(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-21
(45)【発行日】2022-01-17
(54)【発明の名称】点眼容器用基準器
(51)【国際特許分類】
A61J 1/05 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
A61J1/05 313F
(21)【出願番号】P 2021074938
(22)【出願日】2021-04-27
【審査請求日】2021-05-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502136252
【氏名又は名称】吉沢 昭
(74)【代理人】
【識別番号】100088579
【氏名又は名称】下田 茂
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉沢 昭
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-037775(JP,A)
【文献】登録実用新案第3152970(JP,U)
【文献】特開2017-164437(JP,A)
【文献】実開昭58-080246(JP,U)
【文献】特開2003-135562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目薬を収容した点眼容器に着脱し、この点眼容器への装着時に、当該点眼容器に収容した目薬を目の定位置に滴下する点眼容器用基準器であって、内部中空のリング状に形成し、かつ前記点眼容器に設けた先端に滴下口を有する容器口部の外周位置に着脱可能に形成するとともに、前記点眼容器への装着時に、前記滴下口側から見たときに、一対の離間した基準部における相対的な形状が、当該基準部を通る水平線上の位置に従って変化する第二基準機能部を、外周面上に設けてなる透明な基準容器部,及びこの基準容器部の内部に収容し、前記点眼容器への装着時に、当該点眼容器を垂直線に対して傾斜させた際に、前記基準容器部が一体に傾斜し、前記滴下口側から見たときに、当該基準容器部の底面部のリング方向に、前記傾斜に対応した濃淡又は着色有無が生じる着色液体を備えることを特徴とする点眼容器用基準器。
【請求項2】
前記基準容器部は、所定の弾性を有する透明なプラスチック素材により形成することを特徴とする請求項1記載の点眼容器用基準器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点眼容器に着脱し、点眼容器への装着時に、当該点眼容器に収容した目薬を目の定位置に滴下するための点眼容器用基準器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、目薬を収容した点眼容器は、使用時に、目の上方に位置させることにより、容器口部の先端に設けた滴下口から目薬を目に向けて滴下するため、滴下した目薬が目の目標位置から外れてしまうことも少なくない。この結果、決められた量の目薬を滴下できないとともに、目薬の無駄を招く弊害も生じるため、点眼容器を適切な位置にセッティングするための基準手段を設けた点眼容器も提案されている。
【0003】
従来、この種の基準手段を設けた点眼容器としては、特許文献1に記載される点眼容器及び特許文献2に記載される目薬用点眼器が知られている。同文献1の点眼容器は、市販や病院等で処方された点眼容器にも後付けで使用が可能で、簡素な構造の接眼ガイド部材の設置のみにて、点眼容器を適正な位置にセットすることを可能にして、適量の点滴を容易かつ確実に行うことができる点眼容器の提供を目的としたものであり、具体的には、目薬等の点眼液を収容した所定形状の点眼容器において、点眼液の排出部である点滴部の近傍に、該点滴部と目との間を所定の間隔を隔てて適正に位置決めできる接眼ガイド部材を設置したものである。また、同文献2の目薬用点眼器は、目薬を充填するための容器の底部に、該容器を垂直に倒立させた状態でマークが水準位置をとる水準器を口部側から当該マークを透視可能に付設して構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-310710号公報
【文献】実開昭58-80246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した従来の点眼容器に設けた基準手段(接眼ガイド部材,水準器)は、次のような問題点があった。
