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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】自己較正式無接触電力消費量感知
(51)【国際特許分類】
   G01R 21/00 20060101AFI20220107BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
G01R21/00 P
H02J13/00 301A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020122734
(22)【出願日】2020-07-17
(62)【分割の表示】P 2017514301の分割
【原出願日】2015-09-11
(65)【公開番号】P2020193977
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2020-07-17
(31)【優先権主張番号】14/485,424
(32)【優先日】2014-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504379349
【氏名又は名称】ベルキン・インターナショナル・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】12045 East Waterfront Drive Playa Vista,California 90094 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パテル,シュウェタック,エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,シドハント
(72)【発明者】
【氏名】レイノルズ,マシュー,エス.
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-531247(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0172192(US,A1)
【文献】特開平08-251824(JP,A)
【文献】特表2013-531802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 21/00
H02J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造体へ供給されている電力を感知装置、較正装置および1つまたは複数のプロセッサを使用して感知する方法であって、前記感知装置は、1つまたは複数の磁場センサを含み、前記感知装置は、回路遮断器ボックスのパネルへ取り付けられ、前記回路遮断器ボックスの前記パネルは、構造体の電力インフラストラクチャの1つまたは複数の主電源線の少なくとも一部の上に位置し、前記較正装置は、負荷ユニットを含み、前記較正装置は、前記構造体の前記電力インフラストラクチャへ電気的に結合され、前記方法は、
前記構造体内の複数の通常の電力消費量変化に基づく区分的方式で第1の伝達関数を求めることにより、前記感知装置を自動的に較正する工程と、
前記感知装置の1つまたは複数の出力信号と前記第1の伝達関数とに基づき、前記1つまたは複数のプロセッサを使用して電力消費測定結果を求める工程と
を含み、
前記構造体内の前記複数の通常の電力消費量変化に基づく前記区分的方式で前記第1の伝達関数を求めることにより、前記感知装置を自動的に較正する工程は、
磁場変化測定結果を電流変化値に変換する第2の伝達関数を求めるように、前記複数の通常の電力消費量変化に対応するトリガ事象を感知するとニューラルネットワークモデルをトレーニングする工程と、
前記第2の伝達関数に少なくとも基づき、前記1つまたは複数のプロセッサにより前記第1の伝達関数を更新する工程であって、前記第1の伝達関数は、磁場測定結果を絶対電流値に変換するように構成される、工程とを含む、
方法。
【請求項2】
前記構造体内の前記複数の通常の電力消費量変化に基づく前記区分的方式で前記第1の伝達関数を求めることにより、前記感知装置を自動的に較正する工程は、(a)前記較正装置の前記負荷ユニットが較正用負荷を適用する前後に前記感知装置により測定された磁束の測定領域と、(b)前記測定領域外の外挿領域とに少なくとも基づき、前記第1の伝達関数を前記1つまたは複数のプロセッサにより繰り返し予測する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トリガ事象を感知すると前記ニューラルネットワークモデルをトレーニングする工程は、
前記トリガ事象に対応する磁束の第1の変化を感知すると、前記感知装置からの1つまたは複数の第1の磁場値を測定する工程と、
前記較正装置の前記負荷ユニットの所定の較正用負荷を前記電力インフラストラクチャへ適用する工程であって、前記所定の較正用負荷は、第1の電流量を引き出す、工程と、
前記所定の較正用負荷が前記電力インフラストラクチャへ適用されている間に前記感知装置の1つまたは複数の第2の磁場値を感知する工程と、
前記ニューラルネットワークモデルの入力層として前記1つまたは複数の第1の磁場値および前記1つまたは複数の第2の磁場値を使用し、前記ニューラルネットワークモデルの出力層として前記第1の電流量を使用して、前記ニューラルネットワークモデルをトレーニングするために、前記1つまたは複数のプロセッサを使用する工程と
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記トリガ事象は、前記感知装置から測定された前記1つまたは複数の第1の磁場値が前記第1の伝達関数の外挿領域に対応する、前記複数の通常の電力消費量変化を含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記構造体内の前記複数の通常の電力消費量変化に基づく前記区分的方式で前記第1の
伝達関数を求めることにより、前記感知装置を自動的に較正する工程は、第1の期間にわたって行われ、
前記第1の期間は、少なくとも48時間である、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記較正装置の前記負荷ユニットは、1000ワット以下の最大較正用負荷を提供するように構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記較正装置の前記負荷ユニットは、300ワット以下の最大較正用負荷を提供するように構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記較正装置の前記負荷ユニットは、4つ以下の離散的な較正用負荷を生じるように構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記較正装置の前記負荷ユニットは、ある範囲の較正用負荷を生じるように構成され、
前記感知装置が較正された後、前記1つまたは複数のプロセッサは、ある範囲の電力消費測定結果を求めるために前記感知装置を使用するように構成され、
前記較正用負荷の範囲は、前記電力消費測定結果の範囲より小さい、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記較正用負荷の範囲は、前記電力消費測定結果の範囲の20%未満である、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記感知装置の前記1つまたは複数の出力信号と前記第1の伝達関数とに基づき、前記1つまたは複数のプロセッサを使用して前記電力消費測定結果を求める工程は、前記1つまたは複数の主電源線内を流れる電流と前記1つまたは複数の主電源線の電圧との間の位相差を求める工程を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記感知装置の前記1つまたは複数の出力信号と前記第1の伝達関数とに基づき、前記1つまたは複数のプロセッサを使用して前記電力消費測定結果を求める工程は、前記位相差に少なくとも基づき、実電力使用量を求める工程をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年9月12日出願の米国特許出願第14/485,424号明細書に対する優先権を主張するものであり、これは、(1)2009年9月25日出願の米国特許出願第12/567,561号明細書の一部継続出願および(2)2014年8月11日出願の米国特許出願第14/457,032号明細書の一部継続出願であり、かつ2009年9月25日出願の米国特許出願第12/567,561号明細書の一部継続出願である2011年7月1日出願の米国特許出願第13/175,770号明細書の分割出願である。本出願は、2010年9月3日出願の米国仮特許出願第61/380,174号明細書および2010年7月2日出願の米国仮特許出願第61/361,296号明細書の利益を主張する。米国特許出願第12/567,561号明細書、同第13/175,770号明細書、同第14/457,032号明細書および同第14/485,424号明細書ならびに米国仮特許出願第61/380,174号明細書および同第61/361,296号明細書は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概して、電力消費量を感知することに関し、具体的には自己較正式無接触電力消費量感知に関する。
【背景技術】
【0003】
エネルギー保存およびエコフィードバック研究は、ユビキタスコンピューティング(Ubicomp)およびヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)コミュニティにおける焦点であり続けている。米国のエネルギー消費量の28%が家庭活動により直接寄与されること考えれば、家庭は研究すべき当然の場所である。それにもかかわらず、全家庭の電力消費量情報を住宅所有者または研究者がリアルタイムで取得することは困難な課題であり得る。例えば、いくつかのスマートメータは15分間隔でデータを提供するが、それにもかかわらず、その情報へアクセスすることは、閉じられたソースと、多くの場合に私的なプロトコルおよびアプリケーションインタフェースとのために困難であり得る。1つの一般的手法は、遮断器パネルの内部に市販変流器(CT)を設置することである。しかし、CTを安全に設置することは、遮断器パネル内の主電気フィードの周囲にセンサを配置することに関わるため、訓練された電気工を雇用する必要がある。ほとんどの研究者および住宅所有者は、このような設置を行うための訓練を受けていないか、またはこのような設置を行う自信がない。実際に、米国電気工事基準(NEC)は、CTの専門的設置の要件に関して厳しい規則を有する。加えて、米国内のいくつかの州は共に、CTが遮断器パネル内に設置されることを禁じている。この場合、代替案は、高価なパススルーメータ(pass-through meter)を使用することである。パススルーメータは、エンドユーザが電気メータの設置を改竄または変更することができないため、公益事業会社の関与を必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の説明をさらに容易にするために以下の図面が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】第1の実施形態による構造体の回路遮断器および電力インフラストラクチャに取り付けられた例示的システムの図を示す。
図2図1のシステムのブロック図を示す。
図3】第2の実施形態による例示的システムのブロック図を示す。
図4】一実施形態による予測関数を関数の領域内に配置することにより導出され得る関数の例示的グラフを示す。
図5】一実施形態による関数の例示的グラフを示す。
図6】一実施形態による関数の例示的グラフを示す。
図7】一実施形態による関数の例示的グラフを示す。
図8】磁場センサにより生成される出力信号の磁束の例示的グラフ(上部)と、1つのレグを通る対応する予測電流波形の例示的グラフ(下部)とを示す。
図9】予測電流波形および測定電圧波形の例示的グラフ(上部)と、電流波形を予測するために使用された磁場センサにより生成される出力信号の磁束の例示的グラフ(下部)とを示す。
図10】予測電流波形および測定電圧波形の例示的グラフ(上部)と、電流波形を予測するために使用された磁場センサにより生成される出力信号の磁束の例示的グラフ(下部)とを示す。
図11】伝達関数とその分解された要素とを示す例示的グラフを示す。
図12】回路遮断器および電力インフラストラクチャに取り付けられた図1のシステムの図を示し、様々なセンサ配置位置を示す。
図13】別の実施形態による、構造体へ供給されている電力を感知装置、較正装置および1つまたは複数の処理モジュールを使用して感知する方法のフローチャートを示す。
図14図13の実施形態による、トリガ事象を感知するとニューラルネットワークモデルをトレーニングする方法のフローチャートを示す。
図15】別の実施形態による、構造体へ供給されている電力を感知装置、較正装置および1つまたは複数の処理モジュールを使用して感知するフローチャートを示す。
図16図1図3のシステムの実施形態を実施するのに好適なコンピュータシステムの正面立面図を示す。
図17図16のコンピュータシステムのシャーシ内の回路基板に含まれる要素の例の代表的ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
説明の簡単化および明確化のために、図面は構造体の一般的方式を示し、周知の特徴および技術の説明と詳細とは、本開示を不必要に曖昧にしないように省略されることがある。加えて、図面内の要素は必ずしも原寸に比例して描かれない。例えば、図面内の要素のいくつかの寸法は、本開示の実施形態の理解を向上させるのを促進するために他の要素に対して誇張されることがある。様々な図面内の同じ参照符号は同じ要素を表す。
【0007】
本明細書および特許請求の範囲内の用語「第1」、「第2」、「第3」、「第4」などは、もしあれば、同様の要素同士を区別するために使用され、必ずしも特定の順序または時間的順番を説明するためには使用されない。そのように使用される用語は、本明細書に記載の実施形態が例えば本明細書において示されるか、または他に説明されるもの以外の順序で動作可能であるように、適切な状況下で交換可能であることを理解すべきである。さらに、用語は「含む」および「有する」ならびにそれらの任意の変形は、例えば、要素の一覧を含む処理、方法、システム、物品、デバイス、または装置が必ずしもそれらの要素に限定されないが、明示的に列挙されないまたはこのような処理、方法、システム、物品、デバイスまたは装置に固有の他の要素を含むように非独占的包含を含むように意図されている。
【0008】
本明細書内および特許請求の範囲内の用語「左」、「右」、「前」、「後」、「上部」、「下部」、「の上」、「の下」などは、もしあれば、説明目的のために使用され、必ずしも恒久的相対位置を説明するために使用されない。そのように使用される用語は、本明細書に記載の製造の装置、方法、および/または物品の実施形態が例えば本明細書におい
