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特許6997334ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置及びペリスコープレンズモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置及びペリスコープレンズモジュール
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20220107BHJP
   G02B 7/00 20210101ALI20220107BHJP
   G02B 7/18 20210101ALI20220107BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220107BHJP
   G03B 17/17 20210101ALI20220107BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/00 B
G02B7/00 F
G02B7/18 100
H04N5/225 100
H04N5/225 400
G03B17/17
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020543334
(86)(22)【出願日】2019-06-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 CN2019089731
(87)【国際公開番号】W WO2020243868
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2020-08-13
(73)【特許権者】
【識別番号】519312957
【氏名又は名称】エーエーシー オプティックス ソリューションズ ピーティーイー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】李 林珍
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ ▲継▼亮
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 晋
【審査官】三宅 克馬
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/158590(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G02B 7/00
G02B 7/18
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置であって、
キャリアと、支持部材と、前記支持部材に取り付けられ、光線を受けるためのプリズムと、前記支持部材と前記キャリアとの間に接続され、前記支持部材が前記キャリアに対して回転するように駆動するための複数の形状記憶合金ワイヤと、前記支持部材と前記キャリアとの間に接続され、前記支持部材を復帰するための復帰装置とを備え
前記復帰装置は、弾性部材を備え、
前記キャリアは、側板と、一端が前記側板の一端に接続される底板とを備え、前記支持部材は、前記プリズムに接続される支持スタンドと、前記キャリアの側板と間隔をおいて設けられる支持板とを備え、前記支持スタンドは、前記支持板に接続される接続部を備え、前記弾性部材は、前記接続部と前記キャリアの底板との間に設けられ、前記複数の形状記憶合金ワイヤは、前記キャリアの側板と前記支持板との間に接続されている、
ことを特徴とするペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置。
【請求項2】
前記キャリアの側板には、複数のスナップフィットが設けられ、前記支持板の前記側板に向かう一方側には、複数のフックが設けられ、それぞれの前記形状記憶合金ワイヤの両端は、それぞれ隣り合う2つの前記スナップフィットに固定され、それぞれの前記形状記憶合金ワイヤの中部は、対応するフックに接続されている、
ことを特徴とする請求項に記載のペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置。
【請求項3】
前記形状記憶合金ワイヤ、スナップフィット及びフックの数は、いずれも4つであり、4つの前記スナップフィットは、それぞれ一方の四辺形の4つの角に設けられ、4つの前記フックは、それぞれ他方の四辺形の4つの辺に設けられている、
ことを特徴とする請求項に記載のペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置。
【請求項4】
前記キャリアは、前記支持部材が前記キャリアから移出することを制限するための2つの第1ストッパ板をさらに備え、2つの前記第1ストッパ板は、それぞれ前記側板の他端と底板の他端に接続され、前記支持スタンドは、プリズムを取り付けるための斜板と、前記斜板の両端にそれぞれ接続され、且ついずれも前記斜板と夾角をなして設けられる2つの第2ストッパ板とを備え、前記接続部は、一端が前記斜板の中部に接続され、他端が前記弾性部材を通過して前記支持板に挿入接続され、2つの前記第2ストッパ板は、それぞれ2つの前記第1ストッパ板に対応する、
ことを特徴とする請求項に記載のペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置。
