IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノンファインテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-画像形成装置及びシート処理装置 図1
  • 特許-画像形成装置及びシート処理装置 図2
  • 特許-画像形成装置及びシート処理装置 図3
  • 特許-画像形成装置及びシート処理装置 図4
  • 特許-画像形成装置及びシート処理装置 図5
  • 特許-画像形成装置及びシート処理装置 図6
  • 特許-画像形成装置及びシート処理装置 図7
  • 特許-画像形成装置及びシート処理装置 図8
  • 特許-画像形成装置及びシート処理装置 図9
  • 特許-画像形成装置及びシート処理装置 図10
  • 特許-画像形成装置及びシート処理装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】画像形成装置及びシート処理装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/18 20060101AFI20220107BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
B65H31/18
B65H37/04 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020068889
(22)【出願日】2020-04-07
(62)【分割の表示】P 2015213814の分割
【原出願日】2015-10-30
(65)【公開番号】P2020105020
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2020-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(72)【発明者】
【氏名】小林 美佐夫
【審査官】飯田 義久
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-180876(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0050060(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00-31/40
B65H 37/04
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの画像を読み取る画像読み取り部と、
収納されたシート束からシートを順次に給送する給送部と、
前記給送部により給送されたシートを所定の搬送方向に搬送する搬送部と、
前記画像読み取り部の鉛直方向下方に設けられ、前記搬送部により搬送されるシートに前記画像読み取り部により読み取られた画像を形成する画像形成部と、
鉛直方向において前記画像読み取り部と前記画像形成部との間に設けられ、所定の空間を形成する空間部と、を有する画像形成装置と、
前記空間部内に設けられ、前記画像形成部により画像を形成された画像形成済シートに所定の処理を施すシート処理部と、
前記シート処理部の前記搬送方向下流側に設けられ、前記シート処理部によって処理が施されたシートを積載する昇降自在な積載部と、
水平方向において前記空間部内に収まった前記積載部の前記搬送方向上流端が前記空間部の鉛直方向における範囲内で昇降可能な第1位置にある状態で前記積載部を昇降自在に案内する案内部と、
前記第1位置よりも前記搬送方向下流に設けられ、前記積載部の前記搬送方向上流端が前記空間部の鉛直方向における範囲を超えて昇降可能な第2位置にある状態で、前記積載部を昇降自在に案内するべく前記案内部に対して下方の延設位置に延設される延長案内部と、を有するシート処理装置と、
を備えた画像形成システム。
【請求項2】
前記積載部の前記搬送方向上流端の位置を前記第2位置とすべく、前記搬送方向における前記シート処理装置の位置調整を行う位置調整部を更に備えた請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記位置調整部は、前記搬送方向において前記シート処理部よりも上流側の前記空間部に設けられ、前記画像形成済シートを前記シート処理部にガイドするガイドユニットを兼ねる請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記位置調整部は、前記搬送方向において前記シート処理部よりも上流側の前記空間部に設けられ、前記画像形成済シートを穿孔する穿孔ユニットを兼ねる請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記位置調整部は、前記搬送方向において前記シート処理部よりも上流側の前記空間部に設けられ、前記画像形成済シートにスタンプを施すスタンプユニットを兼ねる請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記位置調整部は、前記搬送方向において前記シート処理部よりも上流側の前記空間部に設けられ、前記画像形成済シートに凹凸を形成するエンボスユニットを兼ねる請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記延長案内部を前記延設位置に位置決めすべく、前記延長案内部を前記画像形成装置及び前記シート処理装置に固定する固定部を備えた請求項乃至請求項に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記固定部は前記位置調整部を兼ねる請求項に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記シート処理部は、前記画像形成済シートを綴じる綴じ処理ユニットである請求項1乃至請求項に記載の画像形成システム。
【請求項10】
シートの画像を読み取る画像読み取り部と、
収納されたシート束からシートを順次に給送する給送部と、
前記給送部により給送されたシートを所定の搬送方向に搬送する搬送部と、
前記画像読み取り部の鉛直方向下方に設けられ、前記搬送部により搬送されるシートに前記画像読み取り部により読み取られた画像を形成する画像形成部と、