て示されるか、または他に説明されるもの以外の配向で動作可能であるように、適切な状況下で交換可能であることを理解すべきである。
【0009】
用語「結合する」、「結合された」、「結合している」などは広義に理解されるべきであり、2つ以上の要素を機械的におよび/または他の方法で接続することを指すべきである。2つ以上の電気要素は電気的にまとめて結合され得るが、機械的にまたは他の方法でまとめて結合されなくてもよい。結合は、任意の時間長(例えば、恒久的、または半恒久的、または一瞬のみ)にわたるものであり得る。「電気的結合」などは広義に理解され、すべてのタイプの電気的結合を含むべきである。用語「結合された」に近い用語「着脱可能に」、「着脱可能な」などの欠落は、その結合などが着脱可能であるまたは着脱可能でないことを意味しない。「機械的結合」などは広義に理解され、すべてのタイプの機械的結合を含むべきである。
【0010】
用語「結合された」に近い用語「着脱可能に」、「着脱可能な」などの欠落は、その結合などが着脱可能であるまたは着脱可能でないことを意味しない。
【0011】
本明細書で定義されるように、2つ以上の要素は、同じ材料片からなる場合には「一体化」状態である。本明細書で定義されるように、2つ以上の要素は、それぞれが異なる材料片からなる場合には「非一体化」状態である。
【0012】
本明細書で定義されるように、「約」は、いくつかの実施形態では表示値の+または-10%以内を意味し得る。他の実施形態では、「約」は表示値の+または-5%以内を意味し得る。別の実施形態では、「約」は表示値の+または-3%以内を意味し得る。さらに別の実施形態では、「約」は表示値の+または-1%以内を意味し得る。
【0013】
様々な実施形態は、構造体の電力インフラストラクチャにおける電力使用量を感知するためのシステムを含む。構造体は、構造体の電力インフラストラクチャの回路遮断器ボックスおよび1つまたは複数の主電源線を含み得る。本システムは、1つまたは複数の主電源線の少なくとも一部の上に位置する(重なる)回路遮断器ボックスのパネルへ取り付けられるように構成された感知装置を含み得る。感知装置は、1つまたは複数の磁場センサを含み得る。本システムはまた、構造体の電力インフラストラクチャへ電気的に結合されるように構成された較正装置を含み得る。較正装置は、負荷ユニットを含み得る。本システムは、感知装置から1つまたは複数の出力信号を受信するように構成された1つまたは複数の処理モジュールをさらに含み得る。感知装置は、感知装置がパネルへ取り付けられる場合に、1つもしくは複数の主電源線または電力インフラストラクチャへ電気的または物理的に結合されることを欠いてもよい。1つまたは複数の処理モジュールは、感知装置がパネル上の任意の位置に結合されると、感知装置から受信された1つまたは複数の出力信号に少なくとも部分的に基づき、電力使用量を求めるようにさらに構成され得る。
【0014】
いくつかの実施形態は、構造体へ供給されている電力を感知装置、較正装置および1つまたは複数の処理モジュールを使用して感知する方法を含む。感知装置は、1つまたは複数の磁場センサを含み得る。感知装置は、回路遮断器ボックスのパネルへ取り付けられ得る。回路遮断器ボックスのパネルは、構造体の電力インフラストラクチャの1つまたは複数の主電源線の少なくとも一部の上に位置し得る。較正装置は、負荷ユニットを含み得る。較正装置は、構造体の電力インフラストラクチャへ電気的に結合され得る。本方法は、第1の期間にわたる構造体内の複数の通常の電力消費量変化に基づく区分的方式で第1の伝達関数を求めることにより、感知装置を自動的に較正する工程を含み得る。本方法はまた、感知装置の1つまたは複数の出力信号と第1の伝達関数とに基づき、1つまたは複数の処理モジュールを使用して電力消費測定結果を求める工程を含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態は、構造体へ供給されている電力を感知装置、較正装置および1つまたは複数の処理モジュールを使用して感知する方法を含み得る。感知装置は、回路遮断器ボックスのパネルへ取り付けられ得る。回路遮断器ボックスのパネルは、構造体の電力インフラストラクチャの1つまたは複数の主電源線の少なくとも一部の上に位置し得る。較正装置は、負荷ユニットを含み得る。本方法は、感知装置の1つまたは複数の出力信号に少なくとも部分的に基づき、1つまたは複数の主電源線内を流れる電流を求める工程を含み得る。本方法はまた、較正装置により測定された1つまたは複数の主電源線内を流れる電流と電圧との間の位相差を求める工程を含み得る。較正装置は、構造体の電力インフラストラクチャへ電気的に結合され得る。感知装置は、1つまたは複数の主電源線の少なくとも一部により生成された磁束を測定し、かつ感知装置により測定された磁束に基づき、感知装置の1つまたは複数の出力信号を生成するように構成された1つまたは複数の磁場センサを含み得る。感知装置は、1つまたは複数の主電源線へ電気的または物理的に結合されることを欠いてもよい。
【0016】
非接触電力消費量センサは、遮断器パネルの外側に置かれる「貼り付け式(stick
on)」センサを提供することにより、このような配備負荷を低減するために使用されてきた。この技術は、遮断器パネル内の主線内を流れる60ヘルツ(Hz)電流により誘起される磁場を感知するために磁気センサを利用してきた。既存手法は、無侵襲型(non-intrusive)電力監視の配備の単純化および容易化への1ステップであったが、考慮すべきいくつかの制限が存在し得る。第1に、既存手法は、ユーザがセンサをパネル上に精密に配置することを必要とする可能性があり、これはエンドユーザが行うには困難な作業である。第2に、既存手法は、磁気センサと電流との間の線形伝達関数を前提とし得るが、これはその精度を小電流範囲に制限する。第3に、既存手法は、磁気センサの直接背後の領域内に存在し得る様々な分岐回路により生成される小さい磁場を必ずしも考慮しない。第4に、既存手法は、電圧波形と電流波形との間の位相情報を考慮しないため、見掛け電力(ただし、必ずしも真(本当)でない電力)を推測する可能性がある。真の電力を求めることができないことにより、既存手法は、現在、現代家庭における電力消費量の多くを構成する傾向がある電球型蛍光ランプ(CFL)、発光ダイオード(LED)、加熱、換気および空調(HVAC)システム、コンピュータ、テレビ(TV)などの高誘導性負荷の電力使用を正確に推測できない可能性がある。加えて、エネルギーディスアグリゲーション(energy disaggregation)コミュニティの研究者らは、見掛け電力データのみにより有用性を制限してきた。
【0017】
従来技術は、プラグイン型較正器が伝達関数に合うように既知電力負荷を引き出すであろうという仮定の下にプラグイン型較正器を利用してきた。しかし、このような手法のあり得る1つの欠点は、較正器が家庭の大きさと存在する機器のタイプとに依存して、0~20キロワット(kW)などの大きい範囲の負荷を引き出すことができると仮定する可能性があることである。プラグイン型較正器がこのような大きい負荷を引き出すことは、安全な熱放散制限のためだけでなく、このような装置を小形状因子(small form
factor)で構成する難しさのために非実用的であり得る。
【0018】
各コンセントにおける機器レベルエネルギー消費を測定し示すための多くの市販センサ、例えばConserve Insight(商標)、GreenSwitchおよびKill-A-Watt(商標)製品が存在する。全家庭電力消費量測定の場合、人気のある市販解決策のうちのいくつかは、The Energy Detective(TED(登録商標))およびPowerCost Monitor製品である。TED製品を設置することは遮断器パネル内の主電気フィード(主線)の周囲にCTを配置することに関わり、これは高電圧感電の危険性のために専門的設置を必要とする。一方、PowerCost製品は、電気工を雇用することなく住宅所有者により容易に設置され得るが、露出された互換性のある光ポートを有する電気機械メータまたは電子的メータのいずれかを必
要とする可能性がある。したがって、PowerCost製品は、メータとその露出データポートとに依存するその更新率および性能を有する特定タイプのメータに制約され得る。
【0019】
このような制限のために、主線へ直接アクセスすることなく電力を推測しようとする非接触解決策が出現している。1つのこのような手法は、遮断器スイッチ自体の面に配置された磁気センサを使用することにより、個別の回路遮断器における電流を測定する。しかし、ほとんどの電気工事規定は、その救命遮断動作との干渉可能性のため、いかなるものも拡張使用のために回路遮断器上に配置されることを許さない。加えて、このような手法は、家庭全体電力使用量を収集するために、センサが各回路遮断器上にまたは存在すれば主回路遮断器上に配置されることを必要とするであろう。同様の磁場ベース手法では、磁気センサはパネル上のすべての遮断器スイッチ上に配置される必要がある。いくつかのセンサを必要とすることに加えて、このような手法はまた、住宅所有者により手動で較正される必要があり、これは住宅所有者が行うには極めて困難および/または非実用的であり得る。
【0020】
別の手法は、主バスバー中を流れる電流を感知するために遮断器パネル(遮断器ではなく)の面上に配置される磁気センサの対を使用する。この手法は、センサの配置の際にユーザを誘導するのを補助するためにLEDの組を利用した。この手法はまた、伝達関数を生成するために負荷較正器を使用したが、較正器が家庭の全電力範囲をエミュレートできることと、線形伝達関数とを仮定した。配置を補助するためにLEDを使用するにもかかわらず、他の分岐回路および浮遊配線がセンサ下の磁場に影響を与え得る。さらに、磁束の状態は様々な機器が使用されるため、一日中変化する。これは、LEDが、遮断器パネル状態が初期設置後に同じままである場合に最も役立ち、遮断器パネル状態が初期設置後に著しく変化する場合はまったく役立たないことを意味する。さらに、この手法は見掛け電力を推測したが、電流と基準電圧との間の位相角を考慮しなかった。
【0021】
添付図面に移ると、図1は、第1の実施形態による、構造体の回路遮断器190および電力インフラストラクチャ160に取り付けられた例示的システム100の図を示す。図2は、第1の実施形態によるシステム100のブロック図を示す。システム100は単に例示的であり、本明細書で提示される実施形態に限定されない。システム100は、本明細書において特に描写または説明されない様々な実施形態または例において採用され得る。システム100は、構造体の電力インフラストラクチャ160内の電力使用量を感知するためのシステムと考えられ得る。例えば、構造体は、特徴的電気サービスおよび/またはサービス群を提供され、指定の目的を果たす任意の建造物であり得る。構造体の例は、一例としていくつかのみを列挙すると、単一家族住宅、アパート、コンドミニアム、タウンハウス、2世帯用アパート、3世帯用アパート、4世帯用アパート、ビジネスなどの商業構造、倉庫および工場を含むが、限定することを意図または意味しない。
【0022】
いくつかの実施形態では、システム100は、感知装置110、表示装置120および/または較正装置180を含み得る。多くの例では、システム100は、回路遮断器パネル190などの従来の遮断器ボックスまたは回路遮断器パネル上で使用され得る。米国における回路遮断器パネルは、通常、電機製造者協会(NEMA)からのガイドラインに基づくGeneral Electric「スタイル」に準拠する。具体的には、回路遮断器パネルは、通常、アクセスドアを備えた前面を有する。前面は、通常、主電気フィードまたは線がバスバーに接続される内部を覆う。図1に示すように、回路遮断器パネル190は、個別の回路遮断器165および個別の回路遮断器161などの個別の回路遮断器を含み得る。様々な実施形態では、回路遮断器パネル190は、外面を有するパネル196を含み得る。いくつかの実施形態では、回路遮断器パネル190は、個別の回路遮断器(例えば161、165)および/またはパネル196へのアクセスを提供するドア197
を含み得る。多くの実施形態では、回路遮断器パネル190は、1つまたは複数の主回路遮断器(図示せず)を含み得る。多くの実施形態では、回路遮断器パネル190は、主電力導体193、194、195の少なくとも一部を含み得る。
【0023】
様々な実施形態では、個別の回路遮断器(例えば161、165)は、回路遮断器レバー(例えば、回路遮断器レバー162、166それぞれ)を含み得、分岐回路163、167などの分岐回路を介して電力をそれぞれ供給し得る。例えば、分岐回路163は、構造体のレセプタクル164へ電力を供給し得、および/または分岐回路167は、構造体のレセプタクル168へ電力を供給し得る。いくつかの実施形態では、構造体の電力インフラストラクチャ160は、少なくとも回路遮断器パネル190、主電力導体193、194、195(「フィード」/「レグ」)および分岐回路163、167など、構造体内の分岐回路を含み得る。多くの例では、主電力導体193、194、195は、電気的に取り付けバー198へ結合され、および/またはバスバー199などの1つまたは複数のバスバーへ接続され得る。これらのバーは、電力を電力インフラストラクチャ160内の個別の回路遮断器(例えば161、165)および分岐回路(例えば163、167)へ供給し得る。多くの実施形態では、パネル196は、人々がこれらの通電された電力導体に不注意に接触することから保護するために主電力導体193、194、195および関連回路の少なくとも一部の上に位置し得る。パネル196は、鋼鉄または別の金属からなり得る。多くの例では、ドア197は、個別の回路遮断器(例えば161、165)を覆い、通常、美学的理由のために閉じられているが、回路遮断器パネル190内の個別回路遮断器(例えば161、165)のレバー(例えば162、166)へのアクセスを可能にするために開かれ得る。
【0024】
多くの実施形態では、システム100は、主電力導体193、194、195を通って引き出される電流を推測することにより構造体内の電流消費量を計算するために使用され得る。一般的に、住居および小規模商業的電気サービスは、通常、240ボルト(V)分相サービスである。これは、電力導体193または194のいずれかから電流を戻すために使用され得る中性導体(例えば電力導体194)と共に、180度逆相の2つの120V交流(AC)電源導体(例えば電力導体193、195)を提供する公益事業会社を指す。電力導体193、194、195は、構造体内の異なる負荷に役立つ分岐回路(例えば163、167)に分割される前に公益事業会社からの入力電力を運ぶ「フィーダ」または「主」電力導体であり得る。120V負荷は、主として、低ワット負荷(すなわち標準3ピン120V/15アンペア(A)または120V/20Aコンセントに差し込まれる負荷、および約2キロワット(kW)未満の電力を引き出す小型機器)を含み得る。これらの負荷は、個別回路内で配線されレセプタクル164、168などのレセプタクルへ取り付けられ得、負荷電流は主電力導体193、194対(「第1の位相分岐」または「第1のレグ」)間または主電力導体195、194対(「第2の位相分岐」または「第2のレグ」)間を流れる。240V負荷は、通常、2kW(キロワット)を超える電力を消費する大型機器(例えば電気ドライヤ、ストーブ、エアコンコンプレッサ、電気ベースボードヒータ)である。この場合、負荷電流は電力導体193、195間に流れ、いかなる負荷電流も電力導体194内に流れない。電力導体193、195上の電圧間の180度の位相関係のために、電圧の合計は240Vである。
