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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】医療用吊り橋
(51)【国際特許分類】
   A61B 50/28 20160101AFI20220107BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A61B50/28
A61G12/00 U
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020540615
(86)(22)【出願日】2018-12-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2018121088
(87)【国際公開番号】W WO2019144725
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-07-22
(31)【優先権主張番号】201810066557.3
(32)【優先日】2018-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810066363.3
(32)【優先日】2018-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810067702.X
(32)【優先日】2018-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810117493.5
(32)【優先日】2018-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515353361
【氏名又は名称】▲邁▼柯唯医▲療▼▲設▼▲備▼(▲蘇▼州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】位 兵
(72)【発明者】
【氏名】黄 家▲勝▼
(72)【発明者】
【氏名】宣 ▲ジン▼
(72)【発明者】
【氏名】黎 群▲華▼
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-308348(JP,A)
【文献】中国実用新案第205729694(CN,U)
【文献】米国特許第07254850(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 50/28
90/00
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横ビーム(1)と、前記横ビーム(1)に繋ぐ吊り管(2)と、前記横ビーム(1)に移動可能に接続する移動モジュール(21)と、前記移動モジュール(21)に繋ぐ箱体とを備える医療用吊り橋において、ドラッグチェーン(29)と、電線と、気管とをさらに備え、前記横ビーム(1)は、荷重ビーム(3)を備え、前記移動モジュール(21)は、荷重ビーム(3)の上部に延伸するドラッグチェーン移動板(25)を備え、前記ドラッグチェーン(29)は、一端が前記荷重ビーム(3)に接続され、他端が前記ドラッグチェーン移動板(25)に接続され、前記電線、気管は、箱体内から前記移動モジュール(21)、ドラッグチェーン(29)を介して前記吊り管(2)内に進入し、
前記横ビーム(1)は、前記荷重ビーム(3)の一方側に接続する後パネル組立体(6)を備え、
前記後パネル組立体(6)は、前記荷重ビーム(3)に繋ぐ後蓋板接続板(12)を備え、前記荷重ビーム(3)には、凸状の延伸部(3b)が設けられ、前記後蓋板接続板(12)には、前記延伸部(3b)と互いに係合する凸状の合わせ部(12b)が設けられ、
前記合わせ部(12b)には、第1溝が設けられ、前記延伸部(3b)には、第2溝が設けられ、前記第1溝と前記第2溝とは、互いに連通して共に前記ドラッグチェーン移動板(25)を回避する第1配線溝(20)を形成し、前記ドラッグチェーン移動板(25)は、前記第1配線溝(20)を通じて前記荷重ビーム(3)の上部に延伸することを特徴とする医療用吊り橋。
【請求項2】
請求項に記載の医療用吊り橋において、
前記第1配線溝(20)には、前記第1配線溝(20)を協働して密閉する2つの防塵条(30)が取り付かられることを特徴とする医療用吊り橋。
【請求項3】
請求項に記載の医療用吊り橋において、
前記後パネル組立体(6)は、後蓋板(11)と後パネル(13)とをさらに備え、前記後蓋板(11)と後蓋板接続体(12)と後パネル(13)とは、互いに係合し、後チャンバ(15)を形成することを特徴とする医療用吊り橋。
【請求項4】
請求項に記載の医療用吊り橋において、
前記横ビーム(1)は、前記荷重ビーム(3)の他方側に接続する前パネル組立体(5)をさらに備え、前記前パネル組立体(5)は、互いに係合し協働して前チャンバ(10)を形成する前蓋板(7)および前パネル(8)を備えることを特徴とする医療用吊り橋。
【請求項5】
請求項に記載の医療用吊り橋において、
前記後パネル組立体は、互いに係合する後カバー(41)および後カバー接続板(42)を備え、前記後カバー接続板(42)には、側板(42a)が設けられ、前記側板(42a)には、前記ドラッグチェーン移動板(25)を回避する第2配線溝(40)が設けられ、前記ドラッグチェーン移動板(25)は、一端が前記第2配線溝(40)を通じて前記荷重ビーム(3)の上部に延伸することを特徴とする医療用吊り橋。
【請求項6】
請求項に記載の医療用吊り橋において、
前記ドラッグチェーン移動板(25)の両側には、ローラ組立体(33)が接続され、前記後蓋板接続板(12)の側部(12a)には、前記第2配線溝(40)を遮る可撓性防塵ベルト(34)が取り付けられ、前記可撓性防塵ベルト(34)は、前記ローラ組立体(33)を通じて前記ドラッグチェーン移動板(25)の外部半分包囲することを特徴とする医療用吊り橋。
【請求項7】
請求項に記載の医療用吊り橋において、
前記ローラ組立体(33)は、ローラ支持体(33a)と、前記ローラ支持体(33a)に取り付く少なくとも1つの防塵ベルトローラ(33b)とを備えることを特徴とする医療用吊り橋。
【請求項8】
請求項1に記載の医療用吊り橋において、