【請求項5】
前記弾性部材は、第1弾性スタンドと、第2弾性スタンドとを備え、前記接続部は、当接部を備え、前記第1弾性スタンドは、第1挟持部を備え、前記第2弾性スタンドは、第2挟持部を備え、第1挟持部と第2挟持部は、前記当接部の両側に挟持されることで、前記支持部材が前記当接部周りに回転可能であることを特徴とする請求項に記載のペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置。
【請求項6】
前記底板の前記弾性部材に向かう面には、第1弾性スタンド及び第2弾性スタンドにそれぞれ対応して係止溝が設けられ、前記第1弾性スタンド及び第2弾性スタンドは、それぞれ対応する係止溝内に固定されている、
ことを特徴とする請求項に記載のペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置。
【請求項7】
ペリスコープレンズモジュールであって、
フレームと、前記フレームの中部に取り付けられるレンズユニットと、前記フレームの一端に取り付けられつつ、レンズユニットの像側に位置するプリズム系と、請求項1~のいずれか1項に記載のペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置とを備え、
前記プリズム装置は、光線を受けるように、前記フレームの他端に取り付けられつつ、レンズユニットの物体側に位置する、
ことを特徴とするペリスコープレンズモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学結像の技術分野に関し、特に携帯電話等の携帯電子機器内に適用されるペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン、タブレットコンピュータのような携帯端末機にはいずれも高性能レンズモジュールが搭載されている。この高性能レンズモジュールは、一般的に自動防振機能を有する。従来技術では、自動防振機能を実現する構成は、通常電磁式駆動装置を用いており、電磁式駆動装置は、磁石及びコイルを備え、コイルに通電してプリズムの回転を制御し、プリズムの角度の補正を図る。しかしながら、電磁式駆動装置は外部電磁界の干渉を受けやすく、磁石を用いることによってレンズモジュール全体重量が増え、コストが高くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、上記問題を解決するために、新たなレンズモジュールを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、レンズ内でプリズム角度を調節するときに、低コストのペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置を提供することを目的とする。
【0005】
本発明の技術案は以下の通りである。
上記目的を達成するために、本発明はペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置を提供し、ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置は、キャリアと、支持部材と、前記支持部材に取り付けられ、光線を受けるためのプリズムと、前記支持部材と前記キャリアとの間に接続され、前記支持部材が前記キャリアに対して回転するように駆動するための複数の形状記憶合金ワイヤと、前記支持部材と前記キャリアとの間に接続され、前記支持部材を復帰するための復帰装置とを備える。
【0006】
1種の改良として、前記復帰装置は、弾性部材を備える。
【0007】
1種の改良として、前記キャリアは、側板と、一端が前記側板の一端に接続される底板とを備え、前記支持部材は、前記プリズムに接続される支持スタンドと、前記キャリアの側板と間隔をおいて設けられる支持板とを備え、前記支持スタンドは、前記支持板に接続される接続部を備え、前記弾性部材は、前記接続部とキャリアの底板との間に設けられ、前記複数の形状記憶合金ワイヤは、前記キャリアの側板と前記支持板との間に接続されている。
【0008】
1種の改良として、前記キャリアの側板には、複数のスナップフィットが設けられ、前記支持板の前記側板に向かう一方側には、複数のフックが設けられ、それぞれの前記形状記憶合金ワイヤの両端は、それぞれ隣り合う2つの前記スナップフィットに固定され、それぞれの前記形状記憶合金ワイヤの中部は、対応するフックに接続されている。
【0009】
1種の改良として、前記形状記憶合金ワイヤ、スナップフィット及びフックの数は、いずれも4つであり、4つの前記スナップフィットは、それぞれ一方の四辺形の4つの角に設けられ、4つの前記フックは、それぞれ他方の四辺形の4つの辺に設けられている。
【0010】
1種の改良として、前記キャリアは、前記支持部材が前記キャリアから移出することを制限するための2つの第1ストッパ板をさらに備え、2つの前記第1ストッパ板は、それぞれ前記側板の他端と底板の他端に接続され、前記支持スタンドは、プリズムを取り付けるための斜板と、前記斜板の両端にそれぞれ接続され、且ついずれも前記斜板と夾角をなして設けられる2つの第2ストッパ板とを備え、前記接続部は、一端が前記斜板の中部に接続され、他端が前記弾性部材を通過して前記支持板に挿入接続され、2つの前記第2ストッパ板は、それぞれ2つの前記第1ストッパ板に対応する。
【0011】
