも戻り止め用縁部のところで戻り止め凸部がより幅広となることが実現される。これには、ケーブルタイストリップに荷重が加えられてケーブルタイストリップが変形する場合に、この時点では弓形のケーブルタイストリップの境界領域が戻り止め係合から外すように戻り止め凸部を押すことがなくなる、という効果がある。というのは、戻り止め用縁部の境界領域が歪むことができるからである。また、こうすることより、ケーブルタイの信頼性が向上する。
【0091】
別の特に有利な実施形態では、軟質部品が内側で、ケーブルタイストリップの大部分にわたって硬質部品に沿って、ケーブルタイストリップの長手方向である主延在方向に少なくとも2つのストリップの形態で延在することが実現される。ここでは、特には、ケーブルタイヘッドの戻り止めデバイスのための歯を硬質部品によりストリップの間に形成することが可能である。この事例では、内側に歯を付けられるケーブルタイストリップが形成されており、この内側に歯を付けられるケーブルタイストリップが歯の側部までの軟質部品のストリップを有する。別法として、ここでは、または他の述べられる実施形態において、硬質部品によって形成されているケーブルタイストリップの外側にも歯を形成することが可能である。この事例では、外側に歯を付けられるケーブルタイストリップが形成されている。
【0092】
ここでは、ストリップの間の空気クッションにより追加的に断熱が実現されるという利点が得られる。したがって、さらには、歯がごみから特に良好に保護されることになり、その結果、ケーブルタイヘッドとケーブルタイストリップとの間の戻り止め接続の耐荷重能力の低下が悪条件下においても阻止される。したがって、外側でもケーブルタイがごみによって汚染されることが減り、つまり清潔にすることが容易になる。また、軟質部品の少なくとも2つのストリップを使用することにより、完全に組み立てられた状態での軸方向の静止摩擦を増大させることが可能である。
【0093】
別の特に有利な実施形態では、軟質部品、または軟質部品のストリップが、内側にプロフィールまたは構造を有することが実現される。上記構造または上記プロフィールは、この事例では、その深さが軟質部品の厚さの33パーセントから66パーセントの間、また好適には45パーセントから55パーセントの間である構造またはプロフィールを有することができる。これには、結束される材料の静止摩擦と、振動および衝撃荷重の発生時に固体材料に接触することの結果としての摩耗からの、結束される材料の保護とが改善され得る、という利点がある。
【0094】
ここでは、具体的には、プロフィールが、ケーブルタイストリップの長手方向に沿って交互の形で配置されている、少なくとも1列の、また好適には具体的には平行の2列の三角形を有することが実現され得る。ここでは、三角形が具体的には等しくてよい。三角形の頂点が、この事例では、ケーブルタイまたはケーブルタイストリップの長手方向に対して好適には垂直に方向付けられる。具体的には、プロフィールのこの提示される実施形態は、ここでは、結束される材料の軸方向の動きを制限することにおいて特に有利であり、好都合であることが試験により分かっている。また、提示される構造は製造することに関しては凸形表面上で実現することが困難であることから、ここではケーブルタイに取り付けられることが特に有利である。
【0095】
別の有利な実施形態では、硬質部品が、内側で、軟質部品によって覆われる表面領域において、軟質部品上に積極的に押止するような形でまたは非積極的に押止するような形で配置されている少なくとも1つの結合要素、しかし好適には多数の結合要素を有することが実現される。ここでは、硬質部品および軟質部品が、具体的には、切込み部分により、また好適には硬質部品により軟質部品が封入されることにより、形成され得る。これには、硬質部品および軟質部品が互いに特に密に接続される、さらには硬質部品において固定されて一定であることを維持し、したがって例えば最終的な組み立て時などの可撓性のケーブルタイの変形時であっても、結束される材料を高い信頼性および融通性を有する形で所定の位置で保持する、という利点がある。この変形時とは、ケーブルタイストリップがケーブルタイヘッドを通るように挿入されてその中での戻り止め動作に関与するときである。
【0096】
ここでは、結合要素が、具体的には切込み部分を備えるポケットである、ポケット、および/または具体的にはマッシュルーム形状のペグである、ペグを備えることができる。別法としてまたは加えて、結合要素が、ケーブルタイストリップの長手方向に平行に延びる溝および/または高くなっているレールを備えることができる。この場合、例えば硬質部品により軟質部品が封入されていることによりまたは硬質部品に対して軟質部品が接着剤により結合されていることにより、硬質部品と軟質部品との間で高い信頼性の接続を実現することが可能である。この事例では溝およびレールにより長手方向において軟質部品が硬質部品に対して一定程度の遊びを有することが可能となることから、このケーブルタイの最終的な組み立てが特に自由に動ける形で実施され得る。
【0097】
d)組み立て方法
本発明はまた、保持装置およびケーブルタイにより結束される材料を別のコンポーネントに固定するための組み立て方法に関連する。
【0098】
ここでは、保持装置が、少なくとも部分的に、つまり部分的にまたは全体として、また好適には大部分において、プラスチックから製造され、保持装置を別のコンポーネントに固定するための固定用脚部と、固定用脚部内に配置されている固定用ヘッドとを有し、固定用ヘッドが、保持装置を通るようにケーブルタイストリップを押す通すためのおよび保持装置上でケーブルタイを保持するための通過領域を有する。ここでは、保持装置の全体がプラスチックから形成され得るか、または少なくとも固定用ヘッドの全体がプラスチックから製造され得る。ケーブルタイが、歯付きのケーブルタイストリップと、ケーブルタイヘッドを通るようにケーブルタイストリップが押されるときに歯付きのケーブルタイストリップへの戻り止め係合のための戻り止めデバイスを備えるケーブルタイヘッドとを有する。
【0099】
ここでは、この方法が以下のステップを含む:保持装置を別のコンポーネントに固定すること。まず保持装置の通過領域を通るようにケーブルタイストリップを押し込むこと。結束される材料をケーブルタイおよびひいては保持装置に固定することであって、ケーブルタイヘッドを通してケーブルタイストリップを挿入する形で、結束される材料の周りにケーブルタイのループを形成することを含む、こと。ここでは、結束される材料が、具体的には間隔を有する形でつまり非接触の形で、保持装置上でケーブルタイのみによって保持される。これは、反対に方向付けられる各々の事例の少なくとも一対の支持表面を備える異なる形で方向付けられる少なくとも2つのガイドスロットにより、保持装置の通過領域内で正確な外形を有する形でケーブルタイが受けられることにより、実現され、ここでは、少なくとも1つの第1の対の支持表面を備える第1のガイドスロットにより、ケーブルタイがケーブルタイヘッドのおよび/またはケーブルタイストリップの縁部側で表面領域に当接する状態で保持され、ケーブルタイヘッドおよび/またはケーブルタイストリップが各々の事例においてガイドスロットの支持表面の各対の間に少なくとも部分的に配置されている。具体的には、ここでは、内側の内側に位置する境界領域に対して高くなっている例えば中央部分内において、ケーブルタイの内側のみが結束される材料に接触する。具体的には、ケーブルタイが、少なくとも1つの第2の対の支持表面を備える第2のガイドスロットにより、ケーブルタイストリップの内側に位置する境界領域のところで表面領域に当接する形で、保持装置の通過領域内で保持され得る。ここでは、内側に位置する中央領域により境界領域が分離されており、ここでは、ケーブルタイが保持装置に当接して保持されない。
【0100】
有利な一実施形態では、結束される材料の周りにケーブルタイのループを結束することが、2回目として、保持装置の通過領域を通るようにケーブルタイストリップを押し込むことを含むことが実現される。
【0101】
保持装置、固定システム、およびケーブルタイのために言及される利点および有利な実施形態は、ここでは、対応する形で、組み立て方法にも適用される。
【0102】
本明細書において上で言及される特徴および特徴の組み合わせ、ならびに図の説明において後で言及されるおよび/または図のみに示される特徴および特徴の組み合わせは、それぞれの指定される組み合わせのみではなく、本発明の範囲から逸脱することなく他の組み合わせでも使用され得る。したがって、本発明は、図中で明確に示されたり考察されたりしないが個別の特徴の組み合わせにより考察される実施形態から明らかとなってそこから作られ得るような実施形態も包含および開示するものとみなされる。したがって、当初記載された独立請求項の特徴をすべて有するわけではない実施形態および特徴の組み合わせも開示されるものとみなされる。さらに、具体的には上で提示される実施形態により、特許請求の範囲の後方参照で実現される特徴の組み合わせの範囲を越えるかまたはそこから逸脱する実施形態および特徴の組み合わせも開示されるものとみなされる。