鉛直方向において前記画像読み取り部と前記画像形成部との間に設けられ、所定の空間を形成する空間部とを有する画像形成装置に設けられたシート処理装置であって、
前記空間部内に設けられ、前記画像形成部により画像を形成された画像形成済シートに所定の処理を施すシート処理部と、
前記シート処理部の前記搬送方向下流側に設けられ、前記シート処理部によって処理が施されたシートを積載する昇降自在な積載部と、
水平方向において前記空間部内に収まった前記積載部の前記搬送方向上流端が前記空間部の鉛直方向における範囲内で昇降可能な第1位置にある状態で前記積載部を昇降自在に案内する案内部と、
前記第1位置よりも前記搬送方向下流に設けられ、前記積載部の前記搬送方向上流端が前記空間部の鉛直方向における範囲を超えて昇降可能な第2位置にある状態で、前記積載部を昇降自在に案内するべく前記案内部に対して下方の延設位置に延設される延長案内部と、
を備えたシート処理装置。
【請求項11】
前記積載部の前記搬送方向上流端の位置を前記第2位置とすべく、前記搬送方向における前記シート処理装置の位置調整を行う位置調整部を更に備えた請求項10に記載のシート処理装置。
【請求項12】
前記位置調整部は、前記搬送方向において前記シート処理部よりも上流側の前記空間部に設けられ、前記画像形成済シートを前記シート処理部にガイドするガイドユニットを兼ねる請求項11に記載のシート処理装置。
【請求項13】
前記位置調整部は、前記搬送方向において前記シート処理部よりも上流側の前記空間部に設けられ、前記画像形成済シートを穿孔する穿孔ユニットを兼ねる請求項11に記載のシート処理装置。
【請求項14】
前記位置調整部は、前記搬送方向において前記シート処理部よりも上流側の前記空間部に設けられ、前記画像形成済シートにスタンプを施すスタンプユニットを兼ねる請求項11に記載のシート処理装置。
【請求項15】
前記位置調整部は、前記搬送方向において前記シート処理部よりも上流側の前記空間部に設けられ、前記画像形成済シートに凹凸を形成するエンボスユニットを兼ねる請求項11に記載のシート処理装置。
【請求項16】
前記延長案内部を前記延設位置に位置決めすべく、前記延案内部を前記画像形成装置及び前記シート処理装置に固定する固定部を備えた請求項11乃至請求項15に記載のシート処理装置。
【請求項17】
前記固定部は前記位置調整部を兼ねる請求項16に記載のシート処理装置。
【請求項18】
前記シート処理部は、前記画像形成済シートを綴じる綴じ処理ユニットである請求項10乃至請求項17に記載のシート処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、各種プリンタなどの画像形成装置から排出されたシートを集積するシート集積装置に係わり、特に排出シートの集積量を多くすることができるシート集積装置に係わる。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置から搬出されるシートに対してシートの折り処理やシート綴じ処理を行った後、あるいはこれらの処理を行うことなくシートを集積することは広く知られている。
ところで近年、画像形成装置及びこれに取り付けられシート処理を含むシート集積装置のコンパクト化が求められてきている。この要請にこたえるため、画像形成装置の上方にシートを処理した後にシート集積装置を配置する装置が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、画像形成部とこの上部に空間を設けこの空間の上方に原稿を読み取る読み取り部を配置し、この空間にシートを綴じるシート後処理部を含むシート集積装置を配置して画像形成装置全体の小型化が図られている。
この空間に配置してあるシート集積装置は、画像形成部の排紙ローラから排出さされるシートに対してパンチ処理や綴じ処理などの後処理を行った後に、集積トレイに処理済みシートを収納する様になっている。
【0004】
この集積トレイは特許文献1の図9に示されるように、シート集積装置が上記の空間に配置してあるため、それまでのシート集積装置を画像形成装置の側部に取り付ける場合に比べはみ出し量が少なくなりコンパクト化が図られている。この集積トレイはパンチや綴じを行わないシートも収納できるようになっている。
【0005】
また、特許文献2にもこの文献の図5及び図6に示されるように画像形成部と原稿の読み取り部との間の空間に排紙トレイを有する後処理を行うシート集積装置が配置している。この装置にあっても綴じ処理を行う部分が全て画像形成部の上方に位置しているため、装置側方にはみ出す部分が少なくなり、コンパクト化が達成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5763893号公報
【文献】特開2014-106294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献1及び特許文献2に示されるシート収納装置はシート処理部である排出ユニットが画像形成部上方に載置されているため集積トレイ(排紙トレイ)の昇降範囲はシート処理部側方の画像形成部上方の範囲に限られていて、一般的には500枚から1500程度の集積量に限定されている。したがって、最近要請されているように、集積トレイの集積量を増やすためには、従来からある画像形成装置の側部にシート処理部を有するシート集積装置に交換する必要がある。
しかしながら、集積トレイへの集積量をあと500枚から1000枚程度増加させるために、装置全体を交換することは経済的に負担が大きくあきらめざるを得なかった。
【0008】