前記医療用吊り橋は、回転軸(101)および前記回転軸(101)に接続するプラスチックボス(103)を含む回転機構と、一部が前記プラスチックボス(103)内に嵌合する軸座(102)と、前記回転機構によって前記軸座(102)に回転可能に接続する懸けアーム(120)とをさらに備え、前記回転軸(101)は、前記軸座(102)に対して前記懸けアーム(120)を回転させることを特徴とする医療用吊り橋。
【請求項9】
請求項1に記載の医療用吊り橋において、
前記医療用吊り橋は、ガイドレール(201)と前記ガイドレール(201)に移動可能に接続する移動モジュール(202)と前記移動モジュール(202)に固着するエアバッグブレーキモジュール(203)とを含むエアバッグブレーキ機構をさらに備え、前記ガイドレール(201)には、対向して設置する上側壁(201aa)および下側壁(201ab)を含むガイドレール溝(201a)が設けられ、前記エアバッグブレーキモジュール(203)は、前記ガイドレール溝(201a)内に位置し、ブレーキ時に上側壁(201aa)および下側壁(201ab)に互いに密接するエアバッグブレーキ(207)を備えることを特徴とする医療用吊り橋。
【請求項10】
請求項に記載の医療用吊り橋において、
前記エアバッグブレーキ(207)は、ベース(207a)と、前記ベース(207a)の上、下部にそれぞれ設ける上エアバッグ(207b)および下エアバッグ(207c)とを備えることを特徴とする医療用吊り橋。
【請求項11】
請求項1に記載の医療用吊り橋において、
前記医療用吊り橋は、ガイドレール(301)と前記ガイドレール(301)に移動可能に接続する移動モジュール(302)と前記移動モジュール(302)に固着する電磁ブレーキモジュール(303)とを含む電磁ブレーキ機構をさらに備え、前記ガイドレール(301)には、ガイドレール溝(301a)が設けられ、前記電磁ブレーキモジュール(303)は、前記ガイドレール溝(301a)内に位置する電磁ブレーキ(307)を備えることを特徴とする医療用吊り橋。
【請求項12】
請求項11に記載の医療用吊り橋において、
前記ガイドレール溝(301a)は、対向して設ける上側壁(301aa)および下側壁(301ab)を備え、前記電磁ブレーキ(307)は、上ヨーク(307b)と、下ヨーク(307c)と、前記上ヨーク(307b)と前記下ヨーク(307c)との間に設ける圧縮バネとを備え、前記上ヨーク(307b)は、前記圧縮バネの弾性力により前記上側壁(301aa)に当接され、前記下ヨーク(307c)は、前記圧縮バネの弾性力により前記下側壁(301ab)に当接されることを特徴とする医療用吊り橋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用吊り橋(MEDICAL SUSPENSION BRIDGE)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の医療用吊り橋では、下に電気端末を含む吊り橋端末箱体(以下、単に箱体と称する。)が設けられ、この箱体は吊り橋のガイドレールに沿って移動できるため、箱体から引かれるケーブルや気管などを如何に管理するかが極めて重要となる。ケーブルの配線通路には、吊り橋背嚢式外部配線及び吊り橋荷重ビーム中間部開孔配線の2種類が多くあり、第1種類では、外観が美しくなく、第2種類では、その孔が吊り橋の全体としての強度と剛性に大幅に影響し、加工量も多くてコストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術における上記欠陥に対し、ケーブルの管理を便利にし、ケーブルに対して一定の保護作用を奏するように配線が揃えた医療用吊り橋を提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記発明の目的を達成するために、以下のような技術案を採用した。横ビームと、前記横ビームに繋ぐ吊り管と、前記横ビームに移動可能に接続する移動モジュールと、前記移動モジュールに繋ぐ箱体とを備える医療用吊り橋であって、ドラッグチェーンと、電線と、気管とをさらに備え、前記横ビームは、荷重ビームを備え、前記移動モジュールは、荷重ビームの上部に延伸するドラッグチェーン移動板を備え、前記ドラッグチェーンは、一端が前記荷重ビームに接続され、他端が前記ドラッグチェーン移動板に接続され、前記電線、気管は、箱体内から前記移動モジュール、ドラッグチェーンを介して前記吊り管内に進入する。
【0005】
また、本発明は、以下のような従属技術案をさらに含む。
【0006】
前記横ビームは、前記荷重ビームの一方側に接続する後パネル組立体をさらに備える。
【0007】
前記後パネル組立体は、前記荷重ビームに繋ぐ後蓋板接続板を備え、前記荷重ビームには、凸状の延伸部が設けられ、前記後蓋板接続板には、前記延伸部と互いに係合する凸状の合わせ部が設けられる。
【0008】
前記合わせ部には、第1溝が設けられ、前記延伸部には、第2溝が設けられ、前記第1溝と前記第2溝とは、互いに貫通して共に前記ドラッグチェーン移動板を回避する第1配線溝を形成し、前記ドラッグチェーン移動板は、前記第1配線溝を通じて前記荷重ビームの上部に延伸する。
【0009】
前記第1配線溝には、前記第1配線溝を協働して密閉する2つの防塵条が取り付かられる。
【0010】
前記後パネル組立体は、後蓋板と後パネルとをさらに備え、前記後蓋板と後蓋板接続体と後パネルとは、互いに係合し、後チャンバを形成する。
【0011】
前記横ビームは、前記荷重ビームの他方側に接続する前パネル組立体をさらに備え、前記前パネル組立体は、互いに係合し協働して前チャンバを形成する前蓋板および前パネルを備える。
【0012】
前記後パネル組立体は、互いに係合する後カバーおよび後カバー接続板を備え、前記後カバー接続板には、側板が設けられ、前記側板には、前記ドラッグチェーン移動板を回避する第2配線溝が設けられ、前記ドラッグチェーン移動板は、一端が前記第2配線溝を通じて前記荷重ビームの上部に延伸する。
【0013】
前記ドラッグチェーン移動板の両側には、ローラ組立体が接続され、前記側部には、前記第2配線溝を遮る可撓性防塵ベルトが取り付けられ、前記可撓性防塵ベルトは、前記ローラ組立体を通じて前記ドラッグチェーン移動板の外部を半分に包囲する。
【0014】
前記ローラ組立体は、ローラ支持体と、前記ローラ支持体に取り付く少なくとも1つの防塵ベルトローラとを備える。
【0015】
従来技術と比べて、本発明の利点は以下の通りである。
【0016】