【0103】
ポジティブロック当接するということの定義に関しては、少なくとも2つの接続されているパートナーを互いに対して係合させることの結果として積極的に押止する形での接続がなされるものとする。したがって、接続されているパートナーは、力の伝達がない場合でもまたは力の伝達が中断される場合でも互いから解除され得ない。言い換えると、積極的に押止する形での接続の事例では、接続されている一方のパートナーがもう一方のパートナーを塞ぐことになる。操作上の荷重が存在する場合、接続されているパートナーの表面に垂直に、つまりそれらに対して直角に、圧力が作用する。このような「閉塞」が少なくとも1つの方向で起こる。第2の一様な表面の対が反対側に配置される場合、反対方向も閉塞される。この対が例えば互いに同軸である2つの円筒表面で構成されている場合、円筒軸に対して垂直な面の全方向において接触的な押止がなされることになる。
【0104】
概略図に基づいて本発明の例示の実施形態を以下でさらに詳細に考察する。
【図面の簡単な説明】
【0105】
図1】保持装置の第1の例示の実施形態を示す斜視図である。
図2】保持装置を通るように押されているケーブルタイの例示の実施形態としての、図1の実施形態を示す別の斜視図である。
図3】結束される材料を有さない完全に組み立てられた状態のケーブルタイの例示の実施形態での、図1の保持装置を示す図である。
図4】保持装置の例示の別の実施形態を示す斜視図である。
図5】保持装置を通るように押されているケーブルタイの例示の実施形態としての、図4の実施形態を示す別の斜視図である。
図6】結束される材料を有さない完全に組み立てられた状態のケーブルタイの例示の実施形態での、図4の保持装置を示す図である。
図7】ケーブルタイのケーブルタイヘッドが端部位置に到達する程度で保持装置を通るように押されたケーブルタイの例示の実施形態での、第3の例示の保持装置を示す斜視図である。
図8図7に示される図を示す別の斜視図である。
図9】完全に組み立てられた状態の図7の保持装置およびケーブルタイを示す図である。
図10図10aはケーブルタイの例示の実施形態を示す下面図である。
【0106】
図10bはケーブルタイの例示の実施形態を示す断面図である。
【0107】
図10cはケーブルタイの例示の実施形態を示す側面図である。
【0108】
図10dはケーブルタイの例示の実施形態を示す上面図である。
【0109】
図10eはケーブルタイの例示の実施形態を示す断面図である。
図11】ケーブルタイストリップを備えるケーブルタイヘッドの例示の実施形態を示す斜視図である。
図12】例示の保持装置上の完全に組み立てられた状態の例示のケーブルタイを示す側面図である。
図13】硬質部品および軟質部品を備えるケーブルタイストリップの例示の実施形態の内側表面を示す詳細斜視図である。
図14】結束される材料を有する完全な組み立てられた状態のケーブルタイの例示の実施形態での、保持装置を示す概略図である。
図15図4の保持装置の例示の変形形態を示す斜視図である。
図16】保持装置の別の例示の実施形態を示す斜視図である。
図17】例示のケーブルタイが閉じられてループを形成している状態の、図16の保持装置を示す側面図である。
図18】閉じられていない例示のケーブルタイが保持装置の中に押し込まれている状態の、図16の保持装置を示す斜視図である。
図19図19aはケーブルタイの別の例示の実施形態を示す下面図である。
【0110】
図19bはケーブルタイの別の例示の実施形態を示す断面図である。
【0111】
図19cはケーブルタイの別の例示の実施形態を示す側面図である。
【0112】
図19dはケーブルタイの別の例示の実施形態を示す上面図である。
【0113】
図19eはケーブルタイの別の例示の実施形態を示す断面図である。
図20図20aはそれぞれの例示の保持装置と共に、境界領域内で傾斜する内側を有するケーブルタイの例示の実施形態を示す断面図である。
【0114】
図20bはそれぞれの例示の保持装置と共に、境界領域内で傾斜する内側を有するケーブルタイの例示の実施形態を示す断面図である。
図21図21aはケーブルタイおよび保持装置の例示の実施形態を示す別の断面図である。
【0115】
図21bはケーブルタイおよび保持装置の例示の実施形態を示す別の断面図である。
【0116】
図21cはケーブルタイおよび保持装置の例示の実施形態を示す別の断面図である。
図22】ケーブルタイの別の実施形態を示す斜視図である。
図23】ケーブルタイストリップがケーブルタイヘッドの中に挿入された状態の、図22のケーブルタイを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0117】
これらの図では、等しいまたは機能的に等しい要素は同一の参照符号によって示される。
【0118】
図1が保持装置の第1の例示の実施形態を示す。この事例では、示される保持装置1が固定用脚部2および固定用ヘッド3を装備し、固定用脚部2および固定用ヘッド3が垂直方向であるy方向において一方がもう一方の上にくるように配置されている。ここでは、固定用脚部2が、保持装置1を通るようにケーブルタイ13(図2)のケーブルタイストリップ17(図2)を押すためのおよび保持装置1上でケーブルタイ13を保持するための通過領域4を有する。ここでは、通過領域4が、正確な外形を有する形でケーブルタイを受けるために、反対に方向付けられる各々の事例の少なくとも一対の支持表面5a、5bおよび6a、6b、6b’をそれぞれの備える異なる形で方向付けられる少なくとも2つのガイドスロット5、6を有する。支持表面の対の各々が、平行に配置されている支持表面5a、5bおよび6a、6b、6b’を有することができる。
【0119】
示される実施例では、固定用ヘッド3が通過領域4内にある2つのアーム7および8をさらに有する。上記アームの各々が、固定用脚部2の方を向く脚部領域7a、8aと、固定用脚部2の反対側を向く端部領域7c、8cと、脚部領域7a、8aと端部領域7c、8cとの間に位置するそれぞれの中央領域7b、8bとを有する。この実施例では、それぞれの中央領域7b、8bが、互いの方を向く、第1のガイドスロット5の内側に位置する支持表面5a、5bを有する。
【0120】
示される実施例では、2つのアーム7、8の脚部領域7a、8aが第2のガイドスロット6の第1の支持表面6aを形成するかまたは提供することになる。したがって、第2のガイドスロット6の第1の支持表面6aが、少なくとも局所的に、2つの脚部領域7a、8aを備える。示される実施例では、第1の支持表面6aが平らであり、x-z平面に延在し、この事例では垂直方向またはy方向に対して垂直である。したがって、第1の支持表面6aの法線ベクトルが正のy方向を指す。示される実施例では、それぞれのさらなる別の支持表面6b、6b’が2つのアーム7、8の端部領域8c、7c内に配置されているか、またはアーム7、8によって形成されている。この事例では、これらが負のy方向を指す法線ベクトルを有する。それに対応して、支持表面6aおよび6b、6b’が反対に方向付けられ、この事例では、やはり互いに反対側に配置されている。これらの間に、ケーブルタイ13を受けるための自由空間が設けられ、その結果、例えば、完全に組み立てられた状態において、ケーブルタイストリップ17の一領域がそれぞれの支持表面6aおよび6b、6b’の間に配置されることになる。
【0121】
示される実施例では、さらなる別の支持表面6b、6b’がx-y平面において第2のガイドスロット6の第1の支持表面6aの方へと傾斜し、それにより正のx方向において漸進的に縮小する円錐または漏斗形状を形成する。これには、ここでは押し込み方向D(図2)と称され得るx方向においてケーブルタイ13が通過領域4を通るように押されるときにケーブルタイ13が正確な外形を有する形でガイドスロットの方へと案内され得る、という効果がある。ここでは、第1の支持表面6aが、完全な組み立て状態において結束される材料39(図14)の反対側を向くケーブルタイ13の外側21(図3)に接触する形で、通過領域4を通るように押されるケーブルタイ13に当接するようにまたはケーブルタイ13を案内するように設計されており、また、さらなる別の支持表面6b、6b’が、完全な組み立て状態において結束される材料39の方を向くように方向付けられるケーブルタイ13のそれぞれの境界領域12、12’(図2)に当接するように設計されている。上記境界領域12、12’は、この事例では、各々の事例のケーブルタイ13の1つの縁部側23、23’(図3)に隣接し、ケーブルタイ13の内側22(図3)上で中間領域または中央領域によって互いから分離される。したがって、第1の支持表面6aと1つのさらなる別の支持表面6bと間の間隔dまたは第1の支持表面6aともう一方のさらなる別の支持表面6b’との間の間隔d’が、この事例では境界領域12、12’内にあるケーブルタイ13の厚さdKB図10)に対して適合されており、それにより具体的には積極的に押止する形で上記ケーブルタイを案内する。境界領域12、12’内のケーブルタイ13の厚さdKBはこの事例では完全な組み立て状態において軸方向で測定される。
