IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 4ディ・ビュー・ソリューションズの特許一覧

特許6997347多視点フォトグラメトリによる3Dシーンモデリングシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-20
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】多視点フォトグラメトリによる3Dシーンモデリングシステム
(51)【国際特許分類】
   G03B 35/08 20210101AFI20220107BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20220107BHJP
   G06T 15/20 20110101ALI20220107BHJP
【FI】
G03B35/08
G06T19/00 A
G06T15/20 500
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020568852
(86)(22)【出願日】2019-02-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 FR2019050465
(87)【国際公開番号】W WO2019166743
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2020-10-19
(31)【優先権主張番号】1851812
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520330548
【氏名又は名称】4ディ・ビュー・ソリューションズ
【氏名又は名称原語表記】4D VIEW SOLUTIONS
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】クレマン・ムニエ
(72)【発明者】
【氏名】ロナン・ビヨン
(72)【発明者】
【氏名】カンタン・プロルソン
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-054504(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0163478(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 35/08
G03B 19/07
G06T 19/00
G06T 15/20
H04N 5/222- 5/257
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多視点フォトグラメトリによってシーン(110)を3次元モデリングする3次元モデリングシステムであって、
前記3次元モデリングシステムは、前記シーンの画像を異なる視点から生成するために前記シーンの周りに配置され、複数のカメラ対(C1-C4,C2-C3,C5-C6,C7-C8)にグループ化されるように構成された複数のカメラ(C1~C8、C1’~C8’,C1’’~C8’’、及びC1’’’~C8’’’)であって、前記カメラ対のそれぞれの前記カメラは、カメラ間に所定のイントラ・ペア間隔(e)を有するカメラと、
前記カメラによって生成された画像から、各カメラ対(C1-C4,C2-C3,C5-C6,C7-C8)の2つのカメラのそれぞれによって生成された画像間の比較によって立体映像処理を適用することでモデリングデータを生成するように構成されたデジタル処理装置(310)を有し、
前記カメラ対(C1-C4,C2-C3,C5-C6,C7-C8)は、隣接する2つのカメラ対の間に前記イントラ・ペア間隔(e)よりも大きなインタ・ペア間隔(E1a,E1b,E1c,E2a)を有するように、前記シーンの周りに配置されており、
前記デジタル処理装置(310)はさらに、前記複数のカメラ対の第1カメラ対(C5-C6)のカメラ(C5)によって生成された前記画像と前記複数のカメラ対の第2カメラ対(C1-C4)のカメラ(C4)によって生成された前記画像を比較することによって立体映像処理を適用するように構成されており、
前記第2カメラ対(C1-C4)は、追加のモデリングデータを生成するために、前記第1カメラ対(C5-C6)に隣接しており、前記イントラ・ペア間隔(e)よりも大きなインタ・ペア間隔(E1c)だけ前記第1カメラ対から離されており、
前記3次元モデリングシステムは、
前記第1カメラ対(C5-C6)のカメラが、実質的に同じ水平面(HP2’)上で並んで配置されており、
前記第2カメラ対(C1-C4)のカメラが、実質的に同じ鉛直面上で上下に配置されている、ことを特徴とする3次元モデリングシステム。
【請求項2】
前記第2カメラ対の一方のカメラ(C4)は、前記第2カメラ対の他方のカメラ(C1)の上方に配置されており、
前記第2カメラ対(C1-C4)のカメラは、前記第1カメラ対(C5-C6)のカメラよりも下方に配置されており、