この発明は、これまで使用したシート処理する排紙トレイユニットを利用しながら集積トレイの昇降移動の範囲を拡大してシートの集積量を比較的容易にかつ他の装置に交換することなく、比較的簡単にシートの集積量を増加させることができるシート集積装置の提供をその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を採用する。すなわち、シートの画像を読み取る画像読み取り部と、収納されたシート束からシートを順次に給送する給送部と、前記給送部により給送されたシートを所定の搬送方向に搬送する搬送部と、前記画像読み取り部の鉛直方向下方に設けられ、前記搬送部により搬送されるシートに前記画像読み取り部により読み取られた画像を形成する画像形成部と、鉛直方向において前記画像読み取り部と前記画像形成部との間に設けられ、所定の空間を形成する空間部と、を有する画像形成装置と、前記空間部内に設けられ、前記画像形成部により画像を形成された画像形成済シートに所定の処理を施すシート処理部と、前記シート処理部の前記搬送方向下流側に設けられ、前記シート処理部によって処理が施されたシートを積載する昇降自在な積載部と、水平方向において前記空間部内に収まった前記積載部の前記搬送方向上流端が前記空間部の鉛直方向における範囲内で昇降可能な第1位置にある状態で前記積載部を昇降自在に案内する案内部と、前記第1位置よりも前記搬送方向下流に設けられ、前記積載部の前記搬送方向上流端が前記空間部の鉛直方向における範囲を超えて昇降可能な第2位置にある状態で、前記積載部を昇降自在に案内するべく前記案内部に対して下方の延設位置に延設される延長案内部と、を有するシート処理装置と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、集積トレイの昇降移動の範囲を比較的容易に拡大してシートの集積量を増加することが可能なシート集積装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】画像形成装置と排出ユニットを組み合わせた全体構成を示した説明図。
図2】本発明に係わる集積トレイの昇降範囲を拡張した排出ユニットと画像形成装置とを組み合わせた全体構成を示した説明図。
図3図1に示す排出ユニットを示す説明図。
図4図3の排出ユニットに取り付けられて昇降する集積トレイの平面図。
図5図3の排出ユニットに取り付けられる集積トレイの昇降機構説明図。
図6】集積トレイのシート載置量を検出する紙面レベルセンサの機構説明図。
図7】集積トレイの昇降範囲を拡張する延長レールを取り付けた説明図。
図8】集積トレイが延長レールを下降した説明図。
図9図7及び図8の延長レールの説明図で、図9(a)は延長レールの内部機構説明図、図9(b)は延長レールに組み込まれる荷重軽減部材の説明図。
図10】延長レールの取り付けの変形例を示し、図10(a)は排出ユニットのダボに係合して取り付ける説明図であり、図10(b)は画像形成装置のみに延長レールを 取り付けた説明図。
図11図2の全体構成における制御構成の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係わる排出ユニットとしてのシート処理装置B及びこれを取り付ける画像形成装置Aについて図を参照して説明する。図1は画像形成装置Aとシート処理装置Bを組み合わせた全体構成を示した説明図である。図2は本発明に係わる集積トレイ90の昇降範囲を拡張したシート処理装置Bと画像形成装置Aとを組み合わせた全体構成を示した説明図である。
【0013】
[画像形成装置A]
図1及び図2に示す画像形成装置Aは、電子写真方式を用いたもので画像形成部2の下方にシートを収納する3段の給紙カセット1a、1b、1cからなる給紙部と、シート処理装置Bを装着しないときは画像形成部2の上方を排紙空間としてその上方に画像読取装置20を配置してある。したがって、シート処理装置Bを配置する場合には、上記排紙空間を利用する所謂胴内タイプの装置となっている。
【0014】
上記の画像形成部2は中間転写ベルトを用いたタンデム方式を採用している。すなわち、4色の色成分(イエロー2Y、マゼンダ2M、シアン2C、ブラック2BK)を用いており、例えばイエロー2Yにおいては、像担持体としての感光ドラム3aと、この感光ドラム3aを帯電する帯電ローラからなる帯電装置4aと、画像読取装置20で読み取った画像信号を潜像とする露光装置5aを有している。さらに、感光ドラム3aに形成された潜像をトナー像として形成する現像装置6aと、この現像装置6aで形成された感光ドラム3a上の像を中間転写ベルト9に1次転写する一次転写ローラ7aを備えている。この構成が色成分ごとに中間転写ベルト9に1次転写される。感光ドラム3aに残った色成分は感光クリーナ8aによって回収され次の画像形成に備えられる。これらは図1及び図2に示す様に他の色成分についても同様になっている。
【0015】
ところで、中間転写ベルト9の画像は、二次転写ローラ10によって給紙部1から給紙されるシートに転写され、この画像はシートに定着装置12により加圧力と熱量により溶解定着される。この中間転写ベルト9に残った重ね合わされた色成分は中間ベルトクリーナ11により、除去され次の転写に備えられる。
【0016】
この様に画像形成されたシートは、本体排出ローラ14で本体排出口16に向けられるが、シートの両面に画像形成する場合は、切替ゲート15により一旦シート処理装置B側に搬送したシートをスイッチバックさせて、循環経路17に搬送して再び画像形成部2に送りシートの裏面側に画像形成する。
この様にシートの片面あるいは両面に画像形成されたシートは、本体排出ローラ14を通じて排出ユニットであるシート処理装置Bに搬送される。
【0017】
なお、画像形成部2上方の排紙空間の上方には、画像読取装置20が配置されている。ここでは原稿スタッカ25に載置した原稿を原稿送り装置24でプラテン21に送り、この送られた原稿をスキャンユニット22照射することにより光電変換素子(たとえは、CCD)で順次読み取り、図示していないデータ貯蔵部に画像を蓄積していく。この蓄積された画像を画像形成部でシートに画像形成することは上述の通りである。
【0018】
[シート処理装置B]
次に、図1及び図2の画像形成部2の上方で画像読取装置20の下方の排紙空間に配置されているシート処理装置Bについて説明する。この発明ではこのシート処理装置Bが排出ユニットとしてシートを排紙する機能を有している。
このシート処理装置Bは、本体排出口16から排出されるシートを下流側の装置に送るか、あるいは両面に画像形成を形成するためにスイッチバックするシートを案内するガイドユニット30と、シートを例えば三つ折りにする折りユニット31と、順次搬送される画像形成済みシートを処理トレイ76に一時載置して束としてステープラ80で綴じる綴じユニット32と、この綴じユニット32で綴じられたシート束や綴じられることなく排出されるシートを集積して昇降するシート集積装置としてトレイユニット33が配置されている。