1種の改良として、前記弾性部材は、第1弾性スタンドと、第2弾性スタンドとを備え、前記接続部は、当接部を備え、前記第1弾性スタンドは、第1挟持部を備え、前記第2弾性スタンドは、第2挟持部を備え、第1挟持部と第2挟持部は、前記当接部の両側に挟持されることで、前記支持部材が前記当接部周りに回転可能である。
【0012】
1種の改良として、前記底板の前記弾性部材に向かう面には、第1弾性スタンド及び第2弾性スタンドにそれぞれ対応して係止溝が設けられ、前記第1弾性スタンド及び第2弾性スタンドは、それぞれ対応する係止溝内に固定されている。
【0013】
本発明は、ペリスコープレンズモジュールをさらに提供し、前記ペリスコープレンズモジュールは、フレームと、前記フレームの中部に取り付けられるレンズユニットと、前記フレームの一端に取り付けられつつ、レンズユニットの像側に位置するプリズム系と、上述したペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置とを備え、前記プリズム装置は、光線を受けるように、前記フレームの他端に取り付けられつつ、レンズユニットの物体側に位置する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
本発明では、複数の形状記憶合金ワイヤによって支持部材におけるプリズム支持部材をキャリア内においてX軸方向またはY軸方向周りに回転させるように駆動することで、プリズムが形状記憶合金ワイヤによる駆動によって自動的に角度を補正することができ、当該ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置が適用されたペリスコープレンズモジュールでは、結像角度がより広く、その結像効果がより優れ、また、ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置は、従来の電磁式駆動の代わりに形状記憶合金ワイヤを用いることで、さらにペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置の製造コストを低下させ、ペリスコープレンズモジュールの量産を図る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係るペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置の斜視図である。
図2図1の分解概略図である。
図3】本発明に係るキャリアの斜視図である。
図4】本発明に係る支持スタンドの斜視図である。
図5】本発明に係る支持板の斜視図である。
図6】本発明に係る復帰装置の斜視図である。
図7】本発明に係る形状記憶合金ワイヤがキャリアに取り付けられる様子を示す斜視図である。
図8図1の側面図である。
図9】本発明に係るペリスコープレンズモジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面及び実施形態に合わせて本発明をさらに説明する。
【0017】
なお、本発明の実施例において、全ての方向指示(例えば、上、下、内、外、頂部、底部など)は、ある特定の姿勢(図に示されているように)での各部材間の相対的な位置関係を説明するためにのみ使用され、当該姿勢が変わると、当該方向指示もそれに応じて変わる。
【0018】
なお、要素が別の要素に「固定」又は「設け」、「設置」されていると呼ばれる場合、、当該要素は、別の要素に直接あり、又は同時に仲介要素が存在し得る。要素が別の要素に「接続」されていると呼ばれる場合、当該要素は、別の要素に直接接続され、又は同時に仲介要素が存在し得る。
【0019】
図1~8を参照すると、本発明の実施例は、ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置1を提供し、上記ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置1は、キャリア10と、復帰装置20と、支持部材30と、複数の形状記憶合金ワイヤ40と、支持部材30に取り付けられ、光線を受けるためのプリズム50とを備え、支持部材30は、復帰装置20によりキャリア10に可動的に取り付けられ、複数の形状記憶合金ワイヤ40は、キャリア10と支持部材30との間に接続されて、支持部材30がキャリア10内でX軸方向周りに回転し、又はY軸方向周りに回転するように駆動することによって、プリズム50は、複数の形状記憶合金ワイヤ40による駆動作用で角度を自動的に補正することができ、当該ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置1を適用したペリスコープレンズモジュールは、結像角度がより広く、その結像効果がより優れ、形状記憶合金ワイヤ40は、プログラムによって指令されることにより、記憶効果を形成して駆動力を生成することができる。本発明では、キャリア10の幅方向をX軸方向、キャリア10の高さ方向をY軸方向、キャリア10の長さ方向をZ軸方向と定義し、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに垂直である。
【0020】