【0006】
特許文献1に記載される接眼ガイド部材は、主に、目と点眼容器間の距離を一定にガイドすることを目的にするため、ある程度、基準手段としての目的は達成できるとしても、点眼容器の水平方向のセッティングについては、特に基準手段を考慮していないため、水平方向における適正な位置へのセッティングは容易でない。しかも、横方へ広がる形状を有するため、サイズ的に大きくなる傾向があり、携帯性や保管性の観点からはマイナス要因となる。
【0007】
また、特許文献2に記載される水準器は、点眼容器の底面に設けるため、基本的に、点眼容器の滴下口側から見た場合、点眼容器に収容された目薬の薬液を通して見る必要があるため、実際の使用時には、水準器が見えにくく、その有効性に難がある。しかも、点眼容器の底面に一体に設けるため、他の点眼容器には使用できないなど、汎用性に劣るとともに、点眼容器自体の構造の煩雑化及びサイズアッブ、更にはコストアップ等の弊害が無視できない。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した点眼容器用基準器の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するため、目薬Weを収容した点眼容器Cに着脱し、この点眼容器Cへの装着時に、当該点眼容器Cに収容した目薬Weを目Ehの定位置Xsに滴下する点眼容器用基準器1を構成するに際して、内部中空のリング状に形成し、かつ点眼容器Cに設けた先端に滴下口Coを有する容器口部Cnの外周位置に着脱可能に形成するとともに、点眼容器Cへの装着時に、滴下口Co側から見たときに、一対の離間した基準部4p,4qにおける相対的な形状が、当該基準部4p,4qを通る基準線Lhsに平行となる平行線Lh上の位置に従って変化する第二基準機能部5を、外周面2f上に設けてなる透明な基準容器部2,及びこの基準容器部2の内部に収容し、点眼容器Cへの装着時に、当該点眼容器Cを垂直線Lvに対して傾斜させた際に、基準容器部2が一体に傾斜し、滴下口Co側から見たときに、当該基準容器部2の底面部2dのリング方向Frに、傾斜に対応した濃淡又は着色有無が生じる着色液体3を備えることを特徴とする。
【0010】
この場合、発明の好適な態様により、基準容器部2は、所定の弾性を有する透明なプラスチック素材Psにより形成することができる。
【発明の効果】
【0011】
このような構成を有する本発明に係る点眼容器用基準器1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0012】
(1) 点眼容器Cに対して着脱する基本構成を有するため、点眼容器Cには、市販されている一般的な目薬の容器にそのまま装着して使用できる。したがって、一つの基準器1を、各種の目薬に利用できるなど、汎用性に優れる。また、点眼容器Cから離脱した際には、独立した単一の基準器となるため、保管性及び携帯性に優れるとともに、シンプルな構成となるため、小型かつ低コストに実施できる。
【0013】
(2) 点眼容器Cにおける先端に滴下口Coを有する容器口部Cnに装着するため、使用時には、基準器1を、目Ehで直接視認することができる。したがって、視界に邪魔がなく、容易かつ確実に見ることができるなど、基準器としての有効性に優れ、より効果的に利用することができる。
【0014】
(3) 基準容器部2を構成するに際し、点眼容器Cへの装着時に、滴下口Co側から見たときに、一対の離間した基準部4p,4qの相対的な形状が、当該基準部4p,4qを通る基準線Lhsに平行な平行線Lh上の位置に従って変化する第二基準機能部5を、外周面2f上に設けたため、使用時に、点眼容器Cの傾斜(角度)の矯正に加え、第二基準機能部5による水平方向の位置に対する矯正を加えることができる。これにより、目薬Weを、目Ehの定位置Xsに対して、より正確に滴下することができる。
【0015】
(4) 好適な態様により、基準容器部2を形成するに際し、所定の弾性を有する透明なプラスチック素材Psにより形成すれば、コスト面及び機能面の観点から最適な形態として実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の好適実施形態に係る点眼容器用基準器を点眼容器に装着した使用時の状態を示す断面側面図、