前記第1カメラ対(C5-C6)の一方のカメラ(C5)と前記第2カメラ対(C1-C4)の一方のカメラ(C4)は、水平面(HP2’)又は鉛直軸と5度から20度の範囲にある角度(β1)を形成する方向に整列されている、請求項1の3次元モデリングシステム。
【請求項3】
複数の前記カメラは、前記シーンの周りで、半径(Rs)を有する球形の仮想面(S)上に配置されており、
前記イントラ・ペア間隔(e)は、前記半径(Rs)に対する前記イントラ・ペア間隔(e)の比が0.35未満である、請求項1又は2の3次元モデリングシステム。
【請求項4】
隣接する2つのカメラ対の間の前記インタ・ペア間隔(E1a,E1b,E1c,E2a)は、なくとも1.4に等しい倍数(F1)だけ、前記イントラ・ペア間隔(e)よりも大きい、請求項1~3のいずれかの3次元モデリングシステム。
【請求項5】
複数の前記カメラは、前記第2カメラ対(C1-C4)との間に、前記第2カメラ対(C1-C4)と前記第1カメラ対(C5-C6)との間の前記インタ・ペア間隔(E1c)以上に大きいインタ・ペア間隔(E2a)を有する第3カメラ対(C2-C3)を形成するように、前記シーンの周りに配置されており、
前記デジタル処理装置(310)は、追加のモデリングデータを作成するために、前記第3カメラ対(C2-C3)のカメラ(C2)によって生成された前記画像と前記第カメラ対(C5-C6)の前記カメラの一方(C5,C6)によって生成された前記画像を比較することによって前記立体映像処理を適用するように構成されている、請求項1~4のいずれかの3次元モデリングシステム。
【請求項7】
前記第1カメラ対(C5-C6)と前記第3カメラ対(C2-C3)とのインタ・ペア間隔(EIb)は、前記イントラ・ペア間隔(e)よりも大きく、かつ、前記第2カメラ対(C1-C4)と前記第3カメラ対(C2-C3)とのインタ・ペア間隔(E2b)以下である、請求項6の3次元モデリングシステム。
【請求項8】
前記第1カメラ対、前記第2カメラ対、及び前記第3カメラ対は、前記シーンの周りで繰り返されるパターンを定義する、請求項7の3次元モデリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多視点フォトグラメトリ(写真測量)によってシーン(景色)を三次元的にモデリングするための三次元(3D)モデリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
多視点フォトグラメトリは、まず複数対のシーン俯瞰図を記録する。これらの俯瞰図により、立体映像(三次元画像)によるシーンの深度図を得ることができる。多視点フォトグラメトリは、次に、深度図を利用し、モデリングアルゴリズムをデジタル的に実行して、シーンの三次元モデルを得る。
【0003】
唯一のことではないが、重要なことは、結果として得られる3Dモデルの適用は、任意の視点から観察されるシーンの仮想イメージを作成することである。
【0004】
同時に撮影したシーンの一連のカメラ画像を取得することにより、任意の観察角度からの前記シーンのビデオを作成することができる。
【0005】
シーンの多視点フォトグラメトリをスタジオで実行するためには、静止画を撮影するカメラ又は動画を撮影するカメラ等のモノスコピック式撮影装置が必要である。これらの複数の装置は、モデル化するシーンを複数の視点から観察するように、シーンを囲んで配置される。
【0006】
最適化するために、3Dモデリングは、複数対のカメラを必要とすると考えられる。これらのカメラは、鉛直方向又は水平方向に整列され、各対のカメラの間の角度距離は5度から15度である。
【0007】
費用上の理由から、実際上、仏国特許出願FR14 63073号にあるように、カメラが離される配列格子の間隔は大きく、相互に同じで、実質的に正方形又は長方形である。
【0008】
従来、規定の性能を有するカメラを用いる場合、3Dモデリングの品質を向上するためには、使用するカメラの数を増やすことであると、当該技術分野の専門家によって考えられている。しかし、カメラの数を増やすと、特にビデオカメラを使用する場合、スタジオにおける装置全体が大きくなり費用が嵩む。
【0009】
米国特許出願公開公報第2006/0029256号は、特に複数対のカメラからなる撮像ユニットと、カメラの視点とは異なる再構成視点を有する撮像装置を開示している。
【0010】
刊行物(カナダT等、「現実シーンから仮想世界を構成する仮想現実」、IEEEマルチメディア、IEEEサービスセンタ、ニューヨーク、米国、第4巻、No.1、1997.01.01、34-47頁)には、スタジオで撮影された実際の画像から仮想3D再構成を得るための技術、を記載している。
【発明の概要】
【0011】
本発明の発明者らは、モデリングされるシーンの周りに最適化された状態で配置され、シーンの立体撮影のためにそれらの間の間隔が変えられたカメラの関係により、関連するカメラが均等に配置され、カメラ間に一定の間隔を設けられる場合よりも、より実質的に良質の情報を有するアルゴリズムを提供し、少数のカメラで撮影する場合の欠点を補償することができる、ことを知見した。