図2及び図3を参照すると、具体的に、キャリア10は、側板11、底板12及び2つの第1ストッパ板13を備え、底板12の一端は、側板11の一端に垂直に接続され、2つの第1ストッパ板13は、それぞれ側板11の他端と底板12の他端とに垂直に接続され、側板11の支持部材30に向かう側面には、複数のスナップフィット14が設けられ、前記スナップフィット14は、側板11に直接一体成形されてもよく、いずれかの従来の組み立て方式で側板11に組み立てられてもよく、本実施例におけるスナップフィット14は、側板11に取り付けられ、このようにすると、キャリア10の構成を簡略化し、キャリア10の製造コストを低下させることができる。支持部材30は、複数の形状記憶合金ワイヤ40によりスナップフィット14に取り付けられ、2つの第1ストッパ板13は、支持部材30がキャリア10から移出することを制限し、底板12における復帰装置20に対応する表面には、復帰装置20を粗位置決めさせて、復帰装置20とキャリア10との組み立て効率及び精確性を向上させるために、係止溝121が設けられている。
【0021】
図1図2及び図4を参照すると、支持部材30は、プリズム50を支持するための支持スタンド31と、キャリア10と間隔をおいて設けられる支持板32とを備え、本実施例では、支持板32は、キャリア10の側板11に平行に設けられ、且つ支持板32には、支持スタンド31が挿入係止されて組み立てられる取付溝321が設けられ、支持スタンド31は、支持板32に接続される接続部311と、プリズム50が取り付けられる斜板312と、斜板312の両端にそれぞれ接続され、且ついずれも斜板312と夾角をなして設けられる第2ストッパ板313とを備え、接続部311の一端は、斜板312の中部に接続され、接続部311の他端は、復帰装置20を通過して支持板32における取付溝321に挿入接続され、接続部311と復帰装置20との接続箇所に当接部314が形成され、好適な実施形態として、当接部314の厚さを接続部311の他の部位の厚さより大きくすることでその強度を増強させ、具体的に、当接部314の頂面及び底面は、接続部311の他の部位の頂面及び底面よりも高い。2つの第2ストッパ板313は、それぞれ2つの第1ストッパ板13に対応して、ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置1が落下する際に支持スタンド31がキャリア10から投げ出されることを防止する。
【0022】
図5を参照すると、好適な実施形態として、支持板32の側板11に向かう一方側には、各スナップフィット14と協働して各形状記憶合金ワイヤ40を固定するための複数のフック322が設けられ、本実施例では、形状記憶合金ワイヤ40、スナップフィット14及びフック322の数は、いずれも4つであり、各形状記憶合金ワイヤ40の両端は、それぞれ隣り合う2つスナップフィット14に固定接続され、各形状記憶合金ワイヤ40の中部は、各フック322に摺動接続され、このように、それぞれの形状記憶合金ワイヤ40は、V字形をなし、4つのフック322は、それぞれ四辺形の4つの辺に設けられ、それぞれのフック322の断面は、「L」形状をなし、形状記憶合金ワイヤ40が揺れることによって脱落することを回避できる。
【0023】
図2及び図6を参照すると、本実施例では、復帰装置20は、第1弾性スタンド21及び第2弾性スタンド22を備え、好ましくは、第1弾性スタンド21及び第2弾性スタンド22は、いずれも単一の弾性材を折り曲げることで形成され、第1弾性スタンド21及び第2弾性スタンド22は、囲んで支持スタンド31の接続部311を固定するための挟持構造23を形成する。
【0024】
好適な実施形態として、第1弾性スタンド21は、第1挟持部211、第1挟持部211の両端から折り曲げて延在する2つの第1延出部212、第1延出部212の末端に接続される第1折曲部213、第1折曲部213末端から延在する第2延出部214、及び第2延出部214の末端から折り曲げてなる第1取付部215を備える。好ましくは、第1折曲部213は、U字形構成であり、U字形構成の両端は、それぞれ第1延出部212と第2延出部214に接続され、第1延出部212と第2延出部214は、平行設置され、第1取付部215は、底板12に平行であり、係止溝121内に係止されている。
【0025】
第2弾性スタンド22は、類似した構成を有し、第2挟持部221、第2挟持部221の両端から折り曲げて延在する2つの第3延出部222、第3延出部222の末端に接続される第2折曲部223、第2折曲部223の末端から延在する第4延出部224、及び第4延出部224の末端から折り曲げてなる第2取付部225を備える。好ましくは、第2折曲部223はU字形構成であり、U字形構成の両端は、それぞれ第3延出部222と第4延出部224に接続され、第3延出部222及び第4延出部224は、異なる面に設けられ、第3延出部222及び第4延出部224は、第2折曲部223の所在する平面に垂直であり、第2取付部225は、底板12に平行であり、係止溝121内に係止設置されている。第1弾性スタンド21の第1挟持部211及び第2弾性スタンド22の第2挟持部221は、それぞれ接続部311の当接部314の両側に挟持され、ともに挟持構造23を構成し、第1挟持部211及び第2挟持部221の延在方向は、当接部314の延在方向に一致する。第1挟持部211及び第2挟持部221には、いずれも当接部314の頂面と底面にそれぞれ突き当てるための突き当て部216が設けられ、突き当て部216の幅は、第1挟持部211及び第2挟持部223の他の部位の幅よりも大きく、当接部314の幅に一致し、この突き当て部216の設置により、支持スタンド31と復帰装置20との組み立て精度及び強度を向上させることができる。