1.移動する必要がある箱体内の電線や気管などのケーブルをドラッグチェーン内に集中に取り付くことにより、配線がよりよく揃えられ、一方、ケーブルをしっかり保護することができる。
【0017】
2.配線、ケーブルルーティング用の前チャンバ、後チャンバを設けて前、後チャンバにおけるケーブルルーティングを明確に揃えることにより、混乱しにくくなる。
【0018】
3.荷重ビームの中間部に配線用の溝を設けないことにより、横ビームの全体的な強度に対する影響が少なく、溝の長さを長く設定できるため、箱体の移動距離が延長され、使いやすくなる。
【0019】
4.密閉性が良くなり、防塵効果が向上され、移動モジュールの移動に影響しない。
【0020】
5.電線や気管など全体が医療用吊り橋内に収納され、外観が美しくなる。
【0021】
また、本発明は、以下のような従属技術案をさらに提出した。
【0022】
前記医療用吊り橋は、回転軸および前記回転軸に接続するプラスチックボスを含む回転機構と、一部が前記プラスチックボス内に嵌合する軸座と、前記回転機構によって前記軸座に回転可能に接続する懸けアームとをさらに備え、前記回転軸は、前記軸座に対して前記懸けアームを回転させる。
【0023】
前記回転軸は、上軸体と、前記上軸体に接続する下軸体とを備える。
【0024】
前記医療用吊り橋の回転機構は、前記上軸体と前記下軸体との間に接続する引っ張り装置をさらに備える。
【0025】
前記引っ張り装置は、引っ張りネジと、皿ばね組立体と、ワッシャとをさらに備え、前記引っ張り装置は、前記上軸体を通じて前記下軸体に接続され、前記皿ばね組立体および前記ワッシャは、いずれも前記引っ張りネジに外挿される。
【0026】
前記ワッシャは、前記皿ばね組立体の両端のそれぞれに設けて前記引っ張りネジのナットおよび前記上軸体のそれぞれに当接する第1ワッシャおよび第2ワッシャを備える。
【0027】
前記プラスチックボスは、前記回転軸と前記軸座との間に設ける上ボスを備える。
【0028】
前記プラスチックボスは、前記回転軸と前記軸座との間に設けて前記上ボスと対称に設ける下ボスをさらに備える。
【0029】
前記医療用吊り橋は、一端を前記回転軸に固定して接続し他端を前記プラスチックボスに当接する摩擦装置をさらに備える。
【0030】
前記医療用吊り橋の回転機構は、前記上軸体内に設けて一端を前記下軸体に当接する押出装置をさらに備える。
【0031】
前記医療用吊り橋の回転機構は、前記回転軸に接続する制限ネジと、前記軸座に設ける制限ブロックとをさらに備える。
【0032】
従来技術と比べて、本発明の利点は以下の通りであり、即ち、本発明による医療用吊り橋の回転機構は、金属軸受の代わりにプラスチックボスを使用することにより、コストを低減し回転締まりを調整することができる。
【0033】
また、本発明は、以下のような従属技術案をさらに提出した。
【0034】
前記医療用吊り橋は、ガイドレールと前記ガイドレールに移動可能に接続する移動モジュールと前記移動モジュールに固着するエアバッグブレーキモジュールとを含むエアバッグブレーキ機構をさらに備え、前記ガイドレールには、対向して設置する上側壁および下側壁を含むガイドレール溝が設けられ、前記エアバッグブレーキモジュールは、前記ガイドレール溝内に位置し、ブレーキ時に上側壁および下側壁に互いに密接するエアバッグブレーキを備える。
【0035】
前記エアバッグブレーキは、ベースと、前記ベースの上、下部にそれぞれ設ける上エアバッグおよび下エアバッグとを備える。
【0036】
前記上エアバッグは、通気後に前記上側壁に密接される。
【0037】
前記下エアバッグは、通気後に前記下側壁に密接される。
【0038】
前記医療用吊り橋は、気管と、気管によって上エアバッグおよび下エアバッグに繋ぐ気源と、気管に設けて上、下エアバッグの通気および排気を制御する電磁弁とをさらに備える。
【0039】
前記エアバッグブレーキモジュールは、前記移動モジュールに固着され前記エアバッグブレーキが取り付かれるエアバッグブレーキ支持体を備える。
【0040】
前記エアバッグブレーキは、前記エアバッグブレーキ支持体に可動に接続される。
【0041】
前記エアバッグブレーキモジュールは、肩付きネジをさらに備え、前記エアバッグブレーキ支持体には、長孔が設けられ、前記肩付きネジは、前記長孔を通じて前記エアバッグブレーキに繋がれる。
【0042】
前記肩付きネジは、前記長孔に摺動して合わせる肩部を備える。
【0043】
前記ベースは、前記下側壁に接触しない。
【0044】
従来技術と比べて、本発明の利点は以下の通りである。
【0045】
1.本発明によるエアバッグブレーキ機構は、ブレーキ中に、2つのエアバッグ面がガイドレール溝に押付けられるので、摩擦力がより大きく、ブレーキ効果がよりよく、移動モジュールの意図しないドリフトが効果的に防止される。
【0046】
2.本発明によるエアバッグブレーキ機構は、エアバッグブレーキ支持体に浮いて接続されることにより、ガイドレールおよびエアバッグブレーキの寸法や取付精度に対する要求が低く、使用中により便利で信頼性が高い。
【0047】
3.本発明による移動モジュールは、移動時に摩擦異音が小さい。
【0048】
また、本発明は、以下のような従属技術案をさらに提出した。
【0049】
前記医療用吊り橋は、ガイドレールと前記ガイドレールに移動可能に接続する移動モジュールと前記移動モジュールに固着する電磁ブレーキモジュールとを含む電磁ブレーキ機構をさらに備え、前記ガイドレールには、ガイドレール溝が設けられ、前記電磁ブレーキモジュールは、前記ガイドレール溝内に位置する電磁ブレーキを備える。
【0050】
前記ガイドレール溝は、対向して設ける上側壁および下側壁を備え、前記電磁ブレーキは、上ヨークと、下ヨークと、前記上ヨークと前記下ヨークとの間に設ける圧縮バネとを備え、前記上ヨークは、前記圧縮バネの弾性力により前記上側壁に当接され、前記下ヨークは、前記圧縮バネの弾性力により前記下側壁に当接される。
【0051】
前記電磁ブレーキは、通電後に前記上ヨークおよび前記下ヨークを引き付けてガイドレール溝の上、下側壁から離間させるコイルをさらに備える。
【0052】
前記上ヨークおよび前記下ヨークには、上摩擦シートおよび下摩擦シートがそれぞれ設けられる。
【0053】
前記電磁ブレーキモジュールは、前記ガイドレールに固着され前記電磁ブレーキが取り付かれる電磁ブレーキ支持体をさらに備える。
【0054】
前記電磁ブレーキは、前記電磁ブレーキ支持体に可動に接続される。
【0055】