【0025】
工業用建物は、通常、三相が120度互いにオフセットされた三相サービスを受ける。単相電力サービスは上に説明されたが、システム100はまた三相電力サービスにより同様に使用され得る。いずれにしてもシステム100は、すべてのレグ(例えば主電力導体193、194、195)中を流れる電流を予測し得る。主電力導体193、194、195により生成される磁場を感知することにより、システム100は、構造体内のすべての負荷が電力導体193、194および/または195と並列に結合されるため、公益事業会社からすべての負荷により引き出される全電流を感知し得る。主レグ(例えば193
、194、195)から生成される磁場は、各レグ(例えば193、194、195)中を流れる電流を別個に推定するために使用され得る。磁場は配線(例えば193、194、195)から数センチメートルの距離で、かつパネル196の板金の層を通してさえ放射する。理想的状態では、磁場は電流に線型に対応するであろう。しかし、磁場と電流との関係は、すべての隣接配線の磁場、反射磁場、板金の磁気的非線形性のために実際には単純ではない。
【0026】
依然として図1図2を参照すると、多くの実施形態では、感知装置110は、磁場センサ111、112、113、114などの1つまたは複数の磁場センサを含み得る。磁場センサ111~114は、誘導性ピックアップ、ホール効果センサ、磁気抵抗センサ、または回路遮断器パネル190内の導体により生成される時変磁場に応答するように構成された任意の他のタイプのセンサを含み得る。例えば、磁場センサ111~114はRadioShack着脱可能電話ピックアップセンサ、型番07C12であり得る。磁場センサ111~114は、パネル196の背後の主電力導体193、194、195中だけでなく、分岐回路(例えば163、167)のうちのいくつかの中を流れる60Hz電流から放射される磁場を検知するためにパネル196の外面上に配置され得る。図1は、パネル196上の感知装置110の見本配置を示す。いくつかの実施形態では、磁場センサ(例えば111~114)は、一般的な回路印刷技術を使用することによりインダクタのアレイとして印刷され得、これにより、感知装置110がステッカーとして回路遮断器パネル190へ取り付けられ得るようにする。
【0027】
いくつかの実施形態では、感知装置110は1つまたは複数の磁石117を含み得る。多くの実施形態では、磁石117は、磁石117が持続的磁場を生成し得るように永久磁石であり得る。様々な実施形態では、1つまたは複数の磁場センサ(例えば111~114)は磁石117により囲まれ得る。様々な実施形態では、磁石117は、主電力導体193、194、195と磁場センサ111~114との間に位置するパネル196の板金の磁気的非線形性の影響を低減するように配置され得る。主電力導体193、194および/または195内を流れる実電流波形と磁場センサ111~114により感知される磁気波形との間の時間差は、パネル196の材料の磁気飽和および透磁率に依存し得る。磁場を磁石117により飽和させることで、パネル196内の板金により誘起される非線形性を低減し得る。換言すれば、実波形と感知波形との間の位相差の非線形性は、磁場センサ111~114を磁石117で囲むことにより低減され得、これにより、以下にさらに詳細に論述されるように、位相角計算のより正確な予測を有益にもたらす。
【0028】
多くの実施形態では、感知装置110は取り付け機構219を含み得る。取り付け機構219は、感知装置110を回路遮断器パネル190の面(パネル196など)に取り付けるように構成され得る。いくつかの例では、取り付け機構219は接着剤、面ファスナ(hook-and-loop)材料、磁石または別の取り付け機構を含み得る。
【0029】
様々な実施形態では、感知装置110は、磁場センサ111~114により感知される磁場の1つまたは複数の信号を送信するために使用され得る送信器215および/または電力源216を含み得る。例えば、送信器215は有線または無線チャネルであり得る。例えば、送信器215は、Wi-Fi(ワイヤレスフィデリティ(IEEE(電気電子学会)802.11標準))、Zigbee(IEEE802.15.4)、Bluetooth(登録商標)(IEEE802.15.1)またはプロプライアタリデータ通信プロトコルなど、別の好適なプロトコルなどの通信プロトコルを使用して通信し得る。いくつかの実施形態では、電力源216は電池または他の好適な電力源であり得、送信器215を介して送信用電力を供給し得る。
【0030】
依然として図1図2を参照すると、多くの実施形態では、較正装置180は電気プラ
グ282を含み得る。電気プラグ282は、レセプタクル164または168などの構造体内のレセプタクル内に差し込まれ得、較正装置が分岐回路161および/または分岐回路167などの分岐回路へ電気的に結合され得るようにする。いくつかの実施形態では、システム100は単一較正装置180を含み得る。他の実施形態では、システム100は2つ以上の較正装置(較正装置180など)を含み得る。例えば、第1の較正装置(例えば180)は電力インフラストラクチャ160の第1の位相分岐(第1のレグ)上に電気的に結合され得、第2の較正装置(例えば180)は電力インフラストラクチャ160の第2の位相分岐(第2のレグ)上に電気的に結合され得る。多くの実施形態では、較正装置284は、較正装置180を制御するための通信を受信するために使用され得る送受信器284を含み得る。例えば、送受信器284は、有線または無線チャネルであり得、および/またはWi-Fi、ZigBee、Bluetooth(登録商標)または別の好適なプロトコルなどの通信プロトコルを使用することにより通信し得る。
【0031】
多くの実施形態では、較正装置180は負荷制御ユニット283と負荷ユニット281とを含み得る。負荷ユニット281は、1つまたは複数の較正用負荷および/または1つまたは複数のスイッチを含み得る。スイッチは、機械的リレースイッチ、固体スイッチ、トライアック、トランジスタ(例えば電界効果トランジスタ(FET)、サイリスタ(SCR)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)など)または別の好適な制御可能スイッチング装置であり得る。スイッチの使用により、1つまたは複数の較正用負荷は、センサ110および/またはシステム100の較正を容易にするために構造体の電力インフラストラクチャ160の分岐回路(例えば163または167)へ一時的に電気的に結合され得る。
【0032】
負荷ユニット281内の較正用負荷は、1つまたは複数の抵抗器および/または抵抗成分を有するまたは有しないインダクタまたはキャパシタなどの1つまたは複数のリアクティブ負荷であり得る。加えて、較正用負荷は可変抵抗を有する負荷であり得る。一例として、較正用負荷は、スイッチを介して直列および/または並列組合せで接続され得るOhmiteシャーシ搭載型抵抗器(部品番号TGHLVR100JE)などの4つの高ワット抵抗器であり得る。
【0033】
多くの実施形態では、負荷制御ユニット283は、送受信器284からの通信を受信するためにマイクロコントローラを含み得、および/またはリレーを駆動するために負荷ユニット281のスイッチへ信号を送信し得る。切替信号は、分岐回路(例えば163、167)を一時的に完成し、1つまたは複数の較正用負荷をスイッチオンして回路を完成し、主電力導体193、194および/または195を介して電力を引き込むために使用され得る。例えば、負荷制御ユニットは、25ワット(W)、100W、200Wおよび/または300W負荷を提供するためにスイッチを駆動し得る。1つまたは複数の較正装置(例えば180)は、感知装置110および/またはシステム100を自動的に較正するために1つまたは一系列の既知負荷を引き出し得る。多くの実施形態では、較正装置180により引き出され得る最大負荷は1000Wである。別の実施形態では、較正装置180により引き出され得る最大負荷は300Wである。さらに他の実施形態では、較正装置180により引き出され得る最大負荷は50Wである。較正装置180により引き出される比較的小さい最大負荷は、較正装置が安全に熱を放散し、較正装置が電力消費量を低減し、較正装置が小形状因子で設けられ得るようにするために有益である。多くの実施形態では、システム100は、較正装置180を介して最大300Wまでのみを引き出すために構造体内で発生する実際の通常電気活動を有利に活用し得るが、それにもかかわらず、構造体内のあり得る電力使用量の全範囲(0~20kWなど)にわたっておよび/または10W増分などの小増分でセンサ110および/またはシステム100を較正し得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、較正装置180は電圧センサ285を含み得る。電圧センサ
285は、電力インフラストラクチャ160の電圧を感知し、および/または電力インフラストラクチャ160の電圧の位相を感知するように構成され得る。これらは、電力インフラストラクチャ160へのレセプタクル164などの電気プラグ184の接続を介して測定され得る。様々な実施形態では、電圧センサ285により感知される電圧および/または電圧の位相は送受信器284を介して送信され得る。多くの実施形態では、システム100は有効電力の計算を容易にするために電圧の位相を利用し得る。
【0035】
依然として図1図2を参照すると、多くの実施形態では、表示装置120は電力源223を含み得る。いくつかの実施形態では、電力源223は、電力を表示装置120へ供給し得る電池または電気プラグ128などの電気プラグであり得る。レセプタクル168などの電気プラグは電力インフラストラクチャ160内に差し込まれ得る。多くの実施形態では、表示装置120は送受信器224を介して感知装置110から出力信号および/または較正装置180から電圧情報を受信するように構成され得る。様々な実施形態では、表示装置120は、負荷ユニット281を活性化する信号などの制御信号を、送受信器224を介して較正装置180へ送信し得る。様々な実施形態では、送受信器224は有線または無線チャネルであり得、および/またはWi-Fi、ZigBee、Bluetooth(登録商標)または別の好適なプロトコルなどの通信プロトコルを使用して通信し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、表示ユニット120は処理モジュール225、メモリ226および/またはディスプレイ121を含み得る。いくつかの実施形態では、計算ユニット120は小形状因子表示装置であり得る。他の実施形態では、計算ユニット120はパーソナルコンピュータ(PC)であり得る。様々な実施形態では、ディスプレイ121は電力使用量などの情報を表示するように構成され得、モニタ、タッチスクリーン、液晶ディスプレイ(LCD)または別の好適なディスプレイであり得、様々な実施形態では、ディスプレイ121は本明細書に記載の技術の結果を家庭などの構造体内のエンドユーザへ示すことができる。
【0037】
多くの実施形態では、処理モジュール225は、Texas Instruments,Inc.により製造されるMSP430マイクロコントローラなどの1つまたは複数の処理ユニットであり得る。別の実施形態では、処理モジュール225は、Texas Instruments,Inc.により製造されるTMS320VC5505デジタル信号プロセッサなどのデジタル信号プロセッサまたはAnalog Devices,Inc.により製造されるBlackfinデジタル信号プロセッサであり得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、処理モジュール225は、感知装置110の較正を判断し、かつ主電力導体193、194、195の電流および/または電力などの構造体の電力インフラストラクチャ160内の電力使用量を求めるために感知装置110からの電流測定結果を使用するように構成され得る。いくつかの例では、処理モジュール225は、以下にさらに詳細に説明されるニューラルネットワークモジュール222、伝達関数モジュール229、位相角モジュール228および/または電力消費量モジュール227など、メモリ226内に格納されるコンピュータ命令の1つまたは複数のモジュールを実行し得る。メモリ226は1つまたは複数の非一時的データ記憶素子であり得る。
【0039】
図を先に進めると、図3は、第2の実施形態による例示的システム300のブロック図を示す。システム300は単に例示的であり、本明細書で提示される実施形態に限定されない。システム300は、本明細書において特に描写または説明されない様々な実施形態または例において採用され得る。システム300はシステム100(図1図2)と類似または同一であり得、システム300の様々な部品はシステム100(図1図2)の様々な部品と類似または同一であり得る。様々な実施形態では、システム300は感知装置
110と較正装置380とを含み得る。多くの実施形態では、較正装置380は様々な要素を含み得、および/または較正装置180(図1図2)および表示装置120(図1-2)の様々な機能を行い得る。例えば、較正装置380は、較正装置180(図1~2)からの負荷ユニット281、負荷制御ユニット283、電圧センサ285および電気プラグ282を含み得、表示装置120(図1~2)の処理モジュール225、メモリ226、ディスプレイ121、ニューラルネットワークモジュール222、伝達関数モジュール229、位相角モジュール228および電力消費量モジュール227を含み得る。様々な実施形態では、較正装置180(図1~2)および表示装置120(図1~2)の2つ以上の要素は較正装置380内に単一要素として一体化され得る。例えば、送受信器284(図2)は較正装置380内の送受信器224に一体化され得る。別の例として、表示装置120(図2)内の電力源223は較正装置380の電気プラグ282に一体化され得る。
【0040】
図1~3を参照すると、磁場センサ111~114はそれぞれ、回路遮断器パネル190の下にある主電力導体193、194および/または195から生成される磁場を感知し、磁場を表す出力信号を生成し得る。磁場センサ111により生成される出力信号は本明細書ではSと表される。磁場センサ112により生成される出力信号は本明細書ではSと表される。磁場センサ113により生成される出力信号は本明細書ではSと表される。磁場センサ114により生成される出力信号は本明細書ではSと表される。感知磁場を電流に変換するために、システム100および/またはシステム300は、感知磁束が与えられると、磁束を誘起する主レグ内を流れる電流がどの程度かを求めることができる伝達関数を使用し得る。システム100および/またはシステム300は、負荷ユニット281内の抵抗性負荷を所定時間に給電することにより既知量の電流を引き出す一方で、磁場センサ(例えば111~114)がその電流引き込みのために磁場に発生する変化を感知する較正装置180(図1~2)および/または較正装置380(図3)を使用することにより伝達関数を推測し得る。
【0041】