【0026】
図2図5及び図7を参照すると、4つの形状記憶合金ワイヤ40は、ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置1内において支持板32と側板11との間に均等に配置され、好ましくは、4つのスナップフィット14は、それぞれ一方の四辺形の4つの角に位置し、4つのフック322は、他方の四辺形の4つの辺に位置し、上記他方の四辺形は、上記一方の四辺形の中心位置に近接する。このように、4つの形状記憶合金ワイヤ40は、支持部材により、キャリア10に対してY軸方向の推力を生じるようにプリズム50を間接駆動し、プリズム50をX軸周りに回転させ、4つの形状記憶合金ワイヤ40は、キャリア10に対してX軸方向の推力を生じるようにプリズム50を駆動して、プリズム50をY軸周りに回転させる。
【0027】
具体的に、4つの形状記憶合金ワイヤ40は、それぞれ第1形状記憶合金ワイヤ41、第2形状記憶合金ワイヤ42、第3形状記憶合金ワイヤ43及び第4形状記憶合金ワイヤ44と定義することができ、ここで、第1形状記憶合金ワイヤ41及び第3形状記憶合金ワイヤ43は、Y軸方向においてそれぞれ側板11の上下両側に設けられ、且つ第1形状記憶合金ワイヤ41は、第3形状記憶合金ワイヤ43の上方に位置し、第2形状記憶合金ワイヤ42及び第4形状記憶合金ワイヤ44は、X軸方向においてそれぞれ側板11の左右両側に設けられ、図7に示される向きでは、第2形状記憶合金ワイヤ42は、右側に位置し、第4形状記憶合金ワイヤ44は、左側に位置する。
【0028】
具体的な操作の時、図1に示すように、第1形状記憶合金ワイヤ41が通電によって発熱して短くなると、支持部材30の支持板32は、斜め上方への引っ張り力を受けてこの力を支持スタンド31の接続部311に伝達することにより、支持スタンド31は、接続部311の復帰装置20の挟持構造23内に挟持される当接部314を支点とし、X軸周りに反時計回りに回転し、これによって、プリズム50がキャリア10に対してX軸周りに反時計回りに回転するようにする。第3形状記憶合金ワイヤ43が通電によって発熱して短くなると、プリズム50は、キャリア10に対してX軸周りに時計回りに回転し、第2形状記憶合金ワイヤ42が通電によって発熱して短くなると、プリズム50は、キャリア10に対してY軸周りに一方向に回転することができ、第4形状記憶合金ワイヤ44が通電によって発熱して短くなると、プリズム50は、キャリア10に対してY軸周りに他の逆方向に回転することができる。本願の形状記憶合金ワイヤ40は、SMA線と呼ばれてもよく、ここで詳細に説明しない。
【0029】
図9を参照すると、本発明は、ペリスコープレンズモジュールをさらに提供し、当該ペリスコープレンズモジュールは、フレーム60、レンズユニット70、プリズム系80及びペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置1を備え、レンズユニット70は、フレーム60の中部に取り付けられ、プリズム系80は、フレーム60の一端に取り付けられつつ、レンズユニット70の像側に位置し、ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置1は、フレーム60の他端に取り付けられつつ、レンズユニット70の物体側に位置して光線を受ける。光線は、ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置1で反射されてから、レンズユニット70の軸線方向において直線に沿ってプリズム系80に到達して結像が行われ、Y軸方向から入射する光線は、ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置1で反射されてからZ軸に沿ってレンズユニット70内に入り、Z軸に沿ってレンズユニット70内に入る光線は、プリズム系80に反射されてからX軸方向に沿って出射する。ペリスコープレンズモジュールは、撮像機能を有する電子機器に適用可能であり、好ましくは、撮像機能を有するこの電子機器は、携帯電話又はカメラである。
【0030】
以上は本発明の実施形態に過ぎず、当業者であれば本発明の思想を逸脱することなく改良を加えることができるが、これらは全て本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
1 ペリスコープレンズモジュールに適用されるプリズム装置
10 キャリア
11 側板
12 底板
121 係止溝
13 第1ストッパ板
14 スナップフィット
20 復帰装置
21 第1弾性スタンド
211 第1挟持部
212 第1延出部
213 第1折曲部
214 第2延出部
215 第1取付部
216 突き当て部
22 第2弾性スタンド
221 第2挟持部
222 第3延出部
223 第2折曲部
224 第4延出部
225 第2取付部
23 挟持構造
30 支持部材
31 支持スタンド
311 接続部
312 斜板
313 第2ストッパ板
314 当接部
32 支持板
321 取付溝
322 フック
40 形状記憶合金ワイヤ
41 第1形状記憶合金ワイヤ
42 第2形状記憶合金ワイヤ
43 第3形状記憶合金ワイヤ
44 第4形状記憶合金ワイヤ
50 プリズム
60 フレーム
70 レンズユニット
80 プリズム系
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9