【0122】
示される実施例では、第1のガイドスロットの第1の支持表面5aが正のz方向を指す法線ベクトルを有し、第2の支持表面5bが負のz方向を指す法線ベクトルを有し;したがって、上記支持表面が異なる形で方向付けられ、この事例では反対に方向付けられる。ここでは、2つの支持表面5a、5bが各々に事例においてy-x平面内を平行に延び、(既に可能ではあるが)容易に挿入され得るようにするために、互いに対してわずかに傾斜しており、つまり例えば5度未満、10度未満、または15度未満の大きさで傾斜する。通過領域4が2つの支持表面5a、5bの間を延在するため、つまり上記支持表面が空の空間または自由空間によって分離されているため、完全な組み立て状態ではケーブルタイ13が2つの支持表面5a、5bの間に配置されている。この事例では、2つの支持表面がやはり互いに反対側に位置する。ここでは、2つの支持表面5a、5bの互いに対しての間隔d、具体的には2つの支持表面5a、5bの互いに対しての最小の間隔dが、保持装置1によって保持されることになるケーブルタイ13の幅bKB、bKB’(図10)に対して適合されており、これは具体的には、ケーブルタイ13の縁部側23、23’接触させる形で2つの支持表面5a、5bに対してポジティブロック当接することを目的とする。
【0123】
この事例では、さらに、2つのガイドスロット5、6が互い対して開いており、それぞれの支持表面5a、5b、6a、6b、6b’が互いの方へと移行している。したがって、それぞれの支持表面5a、5b、6a、6b、6b’に対して垂直な断面において、上記支持表面が局所的に変形する開いているリングを形成し、このリングが2つ並進軸でケーブルタイ13を案内し、したがって残りの1つの並進方向への並進的な動きを制限する。
【0124】
この事例のガイドスロット5、6は、示される実施例では、互いに対いて約90度傾斜しており、ここでは、ガイドスロット5、6の向きが、ガイドスロット5、6に付随する支持表面5a、5b、6a、6b、6b’の平均の向きによって画定されている。平均の向きは、例えば、ガイドスロット5、6に付随する支持表面5a、5b、6a、6b、6b’のそれぞれの法線ベクトルを減算することによって決定され得る。
【0125】
示される実施例では、2つのアーム7、8がそれらの端部領域7c、8cにおいてブリッジ9によって接続されている。このようにして、孔状の通路が通過領域4内に形成されており、この通路が支持表面5a、5b、6a、6b、6b’およびブリッジ9によって境界を画定されている。ここでは、例えば、y方向の通過領域の高さhをブリッジ9により高さhに制限することが可能となる。この事例では、高さhがケーブルタイストリップの最大高さにつまり垂直方向におけるケーブルタイストリップ17の最大厚さdより小さくてよいおよび/またはそれに等しくてよい。この事例では、垂直方向がy方向である。
【0126】
示される実施例ではまた、ブリッジ9の幅bが目標を有する形で予め画定されている。示される実施例では、幅bが、この事例ではx方向である押し込み方向Dに平行に、さらには第2のガイドスロット6のさらなる別の支持表面6b、6b’に平行に測定される。これは、通過領域の中まで押し通されることになるケーブルタイ13をケーブルタイ13の内側22からケーブルタイストリップ17の対応する戻り止め表面19(図2)に戻り止め係合させるように働く。これは図2で詳細に見ることができる。ここでは、幅bが、例えば、ケーブルタイ13上の、ケーブルタイストリップ17の方を向くケーブルタイヘッド16の前方側25(図10)と、ケーブルタイヘッド16の方を向く、ケーブルタイストリップ17の戻り止め突出部としての傾斜部分18(図2)の戻り止め表面19との間の間隔d図10)に対応する。ここでは、幅bは、別法として、例えば、ケーブルタイヘッド13上の、ケーブルタイヘッド16の内部の案内表面35(図10)とケーブルタイヘッド16の方を向く戻り止め表面19との間の間隔に対応してもよい。
【0127】
最後に、この事例は、保持装置1が、ブリッジ9およびアーム7、8の上に、ケーブルタイストリップ17の方を向くケーブルタイヘッド16の前方側25の表面領域に当接するための、押し込み方向Dに対して少なくとも実質的に垂直に方向付けられる当接表面10をさらに有する。上記当接表面10は、この事例では、ブリッジ9、および2つのアーム7、8の端部領域7c、8cの全体を含み、さらには中央領域7b、8bを部分的に含む。固定用脚部に近い当接表面10の領域では、上記当接表面が、2つのアーム7、8の脚部領域7a、8aによって少なくとも局所的に形成されている案内表面11によって隣接されていてよい。示される実施例では、上記案内表面11が平らであり、z軸に対して傾斜しており、したがって、押し込み方向Dの押し込み動作中、ケーブルタイヘッド16が案内表面11に当接するとすぐにケーブルタイ13がz軸を中心として回転させられるようになり、内側に位置する境界表面12、12’が支持表面6bおよび6b’に対して押圧される。
【0128】
図2が、保持装置1の通過領域4を通るようにケーブルタイ13が押されているときの図1の保持装置を示す。この実施例では、ここではケーブルタイ13が内側22に軟質部品14を有する。軟質部品14がストリップとして形成されており、結束される材料39のための当接表面15を形成する。軟質部品14が、境界領域12、12’の間の中間領域または中央領域においてケーブルタイストリップ17の内側22に取り付けられ、ケーブルタイヘッド16に隣接する。ここでは、ケーブルタイヘッドに近いケーブルタイストリップ17の端部領域で、軟質部品14が傾斜部分18を形成する。
【0129】
傾斜部分18は、例えば、ケーブルタイヘッド16に向かう方向において、y方向に増大する軟質部品14の厚さdWKによって形成されている。ここでは、傾斜部分18が、軟質部品14の端部のところに、ケーブルタイヘッド16の方を向くように方向付けられる当接表面または戻り止め表面19を形成する。示される実施例では、硬質部品20の厚さdHKおよび軟質部品14の厚さdWKが、傾斜部分18の一領域において、通過領域4の高さhよりも総じて大きい。これにより、ケーブルタイ13が通過領域4を通るように押されてケーブルタイヘッド16が保持装置1に接近するとき、傾斜部分18の戻り止め表面19をブリッジ9との戻り止め動作に関与させるためには打ち勝たなければならないわずかな抵抗が生じることになる。
【0130】
ケーブルタイ13が保持装置1に対して押圧されて保持装置1との戻り止め動作に関与するとき、この実施例では、傾斜する案内表面11によりケーブルタイヘッド16が正のy方向においてブリッジ9に対して押圧され、その結果、ブリッジ9が傾斜部分18との戻り止め動作に確実に関与するようになる。さらに、このようにして、境界領域12、12’が支持表面6b’および6bに対して押圧される。
【0131】
次いで、図3が、図2の例示のケーブルタイ13が完全な組み立て状態にある、図1の保持装置1を示す。ここでは、ケーブルタイヘッド16および傾斜部分18が戻り止め表面19との戻り止め動作に関与するようになるまで、ケーブルタイ13が通路または通過領域4を通るように押されている。ここでは、ケーブルタイストリップ17がケーブルタイヘッド16を通して挿入されており、ケーブルタイヘッド16との戻り止め動作に関与している。ここでは、明瞭さのために、この事例ではケーブルタイストリップ17の外側21上にあることが考えられ得るような、ケーブルタイストリップ17の歯が示されていない。ここでは、ケーブルタイ13の軟質部品14および硬質部品20に加えて、ケーブルタイ13の内側22および内側の境界領域12、ならびに縁部側23がさらに示されている。この実施例では、結束される材料39がここでは、ケーブルタイ13によって形成されているループを通ってz方向に延在することになる。ここでは、軟質部品14によって形成されている当接表面15に当接する結束される材料が、内側領域22の残りの部分から、具体的には境界領域12、12’から離間されて保持される。したがって、結束される材料39が、ケーブルタイ13の硬質部品20および保持装置1の両方から所定の間隔を有するように保持されることになる。示される実施例では、傾斜部分18は、保持装置1に対して間隔d図12および14)を有するように非接触の形で保持されるためには不可欠なものである。
【0132】
次いで、図4が保持装置1の別の例示の実施形態を示す。図1から3に示される保持装置1の事例と同様に、この保持装置1は、2つのアーム7、8と、固定用脚部2の反対側を向く端部領域7c、8c内でアーム7、8を接続するブリッジ9とを備える固定用ヘッド3を有する。このようにして、孔状の通過領域4が実現されるが、同時にケーブルタイヘッド16(図5)のためのケージ状の構造も提供される。
【0133】