なお、この排出ユニットであるシート処理装置Bを構成するガイドユニット30、折りユニット31、トレイユニット33を有する綴じユニット32は、選択的に配置可能で、例えば、綴じユニット32のみを載置したり、折りユニット31を省いたりすることも可能になっている。
【0019】
ところで、昇降する集積トレイ90を有するトレイユニット33は、図1にあっては、綴じユニット32が画像形成装置Aの装置フレーム29のステープルからL1a分内の位置で集積トレイ90が昇降ラック100に対して昇降するようになっている。したがって、このシート処理装置Bは排紙空間に配置しているので、画像形成装置A全体がコンパクトになり、例えば、綴じユニット32のみを排紙空間に載置すると昇降する集積トレイ90も排紙空間に位置してよりコンパクトにできる。
【0020】
一方で、この場合の図1に示す装置にあっては、集積トレイ90の昇降する移動範囲は装置フレーム29の上面までのL1t範囲の範囲になっている。一般にこのL1t範囲は、シートの集積量として500枚から1000枚程度に設定されており、これよりも増える場合には、画像形成装置Aを停止して集積トレイ90に載置されたシートを取り出すか、全く別の装置フレーム29に外付けできるシート処理装置Bを交換することとになる。
【0021】
そこで、この発明に係わる集積トレイ90は簡単に昇降範囲を拡張できる延長ラック140をこれまでの昇降ラック100(昇降レール99)に追加して集積トレイ90へのシート集積量を増やしたシート処理装置Bと画像形成装置と図2に示している。この延長する機構については追って説明するが、延長ラック140(延長レール139)を追加することによりシートの集積量が500枚から1000枚程度増やすことができる。
【0022】
ここで、上記の延長ラック140を追加し、集積トレイ90がこの延長ラック140まで下降移動するようにするには、まず図1におけるL1yの搬送法方向長さを有するガイドユニット30を、図2におけるL2yの搬送方向長さを有するガイドユニット30に置き換える。ここにおけるL2yの長さは図1の綴じ装置側面と装置フレーム29の側面との距離L1aをなくして、昇降ラック100と延長レール139が連通する位置になるようになっている。
以下では、集積量の増加させる機構について説明するが、その説明に先立ち図1のシート処理装置Bの一部をなす折りユニット31、綴じユニット32、これに装着されるトレイユニット33、このトレイユニット33の集積トレイ90の昇降機構について説明し、その後に延長ラック140を含む延長レールについて説明する。
なお、上記のガイドユニット30は、シート処理装置Bの搬送方向長さを調節するシートの搬送をガイドするユニットして示したが、このユニット内にシートに穿孔するパンチユニット、スタンプを付すスタンプユニットあるいはシートに凹凸を付すエンボスユニットを単独であるいは組み合わせて配置しても良い。
【0023】
[折りユニット31]
図3図1の排出ユニットとしてのシート処理装置Bの一部を折りユニット31綴じユニット32とこれに装着されたトレイユニット33の拡大説明図である。
まず、本体排出口16からガイドユニット30のスイッチバック路35と搬送路37に連なる経路のうち、下段の折り搬送路43には、入口ローラ45と出口ローラ47が配置されている。この入口ローラ45出口ローラ47との間には切替フラッパ49が設けられ、この切替フラッパ49によりシートを後続の綴じユニット32に搬送することなく筒状折り部50で折り処理を施すようになっている。
なお、上段には図1及び図2に示すガイドユニット30に連通する折りスイッチバック路41が設けられている。
【0024】
この筒状折り部50は、この筒状折り部50シートを搬入する搬入ローラ51とこの筒状折り部へのシートの巻付け方向を決定する第1ゲート53と第2ゲート55が選択可能に作動位置に移動するようになっている。例えば、第1ゲート53により図示反時計方向に筒状形成部57に巻き付けられる。この筒状形成部57は、変形可能なシート部材からなりシートを例えば3面が重なる状態で巻付ける。そしてこの筒状形成部に巻き付けられた状態で両側に位置するシフト部材60、61で互いに近づく方向にシフトすると巻き付けられたシートもタテ型の扁平形状になる。この状態で図示しない円柱状のローラで巻き付けられたシートを引き出すことにより折りシートが得られる。
【0025】
[綴じユニット32]
引き続き、図3において折り処理を行わず、この折りユニット31から搬送されてくるシートを綴じる綴じユニット32について説明する。この綴じユニット32も上段には、折りスイッチバック路41に連通する綴じスイッチバック路65が設けられ、入り口側に搬送ローラ69と出口側に排出ローラ70が配置されている。この折りスイッチバック路65は画像形成部2に裏面に像形成するためスイッチバックする通路として機能し、必要に応じて厚いシート等両面や綴じ処理に適さないシートをトレイユニット33の上方に位置するエスケープトレイ34に排出ローラ70で排出することも可能となっている。なお、これらのスイッチバックする通路は各ユニット上カバーを利用しても良い。
【0026】
上記の綴じスイッチバック路65の下方には、折りユニット31の折り搬送路43に連通する綴じ搬送路67が設けられている。この綴じ搬送路67の入り口側には搬入ローラ72とシートを処理トレイ76あるいは集積トレイ90に排出する搬出ローラ74が設けられている。この搬出ローラ74から排出されるシートを処理トレイ76に一時載置して束にする場合は、束の排出としても機能する束排出ローラ86で排出されたシートをニップした状態で反時計方向(基準面79方向)に回転させ、これと協同して反時計方向に回転するかき込みローラ78を回転してシートを基準面79に当接するまで搬送する。これとともに処理トレイ76のシート幅方向に位置する一対の整合板84をシート側縁に当接してシートの揃えを行う。
【0027】
これを綴じ枚数に達するまで繰り返し、綴じ枚数に達したところで、今度はステープラ80を移動台82の所定位置に移動して綴じ処理を行う。指定個所にステープラ80により綴じ処理されたシート束は、図示しない基準面79の集積トレイ90側への移動と処理トレイ76の排出側に固定された下束排出ローラ86bに昇降束排出ローラ86aを圧接して集積トレイ90にシート束を排出する。