【0012】
本発明の目的は、所定数で所定の型のカメラを有する多視点フォトグラメトリによってシーンをモデリングする際に、従来のやり方に比べて、3Dモデリングの品質を改善し、及び/又は、モデリング量を増やすことである。
【0013】
本発明の別の目的は、従来のやり方に比べて、シーンのモデリングのモデリング量を増やし、また、カメラの数を減らしながら、多視点フォトグラメトリによるシーンの3Dモデリングの品質を維持又は改善することである。
【0014】
そのために、本発明は、多視点フォトグラメトリによってシーンを3次元的にモデリングする3Dモデリングシステムを提供するものである。
このシステムは、シーンの画像を異なる視点から生成するためにシーンの周りに配置され、複数のカメラ対にグループ化されるように構成された複数のカメラであって、前記カメラ対のそれぞれの前記カメラは、カメラ間に所定のイントラ・ペア間隔(対内間隔)を有するカメラと、
前記カメラによって生成された画像から、各カメラ対の2つのカメラのそれぞれによって生成された画像間の比較によって立体映像処理を適用することでモデリングデータを生成するように構成されたデジタル処理装置を有し、
前記カメラ対は、隣接する2つのカメラ対の間に前記イントラ・ペア間隔(e)よりも大きなインタ・ペア間隔(対間間隔)を有するように、前記シーンの周りに配置されており、
前記デジタル処理装置はさらに、前記複数のカメラ対の第1カメラ対のカメラと前記複数のカメラ対の第2カメラ対のカメラによって作成された画像間を比較することによって立体映像処理を適用するように構成されており、
前記第2カメラ対は、追加のモデリングデータを生成するために、前記第1カメラ対に隣接しており、前記イントラ・ペア間隔よりも大きなインタ・ペア間隔だけ前記第1カメラ対から離されており、
前記第1カメラ対のカメラが、実質的に同じ水平面(HP2’)上で並んで配置されており、
前記第2カメラ対のカメラが、実質的に同じ鉛直面上で上下に配置されている。
【0015】
特に、立体映像処理によって得られるモデリングデータは深度情報を含む。深度情報は、2つのカメラの視点間の比較から得られる。この情報に基づいて、シーンの三次元モデリングを計算できる。
【0016】
比較的小さな間隔があけられ、同じ水平面又は鉛直面に設けられたカメラ対を用いることにより、計算が複雑で効率的でない「マルチ・ベースライン・ステレオ」(MBS)アルゴリズムを用いることなく、従来の双眼立体融合アルゴリズムでもって行うことができる。
【0017】
このシステムにおいて、計算装置は、小さな間隔があけられた複数対のカメラから得らえるデータを比較し、また、さらに離された複数のカメラから得られるデータを比較することにより、種々の間隔をあけて離されたカメラによって得られたカメラショットの形の画像に基づいて、シーンをモデリングする。これにより、一つの小さなカメラ間隔を有する複数対のカメラのみから得られるデータを比較する場合には得られない良質の情報が得られ、これにより、より良い品質でロバスト性の良いモデリングが行える。
【0018】
また、2つのカメラで実際に計測される深度範囲はそれらの間の間隔に依存するため、立体写真法により処理される最中にカメラ同士の異なる間隔に基づいて利点が得られる場合、すべてのカメラによって実際に計測される容積は単一間隔を用いる場合よりもより大きくなる。
【0019】
最後に、カメラ間の間隔が比較的大きければ、シーンの全体をカバーするカメラの数を減らすことができる。
【0020】
特に、同じカメラを、それが一部であるカメラ対の中だけでなく、別の対のカメラでも平行して用いることができる。これにより、データの対比数が増加し、カメラの数を増やすことなく、利用可能な情報が豊富になる。
【0021】
本発明は、有利に、
前記第2カメラ対の一方のカメラは、前記第2カメラ対の他方のカメラの上方に配置されており、
前記第2カメラ対のカメラは、前記第1カメラ対のカメラよりも下方に配置されており、
前記第1カメラ対の一方のカメラと前記第2カメラ対の一方のカメラは、水平面又は鉛直軸と5度から20度の範囲にある角度を形成する方向に整列されており、
複数の前記カメラは、前記シーンの周りで、所定半径を有する球形の仮想面上に配置されており、
前記イントラ・ペア間隔は、前記半径に対する前記イントラ・ペア間隔の比が0.35未満であり、
隣接する2つのカメラ対の間の前記インタ・ペア間隔は、前記少なくとも1.4に等しい倍数だけ、前記イントラ・ペア間隔よりも大きく、
複数の前記カメラは、前記第2カメラ対との間に、前記第2カメラ対と前記第1カメラ対との間の前記インタ・ペア間隔以上に大きいインタ・ペア間隔を有する第3カメラ対を形成するように、前記シーンの周りに配置されており、
前記計算装置は、追加のモデリングデータを作成するために、前記第3カメラ対のカメラによって生成された画像と前記第2カメラ対の前記カメラの一方によって生成された画像を比較することによって前記立体映像デジタル処理を適用するように構成されており、
前記第3カメラ対のカメラは、同じ水平面に並列に配置されており、