上の例示の実施形態から既に知られているように、第1のガイドスロット5の支持表面5a、5bがアーム7、8の内側に位置する側面上に設けられることになる。示される実施例では、上記支持表面が平らなデザインであり、各々の事例においてx-y平面においてアーム7、8に沿って中央領域7b、8bから端部領域7c、8cまで延在する。上の例示の実施形態から既に知られているように、第1のガイドスロット5の2つの支持表面5a、5bが、固定用脚部2の方を向く支持表面5a、5bの領域内で、第2のガイドスロット6の1つの支持表面6aの方へと移行する。この事例でも同様に、つまりこの実施例でも同様に、2つの支持表面5a、5bが、通過用開口部4を通るように押されることになるケーブルタイ13の縁部側23、23’に当接するように設計されている。
【0134】
ここでは、第2のガイドスロット6の上記1つの支持表面6aが正のy方向を指す法線ベクトルを有するが、示される実施例では、第2のガイドスロット6の対応するさらなる別の支持表面6bが反対に方向付けられ、負のy方向を指す対応する法線ベクトルを有する。しかし、ここでは、支持表面6a、6bがx方向においてオフセットされている。これには、例えば図6に示されるような完全な組み立て状態において、上記1つの支持表面6aがケーブルタイ13の外側21に当接するように配置されており、さらなる別の支持表面6bが、ケーブルタイストリップ17の方を向くケーブルタイヘッド16の前方側25に当接するように配置されている、という効果がある。これにより、ケーブルタイ13が特に好都合に安定して保持されるようになる。
【0135】
さらに、ここで示される実施形態は、反対に方向付けられてこの事例では平行である支持表面24a、24bを備える第3のガイドスロット24を有する。示される実施例では、上記支持表面24a、24bはさらに互いに対してオフセットされており、具体的にはこの事例ではy方向においてオフセットされている。第3のガイドスロット24の1つの支持表面24aがこの事例では負のx方向に方向付けられ、さらにこの実施例では第2のガイドスロット6の1つの支持表面6aに隣接し、および/または支持表面6aが支持表面24aの方へ移行している。ここでは、支持表面24aが、少なくとも局所的に、2つのアーム7、8の脚部領域7aおよび8aによって形成されており、ならびに/または脚部領域7aおよび8aに隣接する。正のx方向に方向付けられるさらなる別の支持表面24bが示される実施例ではブリッジ9によって形成されており、アーム7、8の端部領域7c、8cおよび/または第1のガイドスロット5の支持表面5a、5bの方へ移行している。したがって、ガイドスロット5、6、24が安定したケージを形成し、そのケージの中で、ケーブルタイ13がケーブルタイヘッド16の領域内で高い信頼性で保持される。ここでは、示される実施例では、それぞれのガイドスロット5、6、24が、各々の事例のそれらの支持表面5a、5b、6a、6b、24a、24bを互いに対して完全に垂直にするかまたは実質的に垂直にするように、方向付けられる。支持表面5a、5b、6a、6b、24a、24bは、互いに対して75度から105度の間、また好適には85度から95度の間の何らかの他の角度で配置されてもよい。このように互いに対して実質的に垂直な向きであることにより、ケージ状の保持装置1内でケーブルタイ13が特に良好に案内されるという利点が得られる。
【0136】
次に、図5が、押し込み方向Dにおいて通過領域4を通るように部分的に押された状態のケーブルタイ13を備える、図4の保持装置1を示す。ここでは、ケーブルタイ13がやはり例示の実施形態で示される。示される変形形態では、示されているような押し込み構成において、ケーブルタイ13が通過領域4を通るように正のx方向に押されており、外側21が正のy方向に方向付けられている。ここでは、上記ケーブルタイが、第1のガイドスロット5によりまたは第1のガイドスロット5の支持表面5a、5bにより、ケーブルタイの縁部側23、23’のところでのz方向のその動きを制限される。この事例では同様に、第2のガイドスロット6もy方向のケーブルタイ13の動きを既に制限していてよいが、これは必須ではない。というのは、この実施例では、図6に基づいてさらに考察されるように、支持表面6a、6bが図1から3に示される例示の実施形態のようにケーブルタイストリップ17の寸法に対して適合されていることに加えて、全体としてもケーブルタイ13に対して適合されているからである。2つの支持表面24a、24bを備える第3のガイドスロット24は、示される押し込み方向Dにケーブルタイ13を導くときに最初は機能しない状態を維持する。
【0137】
次いでケーブルタイ13が例えばケーブルタイヘッド16の前方側25をブリッジ9に当接させるかまたはブリッジ9の近傍まで移動させるような程度まで通過料機4の中に押し込まれると、その内側22が依然として固定用脚部2の方向に方向付けられている状態のケーブルタイ13が、意図される完全な組み立て状態を実現するためには、z軸を中心として回転しなければならない。この完全な組み立て状態は図6に示される。
【0138】
正のx方向の押し込み方向Dにおける示される押し込みに対しての代替形態として、正のy方向において押し込みを実施することも実現され得る。この場合、その後でケーブルタイ13を回転させることの必要性が排除される。しかし、正のx方向に押し込むことには以下のような利点がある:例えばx-z方向に延在する例えばパネルなどの大きいコンポーネントに非常に接近する形で通過領域4が既に取り付けられているような、制限される条件下においても、上記のことを受けてy方向において必要となる空間が最小になるのでケーブルタイ13が容易に可逆的に組み付けられた分解されたりされ得るようにもなる。
【0139】
この実施例では、支持表面5a、5bが、ケーブルタイストリップ17の縁部側23、23’に当接することおよびケーブルタイヘッド16の縁部側23、23’に当接することの両方のために設計されている。したがって、完全な組み立て状態において結束される材料39に対して比較的接近する第1の領域内における支持表面5a、5bの間隔dが、結束される材料39からより離れている支持表面5a、5bの第2のセクション内の間隔d’よりも小さくなる。したがって、支持表面5a、5bは、相対的に小さい間隔dを有する領域においては、ケーブルタイストリップ17に当接するように設計されており、相対的に大きい間隔d’を有する領域においては、ケーブルタイヘッド16に当接するようにまたはケーブルタイヘッド16の縁部側23、23’に当接するように設計されている。ここでは、固定することを改善するために、側面5a、5bもケーブルタイ13のヘッドの幾何形状に対して適合され得る。
【0140】
図6が、結束される材料39を有さない、完全な組み立て状態にある説明された保持装置1と、ケーブルタイ13とを示す。ここでは、ケーブルタイヘッド16が端部位置に位置し、保持装置1により局所的にケージ状に囲まれる。ここでは、ケーブルタイヘッド16の縁部側23、23’が第1のガイドスロット5の支持表面5a、5bに当接し、第3のガイドスロット24の1つの支持表面24aがケーブルタイヘッド16の内側22に当接し、第3のガイドスロット24のさらなる別の支持表面24bが、ケーブルタイヘッド16に隣接する領域内で、ケーブルタイストリップ17の外側表面21に当接する。第2のガイドスロット6の1つの支持表面6aは、この事例では、ケーブルタイヘッド16を通してケーブルタイストリップ17を挿入することの結果としてケーブルタイヘッド16の近傍まで通過する領域内でケーブルタイストリップ17の外側21に当接するように構成されている。第2のガイドスロット6のさらなる別の支持表面6bは、この事例では、ケーブルタイヘッド16の前方側25に当接するように構成されている。ケーブルタイストリップ17の外側21は、この事例では、ケーブルタイ13を完全には組み立てていない状態において外側によって画定されている。支持表面5a、5b、6a、6b、24a、24bは、示される実施例では、ケーブルタイ13の関連付けられる側部または表面に接触する形で正確な外形を作るように、また好適には積極的に押止するように、構成されている。
【0141】
したがって、示される完全な組み立て状態は、この実施例では、ケーブルタイ13が最初に、保持装置1の通過領域4を通るように、x方向であってよいかまたはy方向であってもよい押し込み方向Dである第1の方向に押されることにより、達成される。押し込み方向Dがケーブルタイヘッド16を端部位置に配置することに対応しない場合、つまりこの事例では押し込み方向Dがy方向ではない場合、それよりも後の時点でケーブルタイ13がz軸を中心として回転させられる。この場合、その結果、ケーブルタイストリップ17が正のy方向を指すようになる。次いで、ケーブルタイストリップ17がケーブルタイヘッド16を通るように挿入されてその中で戻り止め動作に関与することにより、結束される材料39(ここでは図示されない)の周りにループが形成されている。このようなケーブルタイヘッド16を通してのケーブルタイストリップ17の挿入中、2回目としてケーブルタイストリップ17が通過領域4を通るように押される。第2の押し込み動作によって画定されている対応する第2の押し込み方向は、この事例では、第1の押し込み方向とは異なり、この事例では第1の押し込み方向とは反対であってよい。