多くの実施形態では、システム100および/またはシステム300は、これらの磁場信号を主電力導体193、194および/または195のそれぞれの中を流れる電流波形に変換するために使用され得る伝達関数を生成し得る。実電力を予測するために、システム100および/またはシステム300は、電流波形の二乗平均平方根(RMS)値と、電流波形と電圧波形との間の位相角との両方を求めることができる(電流の単なるRMS値ではなく)。
【0042】
磁束を与えられて電流波形を計算する伝達関数を生成することは、回路遮断器パネル190と感知磁場の基本的特性とによりもたらされる様々な困難な課題のために些細なことではないことがあり得る。第1の困難な課題は浮遊磁束であり得る。主電力導体193、194および/または195に加え、回路遮断器パネル190はまた、個々の回路遮断器(例えば161、165)を通る他の電気的配線で構成される。主線を周回する配線がまた複数存在し、それぞれは主線内を流れる電流に依存してかなりの量の磁場を放射し得る。磁場センサ111~114は、これらすべての源から発せられる磁場を感知し得る。主線により放射される磁場のみを求めるために、取り囲む配線により放射される磁場は、主電力導体193、194および/または195から放射される磁束のみを識別することにより、伝達関数による予測中に削除されるべきである。
【0043】
第2の困難な課題は感知装置110の位置であり得る。磁場センサ111~114により感知される磁場の量は、磁場センサ111~114と主電力導体193、194および/または195との間の距離に依存し得る。システム100および/またはシステム300が、感知装置110が遮断器パネルの任意の位置に配置されることを許容する配置不変系(placement invariant system)となるには、伝達関数は
、磁場センサ111~114と主電力導体193、194および/または195との間のいかなる距離にも対処できるべきである。
【0044】
第3の困難な課題は、主電力導体193、194および/または195のそれぞれの磁束を絶縁することであり得る。主電力導体193、194および/または195のそれぞれの中を流れる電流は磁場センサ111~114のそれぞれの感知磁場に寄与し得る。しかし、センサ110は、主電力導体193、194および/または195のそれぞれにより生成される磁場のうちのどの程度が磁場センサ111~114のそれぞれにより感知される磁場に寄与するかを先験的に知らない。図1に示すように、磁場センサ111(左端のセンサ)および磁場センサ114(右端のセンサ)は、左端のレグ(主電力導体193)および右端のレグ(主電力導体195)のそれぞれにより主に影響を受ける可能性が高い。しかし、影響の割合は先験的に未知である。磁場センサ112~113(2つの中央のセンサ)に関して、シナリオはさらに予測不能であり得る。伝達関数は、主電力導体193、194および/または195のそれぞれが磁場センサ111~114のそれぞれに影響を及ぼす割合を算出できるべきである。
【0045】
第4の困難な課題は回路遮断器パネル(例えば回路遮断器パネル190)の配線内の不確定性であり得る。NEMA、NECにより発布されたガイドラインにもかかわらず、遮断器パネルの内部配線はそれを設置した電気工のスキルおよび/または経験などの様々な要因に依存して著しく変化する。伝達関数はいかなるタイプの配線を有するいかなる遮断器パネルにも対処できるべきである。
【0046】
これらの困難な課題は様々な遮断器パネルにわたって変化し得るため、同じ量の電気的負荷が様々なパネル内において様々な量の磁場を誘起し得る。さらに、感知装置110の同じ位置決めと同じパネル内でさえ、電気的負荷の量と磁場との関係は総じて回路遮断器パネル190内の既存磁場に依存し得る。例えば、主電力導体193、194または195のうちの1つを通るベースライン電流はIであり得、Ich量の正の変化はSのSch1の正の変化を生じ得る。ベースライン電流がIへ変化すれば、同じ正のIch変化が異なる量の変化Sch2を生じ得る。どのように磁場が様々な配線およびそれらの建設的または破壊的干渉から放射されたかに依存して、Sch2の値は正のIch値にもかかわらず、なお負ですらあり得る。
【0047】
したがって、主電力導体193、194および/または195内の電流と磁場センサ111~114により感知される磁場との間の関係は非線形であり得、および/または既存ベースライン磁場および/または他の磁場の存在に依存し得る。この変動性と非線形性とに対処するために、システム100および/またはシステム300は、遮断器パネルの「状態」毎に複数の多項式を生成し得る。磁束という意味で状態を定義することにより、システム100および/またはシステム300は各状態の関数を構築し得る。このような問題は、入力として所定状態を有する関数を学習する機械学習技術に適し得る。例えば、システム100および/またはシステム300は、出力を入力から予測する多項式関数を本質的に学習し得るニューラルネットワークモデルを使用し得る。
【0048】
多くの実施形態では、ニューラルネットワークモジュール222は負荷ユニット281を使用してニューラルネットワークモデルを構成し得る。上に説明したように、較正装置は25W、100W、200W、300W負荷の系列を周期的に繰り返すなど、様々な負荷を適用し得る。較正器が負荷をオンする直前、ニューラルネットワークモジュール222は感知装置110により測定される値を追跡することを開始し得る。負荷をオンすることで、全電流、したがって磁束の変化を生じる。磁束のこの変化はシステム100および/またはシステム300により記録され得る。較正器行為(例えば、負荷ユニット281を介して負荷をオンまたはオフする)毎に、ニューラルネットワークモジュール222は
ニューラルネットワークのトレーニングインスタンスを構築し得る。このようなインスタンスの構造を表1に示す。すべての列の最初の8列は学習アルゴリズムの入力特徴であり得る。第9列はアルゴリズムが学習しようとする出力値であり得る。ニューラルネットワークは、1つの入力層と、1つの出力層と、これらの層のそれぞれの中に5つのニューロンを有する2つの隠れ層とで構成され得る。多くの実施形態では、ニューラルネットワークモジュール222は、関数を学習するために本明細書に記載の入力と出力とを有する従来のニューラルネットワーク機械学習アルゴリズムを使用し得る。
【0049】
【表1】
【0050】
表1において、S1p、S2p、S3p、S4pは、較正器が負荷をオンする前に磁場センサ111~114それぞれにより生成される4つの出力信号のRMS値であり得る。S1c、S2c、S3c、S4cは、較正器が負荷をオンした後に磁場センサ111~114それぞれにより生成される4つの出力信号のRMS値であり得る。Ichは、差し込まれる際にレグ(主電力導体193、194または195のうちの1つ)へ加えられる較正器の電流量であり得る。磁束変化と電流変化との関係は回路遮断器パネル190内に存在する既存磁束に依存し得るため、多くの実施形態では、ニューラルネットワークモジュール222は、入力特徴として磁束の変化を単に使用する代わりに、以前と現在との両方の磁束を使用し得る。
【0051】
多くの実施形態では、較正装置180は負荷ユニット281の各負荷を5秒間オンし得る。5秒後、較正装置180は負荷ユニット281の負荷をオフし得、ニューラルネットワークモジュール222は同様の事象を捕捉し、オフ事象の同様のトレーニングインスタンスを計算し得る。多くの実施形態では、システム100および/またはシステム300は主電力導体193、194および/または195のそれぞれを通る電流の絶対値へアクセスしない。いくつかの実施形態では、唯一の先験的情報は、較正ユニット180が主電力導体193、194および/または195中に引き起こす電流変化量であり得る。結果的に、多くの実施形態では、ニューラルネットワークモデルは、絶対電流値ではなく電流値の変化のみを予測するようにトレーニングされ得る。
【0052】
主電力導体193、194および/または195のそれぞれにおける絶対電流波形を予測するために、伝達関数モジュール229は、センサ値を電流波形に変換する伝達関数を生成するために家庭内の予測モデルと自然な電気活動とを活用し得る幾何学的変換技術(geometric translation technique)を使用し得る。単純化のために、以下の技術の説明は、4つの磁場センサ(例えば111~114)の代わりに1つの磁場センサのみと単一レグのみ(主電力導体193、194および/または195のうちの1つ)とを使用する。
【0053】
はじめに、システム100(図1~2)および/またはシステム300(図3)はニューラルネットワークモジュール222(図2~3)により生成された収集較正データを使用して初期伝達関数を生成し得る。伝達関数は、較正装置(例えば180(図1~2)、380(図3))が提供し得る負荷の範囲に制限され得る小範囲の磁場値に対してのみ作用し得る。この範囲は、現在の磁気センサ値の経過を追う一方で、較正済み領域として格納され得る。磁気センサ値は、機器が構造体内で使用される時間の経過に伴って変化し、システム100(図1~2)および/またはシステム300(図3)は、小負荷を引く較
正装置により未較正領域を較正するために較正装置(例えば180(図1~2)、380(図3))を使用し得る。そのレベルにおける観測磁場信号の差が伝達関数を更新するために使用され得る。
【0054】
多くの実施形態では、システム100および/またはシステム300がセンサ110を較正し始めるとき、唯一の既知情報は各磁場センサにより測定された現在のRMS磁場(S)である。較正装置180は最初に、この現在の磁場に加えて100W、200W、300W負荷の系列(それぞれ3回)を引き出し得る。したがって、磁場値は変化し得、本システムはセンサの最大値(Sk+1)を追跡し得る。これらの3つの負荷が3回繰り返されることに基づき、ニューラルネットワークモジュール222はS~Sk+1の9つの較正事象を保存し得る。事象毎に、上述のように2つのトレーニングインスタンス(例えば負荷をオンする(「オン事象」)、負荷をオフする(「オフ事象」))が存在し得る。したがって、ニューラルネットワークモジュール222は、18のトレーニングインスタンス(S~Sk+1のセンサ値)を収集し、先に説明したニューラルネットワークモデルをトレーニングするためにこれらのインスタンスを使用し得る。
【0055】
図を先に進めると、図4は、予測関数(F)401を関数(F)400の領域403内に配置することにより導出され得る関数(F)400の例示的グラフを示す。多くの実施形態では、予測関数(F)401は磁場変化値S~Sk+1から電流値Ichへ変換し得る。ニューラルネットワークモデルをトレーニングすることにより、ニューラルネットワークモジュール222(図2~3)は、磁場変化値S~Sk+1から電流変化値Ichへ変換し得る予測関数401(F)を求めることができる。任意の磁場値Sを絶対電流値Iに変換し得る関数(F)400を発見するために、予測関数401(F)はFの適正位置に置かれ得る。システム100(図1~2)および/またはシステム300(図3)はIの絶対値を知らないため、伝達関数モジュール229(図2~3)は、無作為Y軸値Rを仮定し、関数(F)400の予測関数401を(S,R)の領域403に配置し得る。多くの実施形態では、システム100(図1~2)および/またはシステム300(図3)は、どのように関数(F)400が0~Sの領域402において見えるかを知らない。したがって、関数(F)400は(0,0)~(S,R)の領域402において外挿され得る。関数(F)400の領域402は外挿されるため、関数(F)400はSからIへ変換する際に十分に機能しないことがあり得る。
【0056】
図を先に進めると、図5は関数(F)500の例示的グラフを示す。図6は関数(F)600の例示的グラフを示す。図7は関数(F)700の例示的グラフを示す。多くの実施形態では、関数(F)500、関数(F)600および/または関数(F)700は、追加の較正シーケンスに基づく関数(F)400(図4)のさらなる改良であり得る。多くの実施形態では、さらに外挿領域402(図4)を求めるために、伝達関数モジュール229(図2~3)は、磁場センサ(例えば111~114(図1~3))により測定されるSの値がSを下回り、位置402(図4)(位置402は較正工程が再度開始され得る点)に入るまで待ち得る。上に説明したように、ニューラルネットワークモジュール222(図2~3)は、磁場値をSからSj+1へ変換し得る較正シーケンスにおける測定値に基づき新しい関数(F)を求めることができる。ここで、S<S。S<Sj+1の場合、伝達関数モジュール229(図2~3)は、図5に示すように、FとFとを組み合わせ、S~Sk+1をカバーする関数(F)500の新しい領域502を生成し得る。そうでなければ、S>Sj+1の場合、伝達関数モジュール229(図2~3)は領域604(範囲S~Sk+1をカバーする)内のFから離れ得る領域602(S~Sj+1の範囲をカバーする)内にFを配置し得る。
【0057】
図5に示すように、伝達関数モジュール229(図2~3)は0~Sの外挿領域501を生成し得る。測定された磁場が、機器のほとんどがオフである夜間などにSを下回
れば、ニューラルネットワークモジュール222(図2~3)は新しい領域の新しい較正サイクルを開始し得、伝達関数モジュール229(図2~3)はさらに、関数(F)500を精緻化し得、および/または新しい位置からSk+1へ再生成し得る。
【0058】
図6に示すように、伝達関数モジュール229(図2~3)は0~Sの外挿領域501とSj+1~Sの外挿領域603とを生成し得る。測定値がSである場合(Sj+1<S<S)、システム100は、ニューラルネットワークモジュール222(図2~3)と伝達関数モジュール229(図2~3)がS~Sk+1の関数(F)600を更新し得るように、較正装置180(図1~2)をトリガし得、および/またはシステム300は較正装置380(図3)を再びトリガし得る。関数(F)600を更新した後、伝達関数モジュール229(図2~3)は、伝達関数モジュール229(図2~3)が領域602に示すようにS~Sj+1の関数を既に有するため、Sj+1~Sへ外挿し得る。
【0059】
図7に示すように、構造体内のさらに多くの機器がオンされ、センサ値(S)がSk+1を超えれば、システム100は、ニューラルネットワークモジュール222(図2~3)および伝達関数モジュール229(図2~3)がS~Sn+1の領域704において更新されるように関数(F)500(図6)を更新して関数(F)700を生成し得るように、較正装置180(図1~2)をトリガし得、および/またはシステム300は較正装置380(図3)を再びトリガし得る。関数(F)700を更新した後、伝達関数モジュール229(図2~3)は、伝達関数モジュール229(図2~3)がS~Sk+1の領域502内の予測関数を既に有するため、Sk+1~Sの領域703内に外挿し得る。時間が経過するにつれて、かつ構造体内のより多くの機器がオンおよび/またはオフされる(これは追加の較正シーケンスを生じ得る)につれて、外挿領域(例えば501、703)はますます縮小し得、伝達関数モジュール229(図2~3)はSからIへのより良好な変換関数(例えば関数400、500、600、または700)を精緻化し得る。システム100(図1)および/またはシステム300(図3)は家庭内で実行されるため、システムは家庭内の通常の電気活動を有利に捕捉し得、ニューラルネットワークモジュール222(図2~3)を使用することから学習するための広範囲のセンサ値をますます提供し得る。より多くの機器がオンおよびオフされると、システム100(図1~2)および/またはシステム300(図3)はますます多くの範囲を較正し得、予測伝達関数(例えば関数400(図4)、予測伝達関数500(図5)、予測伝達関数600(図6)または予測伝達関数700(図7))はますます正確になり得る。