前記電磁ブレーキモジュールは、肩付きネジをさらに備え、前記電磁ブレーキ支持体には、長孔が設けられ、前記肩付きネジは、前記長孔を通じて前記電磁ブレーキに繋がれる。
【0056】
前記肩付きネジは、前記長孔に摺動して合わせる肩部を備える。
【0057】
前記電磁ブレーキは、ベースと、前記ベースに取り付くボールプランジャとを備え、前記ボールプランジャは、前記コイルが通電された後に、前記ガイドレール溝の下側壁に当接される。
【0058】
前記移動モジュールは、前記ガイドレール溝と合わせる移動ローラを備える。
【0059】
従来技術と比べて、本発明の利点は以下の通りである。
【0060】
1.本発明による医療用吊り橋は、従来のエアバッグブレーキを電磁ブレーキに変更してなるものであり、応答速度が速く、使用信頼性が高く、損傷しにくく、使用寿命が長く、圧縮空気で駆動する必要がなく、構造が単純で体積が小さい。
【0061】
2.本発明による電磁ブレーキ機構は、ガイドレール溝に当接して制動の作用を果たせる上、下ヨークを設けており、その制動効果が、片側ヨークよりも優れている。
【0062】
3.本発明による電磁ブレーキは、電磁ブレーキ支持体に可動に接続されることにより、ガイドレールおよび電磁ブレーキの寸法や取付精度に対する要求が低く、使用中により便利で信頼性が高い。
【0063】
4.移動モジュールが移動する場合には、摩擦シートがガイドレールに接触せず、摩擦異音が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】本発明の実施例1における医療用吊り橋の構成模式図である。
図2】本発明の実施例1における医療用吊り橋の横ビームの構成模式図である。
図3】本発明の実施例1における医療用吊り橋の横ビームの断面図である。
図4】本発明の実施例1における接続型材の構成模式図である。
図5】本発明の実施例1における移動モジュールが取り付かれていない医療用吊り橋の断面図である。
図6図5におけるI部の拡大図である。
図7図5におけるII部の拡大図である。
図8】本発明の実施例1における移動モジュールが取り付かれた医療用吊り橋の断面図である。
図9】本発明の実施例1における医療用吊り橋の前蓋板の構成模式図である。
図10】本発明の実施例1における医療用吊り橋の第1配線溝の模式図である。
図11】本発明の実施例1における医療用吊り橋の移動モジュールの構成模式図である。
図12図10における第1配線溝に防塵条が取り付かれた構成模式図である。
図13】本発明の実施例2における医療用吊り橋の構成模式図である。
図14図13における前パネル組立体及び後カバーが除去された構成模式図である。
図15】本発明の実施例2における第2配線溝の構成模式図である。
図16】本発明の実施例2における第2配線溝の取り付けシールの構成模式図である。
図17図16における移動モジュールの構成模式図である。
図18】本発明の実施例2におけるローラ組立体の構成模式図である。
図19】本発明の実施例2における可撓性防塵ベルトが防塵ベルトローラ間を通して設けられた模式図である。
図20】本発明の医療用吊り橋の回転機構の断面図である。
図21】本発明の医療用吊り橋の回転機構の他の方向の断面図である。
図22】引っ張り装置の構成模式図である。
図23】本発明の医療用吊り橋の回転機構の構成模式斜視図である。
図24】本発明の医療用吊り橋のエアバッグブレーキ機構の構成模式図である。
図25図24におけるガイドレールの断面模式図である。
図26図24におけるガイドレールが除去された構成模式図である。
図27】本発明におけるエアバッグブレーキモジュールの構成模式図である。
図28】本発明におけるエアバッグブレーキの構成模式図である。
図29】本発明におけるエアバッグブレーキ、気管、電磁弁及び気源の接続模式図である。
図30】本発明におけるエアバッグブレーキの平面模式図である。
図31】本発明におけるエアバッグブレーキ支持体の構成模式図である。
図32】本発明における肩付きネジの構成模式図である。
図33】本発明の医療用吊り橋の電磁ブレーキ機構の構成模式図である。
図34図33におけるガイドレールの断面模式図である。
図35図33におけるガイドレールが除去された構成模式図である。
図36】本発明における電磁ブレーキモジュールの構成模式図である。
図37】本発明における電磁ブレーキの構成模式図である。
図38】本発明における電磁ブレーキの他の方向の構成模式図である。
図39】本発明における電磁ブレーキ支持体の構成模式図である。
図40】本発明における肩付きネジの構成模式図である。
図41】本発明における電磁ブレーキの平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下、好ましい実施例及びその添付図を参照しながら、本発明の技術案をさらに限定せずに詳細に説明する。
【0066】
実施例1
図1に示すように、本発明の好ましい実施例に対応する医療用吊り橋(MEDICAL SUSPENSION BRIDGE)は、横ビーム1、吊り管2、及び移動モジュール21を備える。吊り管2は、一端が天井100に接続され他端が横ビーム1に繋がれ、且つ、好ましくは、吊り管2の数が2つであり、移動モジュール21は、横ビーム1に移動可能に接続され、その下が、電気端末を含む吊り橋端末箱体(図示せず、以下、単に箱体と称する。)に接続してもよい。
【0067】
図2及び図3に示すように、横ビーム1は、荷重ビーム3、接続型材4、前パネル組立体5、後パネル組立体6、及び端蓋31を備える。荷重ビーム3、前パネル組立体5、及び後パネル組立体6の間には、接続型材4を設けるチャンバ28が形成される。端蓋31は、横ビーム1の両端に位置し、チャンバ28における部品を保護し密閉、防塵、装飾的な作用を奏することができる。
【0068】
図4図8に示すように、接続型材4は、上端が吊り管2に繋がれ、下端が荷重ビーム3に繋がれる。本実施例では、接続型材4は、吊り管2の数に対応して2つ設けられ、接続型材4と吊り管2とは、接続型材4の上面に医療用吊り橋の幅方向に沿う4つの長孔4aを設け、吊り管2の下に接続板2aを接続し、接続板2aに4つの長孔4aに対応する4つの貫通孔(図示せず)を設け、調整ネジ2bを貫通孔及び長孔4aに通過させ、調整ネジ2bの下にナット2cを接続することにより、接続板2aと接続型材4とを繋ぎ、調整ネジ2bによって横ビーム1の高さ及び水平度を調整し、長孔によって吊り管2の幅方向に対する横ビーム1の位置を調整することができるように、接続される。接続の安定性を向上させるために、調整ネジ2bに2つの調整ナット2dをさらに設けて、一方を接続板2aの下面に密着させ、他方を接続型材4の上面に密着させることができる。接続型材4の上には、吊り管2に連通する配線用の孔4bが設けられ、接続型材4の下は、荷重ビーム3にボルトにより接続される。