【
図2】同点眼容器用基準器を点眼容器に装着した状態における一部を破断した底面外観図、
【
図5】同点眼容器用基準器を点眼容器に装着した使用時の傾斜状態を示す断面側面図、
【
図6】同点眼容器用基準器を点眼容器に装着した使用時の傾斜状態を示す底面外観図、
【
図7】本発明に係る点眼容器用基準器の各種変更例を示す断面側面図、
【
図8】本発明の変更実施形態に係る点眼容器用基準器の一部破断側面図、
【
図10】同点眼容器用基準器の第二基準機能部を除いた部分の使用説明図、
【
図11】同点眼容器用基準器の第二基準機能部の使用説明図、
【
図12】同点眼容器用基準器の最終セッティング時の使用説明図、
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
まず、本実施形態に係る点眼容器用基準器1の構成について、
図1-
図7を参照して説明する。
【0019】
点眼容器用基準器(以下、基準器)1は、
図1及び
図2に示すように、目薬Weを収容した点眼容器Cに着脱し、この点眼容器Cへの装着時に、当該点眼容器Cに収容した目薬Weを、目Ehの定位置Xsに滴下する機能を備える。このため、基準器1は、基本的構成として、基準容器部2,及びこの基準容器部2の内部に収容した着色液体3により構成する。
【0020】
この場合、基準容器部2は、
図3及び
図4に示すように、内部中空のリング状に形成し、
図1に示すように、点眼容器Cにおける先端に滴下口Coを有する容器口部Cnの外周位置に着脱可能に形成する。即ち、所定の弾性を有する透明なプラスチック素材Psにより形成する。このように、基準容器部2を形成するに際し、所定の弾性を有する透明なプラスチック素材Psにより形成すれば、コスト面及び機能面の観点から最適な形態として実施できる。
【0021】
例示の場合、基準容器部2におけるリング部2rの断面形状は、偏平な小判形状Saに形成した。リング部2rの断面形状は、各種断面形状を選択可能であり、
図7(a)-(c)に変更例を示す。
図7(a)はリング部2rの断面形状を円形状Sbに形成した例を示す。
図7(b)はリング部2rの断面形状を角形(四角形)形状Scに形成するとともに、特に、外側の側面部を後述する第二基準機能部5として形成した例を示す。
図7(c)はこの第二基準機能部5を底面部2dに設けた例を示す。このように、基準容器部2におけるリング部2rの断面形状は、
図7(a)-(c)に示した形状をはじめ、同様に機能させることができる各種形状により形成可能である。
【0022】
なお、基準容器部2におけるリング部2rの断面形状を、
図1に示すように、偏平な形状に形成すれば、点眼容器Cの容器口部Cnの外周面に形成した螺子部Cnsに対して、ねじ込むことにより装着可能となる。また、基準容器部2を製作するに際しては、一体成形法により成形してもよいし、二部品(一般的には複数部品)の接合により形成してもよく、各種製作方法を適用できる。
【0023】
一方、着色液体3は、水に着色料を添加したシンプルな液体により調製可能である。この着色液体3は、
図3に示すように、基準容器部2の内部に収容して使用する。この場合、着色液体3を収容するに際しては、各種方法を利用することができる。一例として、注射器等により着色液体3を基準容器部2の内部に注入した後、基準容器部2に発生した小孔を塞ぐことにより実施可能である。また、着色液体3の濃さ,及び収容量は、
図5に示すように、基準容器部2を傾斜させることにより、着色液体3を、一方側の深い状態から他方側の浅い状態に片寄らせた際に、
図6に示すように、底面部2d側(滴下口Co側)から見たときに、一方側から他方側,又は底面部2dのリング方向Frに濃淡が明確に生じ、又は着色有無が生じるように設定する。
【0024】
次に、本発明の変更実施形態に係る基準器1の構成について、
図8-
図9を参照して説明する。
【0025】
変更実施形態に係る基準器1は、
図1に示した基準器1に対して、基準器1全体の外径をより小さく選定した。即ち、基準容器部2におけるリング部2rの断面形状をより円形に近い小判形状Sdに形成し、さらに、基準容器部2の外周部2fにおける底面部2dの位置に、この底面部2d側(滴下口Co側)から見たときに、一対の離間した基準部4p,4qにおける相対的な形状が、当該基準部4p,4qを通る基準線Lhsに平行な平行線Lh上の位置に従って変化する第二基準機能部5を設けたものである。