前記第3カメラ対は、前記第1カメラ対に対して鉛直方向に離れており、
前記第1カメラ対と前記第3カメラ対は、水平方向に離れており、
前記第3カメラ対のカメラは前記第3カメラ対のカメラと鉛直方向に整列されており、
前記計算装置は、比較によって立体映像デジタル処理を、前記第1カメラ対の前記カメラと前記第3カメラ対の前記カメラによって生成される前記画像、及び/又は、前記第2カメラ対の前記カメラと前記第3カメラ対の前記カメラによって生成される画像を比較することによって立体映像デジタル処理を適用するように構成されている
前記第1カメラ対と前記第3カメラ対とのインタ・ペア間隔は、前記イントラ・ペア間隔よりも大きく、かつ、前記第2カメラ対と前記第3カメラ対とのインタ・ペア間隔以下で、
前記第1カメラ対、前記第2カメラ対、及び前記第3カメラ対は、前記シーンの周りで繰り返されるパターンを定義する、特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明は、非限定的な例として示された実施形態の以下の詳細な説明を、添付図面を参照して読むことによって、本願発明がより良く理解され、その他の利点が明らかになる。
【0023】
図1A図1Aは、第1実施形態に係るシーン周辺のカメラ配置の斜視図である。
図1B図1Bは、第1実施形態から派生した第2実施形態におけるカメラ配置の一部を示す。
図2図2は、図1Aの配置の断面図を示す。
図3A図3Aは、図1Bのカメラ配置の非展開円筒投影図を示す。
図3B図3Bは、図1A図2のカメラ配置の非展開円筒投影図の一部を示す。
図3C図3Cは、図3Aの一部を示す。
図4A1図4A1は、シーン周辺のカメラ配置の変形例を示す。
図4A2図4A2は、シーン周辺のカメラ配置の変形例を示す。
図4A3図4A3は、シーン周辺のカメラ配置の変形例を示す。
図4B図4Bは、間隔に応じた複数対カメラによって観察される深度の範囲を図的に示す。
図5A図5Aは、フォトグラメトリスタジオの装置を示す。
図5B図5Bは、カメラ間の関係テーブルを示す。
図5C図5Cは、フォトグラメトリによるモデリングのための本願発明のモデリングシステムにおいて、画像データを処理するプロセスを図的に示す図である。
【実施形態の説明】
【0024】
本実施形態において、多視点フォトグラメトリによってシーン(シーン)を三次元モデリングするための3Dモデリングシステムは、モデリングするシーンを囲む複数のカメラを含むスタジオと、カメラに接続されて画像データを処理する少なくとも一つのソフトウェアが具備されたデジタル処理装置によって構成される。
【0025】
カメラは、フランス特許出願FR 14 63073における疑似表面のような球に対応する疑似表面上に、又は多視点からシーンを観察するためにカメラが適正に配置される任意の表面に配置される。
【0026】
フォトグラメトリの観点から、カメラはモノスコピックカメラ(monoscopic cameras)、すなわち、それぞれが感光性センサに焦点を合わせた単一レンズを備えたカメラ(例えば、スチル画像又はビデオ画像を撮影するカメラ)である。
【0027】
本願明細書において、「カメラ」の用語は、一般的に、静止画を撮影するカメラ、ビデオカメラ、又は所与の視点から平面的なデジタル画像を作成可能な任意の画像取得装置等の、モノスコピック画像取得器具を含む。
【0028】
図5Aはデジタル処理装置310を示す。デジタル処理装置310は、中間コンピュータ315を介して複数のカメラCに接続されている。中間コンピュータは、複数のカメラCから送られてくる画像データを保存する中間保存手段(ストレージ手段)が設けられてもよい。中間コンピュータ315に接続されるカメラCの数は任意で、本図では2つである。
【0029】
デジタル処理装置は、コンピュータのネットワークからなる。コンピュータネットワークは、データ保存手段320に接続されており、オペレーティングシステム、ユーザとのインターフェイス、及び複数の画像処理ソフトウェアが具備されている。画像処理ソフトウェアは、立体視法、3Dモデリング、及び/又は三次元の空間次元とビデオを生成するための時間を組み込む4次元(4D)モデリングを実行するためのソフトウェアである。
【0030】
従来のフォトグラメトリシステムに比べて、本発明のフォトグラメトリシステムを用いるために、特定のコンピュータプロセッシング又はアルゴリズムプロセッシングは必要でない。したがって、従来のフォトグラメトリ計算システムでも、本発明のフォトグラメトリシステムのカメラから得られるデータを処理することが十分にできる。
【0031】
本発明の第1実施形態は、図1A,2及び3Bに示されている。これらの図は、モデリングされるシーン110の周囲の疑似表面S上に設けた一組32台のカメラの配置を示す。疑似表面は、地面又はスタジオ床面の点Oを貫通する鉛直軸Zに中心が置かれている。
【0032】
本実施形態において、実線(途切れない線)で示された8台のカメラC1-C8が、シーンの90度角度部APを占める基本パターンを定義し、4つの水平面HP1-HP4の上に割り当てられている。4つの水平面HP1-HP4は、地面又はスタジオ床を代表する平面GP上に、底部から上部に向かって上向きにその順番で互いに離されている。