【0060】
図を先に進めると、図8(上部)は磁場センサ111~114(図1~3)により生成される出力信号S、S、S、Sの磁束の例示的グラフを示し、図8(下部)は1つのレグ(例えば主電力導体193、194および/または195のうちの1つ)を通る予測電流波形Iの例示的グラフを示す。システム100(図1~2)および/またはシステム300(図3)が開始されると、システムは関数F(例えば関数400(図4)、関数500(図5)、関数600(図6)または関数700(図7))を生成し得る。この関数は磁場センサ111~114(図1~3)により測定される4つの磁場値(S、S、S、S)を採取し得、それらを電流波形Iに変換し得る。図8(上部)はサンプル入力を示し、図8(下部)は予測関数Fの対応サンプル出力を示す。
【0061】
図8に示すように、システム100(図1~2)および/またはシステム300(図3)は各レグ(例えば主電力導体193、194および/または195のうちの1つ)中を流れる生の電流波形を予測し得る。換言すれば、システムは、電流(I)のRMS電流(I)と位相との両方を予測し得、これはライン電圧と電流(I)との間の位相角(θ)を計算するために使用され得る。このθを予測することは、世帯により消費される(見掛け電力とは対照的に)実電力をシステム100(図1~2)および/またはシステム300
図3)が求められるようにするため、エネルギー監視の観点から重要であり得る。
【0062】
図を先に進めると、図9(上部)は予測電流波形Iおよび測定電圧波形の例示的グラフを示し、図9(下部)は電流波形Iを予測するために使用された磁場センサ111~114(図1~3)により生成された出力信号S、S、S、Sの磁束の例示的グラフを示す。多くの実施形態では、電圧波形は電圧センサ285(図2~3)により測定され得る。位相角θを予測するために、システム100(図1~2)および/またはシステム300(図3)は、電流波形の位相へのいかなる変化もセンサ波形に反映されるという仮説に依存し得る。図9は仮説の有効性の例を示す。図9(上部)に示すように、測定電圧と予測電流波形とは互いに密に同相である(θは小さい)。図9(下部)の慎重な観察は、磁気波形のうちの2つ(SとS)が電流波形と同じ位相特性を有する(ほぼ同じタイムスタンプで零点交叉し立ち上がりおよび立下がる)ことを示す。換言すれば、伝達関数(例えば関数400(図4)、伝達関数500(図5)、伝達関数600(図6)または伝達関数700(図7))は電流波形を予測する際に磁場センサ111および114(図1~3)により、より大きい影響を受け得る。
【0063】
図を先に進めると、図10(上部)は予測電流波形Iおよび測定電圧波形の例示的グラフを示し、図10(下部)は電流波形Iを予測するために使用された磁場センサ111~114(図1~3)により生成された出力信号S、S、S、Sの磁束の例示的グラフを示す。図10(上部)は電流波形が角度θだけ電圧波形に遅れる異なるシナリオを示す。図10(下部)に示すように、下部のグラフから、磁気波形のうちの2つ(SおよびS)も電流波形に追随する。換言すれば、電流波形が角度θだけ位相シフトされると、4つのセンサ波形もある角度θ、θ、θ、θだけ位相シフトされることになる。これらの角度は元の位相シフトθと異なり得る。しかし、主として電流波形により影響を受けるセンサは角度θにより近い位相シフトを有し得る。したがって、元の位相シフトと感知された位相シフトとの間の差は小さくなり得る。
【0064】
多くの実施形態では、主電力導体193、194および/または195と磁場センサ111~114(図1~3)との間のパネル196(図1)の板金の存在は、主電力導体193、194および/または195を通る実電流波形と、材料の磁気飽和および透磁率に基づき非線形関数になる磁場センサ111~114(図1~3)により感知される磁気波形との間の位相差(θdiff)を生じ得る。多くの実施形態では、磁場センサ111~114(図1~3)を囲む磁石117(図1~3)は有利には、磁場を飽和させ非線形影響を低減し得る。その結果、θdiffはほぼ一定となり、伝達関数(例えば関数400(図4)、伝達関数500(図5)、伝達関数600(図6)または伝達関数700(図7))は良好な精度で位相角を予測し得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、位相角モジュール228(図2~3)は、伝達関数モジュール229(図2~3)により生成される伝達関数(例えば関数400(図4)、伝達関数500(図5)、伝達関数600(図6))または伝達関数700(図7)を使用することにより予測される電流と電圧センサ285(図2~3)により測定される電圧との間の位相差および/または位相角を求めることができる。位相角は、予測電流の位相角から、電圧センサ285(図2~3)を使用することにより測定される電圧の位相角を差し引いた値に等しくなり得、これは電力インフラストラクチャ160(図1)の両端電圧の位相角を求めるために使用され得る。いくつかの実施形態では、予測電流の位相角は測定電圧の零点交差を基準に計算され得る。多くの実施形態では、電力計算モジュール227(図2~3)は位相差および/または位相角に基づき実電力を求めることができる。例えば、実電力は、電流のRMS値と電圧のRMS値と位相角の余弦との積に等しい可能性がある。
【0066】
図を先に進めると、図11は伝達関数とその分解要素とを示す例示的グラフを示す。数学的に、伝達関数(例えば関数400(図4)、伝達関数500(図5)、伝達関数600(図6)または伝達関数700(図7))はI=F(S,S,S,S)のように表され得る。関数は5次元(4入力と1出力)であるため、磁場センサ(例えば111~114(図1~3))のそれぞれの予測電流出力への影響を視覚化することは困難な課題であり得る。図11の上側の4プロットは単一センサ値(S、S、SまたはS)のそれぞれに基づく予測電流(I)を示す。最初の4つのプロットのそれぞれに関して、1つのセンサ値(S、S、SまたはS)は、他のすべてのセンサ値を0μΤに維持しながら0マイクロテスラ(μΤ)から100μΤまで線型に変化する。図11の一番下のプロットは4つのセンサ値すべてに基づく予測電流(I)を示す。一番下のプロットは4つのセンサ値すべてが0μΤから0.05μΤまで増加すると仮定する。電流はアンペア(amp)で測定される。
【0067】
図11のプロットは、システム100(図1~2)および/またはシステム300(図3)の実際の動作がそうであるように、あまり理想的とは言えず、電流はすべてのセンサ値の様々な組合せに基づき予測され得る。しかし、図11は興味深い洞察を提供し得る。一例として、ある磁場値後、予測電流値はS以外のすべてのセンサ値では低下する。この現象はパネル196(図1)内の複数の磁気波形の存在のために観測される。これらの波形の位相は異なり、常に負荷条件に基づき変化するため、パネル196(図1)内の異なる位置には建設的および破壊的干渉が存在し得る。感知装置110(図1~3)が回路遮断器パネル190(図1)上に配置される位置に依存して、磁場センサ(例えば111~114(図1~3))は、電流波形に正の変化がある場合、破壊的干渉を感知し得、電流と磁場との間の逆比例関係を呈示し得る。
【0068】
すべてのセンサ値が増加している図11の一番下のプロットでは、Sのみが増加している図11の一番上のプロットとの類似性がある。3つの他のセンサ値(S、S、S)の予測電流(I)はしばらくすると低下しているが、予測電流(I)は図11の一番下のプロットでは常に増加している。本質的に、この挙動は、伝達関数(図4)、伝達関数500(図5)、伝達関数600(図6)または伝達関数700(図7)が主としてSにより影響を受けることを意味する。換言すれば、センサ値Sに対応する磁場センサ111(図1~3)はセンサ値S、S、Sのそれぞれに対応する他の磁場センサ112~114(図1~3)より正確に電流波形を反映し得る。例えば、ニューラルネットワークモジュール222(図2~3)により学習されるニューラルネットワークモデルは、Sの係数をS、S、Sより大きくし得る。このような場合、予測電流の振幅および位相は主としてSにより求めることができる。これは、単一多項式をこれらの観察結果にフィッティングするのが困難であり得るため、機械学習ベースの手法がこの種類の問題により適切であり得る理由を示す。
【0069】
本明細書に記載される技術を検証するために、評価は6つの異なる家庭および1つの工業用建物において行われた。家庭は二相配線系統を有し、工業用建物は三相系統を有した。データは、7日間の長期間にわたり1つの家庭から収集され、2日間の短期間にわたり他の場所から収集された。評価は、システム100(図1~2)および/またはシステム300(図3)および本明細書に記載される技術の遮断器パネル(例えば回路遮断器パネル190(図1))の多様な集合への一般的適用可能性およびこれらの技術の長期時間安定性を示す。表2はパネルタイプ、スタイルおよび大きさに基づく評価に使用された家庭の要約を示す。H1~H6は6つの家庭である。H1は本システムを7日間配備した。I1は工業用建物である。
【0070】
【表2】
【0071】
データ収集セッションのすべては、誘導性、抵抗性、他の複素性高調波機器を含む通常の家電製品を有する自然のままの環境下で行われた。構造体の居住者および/または占有者は、電気器具の使用に関するいかなる指示も与えられず、その毎日のルーチンまたは家事のいかなる変化をなすことも要求されなかった。設置されると(例えば、感知装置110(図1~3)が回路遮断器パネル190(図1)へ取り付けられると)、較正装置180(図1~2)がレセプタクル164(図1)に差し込まれ、表示装置120(図1~2)がレセプタクル168(図1)に差し込まれ、本システムは全くヒューマンインタラクションなしに全データ収集セッションのためにバックグラウンドで自動的に実行された。
【0072】
本システムは家庭内で速やかに設定され得るようにパッケージ化された。感知装置(例えば感知装置110(図1~3))は両面テープを使用して遮断器パネル(例えば回路遮断器パネル190(図1))上に配置された。実情報(ground truth)を収集するために、本発明者らは、本発明者らのセンサユニットを遮断器パネルの外側に設置する前に、市販ハイエンド変圧器ベース分割コアCT(99%精度)を遮断器パネル内に設置した。感知装置の出力とCTの出力との両方は同じデータ取得装置(DAQ)(具体的にはラップトップコンピュータ(例えば表示装置120(図1))へ取り付けられたNational Instruments USB-6259)を使用して収集された。
【0073】
様々な位相のレセプタクルをラップトップに近い分岐に持って来るために長延長ケーブルが使用された。2つの較正装置(例えば180(図1~2))がレセプタクル(例えば164、168)に差し込まれた。較正装置とデータ取得装置とはラップトップへ接続された。ラップトップは較正装置を制御し、データ取得装置からのデータをすべて記録し、すべてのアルゴリズム的処理をリアルタイムで行った。元波形および予測波形も後実験解析のために記録された。ラップトップ内のソフトウェア部分はMatlabで記述された
【0074】
配備毎に、毎秒、RMS電流値(IRMS)はアンペアで計算され、RMSライン電圧(VRMS)はボルトで計算され、電圧に対する電流波形の位相角(θ)は度で計算された。これらの量は、実情報電流波形(CTから測定された)と予測電流波形(ソフトウェアモジュールにより予測された)との両方に対して記録された。最終的に、実電力消費量(P)は2つの主レグのそれぞれに対して次のように毎秒計算された:P=VRMS×IRMS×cosθ。精度計算中は、較正領域の精度のみが考慮された。しかし、一定時間後、ほとんどの領域は較正され、データのすべてが考慮された。
【0075】
家庭の2つの異なるフェーズのそれぞれにおいて2つの較正装置を使用するシステムが設置された。較正データに基づき、2つの分岐フェーズP、Pの2つの異なる関数F、Fがそれぞれ生成された。評価中、フェーズの一方において1つの較正器のみを使用するケースも考慮された。したがって、家庭毎に、精度は以下の3つの可能なケースすべてに対して計算された:Pにおいて1つの較正器のみを使用するケース、Pにおいて1つの較正器のみを使用するケース、両方のフェーズにおいて両方の較正器を使用するケース。配備中、両方の較正器はフェーズの両方において常に設置され、P、Pの関数F、Fの両方ともそれぞれ記録されたが、しかし、ラップトップは、PとPとの両方の電流を予測するためにFのみを使用し、PとPとの両方の電流を予測するためにFのみを使用した。表3は、すべての配備結果の要約を示す。
【0076】
【表3】
【0077】
表3は、6つの家庭および1つの工業用建物内の配備により、予測RMS電流および位相角が96.0%と94.3%との精度をそれぞれ有することを示す。全体として、2つの較正器を使用するすべての配備にわたる平均精度は、現実世界の自然のままのエネルギー利用では95.0%である。これは、自然な電気活動による実環境における様々な遮断器パネルおよび配置にわたる実電力を予測する際の本発明者らのシステムの頑強性を示す。本評価はまた、本システムが感知装置の配置の精度に依存しないことを確認した。本評価における配備のすべてにおいて、遮断器の構造体に依存して、精度は感知装置の配置により影響されないままであった。
【0078】
図を先に進めると、図12は、回路遮断器190および電力インフラストラクチャ160に取り付けられたシステム100の図を示し、様々なセンサ配置位置を示す。実験は、精度への位置決め影響をさらに解析するために制御環境内で行われた。精度が様々な電気的条件により影響されるのを防止するために、制御環境が利用された。実験に関して、感知装置(例えば感知装置110)は位置1271、位置1272、位置1273、位置1274、位置1275および位置1276を含む遮断器パネル(例えば回路遮断器パネル190)上の6つの異なる位置に配置された。位置(例えば1271~1276)のそれぞれに対して、制御環境は以下に述べるように維持された。
【0079】
第1に、環境は、いかなる機器もオンまたはオフされることなく電気的に静的にされ、その後、環境のベースライン電力消費量(C)が測定された。次に、CWからC+300Wまで作用する予測関数を生成するために、較正装置(例えば180)からの300W負荷がベースラインに加えて3回オンされた。次に、100WのファンがオンされベースラインをC+100Wにした。CからC+300Wまで作用した予測関数に基づき、予測関数は100Wのファン負荷条件に対して良好に動作すると予想された。
【0080】