【0069】
前パネル組立体5及び後パネル組立体6は、それぞれ横ビーム1の左右両側に設けられる。
【0070】
前パネル組立体5は、互いに係合する前蓋板7及び前パネル8を備える。図6を参照すると、前蓋板7と前パネル8とは、それぞれ第1係合部Aと第2係合部Bにより係合され、前蓋板7と前パネル8との接続は、係合の他に、更にネジ接続(図示せず)を追加してより強固にすることができる。前蓋板7の上部には、ネジ9により接続型材4の上面に繋ぐ凸状の第1接続部7aが設けられ、前蓋板7の下部は、荷重ビーム3の上面に第3係合部Cにより係合される。
【0071】
前蓋板7と前パネル8との間には、前チャンバ10が形成され、前パネル8には、コンセント、エアポート、LEDランプなどの装置を固定することができ、前チャンバ10は、電線や気管などを収納し配線通路を提供することができる。
【0072】
後パネル組立体6は、互いに係合する後蓋板11、後蓋板接続板12及び後パネル13を備える。図7を参照すると、荷重ビーム3には、凸状の延伸部3bが設けられ、後蓋板接続板12には、第4係合部Dにより延伸部3bと互いに係合する凸状の合わせ部12bが設けられ、後蓋板11の上部には、ネジ14により接続型材4の上面に繋ぐ凸状の第2接続部11aが設けられ、後パネル13は、一端が第5係合部Eにより後蓋板11に係合され、他端が第6係合部Fにより後蓋板接続板12に係合される。同様に、後蓋板11と後蓋板接続板12と後パネル13との接続は、係合の他に、更にネジ接続(図示せず)を追加してより強固にすることができる。
【0073】
後蓋板11と後蓋板接続板12と後パネル13との間には、後チャンバ15が形成される。後パネル13には、コンセント、エアポート、LEDなどの装置を固定することができ、後チャンバ15は、電線や気管などを収納し配線通路を提供することができる。
【0074】
図9に示すように、前蓋板7の端部には、前チャンバ10とチャンバ28とを連通する第1溝口7bが設けられる。第1溝口7bは、前蓋板7の一端のみに設けられてもよいし、両端に設けられてもよく、前チャンバ10における電線や気管などの部材は第1溝口7bを介してチャンバ28内に進入してから、孔4b、吊り管2を通じて天井100内に最終的に進入する。後蓋板11は、前蓋板7と同様の構造を採用しており、つまり、端部に、後チャンバ15における電線や気管等の線体をチャンバ28に進入させる第2溝口が設けられる。このように配線すると、電線や気管などが外に露出しないので、より美しくなる。
【0075】
図10~12に示すように、後蓋板接続板12の合わせ部12bには、横ビーム1の長さ方向に沿う第1溝が設けられ、荷重ビーム3の延伸部3bには、第1溝と連通し寸法及び形状の一致する第2溝が設けられ、第1溝と第2溝は共に、ドラッグチェーン移動板25を回避する第1配線溝20を形成し、ドラッグチェーン移動板25は、第1配線溝20を通じてチャンバ28内に延伸する。荷重ビーム3の両側には、ガイドレール溝3aが設けられる。移動モジュール21は、移動枠22と、移動枠22に接続するローラ23と、配線体24と、ドラッグチェーン移動板25とを備える。ローラ23は、ガイドレール溝3a内に設けられ、移動モジュール21は、ローラ23により横ビーム1に沿って移動自在である。配線体24、移動枠22及びドラッグチェーン移動板25の間には、配線孔26が形成される。移動枠22の底面には、貫通孔22aが設けられる。
【0076】
ドラッグチェーン移動板25は、一端が移動枠22に接続され、他端が第1配線溝20を通じてチャンバ28に伸びる。医療用吊り橋は、チャンバ28に取り付けられる配線用のドラッグチェーン29をさらに備え、ドラッグチェーン29は、一端がドラッグチェーン移動板25に繋がれ、他端が荷重ビーム3に固着するドラッグチェーン固定板27に繋がれる。移動枠22は、移動時に、ドラッグチェーン移動板25を移動させてドラッグチェーン29を移動させることができる。
【0077】
電線や気管などは、箱体内から順に貫通孔22aおよび配線孔26を通じてドラッグチェーン29に進入してから、順にドラッグチェーン29、孔4b、吊り管2を介して、最終的に天井100内に進入する。
【0078】
第1配線溝20には、第1配線溝20を協働して密閉する2つの防塵条30が取り付けられ、且つ、2つの防塵条30の接合箇所は、大体に第1配線溝20の中間位置に位置し、防塵条30は、後蓋板接続板12の上面に取り付けられ、好ましくは、その取り付け方式が係止である。移動枠22の配線孔26では、電線や気管、およびドラッグチェーン移動板25が防塵条30を押し退けるが、他の箇所では、防塵条30が閉状態に維持する。このように、移動枠22の移動を障害しなく密閉や防塵の作用を付加与することができる。
【0079】
実施例2
本実施例は、実施例1に基づいて一定の変更がなされたものであるので、実施例1と同じ部品について、同じ符号を付してその詳細な説明を省略し、以下、変更された構造のみについて詳細に説明する。
【0080】
図13~19を参照すると、本実施例における後パネル組立体6は、後カバー41および後カバー接続板42という、互いに係合する2つの部材を備え、後カバー接続板42は、略Z字形状を有し、その一端がスナップ又はボルトにより延伸部3bに接続され、他端が後カバー41に係合され、且つ、中間部に、垂直する側板42aが設けられ、後カバー41の上端は、接続型材4の上面に接続される。本実施例では、第1配線溝20が設けられなく、後カバー接続板42の側板42aには、第2配線溝40が同様に横ビーム1の長さ方向に沿って設けられ、ドラッグチェーン移動板25は、第2配線溝40を通じてチャンバ28内に延伸する。移動枠22の側壁22bには、通線穴22cが設けられ、ドラッグチェーン移動板25は、板金を折曲して作られ、上部がチャンバ28内に延伸してドラッグ29の移動端に繋がれる。ドラッグチェーン移動板25は、通線孔22cに半分に包囲するように接続され、側壁22bとともに移動枠22の内部とチャンバ28とを連通し電線や気管などの配線用の連通チャンバ32を形成する。
【0081】