【0033】
8台のカメラは、4つのカメラ対にグループ化されている。本実施形態では、4つのカメラ対は実質的に同じイントラ・ペア間隔(又は対内間隔)(対をなすカメラ同士の間隔」)eを有する。2つの対、C2-C3の対とC5-C6の対はそれぞれ、実質的に水平方向に整列された2つのカメラによって形成されており、水平面HP1,HP2に属する。また、2つの対、C1-C4の対とC7-C8の対はそれぞれ、実質的に鉛直方向に整列された4つのカメラC1,C4,C7,C8で形成されており、少なくとも軸Z上の点から見たとき、これらのカメラC1,C4,C7,C8は、面Sが鉛直軸Zを含む面と交差する場所に配置されるとともに、それぞれ水平面HP1,HP2,HP3,HP4に配置されている。
【0034】
その他の24台のカメラ(点線で示されている。)の配置が、基本パターンを鉛直軸Zを中心に90度、180度、270度回転して繰り返すことにより推定され得る、全体パターンを定義する。このように回転することで、3つの角度部(範囲)AP’,AP’’,AP’’’のそれぞれにおける,24台のカメラの位置C1’~C8’,C1’’~C8’’、C1’’’~C8’’’を推定できる。
【0035】
本実施形態において、2つの対C2-C3とC5-C6は、一つのイントラ・ペア間隔eに対応する方位角だけ互いに水平方向に離れており、少なくとも軸Z上に位置する点から見たとき、カメラC2がカメラC6と実質的に鉛直方向に整列されており、カメラC2とC6は、カメラC1,C1’から等距離にあり、また、カメラC4とC4’から等距離にある。
【0036】
本出願において、「カメラ対」の表現は、2つのカメラであって、その2つのカメラの一方とシステムの別のカメラとの距離よりも小さな距離を隔てた2つのカメラをさす。したがって、システムの各カメラは、唯一の最も近隣のカメラを有する。この点、モデル化されるシーンの周りに実質的に均一に配置されたカメラを有する従来のスタジオと異なる。
【0037】
特に、この構成において、また、以下に詳細に説明するように、シーンを観察する球のカメラ網がカメラの密度を示す。カメラ密度は、カメラによって実際に撮影される面上で不均一である。カメラが基本パターンに配置され、各カメラは該基本パターン上の所定位置に配置され、基本パターンにおける別の場所に配置されたカメラの特定の環境とは実質的に異なる特定の環境を有する。
【0038】
このような構成の利点は、カメラを均一に配置しなければならない、又は各カメラを所定の局所環境に保たなければならない、という制約がないことである。そのため、観察されるシーンのモデリングの品質を損なうことなく、シーン周囲のカメラの配置を最適化し、カメラの数を減らすことができる。
【0039】
特に、本明細書において、任意のカメラの特定の環境は位置によって定義され、そのカメラに最も近い少なくとも2台のカメラ(例えば、2台のカメラ、3台のカメラ、4台のカメラ、又は基本パターンのカメラ数から「1」を引いた数のカメラ)を考慮して、そのカメラに対するシステム中の他のカメラの方向と距離によって特徴付けられる。
【0040】
例えば、カメラC1,C1’,C1’’及びC1’’’はすべて、C1によって定義される基本パターンの場所と同じ場所に対応している。これらのカメラC1~C1’’’はそれぞれ独自の局所環境を有し、それはカメラC2~C8によって定義される基本パターンのその他の場所のそれぞれに対応するカメラC2~C2’’’、C3~C3’’’、C4~C4’’’、C5~C5’’’、C6~C6’’’、C7~C7’’’及びC8~C8’’’の局所環境とは実質的に異なる。
【0041】
この実施形態において、カメラC1の局所環境は、カメラC1に対する4台のカメラC4,C5,C7及びC3’の方向と距離によって特徴付けられる。
【0042】
したがって、本発明の本実施形態に係る基本パターンを繰り返したカメラメッシュ(網)は、通常のパターン(例えば、シーンを囲む球のような観察面を覆うように繰り返された三角形又は四角形のパターン)によって構成されるカメラメッシュとは異なる。通常のパターンでは、複数のカメラは、一般的に、実質的に同じ局所環境を有し、メッシュの縁にあるカメラは、自ずと特定の局所環境を有する。
【0043】
好ましくは、複数のカメラは、取得され得る情報の質を最大化するために水平方向又は垂直方向に相互に整列されることが好ましい。これは、「フォトサイト」(すなわち、センサ中の光を集める領域又はピクセル)の配列に基づくセンサの水平配置による。
【0044】
特に、カメラのセンサは、通常、横列と該横列に直交する縦列に配置された感光性ピクセルによって構成されている。したがって、「二つのカメラが水平方向に配列されている」というのは、これら二つのカメラが同じ水平面に配置されており、カメラのセンサの横列ピクセルが上記水平面上に位置することをいう。同様に、「二つのカメラが垂直方向に配置されている」というのは、これら二つのカメラが同じ鉛直面に配置されており、カメラのセンサの縦列ピクセルが同じ鉛直面に位置することをいう。したがって、複数対のカメラをこのように配置すると、モデリングアルゴリズムは各対のカメラの中で最適に動作させることができる。