【0026】
一例として、
図8及び
図9に示した第二基準機能部5は、点眼容器Cの前後方向(薄厚方向)の両側位置Xp,Xqに、例えば、円部11p,11qを設け、各円部11p,11qの中心位置に、例えば、
図8に示す上広がりとなる逆円錐形のポスト12p,12qを直角に起設することにより構成した。この場合、
図9に示すように、例えば、円部11p,11qの上面を白色に着色し、ポスト12p,12qの上端面を黒色に着色することにより、より視認性を高めることが望ましいが、その他、円部11p,11qを線により描き、ポスト12p,12qの上端面を無地にする場合であってもよく、要は、円部11p,11qとポスト12p,12qの上端面を視覚的に識別できればよい。これにより、基準部4p,4qを通る基準線Lhsに平行な平行線Lh上の位置から底面部2d側(滴下口Co側)を見たときに、一対の離間した基準部4p,4qにおける相対的な形状、即ち、円部11p,11qとポスト12p,12qの上端面がそれぞれ左右対称に見えれば、基準位置にセッティングされることになる(
図12参照)。
【0027】
なお、第二基準機能部5を構成する基準部4p,4qは、各種形態により実施することができる。前述した
図7(b)に示したリング部2rの断面形状を角形(四角形)に形成し、外側の側面部をそれぞれ基準部4p,4qとして利用することも可能である。また、
図7(c)に示すように、各位置Xp,Xqのそれぞれの底面部2dに、二つの起立した板状の規律部14pa,14pb,14qa,14qbを利用することも可能である。いずれの場合も見る位置により対称性が変化するため、対称となる位置を容易に判別することができる。
【0028】
このように、基準容器部2を構成するに際し、点眼容器Cへの装着時に、滴下口Co側から見たときに、一対の離間した基準部4p,4qにおける相対的な形状が、当該基準部4p,4qを通る基準線Lhsに平行な平行線Lh上の位置に従って変化する第二基準機能部5を、外周面2f上に設ければ、使用時に、点眼容器Cの傾斜(角度)の矯正に加え、第二基準機能部5による水平方向の位置に対する矯正を加えることができるため、目薬Weを、目Ehの定位置Xsに対して、より正確に滴下することができる。
【0029】
次に、本実施形態に係る基準器1の使用方法及び機能について、
図10-
図12を参照して説明する。
【0030】
図10-
図12は、
図1に示した点眼容器Cに、
図8及び
図9に示した変更実施形態に係る基準器1を装着した例を示す。この場合、点眼容器Cの容器口部Cnの外周面に形成した螺子部Cnsに対して、基準器1を、ねじ込むことにより装着可能である。なお、基準器1の基準容器部2を弾性の大きい素材により形成した場合には、そのまま押し込むことにより装着可能である。この際、
図8に示すように、基準器1を点眼容器Cの肩部に当接させるとともに、一対の基準部4p,4qは、点眼容器Cの前後方向(薄厚方向)の両側位置Xp,Xqに位置するようにセットする。
【0031】
そして、使用時には、次のように操作を行う。今、使用者が、基準器1を装着した点眼容器Cを使用して目Ehに目薬Weを滴下する場合を想定する。
図10は、初期の状態を示す。この場合、目Ehに対して、点眼容器Cの角度は垂直線Lvに対して傾斜するとともに、水平線(基準線Lhsに対する平行線)Lh方向の位置も目Ehに対してズレている状態となっている。したがって、この状態で点眼しても、目薬Weは矢印Fu方向に滴下してしまうため目Ehには点眼されない。
【0032】
このため、使用者は、
図11に示すように、基準容器部2内の着色液体3を目Ehで確認し、全体がリング状になり、かつ均一な濃淡状態になるようにセッティングする。これにより、点眼容器Cを、垂直線Lvに対してほぼ平行になるように、角度の矯正を行うことができる。したがって、この矯正は、
図1に示した基準器1を装着した場合にも、同様に行うことができる。なお、基準容器部2の形状,又は着色液体3の収容量が少ない場合には、僅かな傾斜でも着色液体3が一方側に片寄るため、着色液体3の濃淡のみならず着色有無によっても角度の矯正は可能である。
【0033】
一方、
図11に示すように、角度の矯正が終了したなら、水平線Lh方向における位置の矯正を行う。即ち、この状態では、