このような構成によれば、電線や気管などは、箱体内から順に貫通孔22aおよび連通チャンバ32を通じてドラッグチェーン29に進入してから、順にドラッグチェーン29、孔4b、吊り管2を介して、最終的に天井100内に進入する。密閉や防塵の作用を向上させるために、以下のような構成を使用でき、即ち、ドラッグチェーン移動板25の両側には、1つのローラ組立体33がそれぞれに接続され、ローラ組立体33は、ローラ支持体33aと、ローラ支持体33aに互いに平行して設ける2つの防塵ベルトローラ33bとを備え、第1配線溝20には、両端を圧板35により後蓋板接続板12の側部12aに固定する可撓性防塵ベルト34が取り付けられ、可撓性防塵ベルト34は、ドラッグチェーン移動板25の外部を半分に包囲し、2つのローラ組立体33を通じて2つのローラ組立体33の合計4つの防塵ベルトローラ33bと協働し(可撓性防塵ベルト34と防塵ベルトローラ33bの具体的な通し設け方法については、図16を参照する。)、移動枠22の移動時に、ドラッグチェーン移動板25は、可撓性防塵ベルト34を強制的に回避させるが、ドラッグチェーン移動板25から少し離間する箇所の可撓性防塵ベルト34は、変形することなくそのまま保持できるため、移動枠22の移動を障害することなく、密閉や防塵の作用を付加することができる。
【0082】
本発明は、少なくとも以下の利点を具備する。
【0083】
1.移動する必要がある箱体内の電線や気管などのケーブルをドラッグチェーン内に集中に取り付くことにより、配線がよりよく揃えられ、一方、ケーブルをしっかり保護することができる。
【0084】
2.配線、ケーブルルーティング用の前チャンバ、後チャンバを設けて前、後チャンバにおけるケーブルルーティングを明確に揃えることにより、混乱しにくくなる。
【0085】
3.荷重ビームの中間部に配線用の溝を設けないことにより、横ビームの全体的な強度に対する影響が少なく、溝の長さを長く設定できるため、箱体の移動距離が延長され、使いやすくなる。
【0086】
4.密閉性が良くなり、防塵効果が向上され、移動モジュールの移動に影響しない。
【0087】
5.電線や気管など全体が医療用吊り橋内に収納され、外観が美しくなる。
【0088】
図20~23に示すように、医療用吊り橋は、軸座102および懸けアーム120を備え、本発明による医療用吊り橋の回転機構は、回転軸101、プラスチックボス103、引っ張り装置109、摩擦装置115、押出装置116、制限ネジ117、および制限ブロック118を備える。回転軸101は、軸座102と懸けアーム120との間に接続され、プラスチックボス103は、回転軸101に接続され、軸座102は、プラスチックボス103内に一部に嵌合され、回転軸101は、軸座102に対して懸けアーム120を回転させる。プラスチックボス103は、回転軸101および軸座102の摩耗を低減することができる。引っ張り装置109は、回転軸101に接続され、押出装置116は、回転軸101内に設けられる。摩擦装置115は、回転軸101とプラスチックボス103との間に設けられ、その一端が回転軸101に固定して接続され、他端がプラスチックボス103に当接される。摩擦装置115は、懸けアームが軸座102に対して自在に転動しないように回転軸101とプラスチックボス103との間の摩擦力を増大させることができる。制限ネジ117は回転軸101に接続され、制限ブロック118は軸座102に設けられ、制限ネジ117と制限ブロック118とを合わせて使用することにより回転軸101の転動制限が達成される。
【0089】
図20および図21をさらに参照すると、回転軸101は、上軸体104および下軸体105を備え、その中心位置に貫通孔が設けられ、このような設計により、配線することが便利になるとともに回転軸自身の重量も低減することができる。引っ張り装置109は、上軸体104と下軸体105との間に接続され、プラスチックボス103は、上軸体104と下軸体105との間に挟まれることにより、プラスチックボス103内に一部に嵌合された軸座102を挟んで、回転軸101を軸座102に対して回転させることができる。下軸体105の一端が懸けアーム120に固定して接続されることにより、懸けアーム120が回転軸101とともに軸座102に対して回転できる。上軸体104には、押出装置116を取り付く貫通孔119が設けられ、押出装置116は、一端が下軸体105に当接され、引っ張り装置109と押出装置116との締付力を調整することにより、上軸体104と下軸体105との間の挟み力を調整して軸座102と回転軸101との間の回転締まりを調整することができる。プラスチックボス103は、対称に設ける上ボス107および下ボス108を備え、上ボス107は、上軸体104と軸座102との間に設けられ、下ボス108は、下軸105と軸座102との間に設けられ、その一端が摩擦装置115に当接される。プラスチックボス103は、上ボス107と下ボス108とに分けることにより、取り付きやすくなる。
【0090】
図20および図22をさらに参照すると、引っ張り装置109は、引っ張りネジ110、皿ばね組立体111およびワッシャ112を備える。引っ張りネジ110は、上軸体104を通じて下軸体105に接続され、皿ばね組立体111及びワッシャ112は、いずれも引っ張りネジ110に外挿される。ワッシャ112は、皿ばね組立体111の両端のそれぞれに設けて引っ張りネジ110のナット及び上軸体104のそれぞれに当接する第1ワッシャ113と第2ワッシャ114とを備える。ワッシャ112は、皿ばね組立体111の摩耗を低減することができる。引っ張りネジ110をロックすると、皿ばね組立体111が圧縮され、これにより、上軸体104と下軸体105との間の締付力の調整が便利になるとともに、プラスチックボス103がある程度摩耗すると、皿ばね組立体111は、この摩耗を自動的に補償して回動トルクの変化を小さくすることができる。
【0091】
本発明による医療用吊り橋の回転機構は、金属軸受の代わりにプラスチックボスを使用することにより、コストを低減し回転締まりを調整することができる。
【0092】
図24に示すように、本発明の好ましい実施例に対応する医療用吊り橋のエアバッグブレーキ機構は、ガイドレール201と、ガイドレール201に移動可能に接続する移動モジュール202と、移動モジュール202に取り付くエアバッグブレーキモジュール203とを備える。
【0093】