【0142】
したがって、まとめると、第2のガイドスロット6および第3のガイドスロット24の支持表面6a、6b、24a、24bが、ケーブルタイヘッド16を通してケーブルタイストリップ17を挿入することの結果として形成される交差領域のところに対角線上に反対側に位置する2つの角部または角部領域に当接し、したがって上記支持表面が洗練された形でy方向およびx方向においてケーブルタイ13を固定する。この事例では、z方向の変位が第1のガイドスロットによって防止される。まとめると、支持表面24bおよび6bを備えるブリッジ9、および2つのアーム7、8の脚部領域7a、8aを備える固定用ヘッド3がケージとして機能し、ここではループが閉じられることの結果としてケーブルタイ13がクランプされる。
【0143】
図7が、この事例では完全な組み立て状態においてケーブルタイヘッド16の端部位置まで既に押されているケーブルタイ13を備える、保持装置1の別のデザインの変形形態の斜視図を示す。上述の実施例において既に当てはまっていることであるが、保持装置1がこの事例では第1のガイドスロット5の支持表面5a、5bを有し、支持表面5a、5bがこの事例では互いに反対に平行に方向付けられるように構成されており、ケーブルタイストリップ17およびケーブルタイヘッド16の縁部側23、23’に当接するように設計されている。この目的のため、ケーブルタイヘッド16およびケーブルタイストリップ17がこの事例では相互に異なる幅bKB、bKB’を有するので、支持表面5a、5bが異なる間隔d、d’を有するように構成されている。したがって、さらに、ケーブルタイヘッド16の縁部側23、23’に当接するように設計されている側面5a、5bの領域内の間隔d’が、ケーブルタイストリップ17の縁部側23、23’に当接するように支持表面5a、5bが設計されているところの領域内の支持表面5a、5bの間隔dよりも大きいということになる。また、この事例では、第1のガイドスロット5がz方向に方向付けられており、つまりz方向に配置されている。
【0144】
この事例では、第2のガイドスロット6の支持表面6a、6bが保持装置1またはケーブルタイヘッド16によって隠されている。しかし、この事例では、支持表面6a、6bは各々がz-x平面に位置しており、一方の支持表面6aが正のy方向に方向付けられており、さらなる別の支持表面6bが負のy方向に方向付けられている。ここでは、さらなる別の支持表面6bが、ケーブルタイヘッド16の示される端部位置において、ケーブルタイヘッド16の前方側25(図10)に当接するように配置されている。したがって、第2のガイドスロット6のさらなる別の支持表面6bがこの事例では正のy方向である押し込み方向Dにおけるケーブルタイ13の動きを制限する。
【0145】
この事例では、第3のガイドスロット24がx方向に方向付けられており、ここでは、一方の支持表面24aがケーブルタイヘッド16の内側22に当接するように設計されており、さらなる別の支持表面24bがケーブルタイヘッド16の外側21に当接するように設計されている。したがって、第3のガイドスロット24が、z方向におけるケーブルタイ13またはケーブルタイヘッド16の並進変位を防止する。
【0146】
やはりここでも、ガイドスロット5、6、24が通過領域4内に孔状の開口部を形成し、この開口部が支持表面5a、5b、6a、6b、24a、24bによって境界を画定されている。
【0147】
この事例では、支持表面の対5a、5b、6a、6b、24a、24bが互いに対して実質的に垂直である。ここでは、第1のガイドスロット5の一方の支持表面5aがx方向(この事例では正)において第3のガイドスロット24の1つの支持表面24aへと移行しており、また示される実施例ではz方向(この事例では負)においてさらなる別の支持表面24bへと移行しているか、またはこの事例では第3のガイドスロット24の前者の支持表面24aと正反対になるように(つまり、オフセットされないように)配置されている支持表面24bの領域24b’へと移行している。同様に、第1のガイドスロット5のさらなる別の支持表面5bが、x方向(この事例では正)に位置するその領域において、第3のガイドスロット24の一方の支持表面24aへと移行しており、またz方向(この事例では負)において、前者の支持表面24aと正反対になるように配置されている第3のガイドスロット24のさらなる別の支持表面24bのセクション24b’へと移行している。さらなる別の支持表面24bのセクション24b’がこの事例では周囲係合部(engaging-around portion)28のところに配置されており、この周囲係合部28がx方向(この事例では負)においてケーブルタイヘッド16の周りに係合されており、したがって端部位置においてx方向において上記ケーブルタイヘッドをやはり固定する。周囲係合部28は、この事例では、第3のガイドスロット24のさらなる別の支持表面24bの領域24b’内で2つのアーム7、8によって形成されている。したがって、支持表面5a、5b、24a、24bが、示される実施例では、y方向に延在しているダクトを形成しており、ケーブルタイストリップ17およびケーブルタイヘッド16を備えるケーブルタイ13がこのダクトの中に押し込まれる。ここでは、ダクトが、ケーブルタイヘッド16の外部輪郭に対して相補的である内部輪郭を有する。したがって、ケーブルタイヘッド16がダクト内で凹部を有するような形で受けられ得る。
【0148】
この事例では、支持表面5a、5bおよび24bが、各々の事例のいずれにおいても、y方向(この事例では正)において第2のガイドスロットのさらなる別の支持表面6bへと移行しており、その結果、すぐ上で説明したダクトがy方向において閉鎖されている。したがって、ケーブルタイ13は、ケーブルタイヘッド16の前方側25を経由してダクトの端部のところで支持表面6bに当接するようになるまで、y方向においてのみダクトの中へと挿入され得る。次いで、この事例では、ケーブルタイヘッド16がダクトの中で凹部を有するような形で受けられる。ここでは、追加の戻り止め要素27がダクトの内側に取り付けられ得、例えば第3のガイドスロット24の一方の支持表面24aに取り付けられ得、この追加の戻り止め要素により、ケーブルタイヘッド16が示される端部位置において戻り止め動作に関与することができる。
【0149】
ここでは、通過領域4が、境界部分内で、具体的にはブリッジ9によって形成されている境界領域のところで、突出部29またはラグを有することができ、この突出部29またはラグが、具体的には、示される端部位置においてケーブルタイヘッド16の内側でz方向に延在している上記のタイプの突出部または上記のタイプのラグの延長部分を形成している。これが、通過領域4によりケーブルタイストリップ17を安定させるようにおよびその案内を向上させるように機能する。
【0150】
図8が、異なる視点からの、図7に示される図の別の斜視図を示す。したがって、ここでは、軟質部品14を備えるケーブルタイ13の内側22が示されることになる。さらに、ここではまた、第2のガイドスロット6の前者の支持表面6aが保持装置1によって隠されないことになる。さらに、支持表面5a、5bが、z方向においてケーブルタイストリップ17を案内するためにおよび保持するために設けられている、間隔dで互いから離間される領域5a’および5b’を有する。示される実施例では、支持表面5a、5bの各々がL形である。
【0151】
次に、図9が、結束される材料39を有さない、ケーブルタイ13が完全に組み立てられた状態である、上述の保持装置1を示す。図9は、保持装置1の通過領域4を2回通るように押されているケーブルタイ13によりやはり完全な組み立て状態が達成されることを示す。通過領域4を通しての第2の押し込みが、この事例では、ケーブルタイヘッド16を通るようにケーブルタイストリップ17が押されるときと同時に行われ、この事例ではケーブルタイヘッド16が保持装置1によって隠されている。製造プロセスの結果としての初期状態においてケーブルタイヘッド16から離れて配置されているケーブルタイストリップ17の領域が第2の押し込み動作中に支持表面6aに当接して次いでケーブルタイストリップ17がケーブルタイヘッド16を通るように押されるという事実により、追加の戻り要素27がなくても、ケーブルタイヘッド16が負のy方向において後方に滑ることが防止される。もう一方の方向のケーブルタイヘッド16の動きは、上述のダクトまたは通過領域4のケージ状の構造によって防止される。ここでは、ケーブルタイヘッド16の外部輪郭に対して適合されている支持表面5a、5bの内部輪郭、およびケーブルタイストリップ17の幅bKBに対して適合されている支持表面5a、5bの間隔dが、保持装置1内でケーブルタイ13を安定して保持することに寄与する。
【0152】