【0028】
[トレイユニット33]
上記の束排出ローラ86で排出されるシート束あるいは1枚後のシートは昇降する集積トレイ90を有するトレイユニット33で集積される。集積トレイ90は後述する移動レールである昇降レール99の一部をなす昇降ラック100に集積トレイ90の昇降ピニオン98が係合回転して昇降するようになっている。この昇降ピニオン98は、伝達ギア97等を介して集積トレイ90下部の昇降モータ設置部94に位置する昇降モータ95によって駆動される。
既に説明したように、図3に示す集積トレイ90の昇降の範囲は、綴じユニット32を含むシート処理装置Bが装置フレーム29の側部からL1a分胴内に位置しているので、L1t範囲となっている。
【0029】
[集積トレイ90]
次に、図4図5により図3の排出ユニットであるシート処理装置Bに取り付けられて昇降する集積トレイ90の昇降機構について説明する。図4は集積トレイ90の平面説明図であり、断面説明図である。
集積トレイ90は、先端側に集積するシートの長さに応じて主トレイ90aが引き出し可能な第1補助トレイ90bと第2補助トレイ90cが設けられ、これらの各トレイにはシートの摺動抵抗を少なくするリブ92が適宜の位置に設けられている。後端側は、排出ユニットとしてシート処理装置Bの一部なす綴じユニット32の側壁が排出シートを規制する立ち面112となり、排出されたシートが自重落下して揃うようになっている。この立ち面112と集積トレイ90の後端とが、互いに立ち面凸部114と立ち面凹部116を有するように櫛歯形状に形成されている。この櫛歯形状は集積トレイ90に、束排出ローラ86で排出されシートが集積トレイ90に集積される際に、立ち面112と集積トレイ90の後端部との隙間へのシートの入り込みの防止と、シート昇降時の摺動抵抗を少なくすためである。
【0030】
[集積トレイ90の昇降機構]
次に、上記の集積トレイ90の昇降機構について説明する。図4に示す様に集積トレイ90のシート幅方向の両端部には、シート処理装置Bの一部をなす綴じユニット32のフレームに固定された綴じユニット取り付け部110によって昇降レール99が支持されている。この昇降レール99は、チャンネル状(コの字状)の支持アングル108に溝部102を有する昇降ラック100が取り付けられている。この支持アングル108内には、集積トレイ90の昇降モータ95によって駆動回転する昇降ピニオン98と、この昇降ピニオン98と同軸上に回転自在に遊間された規制プーリ106が配置されている。
【0031】
この規制プーリ106は、図4において左側の規制プーリ106の上方が支持アングル108に接し、下側が昇降ラック100の溝部102に入り込んで左右の位置出しがされるようになっている。一方図4図示右側の規制プーリ106は上側が支持アングル108に接し、下側も昇降ラック100の案内部104に接して摺動するようになっている。このように右側の規制プーリ106は溝部102に、左側の規制プーリ106は平板状の案内部104は、左右を溝部とすると寸法誤差から組み付けの難しさをなくすためである。
【0032】
この図4の昇降レール99を図5で確認すると、集積トレイ90の幅方向に同軸状に設けられた昇降ピニオン98と規制プーリ106が位置し、上方に上規制プーリ107が取り付けられている。この規制プーリ106と上規制プーリ107は、矩形形状のプーリ支持板109に取り付けられ、プーリ支持板109は集積トレイ90の基端部に取り付けられている(図4ではプーリ支持板109を省略)。これにより、集積トレイ90は上下の2点で支えられ、シートを載置しても傾くことが無い。これまでも述べてきたように、規制プーリ106と同軸上の昇降ピニオン98は昇降モータ設置部94の昇降モータ95によって伝達ギア96、97を介して駆動回転し、この駆動回転の方向によって昇降ラック100に歯合して昇降するようになっている。
【0033】
[集積トレイ90のセンサ類]
集積トレイ90には、シートが集積トレイ90上に載置されたか否かを検出するエンプティセンサ120と、集積トレイ90が昇降レール99の下限に位置していることを検出するリミットセンサ124と、集積トレイ90に載置されたシートの紙面高さよりシート載置量を検出する紙面レベルセンサ130とが設けられている。
エンプティセンサ120は、集積トレイ90の幅方向の略中央にエンプティフラグ118が、回動自在に設けられ、シートが載置されると回動してエンプティセンサをONして検出する。
【0034】
リミットセンサ124は、下降してくる集積トレイ90の底部よりリミットセンサフラグ122が下方に押され、リミットセンサがこれを検出することにより集積トレイ90の下限位置であること検出する。なお、このリミットセンサ124はリミットセンサフラグ122とこれを戻す復帰バネとともにユニット化されてリミットセンサユニット126として装置フレームに着脱自在に構成されている。したがって、後述する昇降レール99に対して延長レール139を追加した場合は、リミットセンサユニットを取り外し、集積トレイ90がさらに下降下可能なように設定する。
【0035】
集積トレイ90上のシート積載量を検知する紙面レベルセンサ130の機構は、図6に示してある。この図にあるように、集積トレイ90上のシートに接する紙面レベルセンサフラグ128と、この紙面レベルセンサフラグ128の反対側に設けられて一体として回動するセンサ側フラグ128bが回転軸129を軸心として回動可能に立ち面112の裏面側に設けられている。この回転軸129には、一端がソレノイド134に中間スプリング132を介して連結され、他端が例えば立ち面112との間に張設された戻しスプリング136に連結されている。
【0036】
上記の機構の基に、束排出ローラ86からシートが排出され、ソレノイドをOFFと戻しスプリング136により回転軸129を中心に紙面レベルセンサフラグ128がシートに当接するまで回転する。この当接した状態でセンサ側フラグ128bが紙面レベルセンサ130の検出状態を判別することにより、集積トレイ90に載置されたシートの紙面レベルを検知することができる。例えば、この実施形態においては、ソレノイド134のOFFの状態で、センサ側フラグ128bを検出していれば、適正な紙面レベルにあると判断し、検出していなければ、昇降モータ95を駆動して集積トレイ90を下降する。これを繰り返し、上述のリミットセンサ124がONであり、ソレノイドのOFF時に紙面レベルセンサがONの場合は、集積トレイ90にシートが満杯状態であると判断する。