10秒後、100Wのファン負荷はオフされた。次に、1300Wのヒータがオンされ、較正装置からの300W負荷を使用する上と同じ手順が、本システムをC+1300WからC+1600Wまで較正するために使用された。最後に、1300W負荷をオンに維持しながら、500Wの炊飯器がオンされ、同じ較正手順がC+1800WからC+2100Wmまで較正するために使用された。
【0081】
【表4】
【0082】
表4は6つの位置のそれぞれにおける精度を示す。遮断器パネル上のすべての位置に関して、感知装置の非理想的位置にもかかわらず、最小精度は96.3%、平均精度は97.4%であった。この実験は、本明細書に記載される手法が遮断器パネル上のセンサ位置に無関係に高精度で機能することを確認した。
【0083】
システム(例えば、システム100(図1~2、図12)および/またはシステム300(図3))が構造体内で長く実行されるほど、較正領域はより広くかつより正確になる。伝達関数は構造体の電力消費範囲のほとんどをカバーするため、較正頻度もさらに低下した。したがって、構造体内の電力消費量が較正領域内に入る限り、較正装置(例えば180)は精度への影響がほとんどなくオフされ得る。この仮説を検証するために追加実験が行われた。
【0084】
第1に、本システムはすべての既存機器を備えた家庭において24時間実行された。本システムは247W~5344Wの領域に対して較正され、95.7%の全体精度をもたらした。次に、較正装置はオフされ、4つの新しい機器がオンされた。4つの新しい機器は、それぞれ較正中に使用されたのとは異なる負荷プロファイルを有する125Wおよび250Wの2つの電球、100Wのファンおよび700Wのヒータであった。これらの機器は、較正範囲内の全電力消費量を維持する一方で個々におよび組合せの両方でオンされた。この実験は94.2%への精度の小さい低下を生じた。この実験は、較正装置がオフ
され新しい機器が導入されても、全精度は電力消費量が以前に較正された領域内にある限り著しく劣化しないことを確認した。さらに、この実験はまた、生成される関数が既存機器に基づきオーバーフィッティングをしないことを示す。むしろ、この実験は、総電力消費量が較正領域を超えない限り、いかなる新しい機器にも対処するのに十分に柔軟であり得る。
【0085】
スイッチモード電源(SMPS)機器などの低電力因子負荷(low power factor load)は60Hz電力の高次高調波において電力を消費し得る。実験において使用されたサンプリング速度は9.6kHzであった。ここでは、感知装置は最大4.8kHz(79次高調波)までの高調波成分を捕捉し得る。したがって、感知装置は、両方共60Hzの高調波を捕捉するのに十分高いサンプリング速度でサンプリングされる必要があり得るという点でCTに類似している可能性がある。この差異は、本明細書に記載される感知装置(例えば感知装置110(図1~3、図12))は活配線(live
wire)の周囲に存在する必要がなく、したがって設置するのがはるかに容易であり得るという点にある。感知装置は、活配線へ取り付けられないため、感知磁場を実電流流れへ変換するために伝達関数を学習する必要があり得る。
【0086】
実験は、サンプリング速度およびデータ帯域幅要件を低減することによりエンジニアリングコストを著しく低減する可能性がある感知装置を設計するために、家庭内のどの程度の電力が高調波に起因し得るかを理解するために行われた。一か月の期間にわたる代表的家庭に関して、60Hzの高調波は全電力の0.15%のみに寄与することが確認された。これは、精度の約0.15%損失にもかかわらず、全電力測定のみがエンドユーザにとっての関心である場合により簡単な感知システムが設計される可能性があることを暗示している。
【0087】
低電力因子機器を備えた本明細書に記載されたシステムの精度をさらに調査するために、7日間の配備が、SMPS機器への偏り(2つのテレビ、2つのラップトップ、CFLバルブのアレイ、能動状態の空気調節器、およびマイクロ波の頻繁な使用)のある家庭のうちの1つにおいて行われた。これは、IRMSおよびcosθ精度の小さい低下を生じ、95.9%および90.0%をそれぞれもたらした。全電力精度は92.2%であった。この実験はさらに、本システムがまた低電力因子負荷に良好に対処することを確認する。
【0088】
次の図に進むと、図13は、感知装置、較正装置および1つまたは複数の処理モジュールを使用して構造体へ供給されている電力を感知する方法1300の実施形態のフローチャートを示す。方法1300は単に例示的であり、本明細書に提示される実施形態に限定されない。方法1300は、本明細書において特に描写または説明されない様々な実施形態または例において採用され得る。いくつかの実施形態では、方法1300の手順、工程、および/または活動は提示された順番で行われ得る。他の実施形態では、方法1300の手順、工程、および/または活動は任意の他の好適な順番で行われ得る。さらに他の実施形態では、方法1300の手順、工程、および/または活動の1つまたは複数は合成または省略され得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、感知装置は感知装置110(図1~3、図12)と同様または同一であり得る。多くの実施形態では、較正装置は、較正装置180(図1~2、図12)または較正装置380(図3)と同様または同一であり得る。多くの実施形態では、1つまたは複数の処理モジュールは処理モジュール225(図2~3)と同様または同一であり得る。様々な実施形態では、感知装置は1つまたは複数の磁場センサを含み得る。磁場センサは磁場センサ111~114(図1~3)と同様または同一であり得る。多くの実施形態では、感知装置は遮断器のパネルへ取り付けられ得る。例えば、パネルはパネ
ル196(図1図12)と同様または同一であり得、遮断器は回路遮断器パネル190(図1図12)と同様または同一であり得る。様々な実施形態では、遮断器のパネルは構造体の電力インフラストラクチャの1つまたは複数の主電源線の少なくとも一部の上に位置し得る。例えば、1つまたは複数の主電源線は主電力導体193、194および/または195(図1)と同様または同一であり得る。電力インフラストラクチャは電力インフラストラクチャ160(図1図12)と同様または同一であり得る。いくつかの実施形態では、較正装置は負荷ユニットを含み得る。負荷ユニットは負荷ユニット281(図2~3)と同様または同一であり得る。様々な実施形態では、較正装置は構造体の電力インフラストラクチャへ電気的に結合され得る。例えば、較正装置は電気プラグ282(図2~3)などを介して電気的に結合され得る。
【0090】
図13を参照すると、方法1300は、第1の期間にわたる構造体内の複数の通常の電力消費量変化に基づく区分的方式で第1の伝達関数を求めることにより、感知装置を自動的に較正するブロック1301を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の伝達関数は関数400(図4)、関数500(図5)、関数600(図6)および/または関数700(図7)と同様または同一であり得る。多くの実施形態では、通常の電力消費量変化は、感知装置の較正に依存しないまたはそれにより影響されない家庭内の機器をオンまたはオフすることであり得る。様々な実施形態では、ブロック1301は、(a)較正装置の負荷ユニットが負荷を適用する前後に感知装置により測定される磁束の測定領域と、(b)測定領域外の外挿領域とに少なくとも部分的に基づき、第1の伝達関数を1つまたは複数の処理モジュールにより繰り返し予測する工程を含み得る。測定領域は領域403(図4)、領域502(図5図7)、領域602(図6)、領域604(図6)および/または領域704(図7)と同様または同一であり得る。外挿領域は領域403(図4)、領域501(図5~7)、領域603(図6)および/または領域703(図7)と同様または同一であり得る。様々な実施形態では、ブロック1301は、ニューラルネットワークモジュール222(図2~3)および/または伝達関数モジュール229(図2~3)により少なくとも部分的に行われ得る。いくつかの実施形態では、第1の期間は少なくとも48時間である。他の実施形態では、第1の期間は48時間を超えてもよく、または48時間未満でもよい。例えば、第1の期間は、構造体内の可能な使用範囲にわたる第1の伝達関数の少なくとも所定割合を較正するために要求される時間量であり得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、較正装置の負荷ユニットは1000W以下の最大負荷を提供するように構成され得る。他の実施形態では、較正装置の負荷ユニットは300W以下の最大負荷を提供するように構成され得る。さらに他の実施形態では、較正装置の負荷ユニットは別の好適なワット以下の最大負荷を提供するように構成され得る。様々な実施形態では、較正ユニットの負荷ユニットは4つ以下の離散的負荷を引き出すように構成され得る。例えば、負荷ユニットは25W、100W、200Wおよび300W負荷を引き出すように構成され得る。他の実施形態では、較正ユニットの負荷ユニットは1、2、3、5、6、7、8または別の好適な数以下の離散的負荷を引き出すように構成され得る。
【0092】
様々な実施形態では、較正装置の負荷ユニットは、ある範囲の負荷を引き出すように構成され得る。例えば、負荷ユニットは、いくつかのケースでは300Wの範囲(0W~300Wなど)の負荷を引き出すように構成され得る。いくつかの実施形態では、感知装置が較正された後、1つまたは複数の処理モジュールは、ある範囲の電力消費測定結果を求めるために感知装置を使用するように構成され得る。例えば、感知装置はいくつかのケースでは、10kWの範囲(0W~10kWなど)の電力消費量測定を感知するように較正され得る。多くの実施形態では、負荷の範囲は電力消費量測定の範囲未満であり得る。いくつかの実施形態では、負荷の範囲は電力消費量測定の範囲の20%未満であり得る。他の実施形態では、負荷の範囲が電力消費量測定の範囲の10%未満であり得る。さらに他の実施形態では、負荷の範囲は電力消費量測定の範囲の5%または別の好適な割合未満で
あり得る。
【0093】
いくつかの実施形態では、第1の期間にわたる構造体内の複数の通常の電力消費量変化に基づく区分的方式で第1の伝達関数を求めることにより、感知装置を自動的に較正するブロック1301は、磁場変化測定結果を電流変化値に変換する第2の伝達関数を求めるように、複数の通常の電力消費量変化に対応するトリガ事象を感知するとニューラルネットワークモデルをトレーニングするブロック1302を含み得る。多くの実施形態では、ニューラルネットワークモデルは上に説明したようにニューラルネットワークモジュール222(図2~3)によりトレーニングされ得る。いくつかの実施形態では、トリガ事象は、1つの領域または外挿領域内の感知磁場を生じる通常の電力消費量変化に基づき得る。様々な実施形態では、第2の伝達関数は予測関数401(図4)と同様または同一であり得る。多くの実施形態では、第2の伝達関数はニューラルネットワークモジュール222(図2~3)により学習され得る。多くの実施形態では、ブロック1302は図14に示され以下に説明されるように実施され得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、第1の期間にわたる構造体内の複数の通常の電力消費量変化に基づく区分的方式で第1の伝達関数を求めることにより、感知装置を自動的に較正するブロック1301は、第2の関数に少なくとも部分的に基づき、1つまたは複数の処理モジュールにより第1の伝達関数を更新するブロック1303を含み得る。多くの実施形態では、第1の伝達関数は磁場測定結果を絶対電流値へ変換するように構成され得る。いくつかの実施形態では、伝達関数モジュール229(図2~3)は、図4~7に示され上に説明したように第2の関数に少なくとも部分的に基づき、第1の伝達関数を更新し得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、方法1300は、感知装置の1つまたは複数の出力信号と第1の伝達関数とに基づき、1つまたは複数の処理モジュールを使用して電力消費測定結果を求めるブロック1304をさらに含み得る。感知装置の1つまたは複数の出力信号は、磁場センサ111~114(図1~3)によりそれぞれ測定される出力信号S、S、Sおよび/またはSと同様または同一であり得る。いくつかの実施形態では、ブロック1304は1つまたは複数の主電源線内を流れる電流と1つまたは複数の主電源線の電圧との間の位相差を求める工程を含み得る。いくつかの実施形態では、位相差は上に説明したように位相角モジュール228(図2~3)により計算され得る。いくつかの実施形態では、ブロック1304は、位相差に少なくとも部分的に基づき、実電力使用量を求める工程を含み得る。多くの実施形態において、電力消費測定結果および/または実電力使用量は上に説明したように電力計算モジュール227(図2~3)により計算され得る。
【0096】
次の図に移ると、図14は、トリガ事象を感知するとニューラルネットワークモデルをトレーニングするブロック1302の実施形態のフローチャートを示す。ブロック1302は単に例示的であり、本明細書において提示される実施形態に限定されない。ブロック1302は、本明細書において特に描写または説明されない様々な実施形態または例において採用され得る。いくつかの実施形態では、ブロック1302の手順、工程および/または活動は提示された順番で行われ得る。他の実施形態では、ブロック1302の手順、工程および/または活動は任意の他の好適な順序で行われ得る。さらに他の実施形態では、ブロック1302内の手順、工程および/または活動の1つまたは複数は合成または省略され得る。
【0097】
図14を参照すると、ブロック1302は、トリガ事象に対応する磁束の第1の変化を感知すると感知装置から1つまたは複数の第1の磁場値を測定するブロック1401を含み得る。多くの実施形態では、トリガ事象に対応する磁束の第1の変化は磁場センサにより感知され得る。多くの実施形態では、磁場センサは上に説明したS1p、S2p、S3pおよび/またはS4pと同様または同一であり得る第1の磁場値を測定し得る。様々な
実施形態では、トリガ事象は通常の電力消費量変化を含み得る。ここでは、感知装置により測定された1つまたは複数の第1の磁場値が第1の伝達関数の外挿領域に対応する。例えば、外挿領域は、領域403(図4)、領域501(図5~7)、領域603(図6)および/または領域703(図7)と同様または同一であり得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、ブロック1302は追加的に、較正装置の負荷ユニットの所定負荷(第1の電流量を引き出す)を電力インフラストラクチャへ適用するブロック1402を含み得る。第1の電流量は上に説明したようにIchと同様または同一であり得る。
【0099】
様々な実施形態では、ブロック1302は、所定負荷が電力インフラストラクチャへ適用されている間に感知装置の1つまたは複数の第2の磁場値を感知するブロック1403をさらに含み得る。多くの実施形態では、磁場センサは、S1c、S2c、S3cおよび/またはS4cと同様または同一であり得る第2の磁場値を測定し得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、ブロック1302は追加的に、ニューラルネットワークモデルの入力層として1つまたは複数の第1の磁場値および1つまたは複数の第2の磁場値と、ニューラルネットワークモデルの出力層として第1の電流量とを使用して、ニューラルネットワークモデルをトレーニングするために、1つまたは複数の処理モジュールを使用するブロック1404を含み得る。例えば、ニューラルネットワークモデルは上に説明したようにニューラルネットワークモジュール222を使用してトレーニングされ得る。