したがって、やはり、保持装置1により、交差領域においてケーブルタイ13がそれ自体を通るように導かれることの結果として形成される対角線上に反対側に位置する2つの角部または角部領域において、ケーブルタイ13の内側22上での結束される材料39の固定中に保持装置1を用いてケーブルタイ13が通過領域4内でクランプされる。ここでは、第1のガイドスロット5の支持表面5a、5bがケーブルタイ13がz方向に滑るのを防止し、第2のガイドスロットの支持表面6a、6bがケーブルタイ13のy方向の動きを防止し、第3のガイドスロット24の支持表面24a、24bがケーブルタイ13のx方向の動きを防止する。ケーブルタイヘッドの近くに位置しているケーブルタイストリップ17の領域内でこの事例では軟質部品14によって形成されている傾斜部分18により、ここでは、結束される材料39の間隔dが保持装置1までの所定の最小間隔未満まで低下しないことが保証される。
【0153】
図10a~dが様々な方向から見た図および断面図でケーブルタイ13の例示の実施形態を示す。
【0154】
したがって、図10aが、x方向に主延在方向としての長手方向を有する形で延在する、ケーブルタイヘッド16およびケーブルタイストリップ17を備えるケーブルタイ13を示す。これに対して横方向において、ケーブルタイストリップ17がz方向に幅bKBを有する。この事例では例えば外側21に配置されている歯29に加えて、ケーブルタイストリップ17の幅bKBがケーブルタイヘッド16の幅bKB’より小さいことも示されている。これらの幅bKB、bKB’は、有利には、支持表面5a、5b(図1から9)の間隔d、d’に対して適合されている。
【0155】
図10bが、図10aでA-Aによって示される断面線での断面を示す。したがって、示される実施例では、y-z平面においてケーブルタイ13のケーブルタイストリップ17を通る断面を見ることができる。軟質部品14が、この事例では、ケーブルタイ13またはケーブルタイストリップ17の内側22上でストリップの形態で配置されている。ここでは、軟質部品14の幅bWKが、硬質部品20によって画定されているケーブルタイストリップ17の幅bKBより小さい。
【0156】
この事例では、2つの結合要素31が内側で硬質部品20の上に示されており、これらの結合要素が硬質部品20に対しての軟質部品14の接着性を向上させる。したがって、ケーブルタイストリップ17の内側22が軟質部品14により中央領域内に形成されており、さらに硬質部品20により、縁部側23、23’に隣接するそれぞれの境界領域12、12’内に形成されている。
【0157】
この事例では、軟質部品14が中央領域内で第1の厚さdWK’を有し、境界領域12、12’の方を向くそれぞれの領域内で異なる厚さdWKを有する。この事例では、厚さdWK’が厚さdWKより小さい。したがって、溝32が軟質部品により内側に形成されている。示される実施例では、厚さdWKがケーブルタイストリップの厚さdKBの45%から55%の間となる。
【0158】
図10cが横方向の図(width view)でケーブルタイ13を示す。ここでは、ケーブルタイ13が軟質部品14および硬質部品20を備えることを明瞭に見ることが可能であり、ここでは軟質成分14が硬質部品20より柔らかい。ここでは、軟質部品14が、ストリップの形態で、ケーブルタイ13の、またより具体的にはケーブルタイストリップ17の内側22に取り付けられており、つまり局所的に上記内側22を形成している。
【0159】
ケーブルタイヘッドの近くに位置しているケーブルタイストリップ17の第1の端部領域30内において、この実施例では、ケーブルタイヘッド16に向かって軟質部品14の幅dWK、dWK’が増大することにより傾斜部分18が形成されている。上記傾斜部分18が、ケーブルタイヘッド16の方を向く方向において、当接表面または戻り止め表面19を有し、この当接表面または戻り止め表面19が、示される実施例では、x方向およびひいてはケーブルタイ13の長手方向に対して垂直にまたは実質的に垂直に方向付けられている。これは図10eでもより詳細に示されている。
【0160】
ケーブルタイヘッド16からさらに離れて位置している第2の端部領域33内において、軟質部品がこの事例では隆起部34を有する。上記隆起部34は、ここでは、ケーブルタイストリップ17の端部に向かって最初は増大してその後でゼロに戻る厚さdWKまたはdWK’によって形成されている。やはり、これも図11でより詳細に見ることができる。
【0161】
次に、図10dがケーブルタイ13の内側の平面図を示す。ここでは、軟質部品14がケーブルタイ13の長手方向つまりx方向にストリップの形態でケーブルタイストリップ17に沿って延在していることを見ることが可能である。ここでは、この事例では、軟質部品14が、内側に、結束される材料39のための当接表面15を形成している。幅bWKはこの事例ではケーブルタイストリップ17の幅bKB’より明らかに小さい。その結果、側部領域12、12’も同様に示されている。第2の端部領域33内で、溝32がこの事例では隆起部34の方へと移行している。
【0162】
図10eが、図10dのB-Bによって示される断面線を通るx-y平面での、長手方向の断面を示す。ここでは、軟質部品14の厚さdWKが傾斜部分18の領域内で最大厚さdWKRまで増大する。最大厚さdWKRは、傾斜部分から離れた領域における軟質部品14の厚さdWKの、例えば2.5倍といったように、数倍の大きさを有することができる。
【0163】
ここでは、ケーブルタイヘッド16の方向において傾斜部分が戻り止め表面19を形成している。上記戻り止め表面がケーブルタイヘッド16内の戻り止めデバイスの内側35まで間隔dを有するように構成されており、ケーブルタイヘッド16との戻り止め動作にケーブルタイストリップ17が関与している状態において、この内側35に対してケーブルタイストリップ17の内側22が当接する。有利には、上記間隔dが例えばブリッジ9(図1)の幅bに対して適合されており、それにより保持装置1内での戻り止め動作によりケーブルタイ13を堅固に係合させることが実現される。
【0164】
図11が、設置前の状態において、ケーブルタイストリップ17がケーブルタイヘッド16を通るように部分的に押された状態の、ケーブルタイ13の斜視図を示す。ここでは、ケーブルタイヘッド16が、そこを通して挿入されることになるケーブルタイストリップ17のための開口部内に、突出部36を有し、この突出部36はケーブルタイヘッド16を通して挿入されるところのケーブルタイストリップ17の内側22の方に方向付けられている突出部36であり、軟質部品14の内側において溝32の中に係合される。したがって、この事例では、軟質部品14により隆起部34がケーブルタイストリップ17の端部領域33内に形成されている。ケーブルタイストリップ17が示される組み立て前の状態として配置されている場合、ケーブルタイストリップ17をケーブルタイヘッド16から引き抜くことがより困難となる。というのは、隆起部34の領域内で軟質部品14が変形させられる場合にしか溝32内の突出部36が隆起部34の上で引かれ得ないからである。したがって、この組み立て前の状態では、ケーブルタイヘッド16に対してのケーブルタイストリップ17の一時的な結合がひとりでに望まれずに解除されることが妨げられ、つまり防止される。
【0165】
突出部36は溝32とは無関係に設けられてもよい。突出部は、負のx方向において隆起部34の後方においても、ケーブルタイヘッド16を通るように押されたケーブルタイストリップ17の軟質部品14を変形させるような程度で、負のy方向に突出していてよい。したがって、ケーブルタイストリップ17の支持が改善されることで、引張荷重があるときのケーブルタイストリップ17の変形が低減され、したがってケーブルタイ13の信頼性が向上する。
【0166】
次に、図12が、例示のケーブルタイ13を備える保持デバイス1の例示の実施形態の側面図を示す。ここでは、ケーブルタイ13と、この事例では傾斜部分18を備える内側22上の高くなっている当接表面15との組み合わせにより、結束される材料(ここでは示されない)が、洗練された形で、保持装置1に対して予め決定され得る間隔dを有する非接触の形で保持され得ることが明らかである。内側22上では、結束される材料39のための当接表面15および傾斜部分18がこの事例では軟質部品14によって形成されている。
【0167】
図13が、ケーブルタイストリップ17の1セクション内の内側22の斜視図を示す。この事例では、軟質部品14がストリップの形態でケーブルタイストリップ17の内側22上に配置されている。したがって、内側22が中央領域内において軟質部品14によって形成されており、それぞれの境界領域12内において硬質部品20によって形成されている。また、ここでは、結束される材料39のための当接表面15が軟質部品14によって形成されている。
【0168】
示される実施例では、軟質部品14がプロフィール37を有する。上記プロフィールまたは構造が、軟質部品14の厚さdWKの例えば50パーセントになるプロフィールの深さ(profile depth)dを有する。示される実施例では、プロフィール37が2列の高くなっている一様な三角形38を備え、それらの頂点を交互の形でこの事例で反対に方向付けているこれらの三角形は、ケーブルタイストリップ17の長手方向またはx方向に対して垂直に方向付けられている。