【0045】
図2に示されるように、複数の対C2-C3とC5-C6に対して、対をなすカメラはそれらの角度間隔αをシーンの中央で5度から15度にすることが好ましい。このような間隔は、従来、計算アルゴリズムに対して、良質の立体的情報を取得することができるものと考えられている。
【0046】
角度αを上限値の15度近くに設定すると、カメラ対によって得られる情報の質を維持しながら、シーンをカバーするために必要なカメラの数を最小にすることができる。
【0047】
3台のカメラ(すなわち、中央カメラと該中央カメラを囲む両側の2つの周辺カメラ)を使用し、三眼視覚ユニットで使用される特定の状況では、対をなすカメラは3つのカメラうちの2台、2つの周辺カメラ又は中央カメラの一方、2つの周辺カメラの一方に対応する。
【0048】
同様に、4台のカメラ(すなわち、四眼ユニットが使用される4台のカメラ)が使用される特定の状況では、カメラ対は、4台のカメラのうちの2台のカメラに相当する。これは、任意のグループのカメラを視覚ユニットとして動作させることにあたる。
【0049】
図2は、図1Aのカメラ配置における3つの断面(軸C1-C1”の鉛直断面と、HP1とHP2の2つの水平断面)を示す。図2はまた、軸C1-C1”に沿った鉛直断面に属するカメラの位置を、軸Zを中心とする円筒Cy上に投影した円筒投影図を示し、カメラC1,C4、C7,C8,C1”,C4”,C7”,C8”がそれぞれ、CP1,CP4、CP7,CP8,CP1”,CP4”,CP7”,CP8”に投影されている。
【0050】
図1B,3A,3Cに示された第2実施形態は、図1A,2,3Bに示された第1実施形態と、カメラ対C2-C3とC5-C6がそれぞれ、平面HP1よりも下の平面HP1’と、平面HP2よりも上の平面HP2’に配置されている。
【0051】
この点を除いけば、これら2つの実施形態のそれぞれの説明は、互いに他方にも当てはまる。
【0052】
シーンの周囲にカメラを配置する一般指針は以下のとおりである。
【0053】
カメラは、後にシーンを視覚化するうえで、また感度をより良くするうえで、より重要であると考えられる鉛直領域において高密度である。鉛直領域は、容易に覆い隠すことができるシーン部分に対向するからである。
【0054】
したがって、シーンを想定した架空の人(座っている人又は立っている人)の顔の高さに対応する鉛直領域にカメラを集めることが好都合である。
【0055】
また、撮影対象として人又はキャラクタを有するシーンの場合、ほぼ目の高さに配置されたカメラではキャラクタの腕が該キャラクタの顔を覆っているかもしれない。したがって、その近くの高さで、複数の画像を取得する必要がある。そのため、撮影対象が正しくカバーされることを保証するために、複数のカメラが必要である。
【0056】
逆に、キャラクタを上方から下方を眺めて当該キャラクタを上方から撮影する場合、顔の高さから眺める場合よりも邪魔されることがなく、モデリングは難しくない。そのため、品質の良いモデリングを行うために、その高さには比較的少ない数のカメラで十分である。
【0057】
これらの一般的原則は、高い位置にある水平面HP3,HP4の鉛直領域に対するよりも、低い位置にある水平面HP1,HP1’,HP2,HP2’の鉛直領域に対して、より高密度にカメラを配置する、ということにつながる。
【0058】
本発明によれば、複数のカメラ対C1-C4,C7-C8,C2-C3,又はC5-C6は、2つの対応する隣接カメラ対の一方のイントラ・ペア間隔eよりも大きい、2つの隣接するカメラ対の間のインタ・ペア間隔(対間間隔)(カメラ対同士の間隔)E1a,E1b,E1c,又はE2aを有するように、シーンの周囲に配置される。また、追加のモデリングデータを作るために、演算装置310は、例えば第1のカメラ対C5-C6のカメラC5によって作成される複数の画像、及び第1のカメラ対C5-C6に隣接する第2のカメラ対C1-C4のカメラC4によって作成される複数の画像を比較することによって、立体映像デジタル処理を適用するように構成される。
【0059】
2つのカメラ対のインタ・ペア間隔は、本実施形態では、互いに最も隣接する2つのカメラを問題の2つのカメラ対から離す距離(例えば、E1a)として定義される。このインタ・ペア間隔E1aは、カメラC4toC7との間の距離に対応し、それはカメラ対C1-C4とカメラ対C7-C8の間のインタ・ペア間隔を示す。
【0060】
図3Aは、図1Bの複数のカメラ位置1B,CP1からCP8、CP1’からCP8’、CP1’’からCP8’’、CP1’’’からCP8’’’の円筒投影点図を展開した図で、この投影図は図2に示される投影図を示し、図3は特に角度部APのカメラの投影図を示す。
【0061】
以下の説明は角度部APに限るが、その説明は別の角度部Ap’,AP’’,AP’’’にも同様に拡大適用されるものと理解すべきである。
【0062】