【0101】
次の図へ移ると、図15は、感知装置、較正装置および1つまたは複数の処理モジュールを使用して構造体へ供給されている電力を感知する方法1500の実施形態のフローチャートを示す。方法1500は単に例示的であり、本明細書に提示される実施形態に限定されない。方法1500は、本明細書において特に描写または説明されない様々な実施形態または例において採用され得る。いくつかの実施形態では、方法1500の手順、工程、および/または活動は提示された順番で行われ得る。他の実施形態では、方法1500の手順、工程、および/または活動は任意の他の好適な順番で行われ得る。さらに他の実施形態では、方法1500の手順、工程、および/または活動の1つまたは複数は合成または省略され得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、感知装置は感知装置110(図1~3、図12)と同様または同一であり得る。多くの実施形態では、較正装置は較正装置180(図1~2、12)または較正装置380(図3)と同様または同一であり得る。多くの実施形態では、1つまたは複数の処理モジュールは処理モジュール225(図2~3)と同様または同一であり得る。多くの実施形態では、感知装置は遮断器のパネルへ取り付けられ得る。例えば、パネルはパネル196(図1図12)と同様または同一であり得、遮断器は回路遮断器パネル190(面1、図12)と同様または同一であり得る。様々な実施形態では、遮断器のパネルは構造体の電力インフラストラクチャの1つまたは複数の主電源線の少なくとも一部の上に位置し得る。例えば、1つまたは複数の主電源線は主電力導体193、194および/または195(図1)と同様または同一であり得る。電力インフラストラクチャは電力インフラストラクチャ160(図1図12)と同様または同一であり得る。いくつかの実施形態では、較正装置は負荷ユニットを含み得る。負荷ユニットは負荷ユニット281(図2~3)と同様または同一であり得る。
【0103】
図15を参照すると、方法1500は、感知装置の1つまたは複数の出力信号に少なくとも部分的に基づき、1つまたは複数の主電源線内を流れる電流を求めるブロック1501を含み得る、様々な実施形態では、出力信号は、磁場センサ111~114(図1~3)によりそれぞれ測定される出力信号S、S、Sおよび/またはSと同様または
同一であり得る。様々な実施形態では、感知装置は1つまたは複数の磁場センサを含み得る。磁場センサは磁場センサ111~114(図1~3)と同様または同一であり得る。いくつかの実施形態では、磁場センサは、1つまたは複数の主電源線の少なくとも一部により生成される磁束を測定し、かつ感知装置により測定される磁束に基づき、感知装置の1つまたは複数の出力信号を生成するように構成され得る。多くの実施形態では、感知装置は、1つまたは複数の主電源線へ電気的または物理的に結合されることを欠いてもよい。例えば、感知装置は、直接または間接的にかかわらず、主電源線のうちの任意のものから切り離され得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、方法1500は追加的に、1つまたは複数の主電源線内を流れる電流と較正ユニットにより測定される1つまたは複数の主電源線の電圧との間の位相差を求めるブロック1502を含み得る。様々な実施形態では、較正装置は構造体の電力インフラストラクチャへ電気的に結合され得る。例えば、較正装置は電気プラグ282(図2~3)などを介して電気的に結合され得る。いくつかの実施形態では、ブロック1502は、感知装置により測定された磁束の位相に基づき、電流の位相を求める工程を含み得る。例えば、位相は上に説明したように位相角モジュール228(図2~3)により計算され得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、方法1500は、任意選択的に、位相差に少なくとも部分的に基づき、実電力使用量を求めるブロック1503を含み得る。多くの実施形態では、実電力使用量は上に説明したように電力計算モジュール227(図2~3)により計算され得る。
【0106】
図を先に進めると、図16は、そのすべてまたはその一部が上記技術を実施するのに好適であり得るコンピュータシステム1600の例示的実施形態を示す。一例として、シャーシ1602(およびその内部部品)の異なるまたは別個のものが上記技術を実施するのに好適であり得る。さらに、コンピュータシステム1600の1つまたは複数の要素(例えばリフレッシュモニタ1606、キーボード1604、および/またはマウス1610など)も上記技術を実施するのに適切であり得る。コンピュータシステム1600は、1つまたは複数の回路基板(図示せず)を含むシャーシ1602、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート1612、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)および/またはディジタルビデオディスク(DVD)ドライブ1616、およびハードドライブ1614を含む。シャーシ1602内の回路基板上に含まれる要素の代表的ブロック図を図17に示す。図17内の中央処理ユニット(CPU)1710は図17内のシステムバス1714と結合される。様々な実施形態では、CPU1710のアーキテクチャは様々な商業的流通アーキテクチャファミリーのうちの任意のものに準拠し得る。
【0107】
図17について続けると、システムバス1714はまたメモリ格納ユニット1708と結合され、メモリ格納ユニット1708は読み取り専用メモリ(ROM)とランダムアクセスメモリ(RAM)との両方を含む。メモリ格納ユニット1708の不揮発性部分またはROMは、システムリセット後にコンピュータシステム1600(図16)を機能的状態へ回復させるのに好適なブートコードシーケンスにより符号化され得る。加えて、メモリ格納ユニット1708は基本入出力システム(BIOS)などのマイクロコードを含み得る。いくつかの実施例では、本明細書において開示される様々な実施形態の1つまたは複数のメモリ格納ユニットは、メモリ格納ユニット1708、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート1612(図16~17)へ結合された外部記憶格納ユニット(図示せず)などのUSB装備電子装置、ハードドライブ1614(図16~17)、および/またはCD-ROMまたはDVDドライブ1616(図16~17)を含み得る。同じまたは異なる例において、本明細書において開示される様々な実施形態の1つまたは複数のメモリ格納ユニットは、コンピュータおよび/またはコンピュータネットワークのハードウ
ェアおよびソフトウェア資源を管理するソフトウェアプログラムであり得るオペレーティングシステムを含み得る。オペレーティングシステムは、例えばメモリを制御し割り振る、命令の処理に優先順位を付ける、入出力装置を制御する、ネットワーキングを容易にする、およびファイルを管理するなどの基本的作業を行い得る。一般的オペレーティングシステムのいくつかの例は、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)オペレーティングシステム(OS)、Mac(登録商標)OS、UNIX(登録商標)OSおよびLinux(登録商標)OSを含み得る。
【0108】
本明細書で使用されるように、「プロセッサ」および/または「処理モジュール」は、限定しないがマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、コントローラ、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、グラフィックスプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、または所望の機能を行うことができる任意の他のタイプのプロセッサまたは処理回路などの任意のタイプの計算回路を意味する。いくつかの例では、本明細書において開示される様々な実施形態の1つまたは複数のプロセッサはCPU1710を含み得る。
【0109】
図17の描写された実施形態では、ディスクコントローラ1704、グラフィックアダプタ1724、ビデオコントローラ1702、キーボードアダプタ1726、マウスアダプタ1706、ネットワークアダプタ1720および他の入出力デバイス1722などの様々な入出力デバイスがシステムバス1714へ結合され得る。キーボードアダプタ1726およびマウスアダプタ1706は、コンピュータシステム1600(図16)のキーボード1604(図16~17)およびマウス1610(図16~17)へそれぞれ結合される。グラフィックアダプタ1724およびビデオコントローラ1702は、図17において特徴的ユニットとして示され、一方、ビデオコントローラ1702は他の実施形態ではグラフィックアダプタ1724に組み込まれ得、またはその逆も同様である。ビデオコントローラ1702は、コンピュータシステム1600(図16)の画面1608(図16)上に画像を表示するためにモニタ1606(図16~17)をリフレッシュするのに好適である。ディスクコントローラ1704は、ハードドライブ1614(図16~17)、USBポート1612(図16~17)およびCD-ROMドライブ1616(図16~17)を制御し得る。他の実施形態では、特徴的ユニットはこれらの装置のそれぞれを別個に制御するために使用され得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、ネットワークアダプタ1720は、コンピュータシステム1600(図16)内の拡張ポート(図示せず)へ差し込まれるまたは結合されるWNIC(無線ネットワークインタフェースコントローラ)カード(図示せず)を含み得、および/またはWNICカードとして実装され得る。他の実施形態では、WNICカードはコンピュータシステム1600(図16)に内蔵された無線ネットワークカードであり得る。無線ネットワークアダプタは、無線通信能力をマザーボードチップセット(図示せず)に組み込むことによりコンピュータシステム1600に内蔵されてもよく、1つまたは複数の専用無線通信チップ(図示せず)を介して実装されてもよく、またはコンピュータシステム1600(図16)のPCI(周辺部品相互接続器)もしくはPCIエクスプレスバスもしくはUSBポート1612(図16)を介して接続されてもよい。他の実施形態では、ネットワークアダプタ1720は有線ネットワークインタフェースコントローラカード(図示せず)を含み得、および/または有線ネットワークインタフェースコントローラカード(図示せず)として実装され得る。
【0111】
コンピュータシステム1600(図16)の他の多くの部品は示されないが、このような部品およびそれらの相互接続は当業者に周知である。したがって、コンピュータシステム1600の構築および構成と、シャーシ1602(図16)内の回路基板とに関するさ
らなる詳細は本明細書では論述されない。
【0112】
図16におけるコンピュータシステム1600が実行されている場合、USBポート1612へ接続されたUSB装備電子装置上に、CD-ROMまたはCD-ROM内DVDおよび/またはDVDドライブ1616上に、ハードドライブ1614上に、またはメモリ格納ユニット1708(図17)内に格納されたプログラム命令がCPU1710(図17)により実行される。これらの装置上に格納されたプログラム命令の一部は上記技術の少なくとも一部を行うのに好適であり得る。
【0113】
コンピュータシステム1600は図16ではデスクトップコンピュータとして示されるが、コンピュータシステム1600がコンピュータシステム1600に関して説明したものと同様の機能要素を依然として有する一方で、異なる形状因子を採り得る例が存在し得る。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム1600は単一コンピュータ、単一サーバまたはコンピュータまたはサーバのクラスタまたは集合、またはコンピュータまたはサーバのクラウドを含み得る。通常、サーバのクラスタまたは集合は、コンピュータシステム1600への要求が単一サーバまたはコンピュータの合理的能力を超える場合に使用され得る。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム1600はラップトップコンピュータなどの携帯型コンピュータを含み得る。いくつかの他の実施形態では、コンピュータシステム1600はスマートフォンなどのモバイル装置を含み得る。いくつかの追加の実施形態では、コンピュータシステム1600は埋め込みシステムを含み得る。
【0114】
多くの実施形態では、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、リアルタイム全家庭電力消費量用の非接触式エンドユーザ配備可能センサに関する過去の研究を上回る著しい改善を提示する。説明された技術は、変流器の専門的設置の必要性なしに全家庭電力消費量を推測するために磁気ピックアップからなる単一装置をユーザが電力または遮断器パネルの外側に配置できるようにする。この手法は、以前の手法における重要要件であった遮断器パネル上の精密配置を必要としないために有利である。センサ配置と無関係であることにより、ここで説明された技術は、エンドユーザにより必要とされる設置負担を著しく低減し得る。
【0115】
この手法は、センサの配置および遮断器パネル自体の構造にもかかわらず、伝達関数を動的に学習するニューラルネットワークを使用することにより、自己較正技術を介して可能にされ得るために有益である。この手法は、有利には、見掛け電力のみを捕捉できた過去の解決策と異なり、絶対電流波形を予測する能力に基づき構造体におけるリアルタイム絶対実電力消費量を推測する能力を有し得る。
【0116】
多くの実施形態では、本明細書に記載される自己較正式技術は、家庭における電力使用の全範囲にわたって磁気センサと実電流との間の多次伝達関数を動的に生成し得る。先験的に伝達関数を数学的にモデル化する代わりに、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、家庭毎にこの伝達関数を生成するために遮断器パネル設計および構築の差異に左右され得ない学習手法を使用し得る。さらに、この手法は、いかなる分岐回路からの「干渉」も考慮し得るため、センサの精密配置の必要性を除去し得る。現場(in situ)動的モデルのために、本明細書に記載されるシステムはセンサの完全な配置に限定され得ない。
【0117】