【0169】
図14が、完全な組み立て状態である結束される材料39を備える、ケーブルタイ13を備える保持装置1の斜視図を示す。ここでは、この事例では多数の個別のケーブル40を備える結束される材料39が(同様に、シングルケーブル40をのみを、または例えばパイプなどの他の物品を備えてもよいが)、ケーブルタイ13の内側22上において、内側のケーブルタイ13によって保持されており、保持装置1が保持装置1に対して所定の間隔dを有するように保持されている。ここでは、この例示の実施形態では、ケーブルタイヘッド16が保持装置1内でまたは保持装置1の固定用ヘッド3内で凹部を有するような形で配置されており、したがって他の影響から保護されている。したがって、示される実施例では、保持装置1が大部分としてまたは排他的にケーブルタイ13の硬質部品20に接触する。
【0170】
図15図4の保持装置の例示の変形形態を示す。示される実施例では、第1のガイドスロット5が分割されている支持表面5a、5bをさらに有し、これらの分割されている支持表面5a、5bが、意図される使用中に、各々の事例において、相互に離間される異なる領域(つまり、非ゼロの間隔によって分離されている領域)において、ケーブルタイストリップ17および/またはケーブルタイヘッド16の縁部側23、23’を支持している。したがって、分割されている支持表面5a、5bが部分的な支持表面5a’、5a’’、5a’’’、5b’、5b’’、5b’’’を有し、これらの支持表面5a’、5a’’、5a’’’、5b’、5b’’、5b’’’が、少なくとも局所的に、つまり局所的にまたは全体として、互いに平行に延びており、異なる領域においてケーブルタイ13を支持することを意図されている。
【0171】
この事例では、U字の側方側の脚部としての部分的な支持表面5a’、5b’がU字の基部側の脚部としての第2のガイドスロット6の支持表面6aに隣接している。同様に、別のU字の側方側の脚部としての部分的な支持表面5a’’、5b’’が、この別のU字の基部側の脚部としての第3のガイドスロット24の支持表面24bに隣接している。別の対の部分的な支持表面5a’’’、5b’’’が、この事例では、固定用脚部2上に配置されており、示される実施例では固定用脚部2の移動可能なクランプ要素42上に示されている。
【0172】
図16が保持装置の別の例示の実施形態を示す。ここでは、第2のガイドスロット6の第1の支持表面6aが押し込み方向つまりx方向において弓形になっている。したがって、ケーブルタイストリップ13が、正のまたは負のx方向での意図される押し込み時に、その内側22に向かって湾曲し、その結果、複数の領域において、結束される材料39の周りでケーブルタイストリップ13が曲げられることが回避される。弓形部分は、第1の支持表面6aの法線ベクトルを有する平面内で、つまりこの事例ではx-y平面内で、所定の半径を有することができる。したがって、保持装置1にケーブルタイ13を組み付けることおよびその後で定着される材料39を固定することが容易になる。この事例では、支持表面6aに対して垂直な断面において、U字の側方側の脚部としての支持表面5a、5bがU字の基部側の脚部としての第2のガイドスロット6の支持表面6aに隣接している。さらなる別の支持表面5a、5b、6b、6b’と共に、弓形の支持表面6aにより、この事例ではケーブルタイ13のための凹部形の受け部分が実現される。
【0173】
示される実施例では、第1の支持表面6aが、この事例では反対側に方向付けられるさらなる別の支持表面6b、6b’に対してオフセットされて配置されている。この目的のため、アパーチャ43がそれぞれの空間領域内に設けられ、第1の支持表面6aのさらなる別の支持表面6b、6b’の反対側に位置している。したがって、この事例では、支持表面6aが、湾曲部によって生じるずれの範囲内で、正のy方向に方向付けられており、支持表面6b、6b’が、対応するずれを有するように負のy方向に方向付けられている。
【0174】
この事例では、第1の支持表面6aが、押し込み方向Dにおいてさらなる別の支持表面6b、6b’よりも大きい延在量を有する。この対称性により、この事例では、示される押し込み方向Dとは逆でもケーブルタイを保持装置1の中に押し込むことが可能となる。押し込み方向Dにおける第1の支持表面6aの延在量は、この事例では、押し込み方向Dにおけるさらなる別の支持表面6b、6b’の延在量の3倍を超える大きさである。この事例では、2つのさらなる支持表面6bおよび6b’が、それぞれ、それぞれの支持表面5bおよび5aを介して支持表面6aの方へと移行している。したがって、まとめると、C形の円弧が、z方向にU形の断面を有する2つの円弧によって形成されており、これらの2つの円弧の両方が、それぞれの基部側の脚部としての支持表面5aおよび5aと共に、側方側の脚部としての支持表面6aを有し、ここでは上記円弧が意図される使用中にケーブルタイ13の周りに係合されている。ここでは、2つのアーム7、8の中央領域7b、8bおよび端部領域7c’、8cが、支持表面6b、6b’と共に、Cの端部を形成している。ここでは、断面に対して垂直である、C形の円弧の後方壁としての、支持表面6aが、2つのアーム7、8の端部領域7c、8cの延在量より数倍大きい延在量を有する。
【0175】
図17が、ループを形成するように閉じられている例示のケーブルタイを有する図16の保持装置を示す。ここでは、端部領域7cおよび中央領域7bに対して正のおよび負のx方向における脚部領域7aのより大きい延在量により、支持表面6aと共に、大きい領域に跨ってケーブルタイ13をいかにして支持するかが示されており、ここでは、保持装置1と結束される材料(図示せず)との間の所定の最小の間隔dが維持される。この事例ではケーブルタイ13のループの曲率に対応する支持表面6aの曲率半径rも示されている。この湾曲部により、脚部領域7aが、この事例では、ヘッド領域7cより大きい正のy方向における延在量を有する。対称性のために、ここでは、アーム7のために説明したことが、必要な変更を加えて、アーム8にも適用される。
【0176】
ケーブルタイ13が、この事例では、ケーブルタイヘッドの近くに位置しているケーブルタイストリップ17の端部領域30内で、軟質部品14から形成されている傾斜部分18を有する。ここでは、傾斜部分18がリップ44によって隣接されており、リップ44が、端部領域30内の軟質部品14と、ケーブルタイヘッド16の中に押し込まれたケーブルタイストリップの領域内の軟質部品14との間の隙間45のサイズを縮小させる。
【0177】
図18が、保持装置の中に押し込まれた閉じられていない例示のケーブルタイを有する図16の保持装置を示す。図17を基準として回転させられているこの斜視図は、アーム7、8が比較的小さい領域においてケーブルタイ13の境界領域12、12’の周りでそれらの端部領域7c、8cに係合されており、支持表面6aが比較的大きい領域においてケーブルタイストリップ17の外側21を支持しており、つまり比較的大きい領域において外側21を支承している、ことを示す。
【0178】
図19a~dが、図10a~dに対応して、様々な方向から見た図および断面図で、ケーブルタイ13の別の例示の実施形態を示す。
【0179】
したがって、図10aがケーブルタイヘッド16およびケーブルタイストリップ17を備えるケーブルタイ13を示しており、このケーブルタイが主延在方向としてx方向の長手方向を有する形で延在している。
【0180】
図10aに示されるケーブルタイ13とは対照的に、この事例では、高くなっている球状セグメント形状の摺動用突出部46が、ヘッドから離れているケーブルタイストリップの端部領域上の中央に配置されている。さらに、ここでは、歯41と摺動用突出部46との間で、戻り止めばね要素47がケーブルタイストリップ17に一体化されており、この戻り止めばね要素によりケーブルタイストリップがケーブルブルタイヘッド内での戻り止め動作に一時的に関与することができるようになる。また、示される実施例では、それぞれのマーキング48、48’が、ケーブルタイヘッドから離れているケーブルタイストリップ17の端部領域内の中に、およびケーブルタイヘッド16上に、付されている。マーキング48、48’は、マーキング48、48’を位置合わせするときにケーブルタイにより最大半径を有するループが形成されることになるように、位置決めされる。最大半径は、この事例では、ケーブルタイストリップ17がケーブルタイヘッド16との戻り止め動作に依然として高い信頼性で関与し得る場合の上限の半径である。
【0181】
図19bが、図19aのB-Bによって示される断面線での断面を示す。したがって、示される実施例では、y-z平面においてケーブルタイ13のケーブルタイストリップ17を通る断面を見ることが可能である。軟質部品14が、この事例では、ケーブルタイ13またはケーブルタイストリップ17の内側22上でストリップの形態で配置されている。この例示の実施形態では、硬質部品の厚さdHKが縁部側23、23’に向かって境界領域12、12’内で減少するので、内側22が外側21に対して傾斜する。これは図20a~bでより詳細に示されている。