【0037】
[延長レール取り付け(下降開始前)]
ここからは、図7ないし図11により図2に記載した本発明に係わる集積トレイの昇降範囲を拡張する延長レールについて説明する。
なお、これらの図において、排出ユニットを構成するシート処理装置Bである折りユニット31や綴じユニット32はこれまでの説明のものと同じなので、ここでの説明を省略する。
【0038】
まず図7は、これまでの昇降ラック100を含む昇降レール99にさらに集積トレイ90の昇降範囲を拡張する延長ラック140を含む延長レール139を追加設定した状態を示している。この延長レール139は、画像形成装置Aの装置フレーム29と綴じユニット32に固定する延長レール取り付け部141を有する。この延長レール139は、昇降ラック100を含む昇降レール99に追加設定可能となっている。
なお、この延長レール139は集積トレイユニット33を含むシート処理装置Bのみに取り付けるようにしてもよく、この様に構成すれば、画像形成装置本体側を取り付けのために加工することが無くより望ましい。
【0039】
また、この延長レール139は、集積トレイ90に載置するシートが増えて重量がますため、集積トレイ90が延長レール139に下降する場合は、昇降モータ95への荷重を低減するスプリング156からなる荷重軽減部材149が延長レール139内に一体的に設けられている。これらについては後述するが、この荷重軽減部材149を設けた理由は、昇降レール99のL1t範囲の中で移動する集積トレイ90に載置可能なシートの載置量から昇降モータ95が設定されている。延長レール139の追加により集積トレイ90の昇降範囲はL2t範囲に拡大され、シート載置量が増加して荷重が増大するが、この荷重が増大しても昇降モータ95を交換することなく集積トレイ90を昇降可能にするために設定されている。
【0040】
もちろん、延長レール139が追加設定されることを予定して昇降モータ95を当初から大型のものを使用したり、延長レール139を追加した際に昇降モータ95を交換したりしても良いが、従前の昇降モータ95を使用できることが望ましい。
図7は、この荷重軽減部材149を設けた延長レール139に集積トレイ90が移動する直前の状態を示し、荷重軽減部材149のスプリング156は未だ圧縮されていない状態にある。
【0041】
図8は、集積トレイ90が延長レール139を下降し、延長ラック140の下端に位置している状態を示している。この状態では、集積トレイ90の昇降ピニオン98が延長レール139の延長ラック140に歯合して下降する。この位置では集積トレイ90上のシート積載量が増え、これに応じて集積トレイ90の荷重も増加している。この位置では、これまで説明した荷重軽減部材をなすスプリング156も圧縮され、上昇方向への荷重を軽減する様に作用する。これにより、これまでの昇降モータ95で十分に昇降動作が可能となる。
【0042】
なお、延長ラック140の下端には、集積トレイ90が延長ラック140の下限にあることを示す延長リミットセンサユニット158が設けられている。この延長リミットセンサユニット158は、先に説明した昇降レール99のリミットセンサユニット126を置き換えても良いし、このリミットセンサユニット126を取り除き、新たなセンサユニットを延長リミットセンサユニット158として設定しても良い。
【0043】
[延長レール内部構成]
ここで、図2図7及び図8で説明した延長レール139の内部機構及び延長レール139に組み込まれる荷重軽減部材149について図9により説明する。図9(a)は延長レール139の内部機構を示し、画像形成装置Aと綴じユニット32に取り付けるための延長レール取り付け部141を有する外アングル146と、この内側でスプリング156を内装する荷重軽減部材149を備える内アングル148から構成されている。
なお、上記延長レール取り付け部141が、綴じユニット32の底面にネジ止めする綴じユニット取り付け部141bと画像形成装置Aの装置フレームにネジ止めするフレーム取り付け部141cを有していることは図示のとおりである。
【0044】
外アングル146は、昇降レール99から下降してくる昇降ピニオン98が係合する図示矢印Gで示す昇降ピニオン係合位置と、規制プーリ106が係合する図示矢印Pで示す規制プーリ係合位置が設定されている。言い換えると、矢印G位置で延長ラック140に昇降ピニオン98が歯合しながら昇降可能となる。また、これに隣接する矢印P位置で図4図5に主に示される規制プーリ106、上規制プーリ107が延長ラック140の延長案内部144と外アングル146間で摺動規制されながら昇降保持される。
【0045】
このように、昇降ピニオン係合位置Gと規制プーリ係合位置を昇降レール99に連通するように位置合わせして取り付けることにより、集積トレイ90が昇降レール99から延長レール139まで拡張された範囲を昇降することができる。
【0046】
また、本発明にあっては、上記の内アングル148は、延長レール139全長渡って荷重軽減部材149としてのスプリング156が配置してある。このスプリング156は、図9(b)に示す様に互いに摺動する円柱状の外スライダ152と内スライダ154に保持されて円滑に圧縮動作できるようになっている。さらに、外スライダは図9(a)図示のように上部に上受け部150が配置され、下部には図7図8に示される受け部が配置されている。上受け部150は集積トレイ90の底部を受ける集積トレイ受け台151が有している。
【0047】
したがって、集積トレイ90が延長レール139(延長ラック140)に下降してくると上記の集積トレイ受け台151が集積トレイ90の底部に当接して集積トレイ90上に載置されたシートの荷重を軽減するように、スプリング156が作用する。これにより、昇降レール99のみ昇降駆動を行う昇降モータ95がそのまま使用できる。
【0048】
[延長レール取り付けの変形例]