図5Bに示される表500は、カメラ間の関係を示し、デジタル処理装置310にとしてアクセス可能なファイル形式でコンピュータメモリに記録されている。これらの関係は、関連付けられた二つずつのカメラの画像データ間の比較によって、デジタル画像処理装置が立体映像デジタル処理を提供することを示す。
【0063】
この表は、カメラ対C1-C4、C7-C8、及びC2-C3のカメラの間の関係Aを示す。この関係は、図3Aにおいて、実線(連続する線)の楕円によって示されている。表はまた、異なる対に属するカメラC1とC2、C3とC1’、C4とC5,C6とC4’,C4とC7、及びC2とC6との間の関係A’を示し、それは図3Aに点線の楕円によって示されている。
【0064】
これらの関係A’が追加されていることにより、残りのカメラの数が一定になり、フォトグラメトリによる3Dモデリングに利用可能な情報の質を向上させることが可能になる。
【0065】
これらの関係はまた、モデリングや目的に応じてシステムを最適化する責任のある人によって決定され、以下に詳細に説明するように第1実施形態及び第2実施形態に共に有効である。
【0066】
図3Cに数字で示される寸法の単位はメートルで、カメラが配置される面の間の距離に対応する。特定のケースでは、図1Bに示されるように、シーン110の中央に位置するカメラ中心Cs、径Rsが4メートルの球形を有する仮想面Sの面に、カメラが配置されている。
【0067】
当然、カメラの配置は、モデル化されるシーンタイプやモデリングの精度目的に応じて変更される。
【0068】
図3Cは、カメラ対C1-C4,C2-C3,C5-C6,及びC7-C8がそれぞれ実質的に同じイントラ・ペア間隔eを有することを示している。カメラC4とC7、C2とC6、C4とC5,及びC3とC1’の関係のカメラは、それらの間に、E1a、E1b、E1c、及びE1dのインタ・ペア間隔を有する。カメラC1とC2、及びC6とC4’の関係のカメラは、それらの間に、それぞれE2aとE2bのインタ・ペア間隔を有する。
【0069】
インタ・ペア間隔E1a、E1b、E1c、及びE1dは、倍率F1(少なくとも1.4倍、好ましくは1.5倍で、2.2倍以下、好ましくは1.9倍未満)だけイントラ・ペア間隔eよりも大きい。また、インタ・ペア間隔E2aとE2bは、倍率F2(少なくも1.2倍、好ましくは少なくとも1.4倍で、2.2倍、好ましくは1.9倍未満)だけ、インタ・ペア間隔E1a、E1b、E1c、及びE1dよりも大きい。
【0070】
上記倍率F1とF2により、単一のイントラ・ペア間隔eを使用する場合に比べて、必要なカメラの数を大幅に減らすことができる。同時に、単一の値eの間隔によって分離されたカメラ対を使用することによって得られる情報とは大幅に異なる情報を、立体映像処理によって得ることが可能になる。
【0071】
このようにカメラ間の間隔を変えることにより、異なる間隔を混ぜ合わせることができ、計算装置によって実行されるモデリングアルゴリズムに使用される情報の質を大幅に上げることができる。
【0072】
しかし、本発明は上述の倍数F1,F2に限定されず、e、E1a、E1b、E1c、E1d、E2a、及びE2bは、連続的に変えることができ、カメラ配置に対して一つの値に限るものでなく、重要なことはカメラ間隔を混ぜ合わせることである。
【0073】
カメラ間隔を広範囲に混ぜ合わせる立体情報を得るために、イントラ・ペア間隔eは、好ましくは比較的小さく、例えばカメラが配置される球の半径Rsに対する比率e/Rsは0.35未満、好ましくは0.26以下、0.09以上であることが好ましい。
【0074】
本実施形態において、イントラ・ペア間隔eとインタ・ペア間隔E1aとE1bはそれぞれ約1m、1.6m、1.7m、本実施形態において、E1cとE1dは約2m、本実施形態において、E2aとE2bは約3mで、球の半径Rsが4mのとき、それらの値は10%内である。
【0075】
図4A-1と図4A-3は、基本パターンを定義するカメラの種々の配置を示し、それぞれは任意の角度幅の角度部をカバーすることができ、それはシーンを部分的に又は完全に囲むようにシーンの周囲に繰り返される。それらの図は、図3Aと同じ図を用いる。
【0076】
シーンがカメラによって完全に囲まれる必要がある場合、第1及び第2実施形態のように、同じ基本パターンを4回繰り返すことができる。また、30度、45度、60度、120度、又は180度の角度部をカバーする基本パターをそれぞれ9回、8回、6回、3回、又は2回繰り返しことも可能である。また、複数の基本パターンを任意に組み合わせることも可能である。
【0077】
発明者らは、まず複数対のカメラの水平方向と鉛直方向の混ぜ合わせによって、次に関連するカメラのカメラ間隔の混ぜ合わせによって、所定数のカメラに対して関連するカメラ間に単一の間隔を用いる場合よりも、一般にモデリングアルゴリズムは良質のシーン情報を得て、それによってモデリングを質的に改善されることを確認した。
【0078】