図25図27に示すように、好ましくは、ガイドレール201は、アルミ製の型材からなるものであり、その両側に、対向して設置する上側壁201aaと下側壁201abとを備えるガイドレール溝201aが対称に設けられる。移動モジュール202は、U字形断面を有する移動枠204と、移動枠204に対称に設ける4つの移動ローラ205とを備える。移動ローラ205は、ガイドレール201a内に係合され、ガイドレール溝201aの上、下側壁201aa、201abと合わせる。移動モジュール202は、移動ローラ205によってガイドレール201に接続され、移動ローラ205によってガイドレール溝201aに沿って移動される。
【0094】
移動枠204の両側面には、エアバッグブレーキモジュール203を取り付く取り付き口204aが対称に設けられる。エアバッグブレーキモジュール203は、エアバッグブレーキ支持体206およびエアバッグブレーキ207を備える。エアバッグブレーキ支持体206は、ネジによって移動枠204に固着され、エアバッグブレーキ207は、肩付きネジ208によってエアバッグブレーキ支持体206に取り付けられ、ガイドレール溝201a内に位置される。
【0095】
図28図30に示すように、エアバッグブレーキ207は、ベース207aと、ベース207aの上部に設ける上エアバッグ207bと、ベース207aの下部に設ける下エアバッグ207cとを備える。上エアバッグ207bおよび下エアバッグ207cは、気管209によって気源211に繋がれ、電磁弁210は、気管209に設けられ、上、下エアバッグ207b、207cの排気を制御したり、上エアバッグ207b、下エアバッグ207cに対する気源211の充気を制御したりすることができる。上エアバッグ207bは、ベース207a内に取り付けられた時に、ベース207aの上面から突出してもしなくてもよいが、通気して膨張した後、上エアバッグ207bの一部がベース207aの上面から突出し上側壁201aaに密接し、同様に、下エアバッグ207cは、ベース207a内に取り付けられた時に、ベース207aの下面から突出してもしなくてもよいが、通気して膨張した後、下エアバッグ207cの一部がベース207aの下面から突出し下側壁201abに密接する。通常の場合(移動モジュールを移動させる必要がない時)に、エアバッグブレーキ207の上、下エアバッグ207b、207cは、充気状態になり、ガイドレール溝201aの上、下側壁201aa、201abに当接することにより、移動モジュール202をガイドレール201に固定する。移動モジュール202を移動させる必要がある時に、電磁弁210により上、下エアバッグ207b、207cが排気されるように制御することにより、上、下エアバッグ207b、207cをガイドレール溝201aから離脱させ、その結果、移動モジュール202をガイドレール201において移動させることができる。
【0096】
図28図31および図32に示すように、エアバッグブレーキ207とエアバッグブレーキ支持体206とは、具体的に、以下のように接続され、即ち、エアバッグブレーキ支持体206には、鉛直方向に設置する2つの長孔206aが設けられ、エアバッグブレーキ207のベース207aには、取り付き用の2つのネジ孔207dが設けられ、肩付きネジ208には、ネジ頭208aとネジ部208cとの間に、長穴206aと合わせる肩部208bが設けられる。肩付きネジ208が長孔206aを通じてネジ孔207dに螺合した後、エアバッグブレーキ207は、肩付きネジ208によって長孔206aに沿って自由に摺動可能であり、即ち、エアバッグブレーキ207は、エアバッグブレーキ支持体206に浮いて接続される。このような構造の利点は、ガイドレール201およびエアバッグブレーキ207の寸法精度に対する要求が比較的低いである。エアバッグブレーキ207の上、下エアバッグ207b、207cがそれぞれガイドレール溝201aの上、下側壁201aa、201abに当接する時に、エアバッグブレーキ207自身は、長穴206a内に位置を調整することにより、ガイドレール201およびエアバッグブレーキ207の取付・寸法誤差に応じて、上、下エアバッグ207b、207cをそれぞれガイドレール溝201aの上、下側壁201aa、201abにさらに密接させ、ブレーキの信頼性および安定性を向上させることができる。
【0097】
エアバッグブレーキ207が排気後に重力によって下へ変位することによりベース207aが下側壁201abに接触し、移動時に異音が大きくなり、使用に影響することを防止するために、ベース207aが最下部にあるときに下側壁201abに接触しなく、または下エアバッグ207cが排気後でも下面から部分的に突出するように寸法を決めることができるので、このような軟らかいエアバッグが下側壁201abと摩擦すると、摩擦抵抗と異音を効果的に低減することができる。
【0098】
本発明による医療用吊り橋のエアバッグブレーキ機構は、少なくとも以下の利点を具備する。
【0099】
1.本発明によるエアバッグブレーキ機構は、ブレーキ中に、2つのエアバッグ面がガイドレール溝に押付けられることにより、摩擦力がより大きく、ブレーキ効果がよりよく、移動モジュールの意図しないドリフトが効果的に防止される。
【0100】
2.本発明によるエアバッグブレーキ機構は、エアバッグブレーキ支持体に浮いて接続されることにより、ガイドレールおよびエアバッグブレーキの寸法および取付精度に対する要求が低く、使用中により便利で信頼性が高い。
【0101】
3.本発明による移動モジュールは、移動時に摩擦異音が小さい。
【0102】
図33に示すように、本発明の好ましい実施例に対応する医療用吊り橋の電磁ブレーキ機構は、ガイドレール301と、ガイドレール301に移動可能に接続する移動モジュール302と、移動モジュール302に取り付く電磁ブレーキモジュール303とを備える。
【0103】
図34図36に示すように、好ましくは、ガイドレール301は、アルミ製の型材からなるものであり、その両側に、対向して設置する上側壁301aaと下側壁301abとを備えるガイドレール溝301aが対称に設けられる。移動モジュール302は、U字形断面を有する移動枠304と、移動枠304に対称に設ける4つの移動ローラ305とを備える。移動ローラ305は、ガイドレール301a内に係合され、ガイドレール溝301aの上、下側壁301aa、301abと合わせる。移動モジュール302は、移動ローラ305によってガイドレール301に接続され、移動ローラ305によってガイドレール溝301aに沿って移動される。
【0104】