【0182】
この実施例では、ケーブルタイヘッドの近くに位置しているケーブルタイストリップ17の第1の端部領域30内において、ケーブルタイヘッド16に向かって軟質部品14の厚さdWK、dWK’が増大することの結果として傾斜部分18が形成されている。ケーブルタイストリップ17の内側22上の傾斜部分18の領域内で、軟質部品14がリップ44を有する。リップ44は硬質部品20から離間されており、傾斜部分18からケーブルタイストリップ17を離れるケーブルタイヘッド16の方向に延在している。したがって、リップ44は具体的にはケーブルタイヘッドの方向における傾斜部分18の延長部分として理解されてよく、この延長部分が、ケーブルタイヘッド16の方に向かうにつれて、ケーブルタイストリップ17から離れるように正のy方向に移行していく。これもやはり図19eでより詳細に示されている。
【0183】
次に、図19dがケーブルタイ13の内側の平面図を示す。ここでは、軟質部品14がケーブルタイストリップ17に沿ってストリップの形でケーブルタイ13の長手方向につまりx方向に延在していることを見ることができる。
【0184】
図19eが、図19dのA-Aによって示される断面線を通るx-y平面での、長手方向の断面を示す。ここでは、軟質部品14の厚さdWKが傾斜部分18の領域内において最大厚さdWKRまで増大する。ここでは、ケーブルタイヘッド16の方向において、傾斜部分18の後に軟質部品14のリップ44が続いている。したがって、軟質部品14とケーブルタイヘッド16内の戻り止めデバイスの内側35との間の間隔dが減少する。したがって、リップ44が、ケーブルタイヘッド16の方向において、ケーブルタイストリップの近くに位置するかまたはそれの比較的近くに位置する軟質部品14の領域を越えて突出していてよい。リップ44は説明される実施形態のすべてと組み合わされ得る。
【0185】
示される実施例では、ケーブルタイヘッド16が、ケーブルタイヘッド16を通るようにケーブルタイストリップ17が押されるときに歯41に係合される戻り止め凸部56をさらに有する。したがって、ここでは、この事例では複数の(この事例では3個の)戻り止め用縁部である、少なくとも1つの戻り止め用縁部57が歯の中に係合されている。この事例では、戻り止め用縁部57が、具体的には、z方向に、つまりケーブルタイストリップ17との接触表面に沿って、弓形となっていてよい。
【0186】
図20a~bの各々が、幅方向での断面で、つまりy-z平面で、それぞれの例示の保持装置と共に、境界領域内において傾斜している内側を備えるケーブルタイの例示の実施形態の詳細を示す。境界領域12内において(さらに、対称性により、図10bに対応して、反対側の境界領域12’内において)、内側22がケーブルタイストリップ17の外側21に対して角度αで傾斜している。この事例では、角度αは15度であるが、基本的には最大15度の許容誤差で上記値からずれていてよいことから、0度から30度の間であってよいことになる。
【0187】
保持装置1の図20aおよび20bでは、対応する支持表面5b、6bおよび支持表面6aを備える、各々の事例のアーム7のみが示されている。それに対応して、示されない第2のアーム8は対称性を有するデザインである。図20aでは、第2のガイドスロット6の支持表面6a、6bが互いに平行に延びており、それらの間隔に関して、境界領域12内においてケーブルタイストリップ17の厚さdHKに対して適合されている。図20bでは、第2のガイドスロット6の(実質的に)反対に方向付けられる支持表面6a、6bが互いに対して角度αで傾斜しており、つまり、境界領域12内において、ケーブルタイストリップ17の厚さdHKのプロフィールに対して適合されている。したがって、図20a~bに示される保持装置1のいずれに対してもそれらと共に同一のケーブルタイ13が利用され得る。図20bに示される保持装置1は、この事例では、結束される材料(図示せず)に対しての間隔が増大するという利点を有する。というのは、アーム7が中央領域7bにおいてy方向により小さい延在量で突出するからである。支持表面5bおよび6bの間の角度が小さいことから、この変形形態はさらにより高い耐荷重能力を有する。保持装置1が、具体的には、図1および/または図16の保持装置1の別の特徴を有することができる。
【0188】
図21a~cが、幅方向における断面図として、ケーブルタイおよび保持装置の別の例示の実施形態を示す。図20a~bと同様に、ここでは、保持装置1が、各々の事例において、第1のガイドスロット5および第2のガイドスロット6のアーム7、8および支持表面5a、5b、6a、6bのみを備える単純な形で示される。
【0189】
図21aでは、軟質部品14が、例えば図10cまたは19cに示される内側のストリップに加えて、ケーブルタイストリップの境界領域12、12’に隣接しているストリップのそれぞれの縁部領域内において、各々の事例の1つの翼部分50、50’を形成している。翼部分50、50’がこの事例ではケーブルタイストリップ17の中心を基準として対称性を有し、ストリップと同様に、ケーブルタイストリップ17の大部分にわたって延在している。ケーブルタイストリップ17の示される断面では、翼部分50、50’が、ケーブルタイストリップ17から離れる方向におよびストリップから離れる方向に、ストリップから始まって、ケーブルタイストリップの対応する境界領域から非ゼロの間隔を有するように延在している。ここでは、意図される使用中、アームの端部領域7c、8cがそれぞれの翼部分50、50’の間に配置されており、結束される材料(図示せず)が翼部分50、50’により保持装置1から保護されることになる。
【0190】
図21bでは、硬質部分20が境界領域12、12’の間に中央部分51を有し、中央部分51が境界領域12、12’に対して垂直方向にまたはz方向に高くなっており、その中央部分51の上に軟質部品14が配置されている。したがって、境界領域12、12’が硬質部品20の内側に対してz方向に窪んでおり、段差を形成している。この事例では、ケーブルタイストリップ17が、外側に、ケーブルタイストリップ17に沿って延びている、溝と称されてもよい、アパーチャ52をさらに有する。
【0191】
図21cに示される実施形態も上記のアパーチャ52を有する。ここでは、第2のガイドスロット6の支持表面6aが対応する突出部53を有し、ケーブルタイストリップ17が保持装置を通るように押されるときにこの突出部53がアパーチャ52の中に係合される。加えて、この事例では、ケーブルタイストリップの境界領域12、12’の各々が、ケーブルタイストリップに沿って延びている凹部54、54’を有する。したがって、凹部54、54’はケーブルタイストリップ17上の内側を延びており、支持表面6b、6b’の一部分であってよく、つまり逆に言うと、支持表面6b、6b’が凹部54、54’の一部分であってよい。これに対応して、示される実施例では、ケーブルタイストリップ17が、第2のガイドスロット6の第2の案内表面6b、6b’内に、対応するラグ55、55’を有し、これらのラグ55、55’が凹部54、54’の中に係合されている。
【0192】
図22がケーブルタイの別の実施形態を示す。この事例では、傾斜部分18上のリップ44が軟質部品14の全幅bWKにわたって延在している。したがって、軟質部品14が、図23に示されるように、具体的には、挿入されているケーブルタイストリップ17に接近するところまで延在している。
【0193】
図23が、ケーブルタイストリップがケーブルタイヘッドの中に挿入された状態の、図22のケーブルタイを示す。ここでは、ケーブルタイストリップ17が、第2の端部領域33内に配置されている戻り止めばね要素47との戻り止め動作に関与しており、その結果、ケーブルタイストリップ17がケーブルタイヘッド16から意図されずに引き抜かれ得ないようになる。同時に、端部領域33の方を向く、軟質部品14の端部部片上の隆起部34が、軟質部品14の厚さdWKを増大させるところの隆起部の領域内において、リップ44と共に、ケーブルタイヘッド16を通ってケーブルタイストリップ17が意図されずにさらに前方に滑るのを防止するように機能する。この効果は、軟質部品14から正のy方向に突出する隆起部34と、傾斜部分18から負のy方向に突出するリップ44とにより、促進される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10a)】
図10b)】
図10c)】
図10d)】
図10e)】
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19a)】
図19b)】
図19c)】
図19d)】
図19e)】
図20a)】
図20b)】
図21a)】
図21b)】
図21c)】
図22
図23