図11に示すように、目Ehと滴下口Coは、水平線Lh方向においてオフセットした状態(ズレた状態)となる。また、この際、目Ehで、底面部2d側(滴下口Co)側から基準部4p,4qを見た場合、円部11p,11qとポスト12p,12qの上端面の関係は、
図11に抽出して示した底面図のように、円部11pとポスト12pが組合わさった基準部4pの形状と円部11qとポスト12qが組合わさった基準部4qの形状は非対称となる。
【0034】
このため、点眼容器Cを前後方向、即ち、基準部4p,4qを通る基準線Lhsに平行な平行線Lh上を変位させれば、
図12に示すように、目Ehの定位置Xsの真上に位置させることができる。この場合、
図12に抽出して示した底面図のように、円部11pとポスト12pが組合わさった基準部4pの形状と円部11qとポスト12qが組合わさった基準部4qの形状は対称になるため、その位置を容易に確認することができる。この状態が
図12に示す位置となる。よって、この位置で点眼容器Cから目薬Weを滴下させれば、目Ehの真上から目Ehの中心付近となる定位置Xsに着眼させることができる。
【0035】
このように、本実施形態に係る基準器1は、基本的な構成として、目薬Weを収容した点眼容器Cに着脱し、この点眼容器Cへの装着時に、当該点眼容器Cに収容した目薬Weを目Ehの定位置Xsに滴下する基準器であって、内部中空のリング状に形成し、かつ点眼容器Cに設けた先端に滴下口Coを有する容器口部Cnの外周位置に着脱可能に形成した透明な基準容器部2,及びこの基準容器部2の内部に収容し、点眼容器Cへの装着時に、当該点眼容器Cを垂直線Lvに対して傾斜させた際に、基準容器部2が一体に傾斜し、滴下口Co側から見たときに、当該基準容器部2の底面部2dのリング方向Frに、傾斜に対応した濃淡又は着色有無が生じる着色液体3を備えて構成したため、点眼容器Cには、市販されている一般的な目薬の容器にそのまま装着して使用できる。したがって、一つの基準器1を、各種の目薬に利用できるなど、汎用性に優れる。また、点眼容器Cから離脱した際には、独立した単一の基準器となるため、保管性及び携帯性に優れるとともに、シンプルな構成となるため、小型かつ低コストに実施できる。
【0036】
しかも、点眼容器Cにおける先端に滴下口Coを有する容器口部Cnに装着するため、使用時には、基準器1を、目Ehで直接視認することができる。したがって、視界に邪魔がなく、容易かつ確実に見ることができるなど、基準器としての有効性に優れ、より効果的に利用することができる。
【0037】
以上、変更例を含む好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0038】
例えば、基準容器部2は、所定の弾性を有する透明なプラスチック素材Psにより形成することが望ましいが、特定の基準容器部2に使用する場合には、硬質のプラスチック素材Psにより形成し、嵌め込み式等により着脱させることも可能である。また、目薬Weは、一般的な目薬は勿論のこと、洗眼剤等、目Ehに滴下する各種の液体を含む概念である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係る点眼容器用基準器は、市販の目薬や病院等から処方される目薬を収容する各種の点眼容器に着脱し、装着時に当該点眼容器に収容した目薬を目の定位置に滴下するための基準器として利用できる。
【符号の説明】
【0040】
1:点眼容器用基準器,2:基準容器部,2d:基準容器部の底面部,2f:外周面,3:着色液体,4p:基準部,4q:基準部,5:第二基準機能部,We:目薬,C:点眼容器,Co:滴下口,Cn:容器口部,Eh:目,Xs:定位置,Lv:垂直線,Lh:平行線,Lhs:基準線,Fr:リング方向,Ps:プラスチック素材
【要約】
【課題】 汎用性を高めて各種の点眼容器に利用可能にするとともに、小型かつ低コストに実施可能にして保管性及び携帯性を高める。しかも、基準器としての有効性を高め、より効果的に利用可能にする。
【解決手段】 内部中空のリング状に形成し、かつ点眼容器Cに設けた先端に滴下口Coを有する容器口部Cnの外周位置に着脱可能に形成した透明な基準容器部2,及びこの基準容器部2の内部に収容し、点眼容器Cへの装着時に、当該点眼容器Cを垂直線Lvに対して傾斜させた際に、基準容器部2が一体に傾斜し、滴下口Co側から見たときに、当該基準容器部2の底面部2dのリング方向Frに、傾斜に対応した濃淡又は着色有無が生じる着色液体3を備える。
【選択図】
図1