移動枠304の両側面には、電磁ブレーキモジュール303を取り付く取り付き口304aが対称に設けられる。電磁ブレーキモジュール303は、電磁ブレーキ支持体306および電磁ブレーキ307を備える。電磁ブレーキ支持体306は、ネジによって移動枠304に固着され、電磁ブレーキ307は、肩付きネジ308によって電磁ブレーキ支持体306に取り付けられ、ガイドレール溝301a内に位置される。
【0105】
図37図38に示すように、電磁ブレーキ307は、ベース307aと、ベース307a内に設けるコイル(図示せず)と、ベース307aの上、下側にそれぞれ設ける上ヨーク307bおよび下ヨーク307cと、ベース内に配置し両端をそれぞれ上、下ヨーク307b、307cに当接する幾つかの圧縮ばね(図示せず)とを備える。コイルに通電しない場合に、上、下ヨーク307b、307cは、バネ力により突出してガイドレール溝301aの上、下側壁301aa、301abにそれぞれ当接することにより、移動モジュール302をガイドレール301に固定する。コイルに通電する場合に、上、下ヨーク307b、307cに対して吸引力を発生させ、上、下ヨーク307b、307cがバネ力に抗して後退し、その結果、移動モジュール302をガイドレール301において移動させることができる。
【0106】
電磁ブレーキ307とガイドレール301のブレーキ力を高めるために、上、下ヨーク307b、307cには、上摩擦シート307dと下摩擦シート307eとがそれぞれ設けられている。
【0107】
図39図40に示すように、電磁ブレーキ307と電磁ブレーキ支持体306とは、具体的に、以下のように接続され、即ち、電磁ブレーキ支持体306には、鉛直方向に設置する2つの長孔306aが設けられ、電磁ブレーキ307には、取り付き用の2つのネジ孔307fが設けられ、肩付きネジ308には、ネジ頭308aとネジ部308cとの間に、長穴306aと合わせる肩部308bが設けられる。肩付きネジ308が長孔306aを通じてネジ孔307fに螺合した後、電磁ブレーキ307は、肩付きネジ308によって長孔306aに沿って自由に摺動可能である。このような構造の利点は、ガイドレール301および電磁ブレーキ307の寸法精度に対する要求が比較的低いである。電磁ブレーキ307の上、下ヨーク307b、307cがそれぞれガイドレール溝301aの上、下側壁301aa、301abに当接する時に、電磁ブレーキ307は、長穴306a内に位置を調整することにより、ガイドレール301および電磁ブレーキ307の取付・寸法誤差に応じて、上、下摩擦シート307d、307eをそれぞれガイドレール溝301aの上、下側壁301aa、301abにさらに密接させ、ブレーキの信頼性および安定性を向上させることができる。
【0108】
図38および図41に示すように、電磁ブレーキ307がコイルの通電後に重力によって下へ変位することによりその下摩擦シート307eが下側壁301abと摩擦し、使用に影響することを防止するために、ベース307aの下面にボールプランジャ307gが取り付けられ、ボールプランジャ307gは、頂部のボール307gaが下ヨーク307cの後退時に下側壁301abに接触することにより、下摩擦シート307eが下側壁301abに接触することを防止する。移動モジュール302を移動させると、ボール307gaが転動し、摩擦異音を発生させることなく小さな力で移動モジュール302を移動させることができる。
【0109】
本発明による医療用吊り橋の電磁ブレーキ機構は、少なくとも以下の利点を具備する。
【0110】
1.本発明による医療用吊り橋は、従来のエアバッグブレーキを電磁ブレーキに変更してなるものであり、応答速度が速く、使用信頼性が高く、損傷しにくく、使用寿命が長く、圧縮空気で駆動する必要がなく、構造が単純で体積が小さい。
【0111】
2.本発明による電磁ブレーキ機構は、ガイドレール溝に当接して制動の作用を果たせる上、下ヨークを設けており、その制動効果が、片側ヨークよりも優れている。
【0112】
3.本発明による電磁ブレーキは、電磁ブレーキ支持体に可動に接続されることにより、ガイドレールおよび電磁ブレーキの寸法や取付精度に対する要求が低く、使用中により便利で信頼性が高い。
【0113】
4.移動モジュールが移動する場合には、摩擦シートがガイドレールに接触せず、摩擦異音が小さくなる。
【0114】
上記の好ましい実施例は、本発明の技術的概念および特徴を説明するためだけのものであり、その目的は、当業者が本発明の内容を理解し、それに基づいて実施できるようにすることであり、本発明の保護範囲を限定しないことである。本発明の精神に従ってなされたすべての同等の変更または修正は、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0115】
1 横ビーム
2 管
4 接続型材
5 前パネル組立体
6 後パネル組立体
7 前蓋板
8 前パネル
9 ネジ
10 前チャンバ
11 後蓋板
12 後蓋板接続板
12 後蓋板接続体
13 後パネル
14 ネジ
15 後チャンバ
20 第1配線溝
21 移動モジュール
22 移動枠
23 ローラ
24 配線体
25 ドラッグチェーン移動板
26 配線孔
27 ドラッグチェーン固定板
28 チャンバ
29 ドラッグチェーン
29 ドラッグ
30 防塵条
31 端蓋
32 連通チャンバ
33 ローラ組立体
34 可撓性防塵ベルト
35 圧板
40 第2配線溝
41 後カバー
42 後カバー接続板
100 天井
101 回転軸
102 軸座
103 プラスチックボス
104 上軸体
105 下軸体
105 下軸
107 上ボス
108 下ボス
109 装置
110 ネジ
111 組立体
112 ワッシャ
113 第1ワッシャ
114 第2ワッシャ
115 摩擦装置
116 押出装置
117 制限ネジ
118 制限ブロック
119 貫通孔
120 アーム
201 ガイドレール
202 移動モジュール
203 エアバッグブレーキモジュール
204 移動枠
205 移動ローラ
206 エアバッグブレーキ支持体
207 エアバッグブレーキ
208 ネジ
209 気管
210 電磁弁
211 気源
301 ガイドレール
302 移動モジュール
303 電磁ブレーキモジュール
304 移動枠
305 移動ローラ
306 電磁ブレーキ支持体
307 電磁ブレーキ
308 ネジ
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