次に、延長レール139の画像形成装置Aや綴じユニット32を含むシート処理装置Bへの取り付け方の変形例を説明する。これまでの取り付けは、延長レール取り付け部141が、綴じユニット32の底面と画像形成装置Aの装置フレーム29に夫々ネジ止めして取り付けていた。
これに対して、図10(a)は排出ユニットをなすシート処理装置Bの綴じユニット32のだぼに嵌合させて取り付けたものである。これは取り付け部と延長レールとを略L字状とし、このL字型延長レール160の凸部を綴じユニットの底面及び画像形成装置Aの装置フレームの凹部に嵌合して簡便にL字型延長レール160を追加設定可能としたものである。
【0049】
また、図10(b)は画像形成装置Aの装置フレームのみに延長レールを取り付けたものである。すなわち本体固定延長レール164の取り付け部165は画像形成装置Aの装置フレーム29のみにネジ止めして本体固定延長レール164を追加設定する。このようにすると、単に綴じユニット32を含むシート処理装置Bを画像形成装置Aの装置フレーム29の側面と一致する位置に移動(図1または図3における距離L1a分のスライド移動)すれば、集積トレイ90の昇降範囲を本体固定延長レール164まで延長できる。
【0050】
なお、図9までで説明したものは延長レール139の追加と延長レール追加スイッチ143を切り替えて昇降モータ95の移動範囲を設定しているが、シート処理装置Bのシフト移動を検知して、昇降モータ95が延長するように設定すれば自動的に移動範囲が拡張できる。
【0051】
[制御構成の説明]
上述したシート処理装置Bを備える画像形成装置Aのシステム制御構成を図11のブロック図に従って説明する。図1に示す画像形成装置システムは画像形成装置Aの画像形成制御部200とガイドユニット30、折りユニット31、綴じユニット32、トレイユニット33を含むシート処理装置Bのシート処理制御部205(制御CPU)を備えている。画像形成制御部200は、給紙制御部202と入力部203を備えている。そしてこの入力部203に設けられたコントロールパネル204から後述する「プリントモード」「シート折りモード」「シート綴じモード」等のシート処理モードの設定を行う。
【0052】
シート処理制御部205は、前述の指定されたシート処理モードに応じてシート処理装置Bを動作させる制御CPUである。このシート処理制御部205は、動作プログラムを記憶したROM206と、制御データを記憶するRAM207とを備えている。また、このシート処理制御部205には、搬送されるシートを検出するシートセンサ(図示せず)や集積トレイ90に関連して集積トレイ90にシートが載置されているか否かを検出するエンプティセンサ120、集積トレイ90の下降下限位置を検出するリミットセンサ124、集積トレイ90上のシート積載量を検出するために紙面レベルを検出する紙面レベルセンサ130などの各種センサ入力部208からの信号が入力される。
【0053】
また、この各種センサ入力部208には、これまで説明した延長レール139が追加設定した場合、シート処理制御部に認識させ延長レール追加スイッチ143が設けられている。
この延長レール追加スイッチ143は、シート処理装置を装置フレーム29に沿う位置に移動することを自動的に検出しても良しい、手動で切り替えてもよい。
なお、この延長レール追加スイッチ143を設けることなく、昇降レール99のみの場合に集積トレイ90の下限位置を検出するリミットセンサユニット126を取り外して、延長リミットセンサユニット158が検出するまで集積トレイ90を下降させるように後述するコントロールパネル204指示すれば、延長レール139が敷設されと認識して下降範囲を拡大する。
より延長レール139の設定を確認するためには、上記の指示とともに延長レール追加スイッチ143設ければ、延長レール139の設定が確実に認識される。あるいは、この延長レール139追加スイッチ143の入力のみにより延長レール139が敷設されたと認識してもよく、何れかの形で集積トレイ90の昇降範囲が拡大できることを認識できればよい。
【0054】
ところでシート処理制御部205は、ガイドユニット30、折りユニット31、綴じユニット32、トレイユニット33の各ユニットのシート搬送を制御するシート搬送制御部210を備えている。また、シート処理制御部205は、折りユニット31でシート折り処理を行う折り制御部211、綴じユニット32で綴じを行うために処理トレイ76に載置する際の整合板84などを制御する処理トレイ制御部212と、この処理トレイ76に載置されたシート束に綴じ処理を行うステープラ80を制御するステープラ制御部213を備えている。
さらに、シート処理制御部205は、これまで説明した集積トレイ90の昇降をエンプティセンサ120、紙面レベルセンサ130、リミットセンサ124等からの検出信号をもとに昇降モータ95を制御する集積トレイ昇降制御部214を備えている。
【0055】
[シート処理モード]
上述のように構成された本実施態様のシート処理制御部205はシート処理装置Bに、例えば「プリントモード」「シート折りモード」「シート綴じモード」等を実行させる。以下、この処理モードについて述べる。
(1)「プリントアウトモード」
画像形成装置Aの本体排出口16から画像形成されたシートを受け入れ、このシートを搬入ローラ72、搬出ローラ74を経由して束排出ローラ86で集積トレイ90に1枚ずつ収容する。
(2)「シート折りモード」
ガイドユニット30の搬送路37からのシートを折りユニット31の筒状折り部に搬送して、簡易のシート折りを行い、搬送路37のシート搬送方向と交差する装置手前側に折りシートを排出する。
(3)「シート綴じモード」
本体排出口16から画像形成されたシートをガイドユニット30、折りユニット31を経由して、綴じユニット32の処理トレイ76にシートを一時載置して束とし、この束をステープラ80で綴じた後に集積トレイ90に集積する。
【0056】
以上説明した、この発明を実施するための形態によれば、下記のような効果を奏する。
1.排出されるシートを受け入れて移動する集積トレイ90であって、シートを排出する排出ユニット(シート処理装置Bの一部をなす綴じユニット32)と、この排出ユニットに設けられ前記集積トレイのシート集積量に応じてこの集積トレイの移動を許容する移動レール(昇降ラック100を含む昇降レール99)と、この移動レールに沿って集積トレイを移動する駆動部材(昇降モータ95)とを備え、上記移動レールに追加設定可能で上記集積トレイの移動範囲を拡張する延長レール139を備えたシート集積装置である。