多くの実施形態では、ここで説明された技術は、自己較正シーケンスの一部として一日にわたる家庭の自然な電気活動の使用を活用することにより、過去の手法よりはるかに狭い範囲(0~300W)で較正装置を有益に使用し得る。自然な家庭電気活動は、有利には、家庭内の電力使用の全範囲の伝達関数を生成するために一日を通じて活用され得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、この手法は、有利には、実電力を推測するために電流と電圧との間の位相角を予測する能力を有し得、これは単なる大きさではなく波形自体を予測することと均等である。多くの実施形態では、位相角は有利には単磁気センサの組を使用することにより計算され得る。多くの実施形態では、自己較正式手法は、有益には、遮断器パネル上のセンサの精密配置を必要とせず、較正のために一日を通して実電力使用を使用する。いくつかの実施形態では、ニューラルネットワークベース学習手法は、多次磁気センサ伝達関数を動的に生成し得るために有益である。
【0119】
多くの実施形態では、本明細書に記載されるシステム、方法、技術および手法の高精度は、設置工程を著しく簡単にすることにより参入障壁を低減する一方で、エネルギーディスアグリゲーション、活動推論およびエコフィードバックなどの多くの用途に理想的であり得る。さらに、これらの手法における約5%最大誤差は、一般的に使用されるIEEE
C57.13 C級CT(定格<=10%誤差)よりはるかに良い。さらに、このようなCTの定格誤差は、通常、低電流レベルにおけるものである。高電流(例えば、>2A、これは全家庭シナリオにおいて通常予想される)では誤差がはるかに高い。1~2%誤差を有する極めて高価なCTは精度電流測定などの特殊用途において使用される。しかし、上に説明したように、CTは、通電用導体へのアクセスを有する設置を必要とする。本明細書に記載されるシステムおよび方法は、有利には、エネルギーディスアグリゲーションコミュニティの研究者が専門的設置の必要性なしに家庭内の電力データに容易にアクセスできるようにし得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される手法は、有益には、手動較正なしに住宅所有者により設置され得る貼り付け式実電力メータを自動的に較正するために使用され得る。自己較正手法を使用するエネルギー存続可能性(energy viability)を評価するために、本発明者らの配備のすべてにわたって較正器により消費されるエネルギーは、較正が全伝達関数(full transfer function)に収束するために1家庭当たり平均で0.181kWhになると計算された。いくつかの実施形態では、本システムは消費が未較正領域に入る毎に較正され得る。他の実施形態では、本システムは消費が閾値領域外に出る場合にのみ較正され得る。
【0121】
本発明が特定の実施形態を参照して説明されたが、様々な変更形態が本発明の趣旨または範囲から逸脱することなくなされ得ることを当業者は理解する。したがって、本発明の実施形態の開示は、本発明の範囲の例示となるように意図されており、限定するように意図されていない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により必要とされる程度までにのみ限定されるように意図されている。例えば、当業者にとって、図1図17の様々な要素は修正、合成および/または交換され得ることと、これらの実施形態のいくつかのこれまでの論述は、すべての可能な実施形態の完全な説明を必ずしも表さないこととは容易に理解される。別の例として、図13図15の手順、工程または活動の1つまたは複数は、異なる手順、工程、および/または活動を含む多くの異なる順番で行われ得る。
【0122】
任意の特定の請求項において主張されるすべての要素は、その特定の請求項において特許請求される実施形態にとって必須である。結果的に、1つまたは複数の主張される要素の置換は、修復ではなく再構築を構成する。加えて、恩恵、他の利点および問題の解決策は特定の実施形態に関して説明された。しかし、任意の恩恵、利点または解決策を生じさせ得るまたはより顕著にさせ得る恩恵、利点、問題の解決策、または任意の1つもしくは複数の要素は、このような恩恵、利点、解決策または要素がこのような請求項において明示的に述べられない限り、請求項のうちの任意のものまたはすべての極めて重要な、必要な、または必須の特徴または要素とみなされてはならない。
【0123】
さらに、本明細書において開示される実施形態および限定は、(1)実施形態および/または限定が特許請求の範囲において明示的に主張されない限り、(2)実施形態および/または限定が均等物の原則の下で特許請求の範囲において表現された要素および/または限定の均等物である限り、公有の原則の下で公共に供されるものではない。
この明細書および添付図面から抽出され得る特徴の例を以下に列記する。
1.構造体の電力インフラストラクチャにおける電力使用量を感知するためのシステムであって、前記構造体は、前記構造体の前記電力インフラストラクチャの回路遮断器ボックスおよび1つまたは複数の主電源線を含み、前記システムは、
前記1つまたは複数の主電源線の少なくとも一部の上に位置する回路遮断器ボックスのパネルへ取り付けられるように構成された感知装置であって、1つまたは複数の磁場センサを含む感知装置と、
前記構造体の前記電力インフラストラクチャへ電気的に結合されるように構成された較正装置であって、負荷ユニットを含む較正装置と、
前記感知装置から1つまたは複数の出力信号を受信するように構成された1つまたは複数の処理モジュールと
を含み、
前記感知装置は、前記感知装置が前記パネルへ取り付けられているときに、前記1つもしくは複数の主電源線または前記電力インフラストラクチャへ電気的または物理的に結合されず、
前記1つまたは複数の処理モジュールは、さらに、前記感知装置が前記パネル上の任意の位置に結合されているとき、前記感知装置から受信される前記1つまたは複数の出力信号に少なくとも部分的に基づいて、前記電力使用量を求めるように構成されている、システム。
2.前記1つまたは複数の処理モジュールは、前記感知装置が前記1つまたは複数の主電源線の上に配置されておらず、前記1つまたは複数の主電源線に電気的に結合された1つまたは複数の分岐電力線の上に配置されておらず、かつ前記1つまたは複数の分岐電力線に電気的に結合される1つまたは複数の分岐回路遮断器の上に配置されていないときに、前記電力使用量を求めるように構成されている、項1に記載のシステム。
3.前記1つまたは複数の処理モジュールは、前記感知装置が前記パネル上の所定位置に配置されていないときに、前記電力使用量を求めるように構成されている、項1に記載のシステム。
4.前記較正装置の前記負荷ユニットは、1000ワット以下の最大負荷を提供するように構成されている、項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
5.前記較正装置の前記負荷ユニットは、300ワット以下の最大負荷を提供するように構成されている、項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
6.前記1つまたは複数の処理モジュールは、さらに、前記1つまたは複数の主電源線内を流れる電流と前記1つまたは複数の主電源線の電圧との間の位相差を求めるように構成されている、項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
7.前記1つまたは複数の処理モジュールは、さらに、前記位相差に少なくとも部分的に基づいて、実電力使用量を求めるように構成されている、項6に記載のシステム。
8.前記感知装置は、前記1つまたは複数の磁場センサを囲む1つまたは複数の磁石をさらに含み、前記1つまたは複数の磁石は、前記パネルにより誘起された磁場を飽和させるように構成されている、項7に記載のシステム。
9.前記較正装置の前記負荷ユニットは、4つ以下の離散的負荷を生じるように構成されている、項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
10.前記較正装置の前記負荷ユニットは、ある範囲の負荷を生じるように構成され、
前記1つまたは複数の処理モジュールは、前記電力使用量の範囲を求めるために前記感知装置を使用するように構成され、
前記負荷の範囲は、前記電力使用量の前記範囲より小さい、項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
11.前記負荷の範囲は、前記電力使用量の前記範囲の20%未満である、項10に記載のシステム。
12.構造体へ供給されている電力を感知装置、較正装置および1つまたは複数の処理モジュールを使用して感知する方法であって、前記感知装置は、1つまたは複数の磁場センサを含み、前記感知装置は、回路遮断器ボックスのパネルへ取り付けられ、前記回路遮断器ボックスの前記パネルは、構造体の電力インフラストラクチャの1つまたは複数の主電源線の少なくとも一部の上に位置し、前記較正装置は、負荷ユニットを含み、前記較正装置は、前記構造体の前記電力インフラストラクチャへ電気的に結合され、前記方法は、
前記構造体内の複数の通常の電力消費量変化に基づく区分的方式で第1の伝達関数を求めることにより、前記感知装置を自動的に較正する工程と、
前記感知装置の1つまたは複数の出力信号と前記第1の伝達関数とに基づき、前記1つまたは複数の処理モジュールを使用して電力消費測定結果を求める工程と
を含む、方法。
13.前記構造体内の前記複数の通常の電力消費量変化に基づく前記区分的方式で前記第1の伝達関数を求めることにより、前記感知装置を自動的に較正する工程は、(a)前記較正装置の前記負荷ユニットが負荷を適用する前後に前記感知装置により測定された磁束の測定領域と、(b)前記測定領域外の外挿領域とに少なくとも部分的に基づき、前記第1の伝達関数を前記1つまたは複数の処理モジュールにより繰り返し予測する工程を含む、項12に記載の方法。
14.前記構造体内の前記複数の通常の電力消費量変化に基づく前記区分的方式で前記第1の伝達関数を繰り返し求めることにより、前記感知装置を自動的に較正する工程は、
磁場変化測定結果を電流変化値に変換する第2の伝達関数を求めるように、前記複数の通常の電力消費量変化に対応するトリガ事象を感知するとニューラルネットワークモデルをトレーニングする工程と、
前記第2の関数に少なくとも部分的に基づき、前記1つまたは複数の処理モジュールにより前記第1の伝達関数を更新する工程であって、前記第1の伝達関数は、磁場測定結果を絶対電流値に変換するように構成される、工程と
を含む、項12に記載の方法。
15.前記トリガ事象を感知すると前記ニューラルネットワークモデルをトレーニングする工程は、
前記トリガ事象に対応する磁束の第1の変化を感知すると、前記感知装置からの1つまたは複数の第1の磁場値を測定する工程と、
前記較正装置の前記負荷ユニットの所定負荷を前記電力インフラストラクチャへ適用する工程であって、前記所定負荷は、第1の電流量を引き出す、工程と、
前記所定負荷が前記電力インフラストラクチャへ適用されている間に前記感知装置の1つまたは複数の第2の磁場値を感知する工程と、
前記ニューラルネットワークモデルの入力層として前記1つまたは複数の第1の磁場値および前記1つまたは複数の第2の磁場値と、前記ニューラルネットワークモデルの出力
層として前記第1の電流量とを使用して、前記ニューラルネットワークモデルをトレーニングするために、前記1つまたは複数の処理モジュールを使用する工程と
を含む、項14に記載の方法。
16.前記トリガ事象は、前記感知装置から測定された前記1つまたは複数の第1の磁場値が前記第1の伝達関数の外挿領域に対応する、前記複数の通常の電力消費量変化を含む、項15に記載の方法。
17.前記構造体内の前記複数の通常の電力消費量変化に基づく前記区分的方式で前記第1の伝達関数を求めることにより、前記感知装置を自動的に較正する工程は、第1の期間にわたって行われ、
前記第1の期間は、少なくとも48時間である、項12~16のいずれか一項に記載の方法。
18.前記較正装置の前記負荷ユニットは、1000ワット以下の最大負荷を提供するように構成されている、項12~17のいずれか一項に記載の方法。
19.前記較正装置の前記負荷ユニットは、300ワット以下の最大負荷を提供するように構成されている、項12~17のいずれか一項に記載の方法。
20.前記較正装置の前記負荷ユニットは、4つ以下の離散的負荷を生じるように構成されている、項12~19のいずれか一項に記載の方法。
21.前記較正装置の前記負荷ユニットは、ある範囲の負荷を生じるように構成され、
前記感知装置が較正された後、前記1つまたは複数の処理モジュールは、ある範囲の電力消費測定結果を求めるために前記感知装置を使用するように構成され、
前記負荷の範囲は、前記電力消費量測定結果の範囲より小さい、項12~20のいずれか一項に記載の方法。
22.前記負荷の範囲は、前記電力消費量測定結果の範囲の20%未満である、項21に記載の方法。
23.前記感知装置の前記1つまたは複数の出力信号と前記第1の伝達関数とに基づき、前記1つまたは複数の処理モジュールを使用して前記電力消費測定結果を求める工程は、前記1つまたは複数の主電源線内を流れる電流と前記1つまたは複数の主電源線の電圧との間の位相差を求める工程を含む、項12~22のいずれか一項に記載の方法。
24.前記感知装置の前記1つまたは複数の出力信号と前記第1の伝達関数とに基づき、前記1つまたは複数の処理モジュールを使用して前記電力消費測定結果を求める工程は、前記位相差に少なくとも部分的に基づき、実電力使用量を求める工程をさらに含む、項23に記載の方法。
25.構造体へ供給されている電力を感知装置、較正装置および1つまたは複数の処理モジュールを使用して感知する方法であって、前記感知装置は、回路遮断器ボックスのパネルへ取り付けられ、前記回路遮断器ボックスの前記パネルは、構造体の電力インフラストラクチャの1つまたは複数の主電源線の少なくとも一部の上に位置し、前記較正装置は、負荷ユニットを含み、前記方法は、
前記感知装置の1つまたは複数の出力信号に少なくとも部分的に基づき、前記1つまたは複数の主電源線内を流れる電流を求める工程と、
前記較正装置により測定された前記1つまたは複数の主電源線内を流れる前記電流と前記1つまたは複数の主電源線の電圧との間の位相差を求める工程と
を含み、
前記較正装置は、前記構造体の前記電力インフラストラクチャへ電気的に結合され、
前記感知装置は、前記1つまたは複数の主電源線の少なくとも一部により生成された磁束を測定し、かつ前記感知装置により測定された前記磁束に基づき、前記感知装置の前記1つまたは複数の出力信号を生成するように構成された1つまたは複数の磁場センサを含み、
前記感知装置は、前記1つまたは複数の主電源線へ電気的または物理的に結合されていない、方法。
26.前記構造体の前記電力インフラストラクチャへ電気的に結合された前記較正装置
により測定された前記1つまたは複数の主電源線を流れる前記電流と前記電圧との間の前記位相差を求める工程は、前記感知装置により測定された前記磁束の位相に基づき、前記電流の位相を求める工程を含む、項25に記載の方法。
27.前記位相差に少なくとも部分的に基づき、実電力使用量を求める工程をさらに含む、項25または26に記載の方法。
図1
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図5
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