発明者らはまた、第2実施形態のカメラの関係にあるカメラC1とC2、C3とC1’、C4とC5,及びC6とC4’のような、実質的に鉛直な相互配置又は実質的に水平な配置を示さないカメラの関係(すなわち、約1度以下の不整合、及び明らかに5度未満の場合)から得られる情報の質の低下は、カメラが配置される面及び情報を得る領域を拡大することによって好適に補正され得ることを確認した。
【0079】
不整合に起因する情報の質的低下を招くことなく、水平及び鉛直からずれた配置の利点から利益を得るために、2つの関連するカメラは、水平面又は鉛直面との間で5度を超えるが20度を超えない角度、好ましくは15度を超えない角度を形成する方向に整列されることが好ましい。
【0080】
例えば、図3Cに見られるように、水平面HP1’またはHP2’に対する、カメラC4とC5、またカメラC1とC2の不整合角β1とβ2は、第1実施形態に対して第2実施形態の基本パターンによってカバーされる面が拡大する。
【0081】
カバーされる面の拡大は、拡大の利点を有する第2実施形態に対応する図3Aの角度部APと、関連するカメラが水平方向又は鉛直方向に整列されている図3Bに示される第1実施形態の角度部APを比較することによって明らかになる。
【0082】
したがって、カメラの配置とカメラの関連は、図3Aにおける楕円によってカバーされる面から理解できるように、得られた情報がほぼ連続した状態の広い監察面に由来し、図3Bに示されるように狭い領域に由来するものでないように定義される。これにより、デジタル処理装置によって実行されるアルゴリズムは、3Dモデリングを効果的に実行できる。
【0083】
関連するカメラのカメラ間隔を混ぜ合わせることの別の利点は、モデリング量の増加である。
【0084】
間隔e、E1a、及びE2aを有するカメラに対する図4Bの図に示されるように、一対のカメラによって立体測定中に実際に測定される深さの範囲、すなわち、利用可能な情報が得られる深さは、問題の二つのカメラの間の間隔に依存する。
【0085】
僅かな量だけ離れて配置された2つのカメラは、深さDの範囲を見渡す。この範囲は、比較的狭く、図4Bの構成Aによって示されるように、ある方向Dirに関してカメラに接近している。さらに離れたカメラ対は、図4Bの構成(B)、(C)のように、D、Dの範囲を見渡し、さらにカメラから離れている。
【0086】
小さな間隔と大きな間隔を組み合わせたカメラ対によって見渡される範囲により、単一の一般的な間隔を有するカメラが使用される場合よりも大きなシーン容積を見渡すことができる。この原理は、構成(D)によって図的に示されており、この構成(D)は構成(A)、(B)、(C)のカメラ対によって観測される有効観測深度Deffを示す。
【0087】
上述のフォトグラメトリによって3Dモデリングを実行するカメラ配置の利点は、20~64台の範囲の多くのカメラ、特に24~58台のカメラ、さらに24~48台のカメラに対して特に明らかである。
【0088】
図5Cは、上述のシステムを用いたフォトグラメトリによる3次元シーンモデリングの方法と、上述の方法を適用した上記シーンの2次元図の作成を示す。
【0089】
ステップS10の間、他のカメラと平行して、各カメラはシーンイメージをそれぞれの場所から取得する。カメラは、同時撮影工程Capの間に、それらの画像を取得し、デジタル画像を生成する。
【0090】
ステップS20の間、デジタル処理装置は、図中、符号(A)によって示され、かつカメラ間の関連性に関する図5Bの表500に示される関係にしたがって、カメラ対のそれぞれから得られたデジタル画像に立体映像処理「ステレオ」を適用して、モデリングデータを生成する。
【0091】
本発明によれば、ステップS20の間、また、デジタル処理「ステレオ」と同じ論理レベルで、デジタル処理装置はまた、異なる対に属するが図のA7によって示された2つずつの関係に関連付けられたカメラからのデジタル画像に立体映像処理「ステレオ」を適用し、カメラ間の関連性を示す表500に示された関連性A’を調和させて、追加のモデリングデータを得る。
【0092】
図5Cにおいて、ステップS10とS20を繋ぐ実線(途切れていない線)の矢印は、同じカメラ対から得られるデータの使用を示し、点線の矢印は異なるカメラ対からのデータの使用を示す。
【0093】
ステップS30の間、モデリングデータは合成されて、カメラによって観察されたシーンの3Dモデルが生成される。
【0094】
ステップS10からS30は、異なるカメラ対に属するカメラの関連性を特定する点、それらの間で計算装置は立体映像処理を適用するという点を別にすれば、フォトグラメトリの分野では知られている方法を実行し、本願発明を適用するために特別な調整を必要としない。
【0095】
ステップS30ha,3Dモデリングが適正に終了したことを示す。しかし、任意の視点から観察されたシーンの仮想画像を生成するために上述したモデリングの適用は、ステップS40の間、3Dモデルに基づいて、従来の画像3次元化法を使ってシーンの仮想画像を生成することである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4A-1】
図4A-2】
図4A-3】
図4B
図5A
図5B
図5C