これによれば、集積トレイの移動を許容する移動レールに対して、集積トレイの移動範囲を拡張する延長レールを設定することにより、集積トレイの移動の範囲を比較的容易に拡大してシートの集積量を増加させることができる。
【0057】
2.上記駆動手段(昇降モータ95)は、延長レール139が追加されたことを認識したとき、移動レールを越えて移動するように制御部(集積トレイ昇降制御部214)によって制御されるシート集積装置である。
これによれば、延長レールが敷設されたことを認識することによって集積トレイ90の移動範囲を拡大することが容易になし得る。
【0058】
3.上記延長レール139は、シートを受け入れて移動する集積トレイの荷重を軽減する荷重軽減部材149(スプリング156)を備えている上記1に記載のシート集積装置である。
これによれば、昇降モータ95を大型のものに交換することなく、従前の昇降モータ95が利用できる。
【0059】
4.上記移動レール(昇降レール99)と延長レール139は集積トレイ側に設けられた駆動部材の一部を構成するギア(昇降ピニオン98)とこれに係合するラック(昇降レール99、延長ラック140)と集積トレイを摺動保持する摺動レール(支持アングル108、外アングル146)とから夫々なり、上記荷重軽減部材149は集積トレイの荷重を受ける圧縮スプリング(スプリング156)からなる上記3に記載のシート集積装置である。
これによれば、移動レールに延長レールを連通させるだけで、集積トレイ90の移動範囲を容易に拡張できるとともに、昇降モータ95を大型にする必要もない。
【0060】
5. 排出されるシートを受け入れて移動する集積トレイ90であって、画像形成部2を有する装置フレーム29と、上記画像形成部の上方に配置され、上記装置フレームからの画像形成済みシートに処理を施し排出する排出ユニット(綴じユニット32を含むシート処理装置B)と、上記排出ユニットに取り付けられ排出されるシートの集積量に応じて移動する上記集積トレイの移動を支持する移動レール(昇降レール99)と、この移動レールに沿って上記集積トレイを移動する前記集積トレイに取り付けられた駆動部材(昇降モータ95)とを備え、上記装置フレームに追加設定可能で上記集積トレイの移動範囲を拡張する延長レール139と、上記排出ユニットは、上記移動レールの範囲で集積トレイを移動する第1位置(装置フレーム29の側面よりL1a分内側の位置)と、シート排出方向にシフトして上記移動レールと延長レールとが連続する範囲で集積トレイを移動可能とする第2位置(装置フレーム29の側面と略同位置)に上記画像形成部の上方でシフト可能に構成され、この第2位置に上記排出ユニットをシフトしたとき、上記集積トレイを移動レールと延長レールとの間で移動可能とすることを特徴とする画像形成装置である。
これによれば、延長レール139を追加し、排出ユニット(綴じユニット32を含むシート処理装置B)を装置フレーム29の側面に沿う位置にシフトすることで、集積トレイの移動範囲を比較的容易に拡大してシートの集積量を増加できる。
【0061】
6.上記延長レール139は、シートを受け入れて移動する集積トレイ90の荷重を軽減するために集積トレイ90の移動途中から集積トレイ90に当接して集積トレイ90の荷重軽減するスプリング部材(スプリング156)が延長レールに設けられていることを上記5に記載の画像形成装置である。
これによれば、昇降モータ95を大型のものに交換することなく、従前の昇降モータ95が利用できる。
【0062】
7.上記延長レール139とスプリング部材(スプリング156)とはユニット化されている上記6に記載の画像形成装置である。
これによれば、延長レールを追加設定するだけで、集積トレイ90の荷重軽減が実行できる。
【0063】
8.前記延長レールは、予め装置フレーム29側部に取り付けられている上記5に記載の画像形成装置である。
これによれば、延長レールを装置フレームに取り付けておき、必要時に移動範囲を拡大することができる。
【0064】
9.前記延長レールは、排出ユニットに追加して取り付けられる上記5に記載の画像形成装置である。
これによれば、排出ユニットの移動時に排出ユニット取り付けることにより集積トレイの移動範囲を拡大できる。
【0065】
10.上記延長レールは、集積トレイ90を保持して移動を可能とする摺動レール(外アングル146)と前記集積トレイに設けられた駆動ギア(昇降ピニオン98)に歯合して前記集積トレイを移動させる延長ラック140とからなる画像形成装置である。
これによれば、延長レール139を構成する摺動レール(外アングル146)と延長ラック140を追加設定するだけで、集積トレイの移動範囲を拡張してシートの集積量を増加できる。
【0066】
なお、前記の実施の形態における効果の説明では、本実施の形態の各部について、特許請求の範囲における各構成要素の対応する部材をかっこ書きで示すか、あるいは参照符号を付して両者の関係を明確にした。
【0067】
さらに、本発明は前述した実施の形態に限定されず、本発明を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。これまでの実施の形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0068】
A 画像形成装置
B シート処理装置(排出ユニット)
29 装置フレーム
30 ガイドユニット
31 折りユニット
32 綴じユニット
33 トレイユニット(シート集積装置)
76 処理トレイ
80 ステープラ
86 束排出ローラ
90 集積トレイ
95 昇降モータ
98 昇降ピニオン
99 昇降レール(移動レール)
100 昇降ラック
106 規制プーリ
107 上規制プーリ
108 支持アングル
139 延長レール
140 延長ラック
146 外アングル(摺動レール)
148 内アングル
149 荷重軽減部材
156 スプリング(圧縮スプリング)
205 シート処理制御部
214 集積トレイ昇降制御部(制御部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11